JP2006034475A - 脚柱長さ調整装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 脚柱長さ調整装置として、脚柱の長さ変更を極めて容易に、安全確実に行え、一人でも充分に調整操作できるものを提供する。
【解決手段】 スライド自在に嵌合した上下の支柱1,2より脚柱Lが構成され、下支柱2にボルト挿通孔23が形成され、上支柱1にはロック孔11が上下方向に沿って一定間隔置きの複数箇所に形成され、一箇所のロック孔11とボルト挿通孔23とに連通させた固定用ボルト8によって両支柱1,2を所要のスライド位置で固定する構造において、上支柱1に、ボルト挿通孔23が一箇所のロック孔11と連通状態にあるときに、他の一箇所のロック孔11に係嵌するクリックストッパー7が取り付けられている。クリックストッパー7は、上下支柱1,2の固定解除状態において、ロック孔11との係嵌部分で上支柱1にかかる自荷重を支持し、自荷重を越える一定以上の負荷が加わった際にロック孔11から離脱する。
【選択図】 図2

Description

この発明は、例えば学習用机や脇机の天板、椅子の座部、家具の飾り棚等の高さを変更するための脚柱長さ調整装置に関する。
一般的に、この種の脚柱長さ調整装置は、脚柱をパイプ状の下支柱と、これにスライド自在に挿入したパイプ状の上支柱とで構成し、両支柱を所望のスライド位置で止着固定するものであるが、その固定には安全面から使用中に不用意に外れる懸念のないボルト止めが多用されている。
そして、ボルト止めによる固定では、下支柱の上端近傍にボルト挿通孔を形成する一方、上支柱には長手方向に沿って一定間隔置きにロック孔を設け、一箇所のロック孔とボルト挿通孔との連通部に固定用ボルトを挿通してナットに螺合緊締する直止め方式や、上支柱に縦溝から長手方向所定間隔置きに左右へ凹入する複数の掛窓を設け、所望の掛窓に係合させたロック金具のボルト挿通孔に固定用ボルトを挿通し、このボルトを下支柱のボルト挿通口を通して上支柱内に配置したボルト止め金具に螺合緊締する間接ロック方式(例えば、特許文献1〜3)が知られている。
実公昭44−23797号公報 実用新案登録第2572494号公報 特許第3260656号公報
これらボルト止めによる固定においては、上支柱の一定間隔置きに設けたロック孔又は掛窓の選択によって脚柱長さを段階的に変更できるが、その変更に際し、固定用ボルトを緩めて上下支柱の固定を解除すると、直ちに上支柱が自荷重で下支柱内に落ち込もうとする。このため、取扱い者は、上支柱側の重量を支えながら、必要な脚柱長さに設定してボルト止めすることになる。
しかしながら、上支柱側は天板や椅子本体等の上位構造によって全体重量が大きいため、脚柱長さ調整時に該上支柱側を支えながら上下させて、直止め方式ではボルト挿通孔を目的とするロック孔に、また間接ロック方式ではロック金具の係止部を目的とする掛窓にそれぞれ合わせるのが容易でなく、その合わせた位置を保ちつつ固定用ボルトを締結するにも非常に困難を伴うことから、一人では操作しにくく、多大な労力及び時間を費やすという問題があった。
この発明は、上述の事情に鑑みて、脚柱長さ調整装置として、脚柱の長さ変更を極めて容易に且つ安全確実に行え、一人でも充分に調整操作できるものを提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、この発明の請求項1に係る脚柱長さ調整装置は、スライド自在に嵌合した上下の支柱より脚柱が構成され、一方の支柱の一箇所にボルト挿通孔が形成されると共に、他方の支柱にはロック孔が長手方向に沿って一定間隔置きの複数箇所に形成され、その一箇所のロック孔と前記ボルト挿通孔とに連通させた固定用ボルトによって両支柱を所要のスライド位置で固定する構造であり、前記ボルト挿通孔を有する一方の支柱に、該ボルト挿通孔が他方の支柱の一箇所のロック孔と連通状態にあるときに、他の一箇所のロック孔に係嵌するクリックストッパーが取り付けられ、該クリックストッパーは、上下支柱の固定解除状態において、前記ロック孔との係嵌部分で上部側の支柱にかかる自荷重を支持すると共に、該自荷重を越える一定以上の負荷が加わった際にロック孔から離脱するように設定されてなるものとしている。
そして、請求項2の発明は、上記請求項1の脚柱長さ調整装置において、前記クリックストッパーが、ばねの付勢によって先端球面部を前記ロック孔に係嵌させるばね付き突子からなるものとしている。
請求項3の発明は、上記請求項1又は2の脚柱長さ調整装置において、内嵌側の支柱の開口端に、外嵌側の支柱の内周面に対する摺接部を備えた合成樹脂製のエンドキャップが嵌着されると共に、外嵌側の支柱の開口縁部に、内嵌側の支柱の外周面に摺接するブシュ部を備えた環状口縁部材が嵌着されてなるものとしている。
また、請求項4の発明は、上記請求項3の脚柱長さ調整装置において、前記複数箇所のロック孔が内嵌側の支柱に設けられ、前記の環状口縁部材にクリックストッパー保持部が設けられてなる構成としている。
更に、請求項5の発明は、上記請求項4の脚柱長さ調整装置において、前記固定用ボルトが外嵌側の支柱外周面に密接する合成樹脂製の受け座を通してボルト挿通孔に挿嵌され、該受け座が外面側にボルト頭部を納める凹部を有すると共に、この受け座と環状口縁部材のクリックストッパー保持部とが支柱外周面からの高さ及び幅を略同一として該支柱の長手方向に直列状に配置してなる構成としている。
一方、請求項6の発明は、請求項1〜5のいずれかの脚柱長さ調整装置において、前記複数箇所のロック孔が内嵌側の支柱の周壁に設けられると共に、この内嵌側の支柱の内部に、各ロック孔に対応して前記固定用ボルトに螺合し得る複数のナットを設けた帯板が、該ロック孔を有する周壁から離間して固着されてなるものとしている。
請求項1の発明に係る脚柱長さ調整装置では、上下支柱の片側に設けたロック孔の選択によって脚柱長さを段階的に変更できるが、その変更に際して固定用ボルトを緩めて上下支柱の固定を解いた時、他のロック孔に係嵌しているクリックストッパーによって上支柱側の自荷重が支えられるため、上支柱側が手離し状態でも不用意に落ち込むことがない。そして、クリックストッパーはボルト挿通孔がロック孔に連通する全ての高さ位置で他のロック孔に係嵌するから、上下支柱の固定解除後、脚柱長さを変えるために上支柱側を上げ下げすれば、元のロック孔から離脱したクリックストッパーが他のロック孔に嵌まる手応えでボルト挿通孔とロック孔との適正な連通位置を確認できると共に、目的とする高さの連通位置になれば、上支柱側は支えなくともクリックストッパーの係嵌によって該連通位置に保たれるから、上支柱側を手離した状態で支障なく固定用ボルトの締結操作を行え、もって少ない労力で且つ安全確実に脚柱長さを調整でき、一人でも容易に短時間で作業を完了できる。
請求項2の発明によれば、上記の脚柱長さ調整装置におけるクリックストッパーにばね付き突子を用いているから、簡単で安価な部材構成によってクリックストッパーとしての高い作動信頼性を確保できる。
請求項3の発明によれば、上記の脚柱長さ調整装置において、上下支柱が内嵌側の支柱のエンドキャップと外嵌側の支柱の環状口縁部材とで摺接するため、脚柱長さを調整する際に上下支柱を軽くスライド操作できると共に、上下支柱の嵌合部が上下で密接するから、該嵌合部でのがたつきを生じない。
請求項4の発明によれば、上記の上下支柱が内嵌側の支柱のエンドキャップと外嵌側の支柱の環状口縁部材とで摺接する構成において、ロック孔が内嵌側の支柱に設けられ、環状口縁部材にクリックストッパー保持部を有するから、上下支柱の嵌合部が外観的にすっきりしたものになると共に、クリックストッパーを保持する専用部材が不要となり、それだけ部材コスト及び組立コストが低減される。
請求項5の発明によれば、上下支柱が内嵌側の支柱のエンドキャップと外嵌側の支柱の環状口縁部材とで摺接し、且つ環状口縁部材にクリックストッパー保持部を有する上記の構成において、前記固定用ボルトのボルト頭部が受け座に納まると共に、この受け座と上記のクリックストッパー保持部とが連続するような形で支柱外周面から突出しているため、上下支柱の嵌合部の外観がより向上する。
請求項6の発明によれば、上記の脚柱長さ調整装置において、固定用ボルトが上下支柱を貫通せずに内嵌側の支柱内部のナットに螺合する構造であるから、ナット部分が外部に露呈せず、それだけ外観が良くなると共に、固定用ボルトがボルト挿通孔及びロック孔とナット部分との3ヵ所に係合するので、上下支柱が安定した強固な固定状態となる。
以下、この発明に係る脚柱長さ調整装置を学習机に適用した実施形態について、図面を参照して具体的に説明する。図1〜図6は第一実施形態、図7〜図10は第二実施形態を示し、両実施形態で共通する部分については同一符号を附している。しかして、学習机は、図1及び図7に示すように、第一実施形態用と第二実施形態用のいずれにおいても、左右の各脚柱Lがスライド自在に嵌合した上下の支柱1,2より構成され、左右一対の上支柱1,1とコ字形の天板受けフレームF及び天板Pとで一体の昇降部10を構成すると共に、左右の下支柱2,2が各下端に連結された前後方向の接地脚部B,Bと、両下支柱2,2の下部間に横架した補強桟Sとで脚台部20を構成している。
第一実施形態の脚柱長さ調整装置では、図1〜図3に示すように、上下の支柱1,2は共に金属製で水平断面が長円形のチューブ状をなし、径の大きい下支柱2内に上支柱1の下部側が挿嵌しており、上支柱1の下端開口1aに合成樹脂製のエンドキャップ3が嵌着される一方、下支柱2の上端部には、いずれも合成樹脂製で上端開口2aに嵌着する環状口縁部材4と長径方向の両外側に配置する合成樹脂製の受け座5及びナットカバー6が取り付けられている。
そして、上支柱1は、下端側から所定の長さの範囲において、上下方向一定間隔置きの複数箇所に、各々長径方向両側端で対向する2個ずつのロック孔11,11が穿設されており、下端開口1aの近傍の幅方向中央にはねじ挿通孔12を有している。また、下支柱2は、その上端開口2a縁から長径方向の一側端へ開く縦長矩形の切欠部21、この切欠部21の下縁から前方へ突出する突片22、該突片22の下方に位置するボルト挿通孔23、該ボルト挿通孔23に対向して長径方向の他側端に穿設された縦長矩形のナット嵌合孔24、このナット嵌合孔24の上方に設けたねじ挿通孔25、ナット嵌合孔24の下方に設けたナットカバー係止孔26を有している。
上支柱1のエンドキャップ3は、小判形の厚板部3aの片面に一対のT字状立ち上げ壁30,30より構成される嵌入部3bが一体形成され、この嵌入部3bにおける立ち上げ壁30,30間の橋架部30aに、短径方向に沿うねじ止め孔31が設けられ、また厚板部3aの外周面に複数本の上下方向に沿うリブ32…が形成されている。そして、このエンドキャップ3は、嵌入部3bを上支柱1の下端開口1aに嵌入した状態で、該上支柱1の側方外部からねじ挿通孔12を通してねじ13をねじ止め孔31に螺挿することにより、図2に示すように、厚板部3aが外に出た状態で該上支柱1に止着されると共に、該上支柱1に外嵌した下支柱2の内周面に対してリブ32…で摺接するようになっている。
一方、下支柱2の環状口縁部材4は、該下支柱2の上端開口2aの全周縁に内面側から外面側にわたって被さる環状口縁部4aと、この環状口縁部4aの内縁側から延出して短径方向両側に対向配置したブシュ部4b,4bと、長径方向一端側で環状口縁部4aから外側へ突出した箱枠状のクリックストッパー保持部4cとで構成されており、この保持部4c内にクリックストッパーとしてのばね付き突子7が装填されている。しかして、この環状口縁部材4は、クリックストッパー保持部4cが下支柱2の切欠部21に嵌合する形で、該下支柱2の上端開口2aに嵌着され、この嵌着状態で環状口縁部4aの内周とブシュ部4b,4bが該下支柱2に内嵌した上支柱1の外周面に対して摺接すると共に、ばね付き突子7の半球状の突子7aがクリックストッパー保持部4cの内壁に設けた窓41に臨んでいる。
このばね付き突子7は、クリックストッパー保持部4cの窓41が上支柱1のロック孔11に連通する位置に来た時、図2及び図5に示すように、コイルスプリング7bの付勢によって該ロック孔11に係嵌することになる。なお、下支柱2の突片22は、クリックストッパー保持部4cの下向き開放部を塞ぐように配置し、もってばね付き突子7の下方への脱落を防止している。
受け座5は、縦長の箱枠状で、内面側が下支柱1の短径側の外周面に対応した凹曲面をなし、外面側中央部に設けた凹部5aの底部から内面側へ透通するボルト挿通孔51を有している。また、ナットカバー6は、下半部に内向きに開放したナット抱持部6aを有する縦長の箱枠状で、内面側がやはり下支柱1の短径側の外周面に対応した凹曲面をなし、上端部にねじ挿通孔6bを有すると共に、内側の下端に逆L字形の係止片6cが突設されている。
上記の受け座5は、上下支柱1,2の嵌合状態において、下支柱2の突片22の下側の外周面に当てがい、もって連通したボルト挿通孔23,51に外側から固定用ボルト8を突入させ、更に該固定用ボルト8を前後一対のロック孔11,11を通して上支柱1に貫通させ、その先端側を下支柱2のナット嵌合孔24に嵌め込んだ矩形ナット9に螺合して締め付けることにより、該固定用ボルト8のボルト頭部8aとスプリングワッシャ14を凹部5aに納めた形で下支柱2の上端近傍に固定される。なお、矩形ナット9は、内面側が上支柱1の短径側の外周面に対応する凹曲面をなしており、螺合した固定用ボルト8の緊締により、図2及び図4に示すように、内面側が上支柱1に密着状態で押接する。
一方、ナットカバー6は、係止片6cを下支柱2のナットカバー係止孔26に係合し、そのナット抱持部6aに矩形ナット9を納める形で該下支柱2の短径側の外周面に当てがい、ねじ挿通孔6bに外側から挿通させたねじ15を下支柱2のねじ挿通孔25を通して環状口縁部材4の環状口縁部4aに螺挿することにより、環状口縁部材4と一体に下支柱2に止着される。
ここで、下支柱2のボルト挿通孔23と、該下支柱2の上端開口2aに嵌着した環状口縁部材4におけるクリックストッパー保持部4cの窓41との間隔は、上支柱1のロック孔11…の上下方向の配設ピッチと合致するように設定されている。従って、図2に示すように、固定用ボルト8が下支柱2のボルト挿通孔23を通して上支柱1の前後一対のロック孔11,11に挿通する位置、つまりボルト挿通孔23とロック孔11のいずれかとの連通位置において、その連通位置よりも一つ上のロック孔11に対してばね付き突子7の突子7が常に係嵌することになる。
なお、図1及び図2に示すように、受け座5は下支柱2の該周面からの側方突出高さと幅が環状口縁部材4のクリックストッパー保持部4cと略同一になるように寸法設定されており、もって受け座5とクリックストッパー保持部4cとは一体物のように上下に直列配置して見栄えよくなっている。また、直列配置した受け座5とクリックストッパー保持部4cに対し、ナットカバー6が略同寸法で下支柱2の長径方向反対側へ対称的に突出した形になっており、これによって上下支柱1,2の嵌合部分はすっきりした良好な外観を呈している。
上記第一実施形態の脚柱長さ調整装置を適用した学習机において、その天板Pの高さを変更する場合、まず左右両側の脚柱L,Lの各々について、固定用ボルト8を緩めて抜き取る。これにより、上下支柱1,2の固定が解除されるが、図6(イ)に示すように、左右両側の脚柱L,L共にばね付き突子7が上支柱1のロック孔11に係嵌しており、この係嵌部分で昇降部10の自荷重(左右の上支柱1,1と天板P及び天板受けフレームFの合計重量)が支承される。従って、左右の固定用ボルト8,8を抜き取る際に昇降部10を支えていなくとも、該昇降部10が不用意に落ち込む懸念がないから、抜き取り作業を安全且つ容易に行える。
次に、天板Pを高くする場合は昇降部10を持ち上げ、逆に低くする場合は昇降部10を押し下げるが、この昇降操作により、ばね付き突子7が図6(ロ)の如く上支柱1のロック孔11から離脱する。しかして、昇降部10を昇降させる過程で、昇降スライドする上支柱1のロック孔11が下支柱2のボルト挿通孔23との連通位置になる度に、そのロック孔11よりも一段上位にあるロック孔11に対し、ばね付き突子7の突子7aがコイルスプリング7bの付勢によって図6(イ)の如く係嵌する。従って、昇降部10を昇降操作する者は、ばね付き突子7がロック孔11に係嵌する手応えにより、上下支柱1,2の固定が可能な高さ位置になったことを容易に確実に認識できる。
かくして天板Pの好ましい高さ範囲で上下支柱1,2が固定可能な位置になれば、抜き取っていた固定用ボルト8,8を用い、それぞれ連通したボルト挿通孔23,41及びロック孔11,11を通して矩形ナット9に螺合緊締すればよい。しかして、この上下支柱1,2のボルト止め操作は、昇降部10の自荷重がばね付き突子7のロック孔11への係嵌部分で支持されるから、該昇降部10を手離した状態で安全且つ容易に行える。
このように、上記の脚柱長さ調整装置によれば、脚柱長さを変更する際、昇降部10を支えずに上下支柱1,2の固定用ボルト8を脱着できる上、昇降部10を上げ下げする過程で上下支柱1,2を固定可能な高さ位置が自ずと判明するから、取扱い者が一人であっても少ない労力で容易に短時間で作業を完了できる。また、上下支柱1,2は上支柱1側のエンドキャップ3と下支柱2側の環状口縁部材とで少ない接触面積の元に摺接するため、脚柱長さの調整において上支柱1を軽く昇降操作できると共に、調整後の学習机は上下支柱1,2が嵌合部の上下位置で密接しているから、該嵌合部でのがたつきを生じず安定した使用状態となる。
第二実施形態の脚柱長さ調整装置は、図7〜図10に示すように、上下の支柱1,2は前記第一実施形態と同様に金属製で水平断面長円形のチューブ状をなし、径の大きい下支柱2内に上支柱1の下部側が挿嵌しており、上支柱1の下端開口1aに合成樹脂製のエンドキャップ3が嵌着される一方、下支柱2の上端部には、合成樹脂製で上端開口2aに嵌着する環状口縁部材4と長径方向の片側に配置する合成樹脂製の受け座5が取り付けられている。
そして、上支柱1は、下端側から所定の長さの範囲において、周壁1bの長径方向片側に沿って複数のロック孔11…が上下方向一定間隔置きに穿設されると共に、内部に各ロック孔11に対応して上下方向一定間隔置きに透孔16及びナット17を設けた帯板18が配置している。しかして、この帯板18は、片面側に各透孔16に臨んでナット17を溶接固着したものであり、前方へ曲げ出した上下端部18a,18aで周壁1bの上下の凹陥部1c,1cにねじ止めすることにより、各透孔16が各ロック孔11と長径方向で間隔を置いて対向する形で上支柱1内に固着されている。なお、エンドキャップ3は前記第一実施形態のものと同様である。
下支柱2は、前記第一実施形態におけるナット嵌合孔24とねじ挿通孔25及びナットカバー係止孔26を有していないが、それ以外の構造は第一実施形態と同様であり、その上端開口2aには第一実施形態と同じ環状口縁部材4が同様に嵌着されると共に、そのクリックストッパー保持部4cの下に直列して第一実施形態と同じ受け座5が配置している。しかるに、この受け座5の凹部5aにボルト頭部8aをスプリングワッシャ14と共に納めた固定用ボルト8は、第一実施形態のものよりも短く設定されており、図8(ロ)及び図9に示すように、下支柱2のボルト挿通孔23と上支柱1のロック孔11及び透孔16を通してナット17に螺合緊締することにより、両支柱1,2を連結固定している。
しかして、この第二実施形態においても、下支柱2のボルト挿通孔23と、該下支柱2の上端開口2aに嵌着した環状口縁部材4におけるクリックストッパー保持部4cの窓41との間隔は、上支柱1のロック孔11…の上下方向の配設ピッチと合致するように設定されている。従って、図8(ロ),図9,図10に示すように、固定用ボルト8が下支柱2のボルト挿通孔23を通して上支柱1のいずれかのロック孔11に挿通する位置、つまりボルト挿通孔23とロック孔11のいずれかとの連通位置において、その連通位置よりも一つ上のロック孔11に対してばね付き突子7の突子7が常に係嵌する。
この第二実施形態の脚柱長さ調整装置を適用した学習机においても、天板Pの高さを変更する場合の操作は、前記の第一実施形態と同様にして行える。すなわち、まず左右両側の脚柱L,Lの各々について、固定用ボルト8を抜き取って上下支柱1,2の固定を解除するが、この際に昇降部10を支えていなくとも、左右両側の脚柱L,L共にばね付き突子7が上支柱1のロック孔11に係嵌して昇降部10の自荷重を支承するから、該昇降部10が不用意に落ち込む懸念がなく、抜き取り作業を安全且つ容易に行える。そして、次に昇降部10の昇降操作を行うと、ばね付き突子7が上支柱1のロック孔11から離脱するが、昇降スライドする上支柱1のロック孔11が下支柱2のボルト挿通孔23との連通位置になる度に、それよりも一段上位にあるロック孔11にばね付き突子7が係嵌するから、その手応えによって上下支柱1,2の固定が可能な高さ位置になったことを容易に確実に認識できる。
かくして天板Pの好ましい高さ範囲で上下支柱1,2が固定可能な位置になれば、抜き取っていた固定用ボルト8,8を用いて両支柱1,2を連結固定するが、この位置においても昇降部10の自荷重がばね付き突子7のロック孔11への係嵌部分で支持されるから、このボルト止め操作も昇降部10を手離した状態で安全且つ容易に行える。従って、取扱い者が一人であっても、脚柱長さを変更する際の作業全体を少ない労力で容易に短時間で作業を完了できる。
しかして、この第二実施形態では、固定用ボルト8が上下支柱1,2を貫通せずに上支柱1内のナット17に螺合するから、ナット部分が外部に露呈せず、それだけ外観が良くなる。また、固定用ボルト8が上下支柱1,2を貫通していない構造であっても、該固定用ボルト8はボルト挿通孔23とロック孔11及びナット部分との3ヵ所に係合するので、上下支柱1,2が安定した強固な固定状態となる。
なお、上記の第一及び第二実施形態ではボルト挿通孔23を有する下支柱2に上下方向一定間隔置きにロック孔11…を有する上支柱1が挿嵌する構造を例示したが、この発明の脚柱長さ調整装置は、上下支柱1,2の内外の挿嵌関係を例示とは逆にした構成や、外嵌側の支柱に上下方向一定間隔置きのロック孔11…を設けた構成としてもよい。また、両実施形態ではボルト挿通孔23とクリックストッパー係嵌位置との間隔をロック孔11…の配設ピッチに合致させているが、該間隔をロック孔11…の配設ピッチの整数倍として、ボルト挿通孔23とロック孔11のいずれかとの連通位置において、その隣よりも離れた位置にあるロック孔11にクリックストッパーが係嵌する構成としてもよい。
一方、前記実施形態ではクリックストッパーとして半球形の突子7aとコイルスプリング7bとからなるばね付き突子7を用いているが、例えば、ストッパー部がボールやピン軸であるもの、ストッパーの付勢手段として板ばね、タコばね、皿ばねの如き他のばね材を用いるもの等、種々の構造のものを採用できる。また、このようなクリックストッパーを支柱に取り付けるのに専用の保持部材を用いてもよいが、例示のように環状口縁部材4にクリックストッパー保持部4cを設けるようにすれば、部材コスト及び組立コストを低減できるという利点がある。
その他、この発明に係る脚柱長さ調整装置の細部構成については実施形態以外に種々設計変更可能である。また、このような脚柱長さ調整装置は、例示した学習机に限らず、脇机の天板、椅子の座部、家具の飾り棚等の種々の部位を高さ変更可能に支持する脚柱に適用可能である。
この発明に係る第一実施形態の脚柱長さ調整装置を適用した学習机の斜視図である。 同第一実施形態の脚柱長さ調整装置の要部の縦断側面図である。 同第一実施形態の脚柱長さ調整装置の分解斜視図である。 図2のIV−IV線における断面図である。 図2のV−V線における断面図である。 同脚柱長さ調整装置におけるクリックストッパー部分を示し、(イ)図は係嵌状態の縦断側面図、(ロ)図は離脱状態の縦断側面図である。 この発明に係る第二実施形態の脚柱長さ調整装置を適用した学習机の側面図である。 同第二実施形態の脚柱長さ調整装置の要部を示し、(イ)図は下支柱側を縦断して示す正面図、(ロ)図は縦断側面図である。 図8(ロ)のIX−IX線における断面図である。 図8(ロ)のX−X線における断面矢視図である。
符号の説明
1 ・・・上支柱
1a・・・下端開口
1b・・・周壁
11・・・ロック孔
17・・・ナット
18・・・帯板
2 ・・・下支柱
2a・・・上端開口
23・・・ボルト挿通孔
3 ・・・エンドキャップ
32・・・リブ(摺接部)
4 ・・・環状口縁部材
4b・・・ブシュ部
4c・・・クリックストッパー保持部
5 ・・・受け座
5a・・・凹部
7 ・・・ばね付き突子(クリックストッパー)
7a・・・突子
7b・・・コイルスプリング
8 ・・・固定用ボルト
8a・・・ボルト頭部
9 ・・・矩形ナット
L ・・・脚柱
P ・・・天板

Claims (6)

  1. スライド自在に嵌合した上下の支柱より脚柱が構成され、一方の支柱の一箇所にボルト挿通孔が形成されると共に、他方の支柱にはロック孔が長手方向に沿って一定間隔置きの複数箇所に形成され、その一箇所のロック孔と前記ボルト挿通孔とに連通させた固定用ボルトによって両支柱を所要のスライド位置で固定する構造であり、
    前記ボルト挿通孔を有する一方の支柱に、該ボルト挿通孔が他方の支柱の一箇所のロック孔と連通状態にあるときに、他の一箇所のロック孔に係嵌するクリックストッパーが取り付けられ、
    該クリックストッパーは、上下支柱の固定解除状態において、前記ロック孔との係嵌部分で上部側の支柱にかかる自荷重を支持すると共に、該自荷重を越える一定以上の負荷が加わった際にロック孔から離脱するように設定されてなる脚柱長さ調整装置。
  2. 前記クリックストッパーが、ばねの付勢によって先端球面部を前記ロック孔に係嵌させるばね付き突子からなる請求項1記載の脚柱長さ調整装置。
  3. 内嵌側の支柱の開口端に、外嵌側の支柱の内周面に対する摺接部を備えた合成樹脂製のエンドキャップが嵌着されると共に、外嵌側の支柱の開口縁部に、内嵌側の支柱の外周面に摺接するブシュ部を備えた環状口縁部材が嵌着されてなる請求項1又は2に記載の脚柱長さ調整装置。
  4. 前記複数箇所のロック孔が内嵌側の支柱に設けられ、前記の環状口縁部材にクリックストッパー保持部が設けられてなる請求項3記載の脚柱長さ調整装置。
  5. 前記固定用ボルトが外嵌側の支柱外周面に密接する合成樹脂製の受け座を通してボルト挿通孔に挿嵌され、該受け座が外面側にボルト頭部を納める凹部を有すると共に、この受け座と環状口縁部材のクリックストッパー保持部とが支柱外周面からの高さ及び幅を略同一として該支柱の長手方向に直列状に配置してなる請求項4記載の脚柱長さ調整装置。
  6. 前記複数箇所のロック孔が内嵌側の支柱の周壁に設けられると共に、この内嵌側の支柱の内部に、各ロック孔に対応して前記固定用ボルトに螺合し得る複数のナットを設けた帯板が、該ロック孔を有する周壁から離間して固着されてなる請求項1〜5のいずれかに記載の脚柱長さ調整装置。
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