JP2006049085A - 発光体装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 太陽電池による電力で発光する装置で、外部光から見た面の面積に占める発光部の面積を大きくできる発光体装置を提供する。
【解決手段】 電気エネルギーによって発光する発光部20と、一方面が外部光に面する受光面とされ、他方面が発光部20に対面し、受光面に入射した外部光を電気エネルギーに変換するとともに、発光部20が発光した光を透過する太陽電池10とが設けられている発光体装置100とした。
【選択図】 図1

Description

本発明は発光体装置に関する。
近年、公共の場において夜間の歩行安全や景観を高めるため、地面や床、壁面などに発光体を設置した例が増加している。これらの発光体設置の施工には、電気工事のためにアスファルトを切断したり、厳重に防水処理された電気配線の敷設などが必要であった。
従来技術1として特許文献1には太陽電池によって発電した電力を電気二重層コンデンサに蓄積し、その蓄積電力で面状発光体を発光させる発光タイルが開示されている。また従来技術2として特許文献2には太陽電池によって発電した電力を利用して発光ダイオードを発光させる発光体装置が開示されている。特許文献1、2では、煩雑かつ高額な電気工事が不要であるとともに、電力を購入する必要がなくランニングコストがほとんど必要ないメリットがある。
特開2000−290945号公報(請求項1) 特開2000−340004号公報(請求項3) しかしながら、従来技術1、2では銀の集電線やタブをつけた黒色の単結晶シリコン太陽電池や同じ方法で作製した青色の多結晶シリコン太陽電池を用い、発光体の横や周囲に太陽電池を設置している。このため、外観に違和感があり、発光体自身の面積が大きくできないという問題点がある。また夜間発光する場合も発光しない太陽電池との間で境界ができ、隣接する発光体自身がシームレスな発光ができない問題がある。図10は従来技術1の発光体装置を一直線上に配置した場合の図である。9個の発光体装置50が一直線上の配置されている。発光体装置50の中央の白抜き部分が面状発光体52であり、周辺の黒塗り部分(図10では引き出し線が見えるように灰色で示している。図11〜13も同様である。)が太陽電池51である。この夜間の状態を図11に示す。太陽電池51が存在するため発光部分は飛び飛びになっており、シームレスな発光はできない。このため明白な直線とは認識できない。図12は従来技術1の発光体装置で文字TFを描くように配置した場合の図である。それぞれ8個の発光体装置50でTとFの文字が構成されている。図10と同様に、発光体装置50の中央の白抜き部分が面状発光体52であり、周辺の黒塗り部分が太陽電池51である。この夜間の状態を図13に示す。やはり太陽電池51が存在するため発光部分は飛び飛びになっており、シームレスな発光はできない。このためTFという文字が認識しづらい。このように従来技術では文字や紋様の認識率が低かったりや意匠性に劣るという問題点があり、用途が拡大しなかった。これを解決するために、発光体装置の表示面すなわち太陽光(外部光)から見た面の面積に占める発光部の面積を大きくすることが必要である。
本発明は上記課題を解決したもので、太陽電池による電力で発光する装置で、外部光から見た面の面積に占める発光部の面積を大きくできる発光体装置を提供する。
上記技術的課題を解決するために、請求項1の発明では、電気エネルギーによって発光する発光部と、一方面が外部光に面する受光面とされ、他方面が前記発光部に対面し、前記受光面に入射した外部光を電気エネルギーに変換するとともに、前記発光部が発光した光を透過する太陽電池とが設けられていることを特徴とする発光体装置としている。
請求項2の発明では、さらに、前記太陽電池で変換された電気エネルギーを蓄える蓄電部が設けられ、該蓄電部に蓄えられた電気エネルギーによって前記発光部を発光させることを特徴とする請求項1記載の発光体装置としている。
請求項3の発明では、前記太陽電池が色素増感型太陽電池であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の発光体装置としている。
請求項4の発明では、前記太陽電池が穿孔加工されたアモルファスシリコン太陽電池であることを特徴とする請求項1または請求項2に発光体装置としている。
請求項5の発明では、さらに、外部の変化を感知するセンサが設けられていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の発光体装置としている。
請求項6の発明では、前記センサとして、前記外部光を感知するセンサ、人体を検知するセンサ、音を感知するセンサ、振動を感知するセンサのうち少なくともいずれか一つのセンサが設けられていることを特徴とする請求項5記載の発光体装置としている。
請求項1の発明によれば、発光部の発光した光が太陽電池を透過するので、外部光から見て太陽電池の後方に発光部を配置でき、スペース効率を向上できるという効果がある。すなわち外部光から見た発光体装置の面における発光部の占める面積の割合は大きくできる。これにより、複数の発光体装置をならべて配置し発光させた場合、シームレスな表示が可能となる。
請求項2の発明によれば、蓄電池が設けられているので、太陽電池で発電した電気エネルギーを発電時以外の時間にも利用できるという効果がある。これにより昼間発電し、その電力だけを使用して夜間の適当な時間に発光するようにできる自発光体にできるので、外部からの配電設備が不要となる。
請求項3の発明によれば、太陽電池が色素増感型太陽電池であるので、スクリーン印刷で電池部が製造可能なため、形状の自由度が大きいという効果がある。また、色素の選択により、発光しないときも意匠性に優れているとともに、発光時には色素の色と発光色の複合した色調を発現できるという効果がある。
請求項4の発明によれば、太陽電池が穿孔加工されたアモルファスシリコン太陽電池であるので、孔の開口率により発光に明るさを制御したり、穿孔のパターンで光の紋様などを作り出せるという効果がある。
請求項5の発明によれば、外部の変化を感知するセンサが設けられているので、外部の状態に応じて発光を制御できるという効果がある。
請求項6の発明によれば、センサとして、前記外部光を感知するセンサ、人体を検知するセンサ、音を感知するセンサ、振動を感知するセンサのうち少なくともいずれか一つのセンサを使用しているので、目的に応じて発光を制御できるという効果がある。例えば、外部光を感知するセンサによって現在昼間か夜間か判断できる。人体を検知するセンサによって、人が近づいたときだけ発光させるように制御できる。音や振動を感知するセンサによって人を検知して案内したり、侵入者や侵入動物を感知して脅すこともできる。振動を感知するセンサによって地震時の案内に使用することもできる。これらのセンサは一つで使用しても、複数組み合わせても良い。
以下、本発明の実施例について、図面に基づいて説明する。
図1は実施例1の発光体装置を説明する概略断面図である。この発光体装置100は、ベース1、カバー2、太陽電池10、面状発光部20、蓄電部30、回路基板40、制御部41、日射センサ42などから構成されている。ベース1はアルミ製であり、この上に蓄電部30、制御部41が設けられている。ベース1の上面には回路基板40が設けられ、回路基板40の上に面状発光部20が設けられている。面状発光部20上に太陽電池10が当接して設けられている。カバー2は透光性を有するポリカーボネートで形成されている。カバー2は太陽光を受光する窓の役割を持っている。ベース1とカバー2によって発光体装置の機器類を収納する筐体となっており、ベース1の周辺部でカバー2と当接し、シール部材3によってシールされている。
図2は太陽電池10の1セルの概略断面図である。太陽電池10は色素増感型太陽電池であり、光電極11、対極12、電解質部13およびシール部材14などから構成されている。光電極11は、透光性基板11aと透明導電膜11bと光電変換活物質層11cから構成され、透光性を有している。対極12は透光性基板12aと透明導電膜12bから構成され、透光性を有している。透光性基板11aや透光性基板12aはガラスや透明樹脂など透光性に優れている材料が使用される。透明導電膜11bや透明導電膜12bは酸化インジウムと酸化スズの化合物やフッ素ドープの酸化スズなどの透光性と導電性に優れた蒸着膜が使用される。透明導電膜12b上には白金触媒粒子12cが担持されている。光電変換活物質層11cには色素を吸着した酸化チタン(一般的にはアナターゼ)粒子層が使用される。電解質部13としては、電子を放出して酸化され対極から電子を獲得し還元される、例えばI/I3−などのような酸化還元対を含み、それらが移動しやすい電解液が使用される。電解質部13は溶液であるので、光電極11と対極12の周囲がシール部材14によってシールされ液漏れを防止している。電解質部13は透光性を有している。光電極11、対極12、電解質部13はいずれも透光性を有しているので、太陽電池10は透光性を有している。
図3は面状発光部20の概略断面図である。面状発光部20はEL(エレクトロルミネッセンス)素子であり、透明電極21、背面電極22、発光層23などから構成されている。透明電極21、発光層23、背面電極22の順に積層され、透光性を有するシール部材24によって覆われている。透明電極21と背面電極22にはリード線25、26によって交流電圧が印加されることによって発光層23が発光する。発光層23には高誘電率バインダ中に蛍光体を分散したものが使用される。
太陽電池10は光電極11を受光面として外部光側に面するように、すなわちカバー2側に面するように設けられている。太陽電池10の対極12側が面状発光部20の透明電極21側に当接し、対面されている。
蓄電部30は太陽電池10が発電した電力を蓄電し、この蓄電された電力を使用して面状発光部20を発光させる。日射センサ42は発光体装置100の外部の変化を感知するセンサであり、外部の変化として外部光を感知するために日射量を計測するセンサである。
回路基板40、制御部41には太陽電池10で発電した電力を蓄電部30に蓄電する充電回路、面状発光部20に対し蓄電部30の電力をEL発光のために高周波に変換して放電するインバータを含む放電回路、日射センサ42が計測した日射量に日射量に応じ面状発光部20の点灯をON/OFFさせる回路などが設けられている。すなわち、日射センサ42は常時日射量を計測しており、予め決められた所定日射量以上である場合に夜間と判断し面状発光部20を点灯し、所定日射量より小さい場合に昼間と判断し面状発光部20を消灯するように制御する。
本発光体装置100は屋外に設置される。昼間には太陽光が外部光としてカバー2を介して太陽電池10に入射される。太陽電池10では受光した太陽光が電気エネルギーに変換される。この電気エネルギーは蓄電部30に蓄えられる。このとき面状発光部20は消灯されている。一方、夜間には蓄電部30に蓄えられた電気エネルギーによって面状発光部20が発光させる。このように本発光体装置100は、昼間太陽電池で充電し、夜間一定の明るさより暗くなると自動的に点灯する自発光体である。
太陽電池10が透光性を有しているので、面状発光部20が発光した光は太陽電池10を透過してカバー2を介して発光体装置100の外部に放射される。太陽電池10が透光性を有しているので、外部光から見て太陽電池10の後方に面状発光部20を配置することができ、面状発光部20が発光体装置100の発光面(カバー2の前面)とほぼ同じ面積を占めることができ、スペース効率に優れた発光体装置となっている。
この発光体装置100の発光試験を行った。試験に使用した太陽電池10は100mm×100mmの大きさで10セル直列に内部接続された色素増感型太陽電池のモジュールであり、JIS C 8935の基準状態に準じた測定で250mWの出力を有するものである。太陽電池10は下記に示すようにして製造した。
透明導電膜が付与された1対のガラス基板を用意した。その一方のガラス基板をセル形状や数に合わせて絶縁のためスクライブを行った。その一つの基板の透明導電膜上に平均粒子径約10nmの酸化チタンの超微粒子(TiO)を分散、ペースト化し焼成後約5μmになるよう膜厚を制御してスクリーン印刷を行った。これを焼成後、酸化チタン粒子層に増感色素としてRu錯体[Ru(4,4’−dicarboxylate−2,2’−bipyridil)(NCS)]を吸着させた。
他方のガラス基板には透明導電膜に白金(Pt)触媒微粒子を担持し、セル形状や数に合わせて絶縁のためスクライブを行った。また電解液の注入ができるようセル毎に穴を穿孔し注入口を形成した。その後それぞれのセルが内部で直列に接続するように、第1のセルの対極から隣り合うセルの光電極を導電性粒子を含むシール材料でつなぎ合わせ、それを第10のセルまで繰り返した。その周囲をアイオノマー系熱融着剤で貼り合わせた。このアイオノマー系熱融着剤がシール部材となる。
酸化還元対であるヨウ化物イオン(I)/(I3−)を電解質として含む電解液MPN(メトキシプロピオニトリル)をセル背面にある電解液の注入口から注入し、最後にアイオノマー系熱融着剤をラミネートしたガラス片を注入口にあて熱融着で封止した。セルの可視光透過率は600nmで13.9%、700nmで50.3%であった。セルの光電変換効率は光の透過率が高くしたため、さほど高くならず3.8%であった。
蓄電部30には1つが2000mAhの容量を持つニッケル水素電池を3直列で使用した。面状発光部20には太陽電池10と同じ面積のEL素子を使用した。用いたEL素子に、蓄電部30に用いたニッケル水素電池からインバータを介し交流100Vに昇圧させ、60Hzで6mAの電流を流したところ、発光輝度40cd/mの均一感のある面状発光体となっていた。
この発光体装置100の発光輝度を測定したところ、EL素子単体の発光輝度40cd/mの約1/8の5〜6cd/mであった。発光したEL素子の光が太陽電池10の吸収や反射、カバー2の吸収・反射・屈折などによって約1/8になったものと考えられる。しかし、この発光輝度でも夜間には発光体装置として十分に認識できるものであり、夜間の景観の向上だけでなく、位置や境界の区分、段差等の認知ができ、歩行者の安全性を向上できるものであった。
実施例2の発光体装置は、太陽電池10として穿孔加工したアモルファスシリコン太陽電池を用い、蓄電部30として1つが800mAhの容量を持つニッケル水素電池を7直列で用いた以外は実施例1と同様の構成である。太陽電池10のアモルファスシリコン太陽電池は基板が樹脂製でフレキシブルなものである。アモルファスシリコン太陽電池自身にはΦ150μmの微細な孔が開口率35%になるように穿孔加工されている。この太陽電池10は100mmX100mmの大きさで15セル直列に内部接続されたモジュールであり、JIS C 8935の基準状態に準じた測定で325mWの出力を有している。面状発光部20のEL素子に蓄電部30に用いたニッケル水素電池からインバータを介し交流100Vに昇圧させ、60Hzで6mAの電流を流したところ、発光輝度40cd/mの均一感のある面状発光体がとなっていた。
この発光体装置の発光輝度を測定したところ、EL素子単体の発光輝度40cd/mの約1/5の8〜10cd/mであった。太陽電池10の穿孔した開口部からの通過であること、ポリカの吸収・反射・屈折などで約1/5になったものと考えられた。しかし、この発光輝度でも夜間には発光体装置として十分に認識できるものであり、夜間の景観の向上だけでなく、位置や境界の区分、段差等の認知ができ、歩行者の安全性を向上できるものであった。
実施例3の発光体装置は、面状発光体20として光導波路機能を有する透光性プレートを発光ダイオード(LED)で照明する光導波路式発光体を用いた以外は実施例1と同様の構成である。図4は光導波路式発光体の概略断面図であり、図5は光導波路式発光体の平面図である。光導波路機能を有する透光性プレート27の周囲に4個のLED28が図4、5のように配置されている。発光されたLED28の光が透光性プレート27に入射されると、光導波路機能によって透光性プレート27全体に行き渡り、透光性プレート2全体がほぼ均一に光っている状態となる。透光性プレート27の太陽電池10に対面する面の面積は太陽電池10の面積と同じとした。LED28に蓄電部30から20mA/個の電流を流したところ、透光性プレート27の平均輝度30cd/mであった。
この発光体装置の発光輝度を測定したところ、透光性プレート27の発光輝度30cd/mの約1/8の4cd/mであった。発光したEL素子の光が太陽電池10の吸収や反射、カバー2の吸収・反射・屈折などによって約1/8になったものと考えられる。しかし、この発光輝度でも夜間には発光体装置として十分に認識できるものであり、夜間の景観の向上だけでなく、位置や境界の区分、段差等の認知ができ、歩行者の安全性を向上できるものであった。
実施例4の発光体装置は、太陽電池10として実施例2と同様の穿孔加工したアモルファスシリコン太陽電池を用い、面状発光体20として実施例3と同様の光導波路式発光体を用い、蓄電部30として実施例2と同様の1つが800mAhの容量を持つニッケル水素電池を7直列で用いた以外は実施例1と同様の構成である。面状発光体20のLED28に蓄電部30から20mA/個の電流を流したところ、透光性プレート27の平均輝度30cd/mであった。
この発光体装置の発光輝度を測定したところ、透光性プレート27の発光輝度30cd/mの約1/6の5cd/mであった。発光したEL素子の光が太陽電池10の吸収や反射、カバー2の吸収・反射・屈折などによって約1/6になったものと考えられる。しかし、この発光輝度でも夜間には発光体装置として十分に認識できるものであり、夜間の景観の向上だけでなく、位置や境界の区分、段差等の認知ができ、歩行者の安全性を向上できるものであった。
図6は実施例の発光体装置を一直線上に配置した場合の図である。発光体装置100は実施例1〜4のいずれかの発光体装置である。9個の発光体装置100が一直線上の配置されている。これの夜間の状態を図7に示す。発光体装置100全体が発光するので、シームレスな発光ができ、明白な直線として認識できる。図8は実施例の発光体装置で文字TFを描くように配置した場合の図である。これの夜間の状態を図9に示す。発光体装置100全体が発光するので、シームレスな発光ができ、TFという文字が明瞭に認識できる。このように、本発明の発光体装置を使用すれば、文字や紋様の認識率が高く、意匠性にも優れている。
以上のように、本発明は透光性を有する太陽電池を使用しているので、、外部光から見て太陽電池の後方に発光部を配置しても発光部が発光した光を外部に放射できるので、太陽電池での発電と発光部が両立した発光体装置のスペース効率を向上できる。また外部光から見た太陽電池と発光部の面積を同じにできるので、複数の発光体装置を使用してもシームレスな発光表示が得られる。蓄電部を内蔵し、太陽電池で発電した電力を蓄積し、その電力によって発光部を発光させれば、外部配線の必要がない自発光体ができる。蓄電池を使用せずに、外部電力と太陽電池によって発光部を発光させてもよい。昼間に発光して表示する場合には、太陽電池の発電分だけ消費電力を節約できる。
なお、実施例ではアモルファスシリコン太陽電池はΦ150μmの孔を開口率35%になるように穿孔加工しているが、これに限定されるものではない。孔径の最小径としては50μm、70μm、100μm、120μmが例示できる。孔径が小さすぎると加工が難しくなる。孔径の最大径としては200μm、250μm、300μmが例示できる。孔径が大きすぎると発光輝度の均一性が悪くなる。開口率は使用目的に応じて適宜選択すればよいが、10〜60%が望ましい。さらに望ましくは20〜50%、30〜45%がよい。開口率が小さいと光の透過率が小さくなり、発光輝度が小さくなる。開口率が大きすぎると加工が難しくなるとともに、太陽電池の強度が小さくなる。
実施例では外部の変化を感知するセンサとして、外部光を感知する日射センサを使用したが、人体を検知するセンサ、音を感知するセンサ、振動を感知するセンサなど外部の変化を感知するセンサならどれでも適用できる。またこれらのセンサを複数組み合わせて使用してもよい。人体を検知するセンサとしては人間の発する赤外線を検知する赤外線センサがある。音を感知するセンサとしてマイクを用いたセンサがある。音や振動を感知するセンサとして圧電センサがある。これらのセンサの出力に応じて発光部のON/OFFを制御する。例えば、日射センサと人体検知センサを組み合わせて、昼間蓄電した電力によって、夜間に人が近づいたときだけ予め決められた所定時間だけ発光部を点灯するよう制御する。これにより消費電力を節約できるとともに、足元照明として歩行の安全性を確保できる。なお、日射センサの代わりに太陽電池自身を使用してもよい。
実施例では、外部光から見た発光部の面積を太陽電池と同じとしたが、特に限定されない。例えば、複数の発光部を太陽電池の後方に配置して文字や紋様など表したり、一つの発光部の形状を表したい文字や紋様とすることができる。発光部の面積が太陽電池の面積と同じか、大きい場合は複数の発光体装置を使用した場合、シームレスな表示が可能となる。発光部の面積が太陽電池の面積と同じであれば、太陽電池にも発光部にも無駄な面積がなく、スペース効率を最大にできる。
実施例では蓄電部としてニッケル水素電池を使用したが、電気二重層コンデンサ、ニッケル−カドニウム電池、リチウムイオン電池など蓄電できる装置なら何でも利用できる。実施例ではカバー2の表面について特に触れていないが、外表面に凹凸やエンボス加工しておけば、雨天歩行時のスリップ防止できたり、水はけを良くすることができる。
本発明は、道路、駐車場、公園、ビル、家屋、店舗などの地面、鉛直面で夜間の位置表示や、ステップの識別、標識、看板、装飾など、光を必要とするところに利用できる。具体的には、夜間安全歩行のための歩道や歩道橋の段差や階段のステップの識別、夜間安全歩行のための歩道と側溝の識別、歩道と用水路などの識別、非難誘導灯、玄関のアプローチ装飾、広場・公園の床装飾、店舗の発光看板、車の走行・駐車の車線・位置の識別、発光ガードレール、標識、店舗のアプローチ、看板、表札、外壁タイルの電飾、窓枠の防犯発光などに利用できる。
実施例1の発光体装置を説明する概略断面図 色素増感型太陽電池の1セルの概略断面図 面状発光部の概略断面図 光導波路式発光体の概略断面図 光導波路式発光体の平面図 実施例の発光体装置を一直線上に配置した場合の図 実施例の発光体装置を一直線上に配置した場合の夜間の状態の図 実施例の発光体装置で文字TFを描くように配置した場合の図 実施例の発光体装置で文字TFを描くように配置した場合の夜間の状態の図 従来技術1の発光体装置を一直線上に配置した場合の図 従来技術1の発光体装置を一直線上に配置した場合の夜間の状態の図 従来技術1の発光体装置で文字TFを描くように配置した場合の図 従来技術1の発光体装置で文字TFを描くように配置した場合の夜間の状態の図
符号の説明
10…太陽電池
20…面状発光部(発光部)
30…蓄電部
42…日射センサ(センサ)
100…発光体装置

Claims (6)

  1. 電気エネルギーによって発光する発光部と、
    一方面が外部光に面する受光面とされ、他方面が前記発光部に対面し、前記受光面に入射した外部光を電気エネルギーに変換するとともに、前記発光部が発光した光を透過する太陽電池とが設けられていることを特徴とする発光体装置。
  2. さらに、前記太陽電池で変換された電気エネルギーを蓄える蓄電部が設けられ、該蓄電部に蓄えられた電気エネルギーによって前記発光部を発光させることを特徴とする請求項1記載の発光体装置。
  3. 前記太陽電池が色素増感型太陽電池であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の発光体装置。
  4. 前記太陽電池が穿孔加工されたアモルファスシリコン太陽電池であることを特徴とする請求項1または請求項2に発光体装置。
  5. さらに、外部の変化を感知するセンサが設けられていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の発光体装置。
  6. 前記センサとして、前記外部光を感知するセンサ、人体を検知するセンサ、音を感知するセンサ、振動を感知するセンサのうち少なくともいずれか一つのセンサが設けられていることを特徴とする請求項5記載の発光体装置。
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