JP2006045414A - 酵素を用いたポリマー微粒子の製造方法 - Google Patents

酵素を用いたポリマー微粒子の製造方法 Download PDF

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浩一 平尾
Nobuaki Shirai
伸明 白井
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仁敏 山中
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啓嗣 中島
Masato Nakaya
端人 仲谷
Masashi Minoda
正史 箕田
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Abstract

【課題】重合開始剤などの有害な化学薬品を用いて重合反応を行わせる化学合成法に代わって、酵素を用いた付加重合反応によって、ポリマー微粒子を製造する技術を提供する。
【解決手段】乳化安定剤の存在下に、酵素を用いて乳化液中の付加重合性モノマーを重合反応させてポリマー微粒子を得る、ポリマー微粒子の製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明はポリマー微粒子の製造方法に関する。
ポリマー微粒子やマイクロカプセルは種々開発され、それぞれの特徴や要求特性を考慮して、例えば、蓄熱、インク、医薬品、化粧品等の各種分野において既に用いられてきている。これらの多くは、ビニル基をもつ化合物などの付加重合性モノマーのラジカル重合によって得られている。しかしながら、現在知られているポリマー微粒子乃至マイクロカプセルの製造技術は、いずれも、重合開始剤などとして有害な化学薬品を用いて重合反応を行わせる化学合成法によっている(例えば、特許文献1参照)。この化学合成法は、それ自体安全性の面において不利であるのみならず、設備面、環境面などにおいても有害な化学薬品の処理や、廃水処理などに多大な負荷がかかる不利がある。
一方、酵素は穏和な条件下で優れた触媒作用等を発揮するものであり、上記有害な化学薬品に代わって安全且つ有利に利用できるものとして注目されている。この酵素を用いて付加重合性樹脂を合成する技術も一部知られている(特許文献2参照)。
しかしながら、従来知られている酵素を利用した付加重合性ポリマーの合成技術は、主として水/有機混合溶媒中における溶液重合を利用するものであり、ポリマー微粒子やマイクロカプセルを製造できるものではない。現在、酵素を利用した付加重合反応によってポリマー微粒子やマイクロカプセルを製造した例は報告されていない。
尚、フェノール樹脂の場合は、酵素を用いて微粒子を得たという報告がなされている(非特許文献1参照)が、この報告された方法は、テンプレート重合を行う特別な反応系を利用するものである。しかも、酵素としてホースラディッシュペルオキシダーゼを用い、この酵素だけでなく、重合開始剤として過酸化水素も用いるものである。
特開2002-69438号公報 特開平11-286505号公報 Macromol. Biosci., 2004, 4, 497
本発明の目的は、有害な化学薬品を用いることなく、酵素を用いて付加重合性ポリマーの微粒子を製造する技術を提供することにある。
本発明者らは鋭意研究を重ねた結果、乳化安定剤の存在下に、酵素を用いて乳化液中の付加重合性モノマーを重合反応させる時には、所望のポリマー微粒子が得られるという事実を見出した。本発明は、この知見を基礎として更に研究を重ねた結果、完成されたものである。
本発明は下記項1-9に記載のポリマー微粒子の製造方法及び項10に記載のポリマー微粒子を提供するものである。
項1. 乳化安定剤の存在下に、酵素を用いて乳化液中の付加重合性モノマーを重合反応させてポリマー微粒子を得る、ポリマー微粒子の製造方法。
項2. 酵素が、酸化還元酵素である項1に記載のポリマー微粒子の製造方法。
項3. 酵素が、フェノールオキシダーゼ活性を有する酵素である項1に記載のポリマー微粒子の製造方法。
項4. 酵素が、ラッカーゼである項1に記載のポリマー微粒子の製造方法。
項5. 乳化安定剤が、ノニオン系界面活性剤である項1-4のいずれかに記載のポリマー微粒子の製造方法。
項6. 乳化安定剤が、ポリビニルアルコールである項1-4のいずれかに記載のポリマー微粒子の製造方法。
項7.付加重合性モノマーが、メタクリル酸エステルである項1-4のいずれかに記載のポリマー微粒子の製造方法。
項8. ポリマー微粒子が、平均粒子径100μm以下である項1-4のいずれかに記載のポリマー微粒子の製造方法。
項9. ポリマー微粒子が、原料乳化液を構成する油相成分を内包するカプセル状形態である、項1-4のいずれかに記載のポリマー微粒子の製造方法。
項10. 項1-4のいずれかに記載の方法により得られるポリマー微粒子。
本発明方法によれば、酵素を用いて付加重合性モノマーの重合反応を行わせることによって、人体に危険で環境汚染の問題を伴う、触媒、重合開始剤などの化学薬品の使用を回避することができ、穏和な条件で、所望のポリマー微粒子を、容易に且つ高収率で製造することができる。本発明方法により得られるポリマー微粒子は、未反応の触媒や重合開始剤等の化学薬品を残留するおそれがないので、その安全性が非常に優れたものである。
以下、本発明方法を更に詳しく説明する。
(1)乳化安定剤
本発明方法では、乳化安定剤の存在下に付加重合性モノマーを乳化液中で酵素を利用して重合反応させる。ここで用いられる乳化安定剤としては、代表的にはノニオン系及びアニオン系の界面活性剤を用いることができる。
この界面活性剤の中では、例えばポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート(ツイーン20など)、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル・リン酸エステルなどが好ましい。他の好ましい乳化安定剤としては、ポリビニルアルコール(PVA)などを挙げることができる。このPVAは、本発明方法によってマイクロカプセルなどを作成する場合を考慮すると、油溶成分を内包するコアシェル型マイクロカプセル製造用の乳化安定剤として有利に利用することができる。また、乳化安定剤としては、陽イオン界面活性剤、例えば塩化ステアリルトリメチルアンモニウムなども利用することができる。これらの乳化安定剤は、その一種を単独で用いることもでき、また二種以上を併用することもできる。
(2)酵素
本発明方法においては、所望の付加重合性ポリマー微粒子を作成するための重合反応を、酵素を用いて行うことが重要である。該酵素としては、付加重合性モノマーの重合を行うことができるものであれば限定されず、公知の各種のものを用いることができる。その代表例としては、酸化還元酵素、加水分解酵素などを挙げることができる。
酸化還元酵素は、基質となる付加重合性モノマーに反応を起こす性質を有するものであればよい。その例としては、例えば、オキシダーゼ(ラッカーゼ、チロシナーゼ、フェロオキシダーゼ、キサンチンオキシダーゼなど)、オキシゲナーゼ(リポキシゲナーゼ、ヘムオキシゲナーゼ、シトクロームp-450など)、デヒドロゲナーゼ/レダクターゼ(リンゴ酸デヒドロゲナーゼなど)などを挙げることができる。上記オキシダ−ゼとしてのラッカーゼには、種々の起源のものが含まれ、特にその起源に制限はない。該ラッカーゼとしては、例えば植物由来、細菌由来、担子菌類由来のラッカーゼを挙げることができる。それらの内では、うるしの木から得られるラッカー ゼ、特にTrametes属、Pyricularia属、Pycnoporus属、Coriolus属、Pleurotus属、Mycelopthora属、Neurospora属、Bjerkandera属、Lentinus属などに由来するものが好ましい。
加水分解酵素としては、基質となる付加重合性モノマーに反応を起こす性質を有するものであればよく、リパーゼ、プロテアーゼなどを挙げることができ、より好ましくはリパーゼである。
本発明に利用する酵素の好ましい例としては酸化還元酵素を挙げることができる。該酸化還元酵素の内の好ましい代表例としては、ラッカーゼやフェノールオキシダーゼ活性を有する酵素を挙げることができる。これらの酵素を用いることによって、過酸化水素を用いることなく、ポリマー微粒子の作成のための付加重合を行わせることができる。
酵素は、通常入手される粉末や液体などの形態のままで、重合反応系(モノマーを乳化させた乳化液中)に添加することができる。また、酵素はこれを常法に従って適当な担体に固定化した固定化酵素の形態で上記重合反応系に添加することもできる。
(3)付加重合性モノマー
本発明においてモノマーとしては、重合反応が連鎖的に起こることが望ましいため、付加重合性モノマー、即ち付加重合反応を起こすことができるモノマー、特にラジカル重合性二重結合をもつ付加重合性モノマーを用いる。
該ラジカル重合性二重結合をもつ付加重合性モノマーの具体例としては、例えば、メチルアクリレート及びメチルメタクリレート(以下、アクリレート及びメタクリレートを「(メタ)アクリレート」と表記する)、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、クミル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート;スチレン、α-メチルスチレン、p-メチルスチレン、p-クロロスチレン等のスチレン誘導体;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等の不飽和ニトリル;等の一官能性モノマーを挙げることができる。
また、他の具体例として、例えばエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート等のジ(メタ)アクリレート;トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート等のトリ(メタ)アクリレート;ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジアリルフタレート、ジアリルマレート、ジアリルフマレート、ジアリルサクシネート、トリアリルイソシアヌレート等のジもしくはトリアリル化合物;ジビニルベンゼン、ブタジエン等のジビニル化合物;等の多官能性モノマーを挙げることができる。
上記例示の各モノマーは、それぞれ一種を単独で用いることもでき、また2種以上を組み合わせて用いることもできる。勿論、一官能性モノマーと多官能性モノマーとを併用することもできる。
上記付加重合性モノマーの中で、好ましい例としては、メタクリル酸メチル(メチルメタクリレート)などのアルキル(メタ)アクリレートを挙げることができる。特にこれらを用いて得られるポリマーは、生体に不活性である利点がある。
本発明において、モノマーは、乳化安定剤を存在させた溶液(水溶液)中に添加して重合させるべき乳化液を作成することができ、また、予め適当な溶媒に溶かした後、この溶媒と共に、乳化安定剤を存在させた溶液(水溶液)中に添加して乳化液を調製することもできる。後者の場合、即ちモノマーの溶媒溶液を用いる場合、より一層微細、安定な乳化液を作成できる利点や、重合して得られる微粒子の粒径をより小さくすることができる利点がある。更に、このモノマーの溶媒溶液を用いる方法によれば、利用した溶媒と重合反応により生成するポリマーとのマイクロカプセルを得ることができる。即ち、溶媒を内包したマイクロカプセルを製造することができる。
ここで用いられる溶媒は、モノマーを溶解でき且つ得られるポリマーを溶解し得ない各種溶媒のいずれでもよい。好ましい具体例としては、例えば、ヘキサデカン、デカンなどのパラフィン系オイルなどを例示することができる。特にこれらの溶媒の利用によれば、得られるポリマーの収率を向上できる場合がある。
更に、モノマーの溶媒溶液中には、必要に応じて、農薬、医薬品などの有効成分化合物を油性成分として添加配合することができる。このような有効成分化合物を配合して、本発明方法を実施すると、該化合物を内包したポリマーのマイクロカプセルを製造することが可能である。かくして得られるマイクロカプセルは、例えば農薬を内包するものでは、その効果が安定して持続し、しかも人体、環境などへの薬害が軽減でき、更に有効成分化合物を酸化や湿度から保護でき、蒸発を防ぐこともできる。また、医薬品を内包するものでは、長期にわたって薬効が持続する徐放性製剤を調製できる。
(4)重合方法
本発明方法の好ましい一実施態様としては、窒素雰囲気中で、まず乳化安定剤を含む水溶液を調製し、この水溶液中に付加重合性モノマーまたはこれを含む溶媒溶液を乳化させ、得られる乳化液に酵素を添加して重合反応させる方法を挙げることができる。
上記方法において、乳化安定剤を含む水溶液における乳化安定剤の濃度は、該乳化安定剤として用いる界面活性剤の種類に応じて適宜決定できる。通常、ノニオン系界面活性剤では、0.1〜60重量%の範囲に、PVAでは、0.1重量%〜飽和水溶液濃度の範囲に、また他の界面活性剤(例えばアニオン系界面活性剤)では0.1〜2重量%の範囲に調製されるのが好ましい。
乳化安定剤を含む水溶液中に付加重合性モノマーまたはこれを含む溶媒溶液を添加して乳化させる方法は、ホモジナイザーなどを用いる方法によって実施することができる。水溶液とモノマーまたはこれを含む溶媒溶液との使用割合は、一般には水溶液100重量部に対してモノマー0.01〜60重量部程度、好ましくは0.1〜20重量部程度とされ得る。また、モノマーの溶媒溶液を用いる場合、該溶液中のモノマー量は、20重量%程度以上とするのが適当である。かくして重合反応のための乳化液を調製することができる。
得られる乳化液の重合反応は、該乳化液に所定量の酵素を添加させることによって開始できる。酵素の使用量は、重合反応が進行することを前提として、使用する酵素に応じて、適宜決定することができる。例えばラッカーゼを例にとれば、一般には、乳化液10mlに対して、10〜80,000(POU)程度の範囲、好ましくは100〜40,000POU程度の範囲から選ばれるのが適当である。
ここで、ラッカーゼの力価は、pH4.5、30℃において、該ラッカーゼが触媒する、4-アミノアンチピリンとフェノールの酸化縮合反応により、生成するキノンイミン色素の505nmにおける吸光度を1分間に0.1増加させる酵素活性を1POU単位とする。他の酵素については、上記ラッカーゼの使用量に準じて、適宜決定することができる。
重合反応の条件は、用いる酵素の至適温度条件等に応じて適宜決定される。また利用する乳化安定剤、モノマー、酵素などの種類によっても若干変化する。一般には、約20〜70℃の範囲の温度条件が好ましく採用できる。重合反応時間は、重合温度条件、モノマーの種類、得られるポリマーの所望の重合度などに応じて適宜決定される。一般には、約14〜48時間の範囲内で適当に決定することができる。
重合反応終了後は、通常の方法に従って、必要に応じて冷却後、濾別、洗浄、乾燥等の操作を行うことができ、かくして、本発明の所望のポリマー微粒子を得ることができる。即ち、前記重合反応によって得られるポリマー微粒子は、重合反応系に微粒子状態で懸濁しており、濾過などの通常の操作によって容易に反応系よりとり出すことができる。また、水洗等を行うのみで容易に精製することができる。なお、ポリマー微粒子の懸濁液は、その用途によっては、上記濾過などの操作を経ることなく、懸濁液状態のままで、実用できる場合もある。
かくして、平均粒径が0.1mm(100μm)以下、特に約0.5-5μmの範囲にある微細な球状乃至はカプセル状のポリマー粒子を得ることができる。得られる微粒子は、必要に応じて、分級などの一般的な操作によって、その粒度をある一定の範囲内に調整することもできる。なお、上記平均粒径は、常法に従って、例えば光学顕微鏡を利用する方法、レーザ粒度分布測定装置を利用する方法などにより測定することができる。
本発明方法は、有害な化学薬品などを使用することなく、これに代えて酵素を使用して実施できるものであるため、その実施自体が作業者にとって安全であることは勿論のこと、有害な廃棄物、排水などを生じることがなく、また得られるポリマーにも有害な物質が残留するおそれはなく、人体や環境にやさしいものである。本発明方法によって得られるポリマー微粒子は、このように特に安全性が高いことから、蓄熱、インク、医薬品、化粧品、農薬など様々な分野でより有効に利用することができる。
実施例
以下に本発明の実施例を挙げるが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。尚、各例における微粒子の粒径の測定は、光学顕微鏡(ナノシステム社製 NanoHunter NS2K-Pro)を用いて実施した。
窒素雰囲気下において、ポリビニルアルコール(キシダ化学株式会社製PVA500、ケン化度88%)の1%水溶液10mLにメタクリル酸メチル1mLを添加して十分に攪拌したのち、得られる混合物中に「ラッカーゼ」(ラッカーゼ ダイワ(大和化成株式会社製)、一般名:ポリフェノールオキシダーゼ、力価:440,000POU/g)80mg/mL水溶液1mLを添加し、混合物をスターラーで攪拌して60℃で16時間加熱した。得られたポリマーを冷却後、よく水洗したのち、メタノールにて洗浄した。その結果、粒径が約0.5〜5μmのポリマー微粒子が得られた。
窒素雰囲気下において、ポリビニルアルコール(キシダ化学株式会社製PVA500、ケン化度88%)の1%水溶液10mLにメタクリル酸メチル0.5mLとワックス(日本精蝋社製のワックスSCP-0018、固液相転移約18℃)0.5mLの混合液を添加して十分に攪拌を行ったのち、「ラッカーゼ」(ラッカーゼ ダイワ(大和化成株式会社製)、一般名:ポリフェノールオキシダーゼ、力価:440,000POU/g)80mg/mL水溶液1mLを添加して、スターラーで攪拌して60℃で16時間加熱した。得られたポリマーを冷却後よく水洗したのち、メタノールにて洗浄を行った。その結果、粒径が約0.5〜5μmのポリマー微粒子が得られた。
また、得られた微粒子のDSC測定(0℃から10℃/min昇温測定)を行ったところ、18℃に46J/gの吸熱ピークが観測された。このDSCにより吸熱が観測されたことから、得られる微粒子は、ワックス成分を内包するカプセルになっていることが示される。
窒素雰囲気下において、「プライサーフA-210G」(第一工業製薬株式会社、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル・リン酸エステル)の1%水溶液10mLにメタクリル酸メチル1mLを添加して十分に攪拌したのち「ラッカーゼ」(ラッカーゼ ダイワ(大和化成株式会社製)、一般名:ポリフェノールオキシダーゼ、力価:440,000POU/g)80mg/mL水溶液1mLを添加して、スターラーで攪拌して60℃で16時間加熱した。得られたポリマーを冷却後よく水洗したのち、メタノールにて洗浄を行った。その結果、粒径が約0.5〜5μmのポリマー微粒子が得られた。
窒素雰囲気下において、コータミン86W(花王)の1%水溶液10mLにメタクリル酸メチル1mLを添加して十分に攪拌したのち「ラッカーゼ」(ラッカーゼ ダイワ(大和化成株式会社製)、一般名:ポリフェノールオキシダーゼ、力価:440,000POU/g)80mg/mL水溶液1mLを添加して、スターラーで攪拌して60℃で16時間加熱した。得られたポリマーを冷却後よく水洗したのち、メタノールにて洗浄を行った。その結果、粒径が約0.5〜5μmのポリマー微粒子が得られた。
本発明方法は、人体や環境にやさしいものであり、この方法によって、蓄熱、インク、医薬品、化粧品、農薬など様々な分野で有用なポリマー微粒子を得ることができる。

Claims (10)

  1. 乳化安定剤の存在下に、酵素を用いて乳化液中の付加重合性モノマーを重合反応させてポリマー微粒子を得る、ポリマー微粒子の製造方法。
  2. 酵素が、酸化還元酵素である請求項1に記載のポリマー微粒子の製造方法。
  3. 酵素が、フェノールオキシダーゼ活性を有する酵素である請求項1に記載のポリマー微粒子の製造方法。
  4. 酵素が、ラッカーゼである請求項1に記載のポリマー微粒子の製造方法。
  5. 乳化安定剤が、ノニオン系界面活性剤である請求項1-4のいずれかに記載のポリマー微粒子の製造方法。
  6. 乳化安定剤が、ポリビニルアルコールである請求項1-4のいずれかに記載のポリマー微粒子の製造方法。
  7. 付加重合性モノマーが、メタクリル酸エステルである請求項1-4のいずれかに記載のポリマー微粒子の製造方法。
  8. ポリマー微粒子が、平均粒径100μm以下である請求項1-4のいずれかに記載のポリマー微粒子の製造方法。
  9. ポリマー微粒子が、原料乳化液を構成する油相成分を内包するカプセル状形態である、請求項1-4のいずれかに記載のポリマー微粒子の製造方法。
  10. 請求項1-4のいずれかに記載の方法により得られるポリマー微粒子。

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JPH11286505A (ja) * 1998-04-02 1999-10-19 Agency Of Ind Science & Technol ビニルポリマーの製造方法
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