JP2006036724A - インクジェット噴霧吸入用溶液 - Google Patents
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Abstract
【課題】 インクジェット方式の噴霧装置で良好に噴霧でき、カビ等によるノズル目詰まりがなく、長期間安定して噴霧可能なハーブ溶液等の噴霧吸入用溶液である。
【解決手段】 噴霧吸入用溶液は、主に精神的効果を与える液状精製物(有効成分量):0・1〜10.0wt%、エタノールおよびイソプロピルアルコールのうちの少なくとも1種:5.0〜8.0wt%、グリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコールおよびポリエチレングリコールのうちの少なくとも1種:5.0〜10.0wt%、ポリオキシエチレンアルキルエーテル系、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル系およびショ糖脂肪酸エステル系界面活性剤を含む非イオン界面活性剤のうちの少なくとも1種:0.05〜10.0wt%を含有し、表面張力が30〜50dyne/cm、粘度が5センチポアズ以下である。ハーブ類を用いた吸入用溶液は、インクジェット方式により部屋の空気または空調用空気に噴霧される。
【選択図】 なし
【解決手段】 噴霧吸入用溶液は、主に精神的効果を与える液状精製物(有効成分量):0・1〜10.0wt%、エタノールおよびイソプロピルアルコールのうちの少なくとも1種:5.0〜8.0wt%、グリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコールおよびポリエチレングリコールのうちの少なくとも1種:5.0〜10.0wt%、ポリオキシエチレンアルキルエーテル系、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル系およびショ糖脂肪酸エステル系界面活性剤を含む非イオン界面活性剤のうちの少なくとも1種:0.05〜10.0wt%を含有し、表面張力が30〜50dyne/cm、粘度が5センチポアズ以下である。ハーブ類を用いた吸入用溶液は、インクジェット方式により部屋の空気または空調用空気に噴霧される。
【選択図】 なし
Description
本発明は、噴霧されることによって、吸入する人に主にリラックス感等の精神的効果を与えることが可能な噴霧吸入用溶液に関し、特にインクジェット方式により噴霧するのに好適な吸入用溶液に関するものである。
住居やオフィスの部屋にいる人が、花の香り、例えばハーブの香りが着いた空気を吸入することによって、ハーブの香りによる心地よさを感じるように、ハーブの香り等の成分(アロマ成分)を抽出したハーブ溶液(香料液)を部屋の空気に直接噴霧し、あるいは空調用空気に噴霧して部屋に供給することが行われる。従来、その噴霧装置として供給量を精密に管理可能なインクジェット方式のものが提案されており、インクジェットプリンタと同様なピエゾタイプやサーマルタイプの噴霧ヘッドが使用されている(例えば、特許文献1の図2参照)。
この特許文献1の例えばピエゾタイプの噴霧装置(芳香出力装置)は、香料放出器および消香液放出器とを交互に並べた噴霧ヘッドを備え、各香料放出器のキャビティにヘッドの香料液格納部からの香料液を導き、キャビティの一端に設けられたピエゾ素子によって香料液に圧力を掛けて、キャビティに設けられたノズルから香料液の液滴を空気中に霧状に放出するものである(消香液放出器も同様である)。
特開平10−146385号公報
しかしながら、特許文献1に記載のハーブ溶液(香料液)は、香料以外の添加物に関する記載がないことから、ハーブのアロマ成分を抽出したアルコール溶液(いわゆるハーブの精油)そのものであると考えられる。無添加のハーブ溶液は、表面張力や粘度といった物性値がインクジェット方式で噴霧することを考慮したものになっていないので、ハーブ溶液を液滴の大きさが細かくかつ揃った良好な霧に噴霧できないという問題が発生する。またハーブ溶液の防腐対策や防カビ対策が必ずしも十分ではなく、ハーブ溶液に腐食沈殿物やカビが発生して、噴霧装置のノズルが目詰まりし、長期間安定して噴霧することができない上、香料の変質により香料の効果を損なうという問題が発生する。さらにハーブ溶液の乾燥濃縮による沈殿物の析出によっても、インクジェットヘッドの微細なノズルに目詰まりが生じるという問題が発生する。
したがって、本発明は、噴霧されることによって、吸入する人にリラックス感や、あるいは眠気覚まし効果等といった主に精神的効果を与えることが可能なハーブ溶液等の噴霧吸入用溶液であって、インクジェット方式の噴霧装置によって良好な霧状に噴霧できると共に、カビ等によるノズルの目詰まりを生じることなく、長期間安定して噴霧することが可能な噴霧吸入用溶液を目的とするものである。
上記目的は本発明のインクジェット噴霧吸入用溶液によって達成される。本発明は、インクジェット方式により噴霧され、噴霧されることによって人が吸入する吸入用噴霧溶液であって、人に主に精神的効果を与える液状精製物と、水と、エタノールおよびイソプロピルアルコールからなる群より選択された少なくとも1種の1価アルコールと、グリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコールおよびポリエチレングリコールからなる群より選択された少なくとも1種の多価アルコールと、ポリオキシエチレンアルキルエーテル系界面活性剤、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル系界面活性剤およびショ糖脂肪酸エステル系界面活性剤を含む群より選択された少なくとも1種の非イオン系界面活性剤とを含有し、表面張力が30〜50dyne/cm、粘度が5センチポアズ以下であることを特徴とする。
本発明の一態様によれば、前記液状精製物がハーブ類の精油であり、該ハーブ類が、アトラスシダーウッド、アンジェリカ、イランイラン、オレンジ、カンファー、キャロットシード、クラリセージ、グレープフルーツ、クローブ、コパイバ、サイプレス、サンダルウッド、ジャスミン、ジュニパー、スィートマジョラム、ゼラニウム、タイム、ティートリー、ネロリ、バジル、バーチ、バーベナ、フェンネル(スィート)ブラックペッパー、フランキンセンス(オリバナム)、フランジュニパ、ペパーミント、ベンガルモット、ベンゾイン、マートル、ミルラ、メリッサ(レモンバーム)、ユーカリ、ラベンダー、リンデン、レモン、レモングラス、ローズ、ローズウッド、ローズマリーおよびローマンカモミールからなる群より選ばれた少なくとも1種である。前記噴霧吸入用溶液中のハーブ類の精油の含有量が有効成分量で0.1〜10.0wt%である。前記噴霧吸入用溶液中の1価アルコールの含有量が5.0〜8.0wt%である。前記噴霧吸入用溶液中の多価アルコールの含有量が5.0〜10.0wt%である。前記噴霧吸入用溶液中の非イオン系界面活性剤の含有量が0.05〜10.0wt%である
本発明の吸入用噴霧溶液は、人に主に精神的効果与える液状精製物と、水と、エタノールおよびイソプロピルアルコールからなる群より選択された少なくとも1種の1価アルコールと、グリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコールおよびポリエチレングリコールからなる群より選択された少なくとも1種の多価アルコールと、ポリオキシエチレンアルキルエーテル系界面活性剤、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル系界面活性剤およびショ糖脂肪酸エステル系界面活性剤を含む群より選択された少なくとも1種の非イオン系界面活性剤とを含有し、表面張力が30〜50dyne/cm、粘度が5センチポアズ以下の水溶液としたので、インクジェット方式の噴霧装置を用いて良好に噴霧できると共に、カビ等によるノズルの目詰まりを生じることなく、長期間安定した噴霧を行うことができる。
以下、本発明の噴霧吸入用溶液について詳述する。本発明では、人に主に精神的効果を与える液状精製物と、水、1価アルコール、多価アルコールおよび非イオン系界面活性剤とを加えて、表面張力が30〜50dyne/cm、粘度が5センチポアズ以下である噴霧吸入用溶液を調製するものである。
人に主に精神的効果を与える液状精製物としては、ハーブ類の精油を代表例とする液状の抽出物である。この液状精製物の噴霧吸入用溶液中の液状精製物の含有量は、有効成分量で上限を10wt%程度以下とする。例えばハーブ類の精油は、低濃度で空気に香りを付けることができるというように、吸入によって精神的効果を与える液状精製物の効果を発揮させるには、有効成分量は少なくて済み、10wt%以下で十分である。好ましくは、液状精製物の含有量は、有効成分量で0.1〜5.0wt%とする。
ここで、液状精製物の有効成分量とは、ハーブ類の精油を例にとって説明すると、例えば抽出源としてハーブの花弁30グラムをアルコール90グラムで抽出し、ろ過等によって精製して、抽出液100グラムと、絞りカス20グラムを得たら、抽出液中の抽出分量、つまりハーブの精油中の有効成分量を10wt%とするものである。天然の草花を原料とするハーブには、香りや精神的な効果に大きく影響を与える極微量の成分もしくは未知の成分が含まれている可能性を考慮し、化学的な析出ではなく、物理的抽出を行う方が望ましく、同様の理由から、抽出液に含まれるものならば、元の抽出源に含まれていた水分、油分等でも、有効成分内として扱う。
エチルアルコールおよびイソプロピルアルコールは、液状精製物を溶かして混和する溶剤として使用する。この1価アルコールのエチルアルコールやイソプロピルアルコールは、液状精製物の可溶性が高く、水との相溶性が高く、粘度が低い。またアルコールであるので、カビやバクテリアなどの微生物を殺菌する作用が強い。これらのアルコールは、粘度の低下に伴って一定の疎水性を示し、溶剤でありながら界面活性作用を発揮する性質もあるので、溶液の濡れ性を高めることができ、インクジェット方式で噴霧する観点から有利である。
液状精製物を十分に溶解、混和して、噴霧吸入用溶液にバクテリアやカビ、藻類等の微生物が発生するのを防止するには、これらのアルコールの含有量は最低5.0wt%以上必要である。アルコールの含有量が5wt%未満であると、微生物の繁殖によって噴霧吸入用溶液の成分の分離、凝集、沈降が生じ、ノズルの目詰まりを招く。アルコールの含有量は多くてもよいが、引火点が高く危険なので、消防法により安全性の面から上限が8.0wt%に制限される。
多価アルコールであるグリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコールおよびポリエチレングリコールは、蒸気圧が低く、また水分を吸収し易いが、放出はしづらい性質を持ち、噴霧吸入用溶液の乾燥を防ぐ保湿剤の作用がある。ノズルの先端から水分が蒸発して噴霧吸入用溶液が乾燥すると、溶液の濃縮により固形物が析出し、ノズルの目詰まりを発生するが、上記した多価アルコールを加えておくことによって、溶液の乾燥を防いで、ノズルの目詰まりを防止することができる。
これらの多価アルコールの含有量は5.0〜10.0wt%とする。多価アルコールの含有量が5.0wt%未満であると、噴霧吸入用溶液の乾燥を防ぐ効果が少なく、また10.0wt%を超えると溶液の粘度の増加を招き、ノズルから噴霧しづらくなる。好ましくは、多価アルコールの含有量は5.0〜7.0wt%である。
非イオン系界面活性剤は、噴霧吸入用溶液の濡れ性を向上するために加える。一般にインクジェット方式の噴霧装置は、ピエゾ素子またはヒータを備えたキャビティとノズル等からなる放出部と、噴霧する溶液を収容した収納部とを一体に組込んでカートリッジ化しており、収納部の溶液は液通路を通って放出部のキャビティに導かれている。カートリッジの液通路や溶液収納部内は、綿状、スポンジ状に形成されているが、噴霧溶液の濡れ性が低いと、これら綿等内への溶液の浸透性が悪く、液通路を流れる噴霧溶液の流れが低下し、安定した噴霧ができなくなる。また隣接した放出部のノズル吐出口周辺部に溶液の液溜まりができ、液溜り同士の連絡によるノズルの閉塞が生じる。
このような噴霧する溶液の濡れ性が低いことによる弊害を防ぐには、非イオン系界面活性剤を添加して溶液の濡れ性を適度に高めればよい。その溶液の濡れ性の程度を物性値で示すと、表面張力が25〜50dyne/cm程度、粘度が5センチポイズ程度以下である。そのためには、非イオン系界面活性剤の含有量は4.0〜10wt%、好ましくは4.0〜8.0wt%程度とすることがよい。非イオン系界面活性剤の含有量が4.0wt%未満であると、噴霧吸入用溶液の表面張力および粘度が高く、濡れ性が低くなって、良好に噴霧できなくなる。一方、10.0wt%を超えてもよいが、人が吸入するので極力多くしない観点から、上限は10.0wt%とする。
非イオン系界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル系(C−1)、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル系(C−2)、ショ糖脂肪酸エステル系等が挙げられる。
C−1:ポリオキシエチレンアルキルエーテル系界面活性剤
この界面活性剤は、アセチレングリコールのエチレンオキサイド付加物であり、エチレンオキサイドを平均3.5〜20モルで付加結合させた化合物である。市販されている化合物としては、例えば川研ケミカル(株)のアセチノールE100(10モル付加)が挙げられる。下記に化合物C−1の一般式を示す。
この界面活性剤は、アセチレングリコールのエチレンオキサイド付加物であり、エチレンオキサイドを平均3.5〜20モルで付加結合させた化合物である。市販されている化合物としては、例えば川研ケミカル(株)のアセチノールE100(10モル付加)が挙げられる。下記に化合物C−1の一般式を示す。
ただし、m+n=10である。
C−2:ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル系界面活性剤
この物質は、代表的なノニオン性(非イオン性)界面活性剤として知られている。親水性の高い界面活性剤であり、エチレンオキサイドを20モル付加結合された化合物である。したがってハーブ類のような精油を溶解するのに適しており、本発明に好適に用いることができる。下記に化合物C−2の一般式を示す。
この物質は、代表的なノニオン性(非イオン性)界面活性剤として知られている。親水性の高い界面活性剤であり、エチレンオキサイドを20モル付加結合された化合物である。したがってハーブ類のような精油を溶解するのに適しており、本発明に好適に用いることができる。下記に化合物C−2の一般式を示す。
ただし、m+n=20である。
C−3:ショ糖脂肪酸エステル系界面活性剤
この物質は、食品用ノニオン性界面活性剤として知られており、親水性と親油性のバランスの幅が他の界面活性剤に比べて広い特徴がある。下記に化合物C−3の一般式を示す。
この物質は、食品用ノニオン性界面活性剤として知られており、親水性と親油性のバランスの幅が他の界面活性剤に比べて広い特徴がある。下記に化合物C−3の一般式を示す。
本発明では、上記したように、液状精製物の一例としてハーブ類の精油を用いる。ハーブ類としては、アトラスシダーウッド、アンジェリカ、イランイラン、オレンジ、カンファー、キャロットシード、クラリセージ、グレープフルーツ、クローブ、コパイバ、サイプレス、サンダルウッド、ジャスミン、ジュニパー、スィートマジョラム、ゼラニウム、タイム、ティートリー、ネロリ、バジル、バーチ、バーベナ、フェンネル(スィート)ブラックペッパー、フランキンセンス(オリバナム)、フランジュニパ、ペパーミント、ベンガルモット、ベンゾイン、マートル、ミルラ、メリッサ(レモンバーム)、ユーカリ、ラベンダー、リンデン、レモン、レモングラス、ローズ、ローズウッド、ローズマリーおよびローマンカモミールからなる群より選択される少なくとも1種が使用される。
これらのハーブ類は、人がリラクセーションやリフレッシュなどの香りの効用を楽しむことによって、身体や精神の恒常性を維持・促進し、身体や精神の不調を改善し、人が正常な健康を取り戻す役割を担うことができ、従来から、ハーブ類を用いた自然治療法が知られている。例えば、ペパーミントには、吐き気、胃痛、便秘などに対し軽い麻酔作用や鎮痙作用があり、また筋肉痛、打撲などの炎症を鎮め回復を早める効果がある。ユーカリには、花粉症やインフルエンザなどの症状を鎮めたり、筋肉痛や打撲などの炎症を鎮める効果がある。ローズマリーには、胃腸や肝臓などの機能低下による消化不良や便秘、血液循環の滞りによる肩こりや腰痛などの症状を和らげる効果がある。ローズには、ホルモン分泌を調整すると共に、女性の生殖器を力づける働きがあり、更年期障害や生理痛を和らげる効果がある。ラベンダーには、高血圧や肩こり、腰痛、頭痛の症状を和らげ、あるいは消化不良や便秘といった消化器系の症状を改善する効果がある。またいずれのハーブも、心の癒し効果がある。
ハーブ類を用いた噴霧吸入用溶液(ハーブ溶液)は、インクジェット方式の噴霧装置によって、住居やオフィスの部屋の空気に直接噴霧し、あるいは空調用空気に噴霧して部屋に供給するように使用する。これによって、部屋にいる人がハーブの香りが着いた空気を吸入し、ハーブの香りによる心地よさ等を感じることが可能となる。
インクジェット方式の噴霧装置には、インクジェットプリンタと同様なピエゾタイプやサーマルタイプの噴霧ヘッドを用いたものを使用することができる。
実施例について説明する。本発明および比較例の噴霧吸入用溶液としてハーブ溶液を調製し、これをインクジェット方式の噴霧装置に用いて連続噴霧試験および長期放置試験を行い、ノズル吐出口の状態等を調べた。噴霧装置は、ノズル数256、吐出量5.0pL(ピコリットル)のインクジェットヘッドを備えたものを用いた。連続噴霧試験および長期放置試験の内容は次ぎのとおりである。
連続噴霧試験:1日8時間の連続噴霧を6日間行い、各回の噴霧量および噴霧前後のノズル吐出口の状態を調べた。
長期放置試験:初日に20秒間の噴霧を2回行い、その後1週間、2週間、4週間放置後に噴霧を行い、その各回の放置後の噴霧量および噴霧前後のノズル吐出口の状態を調べた。またハーブ溶液の腐食およびカビ発生等の有無を調査した。
連続噴霧試験:1日8時間の連続噴霧を6日間行い、各回の噴霧量および噴霧前後のノズル吐出口の状態を調べた。
長期放置試験:初日に20秒間の噴霧を2回行い、その後1週間、2週間、4週間放置後に噴霧を行い、その各回の放置後の噴霧量および噴霧前後のノズル吐出口の状態を調べた。またハーブ溶液の腐食およびカビ発生等の有無を調査した。
実施例1
・ペパーミント:2.0wt%(有効成分量換算)
・エタノール :8.0wt%
・グリセリン :5.0wt%
・ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル系界面活性剤:5.0wt%
上記処方を水に加え、超音波分散しながら5分間十分に攪拌して、実施例1のハーブ溶液としてペパーミント溶液を得た。この実施例のペパーミント溶液を測定したところ、表面張力は30.0dyne/cm、粘度は1.69cPであった。
このペパーミント溶液は6日間の連続噴霧試験で、ノズルの目詰まりを推測させる固形物質の析出および液溜りは確認されなかった。6日目の噴霧量は初期と同等の安定した値を示した。
・ペパーミント:2.0wt%(有効成分量換算)
・エタノール :8.0wt%
・グリセリン :5.0wt%
・ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル系界面活性剤:5.0wt%
上記処方を水に加え、超音波分散しながら5分間十分に攪拌して、実施例1のハーブ溶液としてペパーミント溶液を得た。この実施例のペパーミント溶液を測定したところ、表面張力は30.0dyne/cm、粘度は1.69cPであった。
このペパーミント溶液は6日間の連続噴霧試験で、ノズルの目詰まりを推測させる固形物質の析出および液溜りは確認されなかった。6日目の噴霧量は初期と同等の安定した値を示した。
またペパーミント溶液の1週間、2週間、4週間の長期放置試験で、ノズルの目詰まりを推測させる固形物質の析出および液溜りの発生は確認されず、4週間放置後の噴霧量は初期と同等の安定した値を示した。溶液の腐食およびカビ等の発生も確認されなかった。
実施例2
・ユーカリ :2.0wt%(有効成分量換算)
・エタノール:8.0wt%
・グリセリン:5.0wt%
・ポリオキシエチレンアルキルエーテル系界面活性剤:8.0wt%
上記の処方を水に加え、超音波分散を行いながら5分間十分に攪拌して、実施例2のユーカリ溶液を得た。溶液の表面張力は27.6dyne/cm、粘度は2.10cPであった。
・ユーカリ :2.0wt%(有効成分量換算)
・エタノール:8.0wt%
・グリセリン:5.0wt%
・ポリオキシエチレンアルキルエーテル系界面活性剤:8.0wt%
上記の処方を水に加え、超音波分散を行いながら5分間十分に攪拌して、実施例2のユーカリ溶液を得た。溶液の表面張力は27.6dyne/cm、粘度は2.10cPであった。
このユーカリ溶液は6日間の連続噴霧試験で、ノズルの目詰まりを推測させる固形物質の析出および液溜りが確認されなかった。6日目の噴霧量は初期と同等の安定した値を示した。
またユーカリ溶液の1週間、2週間、4週間の長期放置試験で、ノズルの目詰まりを推測させる固形物質の析出および液溜りの発生は確認されず、4週間放置後の噴霧量は初期と同等の安定した噴霧量を示した。溶液の腐食およびカビ等の発生も確認されなかった。
実施例3
・ラベンダー:2.0wt%(有効成分量換算)
・エタノール:8.0wt%
・グリセリン:5.0wt%
・ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル系界面活性剤/ポリオキシエチレンアルキルエーテル系界面活性剤(重量比1/2):6.0wt%
上記の処方を水に加え、超音波分散しながら5分間十分に攪拌して、表面張力27.8dyne/cm、粘度2.10cPのラベンダー溶液を得た。
・ラベンダー:2.0wt%(有効成分量換算)
・エタノール:8.0wt%
・グリセリン:5.0wt%
・ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル系界面活性剤/ポリオキシエチレンアルキルエーテル系界面活性剤(重量比1/2):6.0wt%
上記の処方を水に加え、超音波分散しながら5分間十分に攪拌して、表面張力27.8dyne/cm、粘度2.10cPのラベンダー溶液を得た。
本実施例3のラベンダー溶液は6日間の連続噴霧試験で、ノズルの目詰まりを推測させる固形物質の析出および液溜りの発生が確認されず、また6日目の噴霧量は初期と同等の安定した値を示した。
このラベンダー溶液の1週間、2週間、4週間の長期放置試験で、ノズルの目詰まりを推測させる固形物質の析出および液溜りの発生は確認されず、4週間放置後の噴霧量は初期と同等の安定した値を示した。溶液の腐食およびカビ等の発生も確認されなかった。
実施例4
・ローズマリー:2.0wt%(有効成分量換算)
・エタノール :8.0wt%
・グリセリン :5.0wt%
・ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル系界面活性剤/ポリオキシエチレンアルキルエーテル系界面活性剤(重量比3/1):4.0wt%
上記の処方を水に加え、超音波分散しながら5分間十分に攪拌して、表面張力29.8dyne/cm、粘度1.42cPのローズマリー溶液を得た。
・ローズマリー:2.0wt%(有効成分量換算)
・エタノール :8.0wt%
・グリセリン :5.0wt%
・ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル系界面活性剤/ポリオキシエチレンアルキルエーテル系界面活性剤(重量比3/1):4.0wt%
上記の処方を水に加え、超音波分散しながら5分間十分に攪拌して、表面張力29.8dyne/cm、粘度1.42cPのローズマリー溶液を得た。
本実施例4のローズマリー溶液の6日間の連続噴霧試験で、ノズルの目詰まりを推測させる固形物質の析出および液溜りの発生は確認されず、また6日目の噴霧量は初期と同等の安定した値を示した。
またローズマリー溶液の1週間、2週間、4週間の長期放置試験で、ノズルの目詰まりを推測させる固形物質の析出および液溜りの発生は確認されず、4週間放置後の噴霧量は初期と同等の値を示した。溶液の腐食およびカビ等の発生も確認されなかった。
実施例5
・ローズ :2.0wt%(有効成分量換算)
・エタノール:8.0wt%
・グリセリン:5.0wt%
・ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル系界面活性剤/ポリオキシエチレンアルキルエーテル系界面活性剤(重量比1/1):8.0wt%
上記の処方を水に加え、超音波分散しながら5分間十分に攪拌して、実施例5のハーブ溶液として表面張力29.9dyne/cm、粘度2.31cPのローズ溶液を得た。
このローズ溶液は6日間の連続噴霧試験で、ノズルの目詰まりを推測させる固形物質の析出および液溜りの発生が確認されず、また6日目の噴霧量は初期と同等の安定した値を示した。
・ローズ :2.0wt%(有効成分量換算)
・エタノール:8.0wt%
・グリセリン:5.0wt%
・ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル系界面活性剤/ポリオキシエチレンアルキルエーテル系界面活性剤(重量比1/1):8.0wt%
上記の処方を水に加え、超音波分散しながら5分間十分に攪拌して、実施例5のハーブ溶液として表面張力29.9dyne/cm、粘度2.31cPのローズ溶液を得た。
このローズ溶液は6日間の連続噴霧試験で、ノズルの目詰まりを推測させる固形物質の析出および液溜りの発生が確認されず、また6日目の噴霧量は初期と同等の安定した値を示した。
またローズ溶液の1週間、2週間、4週間の長期放置試験で、ノズルの目詰まりを推測させる固形物質の析出および液溜りの発生は確認されず、4週間放置後の噴霧量は初期と同等の値を示した。溶液の腐食およびカビ等の発生も確認されなかった。
比較例
・ペパーミント:20.0wt%(有効成分量換算)
・エタノール :5.0wt%
・グリセリン :5.0wt%
・ジエチルレングリコールエチルエーテル:53.0wt%
上記の処方を水に加え、超音波分散しながら5分間十分に攪拌して、比較例のペパーミント溶液を得た。溶液の表面張力は29.2dyne/cm、粘度は6.81cPであった。
・ペパーミント:20.0wt%(有効成分量換算)
・エタノール :5.0wt%
・グリセリン :5.0wt%
・ジエチルレングリコールエチルエーテル:53.0wt%
上記の処方を水に加え、超音波分散しながら5分間十分に攪拌して、比較例のペパーミント溶液を得た。溶液の表面張力は29.2dyne/cm、粘度は6.81cPであった。
この比較例のペパーミント溶液は連続噴霧試験で、ノズルの吐出口周辺に固形物質の析出は確認されなかったが、溶液の吐出口周辺への広がりが認められ、3日目で噴霧量が徐々に減少し始め、間もなく噴霧しなくなった。
また比較例のペパーミント溶液の長期放置試験では、ノズルの吐出口の周辺に固形物質と推測されるものが確認され、1週間後にはノズルの目詰まりが生じて噴霧できなくなった。溶液の腐食およびカビ等の発生は確認されなかった。
Claims (6)
- インクジェット方式により噴霧され、噴霧されることによって人が吸入する吸入用溶液であって、
人に主に精神的効果を与える液状精製物と、
水と、
エタノールおよびイソプロピルアルコールからなる群より選択された少なくとも1種の1価アルコールと、
グリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコールおよびポリエチレングリコールからなる群より選択された少なくとも1種の多価アルコールと、
ポリオキシエチレンアルキルエーテル系界面活性剤、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル系界面活性剤およびショ糖脂肪酸エステル系界面活性剤を含む群より選択された少なくとも1種の非イオン系界面活性剤とを含有し、
表面張力が30〜50dyne/cm、粘度が5センチポアズ以下であることを特徴とするインクジェット噴霧吸入用溶液。 - 前記液状精製物がハーブ類の精油であり、該ハーブ類が、アトラスシダーウッド、アンジェリカ、イランイラン、オレンジ、カンファー、キャロットシード、クラリセージ、グレープフルーツ、クローブ、コパイバ、サイプレス、サンダルウッド、ジャスミン、ジュニパー、スィートマジョラム、ゼラニウム、タイム、ティートリー、ネロリ、バジル、バーチ、バーベナ、フェンネル(スィート)ブラックペッパー、フランキンセンス(オリバナム)、フランジュニパ、ペパーミント、ベンガルモット、ベンゾイン、マートル、ミルラ、メリッサ(レモンバーム)、ユーカリ、ラベンダー、リンデン、レモン、レモングラス、ローズ、ローズウッド、ローズマリーおよびローマンカモミールからなる群の少なくとも1種であることを特徴とする請求項1記載の噴霧吸入用溶液。
- 前記噴霧吸入用溶液中のハーブ類の精油の含有量が有効成分量で0.1〜10.0wt%であることを特徴とする請求項2記載の噴霧吸入用溶液。
- 前記噴霧吸入用溶液中の1価アルコールの含有量が5.0〜8.0wt%であることを特徴とする請求項2または3記載の噴霧吸入用溶液。
- 前記噴霧吸入用溶液中の多価アルコールの含有量が5.0〜10.0wt%であることを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載の噴霧吸入用溶液。
- 前記噴霧吸入用溶液中の非イオン系界面活性剤の含有量が0.05〜10.0wt%であることを特徴とする請求項2〜5のいずれかの項に記載の噴霧吸入用溶液。
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