JP2006028923A

JP2006028923A - トンネル掘削機

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Publication number: JP2006028923A
Application number: JP2004210510A
Authority: JP
Inventors: Hiroshi Date; 博伊達; Hiromi Sato; 弘美佐藤; Keiji Katahira; 啓氏片平; Masaaki Honda; 正明本多
Original assignee: Okumura Corp
Current assignee: Okumura Corp
Priority date: 2004-07-16
Filing date: 2004-07-16
Publication date: 2006-02-02
Anticipated expiration: 2024-07-16
Also published as: JP3884033B2

Abstract

【課題】小口径の掘削機であっても機内からチャンバー内に出入り可能な点検口等を設けることができるようにし、且つ、カッタヘッドに大きな曲げ応力が作用することなく円滑な掘削を可能にすると共に回収、撤去も容易に行えるようにする。
【解決手段】外胴１の前端部内にリング体２を固着し、このリング体２の中央孔を偏心円形孔３にすることによって、リング体２に幅狭い部分と点検口等を設けることができる幅広い部分とを形成すると共に、偏心円形孔３に掘削機主体部４の筒状内胴体７を環状の中間部材８を介して支持させてこの筒状内胴体７の中心部に回転自在に支持されているカッタヘッド６の伸縮量を大きくすることなく、外胴１の外径に等しい掘削を可能にし、且つ、掘削機主体部４の回収、撤去時には該カッタヘッド６を収径させて上記偏心円形孔３を簡単に通過させることができるように構成している。
【選択図】図３

Description

本発明は、地中にトンネルを掘削したのち、トンネル内を通じて撤去、回収し、再使用を可能にしたトンネル掘削機の改良に関するものである。

発進立坑側から地中にトンネルを掘削しながら該掘削壁面にトンネル覆工体を形成していくトンネル掘削機であって、所定長のトンネルを掘削後、トンネル掘削機のスキンプレートからカッタヘッドと駆動部を含む掘削機本体を切り離してスキンプレートを掘削壁面に残したまま該掘削機本体を発進立坑側に回収する、所謂、回収型のトンネル掘削機としては、従来から、例えば、特許文献１に記載されているように、スキンプレートを外胴とし、この外胴の前部内周面に環状支持部材の外周端面を固着すると共に該環状支持部材の内周端面に内胴を固着し、この固定内胴に可動内胴を前後方向に摺動自在に装着し、該可動内胴にカッタヘッドと駆動部とを備えている掘削機本体を一体に設けて可動内胴を後方に引き出すことにより、掘削機本体を可動内胴と共に回収するように構成しなるトンネル掘削機が知られている。
特開２００３−２３９６８２号公報

上記トンネル掘削機によれば、機内側からカッタヘッドの背面側のチャンバー内に通じるを点検や作業孔等を上記環状支持部材に設けたい場合には、この環状支持部材の径方向の幅を点検口や作業孔等が穿設可能な広い幅に形成しておかねばならないが、そうすると、必然的に固定内胴の径が小径になり、縮径させた時のカッタヘッドの径も小径に形成しておく必要がある。このカッタヘッドの縮径した時の径を小径にすると、トンネル掘削時において外胴の外径に達するまで拡径させるための伸長量が大きくなり、そのため、例えば、カッタヘッドが中空スポークとこの中空スポークの外端からジャッキによって出没するスポーク片とからなる場合には、掘削時には大きく伸長させたスポーク片に大きな曲げ応力が作用して折損する虞れがあるばかりでなく、構造上、中空スポーク内にスポーク片を出没可能に収納しておくことができなくなる。

従って、上記環状支持部材の径方向の幅を小さくして固定内筒をできるだけ大径にすることによってカッタヘッドの拡径量、即ち、スポーク片の伸長量を短くしているのが現状であるが、このように構成すると、環状支持部材に点検口や作業孔等を設けることが困難となる。

また、上記固定内胴はその内部にカッタヘッドの軸支部材を配設、支持しているが、この固定内胴及び上記可動内胴ともに、カッタヘッドの軸支部材の背面に装着しているカッタヘッド駆動モータよりも後方に大きく突出した長さに形成されているため、機内の作業空間が狭くなるばかりでなく、排土手段や推進ジャッキ等の機器類の配設が困難になるといった問題点があった。本発明はこのような問題点を全面的に解消することができるトンネル掘削機の提供を目的とする。

上記目的を達成するために本発明のトンネル掘削機は、請求項１に記載したように、掘削壁面にトンネル覆工体を形成しながら所定長のトンネルを掘削した後、該トンネル覆工体内を通じて後方に回収、撤去可能にしたトンネル掘削機であって、外径がトンネル掘削径と略同径の外胴と、この外胴の前端部内周面にその外周端面を固着し且つその内周端を中心が外胴の中心に対して偏心した偏心円形孔に形成しているリング体と、筒状内胴体の前面側にカッタヘッドを、後面側に該カッタヘッドの回転駆動モータを設けてなる掘削機主体部とからなり、上記カッタヘッドは上記偏心円形孔を通過可能な径まで縮径可能に形成されていると共に、このカッタヘッドを回転自在に支持している上記筒状内胴体の外径をリング体の上記偏心円形孔よりも小径に形成して該筒状内胴体をその中心を外胴の中心に合致させた状態でリング体の偏心円形孔内に配設し、この筒状内胴体とリング体の偏心円形孔との間に生じた隙間に中間部材を着脱可能に介在させて筒状内胴体をこの中間部材を介してリング体の偏心円形孔に支持させてなる構造としている。

このように構成したシールド掘削機において請求項２に係る発明は、上記リング体の偏心円形孔と掘削機主体部の筒状内胴体の外周面間に介在させる中間部材は、その外径がリング体の偏心円形孔に挿嵌可能な径に形成され、且つその内周端面で掘削機主体部の筒状内胴体の前部外周面を挿嵌させる支持孔を形成した円環部材からなることを特徴とする。

さらに、請求項３に係る発明は、リング体の中央部に設けている偏心円形孔によって、該円形孔の偏心方向の孔壁部とリング体の外周端面との間の部分を幅狭く形成している一方、反対方向の孔壁部とリング体の外周端面との間の部分を幅広く形成してあり、この幅広いリング体部分に点検孔又は排土口、或いは作業孔を設けていることを特徴とする。

また、請求項４に係る発明は、掘削機主体部の筒状内胴体の前部を中間部材を介してリング体の偏心円形孔に支持させていると共に、その支持部の前後方向の長さよりも筒状内胴体の前端面とこの筒状内胴体に回転自在に支持されているカッタヘッドの背面間の間隔を長くしていることを特徴とする。

本発明のシールド掘削機によれば、外径がトンネル掘削径と略同径の外胴と、この外胴の前端部内周面にその外周端面を固着し且つその内周端を中心が外胴の中心に対して偏心した偏心円形孔に形成しているリング体と、筒状内胴体の前面側にカッタヘッドを、後面側に該カッタヘッドの回転駆動モータを設けてなる掘削機主体部とからなり、上記筒状内胴体の外径をリング体の上記偏心円形孔よりも小径に形成して該筒状内胴体をその中心を外胴の中心に合致させた状態でリング体の偏心円形孔内に配設し、この筒状内胴体とリング体の偏心円形孔との間に生じた隙間に中間部材を着脱可能に介在させて筒状内胴体をこの中間部材を介してリング体の偏心円形孔に支持させているので、リング体の偏心円形孔の径を小さくすることなく、該円形孔の偏心によってリング体に幅狭い部分と広幅部分とを形成することができて小口径のトンネル掘削機であってもその広幅部分に作業員が出入り可能な点検孔や作業孔、或いは、排土口を設けることができる。

その上、カッタヘッドを回転自在に支持している筒状内胴体の外径をリング体の偏心円形孔よりも小径に形成してこの筒状内胴体と偏心円形孔との間に中間部材を介在して筒状内胴体を偏心円形孔に支持させているので、リング体の偏心円形孔が外胴の中心に対して偏心しているにもかかわらず、カッタヘッドの回転中心を外胴の中心に正確に合致させた状態で偏心円形孔に支持させることができると共に、上述したように、リング体の偏心円形孔の径を小径に形成しなくても点検孔や作業孔等を設けることができるから、縮径させた時のカッタヘッドの外径も小径に形成しておく必要はなく、従って、掘削時に外胴の外径に達するまで拡径させる量を短くすることができ、カッタヘッドに過度の曲げ応力が作用することなく円滑な掘削が可能となる。

また、上記筒状内胴体にカッタヘッドと該カッタヘッドの回転駆動モータとを設けてなる掘削機主体部を後方に回収、撤去する際に、筒状内胴体の外周面とリング体の偏心円形孔間に介在している中間部材を除去したのち、筒状内胴体をその中心が偏心円形孔の中心に合致する位置まで移動させれば、カッタヘッドの回転中心も偏心円形孔の中心に位置するので、カッタヘッドを偏心円形孔に引っ掛かることなく簡単に偏心円形孔を通過させて機内に回収することができ、掘削機主体部の撤去作業が容易に行える。

さらに、掘削機主体部の筒状内胴体の前部を中間部材を介してリング体の偏心円形孔に支持させておくことにより、掘削機主体部の筒状内胴体を支持する部分の長さが短くなって機内空間を広くとることができ、作業性が良好となるばかりでなく、その支持部分と外胴の前端部内周面間の隙間の前後方向の長さも短くなるから、小口径のトンネル掘削機であってもその隙間を通じての土砂排出管路等の排出手段の配管が容易となると共に、この排出手段に邪魔されることなく上記カッタヘッドの駆動部や推進ジャッキ等を配置することができる。

次に本発明の具体的な実施の形態を図面について説明すると、図１はトンネルＴを掘削しながらその掘削壁面にセグメント等のトンネル覆工体Ｓを形成していくトンネル掘削機の簡略縦断側面図であって、外径がトンネル掘削径と略同径の円筒形状の外胴１と、この外胴１の前端部内周面にその外周端面を溶接等により一体に固着していると共に中央部に上記トンネル覆工体Ｓの内径よりも小径で且つ中心O₁を図３、図５、図６に示すように外胴１の中心Ｏに対して水平方向（横方向）に偏心させた偏心円形孔３を設けている円環板形状のリング体２と、筒状内胴体７の前面側にカッタヘッド６を、後面側に該カッタヘッド６の回転駆動モータ５を設けてなる掘削機主体部４とを備え、この掘削機主体部４の筒状内胴体７を中間部材８を介して上記リング体２の偏心円形孔３に支持させている。

さらに、筒状内胴体７の後方側における外胴１の内周面に複数本の中折れジャッキ9Aと推進ジャッキ9Bを装着していると共に、上記カッタヘッド６の後面とリング体２及び筒状内胴体７の前面間の空間部によって形成しているチャンバー10内の土砂を排出するための土砂排出手段11とを備えている。12はセグメントを組み立てるエレクターである。

なお、このトンネル掘削機は泥水式シールド工法に使用される掘削機を示しており、従って、上記土砂排出手段11としては還流泥水による掘削土砂排出手段を採用しているが、推進工法に使用するトンネル掘削機であってもよく、この場合には、土砂排出手段11としてスクリューコンベア等を採用することができる。

上記リング体２は、その内周部を後方に向かって直角に屈折させて短筒部を形成し、この短筒部の内周面によって上記偏心円形孔３を形成してもよいが、図においては、リング体２の内周面に該リング体２とは別体の短筒部2aの前端外周面を溶接等によって一体に固着し、この短筒部2aの内周面によって偏心円形孔３を形成していると共に該短筒部2aの前端内周面にシール材13を装着している。この偏心円形孔３によってリング体２の環部の幅、即ち、該偏心円形孔３の孔壁とリング体２の外周端面間の幅は、偏心円形孔３の偏心方向における孔壁部とリング体２の外周端面部との間の部分が狭く、反対方向の偏心円形孔３の孔壁部とリング体２の外周端面部との間の部分が幅広く形成されてあり、この幅広いリング体部分に図４に示すように、機内から上記チャンバー10内に連通する点検孔30（扉によって開閉される）が設けられている。

なお、偏心円形孔３の偏心方向は、上述したように、外胴１の中心Ｏに対して水平方向（図４、図５においては右方向）に偏心させており、従ってリング体２はその反対側（左側）が幅広く形成されているが、左方向に偏心させておいてもよく、さらには、上下方向に偏心させた構造としておいてもよい。また、広幅部分には上記点検孔30以外に作業孔や土砂排出口を設けた構造としてもよい。

掘削機主体部４の筒状内胴体７はその前部外周面を上記リング体２の偏心円形孔３よりも小径の円形外周面7aに形成してあり、この前部の中心O₂を上記外胴１の中心Ｏに合致させた状態にして偏心円形孔３内に挿入し、その円形外周面7aと偏心円形孔３の孔壁間に上述したように上記中間部材８を介在させてこの中間部材８を介して筒状内胴体７をリング体２の偏心円形孔３に支持させている。

中間部材８は上記リング体２の短筒部2aの長さに略等しいか僅かに短い厚みを有し、且つ、外径がリング体２の偏心円形孔３に内嵌可能な径に形成している円環部材からなり、その外周端面がリング体２の偏心円形孔３に上記シール材13を介して前後方向に摺動自在に嵌合させている。そして、この円環部材からなる中間部材８の内周面で囲まれた円形孔、即ち、掘削機主体部４の筒状内胴体７を支持する孔は、その中心O₃を外胴１や掘削機主体部４の筒状内胴体７の中心Ｏ、O₂に合致し、且つ、掘削機主体部４の筒状内胴体７の円形外周面7aを内嵌可能な径に形成している。従って、この中間部材８はリング体２の偏心円形孔３における偏心方向側の厚みが厚く、反対側においては薄肉に形成されている。また、この中間部材８の前端面には、図１〜図３に示すようにリング状の当て片31の後面外周部を溶接等により一体に固着していると共に、この当て片30の後面内周部を筒状内胴体７の前端外周部に当接させて該筒状内胴体７にボルト32により着脱自在に固着している。

掘削機主体部４の筒状内胴体７は、その後部外周面の四方部を円形外周面から内方に向かって段状に屈折、形成して機軸方向に平坦な係止面7bを形成してあり、さらに、この係止面7bの前端と、筒状内胴体７の上記前部円形外周面の後端間に該後端から係止面の前端に向かって内径方向に屈折した平坦な垂直面7cに形成している。

筒状内胴体７の後部における上記機軸方向に平坦な係止面7bと、この係止面7bに対向した外胴１の内周面との間には固定部材14が着脱自在に介在してあり、図２に示すようにこの固定部材14の平坦な内端面14a を上記係止面7bに接合状態で係止させていると共に垂直な前端面14b を筒状内胴体７の上記垂直面7cに当接させている。

固定部材14としては、筒状内胴体７の上記係止面7bと、この係止面7bに対向した外胴１の内周面との間の径方向の間隔に等しい高さに形成しておき、その外端面を外胴１の内周面にボルト等によって着脱自在に固定した構造としておいてもよいが、図１、図２、図４に示すように、筒状内胴体７の外周面とこの外周面に対向する外胴１の内周面間の間隔部における径方向に対向する２箇所に、上記掘削土砂排出手段11の送泥管11a と排泥管11b とにおけるリング体２を貫通してチャンバー10内に連通した先端部を配設し、これらの管の先端部を被覆したカバー部材15a 、15a と係止面7b、7bとの隙間に固定部材14を挿入、介在させてその外端面をカバー部材15a 、15a にボルトによって着脱自在に固着している。なお、係止面7bに係止している固定部材14の内端面を係止面7bに対してもボルトによって着脱自在に固定しておいてもよい。

筒状内胴体７は、その前後開口端をそれぞれの開口端に一体に固着した前面板7dと後面板7eとによって閉止されてあり、これらの前後面板7d、7eの中心部、即ち、筒状内胴体７を中間部材８を介して上記リング体２の偏心円形孔３に支持させた状態においては外胴１の中心に合致する部分に上記カッタヘッド６の回転軸16を回転自在に挿通、支持していると共に前面板7dから突出した回転軸16の前端にカッタヘッド６の中心部を一体に固着している。さらに、後面板7eの背面にカッタヘッド６の回転駆動モータ５を装着してあり、図２に示すようにこの駆動モータ５の回転軸に固着した小径歯車17を筒状内胴体７内において上記回転軸16に固着している大径歯車18に噛合させて駆動モータ５によりカッタヘッド６を回転させるように構成している。

カッタヘッド６は図１、図２に示すように、回転軸16の前端から外径方向に向かって、回転軸13の中心からの長さが上記リング体２の円形孔３を通過可能な長さ、即ち、円形孔３の半径よりも僅かに短い長さに形成されている複数本の中空スポーク6aを放射状に突設していると共に、各中空スポーク6a内に外端側スポーク片6bを中空スポーク6aの開口端から外方に向かって出没自在に収納し、これらの中空スポーク6aと外端側スポーク片6bに長さ方向に所定間隔毎に複数本の掘削ビット6cを前方に向かって突設してなるスポークタイプのカッタヘッドに形成されている。

さらに、各中空スポーク6a内に収納した外端側スポーク片6bは、中空スポーク6a内に装着しているジャッキ19の作動により外端側スポーク片6bを中空スポーク6aの開口端から出没させてスポーク長、即ち、カッタヘッド６の外径を外胴１の外径に略等しい長さから上記リング体２の円形孔３よりも小径となる長さにまで拡縮させるように構成している。なお、上記回転軸16の前面にセンタビット6c' を突設している。また、このカッタヘッド６の背面と筒状内胴体７の前面板7d間の間隔（リング体２の前面間の間隔）、即ち、チャンバー10の前後幅を筒状内胴体７の前部を中間部材８を介して支持しているリング体２の偏心円形孔３の前後方向の長さよりも長くしている。

上記外胴１は、前胴部1aと後胴部1bとに分割されていると共に、後胴部1bの前端部内周面にリングガータ20の外周面を固着してあり、このリングガータ20の外周部前端から前方に向かって外周面を凸円弧状湾曲面に形成している中折れ部21を突設して、その外周面をシール材を介して前胴部1aの後端部内周面に屈折自在に接続している。さらに、上記中折れジャッキ9Aを前胴部1aの後部内周面に沿って周方向に所定間隔毎（図においては四方）に配設し、各中折れジャッキ9Aの前後端を前胴部1aの内周面に突設しているブラケット22a と中折れ部21の内周面に突設しているブラケット22b 間に連結してこれらの中折れジャッキ9Aを伸縮させることにより、後胴部1bに対して前胴部1aを所定方向に屈折させるように構成している。一方、上記リングガータ20に周方向に所定間隔毎に上記複数本の推進ジャッキ9Bを前後方向に挿通状態で支持させている。

このように構成したトンネル掘削機は、発進立坑（図示せず）内に設置されて該発進立坑から所定方向にトンネルＴを掘削していく。トンネルＴの掘進は、カッタヘッド６の外端側スポーク片6bを中空スポーク6aから外径方向に突出させて外胴１の外径に等しい外径にしたのち、駆動モータ５により該カッタヘッド６を回転させると共に推進ジャッキ9Bをトンネル覆工体Ｓの前端面に反力を受止させた状態で伸長させることにより行われる。詳しくは、推進ジャッキ9Bを伸長させると、その推進力がリングガータ20からこのリングガータ20を固着させている外胴１に伝達され、さらに、外胴１から該外胴１の内周面に直接、或いは送排泥管11a 、11b のカバー部材15a 、15b を介して固着している固定部材14に伝達されてこの固定部材14の前端面14b で掘削機主体部４の筒状内胴体７の垂直な係止面7cを押圧し、カッタヘッド６を軸支している該筒状内胴体７を外胴１と一体に前進させながらトンネルＴを掘進していくものである。

この際、カッタヘッド６の回転によって筒状内胴体７が一体に回転しようとするが、該筒状内胴体７の後部に形成している平坦な係止面7bが固定部材14の内端面14a に接合状態で係止されているので、この固定部材14に該カッタヘッド６の回転反力が強固に受止されて筒状内胴体７は共回りする虞れはない。その上、カッタヘッド６の推進反力も筒状内胴体７の垂直な係止面7cを押圧している固定部材14の前端面14b によって確実に受止することができる。

なお、筒状内胴体７に外嵌、固定している中間部材８の円形外周面が該筒状内胴体７の中心に対して偏心しており、この円形外周面をリング体２の偏心円形孔３に支持させているので、筒状内胴体７が回転しようとしても中間部材８の外周面がリング体２の偏心円形孔３に係止して回転することはないから、これらの係止力によってもカッタヘッド６の回転反力を受止させることができ、従って、筒状内胴体７の後部に平坦な係止面7bを設けることなく、前部と同一径の円形外周面に形成しておき、この円形外周面に推進ジャッキ9Bの推進力を中間部材８を介して伝達するように筒状内胴体７と外胴１間を中間部材８によって連結した構造としておいてもよい。

そして、トンネル掘削機によって一定長のトンネルが掘削される毎にエレクター12によって後胴部1bの後部内でセグメントを組み立て、掘進に従って後方に送り出すことによりトンネル覆工体Ｓを施工していく。セグメント等はトンネル覆工体Ｓの内底面上に敷設しているレール上を走行する台車（図示せず）によって搬入される。また、カッタヘッド６によって掘削された土砂はチャンバー10内に取り込まれ、送泥管11a を通じてこのチャンバー10内に供給、充満させている泥水と共に排泥管11b を通じて後方に排出される。なお、トンネルの掘進中において、トンネル掘削機の方向を修正したり曲線トンネル部を掘削する場合には、中折れジャッキ9Aを作動させて後胴部1bに対して前胴部1aを所定方向に屈折させることにより行う。

次ぎに、このシールド掘削機によって所定長のトンネルＴを掘削したのち、掘削機主体部４等を発進立坑側に撤去、回収するには、まず、土砂掘削手段11やエレクター12等を解体して上記台車上に載せ、発進立坑Ｂ側に撤去、回収する一方、カッタヘッド６の各中空スポーク6a内に設けているジャッキ19を収縮させることによって全ての外端側スポーク片6bを中空スポーク6a内に収納し、カッタヘッド６の外径をリング体２の偏心円形孔３の径よりも小径にすると共に、掘削機主体部４の筒状内胴体７を固定している固定部材14を撤去する。さらに、作業員が点検孔30を通じてチャンバー10内に入り、中間部材８の前端面に固定している当て片31のボルト32を取り外したのち、中間部材８を機内側から押圧して筒状内胴体７の外周面からチャンバー10内に押し出すことにより取り外す。

しかるのち、この掘削機主体部４を適宜な台車等により支持させた状態で後方に牽引して筒状内胴体７の前部をリング２の偏心円形孔３から後方に引き出すと共に、カッタヘッド６をこの偏心円形孔３を通過させて機内側に取り込む。詳しくは、掘削機主体部４をリング体２の偏心円形孔３の偏心方向に移動させてその中心を偏心円形孔３の中心に一致させたのち、後方に移動させることにより筒状内胴体７の前部を偏心円形孔３から後方に離脱させ、次いで、縮径しているカッタヘッド６を偏心円形孔３を通過させて後方に取り込む。

また、カッタヘッド６の背面とリング体２（筒状内胴体７）の前面間の間隔が、中間部材８を介して筒状内胴体７の前部を支持している偏心円形孔３に支持部の長さよりも長く形成しているので、掘削機主体部４の筒状内胴体７の前部に中間部材８を被せている状態で掘削機主体部４を後方に移動させて筒状内胴体７の前部を中間部材８と共に機内に取り込み、しかるのち、掘削機主体部４をリング体２の偏心円形孔３の偏心方向に移動させてカッタヘッド６の中心を偏心円形孔３の中心に一致させ、この状態で掘削機主体部４を後方に移動させることによりカッタヘッド６を偏心円形孔３を通過させて機内に取り込むと共に、中間部材８を筒状内胴体７から取り外すことによっても機内への掘削機主体部４の取り込みが行うことができる。

こうして、機内に取り込んだ掘削機主体部４を発進立坑側に搬出するには、該掘削機主体部４の筒状内胴体７の下周部に、トンネル覆工体Ｓの内底面上に敷設している上記レール上を転動する車輪を装着することによって行うことができ、また、レール上を走行する台車に載せて搬出することもできる。一方、掘削壁面を覆っている上記外胴１はそのトンネル掘削機到達個所に残しておくが、この外胴１の内周面に装着している中折れジャッキ9Aや推進ジャッキ9Bは外胴１から取り外して回収し、上記掘削機主体部４と共に次のトンネル掘削工事に使用する。

なお、上記実施の形態においては、掘削機主体部４の筒状内胴体７の外周面を円形に形成しているが、矩形等の異形断面形状であってもよい。また、カッタヘッド６の径を拡縮させる機構としては、中空スポーク6aから外端側スポーク片6bをジャッキ19の作動により出没させる機構を採用しているが、スポーク6aの外端に一定長のスポーク片を切り離し自在に連結して、該スポーク片を連結した状態においてはカッタヘッド６を外胴１の外径に略等しい外径とし、スポーク片を取り外した状態においては、カッタヘッド６の外径をリング体２の円形孔３を通じて撤去可能な径となるように構成しておいてもよい。さらに、スポークタイプに限らず、面板形状のカッタヘッドの外周部を着脱自在な部分に形成してその部分を取付けている場合には、カッタヘッドを外胴１の外径に略等しい外径とし、取り外した場合には、リング体２内を通じて撤去可能な径となるように構成しておいてもよい。

トンネル掘削機の簡略縦断側面図。その主要部の縦断側面図。その横断面図。図２におけるＸ−Ｘ線における断面図。リング体と中間部材と筒状内胴体との位置関係を示す説明図。トンネル掘削機の構造を説明するための簡略図。

符号の説明

１外胴
２リング体
３偏心円形孔
４掘削機主体部
５駆動モータ
６カッタヘッド
７筒状内胴体
８中間部材
13 シール材

Claims

掘削壁面にトンネル覆工体を形成しながら所定長のトンネルを掘削した後、該トンネル覆工体内を通じて後方に回収、撤去可能にしたトンネル掘削機であって、外径がトンネル掘削径と略同径の外胴と、この外胴の前端部内周面にその外周端面を固着し且つその内周端を中心が外胴の中心に対して偏心した偏心円形孔に形成しているリング体と、筒状内胴体の前面側にカッタヘッドを、後面側に該カッタヘッドの回転駆動モータを設けてなる掘削機主体部とからなり、上記カッタヘッドは上記リング体の内周端面内に形成された偏心円形孔を通過可能な径まで縮径可能に形成されていると共に、このカッタヘッドを回転自在に支持している上記筒状内胴体の外径をリング体の上記偏心円形孔よりも小径に形成して該筒状内胴体をその中心を外胴の中心に合致させた状態でリング体の偏心円形孔内に配設し、この筒状内胴体とリング体の偏心円形孔との間に生じた隙間に中間部材を着脱可能に介在させて筒状内胴体をこの中間部材を介してリング体の偏心円形孔に支持させていることを特徴とするトンネル掘削機。
中間部材は、その外径がリング体の偏心円形孔に挿嵌可能な径に形成され、且つその内周端面で掘削機主体部の筒状内胴体の前部外周面を挿嵌させる支持孔を形成した円環部材からなることを特徴とする請求項１に記載のトンネル掘削機。
リング体は偏心円形孔によって、その偏心方向の孔壁部とリング体の外周端面との間の部分が幅狭く形成されている一方、反対方向の孔壁部とリング体の外周端面との間の部分が幅広く形成されてあり、この幅広いリング体部分に点検孔又は排土口、或いは作業孔を設けていることを特徴とする請求項１に記載のトンネル掘削機。
掘削機主体部はその筒状内胴体の前部を中間部材を介してリング体の偏心円形孔に支持させていると共に、その支持部の前後方向の長さよりも筒状内胴体の前端面とこの筒状内胴体に回転自在に支持されているカッタヘッドの背面間の間隔を長くしていることを特徴とする請求項１または請求項２に記載のトンネル掘削機。