JP2006046269A - 燃料噴射量の制御機構 - Google Patents

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博之 町山
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Abstract

【課題】 使用期間の経過に伴う燃料のリーク量の増加に対処すべく、暖態時においても、噴射量を増量し、始動性を確保できる手段を提供する。
【解決手段】燃料噴射ポンプ2と、前記燃料噴射ポンプ2のコントロールラックを操作する電子ガバナ4と、前記電子ガバナ4を制御するコントローラ5と、前記コントローラ5に始動時噴射量を増量させる指令を入力するための操作手段8とを具備する燃料噴射量の制御機構であって、始動時にオペレータにより前記操作手段8が操作された際に、前記コントローラ5は、前記電子ガバナ4にて前記コントロールラックの位置を噴射量増量側の位置にセットし、エンジン1の始動性を向上させることとする。
【選択図】図1

Description

本発明は、ディーゼルエンジンの燃料噴射量の制御機構に関するものであり、より詳しくは、電子制御ガバナによるラック位置の制御、及び低温始動時進角装置の制御に関するものである。
従来、電子制御ガバナによりコントロールラックを動作させる、即ち、コントロールラックのラック位置を制御することにより、燃料噴射量の調量を行う構成の燃料噴射ポンプは周知となっている。そして、低温始動時では、電子制御ガバナによって燃料噴射量を増量させることにより、低温時の始動性の向上を図ることとしている(例えば、特許文献1参照。)。
また、プランジャバレルや分配軸バレルに燃料戻し経路を設けることで、プランジャバレルとプランジャとの間の隙間や、分配軸バレルと分配軸との間の隙間へ浸入する燃料をカム室へリークさせないようにした構成についても周知となっている(例えば、特許文献2参照。)。
また、噴射時期の進角/遅角を行うための低温始動時進角装置を備え、低温始動時では、この低温始動時進角装置によって噴射時期を進角させ、これにより、燃料噴射量も増量させることにより、低温時の始動性の向上を図る構成についても周知となっている(例えば、特許文献2参照。)。
特開平11−2137号公報 特開2001−323860号公報
上記のように、従来は、特に低温始動時における始動性の確保のため、噴射量増量を行うものとしていた。これは、低温始動時でない場合、即ち、機関の周囲温度が高い場合や、作業機運転後に間もなく始動された場合等の暖態始動時では、燃料の増量を行わなくても始動性が確保できると考えられているためである。
ところが、燃料中にはミクロンオーダの異物が混入することがあり、この異物がプランジャバレルとプランジャの間の隙間、及び、分配軸バレルと分配軸の間の隙間に入り込んで、プランジャ等の摺動面を摩耗させてしまうことが考えられる。
このようなことが原因で、使用期間が長期化するに伴って上記の燃料のリーク量が増加することが考えられる。このようにリーク量が増加してしまうと、暖態時においても、始動性が悪化する場合がある。
そこで、使用期間の経過に伴う燃料のリーク量の増加に対処すべく、暖態時においても、コントロールラックの位置を噴射量増量側にセットし、始動性を確保できる手段を講じる必要がある。
他方、上記暖態始動時では、燃料の温度が高くなるものであり、これにより燃料の粘度が低下し、プランジャや分配軸の周囲の隙間への燃料のリーク量が増加することになる。
このように、暖態始動時では、燃料のリーク量の増加による始動性の悪化が考えられる。
そこで、燃料温度が高いことに伴う燃料のリーク量の増加に対処すべく、暖態時においても、ラック位置を噴射量増量側にセットし、始動性を確保できる手段を講じる必要がある。
本発明の解決しようとする課題は以上のごとくであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
即ち、請求項1に記載のごとく、燃料噴射ポンプと、前記燃料噴射ポンプのコントロールラックを操作する電子ガバナと、前記電子ガバナを制御するコントローラと、前記コントローラにコントロールラックの位置を噴射量増量側にセットさせるための指令を入力するための操作手段とを具備する燃料噴射量の制御機構であって、始動時に前記操作手段が操作されると、前記コントローラは、前記電子ガバナにて前記コントロールラックの位置を噴射量増量側の位置にセットし、エンジンの始動性を向上させることとするものである。
また、請求項2に記載のごとく、エンジンを始動するためのセルモータと、燃料噴射ポンプと、前記燃料噴射ポンプのコントロールラックを操作する電子ガバナと、前記電子ガバナを制御するコントローラとを具備する燃料噴射量の制御機構であって、始動時に前記セルモータの通電時間が所定時間以上となったときに、前記コントローラは、前記電子ガバナにて前記コントロールラックの位置を噴射量増量側の位置にセットし、エンジンの始動性を向上させることとするものである。
また、請求項3に記載のごとく、前記コントローラは、前記セルモータの通電時間に応じて、前記コントロールラックの位置の増量側への変化量を変化させることとするものである。
また、請求項4に記載のごとく、前記コントローラは、エンジンが暖態状態であると判断した場合には、前記コントロールラックの位置の増量側への変化率を大とするものである。
また、請求項5に記載のごとく、低温始動時進角装置を備える燃料噴射ポンプと、前記低温始動時進角装置を制御するコントローラと、前記コントローラに前記低温始動時進角装置を作動させる指令を入力するための操作手段とを具備する燃料噴射量の制御機構であって、始動時に前記操作手段が操作されると、前記コントローラは、前記低温始動時進角装置を作動させ、エンジンの始動性を向上させることとするものである。
また、請求項6に記載のごとく、エンジンを始動するためのセルモータと、低温始動時進角装置を備える燃料噴射ポンプと、前記低温始動時進角装置を制御するコントローラとを具備する燃料噴射量の制御機構であって、前記コントローラは、始動時に前記セルモータの通電時間が所定時間以上となったときに、前記コントローラは、前記低温始動時進角装置を作動させ、エンジンの始動性を向上させることとするものである。
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
即ち、請求項1に記載の発明では、オペレータは、任意に始動時の燃料噴射量を増量することができるので、これにより、確実にエンジンを始動させることができる。
また、請求項2に記載の発明では、始動性が良好でない場合、オペレータが意識しなくても、自動的に燃料噴射量が増加され、これにより、始動性を向上することができる。
また、請求項3に記載の発明では、エンジン始動性の悪さに応じて最適な燃料噴射量を設定することができる。これにより、エンジン始動性がそれほど悪くない場合には、燃料噴射量の増量を少なく抑えることができ、燃料噴射量の過剰な増量や、これに伴う多量な黒煙発生を防ぐことができる。また、エンジン始動性が大きく低下している場合には、燃料噴射量を大幅に増量することで、エンジンを確実に始動させることができるようになる。
また、請求項4に記載の発明では、暖態時において、燃料の粘度の低下によりリーク量が増加した場合でも、ラック位置コントロールラックの位置が素早く噴射量増量側にセットされるため、始動性の更なる改善が図られる。
また、請求項5に記載の発明では、オペレータは、任意に始動時の燃料噴射量を増量することができるので、これにより、確実にエンジンを始動させることができる。
また、請求項6に記載の発明では、始動性が良好でない場合、オペレータが意識しなくても、自動的に燃料噴射量が増加され、これにより、始動性を向上することができる。
次に、本発明の実施の形態を、図面に基づいて説明する。
図1は、本発明にかかる燃料噴射量の制御機構を具現するための装置構成例について示すものである。
エンジン1には、燃料噴射ポンプ2、セルモータ3が付設される。燃料噴射ポンプ2には、電子ガバナ4、低温始動時進角装置21が備えられている。
前記セルモータ3の通電状況は、コントローラ5によって認識される。また、前記電子ガバナ4は、コントローラ5によって制御される。
また、エンジン1には、冷却水温度センサ6が設けられ、前記コントローラ5によってエンジン冷却水温度が認識されるようになっている。
また、前記コントローラ5には、スタータスイッチ7が接続されており、オペレータによってスタータスイッチ7が操作されると、前記セルモータ3に通電がされ、エンジン1が始動されるようになっている。
また、前記コントローラ5には、該コントローラ5にコントロールラックの位置(以下、単に「ラック位置」とする)を噴射量増量側にセットさせる指令を入力するための操作手段8が接続されており、オペレータによって操作手段8が操作されると、コントローラ5は、前記電子ガバナ4を制御してラック位置を噴射量増量側にセットする。
前記燃料噴射ポンプ2においては、電子ガバナ4によってコントロールラックが操作されるものとし、該ラック位置が変更されることにより、燃料噴射量が調量されるようになっている。
また、前記燃料噴射ポンプ2においては、前記低温始動時進角装置21によって、圧縮される燃料の溢流の有無を切替えることによる、噴射時期の進角/遅角が行われるものとしている。低温始動時では、この低温始動時進角装置21によって噴射時期が進角され、これに伴って、燃料噴射量も増量させることにより、低温時の始動性の向上を図ることとしている。
また、燃料噴射ポンプ2は、例えば、図2に示すごとくの構成とする。
この燃料噴射ポンプ2においては、電子ガバナ4によりリンク49を介して図示せぬコントロールラックが操作されるものとし、該コントロールラックの位置(ラック位置)が変更されることにより、燃料噴射量が調量されるようになっている。
また、前記燃料噴射ポンプ2においては、前記低温始動時進角装置21によって、圧縮される燃料の溢流の有無を切替えることによる、噴射時期の進角/遅角が行われるものとしている。低温始動時では、この低温始動時進角装置21によって噴射時期が進角され、これに伴って、燃料噴射量も増量させることにより、低温時の始動性の向上を図ることとしている。
また、カム軸42に設けたカム43の回転により、プランジャ45が上下方向に摺動されるものとしており、プランジャ45の上面と、プラグ46との間に燃料圧室が形成され、該燃料圧室にて燃料が圧縮されるものとしている。
また、該燃料圧室内の圧力を検出するため、例えば、プラグ46に、圧力センサ51(図1参照)が設けられるものとしている。
また、該燃料圧室内の燃料温度を検出するため、例えば、プラグ46に、燃料温度センサ52(図1参照)が設けられるものとしている。
また、前記プランジャ45は、プランジャバレル44内で摺動されるものであり、このプランジャ45とプランジャバレル44との間には隙間が形成されるため、この隙間に圧縮される燃料が浸入する、つまり、燃料リークが発生する。また、分配軸スリーブ48内では、分配軸47が回転摺動する構成としており、この分配軸スリーブ48と分配軸47の間の隙間においても、燃料リークが発生するものである。この燃料のリーク量は、燃料の温度が高く、これに伴って燃料の粘度が低下した場合や、粘度の低い燃料が使用された場合に増加することになる。
以上のように、燃料噴射量の制御機構は、燃料噴射ポンプ2と、前記燃料噴射ポンプ2のコントロールラックを操作する電子ガバナ4と、前記電子ガバナ4を制御するコントローラ5と、前記コントローラ5にラック位置を噴射量増量側にセットさせる指令を入力するための操作手段8を具備する構成としている。
そして、この構成において、始動時にオペレータにより前記操作手段8が操作された際に、前記コントローラ5は、前記電子ガバナ4にて前記ラック位置を噴射量増量側の位置にセットし、エンジン1の始動性を向上させることとしている。
尚、「コントロールラックの位置を噴射量増量側の位置にセットする」とは、通常始動する際と比較して、燃料噴射量が増量されるように、コントロールラックの位置が設定されることをいうものであり、図3の制御マップにおいて、通常始動される際に使用されるラック位置をR1とすると、このラック位置R1よりも燃料噴射量を増量する側、即ち、ラック位置R1よりも上側(例えばラック位置R2)に設定することをいうものである。
図3に示す制御マップは、縦軸をラック位置R、横軸を機関回転数Nとするものであり、コントローラ5は、通常の場合、即ち、前記操作手段8が操作されない場合では、制御マップ61を用いて電子ガバナ4を制御するものとし、これにより、ラック位置は制御マップ61に則って設定される。
通常は、この制御マップ61が用いられるため、通常の始動時では(機関回転数Naとなるまで)、ラック位置はR1に設定される。
他方、始動時にオペレータにより前記操作手段8が操作され、ラック位置を噴射量増量側の位置にセットする指令がコントローラ5に入力された場合には、該コントローラ5は、制御マップ62を用いて電子ガバナ4を制御することとし、これにより、機関回転数Naとなるまでの始動時では、ラック位置は、前記R1よりも増量側のR2に設定される。
そして、始動後においては、コントローラ5は、制御マップ62の使用から制御マップ61の使用に切替え、該制御マップ61を使用した通常と同様のラック位置制御(電子ガバナ4の制御)を行う。
以上によれば、オペレータは、任意にラック位置を噴射量増量側の位置にセットすることができるので、例えば、プランジャの摺動面での燃料のリーク量の増加等が原因で、始動性が良好でない場合であっても、確実にエンジンを始動させることができる。
尚、上記では、制御マップ61に加え、新たに制御マップ62を設定する例について述べたが、この例に限定されるものではなく、例えば、制御マップ62の設定を変更可能に構成とすることや、さらには、別の制御マップを設ける等して、オペレータの任意で燃料噴射量を選定可能に構成する等が考えられる。
本実施例は、始動性が良好でない場合に、自動的に電子ガバナ4を作動させ、ラック位置を噴射量増量側の位置にセットすることにより、始動性を向上させることとするものである。
本実施例の燃料噴射量の制御機構は、図1に示すごとく、エンジンを始動するためのセルモータ3と、エンジンの冷却水温度を検知する冷却水温度センサ6と、燃料噴射ポンプ2と、前記燃料噴射ポンプ2のコントロールラックを操作する電子ガバナ4と、前記電子ガバナ4を制御するコントローラ5とを具備する構成としている。
そして、始動時に前記セルモータ3の通電時間が所定時間以上となったときに、つまり、エンジンが始動しづらく、オペレータによってスタータスイッチ7が所定時間操作し続けられたときに、前記コントローラ5は、前記電子ガバナ4にて前記ラック位置を噴射量増量側の位置にセットし、エンジンの始動性を向上させることとするものである。
本実施例においても、図3に示すごとくの制御マップが使用されるものであり、コントローラ5は、例えば、セルモータ3の通電時間が3秒となる場合、つまりは、なかなか始動せず、オペレータによってスタータスイッチ7が3秒間操作され続けたような場合には、制御マップ62を使用し、前記ラック位置を、通常の始動時において使用される位置R1よりも増量側の位置R2にセットするものである。尚、このように増量側に設定する場合のセルモータ3の通電時間の長さについては特に限定するものではなく、上記の例ように3秒と設定するものの他、エンジンや燃料噴射ポンプの仕様に合わせて個別に設定されるものとする。
以上によれば、始動性が良好でない場合、オペレータが意識しなくても、自動的に燃料噴射量が増加され、これにより、始動性を向上することができる。
また、以上のように、セルモータ3の通電時間に基づいて燃料噴射量を増加させるものであるが、この通電時間の長短と燃料噴射量を関連づけることも可能である。
即ち、前記コントローラ5は、前記セルモータ3の通電時間に応じて、前記コントロールラックの位置の増量側への変化量を変化させることとするものである。
図4に示す制御マップは、縦軸をラック位置R、横軸をセルモータ3の通電時間Tとするものであり、通常の始動時においては、セルモータ3の通電時間がT1のとき、ラック位置をR1に設定し、この設定において始動が試みられることになっている。
そして、通電時間T1で始動しない場合には、制御マップ63に示されるごとく、通電時間が長くなるにしたがって、より増量側のラック位置が設定され、通電時間T2となった場合には、コントロールラックがラック位置R2に設定されることとしている。
セルモータ3の通電時間が長くなるのは、始動性が悪く、エンジンがなかなか始動せずに、上記スタータスイッチ7がオペレータによって操作され続けるためであり、このような場合には、通電時間の長さに応じて、つまり、通電時間が長くなればなるほど、ラック位置をより増量側に設定することとする。
以上によれば、エンジン始動性の悪さに応じて最適な燃料噴射量を設定することができる。これにより、エンジン始動性がそれほど悪くない場合には、燃料噴射量の増量を少なく抑えることができ、燃料噴射量の過剰な増量や、これに伴う多量な黒煙発生を防ぐことができる。また、エンジン始動性が大きく低下している場合には、燃料噴射量を大幅に増量することで、エンジンを確実に始動させることができるようになる。
また、以上のように、セルモータ3の通電時間に応じて、前記ラック位置の増量側への変化量を変化させることに加え、エンジン冷却水温度の条件も踏まえて燃料噴射量を設定するものとすることもできる。
これは、エンジン冷却水温度が高い場合は、エンジンが暖態状態であって、燃料の粘度が低下するため、燃料噴射ポンプ2において、上述した燃料のリーク量が増加しやすい状況となっている。そこで、この燃料の粘度の低下を加味し、暖態時では、通常時よりも、燃料噴射量をより増量させることにより、エンジンの始動性の向上を図ろうとするものである。
このことを実現すべく、前記コントローラ5は、冷却水温度センサ6により検出されるエンジン冷却水温度に基づき、エンジンが暖態状態であると判断した場合には(例えば、冷却水温度が50℃のとき等)、前記コントロールラックの位置の増量側への変化率、即ち、セルモータの通電時間に対するコントロールラックの位置の増量側への変化の割合を、暖態状態でないとき(通常状態)に比べて大とすることとする。一方、エンジンが通常状態であると判断した場合には(例えば、冷却水温度が10℃のとき等)、前記コントロールラックの位置の増量側への変化率を、暖態状態のときに比べて小とすることとする。
図4の制御マップ64は、エンジン冷却水温度が高い場合において使用されるものであり、エンジン冷却水温度が高くない場合において使用される制御マップ63と比較して、ラック位置の増量側への変化率が大きく設定され、セルモータ3の通電時間T3となった時点でラック位置R2に設定されるものとしている。つまり、制御マップ63では、通電時間T2となった時点でラック位置R2に設定されるところ、制御マップ64では、この通電時間T2よりも短い通電時間T3となった時点でラック位置R2に設定されることとするものである。
以上によれば、暖態時において、燃料の粘度の低下によりリーク量が増加した場合でも、ラック位置が素早く噴射量増量側にセットされるため、始動性の更なる改善が図られる。
尚、図4に示す例では、エンジン冷却水温度が所定温度以上(例えば、50℃)の場合、即ち、エンジン冷却水温度が或る閾値を超えて上昇したときに、初めて制御マップ64が使用されることとしているが、特定の閾値を設けずに、各冷却水温度に対応してラック位置が定められる制御マップが予め設定される構成としてもよい。
また、本実施例においては、エンジン冷却水温度が0℃以下の場合には、セルモータ3の通電時間が長い場合であっても、燃料噴射量の増量を行わないこととするのが望ましい。低温時では、燃料噴射量の増量によって、却って始動性を悪化させてしまうこともあるからである。
また、エンジンが暖態状態であるか否かの判断は、冷却水温度を基準とするほか、燃料温度や、エンジン潤滑油温度を基準としてもよい。
本実施例は、オペレータの任意により、前記低温始動時進角装置21(図1参照)を作動させることにより、始動性の向上を図ろうとするものである。
本実施例において、図1に示すごとく、燃料噴射量の制御機構は、低温始動時進角装置21を備える燃料噴射ポンプ2と、前記低温始動時進角装置21を制御するコントローラ5と、前記コントローラ5に前記低温始動時進角装置21を作動させる操作手段9とを具備する構成としている。
そして、この構成において、始動時にオペレータにより前記操作手段9が操作された際に、前記コントローラ5は、前記低温始動時進角装置21を作動させ、燃料の溢流を規制することで燃料噴射量を増加させ、エンジン1の始動性を向上させることとしている。エンジン1の始動後は、コントローラ5は、低温始動時進角装置21を非作動の状態とし、該低温始動時進角装置21による燃料噴射量の増量の操作を終了させる。
コントローラ5は、図5に示す制御マップにより、エンジン冷却水温度に対応して、自動的に低温始動時進角装置21(CSD;Cold Start Device)を作動させる又は非作動とすることとしている。
この制御マップの例では、横軸をエンジン冷却水温度とし、エンジン冷却水温度が5℃以下の場合には、低温始動時進角装置21を作動させることとしている。
そして、始動時にオペレータにより前記操作手段9が操作された場合には、コントローラ5は、エンジン冷却水温度に関係なく、即ち、エンジン冷却水温度が5℃以上であっても、低温始動時進角装置21を作動させる。図5の点線65では、エンジン冷却水温度が5℃以上の場合において、低温始動時進角装置21が作動され得ることを表している。
以上によれば、オペレータは、任意に低温始動時進角装置21を作動させることができるので、例えば、プランジャの摺動面での燃料のリーク量の増加等が原因で、始動性が良好でない場合であっても、確実にエンジンを始動させることができる。
尚、低温始動時進角装置21の作動/非作動のエンジン冷却水温度の閾値は、特に、上記5℃に限定されるものではない。
本実施例は、始動性が良好でない場合に、自動的に低温始動時進角装置21を作動させ、燃料噴射量を増量することにより、始動性を向上させることとするものである。
本実施例の燃料噴射量の制御機構は、図1に示すごとく、エンジンを始動するためのセルモータ3と、低温始動時進角装置21を備える燃料噴射ポンプ2と、前記低温始動時進角装置21を制御するコントローラ5とを具備する構成としている。
そして、前記コントローラ5は、始動時に前記セルモータ3の通電時間が所定時間以上のとき、つまり、エンジンが始動しづらく、オペレータによってスタータスイッチ7が所定時間操作し続けられたときに、前記低温始動時進角装置21を作動させ、エンジンの始動性を向上させることとするものである。
本実施例は、実施例3において、オペレータの任意により低温始動時進角装置21を作動させていたものを、セルモータ3の通電時間に基づいて、自動的に低温始動時進角装置21を作動させることとするものである。
このセルモータ3の通電時間を基準とするのは、上記と同様、エンジンが始動し難い状況であることを認識するためである。
コントローラ5は、以上の制御を、図5に示すごとくの制御マップに基づいて行うものであり、セルモータ3の通電時間が長い場合には、仮に、エンジンが暖態状態であると判断されたとしても、点線65で示されるごとく、低温始動時進角装置21を作動させて、これにより、燃料噴射量を増量させることで、始動性の向上を図ることとしている。つまり、セルモータ3の通電時間が長い場合には、エンジンの冷態・暖態状態の如何に関わらず、低温始動時進角装置21を作動させることとするものである。
以上によれば、始動性が良好でない場合、オペレータが意識しなくても、自動的に燃料噴射量が増加され、これにより、始動性を向上することができる。
本発明にかかる燃料噴射量の制御機構を具現するための装置構成例を示す図。 燃料噴射ポンプの構成について示す図。 始動時にラック位置を噴射量増量側の位置にセットさせる制御マップについて示す図。 セルモータの通電時間、エンジン冷却水温度を基準としてラック位置を設定する制御マップについて示す図。 低温始動時進角装置の作動/非作動に関する制御マップについて示す図。
符号の説明
1 エンジン
2 燃料噴射ポンプ
3 セルモータ
4 電子ガバナ
5 コントローラ
6 冷却水温度センサ
7 スタータスイッチ
8 操作手段
9 操作手段

Claims (6)

  1. 燃料噴射ポンプと、
    前記燃料噴射ポンプのコントロールラックを操作する電子ガバナと、
    前記電子ガバナを制御するコントローラと、
    前記コントローラにコントロールラックの位置を噴射量増量側にセットさせるための指令を入力するための操作手段とを具備する燃料噴射量の制御機構であって、
    始動時に前記操作手段が操作されると、
    前記コントローラは、前記電子ガバナにて前記コントロールラックの位置を噴射量増量側の位置にセットし、
    エンジンの始動性を向上させることとした、燃料噴射量の制御機構。
  2. エンジンを始動するためのセルモータと、
    燃料噴射ポンプと、
    前記燃料噴射ポンプのコントロールラックを操作する電子ガバナと、
    前記電子ガバナを制御するコントローラとを具備する燃料噴射量の制御機構であって、
    始動時に前記セルモータの通電時間が所定時間以上となったときに、
    前記コントローラは、前記電子ガバナにて前記コントロールラックの位置を噴射量増量側の位置にセットし、
    エンジンの始動性を向上させることとした、燃料噴射量の制御機構。
  3. 前記コントローラは、
    前記セルモータの通電時間に応じて、
    前記コントロールラックの位置の増量側への変化量を変化させる、
    ことを特徴とする、請求項2に記載の燃料噴射量の制御機構。
  4. 前記コントローラは、
    エンジンが暖態状態であると判断した場合には、
    前記コントロールラックの位置の増量側への変化率を大とする、
    ことを特徴とする、請求項2又は請求項3に記載の燃料噴射量の制御機構。
  5. 低温始動時進角装置を備える燃料噴射ポンプと、
    前記低温始動時進角装置を制御するコントローラと、
    前記コントローラに前記低温始動時進角装置を作動させる指令を入力するための操作手段とを具備する燃料噴射量の制御機構であって、
    始動時に前記操作手段が操作されると、
    前記コントローラは、前記低温始動時進角装置を作動させ、
    エンジンの始動性を向上させることとした、燃料噴射量の制御機構。
  6. エンジンを始動するためのセルモータと、
    低温始動時進角装置を備える燃料噴射ポンプと、
    前記低温始動時進角装置を制御するコントローラとを具備する燃料噴射量の制御機構であって、
    前記コントローラは、
    始動時に前記セルモータの通電時間が所定時間以上となったときに、
    前記コントローラは、前記低温始動時進角装置を作動させ、
    エンジンの始動性を向上させることとした、燃料噴射量の制御機構。
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