JP2006039704A

JP2006039704A - プレイリスト生成装置

Info

Publication number: JP2006039704A
Application number: JP2004215235A
Authority: JP
Inventors: Hiroteru Kawasaki; 剛照川崎; Hitoshi Araki; 均荒木; Keiichi Senda; 圭一仙田; Masato Yuda; 正人湯田; Tadashi Yoshida; 直史吉田
Original assignee: Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Current assignee: Panasonic Holdings Corp
Priority date: 2004-07-23
Filing date: 2004-07-23
Publication date: 2006-02-09

Abstract

【課題】大量の楽曲コンテンツに対するプレイリスト生成、すなわちユーザが聞きたい楽曲の抽出とその再生順序の指定、を容易な操作で行えるようにする。
【解決手段】プレイリストを生成するための条件として、全体制約条件と時系列嗜好条件の２つを利用する。検索空間上にマッピングした楽曲コンテンツに対し、時系列嗜好条件としてユーザが空間上の任意の点を指定する毎に、全体制約条件を満たすために動的に探索範囲を変更して楽曲抽出処理を行い、その結果をユーザにフィードバックする。
【選択図】図１２

Description

本発明は、楽曲コンテンツの再生順序をユーザの希望に基づいて決定するプレイリスト生成装置に関するものである。

近年、楽曲再生装置には、ハードディスクなどの大容量蓄積装置が搭載され、従来のように楽曲コンテンツが格納されたＣＤやＭＤなどのメディア取り替え操作を行うことなく、大量の楽曲コンテンツを長時間連続して再生することができるようになりつつある。さらに、楽曲再生装置のネットワーク接続が急速に普及し、ネットワークを介して存在する膨大な量の楽曲コンテンツを連続して再生することが可能となりつつある。

ここで、複数の楽曲コンテンツの中からユーザが聞きたいと思う楽曲を希望通りの順序で再生するには、従来、ユーザが一曲ずつ選曲し楽曲の再生順序を指定したプレイリストを作成し、そのプレイリストに従って楽曲を順に再生していく方法が主流であった。しかし、楽曲コンテンツ数の増大に伴い、大量のコンテンツから手作業で希望の楽曲を選曲する作業は非常に煩雑なものとなる。これを改善する手法として、ユーザが指定した条件に基づいてシステムが楽曲の自動選択を行い、プレイリストを自動生成する自動選曲システム（例えば特許文献１）や、別のアプローチとして、楽曲検索のインターフェースを改良することで、ユーザの選曲操作を容易にすることでプレイリストの作成を簡便にする方法（例えば特許文献２）が提案されている。

特許文献１に開示されている自動選曲システムでは、楽曲の曲名、歌手名、テンポ、ジャンル、年代などの複数の楽曲情報に関してユーザが希望する条件を入力すると、システムがデータベースに蓄積されている複数の楽曲の中から条件に合致する楽曲を抽出し、その演奏順序を自動的に決定するようにしている。このシステムによれば、ユーザは希望する条件を指定するだけで、データベースに格納されている楽曲コンテンツの範囲内で最大限ユーザの希望に添った楽曲を連続再生するプレイリストを自動的に作成することが可能となる。

また、特許文献２に開示されているデータベース検索手法では、楽曲に設定される複数の属性情報のうち、特定の属性項目をユーザに自由に選択させ、これを軸とした座標系を設定して、選択された属性項目に該当する属性値に基づいて楽曲コンテンツを指標化し座標系上に配置してその画面をユーザに提示するようにしている。図１にこのデータベース検索手法がユーザに提示する表示画面の例を示す。この例では、ユーザが「９０年以降にリリースされた楽曲で、テンポの速い楽曲」が聞きたいという希望をもち、属性値として「年代」と「テンポ」を縦軸・横軸に指定した座標系上にコンテンツを配置させたときの画面表示例を示している。図１に示すとおり、この検索手法では、希望に該当する楽曲が座標系の一定の局所的な範囲内にマッピングされるため、ユーザは大量の楽曲コンテンツのうち希望する楽曲とそうでない楽曲を直感的かつ視覚的に分別することができる。またこのとき、座標系に対して任意の閉領域を指定することで、その領域内に含まれる楽曲を複数選択することができるので、それらの楽曲をプレイリストに加えることで、ユーザの希望に添った楽曲を連続再生させることが可能となる。
特開２００２−７３０４１号公報特開２００１−１３４５８６号公報

しかしながら、上記特許文献１に開示されている自動選曲システムでは、データベースに蓄積されている楽曲コンテンツがほぼ無限に存在し、ユーザの希望に合致する楽曲が必ず存在することが前提とされている。一般に、楽曲再生装置で再生することができる楽曲コンテンツは、ユーザが金銭を払って購入した楽曲コンテンツであることが大半を占めることが多い。このため、業務用で利用される場合を除き、特に家庭や自動車内などで利用される楽曲再生装置においては、視聴できるコンテンツ数に限りがあり、ユーザの希望に完全に合致する楽曲が存在しない場合も多い。このような状況において、上記特許文献１に開示される自動選曲システムでは、視聴できるコンテンツの分布が不明なままユーザは希望条件を指定しなければならず、結果として条件に合致する楽曲が無くプレイリストを作成出来ないような希望条件を指定しまう可能性があり、条件再設定など煩雑な手間を必要とする。また、システムが自動的にユーザの希望条件に対する合致度合いを変更しながら楽曲を選択するため、ユーザの入力した希望条件と大きく異なる楽曲が選択される可能性があり、それを視聴したユーザはなぜその楽曲が選択されたかが不明で違和感を生じることになる。

また、上記特許文献２に開示されているデータベース検索方法では、複数の楽曲を選択する際に、座標系上の閉領域をユーザが明示的に設定することにより行うが、例えば、「トータルで１時間のプレイリストを作りたい」という場合には、閉領域を指定した後トータルの再生時間を取得し、それが１時間よりも短ければ再度閉領域を修正する作業が必要となる。また別の例では、「全１５曲のお気に入りプレイリストを作りたい」という場合、１５曲が含まれるような閉領域を指定する必要があるが、特に楽曲コンテンツが密集している領域において１５曲を選択するのは困難な作業となる。このように、上記特許文献２のデータベース検索方法において、個々の楽曲属性情報に対する条件だけでなく、複数の楽曲に基づく条件設定を行うためには、非常に煩雑な処理を要する。

そこで、本発明の目的は、容易な操作により、プレイリストに加えられる楽曲を視認しながら、ユーザの希望するプレイリストを作成することができるプレイリスト生成装置を提供することである。

かかる目的を達成するために、本発明にかかるプレイリスト生成装置は、楽曲再生順序を示すプレイリストを生成するプレイリスト生成装置であって、第１の選曲条件としてプレイリストに含まれる楽曲全体から定まる値を入力する全体制約条件入力部と、第２の選曲条件としてプレイリストに含まれる個々の楽曲から定まる値を時系列に沿って入力する時系列嗜好条件入力部と、前記全体制約条件入力部によって入力される選曲条件を記憶する全体制約条件記憶部と、前記時系列嗜好条件入力部によって入力される選曲条件を記憶する時系列嗜好条件記憶部と、複数の楽曲情報が格納された楽曲データベースと、前記全体制約条件記憶部が記憶している選曲条件と前記時系列嗜好条件記憶部が記憶している選曲条件とに合致する楽曲を前記楽曲データベースから選択する楽曲選択部と、前記楽曲データベースが格納している楽曲データを楽曲の属性項目を軸とした検索空間に配置し、前記楽曲選択部が選択した楽曲を強調して表示する表示部と、前記楽曲選択部が選択した楽曲をプレイリストデータとして出力するプレイリスト出力部とを備え、そのことにより上記目的が達成される。

ここで、楽曲データベースには、楽曲情報として、曲名、アーティスト名、ジャンル、リリースされた年月日、楽曲再生時間、楽曲のテンポ、楽曲のリズム、楽曲の印象情報が挙げられるが、その他の情報であってもよいし、これらの情報を複数含むものであってもよい。

また、全体制約条件入力部によって入力される選曲条件として、プレイリストに含まれる楽曲の総再生時間、あるいは、プレイリストに含まれる楽曲の総数が挙げられるが、その他の情報であっても良い。また、全体制約条件を設定しないという選択をユーザが行えるようにしてもよい。

また、時系列嗜好条件によって入力される選曲条件を指定する方法として、検索空間上の点を指定させるか、あるいは、検索空間上の曲線を指定させるかの何れかによりユーザに指定させるようにしてもよい。

また、楽曲選択部は、ユーザが時系列嗜好条件を全て入力し終えてから楽曲の検索を行って良いし、ユーザが時系列嗜好条件を１つ入力するタイミングで検索を行ってもよい。

また、表示部は、楽曲選択部が選曲した楽曲を検索空間上に配置するとき、それらを囲む閉曲線を表示することで、ユーザが指定した時系列嗜好条件に対する合致度合いを視覚的に提示するようにしてもよい。

本発明によれば、ユーザが希望する選曲条件を検索空間上の点または曲線として指定していくという直感的で容易な操作だけで、ユーザの条件を満たすプレイリストを生成することができる。

また、本発明では、プレイリストとして選択された楽曲に対し、ユーザが指定した条件との合致度を直感的に分かりやすくユーザに提示する。これにより、楽曲再生装置で再生することが出来る楽曲コンテンツの分布に応じて最大限ユーザの希望を満たすプレイリストを作成することが出来る。

以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。

（実施の形態１）
図２に、本発明の実施の形態におけるプレイリスト生成装置２００を示す。プレイリスト生成装置２００は、条件入力部２１０と、条件記憶部２２０と、楽曲データベース２３０と、楽曲選択部２４０と、表示部２５０と、プレイリスト出力部２６０とから構成される。

条件入力部２１０は、ユーザが作成するプレイリストに対する条件を入力するもので、さらに全体制約条件入力部２１１と時系列嗜好条件入力部２１２とから構成される。全体制約条件入力部２１１は、生成するプレイリスト全体に対するユーザの希望条件を入力するもので、例えばプレイリストに含まれる楽曲全体の曲数や、プレイリスト全体を再生したときのトータル時間などを設定する。また、全体制約条件入力部２１１は、楽曲コンテンツを検索するためのキーとなる楽曲コンテンツの属性項目を２つ指定する。具体的には、「楽曲がリリースされた年代」と「楽曲のテンポ」であったり、あるいは「明るさ」と「賑やかさ」といった印象情報であったりと、ユーザが所望する楽曲を検索するための判断基準となる項目を指定する。時系列嗜好条件入力部２１２は、プレイリストに加える楽曲に対するユーザの嗜好を時系列に入力するもので、例えば「プレイリスト開始直後は静かで暗めの楽曲を中心に再生し、後にややにぎやかで明るい楽曲を中心に再生する」といったような条件を設定する。

条件記憶部２２０は、ユーザが入力したプレイリストに対する条件を記憶するもので、さらに全体制約条件記憶部２２１と時系列嗜好条件記憶部２２２とから構成される。全体制約条件記憶部２２１は、前記制約条件入力部２１１によって入力された、プレイリスト全体に対するユーザの希望条件と、楽曲コンテンツを検索するためのキーとなる楽曲コンテンツの属性項目を記憶する。時系列嗜好条件記憶部２２２は、前記時系列嗜好条件入力部２１２によって入力された、プレイリストに加える楽曲に対するユーザの嗜好を時系列に並べた条件を記憶する。

楽曲データベース２３０は、楽曲コンテンツに関する複数の属性データが個々の楽曲毎に格納されている。例えば、楽曲の曲名、アーティスト名、ジャンル、リリース年月日、楽曲の再生時間などのように楽曲を識別するために固有の情報の他に、テンポ、リズムといった音楽特徴量の情報が格納されている。さらには公知の技術を用いて音楽特徴量から楽曲を聞いたときに受ける印象を予め解析しておき、楽曲コンテンツの明るさ、激しさ、爽やかさ、などの印象情報が格納されていてもよい。図８に楽曲データベース２３０が格納している属性データの例を示す。

楽曲選択部２４０は、前記条件記憶部２２０が保持しているプレイリスト生成に関する条件と、前記楽曲データベース２３０が保持している楽曲コンテンツの属性データとを比較し、前記楽曲データベース２３０が保持している楽曲コンテンツのうちユーザが指定した条件を満たすものだけを抽出し、時系列に沿って順序付けを行う。

表示部２５０は、前記全体制約条件記憶部２２１が保持している、楽曲検索のキーとなる楽曲の属性項目をそれぞれ縦軸および横軸に設定した２次元座標系を構築し、前記楽曲データベース２３０が保持している全ての楽曲コンテンツに対し、座標軸に相当する楽曲属性に基づいて２次元座標系に配置する。また、前記楽曲選択部２４０が選択した楽曲コンテンツに対してはユーザが視認しやすいよう強調描画を行う。さらに、それら選択された楽曲コンテンツを囲う閉曲線を描画して、座標系上においてプレイリストに加えられた楽曲がどの範囲に存在するかを視覚的にユーザに提示してもよい。

プレイリスト出力部２６０は、前記楽曲選択部２４０が選択した楽曲コンテンツをプレイリストデータとして出力を行う。図示しない外部の楽曲再生装置がこのプレイリストデータをもとに楽曲を順次再生することで、ユーザの希望する順序で楽曲を連続再生することを可能とする。

次に、上記構成の実施の形態１のプレイリスト生成装置２００の動作について説明する。図３は、プレイリスト生成装置２００の動作の全体の流れを示したフローチャートである。

まず始めに、プレイリスト生成処理に対する全体の拘束条件を設定する全体制約条件設定処理を行い（Ｓ３１）、その結果に基づいて楽曲コンテンツを２次元座標系上に配置し、ユーザに提示する処理を行う（Ｓ３２）。次に、２次元座標系に提示された楽曲コンテンツを見てユーザが時系列嗜好条件を入力するのを待つ（Ｓ３３）。ユーザが時系列嗜好条件を入力したことを検知すると（Ｓ３３でＹｅｓ）、楽曲データベース２３０から条件に合致する楽曲を抽出する楽曲選択処理を行い（Ｓ３４）、現時点でのプレイリスト候補をユーザに提示する処理を行う（Ｓ３５）。次に時系列嗜好条件の設定を完了したか否かを判定し（Ｓ３６）、もし完了していないなら（Ｓ３６でＮｏ）再度ユーザが時系列嗜好条件を入力するのを待つ（Ｓ３３）。時系列嗜好条件の設定が完了したなら（Ｓ３６でＹｅｓ）、プレイリスト出力処理を行う（Ｓ３７）。

図４は、図３に示される全体制約条件設定処理（Ｓ３１）のサブルーチンを示すフローチャートである。

この全体制約条件設定処理においては、まず楽曲コンテンツを検索するためのキーとなる楽曲コンテンツの属性項目が２つ指定されるのを待つ（Ｓ４１）。この属性項目の入力の場合には、例えば図５に示される属性項目選択画面が表示される。属性項目の設定には、楽曲のテンポ、リズム、年代、明るさ、激しさ、爽やかさなどの複数の項目例が予め提示されており、ユーザはマウスなどの入力デバイスを用いてカーソル５１ないし５２を上下させることにより、所望する項目を選択することで検索キーとなる属性項目を指定することが出来る。このようにして指定された属性項目を全体制約条件記憶部２２１に格納することで属性項目の設定処理が完了する（Ｓ４２）。なお属性項目として上記に挙げたものだけでなく、アーティスト名やジャンルなど他の情報を選択できるようにしてもよい。

検索キーとなる属性項目の設定が終わると、次にプレイリスト長に関する条件が指定されるのを待つ（Ｓ４３）。このプレイリスト長の入力の場合には、例えば図６に示されるプレイリスト長設定画面が表示される。プレイリスト長の設定には、「総曲数で指定する」「総再生時間で指定する」「指定しない」の３つの設定項目が設けられている。

ユーザは、各項目に対応するチェックボックス６１〜６３の何れか１つにチェックマークを入れることにより、所望の態様でプレイリスト長を入力できる。チェックボックス６１をクリックした場合には、ユーザはプレイリストとして含む楽曲の総数をテキストボックス６１ａに入力する。またチェックボックス６２をクリックした場合には、プレイリストに含まれる曲を再生したときのトータル再生時間の長さをテキストボックス６２ａに入力する。またユーザはチェックボックス６３をクリックすることにより、プレイリスト長に関する制約条件を付けないようにすることも出来る。このようにして入力されたレイリスト長に関する条件を全体制約条件記憶部２２１に格納することでプレイリスト長の設定処理が完了する（Ｓ４４）。

なお、本実施の形態ではこれらの全体制約条件処理をプレイリスト生成の度に行うことを想定して記載しているが、必ずしもこのような構成である必要はない。例えば、検索者が前回設定した条件をデフォルトとして設定しておくことで、この条件設定処理を毎回行わない構成としてもよい。

図７は、図３に示される楽曲コンテンツ配置・提示処理（Ｓ３２）のサブルーチンを示すフローチャートである。

この楽曲コンテンツ配置・提示処理においては、まず全体制約条件記憶部２２１に格納されている楽曲の属性項目を読み込み、それを縦軸・横軸に設定した検索空間を構築する（Ｓ７１）。

座標系の構築が完了すると、次に楽曲データベース２３０が保持している楽曲コンテンツを、Ｓ７１で構築した座標系に配置する処理を行うが、この処理は次のようにして行われる。まず、楽曲データベース２３０が保持している楽曲のうち、座標系に未配置の楽曲があるか否かを判定し（Ｓ７２）、未配置コンテンツがある場合（Ｓ７２でＹｅｓ）、任意の未配置コンテンツを１つ選択し、座標系に設定されている属性項目に従って指標化を行う（Ｓ７３）。指標化においては、座標系の軸として「明るさ」や「激しさ」などの感性情報が指定されている場合、楽曲データベース２３０が格納している概項目の数値をそのまま座標値とする。なお、座標系の軸としてアーティスト名やジャンルなど楽曲データベース２３０が数値として保持していない属性が指定された場合は、その属性アイテム毎に離散的な値を設定し、その数値を座標値とする。以上のようにして導出された楽曲コンテンツの座標値をもとに、Ｓ７１で構築した座標系に、例えば矩形や円などの抽象化記号を提示する。

図９（ａ）および図９（ｂ）に、楽曲コンテンツ配置・提示処理によりユーザに提示される画面表示例を示す。図９（ａ）では、楽曲検索のキーとなる属性項目９１および９２をそれぞれ「明るさ」、「激しさ」に設定した例を示している。楽曲データベース２３０が保持している楽曲属性データを抽象化記号９３として２次元空間にマッピングしてユーザに提示することで、「明るくて激しい曲」など楽曲の印象からユーザの所望する楽曲を検索することが容易になる。また、図９（ｂ）では、楽曲検索のキーとなる属性項目９１および９２をそれぞれ「ジャンル」、「激しさ」に設定した例を示している。横軸に設定されている「ジャンル」は、楽曲データベース２３０には数値として格納されていないが、「Ｐｏｐ」「Ｃｌａｓｓｉｃ」「Ｊａｚｚ」にそれぞれ離散的な座標値（例えばそれぞれ０．３，０．６，０．９）が設定されて２次元空間にマッピングされたものがユーザに提示される。

楽曲コンテンツ配置・提示処理が完了すると、プレイリスト生成装置２００はユーザからの時系列嗜好条件の入力を待つ（Ｓ３３）。ユーザの入力は図９（ａ）（あるいは図９（ｂ））のようにユーザに提示された検索空間に対し、マウスなどのポインティングデバイスを使用して検索空間上の１点を指定する（マウスのクリック）か、検索空間上の任意の曲線を指定する（マウスのドラッグ）ことで行われる。なお、入力デバイスはタッチパネルを利用してもよい。ユーザの時系列嗜好条件の入力を検知すると（Ｓ３３でＹｅｓ）、その条件に応じた楽曲選択処理が行われる（Ｓ３４）。

図１０は、図３に示される楽曲選択処理（Ｓ３４）のサブルーチンを示すフローチャートである。

この楽曲選択処理においては、まず、全体制約条件記憶部２２１に格納されているプレイリスト長に関する条件を読み込み、総曲数または総再生時間によって条件が指定されているか、あるいはプレイリスト長に関する条件が設定されていないかを判定する（Ｓ１０１）。

プレイリストに関する条件が設定されている場合（Ｓ１０１でＹｅｓ）、ユーザが指定した時系列嗜好条件に対する合致する度合い（以下、「嗜好合致度」）Ｋに１００（％）をセットし（Ｓ１０２）、その嗜好合致度Ｋに基づいて、２次元空間上における条件合致領域を設定する（Ｓ１０３）。図１１（ａ）〜（ｅ）に設定された条件合致領域の例を示す。図１１（ａ）は、ユーザがマウスをクリックする等の操作により、時系列嗜好条件として座標系上の１点１１を指定し、かつ嗜好合致度Ｋ＝１００（％）の時に設定される条件合致領域１２ａを図示したものである。このとき、条件合致領域１２ａは、ユーザが指定した点を中心に微小の半径デルタをもつ円として設定される。図１１（ｂ）は、嗜好合致度Ｋ＝５０（％）と小さい場合の条件合致領域１２ｂを示したものである。このとき、上限合致領域１２ｂは、嗜好合致度が小さくなったことにより１２ａと比較して半径が大きい円として設定される。円の半径はＫ＝０（％）のときに評価空間全体を覆う円となるようＫの値に従って大きい値をとるようにする。図１１（ｃ）は、ユーザが時系列嗜好条件として、マウスをドラッグする等の操作により、座標系上の１点ではなく曲線１３Ｃを指定し、かつ嗜好合致度Ｋ＝５０（％）であった場合に設定される条件合致領域１２ｃを示したものである。このとき、条件合致領域１２ｃは、ユーザが指定した曲線に沿って一定の半径を持つ円を移動させた領域として設定される。図１１（ｄ）は、図３に示すフローチャートにおいて、１回目の楽曲選択処理（Ｓ３４）において点１１ｄを指定し、２回目以降の楽曲選択処理（Ｓ３４）で点１４ｄを指定した場合に設定される条件合致領域１２ｄを示したものである。このとき、条件合致領域１２ｄは、点１１ｄと点１４ｄを中心とする円２つ分の領域として設定される。また図１１（ｅ）は、図３に示すフローチャートにおいて、１回目の楽曲選択処理（Ｓ３４）において曲線１３ｅを指定し、２回目以降の楽曲選択処理（Ｓ３４）で点１４ｅを指定した場合に設定される条件合致領域１２ｅを示したものである。このとき、条件合致領域１２ｅは、ユーザが指定した曲線に沿って一定の半径を持つ円を移動させた領域と、点１４ｅを中心とした円との２つの領域として設定される。

条件合致領域の設定が完了すると、検索空間にマッピングされている全ての楽曲コンテンツに対し、条件合致領域に含まれるか否かを評価する。具体的には、楽曲コンテンツのうち未評価のものがあるか否かを判定し（Ｓ１０４）、もしあれば（Ｓ１０４でＹｅｓ）、それが条件合致領域内に含まれるか否かを判定する（Ｓ１０５）。もし条件合致領域内に含まれるなら（Ｓ１０５でＹｅｓ）、楽曲を抽出しプレイリスト候補として保持しておく（Ｓ１０６）。

全ての抽象化矩形に対し評価が完了すると、抽出されたプレイリスト候補に対してプレイリスト長の条件を超えるか否かを判定する（Ｓ１０７）。例えばプレイリスト長の条件として総曲数が指定されていた場合は、抽出されたプレイリスト候補に含まれる楽曲数がそれを上回るかどうかを判定し、プレイリスト長の条件として総再生時間が指定されていた場合は、抽出したプレイリストに含まれる個々の楽曲に対して楽曲データベース２３０から再生時間を取得し合計した時間がその条件を上回るかどうかを判定する。

もし現在のプレイリスト候補が、プレイリスト長の条件を満たしている場合は（Ｓ１０７でＹｅｓ）、楽曲選択処理を終了するが、不足している場合は（Ｓ１０７でＮｏ）、嗜好合致度Ｋが正の値であるか否かを判定する（Ｓ１０８）。もし正であるなら（Ｓ１０８でＹｅｓ）、嗜好合致度Ｋの値を１だけ減算し（Ｓ１０９）、再度条件合致領域を設定する（Ｓ１０３）。このとき設定される条件合致領域は前回設定された領域よりも広い範囲となるため、その領域に含まれる楽曲コンテンツの量は増加することになる。また、嗜好合致度Ｋを０以下にまで小さくしてもプレイリスト長の条件を超えるプレイリスト候補が作成できなかった場合（Ｓ１０８でＮｏ）、楽曲選択処理を終了する。

なお、プレイリストに関する条件が設定されていない場合（Ｓ１０１でＮｏ）、嗜好合致度Ｋを７０％と設定した後（Ｓ１１０）、条件合致領域を設定し（Ｓ１１１）、検索空間上の楽曲コンテンツが条件合致領域に含まれるか否かを判定し（Ｓ１１２、Ｓ１１３）、含まれる場合はプレイリスト候補に追加する（Ｓ１１４）という処理を同様に実行する。なおこの例では嗜好合致度Ｋの値を固定値としたが、ユーザに指定させるような構成にしてもよい。

次に、作成されたプレイリスト候補にどのような楽曲が含まれるか、また、それらの楽曲がどのような分布となっているかをユーザに提示するための提示処理を行う（Ｓ３５）。図１２に、ユーザに提示される画面の例を示す。図１２では、条件合致領域を示す閉曲線１２１、１２２を提示し、プレイリストに含まれる楽曲が大まかにどういった分布となっているかを提示している。またその中に含まれる楽曲コンテンツ１２３を、含まれない楽曲コンテンツ１２５と比較して強調表示を行い、プレイリスト候補に含まれる楽曲を提示している。また、楽曲を再生する順序を示すための矢印記号１２４を提示している。また、全体制約条件記憶部が保持しているプレイリスト長の条件１２６を提示している。また、現在のプレイリスト候補に含まれる楽曲の総プレイリスト長１２７を提示している。また、ユーザが現在のプレイリスト候補に満足し、時系列嗜好条件を指定する作業を完了するための完了ボタン１２８を提示している。

以上のように提示されたプレイリスト候補を見て、ユーザは時系列嗜好条件の設定を完了するか否かを決定し、完了するのであれば完了ボタン１２８を押し、条件設定を継続するのであれば、再度検索空間上の点あるいは曲線を指定することで時系列嗜好条件の入力を継続する。なお、ユーザが時系列嗜好条件を指定する数が増加するに従い、嗜好条件合致度Ｋの値は大きい値を維持でき、よりユーザが指定した点あるいは曲線の位置に近い楽曲が選択される。図１３（ａ）と図１３（ｂ）に、時系列嗜好条件を指定した数が１回と２回の場合に提示されるプレイリスト候補画面の例を示す。図１３（ａ）ではプレイリスト長の条件である３０分という値を満足するために、条件合致領域はユーザが指定した点を中心とした比較的半径の大きい円となっている。一方、図１３（ｂ）では２つの領域に対して楽曲選択処理が行われるため、プレイリスト長の条件を満たすために、条件合致領域はユーザが指定した点を中心に比較的半径の小さい円となっており、よりユーザが指定した条件に近い楽曲が選択される。すなわち、ユーザが検索空間上の任意の点を指定していく度に、選択される楽曲の分布が次々と変わっていく様子がユーザに直感的に提示することが可能となり、また、条件合致領域の大きさによりユーザが設定した条件とどの程度一致しない楽曲までがプレイリストとして選択されたかを直感的に提示することができる。

プレイリスト生成装置２００は完了ボタンが押されたか検索空間上の点あるいは曲線を指定されたかを判定し（Ｓ３６）、時系列嗜好条件の設定が継続されたなら（Ｓ３６でＮｏ）、それまでに指定されている時系列嗜好条件に新しく加えられた条件を用いて、再度楽曲選択処理Ｓ３４を行う。一方、完了ボタンが押されたことを検知すると（Ｓ３６でＹｅｓ）、現在のプレイリスト候補をプレイリストデータとして出力を行う（Ｓ３７）。図１３に出力されるプレイリストデータの例を示す。図１３のように、楽曲名称とアーティスト名とを再生順に記述したデータファイルを出力する。図示しないが外部の楽曲再生装置にこのプレイリストを入力することで、ユーザの所望する楽曲をユーザの所望する順序で連続再生させることができる。

本発明にかかるプレイリスト生成装置は、大量の楽曲コンテンツの中からユーザが聞きたいと所望する楽曲を直感的に分かりやすく指定することが可能となるため、大容量コンテンツの再生が可能である楽曲再生装置等への応用が有用である。

従来技術における楽曲コンテンツ検索インターフェースの表示例を示す図本発明の実施の形態のプレイリスト生成装置の構成を示すブロック図本発明の実施の形態のプレイリスト生成装置の全体動作を示すフローチャート図３に示される全体制約条件設定処理（Ｓ３１）のサブルーチンを示すフローチャート検索空間の座標軸となる検索キーの設定画面の構成例を示す図プレイリスト長に関する条件設定画面の構成例を示す図図３に示される楽曲コンテンツ配置・提示処理（Ｓ３２）のサブルーチンを示すフローチャート楽曲データベースが保持する楽曲コンテンツの属性データの例を示す図検索空間の指定をしたときの楽曲マッピング例を示す図図３に示される楽曲選択処理（Ｓ３４）のサブルーチンを示すフローチャート条件合致領域の例を示す図プレイリスト候補提示画面例を示す図条件合致領域の大きさを示した例を示す図本発明の実施の形態のプレイリスト生成装置が出力するプレイリストデータの例を示す図

符号の説明

２００プレイリスト生成装置
２１０条件入力部
２１１全体制約条件入力部
２１２時系列嗜好条件入力部
２２０条件記憶部
２２１全体条件記憶部
２２２時系列嗜好条件記憶部
２３０楽曲データベース
２４０楽曲選択部
２５０表示部
２６０プレイリスト出力部
５１検索空間の横軸を指定するカーソル
５２，６３プレイリスト長を設定する条件を選択するチェックボックス
９１検索空間の横軸
９２検索空間の縦軸
９３検索空間上にマッピングされた楽曲コンテンツ
１１ａ〜１１ｄ時系列嗜好条件としてユーザが指定した点
１２ａ〜１２ｅ条件合致領域を示す閉曲線
１３ｃ〜１３ｅ時系列嗜好条件としてユーザが指定した曲線
１４ｄ〜１４ｅ２回目にユーザが指定した時系列嗜好条件
１２１〜１２２プレイリスト候補に含まれる楽曲コンテンツの分布領域を示す閉曲線
１２３プレイリスト候補に含まれる楽曲コンテンツ
１２４プレイリストの再生順序を示す矢印
１２５プレイリスト候補に含まれない楽曲コンテンツ
１２６希望総再生時間
１２７プレイリスト候補に含まれる楽曲の総再生時間
１２８プレイリスト作成完了ボタン

Claims

楽曲再生順序を示すプレイリストを生成するプレイリスト生成装置であって、
第１の選曲条件としてプレイリストに含まれる楽曲全体から定まる値を入力する全体制約条件入力部と
第２の選曲条件としてプレイリストに含まれる個々の楽曲から定まる値を時系列に沿って入力する時系列嗜好条件入力部と
前記全体制約条件入力部によって入力される選曲条件を記憶する全体制約条件記憶部と
前記時系列嗜好条件入力部によって入力される選曲条件を記憶する時系列嗜好条件記憶部と
複数の楽曲情報が格納された楽曲データベースと
前記全体制約条件記憶部が記憶している選曲条件と前記時系列嗜好条件記憶部が記憶している選曲条件とに合致する楽曲を前記楽曲データベースから選択する楽曲選択部と
前記楽曲データベースが格納している楽曲の属性項目を軸とした検索空間に配置して表示する表示部と
前記楽曲選択部が選択した楽曲をプレイリストデータとして出力するプレイリスト出力部と
を備えることを特徴とするプレイリスト生成装置。
前記楽曲データベースに格納される楽曲情報は、曲名、アーティスト名、ジャンル、リリースされた年月日、楽曲再生時間、楽曲のテンポ、楽曲のリズム、楽曲の印象情報の何れかを含むことを特徴とする請求項１に記載のプレイリスト生成装置。
前記全体制約条件入力部によって入力される選曲条件は、前記プレイリストデータに従って楽曲を再生したときの総再生時間、プレイリストデータに含まれる楽曲の総数、プレイリストデータに含まれる楽曲の価格の総額、の何れかを含むことを特徴とする請求項１または２に記載のプレイリスト生成装置。
時系列嗜好条件によって入力される選曲条件は、前記表示部によって提示される検索空間上の点、あるいは検索座標空間上の曲線、の何れかによって指定されることを特徴とする
請求項１〜３の何れかに記載のプレイリスト生成装置。
前記楽曲選択部は、前記時系列嗜好条件入力部から新たな条件が入力されるタイミングで、前記楽曲データベースから条件に合致する楽曲を選択することを特徴とする
請求項１〜４の何れかに記載のプレイリスト生成装置。
前記表示部は、前記検索空間上において前記楽曲選択部が選択した楽曲を囲む閉曲線を表示すことで、前記時系列嗜好条件入力部によって指定された選曲条件に対する、楽曲選択部が選択した楽曲の合致度合いを視覚的に提示することを特徴とする
請求項１〜５の何れかに記載のプレイリスト生成装置。