JP2006040937A - 太陽電池およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 太陽電池表面に存在する電極の影損失(シャドウロス)を削減することおよびその効果を屋外設置で持続させること。
【解決手段】 電極の直上において該封止部材内に気泡を設けることにより、電極に向かう光を屈折・全反射させて光起電力素子に到達させる。表面は平坦であるため雨水が滞留しないので汚れ皮膜が形成されない。また、その製造方法。
【選択図】 図1
【解決手段】 電極の直上において該封止部材内に気泡を設けることにより、電極に向かう光を屈折・全反射させて光起電力素子に到達させる。表面は平坦であるため雨水が滞留しないので汚れ皮膜が形成されない。また、その製造方法。
【選択図】 図1
Description
本発明は太陽電池に関し、より詳しくはより安価で高性能な太陽電池に関する。
近年、環境に対する影響が少ないエネルギー源を求める動きが大きくなってきているが、そうした中で最も注目されているのは太陽光発電技術である。
太陽光発電技術としては、より安価な製造方法を求めるコストダウン技術、より安定した発電性能を求める高信頼性技術、等があるが、最も重要な技術は光電変換効率を向上させることである。
光電変換効率を高くすることによって、同じ大きさの太陽電池素子であっても出力電力を大きくすることができるため。太陽電池素子そのものの単位出力当りのコスト(一般にワット単価と呼ばれている)を下げられるだけでなく、太陽電池素子以外の被覆材料費用やフレーム材料費用、さらには固定部材費用、工事費用、電力変換装置(一般に、インバータやパワーコンディショナ等と呼ばれている)の費用に関して、単位出力あたりのコストを小さく抑えることが可能となる。
こうした考え方に基き、従来より発電の主体をなす光起電力素子の光電変換効率を向上させるために、半導体材料や不純物材料の選択や濃度、あるいは処理条件等に関して様々な技術改良が加えられてきている。
しかしながら、光起電力素子そのものの性能向上と同時に、光起電力素子を太陽電池として使用するにあたって発生してしまう損失の低減も必要である。
このような損失の1つに電極部の影に起因する損失がある。この様子を図5を用いて説明する。
同図において、1101は光1105を受けて発電を行う主体である上記光起電力素子、1102は上記光起電力素子1101において発電された電力を収集するための電極1102である。上記光起電力素子1101ならびに電極1102は屋外に設置された際の耐久性を高める目的でEVA等の樹脂である封止部材1103中に封入されている。
ここで、電極1102は導電性材料、たとえば金属粒子を樹脂バインダー中に練りこんでペースト状にした導電性ペーストと呼ばれる材料を使用しているために、光透過性が低い。従って、垂直に入射してきた光1105のうち、電極1102で覆われている光起電力素子1101の影部1111に向かってくる光1112は、上記電極1102に吸収され、光起電力素子1101に到達しない。即ち、この部分は発電に寄与せず影損失となる。
また、このような損失を極力小さくする目的で、特開平6−104473やUSP5,110,370では、上記被覆材の表面形状を改良している。この両者の機能ならびに問題点を図6乃至図9を用いて説明する。
図6において、1101、1102、1103はそれぞれ図5で説明したのと同じ光起電力素子、電極、封止部材である。上記2つの提案によれば、上記封止部材1103の表面に、電極1102の直上にV字型の溝1204を形成する。溝は斜面1204aならびに斜面1204bによって形成されている。
光1205のうち、斜面1204aに入射した光1207aは、斜面1204aの有する傾斜によって屈折し1207bで示す経路をたどり、電極1102に到達せずに光起電力素子1101に到達する。
また同様に、斜面1204bに入射した光1206aは、斜面1204bの有する傾斜によって屈折し1206bで示す経路をたどり、電極1102に到達せずに光起電力素子1101に到達する。
従って、図5で電極に到達して損失となっていた光も含めて、光起電力素子1102に到達して発電に寄与できるため損失とはならない。
しかしながら、上記提案は電極による影損失を削減できるという効果を有するが、太陽電池が長期にわたって屋外に設置されることを考えると、必ずしも大きな効果を発揮しない。
即ち、屋外に設置されることによって、図7に示すように、被覆材表面1204a乃至1204bには汚れ1311a乃至1311bが付着する。こうした汚れは、時間の経過とともに堆積し、付着面が平面であれば降雨によって除去されることが知られているが、被覆材1103の表面に形成された溝1204があるために、降雨時には、図8示されるように、溝1204内部に堆積していた汚れ1311bのみならず、降雨によって除去された汚れ1311aが矢印1412のように流入し、混濁液1411が溝1204内部に滞留することとなる。
更に、降雨が終り混濁液1411中の水分が蒸発した後には、図9に示すように、汚れ皮膜1511が形成されることになる。
容易に想像できるように、設置初期に思惑通りに機能していた溝1204の内側表面1204a乃至1204bが、不透明な汚れ皮膜1511が形成されたことによって、溝1204内に入射した光1206a、1207aは表面を通過できずに吸収されてしまい、全くの損失となる。
このときの影損失は、溝1204の幅が電極1102の幅よりも大きい場合、図5で示された状態の影損失よりもむしろ大きくなる場合さえある。
即ち、図6乃至図9で示されるような溝による損失低減方法は、設置時には効果をもつものの時間の経過とともに効力を失い、最悪の場合には逆効果となり得る。
また、特開平6−104473(特許文献1)やUSP5,110,370(特許文献2)で提案されている方法では、電極1102と溝1204との位置関係を精度よく保つ必要があり、製造上の困難が発生する。また、電極を形成するにあたって製造上発生する蛇行や歪等の要因を予め織り込んだ位置に溝1204を形成することが困難であるため、電極1102と溝1204との位置がずれた部分では効果が下がるのみならず、場合によっては屈折した光が電極1102に到達してしまう状況も発生し得るため逆効果ともなりえる。
特開平6−104473号公報
米国特許5,110,370号明細書
従って、本発明における目的は、電極等の無効領域による損失を大幅に低減し、かつ降雨によって汚れを洗い流す作用を阻害しないことによって、長期的に屋外に設置した後もその効果が滅失せず、かつ電極との位置関係を製造中に精度よく最良の位置に保つことにより損失低減効果が安定的に発揮できる太陽電池を提供することにある。
本発明は、上記の認識に基づいて発案されたものである。
本発明においては、光電変換を行う光起電力素子と、該光起電力素子上に形成され光電変換によって発生した電力を収集するあるいは送電する電極と、該光起電力素子ならびに該電極とを封止する封止部材とを有する太陽電池において、該電極の直上の該封止部材中に気泡を設けることにより、電極に向かう光を光起電力素子の電極を有しない部分に進路変更することができるため、電極による影損失を大幅に低減できる。
また、上記光の針路変更を行う部分が被覆材中にあることにより、降雨時の雨水が滞留することがなく、長期的な屋外設置においても上述の影損失低減効果が失われることがない。
また、上記電極が線状であって、上記気泡が線状に並んでいることにより、電極の集電機能、送電機能が最も発揮しやすい形状でありながら、その電極の形状に応じて影損失を大きく削減することが可能となる。
また、上記電極が線状であって、上記気泡が管状であることにより更に影損失を効果的に低減することが可能となる。
また、電極上に少なくとも発泡剤を含む液体もしくは固体を配置したのち上記封止部材とともに加熱することにより気泡を生じせしめることにより、電極と気泡との位置関係を自動的に精度よく制御することが可能となり、意図的な位置合わせの必要がなくなり製造が容易になる。
更に、電極の材料中に少なくとも発泡剤を配置したのち上記封止部材とともに加熱することにより気泡を生じせしめることにより、電極材料の準備作業(例えば、金属粒子や架橋材の添加や攪拌)中に発泡剤の配置が可能となり、製造工程が簡略となる。
これまで述べてきたように、本発明に於いては、本発明においては、光電変換を行う光起電力素子と、該光起電力素子上に形成され光電変換によって発生した電力を収集するあるいは送電する電極と、該光起電力素子ならびに該電極とを封止する封止部材とを有する太陽電池において、該電極の直上の該封止部材中に気泡を設けることにより、電極に向かう光を光起電力素子の電極を有しない部分に進路変更することができるため、電極による影損失を大幅に低減できた。
また、上記光の針路変更を行う部分が被覆材中にあることにより、降雨時の雨水が滞留することがなく、長期的な屋外設置においても上述の影損失低減効果が失われることがなくなった。
また、上記電極が線状であって、上記気泡が線状に並んでいることにより、電極の集電機能、送電機能が最も発揮しやすい形状でありながら、その電極の形状に応じて影損失を大きく削減することが可能となった。
また、上記電極が線状であって、上記気泡が管状であることにより更に影損失を効果的に低減することが可能となった。
また、電極上に少なくとも発泡剤を含む液体もしくは固体を配置したのち上記封止部材とともに加熱することにより気泡を生じせしめることにより、電極と気泡との位置関係を自動的に精度よく制御することが可能となり、意図的な位置合わせの必要がなくなり製造が容易になった。
更に、電極の材料中に少なくとも発泡剤を配置したのち上記封止部材とともに加熱することにより気泡を生じせしめることにより、電極材料の準備作業(例えば、金属粒子や架橋材の添加や攪拌)中に発泡剤の配置が可能となり、製造工程が簡略となった。
本発明において使用する各手段および有すべき構造上の特徴に関して説明する。
(光起電力素子)
光起電力素子とは、太陽エネルギーを電気エネルギーに変換する素子であり、太陽光等の光を受けて電力を発生するよう構成された素子であって、具体的にはシリコン、ガリウム砒素、カドミウムテルル、銅インジウムセレナイド、等の光起電力素子が用いうるが、上に挙げたものには限定されず、同様の機能を実現するものは全て含みうる。
光起電力素子とは、太陽エネルギーを電気エネルギーに変換する素子であり、太陽光等の光を受けて電力を発生するよう構成された素子であって、具体的にはシリコン、ガリウム砒素、カドミウムテルル、銅インジウムセレナイド、等の光起電力素子が用いうるが、上に挙げたものには限定されず、同様の機能を実現するものは全て含みうる。
(電極)
電極とは、上記光起電力素子の表面に配設され、発電された電力を効率よく収集したり隣接する光起電力素子や太陽電池の外に送電するための導電材料である。
電極には印刷電極やワイヤー電極等がある。
電極とは、上記光起電力素子の表面に配設され、発電された電力を効率よく収集したり隣接する光起電力素子や太陽電池の外に送電するための導電材料である。
電極には印刷電極やワイヤー電極等がある。
印刷電極の場合は、銅、銀等の金属やカーボン等の導電性粒子と樹脂やガラスフリット等の固着材料、溶剤、増粘剤等と混ぜ合わせ(導電性ペーストと呼ぶ)、スクリーン印刷等のパタニング手法を用いて所望のパタンを形成し、樹脂ペーストの場合は乾燥・架橋を行い、ガラスペーストの場合は溶融固着を行うことで、一般に線状の導電体パターンを形成して電極となす。印刷グリッドのアスペクト比(高さ/幅の比)がは0.3以下程度であって、導電性ペースト自体の導電性がさほど高くないことも合わせて、導電性(低抵抗)を確保しようとすると大きな影損失が発生する傾向がある。
また、ワイヤー電極の場合は、銅、銀等の金属やカーボン等の細線の外周に固着用の上記導電性ペーストを予め被覆して電極用ワイヤーを作成し、上記電極用ワイヤーを上記光起電力素子上に配置して、加熱することで上記細線と光起電力素子表面間の固着を行うことによって電極を作成する。円形や正方形断面のワイヤーを使用すれば、アスペクト比を1.0前後まで高めることができ、細線材料として高導電性金属を用いることで、小さな影損失で高い導電性(低抵抗)が実現できるが、反面、電極の高さが高くなるため、耐スクラッチ性や耐湿性を確保するために被覆材料が必要となることがある。
その他の電極としては、フォトリソグラフィー技術を用いて形成された極めて細い電極があるが、製造コストが高いため、宇宙用太陽電池等の特殊な用途に限られている。
また、レーザースクライブと呼ばれる、半導体層や絶縁層を形成する工程とレーザーエネルギによって半導体層や絶縁層を線状あるいは点状に溶発させる工程とを繰り返して所望の接続を形成する方法で直列接続を行う方法がある。この方法によって形成される無効領域(発電に寄与しない領域)に関しても、電力の収集・送電に使用される導電性材料という意味から広義の電極に含めて考えることが可能である。
また、光起電力素子に導電性を有する貫通穴(スルホール)を設けて表面に発生する電流を裏面へ導く、いわゆるスルホールコンタクトの場合には、上記貫通穴内部および穴周辺部に形成された導体部が、電流の送電を担う意味で電極と呼び得る。
電極の形状としては、印刷電極、ワイヤー電極、フォトリソグラフィー電極、レーザースクライブ電極等の場合にはその機能上および製造上、線状の電極とするのが好ましく、スルホール電極の場合には点状の電極となる。
(被覆材)
被覆材とは上記光起電力素子、電極、ならびにそれ以外の導体やバイパスダイオード等を含めて外環境から保護し、上述のような外部からのストレス(機械的外力や化学的アタック)の影響を受けにくくするために設けたものであって、具体的にはエチレン―ビニルアセテート(EVA)樹脂等の熱可塑性樹脂が被覆の主体として一般的に用いられ、受光面側の最表面にはガラスやフッ素樹脂フィルムなどの耐候性・透光性に優れる部材が配される。
被覆材とは上記光起電力素子、電極、ならびにそれ以外の導体やバイパスダイオード等を含めて外環境から保護し、上述のような外部からのストレス(機械的外力や化学的アタック)の影響を受けにくくするために設けたものであって、具体的にはエチレン―ビニルアセテート(EVA)樹脂等の熱可塑性樹脂が被覆の主体として一般的に用いられ、受光面側の最表面にはガラスやフッ素樹脂フィルムなどの耐候性・透光性に優れる部材が配される。
上記熱可塑性樹脂と最表面材料ならびに光起電力素子との固着・接着の際には、材料を重ねた状態で加圧、加熱を行って圧着する、いわゆるラミネート方式を用いるのが一般的である。
(気泡)
本発明に係る気泡であって、電極に至る光の光の一部を光起電力素子上に方向変更する機能を有し、上記被覆材の光入射面のうち上記電極の直上に形成される。
本発明に係る気泡であって、電極に至る光の光の一部を光起電力素子上に方向変更する機能を有し、上記被覆材の光入射面のうち上記電極の直上に形成される。
前記電極の直上部以外には気泡は存在しない事が好ましい。前記電極の直上部以外に気泡が存在すれば、散乱した光が逆に電極部に入射して、全体として影損失を増大させるからである。
気泡の内部物質に関しては気体であって屈折率が極力低い物質であれば効果が期待できる。窒素や二酸化炭素等の混合物である空気等の製造時環境に含まれる気体であっても構わないし、後述のように発泡剤の加熱によって発生する気体であっても構わない。
また、気泡を形成するにあたって、上述の電極の形態に合わせて線状、もしくは点状に形成するのが最大の効果が期待できるが、電極上に部分的に非連続にあるいは不完全に形成してもそれに応じた効果が期待できる。また、直上部以外の部分についても、散乱光によって電極直上に気泡を設けたことにより影損失を減少させる効果を打ち消さない程度に気泡が存在することは構わない。
このような気泡の形態としては、集電電極直上部以外に存在する気泡の径が、直上に存在する気泡の径よりも充分に小さい場合や、集電電極直上部以外に存在する気泡が、集電電極から十分離れた位置に存在しているようなケースが考えられる。
更に、上記電極の形態に沿って形成された管状の気泡(気管)も、連続した気泡の一種と考えれば含まれる。
尚、上記被覆材の光入射面は、入射光がそのまま光起電力素子へ到達でき、降雨時に雨水が滞留せず汚れ皮膜の形成による光透過の減少が発生しないように平面であることが好ましい。
また、上記被覆材の光入射面のうち電極の直上とは、光起電力素子の受光面の法線方向のうち光入射を主に期待している方向を上と呼んだ場合に、電極から上の方向となる上記被覆材の光入射面の部分を意味する。気泡発生部分の大きさ(幅)は電極の大きさ(幅)よりも大きいか同じであることが好ましいが、電極の大きさ(幅)よりも小さくてもそれに応じた効果は期待できる。
(気泡の形成方法)
気泡を形成する方法としては様々な方法が考え得るが、前述のように電極を形成したのちに、電極の突出を利用して発泡剤を含む液体もしくは固体を、粘着性あるいは静電気等を利用して配置し、上記ラミネート方式を用いて被覆材を形成する際の過熱を利用して、電極上に選択的に気泡を生じせしめる方法がとりうる。
気泡を形成する方法としては様々な方法が考え得るが、前述のように電極を形成したのちに、電極の突出を利用して発泡剤を含む液体もしくは固体を、粘着性あるいは静電気等を利用して配置し、上記ラミネート方式を用いて被覆材を形成する際の過熱を利用して、電極上に選択的に気泡を生じせしめる方法がとりうる。
また、電極の材料中に予め添加・攪拌等の方法で発泡剤を配置したのちその材料を用いて電極を形成し、更に上記ラミネート方式を用いて被覆材を形成する際の過熱を利用して、電極上に選択的に気泡を生じせしめる方法もとりうる。
更に他の形成方法を用いることで気泡を形成することも可能である。
(発泡剤)
発泡剤とは、上掲の形成方法もしくは類似した他の形成方法を実施するにあたって、気泡の主体である気体を発生する機能を有する物質を指す。初期形態としては固体あるいは液体であって、加熱等の外部からのエネルギ印加によって気体へと相変化することで、著しい体積増加を発現する物質であればよい。
発泡剤とは、上掲の形成方法もしくは類似した他の形成方法を実施するにあたって、気泡の主体である気体を発生する機能を有する物質を指す。初期形態としては固体あるいは液体であって、加熱等の外部からのエネルギ印加によって気体へと相変化することで、著しい体積増加を発現する物質であればよい。
具体的には、炭酸塩、重炭酸塩、亜硝酸塩、金属アジド化合物、有機アジ化合物、ヒドラジン誘導体、セミカルバジド化合物、アゾ化合物、ニトロソ化物、トリアゾール化合物等がそうした性質を有するので好適に用い得る。
より具体的には、アジ化アルカリ、重炭酸アルカリ、重炭酸アンモニウム、炭酸アンモニウム、アゾジカルボンアミド、アゾビスホルムアミド、アゾビスイソブチロニトリル、ジアゾアミノベンゼン、バリウムアゾジカルボキシレート、ジニトロソペンタメチレンテトラミン、N,N’−ジメチル−N,N’−ジニトロソテレフタルアミド、ベンゼンスルホニルヒドラジッド、P,P’−オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジッド、p−トルエンスルホニルセミカルバジド、
トルエンスルホニルヒドラジッド、p−トルエンスルホニルセミカルバジド、トリヒドラジノトリアジン等の材料が適している。
トルエンスルホニルヒドラジッド、p−トルエンスルホニルセミカルバジド、トリヒドラジノトリアジン等の材料が適している。
以下に上記請求項に沿った実施例について記載するが、本発明の実質的内容は下記実施例の具備する具体的な記述に限定されるものではない。
図1に本発明の第1の実施例を示す。
同図において、101は光起電力素子、102はワイヤーを用いて形成された電極であって、102aは電極の主要導電材料をなす銅ワイヤー、102bは上記銅ワイヤー102aの外周に形成され上記銅ワイヤー102aを光起電力素子101の表面に固着して、光起電力素子101の表面に発生する電流を上記銅ワイヤー102aに伝達する機能を有する導電性接着剤である。また、103は被覆材であって、その主体は上述のEVA樹脂、最表面にはフッ素樹脂であるETFEが使用されている。これらを合わせて被覆材103と呼ぶ。
被覆材103の内部には、本発明にかかる気泡104が形成されている。上記電極102が線状に紙面と垂直に形成されているのに合わせて、上記気泡104も紙面と垂直に線状に形成されている。
入射光105のうち、上記気泡104に入射する部分においては以下のような現象が起きる。
光106aは気泡104の表面に浅い角度で入射し、被覆材103(屈折率約1.5)と気泡106の内部気体(屈折率約1.0)の境界面において、屈折率差による全反射にて全ての光エネルギは反射され進行方向が変えられて1図中106bの経路を通過して光起電力素子101の表面に至る。
光107aは、気泡に比較的深い角度で入射し、表面で一部反射され(図中107b)残部は内部に進入したのち気泡から射出する(図中107c)。表面で反射した光107bは光起電力素子101から離れる方向に進行するが、被覆材103の表面において被覆材103と外部空気との屈折率差による臨界角以上の(境界面に関する)入射角を持つ場合、全反射によって再度光起電力素子101に向かう方向に反射され光起電力素子101に到達する。気泡表面で反射されなかった光107cは気泡内部に進入する際と気泡から射出する際に屈折し、光起電力素子101に到る。
また、光108aのように、気泡に進入し屈折を何度か経たのち光起電力素子101に到達できず電極102に到る光もある。その場合でも光の一部は表面で反射され、更に被覆材103の表面でも反射されて、光起電力素子101に到るものがある。
以上を総合的に見れば、入射光105のうち電極102に向かう光のうちのかなりの部分は、気泡104によって直接的あるいは間接的に光起電力素子101に到達し発電に寄与できるようになるため、電極の影損失を削減することができる。
こうした気泡を形成する方法に関して、図2を参照しつつ説明する。
図2(a)に示すのは電極を形成するために銅線102aの外周に導電性接着剤102bを塗布し乾燥させた電極用ワイヤ112である。上記導電性接着剤102bはウレタン樹脂中に導電性を付与するためのカーボン粒子(不図示)が添加されているが、上記添加工程の際には予め発泡剤113を添加しておく。
上記電極用ワイヤ112を、同図(B)に示すように、光起電力素子101に重ね、その上からシリコーンゴム等の離形性と柔軟性の高い圧接シート114を重ねる。一方、光起電力素子101を保持する載置台(不図示)にはヒータ115を配置し、通電することで光起電力素子101を加熱する。その状態で、上記圧接シート114の上部の気圧を高め、下部の気圧を下げることで、上記圧接シート114は光起電力素子101、ならびに電極用ワイヤ112を強く圧接する。上記加熱によって、電極用ワイヤー112は導電性接着剤102bは軟化し、上記加圧によって変形し、上記光起電力素子101に圧着され電極102が形成される。
上記工程によって電極102が形成された光起電力素子101の上に、同図(c)に示すように、被覆材103を重ね、上記電極形成と同様に圧接シート116を重ねて上部に高気圧、下部に低気圧をかけながら全体を加熱する。それによって、被覆材103は軟化して光起電力素子101ならびにその表面に配された電極201に沿って形状が変化し、上記光起電力素子101ならびに電極102を完全に被覆(ラミネート)することができる。この際に加えられる熱によって、上記電極102の導電性接着剤102b中に存在する発泡剤113が気体を発生するため、同図(D)に示されるように、上記気体は気泡となって電極直上に残留する。
尚、上記気体が電極下部(光起電力素子側)で発生しない理由は以下の2つである。
(1)導電性接着剤102b中に存在する発泡剤113のうち、電極下部(光起電力素子側)に存在するものは、上述の電極形成時の下からの加熱により相当の気体を発生し終えている
(2)上記ラミネートの工程時に発生する気体のうち、電極下部(光起電力素子側)で発生するものは、圧接シート116の下部を低気圧にするための脱気により排出される
(2)上記ラミネートの工程時に発生する気体のうち、電極下部(光起電力素子側)で発生するものは、圧接シート116の下部を低気圧にするための脱気により排出される
図3に本発明の第2の実施例を示す。
本実施例では、電極の直上に管状の気泡(気管)を形成したものである。
第1の実施例と同一の部材には同一の記号を付し、詳細な説明は省略する。
同図において、304は本発明に係る気泡であって、電極302の直上に電極とほぼ同一の幅で形成されており、紙面垂直方向に連続する電極302と平行に連続した管状をなしている。
こうした構成において、電極に向かう光のうち、例えば上記気泡304の外周に入射する光306aは、気泡304の表面において屈折率差により全反射し、全て光起電力素子101に到達する。
また、気泡304の中心に入射する光308はほとんど屈折することなく気泡を通過し、電極302に入射する。
上記306aと308の中間の位置に入射する光は、図中107bで示されるように、気泡304に入射する時に気泡表面で電極中心から離れる方向に屈折し、気泡304から射出する際にも気泡表面で電極中心から離れる方向に屈折するため、電極302の存在する部分を避けて光起電力素子101上に到達する。また、気泡304表面で反射される光307cも存在するが、光307cの多くの部分は一旦光起電力素子101から離れる方向に反射されたのち、被覆材103の表面で全反射し光起電力素子101に到達する。
以上を総合的に見れば、入射光105のうち電極302に向かう光のうちのかなりの部分は、気泡304によって直接的あるいは間接的に光起電力素子101に到達し発電に寄与できるようになるため、電極の影損失を削減することができる。
尚、図中324は気泡304を形成する際に同時にできる小さな気泡を表すが、この小さな気泡304は上記光の挙動にほとんど影響しない。
こうした気泡を形成する方法に関して、図4を参照しつつ説明する。
図4(A)に示すのは電極を形成するために銅線302aの外周に導電性接着剤302bを塗布し乾燥させた電極用ワイヤ312である。上記導電性接着剤302bはウレタン樹脂中に導電性を付与するためのカーボン粒子(不図示)が添加されている。
上記電極用ワイヤ312を、同図(B)に示すように、光起電力素子101に重ね、その上からシリコーンゴム等の離形性と柔軟性の高い圧接シート114を重ねる。一方、光起電力素子101を保持する載置台(不図示)にはヒータ115を配置し、通電することで光起電力素子101を加熱する。その状態で、上記圧接シート114の上部の気圧を高め、下部の気圧を下げることで、上記圧接シート114は光起電力素子101、ならびに電極用ワイヤ312を強く圧接する。上記加熱によって、電極用ワイヤー312の導電性接着剤302bは軟化し、上記加圧によって変形し、上記光起電力素子101に圧着され電極302が形成される。
更に同図(C)に示すように、電極302の直上に発泡液411を配置する。発泡液411は溶剤中にウレタンを主成分とする接着樹脂、架橋剤、増粘剤、そして細粒状の発泡剤を分散させたペースト状の液体である。電極302上のみに上記発泡液411を形成する方法としては転写法を用いる。即ち同図(C)に示すように、上記発泡液を大量に作成して容器中に収容し、発泡液だまり412を作成する。次に、転写ヘッド413を一旦発泡液だまり412に浸漬することで転写ヘッド413の表面に発泡液層414を形成する。次に上記転写ヘッドを電極302上に移動させ、電極302に接触させることで、電極302の上部のみに発泡液層414の一部を転写し、電極直上のみに発泡液411を形成する。
次に、同図(D)に示すように、上記光起電力素子101の上に被覆材103を重ね、上記電極形成時と同様に圧接シート116を重ねて上部に高気圧、下部に低気圧をかけながら全体を加熱する。それによって、被覆材103は軟化して光起電力素子101ならびにその表面に配された電極201に沿って形状が変化し、上記光起電力素子101ならびに電極102を完全に被覆(ラミネート)することができる。
この際に加えられる熱によって、上記電極302直上の発泡液411中の発泡剤から気体が発生するため、同図(D)に示されるように、上記気体は気泡となって電極直上に残留する。
このときの発泡密度が極めて高いため、気泡どうしが集合し、同図に示されるような管状の気泡を形成することができる。
101、1101 光起電力素子
102、1102 電極
103、1103 被覆材
104、304 気泡
105、1105 光
112 ワイヤー用電極
113 発泡剤
114、116 圧接シート
115 ヒータ
411 発泡液
412 発泡液だまり
413 転写ヘッド
414 発泡液層
1111 影部
1204 溝
1311a、1311b 汚れ
1411 混濁液
1511 汚れ皮膜
102、1102 電極
103、1103 被覆材
104、304 気泡
105、1105 光
112 ワイヤー用電極
113 発泡剤
114、116 圧接シート
115 ヒータ
411 発泡液
412 発泡液だまり
413 転写ヘッド
414 発泡液層
1111 影部
1204 溝
1311a、1311b 汚れ
1411 混濁液
1511 汚れ皮膜
Claims (5)
- 光電変換を行う光起電力素子と、該光起電力素子上に形成され光電変換によって発生した電力を収集するあるいは送電する電極と、該光起電力素子ならびに該電極とを封止する封止部材とを有する太陽電池において、該電極の直上の該封止部材中に気泡を設けてなることを特徴とする太陽電池。
- 上記電極が線状であって、上記気泡が線状に並んでいることを特徴とする請求項1記載の太陽電池。
- 上記電極が線状であって、上記気泡が管状であることを特徴とする請求項1記載の太陽電池。
- 光電変換を行う光起電力素子と、該光起電力素子上に形成され光電変換によって発生した電力を収集するあるいは送電する電極と、該光起電力素子ならびに該電極とを封止する封止部材と、該電極の直上の該封止部材中に配置された気泡とを有する太陽電池の製造方法において、該電極上に少なくとも発泡剤を含む液体もしくは固体を配置したのち上記封止部材とともに加熱することにより気泡を生じせしめることを特徴とする太陽電池の製造方法。
- 光電変換を行う光起電力素子と、該光起電力素子上に形成され光電変換によって発生した電力を収集するあるいは送電する電極と、該光起電力素子ならびに該電極とを封止する封止部材と、該電極の直上の該封止部材中に配置された気泡とを有する太陽電池の製造方法において、該電極の材料中に少なくとも発泡剤を配置したのち上記封止部材とともに加熱することにより気泡を生じせしめることを特徴とする太陽電池の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004214330A JP2006040937A (ja) | 2004-07-22 | 2004-07-22 | 太陽電池およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2004214330A JP2006040937A (ja) | 2004-07-22 | 2004-07-22 | 太陽電池およびその製造方法 |
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Publication Number | Publication Date |
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JP2006040937A true JP2006040937A (ja) | 2006-02-09 |
Family
ID=35905660
Family Applications (1)
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JP2004214330A Withdrawn JP2006040937A (ja) | 2004-07-22 | 2004-07-22 | 太陽電池およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2006040937A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP2086016A2 (en) | 2008-01-31 | 2009-08-05 | SANYO Electric Co., Ltd. | Solar cell module |
JP2011009616A (ja) * | 2009-06-29 | 2011-01-13 | Sanyo Electric Co Ltd | 太陽電池 |
JP2011029273A (ja) * | 2009-07-22 | 2011-02-10 | Mitsubishi Electric Corp | 太陽電池モジュール |
-
2004
- 2004-07-22 JP JP2004214330A patent/JP2006040937A/ja not_active Withdrawn
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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EP2086016A2 (en) | 2008-01-31 | 2009-08-05 | SANYO Electric Co., Ltd. | Solar cell module |
JP2011009616A (ja) * | 2009-06-29 | 2011-01-13 | Sanyo Electric Co Ltd | 太陽電池 |
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