JP2006043849A - ライン光発生光学系及びそれを搭載したレーザ墨出し装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 簡単な構成でロッドレンズへのレーザ光入射効率を向上でき、理想的には入射効率が100%となるライン光発生光学系及びそれを搭載した低価格で明るいライン光を照射できるレーザ墨出し装置を提供する。
【解決手段】 レーザ光を台形状の集光用プリズム1を用いてロッドレンズ2にレーザ光が100%入射するようにレーザ光源、集光用プリズム及びライン光形成用ロッドレンズを配置する。集光用プリズムは下底側をレーザ光源側に向け、上底側をロッドレンズ側に向ける。上底の幅はロッドレンズ直径と同じ大きさ、下底の幅は入射ビーム光の直径よりも大きくし、入射ビーム径がロッドレンズ径よりも大きくする。集光用プリズム1の斜辺部はレーザ光が全てロッドレンズ2に入射できるような頂角αを有している。
【選択図】図1
【解決手段】 レーザ光を台形状の集光用プリズム1を用いてロッドレンズ2にレーザ光が100%入射するようにレーザ光源、集光用プリズム及びライン光形成用ロッドレンズを配置する。集光用プリズムは下底側をレーザ光源側に向け、上底側をロッドレンズ側に向ける。上底の幅はロッドレンズ直径と同じ大きさ、下底の幅は入射ビーム光の直径よりも大きくし、入射ビーム径がロッドレンズ径よりも大きくする。集光用プリズム1の斜辺部はレーザ光が全てロッドレンズ2に入射できるような頂角αを有している。
【選択図】図1
Description
本発明は、線幅が細く、かつ極めて広がり角度が大きなライン光を発生することができるライン光発生光学系及びそれを搭載したレーザ墨出し装置に関するものである。
家屋建築の際、特に建築開始時には各種部材の取り付け基準位置の設定や部材加工の位置決め等に水準線を出す作業すなわち墨出し作業が必須である。そこで建築現場では、レベル測量儀等の器具を用いてレベル出しを行い、対象となる構造物の壁に複数のマーク(墨)をつけ、それらをつないで墨出しラインを形成し工事基準としていた。
しかし、この作業は最低でも2人で行う必要があり、非常に手間がかかり、効率が悪いという問題があった。この問題を改善するために、最近ではライン光照射機能を有するレーザ墨出し装置を用いて効率良く墨出し作業を行うことが多くなった。レーザ墨出し装置は1人で墨出し作業を容易に行うことができるため、建築作業には欠かせない必須ツールとなりつつある。
墨出しラインには、床から壁、天井にかけて垂直線を描くいわゆる『たちライン』、2本の『たちライン』を同時に照射させることで天井に直角ラインを描く『大矩ライン(おおがねライン)』、壁に水平線を描く『ろくライン』、レーザ墨出し装置の直下の床上に集光したレーザビームを照射する『地墨』等いろいろなラインが存在する。
レーザ墨出し装置を用いた墨出し作業を精度良く行うためには、ライン光の線幅が細いことが望ましい。また、墨出し作業を効率良く行うためには、ライン光の広がり角度ができるだけ大きいことが望まれる。従来のレーザ墨出し装置のライン光発生光学系は、基本的にはレーザ光源、レーザ光源からのレーザ光をビーム径一定のコリメート光に変換するコリメートレンズ、コリメート光をライン光に変換するロッドレンズから構成される。ライン光の線幅を細くするため、従来は、コリメート光のビーム径を小さくすることで対応していた。
また、広角のライン光を得るためには複数個のライン光発生光学系を用い、各光学系から照射されたライン光を連結することにより広角のライン光を得る方法、1個のロッドレンズに対して2個のレーザ光源を用いることにより発生した2個のライン光を連結する方法が特許文献1等により提案されている。
図3を参照してロッドレンズを用いた場合のライン光発生原理を説明する。ロッドレンズは周面が透過面である円柱状のレンズである。図3にはコリメート光がロッドレンズに入射し、ライン光が発生する様子を示している。今簡単のため、1本のビームについて考える。入射点における法線とビームがなす角度(入射角)をα0、ロッドレンズ内部で屈折して進むビームと法線がなす角度(屈折角)をβ、ロッドレンズの屈折率をn、空気の屈折率を1とする。
この時、屈折角βはスネルの法則 1・sinα0=n・sinβを満たす式から求めることができる。次に出射点における法線とビームのなす角度はβであるため、ロッドレンズを出射後のビームと法線のなす角度をγとすると、スネルの法則により n・sinβ=1・sinγ となるため、α0=γとなる。すなわちビームの入射角α0が大きければ出射角γも大きくなる。従ってロッドレンズ径いっぱいにビームを入射させた場合にライン光の広がり角度が最大になる。この時、ロッドレンズの長手方向にはロッドレンズの屈折作用がないため、光は屈折することなく直進する。すなわちロッドレンズにレーザ光を入射させるとその出射光は一方向に引き伸ばされてライン光に変換される。この時、ロッドレンズ径に対する光の入射割合が大きくなる程、ライン光の広がり角度は大きくなる。
次にレーザ光の強度分布特性について説明する。レーザ光の強度分布はガウス分布をなしている。すなわちレーザ光源から出射した光は放射状に広がっており、中心部ほど光が密になるため強度が強く、周辺部ほど光が疎となり強度が弱くなる。従って従来の方法によりロッドレンズを用いてライン光を発生させた場合、広がり角度が大きな部分は、周辺部の光強度の弱い光で形成されている。さらにライン光は変換前のドット光に比べて面積が大きくなるため、単位面積当たりの光強度が小さくなる。すなわち、広がり角度の大きな部分のライン光は広がり角度の小さな部分のそれに比べて見えにくくなり、周囲の照度条件によっては見えなくなる場合が生じる。そこで上記課題を解決するため、従来は光強度の大きな中心部分だけを使う方法が採られてきた。この方法によればロッドレンズ径いっぱいに光強度の大きな中心部分の光を入射させるためには、ビーム径を大きくせざるを得ず、ライン光線幅は大きくなる方向になるため、細い線幅を得るのには不利である。
一般のレーザ墨出し装置によく用いられる赤色半導体レーザ光はビームが楕円形状をしているため、楕円の短軸方向が線幅方向に一致するようにレーザ光源とロッドレンズを配置することで対処している。しかし、ビームが円形状であるレーザ光源を用いる場合は、上記問題が残る。
また、従来方法では光強度の大きな部分のみ使うため、光の利用効率は低くならざるを得ないと言う問題がある。
また、従来方法では光強度の大きな部分のみ使うため、光の利用効率は低くならざるを得ないと言う問題がある。
次に、広角のライン光を得るためには複数個のライン光発生光学系を用い、各光学系から照射されたライン光を連結することにより広角のライン光を得る方法があるが、搭載するレーザ光源数の増加に伴い、コストが高くなるという問題がある。この問題を解決するため、1個のロッドレンズに対して2個のレーザ光源を用いることにより発生した2個のライン光を連結する方法が特許文献1により提案されている。この方法によればライン光発生光学系が2組のレーザ光源/コリメートレンズと1個のロッドレンズから構成されるため、ロッドレンズ1個分のコストダウンにはなるが、基本的に光の入射方式は従来方法と同じであるため、光の利用効率は改善されておらず、利用効率が悪いと言う問題がある。
本発明の目的は、このような従来の課題を解決して、光の利用効率が高く、広がり角度の大きなライン光発生光学系及びそれを用いたレーザ墨出し装置を提供することにある。
上記の目的を達成するために本発明は、レーザ光を台形状の集光用プリズムを用いてロッドレンズにレーザ光が100%入射するようにレーザ光源、集光用プリズム及びライン光形成用ロッドレンズを配置したことに一つの特徴がある。なお、集光用プリズムは、図1に示すように、台形の下底側をレーザ光源側に向け、上底側をロッドレンズ側に向けている。さらに上底の幅はロッドレンズ2の直径と同じ大きさになるようにしている。下底の幅は入射するビーム光の直径よりも大きくしている。ここでは入射ビーム径の方がロッドレンズ径よりも大きくなるようにしている。また、台形の斜辺部は、斜辺部を介して出射したレーザ光が全てロッドレンズ2に入射できるように、適当な頂角αを有している。集光用プリズム1の下底から入射したレーザ光は下底に対して垂直に入射するため全ての光が集光用プリズム1内では直進する。次にロッドレンズ2の直径幅に該当するレーザ光は集光用プリズム1の上底に達して上底に垂直に当るため、そのまま直進して集光用プリズム1から出射してロッドレンズ2に入射し、ロッドレンズ2出射後はライン光となる。それ以外の光は集光用プリズム1内を直進後に集光用プリズム1の斜辺に当るが、この時斜辺とは所定角度を成すため、集光用プリズム1から出射の際に屈折して進んでロッドレンズ2に入射する。すなわち、ロッドレンズ2の直径よりも大きなビーム径を有するレーザ光を100%ロッドレンズ2に入射させることが可能となる為、ライン光の形成効率が著しく向上する。
本発明の他の特徴は、上述のようなライン光発生光学系を搭載したレーザ墨出し装置を構成したことにある。このようにすると、ライン光の変換効率が向上する為、明るいライン光を有するレーザ墨出し装置を低価格で提供することができる。
上述のように本発明のライン光発生光学系を用いれば、レーザ光をロッドレンズに100%入射させることが可能となるため、できたライン光の照度が向上し、非常に明るいライン光を得ることが可能となる。また、本発明のライン光発生光学系をレーザ墨出し装置に搭載することにより、明るいライン光を容易に照射することができるため、簡単な構造で1個のレーザ光源を用いていろいろな方向に明るいライン光を発生させることが可能となる。従って低コストで複数本の墨出し用レーザライン光を発生させることが可能となった。その結果、従来は非常に高価であった複数ライン光照射用レーザ墨出し装置を低価格で提供することが可能となった。
(実施形態1)
本発明ライン光発生光学系は、基本的にはレーザ光源、台形状の集光用プリズム、ロッドレンズから構成される。図1は光学系の一実施形態を示し、図の下側にレーザ光源があるが図示は省略してある。1は集光用プリズム、2はロッドレンズである。
本発明ライン光発生光学系は、基本的にはレーザ光源、台形状の集光用プリズム、ロッドレンズから構成される。図1は光学系の一実施形態を示し、図の下側にレーザ光源があるが図示は省略してある。1は集光用プリズム、2はロッドレンズである。
図1に示すように集光用プリズム1の上底中心がXY座標の原点0に一致するように配置されており、集光用プリズム1の斜辺の頂角をα、集光用プリズム1の屈折率をnとする。レーザ光はY軸に平行にプリズム1の下底から入射する。集光用プリズム1の上底の幅はロッドレンズ2の直径と一致するように設定している。集光用プリズム1の下底から入射する入射光のうち、ロッドレンズ2の直径すなわち集光用プリズム1の上底の幅と同じ範囲を占める入射光は集光用プリズム1の入射面に対して垂直に入射し、さらに出射面に対しても垂直に出射するため、集光用プリズム1が存在しない従来の光学系と同様にビームは直進してロッドレンズ2に入射し、さらにロッドレンズ2から所定の角度をなして出射し、扇状に広がりライン光を形成する。入射光のうちさらに外側に存在するビームは図1から明らかなように集光用プリズム1下底では垂直に入射するため、集光用プリズム1内部を直進するが、集光用プリズム1の出射部では頂角αを有する斜面から出射するため、ビームは出射点での法線と所定の角度をなし、集光用プリズム1の出射面では直進せずに所定の角度をなすようにビームの進行方向が変更する。本実施形態ではビームはすべてロッドレンズ2に入るようにロッドレンズ1の中心位置Hの位置を定めている。従って、ライン光を形成する為に用いたレーザビームは集光用プリズム1の集光作用により、余すことなくロッドレンズ2に入射するため、100%の変換効率でライン光を形成することが可能となる。
次にライン光への変換効率を100%にするために必要なロッドレンズ2の中心位置を定める方法について図2を用いて詳細に説明する。レーザ光は集光用プリズム1の入射面に対して垂直に入射するので集光用プリズム1の内部を直進する。次に集光用プリズム1の上底に達した光はやはり垂直に当るため、直進して集光用プリズム1から出射した後、ロッドレンズ2に入射する。それ以外の光は集光用プリズム1の斜辺に当る。ここで、レーザ光と集光用プリズム1の斜辺の法線は角度αをなす。集光用プリズム1の屈折率はnであるから、集光用プリズム1の斜辺から光が出射する時に法線となす角度をφ、空気の屈折率を1とすればスネルの法則により、
n・sinα=1・sinφ となる。従って φ=sin-1(n・sinα) (0)
となる。
n・sinα=1・sinφ となる。従って φ=sin-1(n・sinα) (0)
となる。
集光用プリズム1の斜辺の頂角をα、集光用プリズム1の斜辺からの出射光が法線となす角度をφとすれば、出射光線L1がx軸となす角度は π/2−(φ−α) であり、点A(−R、0)を通るので直線L1の式は
L1: y=cot(φ−α)(x+R) (1) で与えられる。
ただし、ロッドレンズ2の半径をRとする。
入射レーザの強度分布は一般にはガウス分布であるため、レーザドット中心からrだけ離れた位置におけるレーザ強度I(r)は次式で与えられる。
L1: y=cot(φ−α)(x+R) (1) で与えられる。
ただし、ロッドレンズ2の半径をRとする。
入射レーザの強度分布は一般にはガウス分布であるため、レーザドット中心からrだけ離れた位置におけるレーザ強度I(r)は次式で与えられる。
I(r)=I0exp(-2r2/ω0 2)
ただし ω0は1/e2の時のビーム径である。
ただし ω0は1/e2の時のビーム径である。
レーザ光を集光用プリズム1の上底を通過してロッドレンズ2に入射させる場合、−この場合レーザ強度70%の光がA点を通過するようにビーム径及びロッドレンズ2の半径が決められている−、A点の径は、正規化したレーザビーム半径r/ω0で0.422に相当するため、1/e2該当ビーム径は 1/0.422×R=2.37R となる。従って図中出射点Cの座標はC(-2.37R、-1.37Rtanα)となる。
従って点Cを通り、直線L1に平行な直線L2の式は
L2: y=cot(φ−α)(x+2.37R)−1.37Rtanα (2) となる。
ロッドレンズ2を表す円1の中心点のy座標値をH1とすると円1の式は
x2+(y−H1)2=R2 (3) で表される。
直線L1と円1の交点は式(1)及び式(3)から
(1+cot2θ)x2+2(Rcotθ−H1)cotθx+(Rcotθ−H1)2−R2=0
が得られる。(ただし θ=φ−αとする)
ここで直線L1と円1が接する条件は
判別式D=4(Rcotθ−H1)2cot2θ−4(1+cot2θ)〔(Rcotθ−H1)2−R2〕=0 となる場合である。ここで N=Rcotθ−H1とおいて式を整理すると
N2cot2θ−(1+cot2θ)(N2−R2)=0
従って N=±R(1+cot2θ)1/2 となるので
Rcotθ−H1=±R(1+cot2θ)1/2 が得られる。
従って H1=R〔cotθ±(1+cot2θ)1/2 〕となる。図から明らかなように±の符号は+を採用するので
H1=R〔cot(φ−α)+(1+cot2(φ−α))1/2 〕 (5)
が得られる。
次に円2の中心点のy座標値をH2とすると円2の式は
x2+(y−H2)2=R2 (4) で表される。
従って直線L2と円2の交点は式(2)及び式(4)から
(1+cot2θ)x2+2Scotθ・x+(S2−R2)=0
(ただし S=2.37Rcotθ−1.37Rtanα−H2)
ここで直線L2と円2が接する条件は
判別式D=4S2cot2θ−4(1+cot2θ)〔S2−R2〕=0
従って S=±R(1+cot2θ)1/2 となるので
2.37Rcotθ−1.37Rtanα−H2=±R(1+cot2θ)1/2 が得られる。
従って H2=R〔2.37cot(φ−α)−1.37tanα±(1+cot2(φ−α))1/2 〕となる。図から明らかなように±の符号は−を採用するので
H2=R〔2.37cot(φ−α)−1.37tanα−(1+cot2(φ−α))1/2 〕 (6)が得られる。
従ってロッドレンズ2にレーザ光を100%入射させるためにはロッドレンズ2の中心y座標値Hは H2 ≦ H ≦H1 (7) でなければならない。
(ただし、 φは式(0)から φ=sin-1(n・sinα) )
今、半径1mmのロッドレンズ2にレーザ光を100%入射させる場合について説明する。集光用プリズム1の上底の幅はロッドレンズ2の直径に一致させる為、2mmとなる。また、下底の幅はビーム直径より大きくする必要がある。ここで1/e2該当レーザビーム半径は 1/0.422×R=2.37RであってさらにR=1mmであることから2.37×1=2.37 mmとなるため、レーザビーム直径は2.37×2=4.74mmとなる。従って集光用プリズム1の下底の幅は4.74mm以上にする必要がある。集光用プリズム1の頂角をα=30°、プリズム材質としてガラス材であるBK7(屈折率1.5)を用いた。ロッドレンズ2にレーザ光を100%入射させるためのロッドレンズ2の中心y座標値Hは式(5)(6)(7)から求めることができる。
ここで集光用プリズム1の斜辺の法線と出射光がなす角度φは
φ=sin-1(n・sinα)に n=1.5 α=30°を入れるとφ=48.6°となる。次に式(5)及び式(6)から
H1=6.1mm H2=3.1mm が得られる。すなわち半径1mmのロッドレンズ2に集光用プリズム1を用いてレーザ光を100%入射させるためにはプリズム1の上底部から3.1mm以上6.1mm以下の範囲にロッドレンズ2を配置すれば良い。
(実施形態2)
本発明のライン光発生光学系をレーザ墨出し装置に実装した形態について説明する。図4に示すようにレーザ墨出し装置10は基本的には光学系5と光学系5を水平に保つための支持機構部6から構成されている。
図5にライン光発生光学系5の概略を示す。レーザ墨出し装置10本体に対して水平方向に配置した半導体レーザ7から出射されたレーザビームはコリメータレンズ8によりビーム断面形状が円形であるコリメート光(平行光)B1に変換される。本実施形態ではコリメート光B1のビーム直径は4.7mmになるように設定している。コリメート光B1は2個の光分離面を有するビームスプリッター11に入射し、3方向の光に分岐される。ビームスプリッター11は2個の分離面を有し、第1光分離面は入射光の70%が反射し、30%が透過するような特性となっており、第2光分離面では入射光の40%が反射し、60%が透過するような特性となっている。従って入射光B1は第1光分離面で70%が反射して光線R1となり、残り30%の光はビームスプリッター11内部を通過して透過光T1となる。第2光分離面では反射光R1の40%を反射した反射光R2となり、反射光R1の残り60%は第2光分離面を透過した透過光T2となる。従って、各光線の光路上に上記した集光プリズム1及びロッドレンズ2からなるライン光発生光学系15を配置することでロッドレンズ2に光線を100%入射させることが可能となり、非常に明るくて、広角度のライン光を得ることができる。透過光T1の光路上に配置したライン光発生光学系15のロッドレンズ2は、その長手方向が半導体レーザ7の出射方向と直交する垂直方向に配置されている。従って得られるライン光は水平ライン光となる。次に、反射光R2の光路上に配置したライン光発生光学系15のロッドレンズ2はが上述の水平ライン光発生用ロッドレンズと直交する方向に配置している。従って得られるライン光は垂直ライン光となる。
L2: y=cot(φ−α)(x+2.37R)−1.37Rtanα (2) となる。
ロッドレンズ2を表す円1の中心点のy座標値をH1とすると円1の式は
x2+(y−H1)2=R2 (3) で表される。
直線L1と円1の交点は式(1)及び式(3)から
(1+cot2θ)x2+2(Rcotθ−H1)cotθx+(Rcotθ−H1)2−R2=0
が得られる。(ただし θ=φ−αとする)
ここで直線L1と円1が接する条件は
判別式D=4(Rcotθ−H1)2cot2θ−4(1+cot2θ)〔(Rcotθ−H1)2−R2〕=0 となる場合である。ここで N=Rcotθ−H1とおいて式を整理すると
N2cot2θ−(1+cot2θ)(N2−R2)=0
従って N=±R(1+cot2θ)1/2 となるので
Rcotθ−H1=±R(1+cot2θ)1/2 が得られる。
従って H1=R〔cotθ±(1+cot2θ)1/2 〕となる。図から明らかなように±の符号は+を採用するので
H1=R〔cot(φ−α)+(1+cot2(φ−α))1/2 〕 (5)
が得られる。
次に円2の中心点のy座標値をH2とすると円2の式は
x2+(y−H2)2=R2 (4) で表される。
従って直線L2と円2の交点は式(2)及び式(4)から
(1+cot2θ)x2+2Scotθ・x+(S2−R2)=0
(ただし S=2.37Rcotθ−1.37Rtanα−H2)
ここで直線L2と円2が接する条件は
判別式D=4S2cot2θ−4(1+cot2θ)〔S2−R2〕=0
従って S=±R(1+cot2θ)1/2 となるので
2.37Rcotθ−1.37Rtanα−H2=±R(1+cot2θ)1/2 が得られる。
従って H2=R〔2.37cot(φ−α)−1.37tanα±(1+cot2(φ−α))1/2 〕となる。図から明らかなように±の符号は−を採用するので
H2=R〔2.37cot(φ−α)−1.37tanα−(1+cot2(φ−α))1/2 〕 (6)が得られる。
従ってロッドレンズ2にレーザ光を100%入射させるためにはロッドレンズ2の中心y座標値Hは H2 ≦ H ≦H1 (7) でなければならない。
(ただし、 φは式(0)から φ=sin-1(n・sinα) )
今、半径1mmのロッドレンズ2にレーザ光を100%入射させる場合について説明する。集光用プリズム1の上底の幅はロッドレンズ2の直径に一致させる為、2mmとなる。また、下底の幅はビーム直径より大きくする必要がある。ここで1/e2該当レーザビーム半径は 1/0.422×R=2.37RであってさらにR=1mmであることから2.37×1=2.37 mmとなるため、レーザビーム直径は2.37×2=4.74mmとなる。従って集光用プリズム1の下底の幅は4.74mm以上にする必要がある。集光用プリズム1の頂角をα=30°、プリズム材質としてガラス材であるBK7(屈折率1.5)を用いた。ロッドレンズ2にレーザ光を100%入射させるためのロッドレンズ2の中心y座標値Hは式(5)(6)(7)から求めることができる。
ここで集光用プリズム1の斜辺の法線と出射光がなす角度φは
φ=sin-1(n・sinα)に n=1.5 α=30°を入れるとφ=48.6°となる。次に式(5)及び式(6)から
H1=6.1mm H2=3.1mm が得られる。すなわち半径1mmのロッドレンズ2に集光用プリズム1を用いてレーザ光を100%入射させるためにはプリズム1の上底部から3.1mm以上6.1mm以下の範囲にロッドレンズ2を配置すれば良い。
(実施形態2)
本発明のライン光発生光学系をレーザ墨出し装置に実装した形態について説明する。図4に示すようにレーザ墨出し装置10は基本的には光学系5と光学系5を水平に保つための支持機構部6から構成されている。
図5にライン光発生光学系5の概略を示す。レーザ墨出し装置10本体に対して水平方向に配置した半導体レーザ7から出射されたレーザビームはコリメータレンズ8によりビーム断面形状が円形であるコリメート光(平行光)B1に変換される。本実施形態ではコリメート光B1のビーム直径は4.7mmになるように設定している。コリメート光B1は2個の光分離面を有するビームスプリッター11に入射し、3方向の光に分岐される。ビームスプリッター11は2個の分離面を有し、第1光分離面は入射光の70%が反射し、30%が透過するような特性となっており、第2光分離面では入射光の40%が反射し、60%が透過するような特性となっている。従って入射光B1は第1光分離面で70%が反射して光線R1となり、残り30%の光はビームスプリッター11内部を通過して透過光T1となる。第2光分離面では反射光R1の40%を反射した反射光R2となり、反射光R1の残り60%は第2光分離面を透過した透過光T2となる。従って、各光線の光路上に上記した集光プリズム1及びロッドレンズ2からなるライン光発生光学系15を配置することでロッドレンズ2に光線を100%入射させることが可能となり、非常に明るくて、広角度のライン光を得ることができる。透過光T1の光路上に配置したライン光発生光学系15のロッドレンズ2は、その長手方向が半導体レーザ7の出射方向と直交する垂直方向に配置されている。従って得られるライン光は水平ライン光となる。次に、反射光R2の光路上に配置したライン光発生光学系15のロッドレンズ2はが上述の水平ライン光発生用ロッドレンズと直交する方向に配置している。従って得られるライン光は垂直ライン光となる。
また光線T2の光路上に配置したライン光発生光学系15ではロッドレンズ2が、ロッドレンズ2の長手方向が半導体レーザー7の出射方向と平行になるように配置されている。このため、発生するライン光は天井で左右に振り分けられたライン光となる。このように本発明のライン光発生光学系をレーザ墨出し装置に搭載することにより、広角度のライン光を容易に効率良く照射することができるため、簡単な構造で1個のレーザ光源を用いていろいろな方向にライン光を発生させることが可能となる。
1:集光用プリズム、2:ロッドレンズ、5:光学系、6:支持機構部、7:レーザ光源、8:コリメータレンズ、10:レーザ墨出し装置、11:ビームスプリッター、15:ライン光発生光学系。
Claims (6)
- ロッドレンズを用いてライン光を発生させるライン光発生光学系であって、
前記ロッドレンズ入射側に配置したビーム集光手段により、全ビームがロッドレンズ入射面に入射するようにしたことを特徴とするライン光発生光学系。 - 前記ビーム集光手段を、断面形状として台形形状の六面体プリズムにより構成したことを特徴とする請求項1記載のライン光発生光学系。
- 前記六面体プリズムの下底がレーザ光源側に向き、上底がロッドレンズ側に向くように配置したことを特徴とする請求項2記載のライン光発生光学系。
- 前記六面体プリズムの下底の幅が入射するビーム光の直径より大きく、上底の幅がロッドレンズの直径と一致するようにしたことを特徴とする請求項3記載のライン光発生光学系。
- 前記六面体プリズムの上底の中心をXY座標の原点とし、入射ビームの光軸がY軸と一致するようにXY座標を規定し、六面体プリズムの上底側斜辺の頂角をα、六面体プリズムの屈折率をn、六面体プリズムの斜辺部からビームが出射する際にビームと六面体プリズムの斜辺の法線となす角度をφ、ロッドレンズの半径をR、ロッドレンズの中心のY座標値をHとした時に、
H2 ≦H≦H1 ただし、H1=R〔cot(φ−α)+(1+cot2(φ−α))1/2 〕H2=R〔2.37cot(φ−α)−1.37tanα−(1+cot2(φ−α))1/2〕
φ=sin-1(n・sinα)
となるようにロッドレンズを配置したことを特徴とする請求項4記載のライン光発生光学系。 - ライン光発生光学系と該光学系を支持する支持機構から構成されるレーザ墨出し装置であって、上記ライン光発生光学系はレーザ光源と該レーザ光源から出射した光ビームをコリメート光に変換するためのコリメートレンズを含む請求項5記載のライン光発生光学系であることを特徴とするレーザ墨出し装置。
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JP2004231490A JP2006043849A (ja) | 2004-08-06 | 2004-08-06 | ライン光発生光学系及びそれを搭載したレーザ墨出し装置 |
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A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
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