JP2006040563A - 燃料電池セル - Google Patents
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Abstract
【課題】 下流側の余剰な水分を水分が不足している上流側に移動させて燃料電池セル中の水分の分布を均一化し、低加湿あるいは無加湿の条件でも安定して燃料電池を使用することが可能となる燃料電池セルを得る。
【解決手段】 固体高分子電解質膜の一方の面に燃料極、他方の面に酸素極がそれぞれ形成された膜電極接合体2と、膜電極接合体2の両側に配置した一対のガス流路形成部材3と、膜電極接合体2と各ガス流路形成部材3との間にそれぞれ形成されて反応ガスが供給される一対の反応ガス流路4と、を備える燃料電池セル1であって、ガス流路形成部材3を多孔体材料で形成し、かつ、ガス流路形成部材3の反応ガスの流れ方向上流側及び下流側に、膜電極接合体2の水分量を維持する上流側水分維持体5及び下流側水分維持体6を配設した。
【選択図】 図1
Description
本発明は、燃料電池セルに関し、特に固体高分子電解質型燃料電池セルに関する。
燃料電池は、反応ガスである水素含有ガス等の燃料ガスと、空気等の酸素含有ガスとを電気化学的に反応させて、燃料の持つ化学エネルギーを電気エネルギーに直接変換する装置である。燃料電池は化学エネルギーを電気エネルギーに直接変換できるため、発電効率は火力発電などの他の発電システムに比べて高い。また、化石燃料を使用しないため資源の枯渇が問題とならず、加えて発電に伴い排気ガスが生じない等の利点を有するため、燃料電池は地球環境保護の観点からも注目されている。
燃料電池は、使用される電解質の種類に応じて、固体高分子電解質型、リン酸型、溶融炭酸塩型及び固体酸化物型等がある。そのうちの一つである固体高分子電解質型燃料電池(PEFC:Polymer Electrolyte Fuel Cell)は、電解質として分子中にプロトン交換基を有する固体高分子電解質膜を使用しており、この固体高分子電解質膜を飽和に含水させた場合には固体高分子電解質膜がプロトン伝導性電解質として機能することを利用した燃料電池である。このような固体高分子電解質型燃料電池は、比較的低温で作動し、また発電効率も高いため、電気自動車搭載用を始めとする各種の用途が見込まれている。
このような固体高分子電解質型燃料電池の構成は、基本単位となる燃料電池セル(単セル)を複数積層した燃料電池スタックを含むものである。つまり、燃料極及び酸素極に挟持された固体高分子電解質膜から形成された膜電極接合体の両面に、それぞれ燃料極側セパレータと酸素極側セパレータとを配置し、更に、膜電極接合体と各セパレータとの間にそれぞれ燃料ガス流路及び酸化ガス流路を形成して燃料電池セルとし、この燃料電池セルを複数個積層して燃料電池スタックを構成する。
固体高分子電解質型燃料電池では、次式で示される反応が進行する。
(化1)
アノード(燃料極):H2 →2H+ +2e- ・・・式(1)
カソード(酸素極):(1/2)O2+2H+ + 2e-→H2O ・・・式(2)
燃料極では、水素を含有する燃料ガスが供給されて式(1)の反応が進行し、水素イオンが生成する。水素イオンは固体高分子電解質膜中に含まれる水分により、水和状態となって固体高分子膜内を移動して酸素極に至る。酸素極では、移動した水素イオンが酸素極に供給された酸化ガス中の酸素と反応して式(2)の反応が進行し、水が生成する。この際に、燃料極で生成した電子が外部回路を介して酸素極へ移動することにより起電力が発生する。
アノード(燃料極):H2 →2H+ +2e- ・・・式(1)
カソード(酸素極):(1/2)O2+2H+ + 2e-→H2O ・・・式(2)
燃料極では、水素を含有する燃料ガスが供給されて式(1)の反応が進行し、水素イオンが生成する。水素イオンは固体高分子電解質膜中に含まれる水分により、水和状態となって固体高分子膜内を移動して酸素極に至る。酸素極では、移動した水素イオンが酸素極に供給された酸化ガス中の酸素と反応して式(2)の反応が進行し、水が生成する。この際に、燃料極で生成した電子が外部回路を介して酸素極へ移動することにより起電力が発生する。
ここで、水素イオンは水和状態で固体高分子電解質膜を透過するため、燃料極側で反応が進むにつれて固体高分子電解質膜中の水分が不足する。そして、固体高分子電解質膜は適度な湿潤状態にあれば良好な電気伝導性を発揮するが、水分量が低下するとイオン導電性が低下して電解質として機能しなくなるため、場合によっては電極反応を停止させてしまうドライアウトと呼ばれる現象が起こる。このため、反応ガス(水素を含有する燃料ガス、及び酸素を含有する酸化ガス)は加湿して供給する必要がある。
しかし、反応ガスを加湿しすぎた場合には、反応ガス中の水素や酸素が消費された残りのガスが保持できる水分量を超えた分が液水となり、反応による生成水がガス拡散層を水びたしにするフラッディングと呼ばれる現象が起こる。このフラッディングは、ガス拡散層のガス拡散を阻害するため燃料電池の発電性能が下がる。このため、反応ガスが供給される下流側では式(2)の反応により生成する水を速やかに排出し、水分不足となる上流側では水分を補給する必要がある。
そこで、上記問題を解決する方法として、ガス流路形成部材の膜電極接合体と対向する面とは反対の面に水分均一化構造体を設けて、燃料電池セル内部に発生する凝縮水、生成水、供給過剰水を除去する方法が提案されている(特許文献1参照。)。また、ガス流路形成部材の膜電極接合体と対向する面とは反対の面全体を吸水材で覆うことにより、酸素極側で生成する過剰の水を吸水材に吸水させて酸素極側のガス流路の水詰まりを抑制する方法が提案されている(特許文献2参照。)。
特開平8−138691号公報(第8頁、第8図)
特開2000−251910号公報(第3頁、第1図)
しかしながら、上記特許文献1に開示された技術では、膜電極接合体側で生成した水を多孔体材料の中を移動させて水分均一化構造体まで充分に移動させることができない。このため、反応ガスに含まれる加湿用の水分や反応により生成した水は膜電極接合体の平面方向で均一にならずにガス流路部分にのみ多くなってしまうため、固体高分子電解質膜に水分が均一に供給されないという問題があった。
また、上記特許文献2に開示された技術では、ガス流路に余剰に溜まる水分を除去することは可能であるが、その余剰水分を、水分が不足している部分に移動させて供給し、加湿に利用することができない。このため、反応ガス中に含まれる水分量が少ない、いわゆる低加湿あるいは無加湿の条件では、安定して燃料電池を使用できないという問題があった。
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、本発明の燃料電池セルは、固体高分子電解質膜の一方の面に燃料極、他方の面に酸素極がそれぞれ形成された膜電極接合体と、前記膜電極接合体の両側に配置した一対のガス流路形成部材と、前記膜電極接合体と前記各ガス流路形成部材との間にそれぞれ形成されて反応ガスが供給される反応ガス流路と、を備える燃料電池セルであって、前記ガス流路形成部材を多孔体材料で形成し、かつ、前記ガス流路形成部材の前記反応ガスの流れ方向上流側及び下流側に、前記膜電極接合体の水分量を維持する上流側水分維持体及び下流側水分維持体を配設したことを要旨とする。
本発明によれば、下流側の余剰な水分を水分が不足している上流側に移動させて燃料電池セル中の水分の分布を均一化し、低加湿あるいは無加湿の条件でも安定して燃料電池を使用することが可能となる。
以下、本発明の実施の形態を図1〜図4を用いて説明する。
(実施例1)
以下、図1を用いて実施例1について説明する。図1(a)は、本発明の実施例1に係る燃料電池セルの上面側を示す部分断面図である。図1(b)は、本発明の実施例1に係る燃料電池セルを示す上面図である。
以下、図1を用いて実施例1について説明する。図1(a)は、本発明の実施例1に係る燃料電池セルの上面側を示す部分断面図である。図1(b)は、本発明の実施例1に係る燃料電池セルを示す上面図である。
図1(a)、(b)に示すように、本実施例の燃料電池セル1は、固体高分子電解質膜の一方の面に燃料極、他方の面に酸素極がそれぞれ形成された膜電極接合体2と、膜電極接合体2の両側に配置した一対のガス流路形成部材3と、膜電極接合体2と各ガス流路形成部材3との間にそれぞれ形成されて反応ガスが供給される一対の反応ガス流路4とを備えている。
膜電極接合体2は、パーフルオロ系等の固体高分子材料によって形成されており、一方の面に燃料極、他方の面には酸素極として白金触媒担持カーボンの触媒層がそれぞれ接合されている。ガス流路形成部材3は、例えば、カーボン等を含んで構成される多孔体材料で形成されている。反応ガス流路4は、膜電極接合体2の触媒層とガス流路形成部材3との間隙によって形成されており、燃料ガスが通過する燃料ガス流路及び酸化ガスが通過する酸化ガス流路の2種類を備えている。反応ガス(水素を含有する燃料ガス、及び酸素を含有する酸化ガス)は、反応ガス流路4を通過することによって拡散され、膜電極接合体2へ供給される。この反応ガスは、図1(a)の矢印で示す方向に流れている。なお、膜電極接合体2とガス流路形成部材3との間に、カーボンクロス、カーボンペーパ等の反応ガスを固体高分子電解質膜上に均一に拡散させる拡散層を配設しても良い。
ガス流路形成部材3の反応ガス流れ方向上流側及び下流側には、膜電極接合体2の水分量を維持する上流側水分維持体5及び下流側水分維持体6が配設されている。ここで、上流側とは反応ガスが流入するガス流入側をさし、図1(a)に示した矢印の起点側をさす。下流側とは反応ガスの出口側をさし、図1(a)に示した矢印の先端側をさす。上流側水分維持体5及び下流側水分維持体6は、ガス流路形成部材3の膜電極接合体2と対向する面とは反対の面の上流及び下流側端部に、反応ガス流路4と直交する方向に配設された長尺の連続体である。そして、上流側水分維持体5及び下流側水分維持体6は、親水性の固体高分子材料、例えばパーフルオロ系固体高分子材料によってそれぞれ略同一状に形成されている。ここで、上流側水分維持体5及び下流側水分維持体6の大きさは、ガス流路形成部材3のガス流れ方向の長さがそれぞれガス流路形成部材3の1/3程度、厚さはガス流路形成部材3の1/2以下とすることが好ましい。この大きさ以上に設定した場合には、ガス流路形成部材3の強度を維持することが困難となり、ガス流路形成部材3が破損するおそれがある。
なお、本実施例における上流側水分維持体5及び下流側水分維持体6は、ガス流路形成部材3に液体状に調整した所定量の高分子材料を含浸させた後、乾燥させることにより形成することができる。また、ガス流路形成部材3の所定の箇所を薄く削り、この削った箇所に、液体状に調整した高分子材料を塗布した後乾燥させて形成することが可能である。しかし、上流側水分維持体5及び下流側水分維持体6の作製方法は、これらの方法に限定するものではない。
また、ガス流路形成部材3表面には、ガスの流れ方向と略平行して一本以上の細い溝7が形成されている。溝7の上部開口端7a及び下部開口端7bは、それぞれ上流側水分維持体5及び下流側水分維持体6と接続している。この溝7は、セルの大きさを例えば20[cm]四方とした場合に、幅約1[mm]、深さは約1[mm]程度であることが好ましく、更に、幅0.5[mm]以下、深さ0.5[mm]以下であることがガス流路形成部材3の強度の維持及び効率良く水を移動させる点で好ましい。この溝7は、機械加工により予め形成しておいても良く、また、上流側水分維持体5及び下流側水分維持体6を形成した後に形成しても良い。このように、所定形状に溝7が形成されるのであれば、溝7の形成方法については限定するものではない。
次に、上記構成による燃料電池セル1における水の移動について説明する。
燃料電池セル1の燃料ガス流路内を燃料ガスが通過し、酸化ガス流路内を酸化ガスが通過する。このとき、燃料極では、上記した式(1)の反応が進行し、水素イオンが生成する。水素イオンは水和状態で固体高分子電解質膜を透過するため、燃料極側で反応が進むにつれて固体高分子電解質膜中、特にガス流入側(上流側)の水分が不足する。一方、水素イオンは固体高分子電解質膜中に含まれる水分により、水和状態となって固体高分子電解質膜内を移動して酸素極に至る。酸素極では、燃料極から移動した水素イオンが酸素極に供給された酸化ガス中の酸素と反応して上記した式(2)の反応が進行して水が生成し、特にガス出口側(下流側)では水分過多となる。
ここで、ガス流路形成部材3表面には上流側水分維持体5及び下流側水分維持体6が配設されているため、下流側で過剰となった水分を下流側水分維持体6が吸収する。下流側水分維持体6に吸収された水分は、毛細管現象によりガス流路形成部材3表面に形成された細い溝7を通って上流側水分維持体5まで移動する。そして、上流側水分維持体5から水分不足となっているガス出口側まで水分が移動する。このように、上流側及び下流側で水の濃度分布が発生した場合には、ガスの流れ方向とは逆方向に水が移動して水の分布が均一化される。
なお、ガス流路形成部材3は多孔質体で形成されているため、ガス流路形成部材3に溝7が形成されていない場合であってもある程度の水の移動が可能であるが、溝7が毛細管現象を利用できる程度に細い場合であれば、セル上流側と下流側での水分の濃度差が少ない場合であっても、より効果的に水分の移動を可能とする。
このように、本実施例の構成により、上流側水分維持体5及び下流側水分維持体6は親水性の固体高分子材料によって形成されており、保水能力があるため、下流側の余剰な水分を水分が不足している上流側に移動させて膜電極接合体2中の水分の分布を均一化する。そして、膜電極接合体2の水分量の維持が可能となることにより、低加湿あるいは無加湿の条件であっても安定して燃料電池を使用することが可能となる。
(実施例2)
次に、図2を用いて実施例2について説明する。図2(a)は、本発明の実施例2に係る燃料電池セルの上面側を示す部分断面図である。図2(b)は、本発明の実施例2に係る燃料電池セルを示す上面図である。
次に、図2を用いて実施例2について説明する。図2(a)は、本発明の実施例2に係る燃料電池セルの上面側を示す部分断面図である。図2(b)は、本発明の実施例2に係る燃料電池セルを示す上面図である。
図2(a)、(b)に示すように、本実施例の燃料電池セル11は、固体高分子電解質膜の一方の面に燃料極、他方の面に酸素極がそれぞれ形成された膜電極接合体12と、膜電極接合体12の両側に配置した一対のガス流路形成部材13と、膜電極接合体12と各ガス流路形成部材13との間にそれぞれ形成されて反応ガスが供給される反応ガス流路14とを備えている。ガス流路形成部材13の反応ガス流れ方向上流側及び下流側には、膜電極接合体12の水分量を維持する上流側水分維持体15及び下流側水分維持体16が配設されている。また、ガス流路形成部材13表面には、ガス流れ方向と略平行して一本以上の細い溝17が形成されている。
この上流側水分維持体15及び下流側水分維持体16は、実施例1の上流側水分維持体5及び下流側水分維持体6とは異なり、上流側水分維持体15及び下流側水分維持体16はそれぞれ複数個に分割されてガス流路形成部材13上に配設されている。分割された各々は、溝17の上部開口端17a及び下部開口端17bとそれぞれ接続している。つまり、上流側水分維持体15及び下流側水分維持体16は、それぞれバンド状に配設されている。
ここで、上流側水分維持体15及び下流側水分維持体16を形成する親水性の固体高分子材料の保水能力が、ガス流路形成部材13を形成する多孔質材料よりも高いため、高分子材料の容積と多孔質材料の部分の容積比を変えることで、燃料電池セル11において水を一時的に保持させるか又は移動させるかの制御が可能となる。本実施例では、固体高分子材料/多孔質材料の容積比を小さく設定しているため、燃料電池セル11の保水性が高くなる。このため、燃料電池起動時等に固体高分子電解質膜全体に水を行き渡らせる必要がある場合には、本実施例のように構成することにより、下流側水分維持体16に水を保持させた後に固体高分子電解質膜全体に水を移動させて燃料電池セルの保水性を高めることができる。
(実施例3)
次に、図3を用いて実施例3について説明する。図3(a)は、本発明の実施例3に係る燃料電池セルの上面側を示す部分断面図である。図3(b)は、本発明の実施例3に係る燃料電池セルを示す上面図である。
次に、図3を用いて実施例3について説明する。図3(a)は、本発明の実施例3に係る燃料電池セルの上面側を示す部分断面図である。図3(b)は、本発明の実施例3に係る燃料電池セルを示す上面図である。
図3(a)、(b)に示すように、本実施例の燃料電池セル21は、固体高分子電解質膜の一方の面に燃料極、他方の面に酸素極がそれぞれ形成された膜電極接合体22と、膜電極接合体22の両側に配置した一対のガス流路形成部材23と、膜電極接合体22と各ガス流路形成部材23との間にそれぞれ形成されて反応ガスが供給される反応ガス流路24とを備えている。ガス流路形成部材23の反応ガス流れ方向上流側及び下流側には、膜電極接合体22の水分量を維持する上流側水分維持体25及び下流側水分維持体26が配設されている。本実施例では、下流側水分維持体26の容積を、上流側水分維持体25よりも大きく形成されている。また、ガス流路形成部材23表面には、ガス流れ方向と略平行して一本以上の細い溝27が形成されている。
本実施例では、下流側水分維持体26の容積が上流側水分維持体25よりも大きく形成されているため、下流側での生成水がより除去される。このため、余剰な水によって起こる水詰まりによる燃料電池の性能低下が抑えられて、燃料電池セル全体の水分の均一化を図ることが可能となる。なお、本実施例では、下流側水分維持体26の容積を上流側水分維持体25よりも大きく形成することにより下流側水分維持体26の吸水特性を高くしたが、下流側水分維持体26の材料を他の材料に変えることによって上流側よりも下流側の吸水特性を高くした場合でも同様な効果が得られる。
<燃料電池セル評価試験>
次に、実施例1〜3で作製した各燃料電池セルの評価試験を行った。評価試験には燃料電池評価試験装置を用い、評価条件は、電極面積25[cm2]、燃料ガスとして水素ガス、酸化ガスとして空気を用い、燃料電池セルの運転温度は80[℃]、ガスの加湿条件は、燃料ガスは相対湿度100[%]まで加湿し、酸化ガスは加湿しないで行った。その評価結果を図4に示す。ここで、ガス流路形成部材表面に水分維持体及び溝を形成せずに燃料電池セルを構成したものを比較例とし、同様に評価試験を行った。
次に、実施例1〜3で作製した各燃料電池セルの評価試験を行った。評価試験には燃料電池評価試験装置を用い、評価条件は、電極面積25[cm2]、燃料ガスとして水素ガス、酸化ガスとして空気を用い、燃料電池セルの運転温度は80[℃]、ガスの加湿条件は、燃料ガスは相対湿度100[%]まで加湿し、酸化ガスは加湿しないで行った。その評価結果を図4に示す。ここで、ガス流路形成部材表面に水分維持体及び溝を形成せずに燃料電池セルを構成したものを比較例とし、同様に評価試験を行った。
図4に示すように、膜電極接合体の水分量を維持する上流側水分維持体及び下流側水分維持体を配設し、上流側水分維持体及び下流側水分維持体をガス流路形成部材上に形成された細い溝によって接続されている実施例1〜実施例3の各燃料電池セルでは、比較例1と比較して電圧値が高く、発電性能が優れていた。
以上説明したように、本発明の実施の形態によれば、上流側水分維持体及び下流側水分維持体には保水能力があるため、下流側の余剰な水分を水分が不足している上流側に移動させて燃料電池セル中の水分の分布を均一化する。そして、燃料電池セルの水分量の維持が可能となることにより、低加湿あるいは無加湿の条件であっても安定して燃料電池を使用することが可能となる。
1 燃料電池セル
2 膜電極接合体
3 ガス流路形成部材
4 反応ガス流路
5 上流側水分維持体
6 下流側水分維持体
2 膜電極接合体
3 ガス流路形成部材
4 反応ガス流路
5 上流側水分維持体
6 下流側水分維持体
Claims (9)
- 固体高分子電解質膜の一方の面に燃料極、他方の面に酸素極がそれぞれ形成された膜電極接合体と、前記膜電極接合体の両側に配置した一対のガス流路形成部材と、前記膜電極接合体と前記各ガス流路形成部材との間にそれぞれ形成されて反応ガスが供給される一対の反応ガス流路と、を備える燃料電池セルであって、
前記ガス流路形成部材を多孔体材料で形成し、かつ、前記ガス流路形成部材の前記反応ガスの流れ方向上流側及び下流側に、前記膜電極接合体の水分量を維持する上流側水分維持体及び下流側水分維持体を配設したことを特徴とする燃料電池セル。 - 前記上流側水分維持体及び下流側水分維持体は、親水性固体高分子材料で形成されていることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池セル。
- 前記上流側水分維持体及び下流側水分維持体は、前記ガス流路形成部材上に形成された一本以上の細い溝によって接続されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の燃料電池セル。
- 前記上流側水分維持体及び下流側水分維持体は、それぞれ長尺の連続体であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の燃料電池セル。
- 前記上流側水分維持体及び下流側水分維持体はそれぞれ複数個に分割されており、分割された各々が前記溝の開口端と接続していることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の燃料電池セル。
- 前記下流側水分維持体の容積を、前記上流側水分維持体の容積より大きく形成したことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の燃料電池セル。
- 前記上流側水分維持体及び下流側水分維持体は、前記ガス流路形成部材に液体状高分子材料を含浸させて形成したことを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載の燃料電池セル。
- 前記上流側水分維持体及び下流側水分維持体は、前記ガス流路形成部材に液体状高分子材料を塗布することにより形成したことを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載の燃料電池セル。
- 前記親水性固体高分子材料は、パーフルオロ系固体高分子材料であることことを特徴とする請求項2乃至請求項8のいずれか一項に記載の燃料電池セル。
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