JP2006033346A - 着脱型撮像装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 カメラを含む種々の装置が剛性を保ちつつ着脱可能である着脱型撮像装置を提供する。
【解決手段】 着脱型撮像装置は、複数の装着箇所を設けたベースプレートと、ベースプレートの前記複数の装着箇所に着脱可能に固定された複数のモジュールとからなる。ここで、上記の複数のモジュールのうち少なくとも1個のモジュールは、レンズと撮影素子を一体化したカメラモジュールである。
【選択図】図1

Description

本発明は、着脱式の撮像装置に関するものである。
1台の装置に複数の光学系を備えることにより、立体画像などの撮影(ステレオ視)が可能になる。たとえば、特開2000-65532号公報に記載された多眼画像センサでは、1つの矩形形状の部材に複数のレンズを固定し、それらの複数のレンズから入る光を1つの撮像素子で受ける。この多眼画像センサの特徴は、レンズ固定部材が一体として形成されている点にあり、これにより複数のレンズの視点の間の光軸のずれを最小限に抑える効果がある。また、レンズ固定部材と撮像素子を独立にすることにより、たとえばレンズ固定部材に用意されているレンズ数よりも少ない撮像素子のカメラも構成可能である。
また、特開平11−355624号公報に記載された撮影装置は、種々の機能を可能にする拡張機能を備える。具体的には、ベースとなる撮影ユニット(レンズ、撮像素子、制御回路などが一体となったもの)に別の撮影ユニットを接続するスロットを設ける。別の撮影ユニットとして、レンズと撮像素子が一体になったものや、撮影のためのフラッシュユニット、レンズ間距離を調整するスペーサなどがあり、別の撮影ユニットにコネクタを設け、ベースとなる撮影ユニットのスロットと係合可能とする。別の撮影ユニットには、ベースとなる撮影ユニットと同様にスロットを設けておく。これにより、スロットとコネクタを係合することにより、ベースとなる撮影ユニットに係合された別の撮影ユニットのスロットにさらに別の撮影ユニットのコネクタを係合することにより、撮影ユニットを順次組み込んでいくことが可能である。これにより撮影装置を際限なく拡張できる。
特開2000−65532号公報 特開平11−355624号公報 Y. Matsumoto and A. Zelinsky, Fourth Intl. Conf. on Automatic Face and Gesture Recognition, 499-504 (March, 2000) M. Okutomi and T. Kanade, IEEE TRANSACTIONS ON PATTERN ANALYSIS AND MACHINE INTELLIGENCE, Vol. 15, No. 4, 353 (1993)
しかし、特開2000−65532号公報に記載された多眼画像センサでは、レンズ固定部材は一体となっていることから、最大レンズ数がレンズ固定部材により制限される。また、レンズ以外の装置を装着することができない。
また、特開平11−355624号公報に記載された撮影装置は、高い拡張性をもっている。しかし、拡張した撮影ユニットにさらに別の撮影ユニットを接続して拡張する構成となっているので、ベースとなるカメラから遠くなればなるほど剛性の低下が予想される。多眼カメラを計測用に用いる場合、カメラ間の関係を維持するために通常は剛性の高い部材で結合するが、この撮影装置では、カメラ数が増えるに従い剛性を保つことができなくなり、事実上破綻する可能性が高い。
本発明の目的は、カメラを含む種々の装置が剛性を保ちつつ着脱可能である着脱型撮像装置を提供することである。
本発明に係る着脱型撮像装置は、複数の装着箇所を設けたベースプレートと、
ベースプレートの前記複数の装着箇所に着脱可能に固定された複数のモジュールとからなる。ここで、上記の複数のモジュールのうち少なくとも1個のモジュールは、レンズと撮影素子を一体化したカメラモジュールである。
ベースプレートの複数の装着箇所に各種モジュールを装着することにより、一つのベースプレートでさまざまな種類のモジュールを用いて、さまざまな種類の多眼カメラを構成できる。各モジュールは、いずれもベースプレートに機械的に高い剛性で接続できる。
以下、添付の図面を参照して発明の実施の形態を説明する。
本願発明に係る着脱型撮像装置では、ベースプレートの複数の装着箇所に複数のモジュールを着脱可能に装着する。モジュールは、1例として、レンズと撮像素子が一体となったカメラモジュールであるが、カメラモジュールには限定されない。たとえば撮影用の補助照明を発生させる照明モジュールを装着してカメラモジュールと組み合わせることも可能である。また、ベースプレートには、映像合成装置、電源などを備えることができる。また、各モジュールを構成する電気回路は、電源と同期信号だけを与えれば動作する簡単な構成とする。これにより、たとえば撮影用の補助照明を発生させるモジュールを装着することも可能である。
各モジュールはベースプレートの装着箇所に対して機械的に正確に固定される。モジュールとベースプレートとの着脱機構はたとえば1対の嵌合機構を含む。たとえば、モジュール側の上下左右の面にメス穴を設け、ベースプレート側にこれに合うようにオスを設ける。オスとメスのガイドにより装着が簡単になる。装着後に、ネジでモジュールを固定し、動かないようにする。ネジにより不必要な位置ずれの発生がなくなる。ベースプレートとモジュールの機械的接続剛性をあげることで、利用中のモジュール間の位置ズレを防ぐ。なお、ベースプレートに装着するモジュールはあくまでもベースプレートに対してのみ着脱可能であり、モジュールがさらに別のモジュールを装着可能とはしない。これにより、必要以上の剛性低下や使用中のカメラ位置ずれを防ぐ。
発明の実施の形態1.
図1は、本発明の1つの実施の形態である着脱型4眼カメラを示す。また、図2と図3は、その右側面と正面を示す。この着脱型4眼カメラは、4角形のベースプレート10と、その4角に設けた装着箇所にねじ込み式で着脱可能(交換可能)に装着した4つのモジュール12,14,16,18とからなる。これらのモジュール12,14,16,18は、すべてカメラモジュールであり、レンズ、撮像素子、制御回路などが一体となっている。また、ベースプレート10には、モジュールへの電源回路20と、映像合成回路22を備える。電源回路10は、たとえばDC電源5Vおよび12Vであり、外部から入力される電源から直流電圧を生成しモジュールに供給する。回路構成を簡単にするために、モジュール入れ替え時は非通電状態で行うこととすることもできる。また、通電状態であってもモジュールの交換(ホットスワップ)ができるように、回路を構成することもできる。図1に矢印で示されているように、各モジュール12,14,16,18は、電源回路20および映像合成回路と接続される。図2に示されるように、ベースプレート10には、外部からの電力入力端子24と、映像合成回路22からの合成映像信号(たとえばNTSC信号)を出力する信号出力端子26を備える。ベースプレート10は、さらに、各カメラモジュール12,14,16,18からの映像信号を出力するRCA端子28,30,32,34を備える。
図4は、カメラモジュール12〜18を図式的に示す。撮影レンズ100から入射した光は、撮像回路102の中の撮像素子(CCD素子)により電気信号に変換されA/D変換の後に出力され、デジタルデータはメモリ104に記憶される。制御系106は、AE,AFなどの撮像用の各種制御を行う。同期化回路108は同期信号を発生する。入出力回路110は、ベースモジュール10と電源や信号の入出力をする。制御CPU112は、レリーズボタン114などの入力に基づいてモジュール全体を制御する。このカメラモジュールの構成は従来の撮像装置と同様である。
装着されたカメラモジュール12,14,16,18は、外界から得られる映像を電気信号に変換してベースプレート10上の映像合成回路22に送る。映像合成回路22は、複数のカメラモジュール12,14,16,18の映像を合成して適切な形式(たとえばNTSCなど)にして外部に出力する。映像合成回路22により各カメラモジュール12,14,16,18の映像を同時に効率よく取得できる。また、複数個のカメラの映像を一つの映像信号として扱うことができ、効率的である。また、RCA端子28,30,32,34から、各カメラモジュール12,14,16,18からの映像信号を出力してもよい。
図5に図式的に示すように、ベースプレート10とカメラモジュール12,14,16,18は、上述のオスとメスの着脱機構36により嵌合し、さらにネジ38で固定する。ガイドにより簡単に装着でき、ネジにより固定することにより、不必要にカメラ同士の位置ずれが発生することがない。したがって、多眼による安定した画像計測が可能になる。多眼による計測の例として、Y. MatsumotoおよびA. Zelinskyの論文(”An Algorithm for Real-time Stereo Vision Implementation of Head Pose and Gaze Direction Measurement”, Fourth Intl. Conf. on Automatic Face and Gesture Recognition, 499-504 (March, 2000))がある。
ベースプレート10にモジュール12〜18を装着すると、モジュール12〜18の制御は、まず装着されているモジュールがどのモジュールであるか認識することから始まる。全体のモジュールの数が少なければ、モジュールを識別するための専用の信号線を用意し、それのON/OFFなどの状態から判断することができる。また、モジュール数が多ければデジタル通信技術を用いてモジュールとコントローラの間を通信して、コントローラがモジュールの種類を判断できるようにあらかじめプロトコルを定めればよい。
モジュール12〜18との通信の基本は、カメラモジュールからの信号である。カメラモジュールの構成によって通信回路の構成が定まるが、最も標準的なのはNTSC信号によるアナログ通信規格である。上述の、カメラモジュール12〜18は、本通信規格に従うカメラモジュールである。
カメラモジュール12〜18の信号は、映像合成回路22に集められ、最終的に一つのNTSC信号に変換して出力される。カメラモジュール12〜18において映像データはメモリ104に記憶されている。これらの映像データを映像合成回路22に入力して一つのNTSC信号に合成する方法がいくつか考えられる。映像合成回路22はカメラモジュール12〜18と同期をとって通信して以下のいずれかの方法で映像を合成する。
1つ目の方法では、各カメラモジュールの映像をQVGA320×240 に縮小し、出力映像の1/4画面にそれぞれ埋め込む。これは通常の4画面分割器と同じ方法である。
2つ目の方法では、各カメラモジュールの映像を640×120に縮小し、出力映像の各フィールドに二つのカメラ分の映像を縦に並べて入れる。各フレームにフィールドが二つあるから、フレーム内に合計4カメラ分の映像が入る。
3つ目の方法では、各カメラモジュールの映像をQVGA320×240に縮小し、出力映像の各フィールドに二つのカメラ分の映像を横に並べて入れる。各フレームにフィールドが二つあるから、フレーム内に合計4カメラ分の映像が入る。
4つ目の方法では、各カメラモジュールの映像を640×240に縮小し、各カメラの映像を出力信号のフィールドに入れる。2フレームで4カメラ分の映像を送信する。
あるいは、上記の4つの方法をすべてを実装した映像合成回路22を構成し、ディップスイッチなどで用途に応じていずれかの方法を選択可能としてもよい。
合成された映像は、外部に送信され、PC等でキャプチャした後、またはビデオテープなどに記録し、PC等でキャプチャした後に、それぞれのカメラの映像に簡単に分離できる。
もちろん、ベースプレート10の機械的な性質だけを用いる場合は、すなわち、各カメラモジュールを一体化した多眼カメラ構造として用いる場合は、各カメラモジュール12,14,16,18からの出力信号をそのまま端子28,30,32,34から出力するようにすればよい。
発明の実施の形態2.
4眼用ベースプレート10には、カメラモジュールに限らず、さまざまな種類のモジュールを接続できる。特に、電源だけで駆動でき、特段の制御の必要のない回路であれば、ほぼ無限の可能性がある。したがって、ベースプレート10には、着脱型のカメラモジュールの他に、照明、その他の機能を持つさまざまなモジュールが接続できる。ベースプレート10は、これらモジュールが装着されると、電源回路から各モジュールへ電源を供給し、そして、モジュールとアナログで電気接続して、制御回路によりモジュールを制御したりモジュールからの信号を受け取ったりする。したがって、一つのベースプレート10でさまざまな種類のモジュールを装着してさまざまな種類の多眼カメラを構成できる。また、一組のカメラモジュールでさまざまな種類のベースプレートを用いたさまざまな多眼カメラを構成することができる。カメラモジュールの個数が1であるときは、通常のパッケージカメラとして利用可能である。カメラモジュールの個数が2であれば、ステレオ視ができる撮像装置を構成できる。
カメラモジュール以外のモジュール中で最もよく用いられると考えられるものにLEDなどを用いた照明モジュールがある。図6に示す変形例では、図1に示したのと同様な4眼用ベースプレート10を用いて、カメラモジュール12,14を2箇所に取り付け、ステレオ視のできる状態にする。そして、残りの2箇所に照明モジュール36、38を取り付ける。照明モジュール36,38はたとえば白色LEDモジュールである。通常の昼間の監視では照明が不要だが、夜間になると照明を用いて環境を明るくし、カメラによる計測を可能とする。これにより、昼間、夜間を問わず画像計測を行う装置を構成できる。ステレオ視を用いるメリットとして、距離情報を使用してたとえば人物のように大きな物体と犬猫のように小さな物体を区別できることなどがある。
図7は、照明モジュール36,38を概略的に示す。ベースプレート10から入力回路200を経て電源と照明用制御信号が送られる。照明用制御信号を受け取ると、駆動回路202は白色LED200を駆動して照明をする。
発明の実施の形態3.
図8〜10は、着脱型2眼カメラの実施形態を示す。本実施形態は、図1〜3に示す4眼カメラと構成が似ており、モジュールの部分は4眼カメラのモジュールを流用できる。これも本発明のメリットの一つである。図8に示す2眼カメラでは、ベースプレート50に、最大2つのモジュールを着脱可能に装着できる。2つのカメラモジュール52,54を装着した場合には、標準的なステレオカメラとして利用可能である。ベースプレート50には、モジュールへの電源回路56と映像合成回路58を備える。さらに、電源入力端子60、映像合成回路58の出力端子62,各カメラモジュール52,54からの入力端子66、68を備える。
発明の実施の形態4.
図11の2つのモジュールを着脱する撮像装置の変形例を示す。このように、1個のカメラモジュール52と照明モジュール70とを装着した場合には、通常の単眼カメラとカメラ用の照明として利用可能である。
電源や電気的な接続は4眼カメラの構成と同様でよい。ただし、カメラ数が最大で2台なので、映像合成回路58の回路構成をより単純にすることができる。最も単純な回路構成では、たとえばNTSC映像のフィールド毎に各カメラの映像信号を入れて合成する。この回路は、各カメラを同期する同期回路と、各カメラの信号を選択するフリップフロップがあれば、あとは簡単な周辺回路だけで構成が可能である。このような回路は、たとえばY. Matsumoto and A. Zelinsky著の論文、”An algorithm for real-time stereo vision implementation of head pose and gaze direction measurement”(Fourth Intl. Conf. on Automatic Face and Gesture Recognition, 499-504 (March, 2000))、で実現されているものを流用してもよい。
発明の実施の形態5.
図12と図13は、4眼カメラ用ベースプレートの応用として、4方位を向く全方位カメラの実施形態を示す。この構成においては、ベースプレート80の4角の装着箇所のすべてにカメラモジュール82,84,86,88を装着するが、各カメラモジュールの向きは、ベースプレートの面に平行な方向である。各カメラモジュール82,84,86,88が独立の視野を監視しているのでステレオ視のようなことができない。しかし、独立の視野を監視することにより、より広い範囲を同時に監視することができるという効果がある。ベースプレート80には、モジュールへの電源回路90と映像合成回路92を備える。さらに、ベースプレート80には、外部からの電源入力端子90と、映像合成回路92からの合成映像信号(たとえばNTSC信号)を出力する信号出力端子94を備える。ベースプレート80は、さらに、各カメラモジュール82,84,86,88からの映像信号を入力するRCA入力端子94,96,98,100を備える。このように、全方位カメラが簡単に構成できる。
発明の実施の形態6.
上述の着脱型多眼撮像装置は、その特徴から任意の個数の複数の画像を得ることができる。また、異なる二つのカメラからの画像が得られれば距離情報を得ることができるので、画像が二つ以上あれば理論的に距離情報を得ることが可能である。以下ではN個のカメラからの画像が同時に得られるものとする。後で説明するように、高速特徴点対応付け方法を用いて距離情報を得ることができる。
ここでは、最も単純な例として、N個のうち任意の二つの画像を選択し、それらの画像間の対応付けを考える。別の画像組についても同様な操作により対応付けを行うことができる。これらの対応付け情報から、本質的にひとつの3次元情報を構成できるが、形式的には別々の情報として得られる。これら別々の2次元情報をひとつの3次元情報に構成しなおす方法として、たとえばM. Okutomi and T. Kanade著の論文”A multiple-baseline stereo”(IEEE TRANSACTIONS ON PATTERN ANALYSIS AND MACHINE INTELLIGENCE, Vol. 15, No. 4, 353 (1993))に記載された方法がある。
二つの画像を選択すれば、カメラ間の関係があらかじめ分かっているので、二つの画像間のエピポーラ線を求めることができる。対応付けは、このエピポーラ線上にある似た特徴点を探索することにより実現される。一般的にはあらゆる方向のエピポーラ線を考慮しなければならないが、画像の修正(rectification)という操作を適切に行うことにより、すべてのエピポーラ線を平行にすることが可能である。以下では、話を単純にするためにエピポーラ線は平行な状態で、かつ画像に対して水平である(この状態を標準ステレオカメラともいう)と仮定する。このような仮定をおいても、一般性はなんら失われない。この仮定のもとに、特徴点を高速に対応付ける方法と再帰相関演算法について説明する。
理解を簡単にするためにブロックサイズがW×1の場合を考え、画像のy方向を無視する。後でy方向にも同様の概念を適用すればよい。左右二つの画像の位置 (x,y)の画素値をI(x, y)、I(x, y)と書けば、視差dのときの位置xでの相関値(差の絶対値の和:SAD)N(x, d) は以下のように求まる。また、M×Mサイズの画像とする。
Figure 2006033346
相関演算により、x+1での相関値N(x+1,d)は、次の式(3)で求まる。
Figure 2006033346
図14にこの様子を示す。これを0≦d≦Dなる全ての視差dについて繰り返し求めれば良い。実際にはW×Wのブロックを用いるので、式(3)の概念をy方向にも適用する。これによりO(MD)の計算量が実現できる。
ところで、ステレオの奥行き解像度が視差dの逆数であるため、遠方の奥行き解像度は著しく低下する。したがって視差画像の画像サイズは小さくても良いが、奥行き方向の解像度が必要になることは多い。このような場合、粗密探索が有効であると考えられる。
しかし再帰相関演算は一つ前の計算結果を利用する方法であることから、粗密探索には適用しにくい。たとえば、計算量を減らすために2[pixel]間隔で相関値を計算し、この中の最小相関値周辺で密な探索を行う場合を考えてみる。位置x、視差dの相関値N(x,d)が求まっている状態でN(x+2,d)は次の式(4)で表される。
Figure 2006033346
2[pixel]間隔でこれを計算するので、計算回数はN/2となるが、式(4)の計算量は式(3)の倍(厳密には5/3倍)なので計算量はおなじであり、解決にならない。
そこで我々は以下のようにしてこの問題を解決する。まず式(4)の計算を次のように式(5)〜(8)に分割する。
Figure 2006033346
x=0から始めれば、式(6)、(8)により全てのxの偶数について、相関値が求まる。
これらは、形式的には式(3)と同様であり、再帰相関演算法がそのまま利用できる。また式(6)および(8)より視差についてもd+2i、0≦i≦W/2−1なるdのみ求めれば、全てのdについて相関値が求まる。したがって、全体の計算量は1/2×1/2×2=1/2となる。求める視差は、Nの相関値が最小値となるdである。ここでブロック内のサンプル数は半分となるが、ここではWが十分大きいと仮定する。計算量はWに依存しないので、必要なだけ大きくとれば良い。
実際の計算では、式(6)中のMをM/2に、WをW/2−1に、DをD/2に置き換え、図15のようにダウンサンプリングされた画像I'およびI'に再帰相関演算法を適用すればよい。同様に式(8)はI'およびI”を用いて計算すればよい。I'、I'、I”のダウンサンプリングは、たとえば図15の3段目のように行う方法もある。これによりブロックサイズが半減する影響をある程度抑えることができる。一方で得られた相関値の最小を探索してdを仮決定し、そのdの周辺で他方の相関値と比較してより小さな値をとるdを決定すれば、粗密探索は終了である。
以上より、再帰相関演算法を全く変更せずに粗密探索が可能になる。奥行き方向の解像度を落さずに、より高速に視差を計算できる。また上記の概念は汎用的であり、再帰相関演算法を用いなくても成立する。つまりオーダがO(MD)であるアルゴリズムであればどのようなアルゴリズムでも粗密探索が実行可能である。例えば、バックマッチング(back matching)を組み合わせた相関演算法でもよい。
ここまでは2[pixel]間隔で計算する方法であるが、一般にn[pixel]間隔(ただしn<W)で計算する場合も同様である。式(5)および(6)は以下の式(9)および(10)のようになる。
Figure 2006033346
式(9)および(10)を用いて、d,d+1,・・・,d+n−1をそれぞれ計算し、最後にそれぞれの結果を統合すればよい。このとき計算量のオーダはO(MD/n)となる。
映像合成回路22において、上述の高速特徴点対応付け方法を用いて左右の画像の距離情報を得る演算処理をする回路を追加できる。この回路では、上述の高速特徴点対応付け方法を用いて左右の画像の距離情報を得るプログラムをメモリに内蔵し、コンピュータ(CPU)により実行する。図16は、このプログラムのフローチャートを示す。まず、初期設定としてd=0とする(ステップS10)。そして、n画素間隔で、2つの画像の中の1つのブロック内の画素値の相関値を計算する(S12)。この相関値計算において、たとえば上述の式(9)、(10)などを用いて計算量を減らす。次に、dにnを加算して(S14)、ステップS12に戻り、相関値の計算を繰り返す。dが上限値Dより大きくなると(S16でYES)、得られた相関値の計算結果から、最小相関値の視差をdとする(S18)。こうして、粗探索により視差が決定された。次に、d=d、d+1,d+2、・・・、d+n−1で相関値を計算する(S20)。そして、得られた相関値の中の最小相関値を基に視差dを決定する(S22)。また、上述の高速特徴点対応付け方法を用いて左右の画像の距離情報を得る演算処理は、複数のカメラモジュールが出力する映像信号を受信する外部装置(たとえばPC)で実行することもできる。
着脱型4眼カメラの平面図 着脱型4眼カメラの右側面図 着脱型4眼カメラの正面図 カメラモジュールの概略構成の図 モジュールとベースプレートとの接続の図 着脱型カメラの変形例の平面図 照明モジュールの概略構成の図 着脱型2眼カメラの平面図 着脱型2眼カメラの右側面図 着脱型2眼カメラの正面図 着脱型カメラの変形例の平面図 4方向を向く全方位カメラの平面図 全方位カメラの正面図 位置xにおける再帰計算を説明するための図 ダウンサンプリングを説明するための図 左右画像の距離情報を得るフローチャート
符号の説明
10 ベースプレート、 12,14,16,18 モジュール、 20 電源回路、 22 映像合成回路、 26 信号出力端子、 28,30,32,34 映像信号出力端子、 36,38 照明モジュール、 50 ベースプレート、 52,54 カメラモジュール、 56 電源回路、 58 映像合成回路、 70 照明モジュール、 80 ベースプレート、 82,84,86,88 カメラモジュール、 90 電源回路、 92 映像合成回路。

Claims (8)

  1. 複数の装着箇所を備えたベースプレートと、
    ベースプレートの前記複数の装着箇所に着脱可能に固定された複数のモジュールとからなり、
    上記の複数のモジュールのうち少なくとも1個のモジュールは、レンズと撮影素子を一体化したカメラモジュールである
    着脱型撮像装置。
  2. 前記ベースプレートの前記装着箇所と前記モジュールとは、それぞれ、相互に嵌合して機械的に固定する1対の嵌合機構を備える、請求項1に記載された着脱型撮像装置。
  3. 前記ベースプレートは、前記複数のモジュールに電力を供給する電源装置を備え、前記複数のモジュールの各々は、電源装置からの電源で動作する電気回路を備え、前記ベースプレートは、電源回路と各装着箇所との間の配線を備える、請求項1または2に記載された着脱型撮像装置。
  4. 前記複数のモジュールのうち2個以上のモジュールは、レンズと撮影素子を一体化したカメラモジュールである、請求項1から3のいずれかに記載された着脱型撮像装置。
  5. 前記ベースプレートは、前記2個以上のカメラモジュールの映像を一つの映像信号に合成して出力する映像合成回路を備え、映像合成回路と各装着箇所との間の配線を備える、請求項4に記載された着脱型撮像装置。
  6. 視差を所定画素間隔で変化させつつ2つのカメラモジュールで撮像された画像の中の1つのブロック内の画素値の相関値を求め、最小相関値をとる視差を仮に決定し、仮に決定した視差の近くでさらに視差を画素単位で変化させて相関値を求め、最も小さい相関値をとる視差を決定する視差決定手段を備える、請求項4または5に記載された着脱型撮像装置。
  7. 前記装着箇所で、前記2個以上のカメラモジュールが独立した視野を持つ向きに装着される、請求項4に記載された着脱型撮像装置。
  8. 前記複数のモジュールのうち少なくとも1つのモジュールは照明モジュールである、請求項1から7のいずれかに記載された着脱型撮像装置。
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