JP2006047183A - 新規標識核酸化合物およびその重合体 - Google Patents

新規標識核酸化合物およびその重合体 Download PDF

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Abstract

【課題】 質量分析器を利用した生体高分子分析用の新規な標識核酸化合物を提供する。
【解決手段】 これまで知られていた標識核酸化合物以外の一般式(1)で示される新規な標識核酸化合物を提供する。具体的には、共有結合性の有機金属化合物を核酸化合物に導入する。本手法を用いることにより、質量分析器での生体高分子分析の多成分同時検出が可能になり、高速化を図ることができるようになる。

Description

本発明は、DNA解析など分野で利用される、核酸重合体を標識する標識核酸化合物に関するものである。
近年、人の遺伝子診断及び遺伝子治療を行うためのDNAチップをはじめとする、生体高分子の解析技術がさかんに開発されている。これら解析技術に必要なものとして標識化合物がある。これまで、DNAをはじめとする生体高分子の分析を行う際には、生体高分子に何らかの標識剤を結合させ検出を行っていた。その標識方法として、蛍光物質を利用するもの、放射性同位体を利用するものなどがある。
蛍光物質を用いる方法では、一般にフルオレセイン、ローダミン、ダンシル、ピレン等の化合物が標識剤として用いられてきたが、他の内在性蛍光物質の影響を受けたり、励起光と蛍光波長の波長差が小さく、S/N比が悪かったりするため、解析にはあまり好ましくなかった。
また、放射性同位体を利用する方法は、高感度ではあるが放射性物質の危険性に起因する取扱の不便さに欠点がある。
一方、近年、質量分析器を用いる解析方法が非常に有用であることが分かってきた(例えば、特許文献1)。この方法は、生体内に存在しない「非天然元素」で標識した生体高分子を質量分析器で解析する方法である。
この方法によれば、標識元素の数に応じたサンプルを同時に測定することが可能になるため、多検体の生体高分子を分析する場合には、従来のシステムに比べ解析速度が飛躍的に向上するという利点がある。
質量分析器による測定法では多検体同時分析を行うために、数多くの標識化合物が求められているが、この手法に対応する標識化合物としては、鉄元素を標識剤として用いたもの(例えば、特許文献2)やハロゲン元素を標識剤として用いたもの(例えば、特許文献3)が報告されている程度であり、標識核酸化合物は、未だ充分な数がそろっているとは言えない。
特開2002-328114号公報 特願2003-76107号 特願2003-192763号
そこで、質量分析器による解析法においての解析の効率化を図るために、標識化合物の種類を数多く創出することは、非常に重要であり、これまで開発された標識核酸化合物以外に、さらに別の元素で標識された標識核酸化合物の開発が望まれていた。
そこで、本発明者が鋭意検討した結果、新たな標識元素として、14族元素を標識源とした標識核酸化合物を完成するに至った。
即ち、本発明は、下記の構成からなる。
(a) 一般式(1)
Figure 2006047183
(式中Xは連結基、Mは標識元素を示す。Yは水素またはヒドロキシル基を示す。Rは炭素数1から6のアルキル基を示す。またtは、0〜3の整数を示す。)で表される標識核酸化合物。
(b) Mが14族元素であることを特徴とする(a)記載の標識核酸化合物。
(c) Mが錫、鉛であることを特徴とする(a)記載の標識核酸化合物。
(d) tが3であることを特徴とする(a)から(c)のうちいずれか1項記載の標識核酸化合物。
(e) Yが水素であることを特徴とする(a)から(d)のうちいずれか1項記載の標識核酸化合物。
(f) 標識核酸化合物とリチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、又はバリウムとからなることを特徴とする(a)から(e)のうちいずれか1項記載の標識核酸化合物の塩。
(g) (a)から(f)のうちいずれか1項記載の標識核酸化合物又はその塩を生体高分子分析での標識剤として利用する方法。
(h) (a)から(f)のうちいずれか1項記載の標識核酸化合物又はその塩と天然核酸類縁体とを共重合させて得られる重合体。
(i) 天然核酸類縁体が、2’-デオキシアデノシン-5’-三リン酸、2’-デオキシシチジン-5’-三リン酸、2’-デオキシグアノシン-5’-三リン酸、2’-デオキシチミジン-5’-三リン酸の4種類で有ることを特徴とする、(h)記載の重合体。
(j) 天然核酸類縁体が、2’-アデノシン-5’-三リン酸、2’-シチジン-5’-三リン酸、2’-グアノシン-5’-三リン酸、2’-チミジン-5’-三リン酸の4種類で有ることを特徴とする、(h)記載の重合体。
(k) (h)〜(j)の中の少なくとも一つから選ばれる重合体を用いた生体高分子分析法。
本発明により、DNAへの取り込み効率の高い新規な標識核酸化合物を提供することができる。また、本発明の標識核酸化合物は、質量分析器を検出とするようなDNAマイクロアレイ用の新たな標識化合物として非常に有用なものである。
本発明は、まず一般式(1)で表される標識核酸化合物を提供する。
Figure 2006047183
本発明の標識核酸化合物は、一般式(1)に代表されるような構造を有するが、これらは、次の一般式(2)〜(4)に代表されるような、3つの部位に分割することができる。
MR3 ・・・・・・(2)
Figure 2006047183
Figure 2006047183
ここで、一般式(2)を標識基、一般式(3)を連結基、一般式(4)を核酸本体と定義する。
一般式(2)で表される標識基の式中のMは、標識元素を表し、炭素を除く周期表の14族に属する元素である。好ましくは、ゲルマニウム、スズ、鉛であり、より好ましくは、スズと鉛である。
標識元素がこの範疇のものであると、標識基と連結基が共有結合で結ばれるため、従来知られているメタロセンなどに代表される有機金属錯体などで構成される標識化合物にくらべ、堅固な結合になり、安定な分析が可能になる。さらに、質量分析器での分析を行ったとき信号とノイズの分離が非常によいことも分かっている。
また、ここで用いられる標識元素には、高純度の安定同位体元素を用いても良い。
天然元素は、数種類の安定同位体元素の混合物であるのに対して、高純度の安定同位体元素を用いれば、質量数毎に検出シグナルを割り振ることができるため多検体分析を実行しやすくなる。
標識元素としては、空気中、水中で分解しない方が好ましく、また生体を構成する元素より、できるだけ原子量が離れている方が分析時に検出しやすくなる。
また、この標識基の中のRは、アルキル基を示す。このアルキル基は、好ましくは、炭素数1〜6のアルキル基であり、より好ましくは炭素数が1〜4である。この範囲の炭素数であれば、標識核酸化合物の水溶性が向上するため、生体高分子へ取り込まれやすくなり、標識しやすくなる。
一般式(2)で表される標識部は、市販のものを用いても良いし、通常知られた方法で標識元素とアルキル基を結合させることにより得られるものを用いても良い。
一般式(3)で表される、連結基のXは、メチレン、カルボニル、芳香環、アミド結合、エーテル結合、ウレア結合、カーボネート結合、スルホン結合などの原子団で構成される、共有結合性の連結基である。この連結基を構成する原子団の個数およびその組み合わせは、どのようなものであってもよく、また順番もいかようであっても良い。好ましくは、メチレンとアミド結合を組み合わせたもの、またはメチレン鎖が2〜5個連なったものがよい。
この際の距離は、連結基直鎖の原子数で表すことができ、原子数が、3〜50個あることが好ましく、さらに好ましくは、3〜25個であり、より好ましくは、3〜20個の範囲である。
また、この連結基は、末端にアルキンを有する。このアルキンは、核酸本体と連結する際に用いられるユニットである。
一般紙(3)で表される連結部は、特に限定されないが、例えばハロゲンに代表される脱離基を持つアルキンに有機金属試薬を反応させ、次いでトリアルキルシリルクロライド等を反応させて得ることができる。
一般式(4)で表される核酸本体は、シチジンまたは2’−デオキシシチジンを母体とするヌクレオシドまたはヌクレオチドである。
一般式(4)で表される核酸本体は、市販のヌクレオシドまたはヌクレオチドを使用することができる。
この核酸本体は、リン酸エステル部分があってもなくてもよく、またある場合は、そのリン酸エステルは、一リン酸、二リン酸、三リン酸のいずれでもよい。好ましい形態は、ヌクレオシドまたは三リン酸であるが、より好ましいのは三リン酸のものである。
標識核酸化合物は、これら3成分を一般式(1)のように結合することにより、得ることができる。
本標識核酸化合物は、どのように結合を行ってもよいが、例示するならば、以下のような結合である。
まず始めに、標識部と連結部との結合を行う。この際の結合方法は、いずれの方法を用いても良いが、好ましくは、グリニア試薬と14族元素の有機ハロゲン化物とのカップリング反応を行うのが良い。この方法を用いることにより、簡便に標識部と連結部を結合させることができる。
ここで得られた標識部と連結部が結合したものを標識側鎖と称する。
この標識側鎖と核酸本体は、いずれの方法を用いて結合してもよいが、例示するならば、アセチレンとハロゲン化核酸とを結合する、薗頭カップリング反応を用いるのがよい。
また、ヌクレオシドを出発原料とした場合は、一般に知られている、リン酸化法でヌクレオチドに誘導することができる。
これら手法で得られた、ヌクレオシド、ヌクレオチドは、イオン交換クロマトグラフィー、カラムクロマトグラフィー、高速液体クロマトグラフィー、再結晶法、再沈殿法などの一般的な精製法で精製することができる。
以上の様に実施することにより、本発明でいう標識核酸化合物を得ることができる。
この標識核酸化合物は、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、又はバリウムとの塩の形態にあってもよい。
次に本発明で得られる標識核酸化合物を用い、本標識核酸化合物を含んだ重合体を得る方法について、DNAの合成法を例としてより具体的に述べる。
本発明における、重合体の合成方法は、特に限定されないが、広く一般的に用いられることから、標識核酸化合物の3リン酸体を用い、PCR法を利用した重合体の合成が好ましい。
重合体を得るには、鋳型となるDNA、プライマー、無機塩類、d-ATP、d-TTP、d-GTP、d-CTPを適切な比率で入れ、酵素による重合反応を進行させる。ここで、d-CTPのかわりに標識核酸化合物を加えることにより、DNA中のモノマー単位の一部が標識核酸化合物に置き換わった、標識化されたDNA、即ち標識核酸化合物と天然核酸類縁体の共重合体を得ることができる。
上記例に示すように酵素反応により重合体を製造する場合には、用いるべき酵素が反応を進行させるために適した条件下で重合反応を行うことが好ましい。但し、用いる酵素やヌクレオチドによりその重合条件は種々異なるため、反応温度、反応時間、添加剤等に特に厳密な規定はない。
PCR反応等の生体関連高分子の製造法においては、例えばNucleic Acids Res. , pp. 3226(1994)、または新実験化学講座 20巻、pp.847、「DNA合成」記載の反応条件が例示される。
また、本発明の重合体は、上記例のPCR反応等によるcDNAの製造に制限されることなく、それ自体公知の化学的な製造方法を用いても製造することができる(このような「化学的な製造方法」の詳細については、例えば新実験化学講座 20巻、pp.737、「合成ポリヌクレオシドの調整」を参照することができる)。
本発明の安定同位体を含有する重合体の分子量は特に規定はないが、ヌクレオチド単位で10塩基〜5000塩基の重合体であることが好ましい。
このようにして得られた、重合体は、標識化された生体高分子になり、質量数の違いを活かした、分析ができる。
標識源の質量情報を検出する方法は、いくつかの種類が存在するが、本発明の化合物に適用すべき検出方法は特に限定されない。
本発明の標識核酸化合物に適用可能な具体的な検出方法の例としては、例えば、マススペクトルにより質量を検出する方法あげられる。このようなマススペクトルにより質量を検出する装置においては、例えば、本発明の化合物にレーザー等のエネルギーを照射してイオン化すればよい。またはレーザー等のエネルギー照射により本発明の化合物を構成成分に分解・イオン化する。ここで分解とイオン化は同時におこなっても良いし、分解した後、その成分がイオン化しても良い。これらの方法で生成されたイオンの質量を検出して、安定同位体の質量情報を読みとることができる。
本発明の化合物をレーザー照射等により分解した構成成分の構造は、特に限定されない。構成成分を原子状態まで分解した原子も分解成分に含まれる。
また、ゲル濾過クロマトグラフィー、または質量差分離クロマトグラフィー等の場合には、本発明の重合体やその構成成分を各種の混合物のなかから分離して検出する方法により、安定同位体の質量情報を得ることができる。上記方法においては、質量情報の検出に重合体の分子量指標にしても、または重合体をレーザー照射、化学反応等の何らかの方法で構成成分に分解し、その構成成分をクロマトグラフィーにより分離して、分離して構成成分の質量を検出しても良い。
以上のように本発明を利用すれば、本質的には多検体同時分析ができる質量分析器によるDNAマイクロアレイを実用レベルにおいて多検体分析可能にすることができ、非常に有用である。
以下の実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明は、下記実施例に限定されるものではない。使用した薬品で、特に断りのないものは、市販試薬一級品を用いた。
実施例1 1-(トリメチルシリル)-5-クロロ-1-ペンチンの合成
アルゴン気流下、撹拌子を入れた1000ml 4口ナス型フラスコに5-クロロ-1-ペンチン 50.87g、脱水エーテル500mlを加え、系を-78℃にした。2.44 (mol /l) ノルマルブチルリチウム・ヘキサン溶液224mlを20分かけて滴下し、更に2時間攪拌した。引き続き、トリメチルシリルクロライド70.05gを5分かけて滴下し、一晩攪拌した。得られた懸濁液を濾過し、エバポレーターにて濾液を濃縮した。濃縮残渣を蒸留(107℃-112℃/ 70mmHg)することにより1-(トリメチルシリル)-5-クロロ-1-ペンチンを84.69g得た。収率96%。
1H-NMR(CDCl3):δ0.15(s, 9H)、δ1.97(m, 2H)、δ2.42(t, 2H)、δ3.65(t, 2H)。
13C-NMR(CDCl3):δ0.00、δ17.20、δ31.21、δ43.48、δ85.47、δ104.95。
実施例2 1-(トリメチルシリル)-5-(トリブチル錫)-1-ペンチンの合成
アルゴン気流下、還流冷却管を備えた200mlナスフラスコに、金属マグネシウム1.36gを加え、系内を乾燥した。THF 5ml、1,2-ジブロモエタン0.1mlを加え、1-(トリメチルシリル)-5-クロロ-1-ペンチン 10.0gをTHF 20mlに溶かした溶液を45分かけて滴下した。引き続き1時間加熱還流した後に、トリブチル錫クロライド18.21gのTHF 20ml溶液を2時間かけて滴下した。さらに加熱還流を2時間行い、加熱を終了した。系が冷却した後に、飽和塩化アンモニウム200mlを加え、ヘキサン150mlで抽出を行った。得られた有機層を、蒸留水200ml、飽和食塩水200mlで洗浄し、有機層を硫酸ナトリウムで乾燥した。乾燥終了後、濾過、濃縮を行い、得られた残渣を蒸留(145-150℃/ 0.8mmHg)することにより、化合物 1-(トリメチルシリル)-5-(トリブチル錫)-1-ペンチンを13.08g得た。収率54%。
1H-NMR(CDCl3):δ0.15(s, 9H)、δ0.80(m, 17H)、δ1.30(dt, 6H)、δ1.43(dt, 6H)、
δ1.70(m, 2H)、δ2.30(t, 2H)。
13C-NMR(CDCl3):δ0.00、δ8.08、δ8.52、δ13.51、δ24.30、δ26.30、δ27.16、
δ28.90、δ84.21、δ107.28。
実施例3 5-(トリブチル錫)-1-ペンチン
300ml 4口ナスフラスコに1-(トリメチルシリル)-5-(トリブチル錫)-1-ペンチンを12.00g、テトラブチルアンモニウムフルオライドを8.7g、THF 180mlを加え、室温下で一晩攪拌した。沈殿物を濾過し、濾液を濃縮した後にヘキサン 200mlを加え、飽和塩化アンモニウム 200ml、蒸留水 200ml、飽和食塩水 200mlで有機層を洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥した後に、濾過、濃縮を行い、得られた残渣を蒸留(125-8℃/1mmHg)することにより、5-(トリブチル錫)-1-ペンチンを8.71g得た。収率88%。
1H-NMR(CDCl3):δ0.89(m, 17H)、δ1.28(m, 6H)、δ1.47(m, 6H)、δ1.70(m, 2H)、
δ1.96(t, 1H)、δ2.20(dt, 2H)。
13C-NMR(CDCl3):δ8.39、δ8.82、δ13.78、δ23.17、δ26.51、δ27.45、δ29.28、
δ68.28、δ84.66。
実施例4 5-(5”-(トリブチル錫)-1-ペンチノ)-2’-デオキシシチジン
系をアルゴンで置換した30ml 2口ナスフラスコに、5-I-d-Cy 353.1mg、5-(トリブチル錫)-1-ペンチン 1.075g、ヨウ化銅 38.1mg、トリエチルアミン202.4mg乾燥DMF 5mlを加えた。系をよく攪拌した後に、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム223.1mgを加え、50℃、18時間攪拌した。反応終了後、イオン交換樹脂(AG 1- x8 bicarbonate型)を約5g加え、10分間攪拌することにより、反応を停止させた。得られた懸濁液を濾過し、濃縮を行い、残渣を約1g得た。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(シリカゲル 63-210μm 30g、カラム径=2.5cmφ、展開液 クロロホルム/メタノール=95/5)で分離を行った。溶離液を200ml流した後から目的物が得られ、さらに500ml流したところで、目的物の留出が終了した。得られた留分を濃縮し、真空乾燥することにより、366.6mgの5-(5”-(トリブチル錫)-1-ペンチノ)-2’-デオキシシチジンを得た。収率63%。
1H-NMR(CD3OD):δ0.90(m, 17H)、δ1.32(dt, 6H)、δ1.50(m, 6H)、δ1.79(m, 2H)、δ2.12(m, 1H)、δ2.37(m, 1H)、δ2.43(t, 2H)、δ3.30(m, 1H)、δ3.76(ddd, 2H)、δ3.92(m, 1H)、δ6.20(t, 1H)、δ8.22(s, 1H)。
13C-NMR(CD3OD):δ9.42、δ9.65、δ14.13、δ24.95、δ27.68、δ28.48、δ30.54、δ42.34、δ62.53、δ71.79、δ72.31、δ87.83、δ88.97、δ93.56、δ97.33、δ144.73、δ156.63、δ166.42。
LC-MS(positive charge):m/z 584.3
実施例5 3リン酸化反応
5-(5”-(トリブチル錫)-1-ペンチノ)-2’-デオキシシチジン三リン酸
系内をアルゴン置換した 30ml2口ナスフラスコに、5-(5”-(トリブチル錫)-1-ペンチノ)-2’-デオキシシチジン 114.0mg、トリメチルリン酸 3ml、プロトンスポンジ 84.0mg、を加え撹拌した。系を0℃に冷却した後に、オキシ塩化リン90.16mgを加え撹拌した。系を2時間撹拌した後に、0.5M ジ(トリブチルアンモニウム)ピロホスフェートDMF溶液を2.06g、トリブチルアミン218mgを加え、さらに1時間半撹拌した。0.2Mトリエチルアンモニウム2炭酸塩水溶液を8.39g加え、反応を停止させた。
得られた反応液を弱陰イオン交換樹脂(アマシャム社製、DEAE Sephadex A-25)カラムで分離することにより、
目的物を含む水溶液を得た。得られた水溶液を凍結乾燥することにより、5-(5”-(トリブチル錫)-1-ペンチノ)-2’-デオキシシチジン三リン酸を47.8mg得た。収率30%。
1H-NMR(CD3OD):δ0.91(m, 17H)、δ1.31(dt, 6H)、δ1.52(m, 6H)、δ1.75(m, 2H)、δ2.12(m, 1H)、δ2.37(m, 1H)、δ2.44(t, 2H)、δ3.30(m, 1H)、δ3.81(ddd, 2H)、δ3.90(m, 1H)、δ6.20(t, 1H)、δ8.21(s, 1H)。
13C-NMR(CD3OD):δ9.42、δ9.65、δ14.13、δ24.95、δ27.68、δ28.48、δ30.54、δ42.34、δ62.51、δ71.81、δ72.30、δ87.83、δ88.97、δ93.76、δ97.33、δ144.13、δ156.93、δ167.11。
31P-NMR(D2O、H3PO4基準):-10.1ppm、-20.5ppm
LC-MS(negative charge):m/z 822
実施例6 ハロゲン化ヌクレオチドのDNAへの取り込み効率測定試験
本発明で得られる標識核酸誘導体化合物のDNAへの取り込み効率が向上したことを証明するために本試験を行った。
今回新規に合成した標識核酸誘導体化合物ヌクレオチドについては、DNAに取り込み効率を測定するために、濃度勾配ポリメラーゼ・チェイン・リアクション(以下PCRと称す。)試験を行うことにより、DNAへの取り込み効率を比較した。
PCRの条件は、下記の通りである。
略号は、以下の通りである。
d-CTP:2’−デオキシシチジン三リン酸
d-ATP:2’−デオキシアデノシン三リン酸
d-GTP:2’−デオキシグアノシン三リン酸
d-TTP:2’−デオキシチミジン三リン酸
使用DNA: Kanamycin耐性pUCタイプベクター(1159bp)
PCR溶液組成:d-CTPに対する、標識化合物の重量比率を0/10,1/3,1/1,3/1,10/0と変化させ、取り込み確認を行った。比較対照用にd-NTP(d-ATP, d-GTP, d-CTP, d-TTPの等モル混合物。それぞれが2.5mMの溶液)を使って、取り込み試験を行った。
DNA :上記DNA溶液
10mM d-ATP, d-GTP, d-TTP :それぞれ10μl
10mM (d-CTP+標識化合物) :上記比に調整し、10μl
25mM 塩化マグネシウム :5μl
10×PCRハ゛ッファー(Mg2+free) :5μl
フ゜ライマー :各1μl
滅菌水 :32μl
PCR用酵素(La-Taq、タカラバイオ社製):0.5μl (5unit/ul)

PCR条件:94℃(2分)→{94℃(30秒)→57℃(30秒)→72℃(2分)}→72℃(5分)→4℃(終 了)
{}内を35回繰り返し実施した。
電気泳動条件
ゲル :アガロース1wt%
泳動液 :0.5×TAE
泳動条件:50V 30分
上記条件下で展開したゲルをエチジウムブロマイド溶液に10分間浸した後、UVにて移動度を観察した。
その結果下記の表1の様になった。
Figure 2006047183
++・・・DNAへの取り込みがはっきり確認された。
+ ・・・DNAへの取り込みが、若干確認された。
−・・・DNAへの取り込みが確認されなかった。

本結果より、本発明の標識核酸化合物は、DNAへ取り込まれることが分かった。
したがって、本発明の新規標識核酸化合物を用いることにより、質量分析器を用いた生体高分子分での多検体同時検出化に大きく貢献することができ、現在世の中で望まれている、高速、高精度の生体高分子分析が可能になる。

Claims (11)

  1. 一般式(1)
    Figure 2006047183

    (式中Xは連結基、Mは標識元素を示す。Yは水素またはヒドロキシル基を示す。Rは炭素数1から6のアルキル基を示す。またtは、0〜3の整数を示す。)で表される標識核酸化合物。
  2. Mが14族元素であることを特徴とする請求項1記載の標識核酸化合物。
  3. Mが錫、鉛であることを特徴とする請求項1記載の標識核酸化合物。
  4. tが3であることを特徴とする請求項1から3のうちいずれか1項記載の標識核酸化合物。
  5. Yが水素であることを特徴とする請求項1から4のうちいずれか1項記載の標識核酸化合物。
  6. 標識核酸化合物とリチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、又はバリウムとからなることを特徴とする請求項1から5のうちいずれか1項記載の標識核酸化合物の塩。
  7. 請求項1から6のうちいずれか1項記載の標識核酸化合物又はその塩を生体高分子分析での標識剤として利用する方法。
  8. 請求項1から6のうちいずれか1項記載の標識核酸化合物又はその塩と天然核酸類縁体とを共重合させて得られる重合体。
  9. 天然核酸類縁体が、2’-デオキシアデノシン-5’-三リン酸、2’-デオキシシチジン-5’-三リン酸、2’-デオキシグアノシン-5’-三リン酸、2’-デオキシチミジン-5’-三リン酸の4種類で有ることを特徴とする、請求項8記載の重合体。
  10. 天然核酸類縁体が、2’-アデノシン-5’-三リン酸、2’-シチジン-5’-三リン酸、2’-グアノシン-5’-三リン酸、2’-チミジン-5’-三リン酸の4種類で有ることを特徴とする、請求項8記載の重合体。
  11. 請求項8〜10の中の少なくとも一つから選ばれる重合体を用いた生体高分子分析法。
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