JP2006032715A - 半導体装置およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 絶縁膜のパターニングに際し、下地層としての有機材料層の劣化を防止し、信頼性の高い半導体装置を提供する。
【解決手段】 機能層としての有機材料層と、前記機能層に接続された電極と、前記機能層の上層に形成される絶縁膜とを含む半導体装置であって、前記機能層の少なくとも上面においては前記絶縁膜との間に無機材料層が介在せしめられた状態で絶縁膜のエッチングがなされるようにしたことを特徴とする。
【選択図】図2

Description

本発明は、半導体装置およびその製造方法に係り、特に、有機材料層の劣化を防ぎ、信頼性の高い層間絶縁膜のパターニングに関する。
デジタルカメラに搭載されているCCD型固体撮像装置やCMOS型固体撮像装置では、半導体基板の表面に、受光部となる多数の光電変換素子(フォトダイオード)で構成された光電変換部と、各光電変換素子で得られた光電変換信号を外部に読み出す信号読出回路とが形成されている。信号読出回路は、CCD型であれば電荷転送回路と転送電極、CMOS型であればMOSトランジスタ回路と信号配線で構成される。
従って、従来の固体撮像装置は、多数の受光部と信号読出回路とを同一の半導体基板表面に形成しなければならず、受光部の面積の増大には限界があった。
また、通常、固体撮像装置では、各受光部に、例えば赤色(R)、緑色(G)、青色(B)のカラーフィルタのうちの1つが積層され、各受光部が夫々1色の光信号を検出する構成になっている。このため、例えば赤色の光を検出する受光部位置における青色光の信号及び緑色光の信号は、周りの青色光、緑色光を検出する各受光部の検出信号を補間演算して求めており、これが偽色の原因となり、また、解像度を低下させている。しかも、赤色のカラーフィルタが形成された受光部に入射した青色光と緑色光は光電変換に寄与することなくカラーフィルタに熱として吸収されてしまい、このため、光電変換効率が低く、十分な感度を得ることができないという問題もある。
従来の固体撮像装置は、上述したように様々な問題を抱えている一方、多画素化が進展して、現在では、数百万画素という多数の受光部を1チップの半導体基板上に集積しており、1つ1つの受光部の開口寸法が波長オーダに近づいている。このため、上述した各問題を解決し画質や感度の点で、さらなる高品質のイメージセンサをCCD型やCMOS型で期待するのは困難になってきている。
そこで、例えば下記特許文献1に記載されている固体撮像装置の構造が見直されている。この固体撮像装置は、信号読出回路を表面に形成した半導体基板上に、赤色検出用の感光層と、緑色検出用の感光層と、青色検出用の感光層を成膜技術によって積層し、これらの感光層を受光部とし、各感光層で得られた光電変換信号を、信号読出回路によって外部に取り出すという構造、即ち、光電変換膜積層型の構造になっている。
かかる構造によれば、半導体基板表面に受光部を設ける必要が無くなるため、信号読出回路の設計上の制約が解消され、また、入射光の光利用効率が向上して感度が向上する。更に、1画素で赤色、緑色、青色の3原色の光を検出できるため、解像度が向上し、偽色もなくなり、上述した従来のCCD型やCMOS型の固体撮像装置が抱えていた問題を解決することが可能となる。
そこで、近年では、下記特許文献2、3、4に記載されている光電変換膜積層型固体撮像装置が提案されるようになってきており、上記の感光層として、有機半導体等の有機材料層を使用したり、ナノ粒子を使用したりしている。
このような光電変換膜積層型固体撮像装置(以下積層型固体撮像装置)を製造する場合、半導体基板側の信号読出回路の製造に関しては、従来のCCD型やCMOS型のイメージセンサと同様であり、半導体装置の製造技術をそのまま利用することができる。また、半導体基板の上に積層する有機材料層である光電変換膜や光電変換膜を挟む電極膜及び絶縁膜も、印刷技術を用いた成膜方法やスプレー法、真空蒸着法、スパッタ法、CVD法等を利用することで容易に製造することができる。
しかしながら、このようなデバイスにおいて、有機材料層は後続の熱的な衝撃あるいはイオン衝撃などに弱いため、上層に形成される層間絶縁膜等の絶縁膜のエッチングに際して、劣化し易いという問題があった。
例えば、シリコンデバイスにおける層間絶縁膜のパターニングに際しては、2段階エッチングを用いるなどの方法が提案されている(特許文献6参照)。この方法は、少なくとも下地との界面付近では、フッ化イオウと窒素系化合物とを含むエッチングガスを用い、下地の表面に窒化イオウ系化合物を堆積させるようにしたもので、実用的にはエッチング工程を2段階化し、S22、NF3,c−C48等を用いてSiO2で構成された層間絶縁膜3の膜厚方向の大部分を高速にエッチングした後、S22/N2系を基本とする混合ガスを用いて残余部をエッチングする。不純物拡散領域2が露出した時点でその表面に形成される窒化イオウ系堆積膜7は、ポリマー状の(SN)nを主体としており、F*等のラジカルの侵入を防止すると共に、いわゆるスポンジ効果によりイオン衝撃を効果的に緩和する。
特開昭58―103165号公報 特開2002―83946号公報 特表2002―502120号公報 特表2003―502847号公報 特開2002―56792号公報 特開5―3177号公報
しかしながら、光電変換膜が有機材料層である場合には、光電変換膜上の層間絶縁膜のパターニングに際しては、イオン衝撃により光電変換膜が劣化を生じ易く、上記方法をもってしても、光電変換特性の劣化を免れ得ないという問題があった。
特に、多数層の光電変換膜を積層した積層型固体撮像装置では、半導体基板表面部に製造された信号読出回路と、その上に積層された光電変換膜の電極膜とを接続するコンタクト配線を形成する必要があり、しかも、このコンタクト配線は、電極膜の膜平面や半導体基板の表面に対して垂直方向に配線することにより占有面積の低減をはかることができる。
このようなコンタクト配線構造を形成する場合、上記積層型固体撮像装置では、光電変換膜を成膜した後、層間絶縁膜を貫通するスルーホールをエッチングにより形成してこのスルーホール内に導体を充填し、更に光電変換膜上に電極膜を形成し、この電極膜にさらにエッチングによりスルーホールを形成して、このスルーホール内に導体を充填するという作業を、膜を成膜する毎に何回も繰り返す必要がある。
従って、この光電変換膜上の層間絶縁膜のパターニングに際しては、製造工程数が多くなり、製造コストの高騰を招くのみならず、エッチング、導体の充填という作業を繰り返すことにより、前述したようにイオン衝撃が繰り返されることになり、プラズマ衝撃あるいはイオン衝撃等に光電変換膜が劣化を生じ易く、光電変換特性の劣化を招き易いという問題があった。
また、上述したような積層型固体撮像装置の場合には、特に、より光電変換膜の劣化を招くという問題がある。
なおこのような層間絶縁膜等の絶縁膜のパターニングの問題は、光電変換膜を用いた固体撮像装置だけでなく、有機材料層を機能層として用いた薄膜トランジスタや、薄膜EL素子などにおいても同様であり、微細化が進むにつれて深刻な問題となっている。
本発明は、前記実情に鑑みてなされたもので、絶縁膜のパターニングに際し、光電変換膜の劣化を防止し、信頼性の高い光電変換素子を提供することを目的とする。
また本発明は、絶縁膜のパターニングに際し、下地層としての有機材料層の劣化を防止し、信頼性の高い半導体装置を提供することを目的とする。
そこで本発明は、機能層としての有機材料層と、前記有機材料層の上層に形成される絶縁膜とを含む半導体装置であって、前記機能層の少なくとも上面においては前記絶縁膜との間に無機材料層が介在せしめられていることを特徴とする。
この構成により、機能層の少なくとも上面が無機材料層を介して絶縁膜と当接しているため、絶縁膜のパターニングに際し、露呈することなく無機材料層で保護されているため、エッチング工程におけるイオン衝撃を回避することができる。
また本発明の半導体装置は、前記無機材料層が前記機能層を覆うように形成されたものを含む。
この構成により、機能層の側壁を含む表面全体が無機材料層で被覆されているため、側壁へのイオン衝撃も回避でき、より確実に機能層を保護することができる。
また本発明の半導体装置は、前記無機材料層がフッ素Fを含むエッチャントに対してエッチング耐性の高い材料を含むものを含む。
この理由は明らかではないが、本発明によれば、Fを含むエッチャントに強い材料を用いることにより絶縁膜エッチングに際し保護性能が高くなる傾向にある。
また本発明の半導体装置は、前記無機材料層が電極であるものを含む。
この構成によれば、電極として用いる材料を保護のために用いることができ、工数を増大することなく信頼性の向上をはかることができる。
また本発明の半導体装置は、前記電極は透光性電極であるものを含む。
この構成によれば、受光素子、発光素子等の光デバイスにおける電極を有機材料層(機能層)の保護材料として用いることができる。
また本発明の半導体装置は、前記無機材料層はキャリア輸送層を含むものを含む。
この構成によれば、キャリア輸送層として機能する無機材料層で有機材料層を覆うことにより安定でかつイオン衝撃などによる損傷を防ぐことができる。
また、仕事関数を考慮したりするなど、所望の特性を得ることができるように無機材料層を選択し、有機材料層に対応した材料を用いることにより、より高効率の半導体装置を提供することができる。
また本発明の半導体装置は、前記機能層が、有機材料層を含む光電変換層であるものを含む。
この構成によれば、無機材料層の存在により、光電変換特性の劣化を防ぎ、高効率の固体撮像装置を提供することができる。例えば、光電変換層に電圧を印加するように構成された電極と、前記光電変換層の上層に形成される前記絶縁膜とを含む光電変換部を備え、前記光電変換層の少なくとも上面においては前記絶縁膜との間に無機材料層が介在せしめられている。
また本発明の半導体装置は、前記透光性電極は、酸化インジウム錫(ITO)、酸化亜鉛錫(IZnO)、酸化錫(SnO)、酸化アンチモン錫(ATO:(SnO:Sb))、酸化亜鉛(ZnO)、酸化錫鉄(FTO)、アルミニウム(Al)、酸化チタン(TiN)、モリブデン(Mo)、クロム(Cr)の少なくとも1つを含むものを含む。
また本発明の半導体装置は、前記無機材料層は絶縁膜であるものを含む。
この構成によれば、絶縁膜を保護膜として使用した後そのまま利用することも可能である。
また本発明の半導体装置は、前記絶縁膜は酸化シリコン膜(SiO)または窒化シリコン膜(Si)であるものを含む。
また本発明の半導体装置は、前記絶縁膜は酸化シリコン膜(SiO)と窒化シリコン膜(Si)との積層膜を含むものを含む。
この構成によれば、緻密で絶縁性が高く、そのまま絶縁膜として用いる場合にも有効である。
また本発明は、機能層としての有機材料層と、前記機能層に接続された電極と、前記機能層の上層に形成される絶縁膜とを含む半導体装置の製造方法であって、前記絶縁膜のパターニング工程が、前記有機材料層の少なくとも上面において前記絶縁膜との間に無機材料層が介在せしめられた状態でパターニングする工程を含むことを特徴とする。
この方法によれば、有機材料層は無機材料層で被覆された状態で上層の絶縁膜のパターニングがなされるため、このパターニング工程において直接イオン衝撃をうけるのを回避することができる。またこの無機材料層は、絶縁層のパターニング後に、必要に応じて除去してもよい。
また本発明の半導体装置の製造方法は、前記絶縁膜のパターニング工程は、ドライエッチング工程を含む。
また本発明の半導体装置の製造方法は、前記ドライエッチング工程はフッ素Fを含むエッチャントを用いたエッチング工程であり、前記無機材料層は前記エッチャントに対してエッチング耐性の高い材料であるものを含む。
また本発明の半導体装置の製造方法は、前記絶縁膜のパターニング工程後に前記無機材料層をエッチング除去する工程を含むものを含む。
また本発明の半導体装置の製造方法は、前記機能層としての有機材料層を含む光電変換層と、前記光電変換層に電圧を印加するように構成された前記電極と、前記光電変換層の上層に形成される前記絶縁膜とを含む光電変換部を備えた半導体装置において、前記光電変換層の少なくとも上面においては前記絶縁膜との間に無機材料層が介在せしめられた状態でエッチングするようにしたものを含む。
この方法によれば、光電変換層としての有機材料層上に無機材料層を形成した状態で絶縁層のエッチングを行い、エッチング後に、必要に応じて無機材料層を除去するようにすれば、エッチング工程に際しては、有機材料層は露呈することなく、無機材料層で覆われているため、損傷を受けたり、劣化を生じたりすることなく、パターニングを行なうことができる。
本発明の半導体装置およびその製造方法によれば、無機材料層によって有機材料層を被覆した状態で絶縁膜をパターニングするようにしているため、絶縁膜のエッチング工程で有機材料層が損傷を受け特性劣化を招くのを防止することができ、高精度で信頼性の高い半導体装置を得ることができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
まず、説明を簡単にするために単層構造の光電変換素子について説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る積層型の光電変換素子を用いた1次元イメージセンサの断面構造を示す模式図である。図2(a)乃至(c)は同イメージセンサの製造工程図である。このイメージセンサは、駆動回路などを構成する素子領域の形成された半導体基板10の表面に、多数の受光部(画素)を構成する光電変換素子が形成されており、この例ではライン状に配列されている。各画素を構成する受光部は、それぞれ個別電極20と共通電極22とでそれぞれ所望の感光特性をもつ光電変換膜21を挟むように形成された光電変換素子を具備し、この上層は絶縁膜(保護膜)で被覆されている。そして、この絶縁膜23には信号取り出し用のスルーホールHが形成されており、1画素ごとに読み取り信号を出力するように構成されているが、本実施の形態ではこの絶縁膜23と有機材料層で構成された光電変換膜21との間に、光電変換膜21の上面を覆うように透光性電極22としてのITO薄膜が介在していることを特徴とする。言い換えるとこの光電変換層21の表面が無機材料層である透光性電極22で被覆されており、絶縁膜のエッチング工程においてもフッ素イオンなどのイオン衝撃を受けるのを防止するように構成されている。
この例では平面構造としては、透光性電極22のエッジが光電変換膜21のエッジと一致するように同一マスクでパターニングされている。
次に、絶縁膜のパターニング工程を中心に、このイメージセンサの製造工程について説明する。
まず、素子領域の形成されたシリコン基板表面に真空蒸着法によりクロム薄膜を形成し、これをフォトリソグラフィによりパターニングし、個別電極20を形成する(図2(a))。
この後、真空蒸着法により有機材料層21を形成し、さらにこの上層にスパッタリング法により膜厚160nm程度のITO薄膜を形成する。
そしてフォトリソグラフィによりレジストパターン(図示せず)を形成し、これをマスクとしてITOをパターニングし、レジストパターンを除去した後、ITOからなる共通電極22をマスクとしてエッチングを行い、光電変換膜21のパターニングを行なう(図2(b))。
さらに、この上層に減圧CVD法により、絶縁膜23としての酸化シリコン膜を形成し、この上層にコンタクト用のスルーホール形成のためのレジストパターンRを形成する(図2(c))。
そして、最後に、このレジストパターンRをマスクとして、CHFとCとOとHeとの混合ガスを用い、絶縁膜23をエッチングし図1に示したような光電変換素子を形成する。
この方法によれば、図2(c)に示したように絶縁膜としての酸化シリコン膜のパターニングに際し、Fイオンの存在下でエッチングを行なうが、光電変換膜21は無機材料であるITOからなる透光性電極22で被覆されているため、損傷を受けることなく、良好な光電変換特性を発揮し得るものとなる。
(第2の実施の形態)
図3は、本発明の第2の実施の形態に係る積層型の光電変換素子を用いた1次元イメージセンサの断面構造を示す模式図である。図4(a)乃至(c)は同イメージセンサの製造工程図である。このイメージセンサは、前記第1の実施の形態で説明したイメージセンサと同様の構造をなすものであるが、図3に示すように、光電変換層21のパターンの側壁を含む表面全体を覆うように単原子層程度の酸化シリコン膜(絶縁膜)24を形成した点が前記第1の実施の形態と異なるのみで、他については全て同様に形成されている。プロセスについても同様であるが、光電変換膜21のパターニング後に、減圧CVD法により高真空下で酸化シリコン膜24を形成した後、ITOを形成し、これをパターニングするようにした点が異なる。
以下このイメージセンサの製造工程について説明する。
まず、前記第1の実施の形態と同様に、素子領域の形成されたシリコン基板表面に真空蒸着法によりクロム薄膜を形成し、これをフォトリソグラフィによりパターニングし、個別電極20を形成する(図4(a))。
この後、真空蒸着法により有機材料層21を形成し、これをパターニングする。パターニングに際しては酸化シリコン膜と窒化シリコンからなる2層の無機材料層をハードマスクとしてエッチングを行なうのが望ましい。まず上層側の窒化シリコンをフォトリソグラフィで形成したレジストパターンをマスクとしてパターニングし、レジストパターンを除去した後、窒化シリコン膜をマスクとして下層側の酸化シリコン膜をパターニングし、さらに有機材料層からなり光電変換膜21をパターニングする(図4(b))。これにより有機材料層を最適な条件でパターニングすることができる。
このようにして形成された有機材料層からなる光電変換膜21の上層にスパッタリング法により膜厚160nm程度のITO薄膜を形成する。
そしてフォトリソグラフィによりレジストパターン(図示せず)を形成し、これをマスクとしてITOをパターニングし、ITOからなる共通電極22を形成する。
さらに、この上層に減圧CVD法により、絶縁膜23としての酸化シリコン膜を形成し、この上層にコンタクト用のスルーホール形成のためのレジストパターンRを形成する(図4(c))。
そして、最後に、このレジストパターンRをマスクとして、CHFとCとOとHeとの混合ガスを用い、絶縁膜23をエッチングし図1に示したような光電変換素子を形成する。
この方法によれば、図4(c)に示したように絶縁膜としての酸化シリコン膜のパターニングに際し、Fイオンの存在下でエッチングを行なうが、光電変換膜21は酸化シリコン膜24および無機材料であるITOからなる透光性電極22で被覆されているため、損傷を受けることなく、良好な光電変換特性を発揮し得るものとなる。
なお、光電変換膜21とこれを覆う無機材料層のパターン23Pとしては、一致したパターンを用いてもよいが、図5乃至7に平面模式図の一例を示すように、光電変換膜21のパターンを完全に覆うように、無機材料層のパターン23Pを光電変換膜21のパターンよりも大きく形成してもよい。
(第3の実施の形態)
前記第1および第2の実施の実施の形態では、単層構造の固体撮像素子について説明したが、本実施の形態では光電変換膜積層型固体撮像装置について説明する。
図8は、本発明の第3の実施の形態に係る積層型固体撮像装置の平面構造を示す模式図である。この積層型固体撮像装置は、光電変換膜を3層積層してなる光電変換膜積層型固体撮像装置であって、この光電変換膜積層型固体撮像装置100には、多数の受光部(画素)101が、この例では縦横に格子状に配列されている。各画素を構成する受光部101は、それぞれ個別電極と共通電極とでそれぞれ所望の感光特性をもつ光電変換膜を挟むように形成された光電変換素子が、絶縁膜を介して3層積層されてなり、1画素ごとに3色の色信号(出力信号105)を出力するように構成されている。
本実施の形態においても、各光電変換膜121は、2層構造の透光性電極で構成される共通電極122で覆われたパターン形状をなしており、この上層に形成される絶縁膜125のパターニングに際し、各光電変換膜121は無機材料層である共通電極で被覆され、フッ素イオンなどによる損傷を回避するようにしたことを特徴とする。
以下、順次説明する。光電変換膜積層型固体撮像装置100の受光部101の下層側に位置する半導体基板表面には、列方向に並ぶ受光部101の各列の夫々に対応して3本の垂直転送路(列方向CCDレジスタ)102b、102g、102r(添え字b、g、rは、以下も同様であるが、例えば102b、102g、102rは、夫々、青色(B)、緑色(G)、赤色(R)に対応し、添え字b、g、rが各層の色を示すものとする。)が形成されており、図8における該半導体基板の下辺部には水平転送路(行方向CCDレジスタ)103が形成されている。
水平転送路103の出口部分には出力アンプ104が設けられ、各受光部101で検出された信号電荷は、先ず、垂直転送路102b、102g、102rによって水平転送路103に転送され、次に水平転送路103によって出力アンプ104まで転送され、出力アンプ104で増幅されて出力信号105として出力される。
半導体基板の表面には、垂直転送路102b、102g、102rに重ねて設けられた図示しない4相の転送電極に接続され4相の転送パルスが印加される電極端子106、107、108、109と、後述の共通電極膜に接続される電極端子110と、水平転送路103の2相の転送用電極端子111、112とが設けられる。
図9(a)は、図8に示す点線矩形枠II内の拡大模式図であり、9画素分の受光部101と、電極端子110が接続される共通電極膜用の縦配線119部分を図示している。尚、この図9(a)では、図8に示す垂直転送路102r、102g、102bは省略している。
各受光部101は、矩形の画素電極膜120によって画成されている。図9(a)に示す画素電極膜120は、図9(b)に示す様に、3枚の画素電極膜120r、120g、120bが後述の光電変換膜等を介して光入射方向に整列して重ねられている。
赤色用の画素電極膜120rには該画素電極膜120rと同一平面上に縦配線接続用のパッド117rが突出するように配設され、緑色用の画素電極膜120gにも同様に縦配線接続用のパッド117gが突出するように配設され、青色用の画素電極膜120bにも同様に縦配線接続用のパッド117bが突出するように配設されている。同一画素(受光部)101の各パッド117r、117g、117bは、図9(a)に示す様に、突出位置がずれるように配設される。
図9(a)に示す符号122は、共通電極膜を示す。本実施の形態では、この共通電極膜122も、後述する様に、赤色用の共通電極膜122rと緑色用の共通電極膜122gと青色用の共通電極膜122bとで構成され、それぞれ絶縁膜、光電変換膜、画素電極膜を介して重ねて設けられる。
図10は、図9(a)のIII―III線断面模式図であり、パッド117r、117g、117b部分の断面を示し、図11は、図9(a)のIV―IV線断面模式図であり、画素の中央部分の断面を示す。
n型のシリコン基板で構成された半導体基板130の表面部分にはPウェル層131が形成され、Pウェル層131の表面部分にはn型領域で構成された電荷蓄積部138r、138g、138bが形成されると共に、チャネルストップ115で画成された垂直転送路(n型半導体層)102r、102g、102bが形成される。各電荷蓄積部138r、138g、138bの中央部にはn+領域で構成されたコンタクト部137r、137g、137bが形成される。
そしてこの半導体基板130の表面には、ゲート絶縁膜132が形成され、その上に、ポリシリコンからなる転送電極139が配列され、その上部に絶縁膜134が形成される。この絶縁膜134中にはタングステン膜などで構成された光遮蔽膜133が介在せしめられ、入射光が垂直転送路に入射するのを防止するように構成されている。
また、この絶縁膜134上には、導電性膜が形成され、パターニングすることにより、図10に示す横配線124r、124g、124bが形成される。電荷蓄積部138r、138g、138bのコンタクト部137r、137g、137bと横配線124r、124g、124bとは各スルーホールに充填された導体によって形成される第1縦配線126r、126g、126bによって接続されている。
横配線124r、124g、124bが設けられた層の上部には絶縁膜125が形成さ
れ、その上に、透光性の導電性膜が積層されている。この導電性膜はパターニングされ、受光部101毎に区分けされた画素電極膜120rを構成している。また、このパターニングにより、図9(b)に示すパッド117rが形成されると共に、パッド117b、117gに光入射方向に整列し、他から分離した導電性膜116b、116gが形成されている。
これらの画素電極膜120r、パッド117r、導電性膜116b、116gの上部には、赤色(R)を検出する光電変換膜121rが積層される。この光電変換膜121rは受光部毎に区分けして設ける必要はなく、各受光部101が集合する受光面全面に対し一枚構成で積層される。
光電変換膜121rの上には、赤色信号を検出する各受光部101に共通の共通電極膜(画素電極膜に対向するため、「対向電極膜」ともいう。)122rがこれも一枚構成で積層され、その上部に、透光性の絶縁膜127が積層される。
この絶縁膜127の上部には、透光性の導電性膜が積層され、この導電性膜がパターニングされ、上記と同様に、受光部101毎に区分けされた画素電極膜120g及びパッド117gと、他から分離し図9(b)に示すパッド117bに整列する導電性膜118bが形成される。これらの画素電極膜120g等の上には、緑色(G)を検出する光電変換膜121gが上記と同様に1枚構成で積層され、更にその上部に、共通電極膜122gが積層され、その上部に、透光性の絶縁膜128が積層されている。
この絶縁膜128の上部には、透光性の導電性膜が積層され、パターニングされることで、受光部101毎に区分けされた画素電極膜120b及びパッド117bが形成され、その上に、青色(B)を検出する光電変換膜121bが上記と同様に1枚構成で積層され、更にその上部に、共通電極膜122bが積層され、最上層に透光性の保護膜129が積層されている。
横配線124bと青色画素電極膜120bのパッド117bとは第2縦配線114bによって接続され、横配線124gと緑色画素電極膜120gのパッド117gとは第2縦配線114gによって接続され、横配線124rと赤色画素電極膜120rのパッド117rとは第2縦配線114rによって接続される。各縦配線114r、114g、114b、126r、126g、126bは、対応の画素電極膜のパッド、導電性膜116g、116b、118b、横配線以外とは、詳細を後述するように、電気的に絶縁して製造される。
図12は、図9(a)のV―V線断面模式図であり、図1の電極端子110と、各共通電極膜122b(122b1,122b2)、122g(122g1、122g2)、122r(122r1、122r2)との接続構成を示す図である。n型半導体基板130の表面部に形成されたPウェル層131の表面部には、高濃度P層141が形成され、その上部に、フィールド絶縁膜142が形成される。
この高濃度P層141は、図10、図11に示すチャネルストップ115と同一工程で形成しても、また、別工程で形成してもよい。絶縁膜142は、図10、図11に示すゲート絶縁膜132の形成と同時に形成すると共に、ゲート絶縁膜132の形成後にも引き続き絶縁膜形成工程を続け、膜厚をゲート絶縁膜132より厚くする。
絶縁膜142の上には、図10、図11と同じ絶縁膜134が形成され、その上に、導電性膜124kが積層される。この導電性膜124kは、図10、図11に示す横配線124r、124g、124bを形成する導電性膜をパターニングすることで形成され、図8に示す電極端子110はこの導電性膜124kに接続される。
画素電極膜120rを形成する導電性膜をパターニングすることにより導電性膜120k―1が形成され、導電性膜124kと導電性膜120k―1との間に縦配線143―1が形成される。
同様に、画素電極膜120gを形成する導電性膜をパターニングすることにより導電性膜120k―2が形成され、共通電極膜122rと導電性膜120k―2との間に縦配線143―2が形成されると共に、導電性膜120k―2と導電性膜120k―1との間に縦配線143―3が形成される。これにより、共通電極膜122rと導電性膜124kとが電気的に接続され、共通電極膜122rが電極端子110に接続される。
同様に、画素電極膜120bを形成する導電性膜をパターニングすることにより導電性膜120k―3が形成され、共通電極膜122gと導電性膜120k―3との間に縦配線143―4が形成されると共に、導電性膜120k―3と導電性膜120k―2との間に縦配線143―5が形成されている。これにより、共通電極膜122gと導電性膜124kとが電気的に接続され、共通電極膜122gが電極端子110に接続されている。
保護膜129の上面部隅には透光性導電性膜144が積層され、共通電極膜122bと導電膜144との間に縦配線143―6が形成されると共に、導電性膜144と導電性膜120k―3との間に縦配線143―7が形成される。これにより、共通電極膜122bと導電性膜124kとが電気的に接続され、共通電極膜122bが電極端子110に接続される。
本実施の形態では、均質な透光性の電極膜122r、122g、122bは前述したように酸化錫からなる第1の共通電極膜122r1、122g1、122b1と酸化インジウム錫からなる第2の共通電極膜122r2、122g2、122b2との2層構造で構成され、接続用のパッドを構成する120r、120g、120b等としては、1層構造でよく、接続用のパッドおよび共通電極膜のいずれも、酸化錫(SnO)、酸化チタン(TiO)、酸化インジウム(InO)、酸化インジウム−錫(ITO)薄膜等、透光性の導電性膜であれば、これに限定されるものではない。
光電変換膜121r、121、121bとしては、単層膜でも多層膜でもよく、膜材料
としては、以下に示すような有機半導体、有機色素などを含む有機材料膜が使用できる。 有機半導体の例では、正孔輸送材料と電子輸送材料があり正孔輸送材料としては、ポリ−N−ビニルカルバゾール誘導体、ポリフェニレンビニレン誘導体、ポリフェニレン、ポリチオフェン、ポリメチルフェニルシラン、ポリアニリン、トリアゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ポリアリールアルカン誘導体、ピラゾリン誘導体及びピラゾロン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、アリールアミン誘導体、アミノ置換カルコン誘導体、オキサゾール誘導体、カルバゾール誘導体、スチリルアントラセン誘導体、フルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導体、スチルベン誘導体、ポリフィリン誘導体(フタロシアニン等)、芳香族三級アミン化合物及びスチリルアミン化合物、ブタジエン化合物、ベンジジン誘導体、ポリスチレン誘導体、トリフェニルメタン誘導体、テトラフェニルベンジン誘導体、スターバーストポリアミン誘導体等が使用可能である。また、電子輸送有機材料としては、オキサジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、トリアジン誘導体、ニトロ置換フルオレノン誘導体、チオピランジオキサイド誘導体、ジフェニルキノン誘導体、ペリレンテトラカルボキシル誘導体、アントラキノジメタン誘導体、フルオレニリデンメタン誘導体、アントロン誘導体、ペリノン誘導体、オキシン誘導体、キノリン錯体誘導体等が挙げられる。
有機色素の例としては、例えば金属錯体色素、シアニン系色素、メロシアニン系色素、フェニルキサンテン系色素、トリフェニルメタン系色素、ロダシアニン系色素、キサンテン系色素、大環状アザアヌレン系色素、アズレン系色素、ナフトキノン、アントラキノン系色素、アントラセン、ピレン等の縮合多環芳香族及び芳香環乃至複素環化合物が縮合した鎖状化合物、スクアリリウム基およびクロコニツクメチン基を結合鎖としてもつ及びキノリン、ベンゾチアゾール、ベンゾオキサゾール等の2ケの含窒素複素環、スクアリリウム基及びクロコニツクメチン基により結合したシアニン系類似の色素等を好ましく用いることができる。金属錯体色素である場合、ジチオール金属錯体系色素、金属フタロシアニン色素、金属ポルフィリン色素またはルテニウム錯体色素が好ましく、ルテニウム錯体色素が特に好ましい。ルテニウム錯体色素としては、例えば米国特許4927721号、同4684537号、同5084365号、同5350644号、同5463057号、同5525440号、特開平7-249790号、特表平10-504512号、WO98/50393号、特開2000-26487号公報等に記載の錯体色素等が挙げられる。また、シアニン色素、メロシアニン色素、スクワリリウム色素などのポリメチン色素の具体例としては特開平11-35836号、特開平11-67285号、特開平11-86916号、特開平11-97725号、特開平11-158395号、特開平11-163378号、特開平11-214730号、特開平11-214731号、特開平11-238905号、特開2000-26487号、欧州特許892411号、同911841号及び同991092号公報に記載の色素である。
かかる構成の光電変換膜積層型固体撮像装置100に被写体からの光が入射すると、入射光のうちの青色の光量に応じた電荷が青色光電変換膜121bにて発生し、この電荷が縦配線114b、横配線124b、縦配線126bを通って電荷蓄積部138bに蓄積される。同様に、緑色の入射光量に応じた光電荷が電荷蓄積部138gに蓄積され、赤色の入射光量に応じた光電荷が電荷蓄積部138rに蓄積される。各電荷蓄積部138r、138g、138bに蓄積された電荷(信号電荷)は、垂直転送路102r、102g、102bに読み出されて水平転送路103まで転送され、水平転送路103に沿って転送されてこの光電変換膜積層型固体撮像装置100の出力としてアンプ104を介して出力される。
図13〜図30は、図10〜図12に示した本発明の第3の実施の形態に係る光電変換膜積層型固体撮像装置の製造手順を示す図であり、各図(a)は図10と同じ位置における断面模式図であり、各図(b)は図12と同じ位置における断面模式図である。製造完了を示す図23(a)は図10と同様となり、図30(b)は図12と同様となる。
図13に示す状態までは、従来のCCD型、CMOS型の固体撮像装置と同様の半導体製造手順で製造され、半導体基板130のPウェル層131に、電荷蓄積部138r、138g、138bや垂直転送路102r、102g、102bが形成され、表面部に絶縁膜134が形成される。この絶縁膜134に第1縦配線126r、126g、126b用の開口がエッチングにより形成された後、各開口がタングステンや銅等の金属あるいは導電性を有する多結晶シリコンで埋められ、第1縦配線126r、126g、126bが形成される。そして、表面部に透光性の導電性膜が形成され、パターニングされることで、横配線124r、124g、124bおよび導電性膜124kが形成される。パターニングは、例えば、フォトリソグラフィを用いたエッチングにより行なわれ、レジスト塗布、露光、現像を経てレジスト膜のパターンを形成し、これをマスクとしてエッチングが行われる。
次に、図14に示す様に、表面部に絶縁膜125が積層され、図15に示す様に、横配線124r、124g、124b、導電性膜124kに夫々到達する開口150r、150g、150b、150kがエッチングにより形成される。そして、図16に示す様に、透光性の導電材料で開口150r、150g、150b、150kが埋められ、縦配線114r、114g、114bの一部と、図13で説明した縦配線143―1が形成される。そして更に、図17に示す様に、表面部に透光性の導電性膜151が形成される。
次に、図18に示す様に、導電性膜151をパターニングすることで、画素電極膜120rを形成すると共に、パッド117rや図10で説明した導電性膜116b、116g、120k―1が形成する。その後、図19に示す様に、表面部に赤色検出用の光電変換膜121rを積層し、更に、図20に示す様に、光電変換膜121rの上に、共通電極膜122rが積層する。
次に、図21に示す様に、表面にレジスト膜(例えば東京応化製OFPR)152を塗布しフォトリソグラフィによりパターニングする。
この後、図22に示すように、このレジスト膜152をマスクとしてITOなどの無機電極膜からなる共通電極膜122rのうち上層側のみをエッチングする。
そして、図23に示すように、このレジスト膜152を、酸素プラズマを用いたアッシングにより除去する。
さらに、図24に示すように、このようにして得られた共通電極膜122r(122r1,122r2)のうちの上層側のパターン122r2をマスクとして、下層側の第2の共通電極膜122r1を順次異方性エッチングし、導電性膜116r、116gの位置に整合する開口153b、153gを形成するとともに、また、導電膜120k―1上の光電変換膜121r及び共通電極膜122rの端部を、図24(b)に示す様に、削成する。このとき光電変換膜121rの異方性エッチングには酸素プラズマを用いた。
このように、本実施の形態では、光電変換膜121rの積層工程に続けて共通電極膜122rの積層を連続して行い、共通電極膜122rのうち上層側の第2の共通電極膜122r2をパターニングした後、レジスト膜をアッシングにより除去し、無機膜である共通電極膜122rのうち上層側の第2の共通電極膜122r2をマスクとして光電変換膜をパターニングしているため、光電変換膜のパターン精度が大幅に向上し、パターン切れのよいスルーホールが形成される。また、既にレジスト膜は除去されているため、レジスト膜の除去時に光電変換膜が酸素プラズマに触れることもなく、良好なパターン精度を維持することができる。
加えて、共通電極膜122rと光電変換膜121rとを積層した同一パターン形状をなすようにエッチングして開口153g、153bを形成するため、光電変換膜121rと共通電極膜122rとの間の界面が荒れることはなく、光電変換特性の劣化を防止することができる。しかも、縦配線用開口のエッチング回数を減らすことができる。また、エッチングを行う際、開口底部にエッチングストッパとなる導電性膜116g、116bが設けられているため、この導電性膜116g、116bの箇所でエッチングを精度良く止めることが可能となる。
開口153b、153gが形成された後は、図25に示す様に、表面部に絶縁膜127を積層して開口153b、153gを埋めると共に、図25(b)に示す削成部に絶縁膜127を積層する。そして次に、図26に示す様に、開口153b、153gより小径の開口154g、154bをエッチングにより開けると共に、端部(図26(b))において、共通電極膜122rに到達する開口154k―1と、導電性膜120k―1に到達する開口154―2とを開ける。
次に、図27に示す様に、開口154g、154b、154k―1、154k―2を透明導電材料で埋め、縦配線114g、114b、143―2、143―3を形成する。各開口を透光性導電材料で埋めた後は、表面の平坦化処理を行なう。これは、例えばエッチバックやCMP(ケミカルメカニカルポリッシング)によって行う。
この様に、本実施の形態では、絶縁膜127と共通電極膜122rと光電変換膜121rの3層を貫通する縦配線114g、114bを同一工程によってて製造するため、縦配線製造工程数が少なくなる。
そして、図17〜図27の製造手順と同様の手順を繰り返すことで、図28に示す様に、緑色検出用の光電変換膜121g及び共通電極膜122gを貫通する縦配線114bを形成すると共に、端部において縦配線143―4、143―5を形成する。
更に、図29に示す様に、画素電極膜120b及びパッド117bを形成してその上に青色検出用の光電変換膜121b、共通電極膜122b、透光性の保護膜129を形成し、透光性保護膜129の所定箇所に開口をエッチングにより開けて導電材料で埋め、縦配線143―6、143―7を形成する。最後に、図30に示す様に、縦配線143―6と縦配線143―7とを接続する導電性膜144を形成する。
以上説明してきたように、本実施の形態では、絶縁膜のパターニングに際し、光電変換膜がエッチング雰囲気に曝されることのないように、光電変換膜表面を2層構造の共通電極で被覆しているため、特性劣化を防止することができる。また、光電変換膜の積層工程に連続して共通電極膜の積層を連続的に行い、フォトリソグラフィにより形成したレジスト膜をマスクとして共通電極膜のエッチングを行い、レジスト膜を除去した後、この共通電極膜をマスクとして光電変換膜をエッチングして開口を設けるようにしているため、光電変換膜が精度よくパターニングでき、また、光電変換膜と共通電極膜との間の界面が荒れることがなくなり、しかも、縦配線用開口のエッチング回数を減らすことが可能となる。これにより、パターン精度の向上によりマージンを縮小できることから更なる微細化をはかることができる。さらにまた、光電変換性能が向上すると共に製造コストの低減を図ることができる。
尚、前記実施の形態は、CCD型の信号読出回路を半導体基板に形成した例であるが、信号読出回路がMOS型トランジスタ回路で構成される光電変換膜積層型固体撮像装置にも本発明を同様に適用可能である。また、画素電極膜120r、120g、120bの周辺外側に接続用のパッド117r、117g、117bを突出するように配設した例で説明したが、画素電極膜120の内側に縦配線を接続する構成でも本発明を適用できる。
また、実施の形態では、例えば絶縁膜を形成した後にレジスト膜を形成し、縦配線用の開口をエッチングで形成したが、透光性のレジスト膜を絶縁膜125、127、128等として使用することも可能である。これは、レジスト膜と絶縁膜のエッチングの選択比が大きくない場合に有効である。
前記実施の形態では、赤色、緑色、青色の3色を検出するための3層の光電変換膜を積層した固体撮像装置について述べたが、本発明は少なくとも1層の光電変換膜を積層する固体撮像装置に適用可能である。
また前記実施の形態では固体撮像装置について説明したが、活性層として有機材料層を用いた薄膜トランジスタ、有機EL素子などにおける有機材料層のパターニングには適用可能である。
薄膜トランジスタの場合には、ゲート酸化膜を酸化シリコン膜と窒化シリコン膜の2層構造の無機材料膜で構成するとともにゲート電極をドープトポリシリコンなどの無機材料層で構成し、これらの3層膜をマスクとして有機材料層からなる半導体層をパターニングし、この後ゲート電極を所望の形状にパターニングするようにすれば、別の無機材料膜を形成することなく、高精度のパターニングが可能となる。そしてこの上層に形成される絶縁膜をパターニングする際にも有機材料層は無機材料層で覆われているため、損傷を受けるのを回避することができる。
なお、本発明の半導体装置の製造に用いられる製造装置は、抵抗加熱真空蒸着装置、電子ビーム蒸着装置、RFマグネトロンスパッタ装置、DCマグネトロンスパッタ装置、対向ターゲット式スパッタ装置、CVD、MBE、PLD装置などを挙げることができるが、特に好ましいのは電子ビーム蒸着装置、RFマグネトロンスパッタ装置、DCマグネトロンスパッタ装置、対向ターゲット式スパッタ装置である。
本発明に係る絶縁膜のパターニング方法は、上述した光電変換膜積層型固体撮像装置において特に有効であり、従来のCCD型やCMOS型のイメージセンサに代えて種々に適用可能であり、しかも、3層の光電変換膜を設けることでカラーフィルタを積層すること無しに、赤色、緑色、青色の3色の信号を得ることができるため、デジタルカメラ等に搭載する場合に有用である。また、有機材料層の保護をはかり特性劣化を防止することができるため、TFT、有機EL素子、発光ダイオードなど種々の電子デバイスに有効である。
本発明の第1の実施の形態に係る光電変換膜積層型固体撮像装置の表面模式図である。 本発明の第1の実施の形態に係る光電変換膜積層型固体撮像装置の製造工程図である。 本発明の第2の実施の形態に係る光電変換膜積層型固体撮像装置の表面模式図である。 本発明の第2の実施の形態に係る光電変換膜積層型固体撮像装置の製造工程図である。 本発明の第2の実施の形態に係るパターン例を示す平面図である。 本発明の第2の実施の形態に係るパターン例を示す平面図である。 本発明の第2の実施の形態に係るパターン例を示す平面図である。 本発明の第3の実施の形態に係る光電変換膜積層型固体撮像装置の表面模式図である。 (a)は図8に示す矩形枠IIの拡大模式図である。 (b)は受光部の画素電極膜の分解図である。 図9(a)のIII―III線断面模式図である。 図9(a)のIV―IV線断面模式図である。 図9(a)のV―V線断面模式図である。 第3の実施の形態に係る光電変換膜積層型固体撮像装置の製造手順を示す図である。 第3の実施の形態に係る光電変換膜積層型固体撮像装置の製造手順を示す図である。 第3の実施の形態に係る光電変換膜積層型固体撮像装置の製造手順を示す図である。 第3の実施の形態に係る光電変換膜積層型固体撮像装置の製造手順を示す図である。 第3の実施の形態に係る光電変換膜積層型固体撮像装置の製造手順を示す図である。 第3の実施の形態に係る光電変換膜積層型固体撮像装置の製造手順を示す図である。 第3の実施の形態に係る光電変換膜積層型固体撮像装置の製造手順を示す図である。 第3の実施の形態に係る光電変換膜積層型固体撮像装置の製造手順を示す図である。 第3の実施の形態に係る光電変換膜積層型固体撮像装置の製造手順を示す図である。 第3の実施の形態に係る光電変換膜積層型固体撮像装置の製造手順を示す図である。 第3の実施の形態に係る光電変換膜積層型固体撮像装置の製造手順を示す図である。 第3の実施の形態に係る光電変換膜積層型固体撮像装置の製造手順を示す図である。 第3の実施の形態に係る光電変換膜積層型固体撮像装置の製造手順を示す図である。 第3の実施の形態に係る光電変換膜積層型固体撮像装置の製造手順を示す図である。 第3の実施の形態に係る光電変換膜積層型固体撮像装置の製造手順を示す図である。 第3の実施の形態に係る光電変換膜積層型固体撮像装置の製造手順を示す図である。 第3の実施の形態に係る光電変換膜積層型固体撮像装置の製造手順を示す図である。 第3の実施の形態に係る光電変換膜積層型固体撮像装置の製造手順を示す図である。
符号の説明
10 半導体基板
20 個別電極
21 光電変換膜(有機材料層)
22 共通電極(無機材料層)
25 絶縁膜
100 光電変換膜積層型固体撮像装置
101 受光部(画素)
102r、102g、102b 垂直転送路
103 水平転送路
105 出力信号
110 電極端子
114r、114g、114b 第2の縦配線
115 チャネルストップ
116g、116b、118b 導電性膜
117r、117g、117b 縦配線接続用のパッド
120r、120g、120b 透光性の画素電極膜
120k―1、120k―2、120k―3 導電性膜
121r、121g、121b 光電変換膜
122r、122g、122b 透光性の共通電極膜
124r、124g、124b 横配線
124k 電極膜
125 絶縁膜
126r、126g、126b 第1縦配線
127、128 透光性絶縁膜
129 透光性保護膜
130 n型半導体基板
131 Pウェル層
132 転送電極
133 光遮蔽膜
137、137r、137g、137b コンタクト部
138r、138g、138b 電荷蓄積部
143―i(i=1〜7) 共通電極膜の接続用縦配線
150r、150g、150b、153g、153b、154g、154b、154k―
1、154k―2 開口

Claims (16)

  1. 機能層としての有機材料層と、前記有機材料層の上層に形成される絶縁膜とを含む半導体装置であって、
    前記機能層の少なくとも上面においては前記絶縁膜との間に無機材料層が介在せしめられていることを特徴とする半導体装置。
  2. 請求項1に記載の半導体装置であって、
    前記無機材料層は前記機能層を覆うように形成されたことを特徴とする半導体装置。
  3. 請求項1または2に記載の半導体装置であって、
    前記無機材料層はフッ素Fを含むエッチャントに対してエッチング耐性の高い材料を含むことを特徴とする半導体装置。
  4. 請求項1乃至3のいずれかに記載の半導体装置であって、
    前記無機材料層は電極であることを特徴とする半導体装置。
  5. 請求項4に記載の半導体装置であって、
    前記電極は透光性電極であることを特徴とする半導体装置。
  6. 請求項1乃至3のいずれかに記載の半導体装置であって、
    前記無機材料層はキャリア輸送層を含むことを特徴とする半導体装置。
  7. 請求項1乃至6のいずれかに記載の半導体装置であって、
    前記機能層は、有機材料層を含む光電変換層であることを特徴とする半導体装置。
  8. 請求項5に記載の半導体装置であって、
    前記透光性電極は、酸化インジウム錫(ITO)、酸化亜鉛錫(IZnO)、酸化錫(SnO)、酸化アンチモン錫(ATO:(SnO:Sb))、酸化亜鉛(ZnO)、酸化錫鉄(FTO)、アルミニウム(Al)、酸化チタン(TiN)、モリブデン(Mo)、クロム(Cr)の少なくとも1つを含むことを特徴とする半導体装置。
  9. 請求項1乃至3のいずれかに記載の半導体装置であって、
    前記無機材料層は絶縁膜であることを特徴とする半導体装置。
  10. 請求項9に記載の半導体装置であって、
    前記絶縁膜は酸化シリコン膜(SiO)または窒化シリコン膜(Si)であることを特徴とする半導体装置。
  11. 請求項10に記載の半導体装置であって、
    前記絶縁膜は酸化シリコン膜(SiO)と窒化シリコン膜(Si)との積層膜を含むことを特徴とする半導体装置。
  12. 機能層としての有機材料層と、前記機能層に接続された電極と、前記機能層の上層に形成される絶縁膜とを含む半導体装置の製造方法であって、
    前記絶縁膜のパターニング工程が、
    前記有機材料層の少なくとも上面において前記絶縁膜との間に無機材料層が介在せしめられた状態でパターニングする工程を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  13. 請求項12に記載の半導体装置の製造方法であって、
    前記絶縁膜のパターニング工程は、ドライエッチング工程を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  14. 請求項12または13に記載の半導体装置の製造方法であって、
    前記ドライエッチング工程はフッ素Fを含むエッチャントを用いたエッチング工程であり、
    前記無機材料層は前記エッチャントに対してエッチング耐性の高い材料であることを特徴とする半導体装置の製造方法。
  15. 請求項12または13に記載の半導体装置の製造方法であって、
    前記絶縁膜のパターニング工程後に前記無機材料層をエッチング除去する工程を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  16. 請求項12乃至15のいずれかに記載の半導体装置の製造方法であって、
    前記機能層としての有機材料層を含む光電変換層と、前記光電変換層に電圧を印加するように構成された前記電極と、前記光電変換層の上層に形成される前記絶縁膜とを含む光電変換部を備えた半導体装置において、
    前記光電変換層の少なくとも上面においては前記絶縁膜との間に無機材料層が介在せしめられた状態でエッチングするようにしたことを特徴とする半導体装置の製造方法。
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