JP2006032295A - 撮影スタジオの照明調節方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】撮影スタジオに設置された複数の照明装置の照明条件が一旦最適な状態に設定されると、その後、照明装置の光量等が経時変化などで変動した場合でも元の最適な照明条件に容易に戻すことができるようにする。
【解決手段】撮影スタジオの立ち位置に基準被写体20を設置し、この基準被写体20への照明が最適になるように照明条件が調節された照明装置11〜13で照明してデジタルカメラ40で撮影する。撮影により取得したカラー画像データから基準被写体上における複数の基準点P1〜P3の色データを取得保存する。その後、任意の時期に上記と同様にして基準被写体上における基準点P1〜P3の色データを取得し、前記保存した色データとの差分量を算出し、この差分量に基づいて各照明装置11〜13の照明条件の変動量を算出し、この算出した変動量に基づいて各照明装置11〜13の照明条件を調節する。
【選択図】 図1
【解決手段】撮影スタジオの立ち位置に基準被写体20を設置し、この基準被写体20への照明が最適になるように照明条件が調節された照明装置11〜13で照明してデジタルカメラ40で撮影する。撮影により取得したカラー画像データから基準被写体上における複数の基準点P1〜P3の色データを取得保存する。その後、任意の時期に上記と同様にして基準被写体上における基準点P1〜P3の色データを取得し、前記保存した色データとの差分量を算出し、この差分量に基づいて各照明装置11〜13の照明条件の変動量を算出し、この算出した変動量に基づいて各照明装置11〜13の照明条件を調節する。
【選択図】 図1
Description
本発明は撮影スタジオの照明調節方法に係り、特に写真館等の撮影スタジオに設置される複数の照明装置の照明条件を最適な状態で維持する技術に関する。
図4は顧客登録から写真プリントのプリント出力までの写真館のワークフローを示す図である。
同図に示すように、顧客は写真館の受け付けで顧客登録が行われたのち(ステップS10)、デジタルカメラでデジタル撮影が行われ、デジタルカメラ又はデジタルカメラの記録メディアから撮影画像を画像データベースに取り込む(ステップS12)。その後、デジタル撮影によって得られた画像を写真館内のディスプレイに表示させ、写真プリントする画像を顧客に選択して貰うためのプレゼンテーションが行われる(ステップS14)。
写真館の画像処理装置では、前記プレゼンテーションによって選択されたデジタル画像を控えておき、その後、市販の画像処理ソフトを用いて前記選択したデジタル画像に対して色補正、トリミング処理、レイアウト合成(テンプレートへの画像嵌め込み)等の画像処理(絵作り)を行う(ステップS16)。そして、この画像処理済のデジタル画像は、写真館のプリンタ1に出力され、ここで写真プリントが作成される。
ところで、撮影スタジオには、図5に示すように通常、被写体を斜め方向から直接照明するメインライト2、背景3を照明する2つのバックグラウンドライト4、被写体の左右の光量比を調節するためのフィルインライト5、及び被写体を上方から照明するスカイライト6の5灯のライト(照明装置)が設置されている。
特に、プロ写真のように高いプリント品質が求められる場合は、撮影における照明の条件などは厳しく定義され、図5に示した複数の照明装置は、被写体への照明条件が最適になるように維持管理する必要がある。
特許文献1には、絵作りと補正とを区別することなく、容易な補正手段によりこれを解決する試みが提案されており、特許文献2には、被写体を解析し適切な画像処理の補正値を生成する手段が提案されている。また、特許文献3には、出力された写真プリント上の撮影されたチャートを想定して補正値をフィードバックし、画像補正する手段が提案されている。
特開2002−182318号公報
特開2003−244620号公報
特開2003−244582号公報
従来、撮影スタジオに設置した複数の照明装置の照明条件を苦労して設定しても、照明装置のランプの経時変化による光量の低下や位置などが一度変わると、また、新たに照明条件を導出して設置するための調節が必要があり、この調節に非常に手間がかかるという問題がある。
一方、照明条件が及ぼす撮影画像への影響は立体的であり、特許文献1〜3に提案されているような平面的な画像データ上での補正には限界があり、照明条件そのものにフィードバックしなければ抜本的な改善を図ることができない。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、撮影スタジオに設置された複数の照明装置の照明条件が一旦最適な状態に設定されると、その後、照明装置の光量等が経時変化などで変動した場合でも元の最適な照明条件に容易に戻すことができる撮影スタジオの照明調節方法を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために請求項1に係る撮影スタジオの照明調節方法は、撮影スタジオの基準位置に基準被写体を設置し、前記撮影スタジオに設置された複数の照明手段により前記基準被写体を照明する工程と、前記基準被写体への照明が最適になるように各照明手段の照明条件をそれぞれマニュアル操作で調節する工程と、前記調節された各照明手段によって照明された基準被写体上における前記照明手段の数以上の複数の基準点の色データをそれぞれ取得し、この取得した複数の基準点の色データをそれぞれ基準色データとして保存する工程と、任意の時期に前記撮影スタジオの基準位置に前記基準被写体を設置し、前記撮影スタジオに設置された複数の照明手段により前記基準被写体を照明する工程と、前記照明された前記基準被写体上における前記複数の基準点の色データをそれぞれ取得し、この取得した複数の基準点の色データと前記保存した基準色データとの差分量をそれぞれ算出する工程と、前記算出した差分量に基づいて各照明手段の照明条件の変動量を各照明手段別に算出する工程と、前記算出した各照明手段別の照明条件の変動量に基づいて該変動量が0になるように各照明手段の照明条件をそれぞれ調節する工程と、を含むことを特徴としている。
まず、基準となる情報を収集するために、撮影スタジオの基準位置に基準被写体を設置し、この基準被写体への照明が最適になるように撮影スタジオ内の複数の照明手段の照明条件をマニュアル操作で調節する。この調節は、従来と同様にして各照明手段の光量や色温度などの調節を試行錯誤しながら行なう。続いて、調節終了後に基準被写体上における複数の特定箇所(基準点)の色データをそれぞれ取得し、この取得した複数の基準点の色データをそれぞれ基準色データとして保存する。尚、色データを収集するための基準点の数は、方程式を解くために照明手段の数以上とする。
その後、任意の時期に複数の照明手段の経時変化等に伴う照明条件の変動量を補正する場合、上記と同様にして撮影スタジオの基準位置に基準被写体を設置し、この基準被写体上における複数の基準点の色データをそれぞれ取得する。そして、この取得した複数の基準点の色データと前記保存した基準色データとの差分量をそれぞれ算出し、この差分量に基づいて各照明手段の照明条件の変動量を各照明手段別に算出する。従って、このようにして算出した各照明手段の照明条件の変動量が0になるように各照明手段の照明条件をそれぞれ調節することにより、各照明手段の光量等が経時変化した場合でも、各照明手段の光量等をそれぞれ測定することなく元の最適な照明条件に容易に戻すことができる。
請求項2に示すように請求項1に記載の撮影スタジオの照明調節方法において、前記照明手段の照明条件は、該照明手段の照明光の光量及び/又は色温度であることを特徴としている。
請求項3に示すように請求項1に記載の撮影スタジオの照明調節方法において、前記基準点の色データは、前記基準被写体を所定の位置に設置されたデジタルカメラで撮影し、その撮影画像上の所定の座標値のカラー画像データに基づいて生成されたものであることを特徴としている。これにより、基準被写体上の複数の基準点の色データを簡単に取得することができる。
請求項4に示すように請求項1乃至3のいずれかに記載の撮影スタジオの照明調節方法において、前記基準点の色データは、RBG表色系、LAB表色系、又はXYZ表色系のデータであることを特徴としている。
請求項5に示すように請求項1に記載の撮影スタジオの照明調節方法において、前記調節された各照明手段の照明条件をそれぞれ測定する工程と、この測定した各照明手段の照明条件と前記取得した複数の基準点における基準色データとに基づいて各照明手段の照明条件の変動量と前記複数の基準点における色データの差分量との関係を示す方程式の係数を算出する工程とを有し、前記変動量を算出する工程は、前記方程式を所定の解法によって解くことにより各照明手段の照明条件の変動量を各照明手段別に算出することを特徴としている。
本発明によれば、撮影スタジオの所定の位置に設置した基準被写体の複数の基準点における色データと最適な照明条件で取得した基準色データとの差分量に基づいて各照明手段の照明条件の変動量を計算し、この変動量に基づいて各照明手段の照明条件を補正できるようにしたため、各照明手段の光量等をそれぞれ測定することなく最適な照明条件を容易に維持することができる。
以下添付図面に従って本発明に係る撮影スタジオの照明調節方法の好ましい実施の形態について詳説する。
図1は本発明に係る撮影スタジオの照明調整方法が適用される撮影スタジオのシステム構成図である。
同図において、撮影スタジオには、3つの照明装置11、12、13がそれぞれ所定の位置に配置されている。尚、照明装置11〜13は、マニュアル操作により調光できる機能を有している。また、照明装置の数は、この実施の形態に限定されない。
標準被写体20は、照明装置11〜13の光量や温度等の照明条件を調節するために使用する情報を収集する際に撮影スタジオの所定の位置に設置されるもので、例えば、白色の球体を有するものが好適である。
光量計30は、照明条件が調整された各照明装置11〜13の照明条件(光量)を測定するもので、その測定値は、パーソナルコンピュータ(パソコン)50の記憶装置52に保存される。尚、光量計30で光量を測定する代わりに、又は光量の測定とともに、カラーメータによって色温度を測定するようにしてもよい。
デジタルカメラ40は、撮影スタジオ内のスタジオカメラであり、前記標準被写体20を撮影する際には撮影スタジオの所定の位置に設置される。このデジタルカメラ40での撮影で取得された標準被写体20を示すカラー画像データは、パソコン50に出力される。
パソコン50は、前記カラー画像データから標準被写体20の複数の特定箇所(基準点)の色データを採集する機能や、各照明装置11〜13の照明条件の変動量を算出するための後述する演算処理を行なう機能等を備えている。尚、標準被写体20の複数の基準点は、標準被写体20を示す画像が表示されたモニタ画面上で、マウスカーソル等で適宜の位置(或いは範囲)を指定することで設定され、この設定された基準点の画像上の座標値は、基準点の色データとともにパソコン50の記憶装置52に保存される。
また、基準点の色データは、この実施の形態ではRBG表色系のデータ(RGBデータ)を使用するが、これに限らず、RGBの補色のCMYや、LAB表色系又はXYZ表色系のデータでもよい。また、基準点が範囲指定された場合には、その範囲内の色データごとの平均値をその基準点の色データとする。
次に、本発明に係る撮影スタジオの照明調節方法について、図2及び図3に示すフローチャートを参照しながら説明する。
図2において、基準被写体20を撮影スタジオの所定の位置(例えば、立ち位置)に設置する(ステップS10)。続いて、各照明装置11〜13の光量をそれぞれマニュアル操作によって調節する(ステップS12)。そして、光量調節後の各照明装置11〜13による基準被写体20への照明が最適か否かを操作者が判別する(ステップS14)。最適でない場合には、ステップS12に戻り、再び照明装置の光量を調節する。このようにして、マニュアル操作により調光の試行錯誤によって照明が最適になるように調節する。尚、基準被写体20をデジタルカメラ40で撮影し、その撮影画像を検定して照明が最適か否かを判別するようにしてもよい。また、このマニュアル操作の試行錯誤による各照明装置11〜13の照明条件の設定は、基準被写体20を設置する以前に行なうようにしてもよい。
各照明装置11〜13の照明条件が最適に設定されると、その最適な状態の各照明装置11〜13の照明条件(光量)を光量計30によって測定する(ステップS16)。また、基準被写体20への照明が最適な状態での基準被写体20をデジタルカメラ40で撮影する(ステップS18)。
続いて、デジタルカメラ40で撮影された画像をパソコン50に取り込み、標準被写体20を示す画像が表示されたモニタ画面上で、標準被写体20の基準点P1、P2、P3(図1参照)を指定し、その基準点P1、P2、P3の色データを採取する(ステップS20)。尚、色データを採取する基準点の数は、照明装置の数以上とする。
上記のようにして採取した基準点P1、P2、P3の色データと、基準点P1、P2、P3の撮影画像上の座標値と、ステップS16で測定した各照明装置11〜13の光量値とをセットでパソコン50の記憶装置52に保存する(ステップS22)。
次に、任意の時期に各照明装置11〜13の照明条件を補正する場合について説明する。
この場合、図3に示すように基準被写体20を撮影スタジオの所定の位置(立ち位置)に設置し(ステップS30)、各照明装置11〜13で照明されている基準被写体20をデジタルカメラ40で撮影する(ステップS32)。尚、このときのデジタルカメラ40の設置位置は、図2のステップS18で基準被写体20を撮影したときのデジタルカメラ40の設置位置と同一にする。
続いて、撮影された画像上の基準点P1、P2、P3の色データを採取する(ステップS34)。尚、色データを採取する基準点P1、P2、P3の画像上の位置情報は、予め図2のステップS22で保存しておいた基準点P1、P2、P3の座標値を使用する。
次に、予め図2のステップS22で保存しておいた基準点P1、P2、P3の色データ(以下、「基準色データ」という)と、ステップS34で採取した基準点P1、P2、P3の色データとの差分量を算出する(ステップS36)。
この算出した差分量に基づいて各照明装置11〜13の経時変化やランプ交換等による光量の変動量を算出する(ステップS38)。
次に、各照明装置11〜13の光量の変動量を算出する方法について説明する。
いま、各基準点における基準色データ(R/G/Bの値)を、Rn/Gn/Bn(nは基準点番号)とし、前記基準色データと任意の時期に採取した各基準点における色データとの差分値をRsn/Gsn/Bsnとし、最適な照明条件のときの各照明装置の光量値をLp(p は照明装置番号) とし、各照明装置の光量の変動量をLspとする。
各照明装置からの照明光が混合した結果、各照明装置の光量Lp と、各基準点で採取されるR/G/Bとは、以下の方程式が成立する(各a,b,c,…は係数、p≦n)。
次に、各照明装置の光量の変動量(Ls )と、各基準点における色データの差分値(Rs /Gs /Bs )とに線形な関係があるとすれば、以下の方程式が成立する。
上記[数2]式の方程式を、逐次近似法などの解法により解を求める場合について説明する。
以下、Rについて説明すると、[数2]式を、次式の関数に定義し直す。
尚、この実施の形態では、各照明装置の光量の変動量を0にする調節を操作者が行なうよにしたが、変動量に対応する制御信号により各照明装置の光量の調節をフィードバック制御する制御手段を設けることで、各照明装置の光量の変動量を0にする調節を自動で行なうようにしてもよい。
11、12、13…照明装置、20…標準被写体、30…光量計、40…デジタルカメラ、50…パソコン、52…記憶装置
Claims (5)
- 撮影スタジオの基準位置に基準被写体を設置し、前記撮影スタジオに設置された複数の照明手段により前記基準被写体を照明する工程と、
前記基準被写体への照明が最適になるように各照明手段の照明条件をそれぞれマニュアル操作で調節する工程と、
前記調節された各照明手段によって照明された基準被写体上における前記照明手段の数以上の複数の基準点の色データをそれぞれ取得し、この取得した複数の基準点の色データをそれぞれ基準色データとして保存する工程と、
任意の時期に前記撮影スタジオの基準位置に前記基準被写体を設置し、前記撮影スタジオに設置された複数の照明手段により前記基準被写体を照明する工程と、
前記照明された前記基準被写体上における前記複数の基準点の色データをそれぞれ取得し、この取得した複数の基準点の色データと前記保存した基準色データとの差分量をそれぞれ算出する工程と、
前記算出した差分量に基づいて各照明手段の照明条件の変動量を各照明手段別に算出する工程と、
前記算出した各照明手段別の照明条件の変動量に基づいて該変動量が0になるように各照明手段の照明条件をそれぞれ調節する工程と、
を含むことを特徴とする撮影スタジオの照明調節方法。 - 前記照明手段の照明条件は、該照明手段の照明光の光量及び/又は色温度である請求項1に記載の撮影スタジオの照明調節方法。
- 前記基準点の色データは、前記基準被写体を所定の位置に設置されたデジタルカメラで撮影し、その撮影画像上の所定の座標値のカラー画像データに基づいて生成されたものである請求項1に記載の撮影スタジオの照明調節方法。
- 前記基準点の色データは、RBG表色系、LAB表色系、又はXYZ表色系のデータであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の撮影スタジオの照明調節方法。
- 前記調節された各照明手段の照明条件をそれぞれ測定する工程と、この測定した各照明手段の照明条件と前記取得した複数の基準点における基準色データとに基づいて各照明手段の照明条件の変動量と前記複数の基準点における色データの差分量との関係を示す方程式の係数を算出する工程とを有し、前記変動量を算出する工程は、前記方程式を所定の解法によって解くことにより各照明手段の照明条件の変動量を各照明手段別に算出することを特徴とする請求項1に記載の撮影スタジオの照明調節方法。
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