JP2006047631A - 静電荷像現像用トナー及び現像剤、画像形成装置、これを用いたプロセスカートリッジ及び画像形成方法 - Google Patents

静電荷像現像用トナー及び現像剤、画像形成装置、これを用いたプロセスカートリッジ及び画像形成方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2006047631A
JP2006047631A JP2004227854A JP2004227854A JP2006047631A JP 2006047631 A JP2006047631 A JP 2006047631A JP 2004227854 A JP2004227854 A JP 2004227854A JP 2004227854 A JP2004227854 A JP 2004227854A JP 2006047631 A JP2006047631 A JP 2006047631A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
toner
image
developing
image forming
electrostatic
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2004227854A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4260706B2 (ja
Inventor
Koichi Sakata
宏一 坂田
Masaru Mochizuki
賢 望月
Osamu Uchinokura
理 内野倉
Fumihiro Sasaki
文浩 佐々木
Akihiro Koban
昭宏 小番
Yasuo Asahina
安雄 朝比奈
Sonoo Matsuoka
園生 松岡
Hisashi Nakajima
久志 中島
Tomoyuki Ichikawa
智之 市川
Takuya Saito
拓也 斉藤
Shinya Nakayama
慎也 中山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ricoh Co Ltd filed Critical Ricoh Co Ltd
Priority to JP2004227854A priority Critical patent/JP4260706B2/ja
Publication of JP2006047631A publication Critical patent/JP2006047631A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4260706B2 publication Critical patent/JP4260706B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Abstract

【課題】低温定着性を保ったまま、耐熱保存性に優れた現像剤及びトナー、画像形成装置および画像形成方法を提供すること。
【解決手段】少なくとも結着樹脂、無機微粒子、着色剤を含有する静電荷像現像用トナーであって、該トナーが、活性水素基を有する化合物と反応可能な変性ポリエステル系樹脂を含む結着樹脂を有機溶媒中に溶解又は分散させて形成した溶解液又は分散液を得る工程、水系媒体中に前記溶解液または分散液を乳化させ、活性水素基を有する化合物と前記変性ポリエステルを反応させて乳化分散液を得る工程及び該乳化分散液から溶媒を除去する工程によって得られるものであり、前記活性水素基を有する化合物が2官能以上のアミン化合物である静電荷像現像用カラートナー。
【選択図】 なし

Description

本発明は静電荷像現像用トナー及び現像剤、画像形成装置、これを用いたプロセスカートリッジ及び画像形成方法に関する。
電子写真装置や静電記録装置等においては、感光体上に形成された静電潜像にトナーを付着させ、それを転写材に転写し、次いで熱により転写材に定着させ、トナー画像を形成している。また、フルカラー画像形成は一般に黒、イエロー、マゼンタ、シアンの4色のトナーを用いて色の再現を行うものであり、各色について現像を行い、各トナー層を転写材上に重ね合わせたトナー像に加熱し、同時に定着することによって、フルカラー画像を得ている。
ところが、一般に印刷に見慣れたユーザーからすると、フルカラー複写機における画像は未だ満足できるレベルではなく、写真、印刷に迫る高精細性、高解像度を満足するさらなる高画質化が求められており、電子写真画像の高画質化には小粒径で且つ狭い粒径分布を持つトナーを使用することが知られている。
従来から、電気的または磁気的潜像は、トナーによって顕像化されている。静電荷像現像に使用されるトナーは、一般に、結着樹脂中に、着色剤、帯電制御剤、その他の添加剤を含有させた着色粒子であり、その製造方法には、大別して粉砕法と重合法がある。
粉砕法では、熱可塑性樹脂中に、着色剤、帯電制御剤、オフセット防止剤などを溶融混合して均一に分散させ、得られた組成物を粉砕、分級することによりトナーを製造している。粉砕法によれば、ある程度優れた特性を有するトナーを製造することができるが、トナー用材料の選択に制限がある。例えば、溶融混合により得られる組成物は、経済的に使用可能な装置により粉砕し、分級できるものでなければならない。この要請から、溶融混合した組成物は、充分に脆くせざるを得ない。なぜなら脆い組成物でなければ目標とする粒径になるまで粉砕することができないためである。
このため、実際に上記組成物を粉砕して粒子にする際に、高範囲の粒径分布が形成され易く、良好な解像度と階調性のある複写画像を得ようとすると、例えば、粒径5μm以下の微粉と20μm以上の粗粉を分級により除去しなければならず、収率が非常に低くなるという欠点がある。また、粉砕法では、着色剤や帯電制御剤などを熱可塑性樹脂中に均一に分散することが困難である。配合剤の不均一な分散は、トナーの流動性、現像性、耐久性、画像品質などに悪影響を及ぼす。
近年、これらの粉砕法における問題点を克服するために、例えば懸濁重合法(特許文献1)によってトナー粒子を得ることが行われている。しかしながら、懸濁重合法で得られるトナー粒子は球形であるが、クリーニング性に劣るという欠点がある。画像面積率の低い現像・転写では転写残トナーが少なく、クリーニング不良が問題となることはないが、写真画像など画像面積率の高いもの、さらには、給紙不良等で未転写の画像形成したトナーが感光体上に転写残トナーとして発生することがあり、蓄積すると画像の地汚れを発生してしまう。また、感光体を接触帯電させる帯電ローラ等を汚染してしまい、本来の帯電能力を発揮できなくなってしまう。また低温定着性も十分でなく、定着に必要なエネルギーが多く必要で問題であった。
一方、乳化重合法により得られる樹脂微粒子を会合させて不定形のトナー粒子を得る方法が開示されている(特許文献2)。しかし、乳化重合法で得られるトナー粒子は、水洗浄工程を経ても、界面活性剤が、表面だけでなく、粒子内部にも多量に残存し、トナーの帯電の環境安定性を損ない、かつ帯電量分布を広げ、得られた画像の地汚れが不良となる。また、残存する界面活性剤により、感光体や帯電ローラ、現像ローラ等を汚染してしまい、本来の帯電能力を発揮できなくなってしまう等、問題であった。
一方、熱ローラなどの加熱部材を使用して行われる接触加熱方式による定着工程において、加熱部材に対するトナー粒子の離型性(以下、「耐オフセット性」という。)が要求される。ここに、耐オフセット性は、トナー粒子表面に離型剤を存在させることにより向上させることができる。これに対し、特許文献3、特許文献4では樹脂微粒子をトナー粒子中に含有させるだけでなく、当該樹脂微粒子がトナー粒子の表面に偏在していることにより、耐オフセット性を向上する方法が開示されている。しかし、定着下限温度が上昇し、低温定着性即ち省エネ定着性が十分でない問題があった。
また、乳化重合法によって得られる樹脂微粒子を会合させて不定形のトナー粒子を得る方法では、下記のような問題を生じる。つまり耐オフセット性を向上させるために、離型剤微粒子を会合させる場合において、当該離型剤微粒子がトナー粒子の内部に取り込まれてしまい、この結果、耐オフセット性の向上を十分に図ることができない。樹脂微粒子、離型剤微粒子、着色剤微粒子などがランダムに融着してトナー粒子が構成されるので、得られるトナー粒子間において組成(構成成分の含有割合)および構成樹脂の分子量等にバラツキが発生し、この結果、トナー粒子間で表面特性が異なり、長期にわたり安定した画像を形成することができない。さらに低温定着が求められる低温定着システムにおいては、トナー表面に偏在する樹脂微粒子による定着阻害が発生し、定着温度幅を確保できない問題があった。
一方、溶解懸濁法(EA;Emulsion−Aggregation法)という新製法が最近提案されている(特許文献5)。この手法は、懸濁重合法がモノマーから粒子を形成するのに対して、有機溶剤等に溶解したポリマーから造粒する手法で、樹脂の選択範囲の拡大や、極性の制御性等の利点をあげている。またトナーの構造制御(コア/シェル構造制御)が可能という利点を挙げているが、シェル構造は樹脂のみの層で顔料やワックスの表面への露出を低下させることを目的にしており、特に表面状態を工夫したわけではなく、またそのような構造にもなっていない。(第4回 日本画像学会・静電気学会ジョイントシンポジウム(2002.7.29)より)。したがってシェル構造にはなっているがトナー表面は通常の樹脂で特に工夫はなく、より低温定着を目指した際には、耐熱保存性、環境帯電安定性の点で十分でなく問題であった。
また、上記懸濁重合法、乳化重合法、溶解懸濁法いずれもスチレン・アクリル系の樹脂を用いることが一般的で、ポリエステル系樹脂では粒子化に難があり粒径、粒度分布、形状制御が困難であった。またより低温定着を目指した場合に定着性に限界があった。
一方、耐熱保存性、低温定着を目的として、ウレア結合で変性されたポリエステルを使用することも知られているが(特許文献6)、特に表面が工夫されたものでなく、特により条件の厳しい環境帯電安定性の点で十分でなく、問題であった。
また、電子写真の分野では、高画質化が様々な角度から検討されており、中でも、トナーの小径化および球形化が極めて有効であるとの認識が高まっている。しかし、トナーの小径化が進むにつれて転写性、定着性が低下し、貧弱な画像となってしまう傾向が見られる。一方、トナーを球形化することにより転写性が改善されることが知られている(特許文献7)。このような状況の中、カラー複写機やカラープリンタの分野では、さらに画像形成の高速化が望まれている。
高速化のためには「タンデム方式」が有効である(例えば、特許文献8)。「タンデム方式」というのは、画像形成ユニットによって形成された画像を転写ベルトに搬送される単一の転写紙上に順次重ね合わせて転写することにより転写紙上にフルカラー画像を得る方式である。タンデム方式のカラー画像形成装置は、使用可能な転写紙の種類が豊富であり、フルカラー画像の品質も高く、高速度でフルカラー画像を得ることができる、という優れた特質を備える。特に、高速度でフルカラー画像を得ることができるという特質は、他の方式のカラー画像形成装置にはない特有の性質である。一方、球形トナーを用いて高画質化を図りつつ、高速化も達成しようという試みもなされている。しかしながら、より高速化に対応するためには、迅速な定着性が必要とされるが、球形トナーで良好な定着性と低温定着性を兼ね備えたトナーはこれまで実現できていなかった。
また、トナー製造後の保管時、運搬時における高温高湿、低温低湿環境等はトナーにとって過酷な状況にあり、環境保存後においてもトナー同士が凝集せず、帯電特性、流動性、転写性、定着性の劣化のない、あるいは極めて少ない保存性に優れたトナーが要求されている。保存性を上げる手段として変性ポリエステルをトナーバインダーとして用いることが有効である事が知られている(特許文献9)。この手段は低温定着性と耐熱保存性に優れた効果を発揮するが、更なる低温定着、耐熱保存安定性の向上が望まれている。
特開平9−43909号公報 特許第2537503号公報 特開2000−292973号公報 特開2000−292978公報 特許第3141783号公報 特開平11−133667号公報 特開平9−258474号公報 特開平5−341617号公報 特開2003−195554号公報
本発明の目的は数万枚画像を出力した後でも安定して以下を提供することである。
(1)低温定着性を保ったまま、耐熱保存性に優れた現像剤及びトナー、画像形成装置および画像形成方法を提供することである。
(2)クリーニング性を維持しつつ、低温定着システムに対応し、耐オフセット性が良好で、定着装置および画像を汚染することのない現像剤及びトナー、画像形成装置及び画像形成方法を提供することである。
本発明者らは上記問題点に鑑みて、低温定着、耐熱保存安定性のさらなる向上を目的として鋭意検討したところ、決着樹脂の製造過程において2官能以上のアミン化合物を用いることで得られたカラートナーは低温定着性を保ったまま、耐熱保存性を向上できることを見出して本発明に至った。すなわち、本発明は以下に記載する構成を備えている。
なお、本件発明でいうカラートナーとは黒などの無彩色を除く、有彩色のトナーをいう。
(1)少なくとも結着樹脂、無機微粒子、着色剤を含有する静電荷像現像用トナーであって、該トナーが、活性水素基を有する化合物と反応可能な変性ポリエステル系樹脂を含む結着樹脂を有機溶媒中に溶解又は分散させて形成した溶解液又は分散液を得る工程、水系媒体中に前記溶解液または分散液を乳化させ、活性水素基を有する化合物と前記変性ポリエステルを反応させて乳化分散液を得る工程及び該乳化分散液から溶媒を除去する工程によって得られるものであり、前記活性水素基を有する化合物が2官能以上のアミン化合物であることを特徴とする静電荷像現像用カラートナー。
(2)前記2官能以上のアミン化合物が脂環式ジアミンであることを特徴とする上記(1記載の静電荷像現像用カラートナー。
(3)前記着色剤として、下記の構造式を有する顔料を使用することを特徴とする上記(1)、(2)の静電荷像現像用カラートナー。
(4)前記有機溶媒中に、前記活性水素基を有する化合物と反応可能な変性ポリエステル樹脂とともに、更に、前記活性水素基を有する化合物と反応しないポリエステル樹脂が溶解されており、前記活性水素基含有ポリエステル系樹脂と前記活性水素基を有する化合物と反応しないポリエステル樹脂との重量比が5/95〜75/25であることを特徴とする上記(1)〜(3)の静電荷像現像用カラートナー。
(5)離型剤としてワックスを含有することを特徴とする上記(1)〜(4)の静電荷像現像用カラートナー。
(6)前記ワックスのトナー中の含有量が5重量%以上であることを特徴とする上記(1)〜(5)の静電荷像現像用カラートナー。
(7)前記ワックスがカルナバワックスであることを特徴とする上記(5または6に記載の静電荷像現像用カラートナー。
(8)トナーの体積平均粒径Dが4〜8μmであり、体積平均粒径Dvと個数平均粒径Dnの比Dv/Dnが1.00〜1.25であることを特徴とする上記(1)〜(7)の静電荷像現像用カラートナー。
(9)トナー中の体積平均粒径4μm以下の微粉が10%以下であることを特徴とする上記(1)〜(8)の静電荷像現像用カラートナー。
(10)トナーの円形度が0.92〜0.98であることを特徴とする上記(1)〜(9)の静電荷像現像用カラートナー。
(11)上記(1)〜(10)のトナーと磁性粒子からなるキャリアとを含むことを特徴とする2成分系静電荷像現像用現像剤。
(12)感光体上に形成された静電潜像をトナーを含む現像剤で現像する工程、感光体上に形成されたトナー画像を画像支持体上に転写する工程及び転写されたトナー画像を、加熱部材を内包した加熱ローラーと、対向配設された加圧ローラーとからなる定着装置によって定着する工程からなる画像形成方法において、トナーとして上記(1)〜(10)の静電荷像現像用カラートナーを用いることを特徴とする画像形成方法。
(13)感光体上に形成された静電潜像をトナーを含む現像剤で現像する工程、感光体上に形成されたトナー画像を画像支持体上に転写する工程、転写されたトナー画像を、加熱部材を有する加熱回転体と、対向配設された加圧回転体とからなる定着装置によって定着する工程を有する画像形成方法において、トナーとして上記(1)〜(10)の静電荷像現像用カラートナーを用いることを特徴とし、前記定着装置の加熱部材が磁性金属から構成されて電磁誘導により加熱されることを特徴とする画像形成方法。
(14)前記電磁誘導発生手段が加熱回転体の外部に設けられていることを特徴とする上記(13)の画像形成方法。
(15)前記加熱部材が、磁性金属層を有する無端帯状のベルトまたはフィルムであることを特徴とする上記(13)、(14)の画像形成方法。
(16)前記加熱部材が、磁性金属層を有する加熱ローラーであることを特徴とする上記(13)、(14)の画像形成方法
(17)少なくとも、感光体と、感光体を帯電する帯電手段と、感光体上に形成された静電潜像をトナーを含む現像剤で現像する現像手段と、感光体上に形成されたトナー画像を画像支持体上に転写する手段と、転写されたトナー画像を定着するための加熱部材を内包した加熱ローラー及びこれに対向配設された加圧ローラーを備えた定着手段とを有する画像形成装置において、上記(1)〜(10)の静電荷像現像用カラートナーを用いることを特徴とする画像形成装置。
(18)上記(17)の画像形成装置において用いられるプロセスカートリッジであって、感光体と、感光体を帯電する帯電手段、現像手段、クリ−ニング手段より選ばれる少なくとも一つの手段を一体に支持し、画像形成装置本体に着脱自在であることを特徴とするプロセスカ−トリッジ。
本発明は以下の効果を奏する。
(1)低温定着性を保ったまま、耐熱保存性に優れた現像剤及びトナー、画像形成装置および画像形成方法が提供できる。
(2)クリーニング性を維持しつつ、低温定着システムに対応し、耐オフセット性が良好で、定着装置および画像を汚染することのない現像剤及びトナー、画像形成装置及び画像形成方法が提供できる。
以下、本発明について詳述する。ここで、本発明に用いられるトナー、現像剤の製法や材料、および電子写真プロセスに関するシステム全般に関しては条件を満たせば、公知のものが全て使用可能である。
本発明の乾式トナーは以下の方法で製造することができるが勿論これらに限定されることはない。
本発明では活性水素基を有する化合物として2官能以上のアミン化合物を用いる事が好ましい。具体的にはアミン類(B)として、ジアミン(B1)、3価以上のポリアミン(B2)、アミノアルコール(B3)、アミノメルカプタン(B4)、アミノ酸(B5)、及びB1〜B5のアミノ基をブロックしたもの(B6)等が挙げられる。
ジアミン(B1)としては、芳香族ジアミン(フェニレンジアミン、ジエチルトルエンジアミン、4,4’ジアミノジフェニルメタン等);脂環式ジアミン(4,4’−ジアミノ−3,3’ジメチルジシクロヘキシルメタン、ジアミンシクロヘキサン、イソホロンジアミン等);及び脂肪族ジアミン(エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン等)等が挙げられる。
3価以上のポリアミン(B2)としては、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン等が挙げられる。アミノアルコール(B3)としては、エタノールアミン、ヒドロキシエチルアニリン等が挙げられる。アミノメルカプタン(B4)としては、アミノエチルメルカプタン、アミノプロピルメルカプタン等が挙げられる。アミノ酸(B5)としては、アミノプロピオン酸、アミノカプロン酸等が挙げられる。これらの中でも脂環式ジアミン、具体的にはイソホロンジアミンを用いる事が特に好ましい。
アミン類(B)の比率は、イソシアネート基を有するプレポリマー(A)中のイソシアネート基[NCO]と、アミン類(B)中のアミノ基[NHx]の当量比[NCO]/[NHx]として、通常1/2〜2/1、好ましくは1.5/1〜1/1.5、より好ましくは1.2/1〜1/1.2である。[NCO]/[NHx]が上記範囲を外れると、ウレア変性ポリエステルの分子量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化するので好ましくない。
本発明に用いる着色剤としては、特に制限なく従来公知の染料及び顔料が使用でき、例えば、
(着色剤)
本発明のカラートナーに用いる着色剤としては公知の染料及び顔料が全て使用でき、例えば、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミュウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ハンザイエロー(GR、A、RN、R)、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエローBGL、イソインドリノンイエロー、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミュウムレッド、カドミュウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイセーレッド、パラクロルオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーンミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH )、ファストスカーレットVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ポグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロームバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、酸化クロム、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン、酸化チタン、亜鉛華、リトボン及びそれらの混合物が使用できる。
これらの中でもイエロー顔料を用いることが長期保存性の観点から好ましく、さらにピグメントイエロー155を用いる事が好ましい。
着色剤の含有量はトナーに対して通常1〜15重量%、好ましくは3〜10重量%である。
本発明で用いる着色剤は樹脂と複合化されたマスターバッチとして用いることもできる。マスターバッチの製造またはマスターバッチとともに混練される樹脂としては、前記結着樹脂から選択されたものから用いられる。
本マスターバッチはマスターバッチ用の樹脂と着色剤とを高せん断力をかけて混合、混練してマスターバッチを得る事ができる。この際着色剤と樹脂の相互作用を高めるために、有機溶剤を用いる事ができる。またいわゆるフラッシング法と呼ばれる着色剤の水を含んだ水性ペーストを樹脂と有機溶剤とともに混合混練し、着色剤を樹脂側に移行させ、水分と有機溶剤成分を除去する方法も着色剤のウエットケーキをそのまま用いる事ができるため乾燥する必要がなく、好ましく用いられる。混合混練するには3本ロールミル等の高せん断分散装置が好ましく用いられる。
本発明のトナーの製造はまず変性ポリエステルを含有するバインダー、着色剤、ワックス及び顔料などからなる油相と樹脂微粒子、溶剤などからなる水相とをパイプラインホモミキサー内において乳化する。その後収斂、脱溶剤を経て遠心分離機やフィルタープレスを用いて粗分離が行なわれる。最後に洗浄を行ないその後乾燥してトナーの製造が完成する。
本発明に用いる変性ポリエステルとしては、ポリエステル樹脂中にエステル結合以外の結合基が存在したり、また、ポリエステル樹脂中に異種の樹脂成分が共有結合、イオン結合等で結合したものが使用できる。例えば、ポリエステル末端にエステル結合以外のものを反応させたもの、具体的には、末端に酸基、水酸基と反応するイソシアネート基等の官能基を導入し、さらに活性水素化合物と反応させて末端を変性したもの等が挙げられる。これらの内、特に好ましいものはウレア結合で変性されたポリエステルである。
ウレア変性ポリエステルとしては、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)とアミン類(B)との反応物等が挙げられる。イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)としては、ポリオール(1)とポリカルボン酸(2)の重縮合物で、且つ活性水素基を有するポリエステルを、さらにポリイソシアネート(3)と反応させた物等が挙げられる。該活性水素基としては、水酸基(アルコール性水酸基及びフェノール性水酸基)、アミノ基、カルボキシル基、メルカプト基等が挙げられるが、アルコール性水酸基が好ましい。
ポリオール(1)としては、ジオール(1−1)及び3価以上のポリオール(1−2)が挙げられ、(1−1)単独、又は(1−1)と少量の(1−2)の混合物が好ましい。ジオール(1−1)としては、アルキレングリコール(エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール等);アルキレンエーテルグリコール(ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール等);脂環式ジオール(1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールA等);ビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS等);上記脂環式ジオールのアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等)付加物;上記ビスフェノール類のアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等)付加物等が挙げられる。
これらの内、好ましいものは、炭素数2〜12のアルキレングリコール及びビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物であり、特に好ましいものはビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物、及びこれと炭素数2〜12のアルキレングリコールとの併用である。3価以上のポリオール(1−2)としては、3〜8価又はそれ以上の多価脂肪族アルコール(グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール等);3価以上のフェノール類(トリスフェノールPA、フェノールノボラック、クレゾールノボラック等);上記3価以上のポリフェノール類のアルキレンオキサイド付加物等が挙げられる。
ポリカルボン酸(2)としては、ジカルボン酸(2−1)及び3価以上のポリカルボン酸(2−2)が挙げられ、(2−1)単独、及び(2−1)と少量の(2−2)の混合物が好ましい。ジカルボン酸(2−1)としては、アルキレンジカルボン酸(コハク酸、アジピン酸、セバシン酸等);アルケニレンジカルボン酸(マレイン酸、フマール酸等);芳香族ジカルボン酸(フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸等)等が挙げられる。これらの内、好ましいものは、炭素数4〜20のアルケニレンジカルボン酸及び炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸である。3価以上のポリカルボン酸(2−2)としては、炭素数9〜20の芳香族ポリカルボン酸(トリメリット酸、ピロメリット酸等)等が挙げられる。尚、ポリカルボン酸(2)として、上記のものの酸無水物又は低級アルキルエステル(メチルエステル、エチルエステル、イソプロピルエステル等)を用いてポリオール(1)と反応させてもよい。
ポリオール(1)とポリカルボン酸(2)との比率は、水酸基[OH]とカルボキシル基[COOH]の当量比[OH]/[COOH]として、通常2/1〜1/1、好ましくは1.5/1〜1/1、より好ましくは1.3/1〜1.02/1である。
ポリイソシアネート(3)としては、脂肪族ポリイソシアネート(テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエート等);脂環式ポリイソシアネート(イソホロンジイソシアネート、シクロヘキシルメタンジイソシアネート等);芳香族ジイソシアネート(トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート等);芳香脂肪族ジイソシアネート(α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネート等);イソシアヌレート類;前記ポリイソシアネートをフェノール誘導体、オキシム、カプロラクタム等でブロックしたもの;及びこれら2種以上の併用が挙げられる。
ポリイソシアネート(3)の比率は、イソシアネート基[NCO]と、水酸基を有するポリエステルの水酸基[OH]の当量比[NCO]/[OH]として、通常5/1〜1/1、好ましくは4/1〜1.2/1、より好ましくは2.5/1〜1.5/1である。[NCO]/[OH]が5より大きいと、トナーの低温定着性が悪化し、一方、[NCO]/[OH]が1より小さいと、変性ポリエステル中のウレア含量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化するので好ましくない。
末端にイソシアネート基を有するプレポリマー(A)中のポリイソシアネート(3)構成成分の含有量は、通常0.5〜40重量%、好ましくは1〜30重量%、より好ましくは2〜20重量%である。ポリイソシアネート(3)構成成分の含有量が0.5重量%より少ないと、トナーの耐ホットオフセット性が悪化すると共に、耐熱保存性と低温定着性の両立が難しくなり、一方、40重量%より多いと、低温定着性が悪化するので好ましくない。該プレポリマー(A)中の1分子当たりのイソシアネート基は、通常1個以上、好ましくは平均1.5〜3個、より好ましくは平均1.8〜2.5個である。1分子当たりのイソシアネート基が1個より少ないと、ウレア変性ポリエステルの分子量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化するので好ましくない。
伸長及び/又は架橋反応時間は、プレポリマー(A)の有するイソシアネート基構造とアミン類(B)の組み合わせによる反応性により異なるが、通常10分〜40時間、好ましくは2〜24時間である。反応温度は、通常0〜150℃、好ましくは40〜98℃である。必要に応じて、ジブチルチンラウレート、ジオクチルチンラウレート等の従来公知の触媒を使用することができる。また、必要に応じて、伸長停止剤を用いてウレア変性ポリエステルの分子量を調整することもできる。伸長停止剤としては、モノアミン(ジエチルアミン、ジブチルアミン、ブチルアミン、ラウリルアミン等)、及びそれらをブロックしたもの(ケチミン化合物)等が挙げられる。
また、本発明においては、変性ポリエステルとして、ウレア結合で変性されたポリエステル中にウレタン結合を含有するものも好ましく用いることができる。ウレア結合含有量とウレタン結合含有量のモル比は、通常100/0〜10/90であり、好ましくは80/20〜20/80、より好ましくは60/40〜30/70である。ウレア結合のモル比が10%より少ないと、トナーの耐ホットオフセット性が悪化するので好ましくない。
本発明に用いるウレア変性ポリエステルは、ワンショット法、プレポリマー法により製造できる。ウレア変性ポリエステルの重量平均分子量は、通常1万以上、好ましくは2万〜1000万、より好ましくは3万〜100万である。この時のピーク分子量は2500〜10000であり、ピーク分子量が2500より小さいと、伸長反応が進行し難いためにトナーの弾性が低下し、耐ホットオフセット性が悪化するので好ましくない。一方、10000より大きいと、定着性が低下すると共に、粒子化や微粉砕が難しくなるので好ましくない。
ウレア変性ポリエステルの数平均分子量は、通常20000以下、好ましくは1000〜10000、より好ましくは2000〜8000である。数平均分子量が20000より大きいと、トナーの低温定着性が悪化し、また、フルカラー装置に用いた場合の光沢性が低下するので好ましくない。
また、本発明においては、バインダーとして、ウレア変性ポリエステルと変性されていないポリエステルとを併用することが好ましい。変性されていないポリエステルを併用することで、ウレア変性ポリエステルを単独使用する場合に比べてトナーの低温定着性が向上し、また、フルカラー装置に用いた場合の光沢性が向上する。尚、変性されていないポリエステルを併用する場合は、ウレア変性ポリエステルの数平均分子量は特に制限されず、上記重量平均分子量が得られる数平均分子量であればよい。
変性されていないポリエステルとしては、上記ウレア変性ポリエステル成分と同種のポリオール(1)とポリカルボン酸(2)との重縮合物等が挙げられ、好ましいものはウレア変性ポリエステルと同種である。変性ポリエステルと変性されていないポリエステルとを類似の組成にすることにより、少なくとも両者の一部が相溶して低温定着性、耐ホットオフセット性が向上する。尚、該ポリエステルとしては、無変性ポリエステルだけでなく、ウレア結合以外の化学結合、例えばウレタン結合で変性されていてもよい。
ウレア変性ポリエステルと変性されていないポリエステルとを併用する場合、両者の重量比は、通常5/95〜80/20、好ましくは5/95〜30/70、より好ましくは5/95〜25/75、さらに好ましくは7/93〜20/80である。ウレア変性ポリエステルの重量比が5%より少ないと、トナーの耐ホットオフセット性が悪化すると共に、耐熱保存性と低温定着性とが悪化するので好ましくない。
変性されていないポリエステルのピーク分子量は、通常2500〜10000、好ましくは3500〜8000、より好ましくは3500〜5000である。ピーク分子量が2500より小さいと、トナーの耐熱保存性が悪化し、一方、10000より大きいと、低温定着性が悪化するので好ましくない。
変性されていないポリエステルの水酸基価は、通常5以上、好ましくは10〜120、より好ましくは20〜80である。水酸基価が5より小さいと、トナーの耐熱保存性と低温定着性が悪化するので好ましくない。また、酸価は、通常1〜5、好ましくは2〜4である。ワックスに高酸価ワックスを使用することから、バインダーは低酸価バインダーとすることが好ましい。帯電性や高体積抵抗が得られ、2成分系トナーには好適となる。
バインダーのガラス転移点(Tg)は、通常40〜65℃、好ましくは45〜60℃である。Tgが40℃より低いと、トナーの耐熱保存性が悪化し、一方、65℃より高いと、低温定着性が悪化する。尚、バインダーとしてウレア変性ポリエステルを使用することにより、従来公知のポリエステル系トナーと比較して、ガラス転移点が低くてもトナーの耐熱保存性が向上する。
着色剤は、樹脂と複合化したマスターバッチとして用いることもできる。マスターバッチの製造に使用される又はマスターバッチと共に混練されるバインダー樹脂としては、上記の変性、無変性ポリエステルの他に、ポリスチレン、ポリp−クロロスチレン、ポリビニルトルエン等のスチレン及びその置換体の重合体;スチレン−p−クロロスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体等のスチレン系共重合体;ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、エポキシ樹脂、エポキシポリオール樹脂、ポリウレタン、ポリアミド、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、脂肪族叉は脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィン、パラフィンワックス等が挙げられ、単独あるいは混合して使用できる。
該マスターバッチは、マスターバッチ用の樹脂と着色剤とを高せん断力をかけて混合、混練して得ることができる。この際、着色剤と樹脂の相互作用を高めるために、有機溶剤を用いることもできる。また、着色剤を含んだ水性ペーストを樹脂と有機溶剤と共に混合混練し、着色剤を樹脂側に移行させ、水分と有機溶剤成分とを除去する方法(フラッシング法)も、着色剤のウエットケーキを乾燥することなく用いることができるため、好ましく用いられる。着色剤と樹脂の混合混練には3本ロールミル等の高せん断分散装置が好ましく用いられる。
また、トナーバインダー、着色剤とともにワックスを含有させることもできる。本発明で用いるワックスとしては公知のものが使用でき、例えばポリオレフィンワッックス(ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックスなど);長鎖炭化水素(パラフィンワックス、サゾールワックスなど);カルボニル基含有ワックスなどが挙げられる。これらのうち好ましいものは、カルボニル基含有ワックスである。
カルボニル基含有ワックスとしては、ポリアルカン酸エステル(カルナバワックス、モンタンワックス、トリメチロールプロパントリベヘネート、ペンタエリスリトールテトラベヘネート、ペンタエリスリトールジアセテートジベヘネート、グリセリントリベヘネート、1,18−オクタデカンジオールジステアレートなど);ポリアルカノールエステル(トリメリット酸トリステアリル、ジステアリルマレエートなど);ポリアルカン酸アミド(エチレンジアミンジベヘニルアミドなど);ポリアルキルアミド(トリメリット酸トリステアリルアミドなど);およびジアルキルケトン(ジステアリルケトンなど)などが挙げられる。これらカルボニル基含有ワックスのうち好ましいものは、ポリアルカン酸エステルである。
本発明で用いるワックスの融点は、通常40〜160℃であり、好ましくは50〜120℃、さらに好ましくは60〜90℃である。融点が40℃未満のワックスは耐熱保存性に悪影響を与え、160℃を超えるワックスは低温での定着時にコールドオフセットを起こしやすい。また、ワックスの溶融粘度は、融点より20℃高い温度での測定値として、5〜1000cpsが好ましく、さらに好ましくは10〜100cpsである。1000cpsを超えるワックスは、耐ホットオフセット性、低温定着性への向上効果に乏しい。トナー中のワックスの含有量は通常0〜40重量%であり、好ましくは3〜30重量%である。
本発明に用いるワックスとしては、ワックス成分としてカルナバワックスを用いることが非常に好ましい。カルナバワックスはカルナバヤシの葉から得られる天然のワックスであるが、特に遊離脂肪酸脱離した低酸価タイプのものが結着樹脂中に均一分散が可能であるので好ましい。また、遊離脂肪酸脱離した低酸価タイプのカルナバワックスは揮発成分が少ないため感光体へのフィルミングや帯電付与部材へのスペントが少ないため特に好ましい。
本発明では、ワックスのトナー内部の含有量が重量換算において5重量%以上であることが特に好ましい。5重量%以下の場合、画質が悪化し光沢が低くなるのみならず、ホットオフセットが発生しやすいため好ましくない。
本発明のトナーには、必要に応じて帯電制御剤を含有させてもよい。帯電制御剤としては、特に制限なく従来公知のものが使用でき、例えばニグロシン系染料、トリフェニルメタン系染料、クロム含有金属錯体染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、4級アンモニウム塩(フッ素変性4級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、燐の単体又は化合物、タングステンの単体又は化合物、フッ素系活性剤、サリチル酸金属塩及び、サリチル酸誘導体の金属塩等である。具体的には、ニグロシン系染料のボントロン03、第四級アンモニウム塩のボントロンP−51、含金属アゾ染料のボントロンS−34、オキシナフトエ酸系金属錯体のE−82、サリチル酸系金属錯体のE−84、フェノール系縮合物のE−89(以上、オリエント化学工業社製)、第四級アンモニウム塩モリブデン錯体のTP−302、TP−415(以上、保土谷化学工業社製)、第四級アンモニウム塩のコピーチャージPSY VP2038、トリフェニルメタン誘導体のコピーブルーPR、第四級アンモニウム塩のコピーチャージ NEG VP2036、コピーチャージ NX VP434(以上、ヘキスト社製)、LRA−901、ホウ素錯体であるLR−147(日本カーリット社製)、銅フタロシアニン、ペリレン、キナクリドン、アゾ系顔料、その他スルホン酸基、カルボキシル基、四級アンモニウム塩等の官能基を有する高分子系の化合物が挙げられる。
荷電制御剤の使用量は、バインダー樹脂の種類、必要に応じて使用される添加剤の有無、分散方法を含めたトナー製造方法によって決定されるので一概には規定できないが、バインダー樹脂100重量部に対し、通常0.1〜10重量部、好ましくは0.2〜5重量部の範囲とする。使用量が10重量部より多いと、トナーの帯電性が大きくなりすぎ、主帯電制御剤の効果を減退させて現像ローラとの静電的吸引力が増大するため、現像剤の流動性低下や画像濃度の低下を招くので好ましくない。上記の着色剤、帯電制御剤は、マスターバッチ、樹脂と共に溶融混練することもできるし、有機溶剤に溶解、分散する際に加えることもできる。
本発明に用いるバインダーの製造方法としては、特に制限されないが、例えば下記の方法を使用することができる。まず、ポリオール(1)とポリカルボン酸(2)とを、テトラブトキシチタネート、ジブチルチンオキサイド等の従来公知のエステル化触媒の存在下、150〜280℃に加熱し、必要により減圧としながら生成する水を溜去して、水酸基を有するポリエステルを得る。次いで、これを40〜140℃に冷却した後、ポリイソシアネート(3)を反応させ、イソシアネート基を有するプレポリマー(A)を得る。さらに、プレポリマー(A)にアミン類(B)を0〜140℃にて反応させ、ウレア結合で変性されたポリエステルを得る。また、変性されていないポリエステルを併用する場合には、上記水酸基を有するポリエステルと同様の方法で変性されていないポリエステルを製造し、これを反応完了後のウレア変性ポリエステル溶液中に溶解し、混合する。
ポリイソシアネート(3)を反応させる際、及びプレポリマー(A)とアミン類(B)を反応させる際には、必要に応じて溶剤を用いることもできる。使用可能な溶剤としては、芳香族溶剤(トルエン、キシレン等);ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等);エステル類(酢酸エチル等);アミド類(ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等)及びエーテル類(テトラヒドロフラン等)等の(3)に対して不活性なものが挙げられる。
水系媒体中でトナー粒子を安定的に形成する方法としては、水系媒体中にウレア変性ポリエステルやプレポリマー(A)を含むトナー原料組成物を加えて、せん断力により分散させる方法等が使用できる。プレポリマー(A)と他のトナー成分である着色剤、着色剤マスターバッチ、ワックス、流動化剤、荷電制御剤、無変性ポリエステル等(以下トナー原料と称す)とは、水系媒体中で分散体を形成させる際に混合することもできるが、あらかじめプレポリマー(A)とトナー原料とを混合した後、得られた混合物を水系媒体中に加えて分散させることが好ましい。尚、該トナー原料は、必ずしも、水系媒体中で粒子を形成する際に全てを混合する必要はなく、粒子を形成せしめた後、個々に添加してもよい。例えば、着色剤を含まない粒子を形成させた後、従来公知の染着方法を用いて着色剤を添加することもできる。
上記の水系媒体中でトナーを製造する方法としては、例えば、下記の方法を用いることができる。用いる水系媒体としては、水単独でもよく、水と混和可能な溶剤を併用してもよい。混和可能な溶剤としては、アルコール(メタノール、イソプロパノール、エチレングリコール等)、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、セルソルブ類(メチルセルソルブ等)、低級ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン等)等が挙げられる。また、トナー粒子は、水系媒体中で、イソシアネート基を有するプレポリマー(A)からなる分散体をアミン類(B)と反応させて形成してもよいし、あらかじめ製造したウレア変性ポリエステルを用いて形成してもよい。
水系媒体中でのトナー原料組成物の分散方法としては、特に制限されず、低速せん断式、高速せん断式、摩擦式、高圧ジェット式、超音波等の従来公知の方法が使用できるが、分散体の粒径を2〜20μmにするために高速せん断式を使用することが好ましい。高速せん断式分散機を使用する場合、その回転数は、通常1000〜30000rpm、好ましくは5000〜20000rpmである。分散時間は、特に制限されないが、バッチ方式の場合は、通常0.1〜5分である。また、分散時の水系媒体の温度は、通常0〜150℃(加圧下)、好ましくは40〜98℃である。水系媒体の温度を高温にすることで分散体の粘度が低くなり、分散が容易となる。
水系媒体の使用量は、上記トナー原料組成物100部に対し、通常50〜2000重量部、好ましくは100〜1000重量部である。使用量が50重量部より少ないと、トナー原料組成物の分散状態が悪くなって所望の粒径のトナー粒子が得られず、一方、2000重量部より多いと、製造コストが高くなるので好ましくない。
水系媒体には、必要に応じて、トナー粒子の粒径分布をシャープにすると共に分散性を安定化させるために、分散剤を用いることができる。トナー原料組成物が分散した油性相を水系媒体中で乳化、分散するための該分散剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、リン酸エステル等の陰イオン界面活性剤、アルキルアミン塩、アミノアルコール脂肪酸誘導体、ポリアミン脂肪酸誘導体、イミダゾリン等のアミン塩型や、アルキルトリメチルアンモニム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、ピリジニウム塩、アルキルイソキノリニウム塩、塩化ベンゼトニウム等の四級アンモニウム塩型の陽イオン界面活性剤、脂肪酸アミド誘導体、多価アルコール誘導体等の非イオン界面活性剤、例えばアラニン、ドデシルジ(アミノエチル)グリシン、ジ(オクチルアミノエチル)グリシンやN−アルキル−N,N−ジメチルアンモニウムべタイン等の両性界面活性剤が使用できる。
また、フルオロアルキル基を含有する界面活性剤は、非常に少量で分散効果を発揮するので経済的である。フルオロアルキル基を含有する陰イオン界面活性剤としては、炭素数2〜10のフルオロアルキルカルボン酸及ぴその金属塩、パーフルオロオクタンスルホニルグルタミン酸ジナトリウム、3−[オメガ−フルオロアルキル(C6〜C11)オキシ〕−1−アルキル(C3〜C4)スルホン酸ナトリウム、3−[オメガ−フルオロアルカノイル(C6〜C8)−N−エチルアミノ]−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、フルオロアルキル(C11〜C20)カルボン酸及ぴ金属塩、パーフルオロアルキルカルボン酸(C7〜C13)及びその金属塩、パーフルオロアルキル(C4〜C12)スルホン酸及びその金属塩、パーフルオロオクタンスルホン酸ジエタノールアミド、N−プロピル−N−(2ヒドロキシエチル)パーフルオロオクタンスルホンアミド、パーフルオロアルキル(C6〜C10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩、パーフルオロアルキル(C6〜C10)−N−エチルスルホニルグリシン塩、モノパーフルオロアルキル(C6〜C16)エチルリン酸エステル等が使用できる。商品名としては、サーフロンS−111、S−112、S−113(旭硝子社製)、フロラードFC−93、FC−95、FC−98、FC−l29(住友3M社製)、ユニダインDS−101、DS−l02、(タイキン工莱社製)、メガファックF−ll0、F−l20、F−113、F−191、F−812、F−833(大日本インキ社製)、エクトップEF−102、l03、104、105、112、123A、123B、306A、501、201、204、(トーケムプロダクツ社製)、フタージェントF−100、F150(ネオス社製)等が挙げられる。
また、陽イオン界面活性剤としては、フルオロアルキル基を含有する脂肪族一級、二級もしくは三級アミン酸、パーフルオロアルキル(C6〜C10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩等の脂肪族4級アンモニウム塩、ベンザルコニウム塩、塩化ベンゼトニウム、ピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩、商品名としては、サーフロンS−l21(旭硝子社製)、フロラードFC−135(住友3M社製)、ユニダインDS−202(ダイキンエ業杜製)、メガファックF−150、F−824(大日本インキ社製)、エクトップEF−l32(トーケムプロダクツ社製)、フタージェントF−300(ネオス社製)等が使用できる。
さらに、水に難溶な無機化合物分散剤として、リン酸三カルシウム、炭酸カルシウム、酸化チタン、コロイダルシリカ、ヒドロキシアパタイト等を用いることもできる。
また、高分子系保護コロイドにより分散液滴を安定化させてもよい。高分子系保護コロイドとしては、例えばアクリル酸、メタクリル酸、α−シアノアクリル酸、α−シアノメタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、フマール酸、マレイン酸又は無水マレイン酸等の酸類、あるいは水酸基を含有する(メタ)アクリル系単量体、例えばアクリル酸β−ヒドロキシエチル、メタクリル酸β−ヒドロキシエチル、アクリル酸β−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸β−ヒドロキシプロピル、アクリル酸γ−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸γ−ヒドロキシプロピル、アクリル酸3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル、ジエチレングリコールモノアクリル酸エステル、ジエチレングリコールモノメタクリル酸エステル、グリセリンモノアクリル酸エステル、グリセリンモノメタクリル酸エステル、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド等、ビニルアルコール又はビニルアルコールとのエ一テル類、例えばビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルプロピルエーテル等、又はビニルアルコールとカルボキシル基を含有する化合物のエステル類、例えば酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル等、アクリルアミド、メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミドあるいはこれらのメチロール化合物、アクリル酸クロライド、メタクリル酸クロライド等の酸クロライド類、ビニルビリジン、ビニルピロリドン、ビニルイミダゾール、エチレンイミン等の窒素原子、又はその複素環を有するもの等のホモポリマー又は共重合体、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシプロピレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、ポリオキシプロピレンアルキルアミド、ポリオキシエチレンノニルフエニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルフェニルエステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエステル等のポリオキシエチレン系、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等のセルロース類等が使用できる。
分散剤を使用した場合には、特に制限されないが、トナーの帯電性を向上させるため、伸長及び/又は架橋反応後に、洗浄除去することが好ましい。また、分散剤としてリン酸カルシウム塩等の酸、アルカリに溶解可能な物を用いた場合は、塩酸等の酸によってリン酸カルシウム塩を溶解した後、水洗する等の方法により、微粒子からリン酸カルシウム塩を除去する。また、酵素による分解等の操作によってもリン酸カルシウム塩を除去してもよい。
さらに、特に制限されないが、トナー原料組成物の粘度を低くし、トナー粒子の粒径分布をシャープにするため、ウレア変性ポリエステルやプレポリマー(A)が可溶な溶剤を使用することもできる。該溶剤としては、除去を容易にするため、沸点が100℃未満の揮発性のものを使用することが好ましく、例えば、トルエン、キシレン、ベンゼン、四塩化炭素、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロホルム、モノクロロベンゼン、ジクロロエチリデン、酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等を単独あるいは2種以上組合せて用いることができる。特に、トルエン、キシレン等の芳香族系溶媒、あるいは塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素を用いることが好ましい。溶剤の使用量は、ウレア変性ポリエステルあるいはプレポリマー(A)100部に対し、通常300部以下、好ましくは100部以下、より好ましくは25〜70部である。尚、溶剤を使用する場合は、伸長及び/又は架橋反応後、常圧又は減圧下、加温して除去する。
得られた乳化分散体から有機溶媒を除去する方法としては、系全体を徐々に昇温し、液滴中の有機溶媒を完全に蒸発除去する方法を使用することができる。また、乳化分散体を乾燥雰囲気中に噴霧して、液滴中の非水溶性有機溶媒を完全に除去してトナー微粒子を形成し、合せて水系分散剤を蒸発除去することもできる。乳化分散体を噴霧する乾燥雰囲気としては、一般的に、空気、窒素、炭酸ガス、燃焼ガス等を加熱した気体であって、用いた最高沸点溶媒の沸点以上の温度に加熱した各種気流が使用できる。スプレイドライアー、ベルトドライアー、ロータリーキルン等を用いた短時間の処理により満足すべき品質のトナー粒子が得られる。
乳化分散時の粒径分布が広くなった場合は、洗浄、乾燥処理した後、下記の方法を用いて分級操作を行うことにより、所望の粒径分布を有するトナー粒子を得ることができる。分級操作においては、液中でサイクロン、デカンター、遠心分離等を用いて微粒子部分を取り除く。乾燥した後に粉体として分級操作を行ってもよいが、液体中で行うことが製造効率の点で好ましい。得られた微粒子、又は粗粒子は、再び混練工程に戻して粒子の形成に用いることができる。その際、微粒子、又は粗粒子はウェットの状態でもよい。尚、使用した分散剤は、分級操作と同時に分散液からできるだけ取り除くことが好ましい。
乾燥後のトナーの粉体を、ワックス、帯電制御剤、流動化剤、着色剤等の異種粒子と共に混合し、混合粉体に機械的衝撃力を加えることによって表面で固定化、融合化させ、得られる複合体粒子の表面からの異種粒子の脱離を防止することもできる。具体的手段としては、高速で回転する羽根によって混合物に衝撃力を加える方法、高速気流中に混合物を投入して加速し、粒子同士又は複合化した粒子を適当な衝突板に衝突させる方法等が使用できる。装置としては、オングミル(ホソカワミクロン社製)、I式ミル(日本ニューマチック社製)を改造して粉砕エアー圧カを下げた装置、ハイブリダイゼイションシステム(奈良機械製作所社製)、クリプトロンシステム(川崎重工業社製)、自動乳鉢等が挙げられる。
現像剤を調製する際には、現像剤の流動性や保存性、現像性、転写性を向上させるために、上記の無機微粒子等の外添剤をさらに添加混合してもよい。外添剤の混合方法としては、特に制限されず、従来公知の粉体混合機が使用できるが、ジャケット等を装備して、内部の温度を調節することが好ましい。外添剤に与える負荷の履歴を変えるには、混合途中又は漸次外添剤を加えていってもよく、混合機の回転数、転動速度、時間、温度等を変化させてもよい。混合初期に強い負荷を、次いで比較的弱い負荷を与えてもよいし、その逆でもよい。混合機としては、V型混合機、ロッキングミキサー、レーディゲミキサー、ナウターミキサー、ヘンシェルミキサー等が使用できる。
本発明のトナーに添加する無機微粒子としては、例えばシリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化鉄、酸化銅、酸化亜鉛、酸化スズ、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ベンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素等を挙げることができる。
更に本発明においては、上記2種の無機微粒子の平均一次粒子径が異なっていることが望ましい。これらの添加剤は、現像プロセスにおける負荷によりトナー中に次第に埋没することが知られているが、2種の粒径が異なっている場合には、粒径の大きい方の無機微粒子がトナー表面と感光体やキャリア表面との接触の際にスペーサーの役割を果たし、粒径の小さい方の無機微粒子がトナー表面へ埋没することを防止する役割がある。従って、初期状態における添加剤のトナー表面被覆状態が長期にわたって維持され、本発明におけるフィルミング抑制効果をより持続することができる。
更に本発明においては、2種類の無機微粒子のうち、平均一次粒子径の小さい無機微粒子の添加量が、平均一次粒子径の大きい無機微粒子の添加量より多いことが望ましい。粒径の大きい方の添加剤量が少なく、粒径の小さい方の添加剤量が多いほど、経時でのトナー特性変化が小さくなる。これは粒径の大きいトナーから先に埋没が進行するためであると考えられる。
更に、本発明に用いる無機微粒子は、流動性付与の面から少なくとも1種は平均一次粒子径が0.03μm以下であることが好ましい。平均一次粒子径が0.03μm以下とすることで必要な流動性が得られトナー帯電が均一となり、トナー飛散や地汚れが良好となる。
また、本発明に用いる無機微粒子は、感光体上の転写残トナークリーニングの観点から少なくとも1種のシリカは平均一次粒子径が80〜500nmであることが必要である。平均一次粒子径を80〜500nmとすることでクリーニングブレードと感光体接触部にシリカが付着し、ダム効果によってクリーニングが良好となる。
また本発明に用いる無機微粒子の少なくとも1種が有機系シラン化合物で処理された疎水性無機微粒子であることにより、環境安定性に優れ、かつ文字の中抜け等の画像欠陥の少ない高画質を達成でき、さらに好ましい。もちろん本発明に用いる無機微粒子2種の両方が疎水化処理されていても良い。
疎水化処理剤としては例えば、ジメチルジクロルシラン、トリメチルクロルシラン、メチルトリクロルシラン、アリルジメチルジクロルシラン、アリルフェニルジクロルシラン、ベンジルジメチルクロルシラン、ブロムメチルジメチルクロルシラン、α−クロルエチルトリクロルシラン、p−クロルエチルトリクロルシラン、クロルメチルジメチルクロルシラン、クロルメチルトリクロルシラン、p−クロルフェニルトリクロルシラン、3−クロルプロピルトリクロルシラン、3−クロルプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルメトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ジビニルジクロルシラン、ジメチルビニルクロルシラン、オクチルトリクロルシラン、デシルトリクロルシラン、ノニルトリクロルシラン、(4−t−プロピルフェニル)トリクロルシラン、(4−t−ブチルフェニル)トリクロルシラン、ジペンチルジクロルシラン、ジヘキシルジクロルシラン、ジオクチルジクロルシラン、ジノニルジクロルシラン、ジデシルジクロルシラン、ジドデシルジクロルシラン、ジヘキサデシルジクロルシラン、(4−t−ブチルフェニル)オクチルジクロルシラン、ジオクチルジクロルシラン、ジデセニルジクロルシラン、ジノネニルジクロルシラン、ジ−2−エチルヘキシルジクロルシラン、ジ−3,3−ジメチルペンチルジクロルシラン、トリヘキシルクロルシラン、トリオクチルクロルシラン、トリデシルクロルシラン、ジオクチルメチルクロルシラン、オクチルジメチルクロルシラン、(4−t−プロピルフェニル)ジエチルクロルシラン、イソブチルトリメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、トリメトキシ(3,3,3−トリフルオロプロピル)シラン、ヘキサメチルジシラザン、ヘキサエチルジシラザン、ジエチルテトラチルジシラザン、ヘキサフェニルジシラザン、ヘキサトリルジシラザン等の有機系シラン化合物やジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、クロルフェニルシリコーンオイル、メチルハイドロジェンシリコーンオイル、アルキル変性シリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオイル、アルコール変性シリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル、エポキシ変性シリコーンオイル、エポキシ・ポリエーテル変性シリコーンオイル、フェノール変性シリコーンオイル、カルボキシル変性シリコーンオイル、メルカプト変性シリコーンオイル、アクリル、メタクリル変性シリコーンオイル、α−メチルスチレン変性シリコーンオイル等のシリコーンオイル、その他シリル化剤、フッ化アルキル基を有するシランカップリング剤、有機チタネート系カップリング剤、アルミニウム系のカップリング剤等が挙げられる。中でも有機系シラン化合物が好ましい。
これら疎水化処理剤を前記無機微粒子に処理することにより、本発明に用いる疎水性無機微粒子が作製される。
疎水化処理されたシリカ微粒子の商品名としては、HDK H 2050EP、HVK21(以上ヘキスト)やR972、R974、RX200、RY200、R202、R805、R812(以上日本アエロジル)、TS530、TS720(以上キャボット)がある。
また、具体的な表面処理された酸化チタン微粒子の商品名としては、アナターゼ型やルチル型の結晶性のものや無結晶性のものを使用することができ、T−805(日本アエロジル)やルチル型としてSTT−30A(チタン工業)、STT−30A−FS(チタン工業)等がある。
尚、本発明に使用される無機微粒子の粒子径は、動的光散乱を利用する粒径分布測定装置、例えば(株)大塚電子製のDLS−700やコールターエレクトロニクス社製のコールターN4により測定可能である。しかし有機系シラン化合物処理後の粒子の二次凝集を解離することは困難であるため、走査型電子顕微鏡もしくは透過型電子顕微鏡により得られる写真より直接粒径を求めることが好ましい。この場合少なくとも100個以上の無機微粒子を観察しその長径の平均値を求める。
本発明では、高画質化のためトナーの体積平均粒径Dvは4〜8μmであり、体積平均粒径Dvと個数平均粒径Dnの比Dv/Dnが1.00〜1.25であることが好ましい。粒径が4μm以下の場合、トナーの生産性が著しく悪化するばかりでなく、耐久性や流動性も悪化するため好ましくない。また8μm以上の場合、画質を改善する効果があまり期待できない。さらに、Dv/Dnが1.00〜1.25の範囲を外れた場合、粒径分布が幅広くなり画質が悪化する。
本発明では、高画質化のために体積平均粒径4μm以下のトナーが10%以下となることが好ましい。体積平均粒径4μm以下の微粉が10%以上となる場合、感光体の地汚れの原因、機械内におけるトナー飛散の原因となり好ましくない。
体積平均粒径、個数平均粒径及び4μm以下個数%の測定は、米国コールターエレクトロニクス社製のコールターカウンターTAIIに、個数分布、体積分布を出力するインターフェイス(日科機製)及びPC9801パーソナルコンピューター(NEC製)に接続して用いた。電解液は、1級塩化ナトリウムを用いて1%NaCl水溶液に調整した。測定方法としては、前記電解液50〜100ml中に分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸塩を0.1〜5ml加え、試料を1〜10mg加える。これを、超音波分散機で1分間の分散処理を行ない、別のビーカーに電解水溶液100〜200mlを入れ、その中に前記サンプル分散液を所定の濃度になるように加え、前記コールターカウンターTA−II型によりアパーチャーとして100μmアパーチャーを用いて個数を基準として2〜40μmの粒子の30000個の粒度分布を測定し、2〜40μmの粒子の体積分布と個数分布を算出し、体積分布から求めた重量基準の体積平均粒径を求めた。
本発明によるトナーは、特定の形状を持たせるとより有効であり、トナーの形状がキャリアとの接触による帯電や、現像ロールとトナー層規制部材や供給ローラとの間に挟まれるトナーの帯電性や均一薄層性をほぼ決定する。球形からあまりに離れた不定形の形状では、トナーの薄層が薄すぎ、十分な現像量が得られない。また、より鮮明で色再現性が良く高画質な画像を提供するためにはトナーが均一な球形であることが望ましい。従って本発明において、特に適正な濃度の再現性のある高精細な画像を形成するのにはトナーが特定の形状を有することが好ましく、本発明の場合、その円形度は0.92〜0.98に規程することが好ましい。
超微粉トナー及び円形度の計測にはフロー式粒子像分析装置FPIA−2100(シスメックス株式会社製)を用いている。具体的な測定方法としては、容器中の予め不純固形物を除去した水100〜150ml中に分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスフォン酸塩を0.1〜0.5ml加え、更に測定試料を0.1〜0.5g程度加える。試料を分散した懸濁液は超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行ない、分散液濃度を3000〜1万個/μlとして前記装置により超微粉を測定する。
トナー粒子を2成分系現像剤に用いる場合には、トナー粒子と磁性キャリアとを混合して用いればよい。現像剤中のキャリアとトナーの含有比は、キャリア100重量部に対してトナー1〜10重量部とする。磁性キャリアとしては、粒子径20〜200μm程度の鉄粉、フェライト粉、マグネタイト粉、磁性樹脂キャリア、ガラスビーズ等及びこれらの表面を樹脂等で処理したもの等、従来公知の各種のものが使用できる。
本発明におけるキャリアにコーティングし得る樹脂粉末としては、スチレン−アクリル共重合体、シリコーン樹脂、マレイン酸樹脂、フッ素系樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂等がある。スチレン−アクリル共重合体の場合は、30〜90重量%のスチレン分を有するものが好ましい。この場合スチレン分が30重量%未満だと現像特性が低く、90重量%を越えるとコーティング膜が硬くなって剥離しやすくなり、キャリアの寿命が短くなる。
又、本発明におけるキャリアの樹脂コーティングは、上記樹脂の他に接着付与剤、硬化剤、潤滑剤、導電剤、荷電制御剤等を含有してもよい。
(定着装置)
本発明の2成分現像剤は例えば図1、図2、図5に示すような定着装置を備えた画像形成装置において用いることができる。
図1に示す定着装置は、定着フィルムを回転させて定着する、いわゆるサーフ定着装置である。以下詳説すると、定着フィルムはエンドレスベルト状耐熱フィルムであり、該フィルムの支持回転体である駆動ローラと、従動ローラと、この両ローラ間の下方に設けたヒータ支持体に保持させて固定支持させて配設した加熱体と、に懸回張設してある。
従動ローラは定着フィルムのテンションローラを兼ね、定着フィルムは駆動ローラの図中時計回転方向の回転駆動によって、時計回転方向に向かって回転駆動される。この回転駆動速度は、加圧ローラと定着フィルムが接する定着ニップ領域Lにおいて転写材と定着フィルムの速度が等しくなる速度に調節される。
ここで、加圧ローラはシリコンゴム等の離型性のよいゴム弾性層を有するローラであり、反時計周りに回転しつつ、前記定着ニップ領域Lに対して総圧4〜10kgの当接圧をもって圧接させてある。
また定着フィルムは、耐熱性、離型性、耐久性に優れたものが好ましく、総厚100μm以下、好ましくは40μm以下の薄肉のものを使用する。例えばポリイミド、ポリエーテルイミド、PES(ポリエーテルサルファイド)、PFA(4フッ化エチレンバーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体樹脂)等の耐熱樹脂の単層フィルム、或いは複合層フィルム、例えば20μm 厚フィルムの少なくとも画像当接面側にPTFE(4フッ化エチレン樹脂)、PFA等のフッ素樹脂に導電材を添加した離型性コート層を10μm 厚に施したものや、フッ素ゴム、シリコンゴム等の弾性層を施したものである。
図1において加熱体は平面基板および定着ヒータから構成されており、平面基板は、アルミナ等の高熱伝導度且つ高電気抵抗率を有する材料からなっており、定着フィルムと接触する表面には抵抗発熱体で構成した定着ヒータを長手方向に設置してある。かかる定着ヒータは、例えばAg/Pd、TaN等の電気抵抗材料をスクリーン印刷等により線状もしくは帯状に塗工したものである。また、前記定着ヒータの両端部には、図示しない電極が形成され、この電極間に通電することで抵抗発熱体が発熱する。さらに、前記基板の定着ヒータが具備させてある面と逆の面にはサーミスタによって構成した定着温度センサが設けられている。
定着温度センサによって検出された基板の温度情報は図示しない制御手段に送られ、かかる制御手段により定着ヒータに供給される電力量が制御され、加熱体は所定の温度に制御される。
図2にベルト誘導加熱の定着装置の例を示す。
図2に示す定着装置は、誘導加熱手段6の電磁誘導により加熱される加熱ローラ1と、加熱ローラ1と平行に配置された定着ローラ2(対向回転体)と、加熱ローラ1と定着ローラ2とに張り渡され、加熱ローラ1により加熱されるとともに少なくともこれらの何れかのローラの回転により矢印A方向に回転する無端帯状の耐熱性ベルト(トナー加熱媒体)3とを有する加熱回転体と、ベルト3を介して定着ローラ2に圧接されるとともにベルト3に対して順方向に回転する加圧ローラ4(加圧回転体)とから構成されている。
加熱ローラ1はたとえば鉄、コバルト、ニッケルまたはこれら金属の合金等の中空円筒状の磁性金属部材からなり、外径をたとえば20〜40mm、肉厚をたとえば0.3〜1.0mmとして、低熱容量で昇温の速い構成となっている。
定着ローラ2(対向回転体)は、たとえばステンレススチール等の金属製の芯金2aと、耐熱性を有するシリコーンゴムをソリッド状または発泡状にして芯金2aを被覆した弾性部材2bとからなる。そして、加圧ローラ4からの押圧力でこの加圧ローラ4と定着ローラ2との間に所定幅の接触部を形成するために外径を20〜40mm程度として加熱ローラ1より大きくしている。弾性部材2bはその肉厚を4〜6mm程度としている。この構成により、加熱ローラ1の熱容量は定着ローラ2の熱容量より小さくなるので、加熱ローラ1が急速に加熱されてウォームアップ時間が短縮される。
加熱ローラ1と定着ローラ2とに張り渡されたベルト3は、誘導加熱手段6により加熱される加熱ローラ1との接触部位W1で加熱される。そして、ローラ1,2の回転によってベルト3の内面が連続的に加熱され、結果としてベルト全体に渡って加熱される。
加圧ローラ4は、たとえば銅またはアルミ等の熱伝導性の高い金属製の円筒部材からなる芯金4aと、この芯金4aの表面に設けられた耐熱性およびトナー離型性の高い弾性部材4bとから構成されている。芯金4aには上記金属以外にSUSを使用しても良い。
加圧ローラ4はベルト3を介して定着ローラ2を押圧して定着ニップ部Nを形成しているが、本実施の形態では、加圧ローラ4の硬度を定着ローラ2に比べて硬くすることによって、加圧ローラ4が定着ローラ2(及びベルト3)へ食い込む形となり、この食い込みにより、記録材11は加圧ローラ4表面の円周形状に沿うため、記録材11がベルト3表面から離れやすくなる効果を持たせている。この加圧ローラ4の外径は定着ローラ2と同じ20〜40mm程度であるが、肉圧は0.5〜2.0mm程度で定着ローラ2より薄く構成されている。
電磁誘導により加熱ローラ1を加熱する誘導加熱手段6は、図3に示すように、磁界発生手段である励磁コイル7と、この励磁コイル7が巻き回されたコイルガイド板8とを有している。コイルガイド板8は加熱ローラ1の外周面に近接配置された半円筒形状をしており、励磁コイル7は長い一本の励磁コイル線材をこのコイルガイド板8に沿って加熱ローラ1の軸方向に交互に巻き付けたものである。なお、励磁コイル7は、発振回路が周波数可変の駆動電源(図示せず)に接続されている。
励磁コイル7の外側には、フェライト等の強磁性体よりなる半円筒形状の励磁コイルコア9が、励磁コイルコア支持部材10に固定されて励磁コイル7に近接配置されている。
図3は励磁コイルの配置の概略構成を示す図である。
図4にベルト3の構成を示す。ベルト3の構成は以下の通りであり、内層から表層に向かって下記4層となる。
・基体(樹脂層:ポリイミド(PI)樹脂など)
・発熱層(磁性金属として、Ni、Ag,SUS等):3a
・中間層(弾性層で均一定着を狙う):3b
・表層(離型層)(弗素樹脂材料で、離型効果とオイルレスを狙う):3c
離型層3cの厚さとしては、10μmから300μm程度が望ましく、特に200μm程度が望ましい。このようにすれば、記録材11上に形成されたトナー像Tをベルト3の表層部が十分に包み込むため、トナー像Tを均一に加熱溶融することが可能になる。
離型層cの厚さ、即ち表面離型層は経時耐磨耗性を確保するためには最低10μmは必要である。
また、離型層3cの厚さが300μmよりも大きい場合には、ベルト3の熱容量が大きくなってウォームアップにかかる時間が長くなる。さらに加えて、トナー定着工程においてベルト表面温度が低下しにくくなって、定着部出口における融解したトナーの凝集効果が得られず、ベルトの離型性が低下してトナーがベルトに付着する、いわゆるホットオフセットが発生する。
また、ベルトの内部には、銀箔などの電磁誘導加熱による発熱層を設けることにより、ベルト表面への加熱を効率的に行うことができる。電磁誘導により加熱される加熱ローラーと組み合わせることで、さらに熱効率が向上するので好ましい。
電磁誘導発生手段は外部に設けることが、下記の理由から好ましい。すなわち、電磁誘導発生手段を加熱ローラーの内部に設けた場合には、加熱ローラーの径を極端に大きくする必要があり、これに応じて内部保護のために耐圧性を向上させる必要性から、周囲の層を厚くすることが必要となる。この周囲の厚い層により、熱効率が低下してしまう。また、電磁誘導発生手段外部に設けることで、温度制御性、配置の応用性などの利便性が高い。
図5は、電磁誘導加熱方式による従来の定着装置の例を示す概略構成図である。
図5に示すように、従来の定着装置は、励磁コイルユニット18と加熱部である磁性金属部材19とからなる加熱体20が装着されたフィルム内面ガイド21と、磁性金属部材19を内壁に当接した状態でフィルム内面ガイド21を包む耐熱性を備えた円筒状のフィルム17と、磁性金属部材19の位置でフィルム17に圧接してこのフィルム17との間に定着ニップ部Nを形成するとともに当該フィルム17を回転させる加圧ローラ22とから構成されている。
<プロセスカートリッジ>
本発明の現像剤は、例えば図6に示すようなプロセスカートリッジを備えた画像形成装置に於いて使用することができる。
本発明においては、上述の感光体、帯電手段、現像手段及びクリ−ニング手段等の構成要素のうち、複数のものをプロセスカ−トリッジとして一体に結合して構成し、このプロセスカ−トリッジを複写機やプリンタ−等の画像形成装置本体に対して着脱可能に構成する。
図6に示したプロセスカートリッジは、感光体、帯電手段、現像手段、クリーニング手段を備えている。動作を説明すると、感光体が所定の周速度で回転駆動される。感光体は回転過程において、帯電手段によりその周面に正または負の所定電位の均一帯電を受け、次いで、スリット露光やレ−ザ−ビ−ム走査露光等の像露光手段からの画像露光光を受け、こうして感光体の周面に静電潜像が順次形成され、形成された静電潜像は、次いで現像手段によりトナ−現像され、現像されたトナ−像は、給紙部から感光体と転写手段との間に感光体の回転と同期されて給送された転写材に、転写手段により順次転写されていく。像転写を受けた転写材は感光体面から分離されて像定着手段へ導入されて像定着され、複写物(コピ−)として装置外へプリントアウトされる。像転写後の感光体の表面は、クリ−ニング手段によって転写残りトナ−の除去を受けて清浄面化され、更除電された後、繰り返し画像形成に使用される。
[実施例]
以下実施例により本発明を更に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
以下、「部」は重量部を、「%」は重量%を意味する。
<トナーの製造>
[製造例1](無機微粒子の製造例)
コア用原料の液状SiClを液体原料供給装置を用いてキャリアガスとしてArガスを流量300SCCM(毎分標準体積流量(CC))で吹き込み、流量250SCCMのSiCl蒸気を、Hガス20SLM(毎分標準体積流量(L))、Oガス20SLMと共にコア用バーナーに送り火炎加水分解、融合させてSiO微粒子を生成させた。この微粒子を所定の一次粒子径になるまで成長させ、得られた微粒子をヘキサメチルジシラザンにより疎水化処理を行ない、平均一次粒子径が5nmの[無機微粒子1]を得た。
[製造例2](有機微粒子エマルションの合成)
撹拌棒および温度計をセットした反応容器に、水683部、メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩(エレミノールRS−30、三洋化成工業製)11部、スチレン80部、メタクリル酸83部、アクリル酸ブチル110部、チオグリコール酸ブチル12部、過硫酸アンモニウム1部を仕込み、400回転/分で15分間撹拌したところ、白色の乳濁液が得られた。加熱して、系内温度75℃まで昇温し5時間反応させた。さらに、1%過硫酸アンモニウム水溶液30部加え、75℃で5時間熟成してビニル系樹脂(スチレン−メタクリル酸−アクリル酸ブチル−メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩の共重合体)の水性分散液を得た。これを、[微粒子分散液1]とする。該[微粒子分散液1]をレーザー回折式粒度分布測定器(LA−920 島津製)で測定した体積平均粒径は、120nmであった。[微粒子分散液1]の一部を乾燥して樹脂分を単離した。該樹脂分のTgは42℃であり、重量平均分子量は3万であった。
[製造例3]
(水相の調製)
水990部、[微粒子分散液1]65部、ドデシルジフェニルェーテルジスルホン酸ナトリウムの48.5%水溶液(エレミノール MON−7 三洋化成工業製)37部、酢酸エチル90部を混合撹拌し、乳白色の液体を得た。これを[水相1]とする。
[製造例4]
(低分子ポリエステルの合成)
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物229部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド3モル付加物529部、テレフタル酸208部、アジピン酸46部およびジブチルチンオキサイド2部を入れ、常圧で230℃で8時間反応し、さらに10〜15mmHgの減圧で5時聞反応した後、反応容器に無水トリメリット酸44部を入れ、180℃、常圧で2時間反応し、[低分子ポリエステル1]を得た。[低分子ポリエステル1]は、数平均分子量2500、重量平均分子量6700、Tg43℃、酸価25であった。
[製造例5]
(中間体ポリエステルの合成)
冷却管、撹拌機および窒索導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物682部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物81部、テレフタル酸283部、無水トリメリット酸22部およびジブチルチンオキサイド2部を入れ、常圧で230℃で8時間反応し、さらに10〜15mmHgの減圧で5時間反応し[中間体ポリエステル1]を得た。[中間体ポリエステル1]は、数平均分子量2100、重量平均分子量9500、Tg55℃、酸価0.5、水酸基価51であった。
[製造例6]
(少なくとも活性水素基を有する化合物と反応可能な変性されたポリエステル系樹脂(プレポリマー1という)の合成)
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応容器中に、前記[中間体ポリエステル1]410部、イソホロンジイソシアネート125部、酢酸エチル500部を入れ100℃で5時間反応し、[プレポリマー1]を得た。[プレポリマー1]の1分子当たりに含有するイソシアネート基は、平均2.15個であった。
[製造例7]
(マスターバッチの合成)
水1200部、ピグメントイエロー155 40部、ポリエステル樹脂(三洋化成製、RS801)60部を、さらには水30部を加え、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)で混合し、混合物を2本ロールを用いて150℃で30分混練後、圧延冷却しパルペライザーで粉砕、[マスターバッチ1]を得た。
[製造例8]
(油相、すなわち無機微粒子を含有するトナー組成物の作製)
撹拌棒および温度計をセットした容器に、前記[低分子ポリエステル1]400部、カルナバワックス110部、酢酸エチル947部を仕込み、撹拌下80℃に昇温し、80℃のまま5時間保持した後、1時間で30℃に冷却した。次いで容器に[マスターバッチ1]500部、酢酸エチル500部を仕込み、1時間混合し[原料溶解液1]を得た。
[原料溶解液1]1324部を容器に移し、ビーズミル(ウルトラビスコミル、アイメックス社製)を用いて、送液速度1Kg/hr、ディスク周速度6m/秒、0.5mmジルコニアビーズを80体積%充填、3パスの条件で、ワックスの分散を行なった。次いで、[低分子ポリエステル1]の65%酢酸エチル溶液1324部、前記の[無機微粒子1]34部を加え、上記条件のビーズミルで1パスし、[顔料・ワックス分散液1]を得た。[顔料・ワックス分散液1]の固形分濃度(130℃、30分)は50%であった。
[製造例9]
(乳化)
[顔料・ワックス分散液1]648部、[プレポリマー1]を154部、[イソホロンジアミン]8.5部を容器に入れ、TKホモミキサー(特殊機化製)で5,000rpmで1分間混合した後、容器に[水相1]1200部を加え、TKホモミキサーで、回転数10000rpmで20分間混合し[乳化スラリー1]を得た。
すなわち、樹脂微粒子を含む水系媒体中で分散させると共に伸長反応が行なわれる。
[製造例10]
(脱溶剤)
撹拌機および温度計をセットした容器に、[乳化スラリー1]を投入し、30℃で8時間脱溶剤した後、45℃で4時間熟成を行ない、[分散スラリー1]を得た。
[製造例11]
(洗浄・乾燥)
[分散スラリー1]100部を減圧濾過した後、次の工程を実施した。
(1)濾過ケーキにイオン交換水100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで10分間)した後濾過した。
(2)上記(1)の濾過ケーキに10%水酸化ナトリウム水溶液1OO部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで30分間)した後、減圧濾過した。
(3)上記(2)の濾過ケーキに10%塩酸100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで10分間)した後濾過した。
(4)上記(3)の濾過ケーキにイオン交換水300部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで10分間)した後濾過する操作を2回行い、ケーキ状物を得た。これを、[濾過ケーキ1]とする。
[濾過ケーキ1]を循風乾燥機にて45℃で48時間乾燥した。その後目開き75μmメッシュで篩い、トナー母体粒子を得た。これを、[トナー母体粒子1]とする。
[製造例12]
(ケチミン化合物の合成)
攪拌棒および温度計をセットした反応容器に、イソホロンジアミン170部とメチルエチルケトン75部を仕込み、50℃で5時間反応を行い、ケチミン化合物を得た。
[トナー母体粒子1]を微粉、粗粉をカットし、シリカ微粒子をそのシリカ添加量がトナー量の2.0重量部、チタン微粒子をそのチタン添加量がトナー量の0.75重量部となるように配合し、ヘンシェルミキサーによって撹拌混合処理して電子写真用トナーとして使用した
[比較例1]
製造例9にて用いた[イソホロンジアミン]を[ケチミン化合物]に変えて[トナー母体粒子1]を作製した。微粉、粗粉をカットし、シリカ微粒子をそのシリカ添加量がトナー量の2.0重量部、チタン微粒子をそのチタン添加量がトナー量の0.75重量部となるように配合し、ヘンシェルミキサーによって撹拌混合処理して電子写真用トナーとして使用した
製造例7にて用いたピグメントイエロー155をピグメントイエロー128に変え、それ以外は実施例1と同様の条件にて[トナー母粒子1]を作製した。微粉、粗粉をカットし、シリカ微粒子をそのシリカ添加量がトナー量の2.0重量部、チタン微粒子をそのチタン添加量がトナー量の0.75重量部となるように配合し、ヘンシェルミキサーによって撹拌混合処理して電子写真用トナーとして使用した。
製造例7にて用いたピグメントイエロー155をナフトールイエローに変え、それ以外は実施例1と同様の条件にて[トナー母粒子1]を作製した。微粉、粗粉をカットし、シリカ微粒子をそのシリカ添加量がトナー量の2.0重量部、チタン微粒子をそのチタン添加量がトナー量の0.75重量部となるように配合し、ヘンシェルミキサーによって撹拌混合処理して電子写真用トナーとして使用した。
製造例8にて用いたカルナバワックスをエステル系ワックスに変え、それ以外は実施例1と同様の条件にて[トナー母粒子1]を作製した。微粉、粗粉をカットし、シリカ微粒子をそのシリカ添加量がトナー量の2.0重量部、チタン微粒子をそのチタン添加量がトナー量の0.75重量部となるように配合し、ヘンシェルミキサーによって撹拌混合処理して電子写真用トナーとして使用した。
製造例7にて用いたピグメントイエロー155をピグメントレッド269に変更した以外は、実施例1と同様の条件にて、[トナー母粒子1]を作製した。微粉、粗粉をカットし、シリカ微粒子をそのシリカ添加量がトナー量の2.0重量部、チタン微粒子をそのチタン添加量がトナー量の0.75重量部となるように配合し、ヘンシェルミキサーによって撹拌混合処理して電子写真用トナーとして使用した。
[実施例6]
製造例7にて用いたピグメントイエロー155をピグメントブルー15:3に変更した以外は、実施例1と同様の条件にて、[トナー母粒子1]を作製した。微粉、粗粉をカットし、シリカ微粒子をそのシリカ添加量がトナー量の2.0重量部、チタン微粒子をそのチタン添加量がトナー量の0.75重量部となるように配合し、ヘンシェルミキサーによって撹拌混合処理して電子写真用トナーとして使用した。
[比較例2]
製造例7にて用いたピグメントイエロー155をカーボンブラックに変え、それ以外は実施例2と同様の条件にて[トナー母粒子1]を作成。微粉、粗粉をカットし、シリカ微粒子をそのシリカ添加量がトナー量の2.0重量部、チタン微粒子をそのチタン添加量がトナー量の0.75重量部となるように配合し、ヘンシェルミキサーによって撹拌混合処理して電子写真用トナーとして使用した。
[評価方法]
(評価項目)
(1)体積平均粒径、(Dv/Dn)、4μm以下微粉量の測定
トナーの粒径は、コールターエレクトロニクス社製の粒度測定器「コールターカウンターTAII」を用い、アパーチャー径100μmで測定した。体積平均粒径および個数平均粒径は上記粒度測定器により求めた。(Dv/Dn)は上記の値より自動的に算出した。4μm以下微粉量は個数分布より計算にて算出した。
(2)平均円形度
フロー式粒子像分析装置FPIA−2100(東亜医用電子株式会社製)により平均円形度として計測できる。具体的な測定方法としては、容器中の予め不純固形物を除去した水100〜150ml中に分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスフォン酸塩を0.1〜0.5ml加え、更に測定試料を0.1〜0.5g程度加える。試料を分散した懸濁液は超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行ない、分散液濃度を3000〜1万個/μlとして前記装置によりトナーの形状及び分布を測定することによって得られる。
(3)耐熱保存性
トナー10gをタッピングマシンを用いて150回タッピングを行い、50℃で24時間保存する。その後、決められた針を自重のみにて落下させ、その時刺さった針の長さを測定値とする。
(4)長期保存性
トナー10gをタッピングマシンを用いて150回タッピングを行い、55℃で2週間保存する。その後、決められた針を自重のみにて落下させ、その時刺さった針の長さを測定値とする。
刺さった針の長さ(mm)が、30mmより大きい場合を◎(全く問題ないレベル)、20mm〜30mmの場合を○(実用上全く問題のないレベル)、15mm〜20mmの場合を△(実使用可能なレベル)、15mm未満の場合を×(実使用不可のレベル)とした。
(5)画像粒状性、鮮鋭性
評価機Bを用い、単色で写真画像の出力を行ない、粒状性、鮮鋭性の度合を目視にて評価した。良好なものから◎、○、△、×で評価した。◎はオフセット印刷並、○はオフセット印刷よりわずかに悪い程度、△はオフセット印刷よりかなり悪い程度、×は従来の電子写真画像程度で非常に悪い。
(6)トナー流動性
パウダーテスター(PT−N型、ホソカワミクロン製)に、上から順に目開き75μm、45μm、22μmのメッシュを重ねて装填し、トナー母体を一番上側の75μmメッシュ上に2g入れ、縦方向に1mmの振動を10秒間与え、各メッシュ上のトナー残存量からトナー母体の流動性(凝集度)を算出した。
凝集度(%)=(5×(75μmメッシュ上の残トナー量(g))
+3×(45μmメッシュ上の残トナー量(g))
+(22μmメッシュ上の残トナー量(g)))×10
凝集度が8%以下の場合は◎、8〜16%の場合は○、16〜25%の場合は△、25%以上の場合は×とした。
(7)定着性
発熱層の磁性金属として銀を有し、基体としてポリイミド樹脂層を有したベルト3を装着した図2に例示した定着装置を用いて、普通紙及び厚紙の転写紙(リコー製タイプ6200 及びNBS リコー製複写印刷用紙<135>)にベタ画像で、1.0±0.05mg/cmのトナーが現像される様に調整を行ない、定着ベルトの温度が可変となる様に調整を行なって、普通紙でオフセットの発生しない温度を、厚紙で定着下限温度を測定した。定着下限温度は、得られた定着画像をパットで擦った後の画像濃度の残存率が70%以上となる定着ベルト温度をもって定着下限温度とした。定着下限温度は135℃以下の場合は◎、135〜145℃の場合は○、145〜155℃の場合は△、155℃以上の場合は×とした。
得られたトナーの物性は表1、評価結果は表2に示した。
本発明の静電荷像現像用カラートナーは低温定着性及び耐熱保存性に優れているので、電子写真装置や静電記録装置等におけるフルカラー画像形成用のカラートナーとして適用することができる。
本発明の画像形成装置において用いる定着装置の一例を示す図である。 本発明の画像形成装置において用いる定着装置の他の例を示す図である。 図3の定着装置における励磁コイルの配置の概略構成図である。 定着装置において用いるベルトの層構成の一例を示す図である。 本発明画像形成装置において用いる定着装置の他の例を示す図である。 本発明の画像形成装置において用いるプロセスカートリッジの一例を示す図である。
符号の説明
1 加熱ローラ
2 定着ローラ(対向回転体)
2a芯金
2b 弾性部材
3 耐熱性ベルト(トナー加熱媒体)
4 加圧ローラ(加圧回転体)
4a 芯金
4b 弾性部材
5 温度検知部材
6 誘導加熱手段
7 励磁コイル
8 コイルガイド板
9 励磁コイルコア
10 励磁コイルコア支持部材
11 記録材
17 フィルム
18 コイルユニット
19 磁性金属部材
20 加熱体
21 フィルム内面ガイド
22 加圧ローラ
22a 芯金
22b 弾性部材
T 未定着トナー画像
N 定着ニップ部

Claims (18)

  1. 少なくとも結着樹脂、無機微粒子、着色剤を含有する静電荷像現像用トナーであって、該トナーが、活性水素基を有する化合物と反応可能な変性ポリエステル系樹脂を含む結着樹脂を有機溶媒中に溶解又は分散させて形成した溶解液又は分散液を得る工程、水系媒体中に前記溶解液または分散液を乳化させ、活性水素基を有する化合物と前記変性ポリエステルを反応させて乳化分散液を得る工程及び該乳化分散液から溶媒を除去する工程によって得られるものであり、前記活性水素基を有する化合物が2官能以上のアミン化合物であることを特徴とする静電荷像現像用カラートナー。
  2. 前記2官能以上のアミン化合物が脂環式ジアミンであることを特徴とする請求項1記載の静電荷像現像用カラートナー。
  3. 前記着色剤として、下記の構造式を有する顔料を使用することを特徴とする請求項1または2記載の静電荷像現像用カラートナー。
  4. 前記有機溶媒中に、前記活性水素基を有する化合物と反応可能な変性ポリエステル樹脂とともに、更に、前記活性水素基を有する化合物と反応しないポリエステル樹脂が溶解されており、前記活性水素基含有ポリエステル系樹脂と前記活性水素基を有する化合物と反応しないポリエステル樹脂との重量比が5/95〜75/25であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の静電荷像現像用カラートナー。
  5. 離型剤としてワックスを含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の静電荷像現像用カラートナー。
  6. 前記ワックスのトナー中の含有量が5重量%以上であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の静電荷像現像用カラートナー。
  7. 前記ワックスがカルナバワックスであることを特徴とする請求項5または6に記載の静電荷像現像用カラートナー。
  8. トナーの体積平均粒径Dが4〜8μmであり、体積平均粒径Dvと個数平均粒径Dnの比Dv/Dnが1.00〜1.25であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の静電荷像現像用カラートナー。
  9. トナー中の体積平均粒径4μm以下の微粉が10%以下であることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の静電荷像現像用カラートナー。
  10. トナーの円形度が0.92〜0.98であることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の静電荷像現像用カラートナー。
  11. 請求項1〜10のいずれかに記載のトナーと磁性粒子からなるキャリアとを含むことを特徴とする2成分系静電荷像現像用現像剤。
  12. 感光体上に形成された静電潜像をトナーを含む現像剤で現像する工程、感光体上に形成されたトナー画像を画像支持体上に転写する工程及び転写されたトナー画像を、加熱部材を内包した加熱ローラーと、対向配設された加圧ローラーとからなる定着装置によって定着する工程からなる画像形成方法において、トナーとして請求項1〜10のいずれかに記載の静電荷像現像用カラートナーを用いることを特徴とする画像形成方法。
  13. 感光体上に形成された静電潜像をトナーを含む現像剤で現像する工程、感光体上に形成されたトナー画像を画像支持体上に転写する工程、転写されたトナー画像を、加熱部材を有する加熱回転体と、対向配設された加圧回転体とからなる定着装置によって定着する工程を有する画像形成方法において、トナーとして請求項1〜10のいずれかに記載の静電荷像現像用カラートナーを用いることを特徴とし、前記定着装置の加熱部材が磁性金属から構成されて電磁誘導により加熱されることを特徴とする画像形成方法。
  14. 前記電磁誘導発生手段が加熱回転体の外部に設けられていることを特徴とする請求項13記載の画像形成方法。
  15. 前記加熱部材が、磁性金属層を有する無端帯状のベルトまたはフィルムであることを特徴とする請求項13又は請求項14記載の画像形成方法。
  16. 前記加熱部材が、磁性金属層を有する加熱ローラーであることを特徴とする請求項13又は請求項14記載の画像形成方法
  17. 少なくとも、感光体と、感光体を帯電する帯電手段と、感光体上に形成された静電潜像をトナーを含む現像剤で現像する現像手段と、感光体上に形成されたトナー画像を画像支持体上に転写する手段と、転写されたトナー画像を定着するための加熱部材を内包した加熱ローラー及びこれに対向配設された加圧ローラーを備えた定着手段とを有する画像形成装置において、請求項1〜10のいずれかに記載の静電荷像現像用カラートナーを用いることを特徴とする画像形成装置。
  18. 請求項17に記載の画像形成装置において用いられるプロセスカートリッジであって、感光体と、感光体を帯電する帯電手段、現像手段、クリ−ニング手段より選ばれる少なくとも一つの手段を一体に支持し、画像形成装置本体に着脱自在であることを特徴とするプロセスカ−トリッジ。
JP2004227854A 2004-08-04 2004-08-04 静電荷像現像用トナーの製造方法 Active JP4260706B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004227854A JP4260706B2 (ja) 2004-08-04 2004-08-04 静電荷像現像用トナーの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004227854A JP4260706B2 (ja) 2004-08-04 2004-08-04 静電荷像現像用トナーの製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006047631A true JP2006047631A (ja) 2006-02-16
JP4260706B2 JP4260706B2 (ja) 2009-04-30

Family

ID=36026260

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004227854A Active JP4260706B2 (ja) 2004-08-04 2004-08-04 静電荷像現像用トナーの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4260706B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007293322A (ja) * 2006-03-30 2007-11-08 Mitsubishi Chemicals Corp 画像形成装置
JP2007293321A (ja) * 2006-03-30 2007-11-08 Mitsubishi Chemicals Corp 画像形成装置
US8211602B2 (en) 2006-03-30 2012-07-03 Mitsubishi Chemical Corporation Image forming apparatus
JP2018004959A (ja) * 2016-07-01 2018-01-11 富士ゼロックス株式会社 画像形成装置

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007293322A (ja) * 2006-03-30 2007-11-08 Mitsubishi Chemicals Corp 画像形成装置
JP2007293321A (ja) * 2006-03-30 2007-11-08 Mitsubishi Chemicals Corp 画像形成装置
US8211602B2 (en) 2006-03-30 2012-07-03 Mitsubishi Chemical Corporation Image forming apparatus
US8221950B2 (en) 2006-03-30 2012-07-17 Mitsubishi Chemical Corporation Image forming apparatus
JP2013077018A (ja) * 2006-03-30 2013-04-25 Mitsubishi Chemicals Corp 画像形成装置
JP2014098910A (ja) * 2006-03-30 2014-05-29 Mitsubishi Chemicals Corp 画像形成方法
US8741530B2 (en) 2006-03-30 2014-06-03 Mitsubishi Chemical Corporation Image forming apparatus
US8974998B2 (en) 2006-03-30 2015-03-10 Mitsubishi Chemical Corporation Method of image forming with a photoreceptor and toner
JP2018004959A (ja) * 2016-07-01 2018-01-11 富士ゼロックス株式会社 画像形成装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP4260706B2 (ja) 2009-04-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4358574B2 (ja) 乾式トナー、画像形成方法、及び画像形成装置
JP4707188B2 (ja) 画像形成装置及びトナー
JP2004184551A (ja) 静電荷像現像用トナー、現像剤及びトナー容器
JP2009186512A (ja) トナー、現像剤、画像形成方法、画像形成装置及びプロセスカートリッジ
JP2004086131A (ja) 静電荷像現像用トナー
JP4681309B2 (ja) トナー、並びに、現像剤、トナー入り容器、プロセスカートリッジ、画像形成装置及び画像形成方法
JP2006047358A (ja) トナー、現像剤、画像形成装置、プロセスカートリッジ、及び画像形成方法
JP4719028B2 (ja) トナー、並びに現像剤、トナー入り容器、プロセスカートリッジ、画像形成装置及び画像形成方法
JP3728285B2 (ja) 乾式トナー及びこれを用いた現像方法、転写方法
JP4175504B2 (ja) 非磁性一成分現像用トナー
JP2003140391A (ja) 電子写真用トナー
JP2006227190A (ja) トナー及びその製造方法、並びに、現像剤、トナー入り容器、プロセスカートリッジ、画像形成装置及び画像形成方法
JP4260706B2 (ja) 静電荷像現像用トナーの製造方法
JP4373930B2 (ja) 静電荷像現像用トナー及び現像剤、画像形成装置、これを用いたプロセスカートリッジ及び画像形成方法
JP4152812B2 (ja) 電子写真用トナーおよび画像形成装置
JP2004226667A (ja) 静電荷像現像用トナー
JP4031488B2 (ja) 乾式トナーの製造方法、及び現像方法、転写方法
JP4346030B2 (ja) 静電荷像現像用トナー及びそれを用いた画像形成装置
JP4097265B2 (ja) 電子写真用トナーの製造方法
JP2006201714A (ja) 静電荷像現像用トナー、画像形成装置、画像形成方法
JP4093883B2 (ja) 静電荷像現像用トナー、現像剤及び画像形成装置
JP4141355B2 (ja) 電子写真用トナー及びそれを用いる画像形成装置
JP4433450B2 (ja) 電子写真用トナーの製造方法
JP2006208493A (ja) 静電荷像現像用トナー及び現像剤、画像形成装置、これを用いたプロセスカートリッジ及び画像形成方法
JP2004252387A (ja) 電子写真用トナー、製造方法及び画像形成方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070105

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20081020

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20081218

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090203

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090204

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120220

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4260706

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130220

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130220

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140220

Year of fee payment: 5