JP2006028869A - 水底トンネルの施工方法および水底掘削推進機 - Google Patents

水底トンネルの施工方法および水底掘削推進機 Download PDF

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Abstract

【課題】建設しようとする水底トンネルに縦断勾配があり、途中に縦断勾配変化部がある場合にも、水底掘進機による水底トンネル工法が可能となり、比較的簡単な構造の装置で水底トンネルを建設でき、完全な基礎も構築することができるようにする。
【解決手段】水底掘削推進機1を、面板や掘削機等の掘削手段を有する前部の掘削部2と、一対の側壁4、4からなる底板の無いテール部3と、掘削部2とテール部3とを連結する掘進用シリンダ等の中折れ機構5等から構成し、縦断勾配変化部を通過できるようにする。水底地盤Bを掘削部2で掘進し、1函体分だけ前進すると、一対の側壁4、4間の掘削地盤C上に基礎栗石や仮支承を施工し、この上に函体を沈設し、函体と掘削地盤との間にモルタルを注入してモルタル基礎とし、推進ジャッキで函体に反力を取って推進させ、1函体分の前進と函体の設置とを順次繰り返し、連続した海底トンネルを構築する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、陸上の製作ヤードで製作されたプレキャストのトンネルエレメント(函体)を水底の掘削地盤上に互いに接合しながら設置して水底トンネルを構築する水底トンネルの施工方法およびこの工法で使用される水底掘削推進機に関するものである。
海底トンネル等のように水面下で連続するトンネルを構築する方法として沈埋トンネル工法が知られている。この沈埋トンネル工法は、トンネルエレメント(沈埋函)をドライドックなどの製作ヤードで製作し、その両端部を仮隔壁(バルクヘッド)で閉塞した上で、水の浮力をして建設現場まで曳航し、予め浚渫した水底溝(トレンチ)内に沈設した後、水圧を利用して沈埋函相互の接合を行い、埋め戻しをして、水底に連続するトンネルを建設するものである。
このような沈埋トンネル工法の場合、図10に示すように、水底地盤Bに幅の広いトレンチ50を浚渫する必要があり、トンネルAよりも広範囲にわたって排土する必要があることから、施工能率が低下するなどの問題があり、また、大規模な排土のため周囲の水質汚濁が避けられないなどの問題もある。さらに、既にあるトンネル等の構造物に近接してトンネルを建設する場合、トレンチ50の幅が広いため、近接構造物に悪い影響を与える恐れがある。
このような問題を解消するため、図11に示すように、水底地盤Bを掘り進む掘削部61と、トンネルエレメントの函体aを収納可能な上部と後部が開口した箱状のテール部62からなる水底掘進機60を用い、1函体分だけ掘進すると、テール部62内に函体aを沈設し、これを順次繰り返して、連続したトンネルAを建設する工法が開発されている。テール部62は、底板63と、この左右両側部から立上る左右一対の側壁64から構成され、側壁64で地山を押さえるため、図11(a) に示すように、図10の浚渫工法と比べて、掘削断面を小さくすることができ、また近接する構造物に与える影響(図に点線で示す)も少なくすることができる。
また、本発明に関連する先行技術文献として、特許文献1、特許文献2がある。特許文献1の発明では、上記の水底掘進機を用いた工法において、岸寄り水域で新設函体を既設函体の上に沈設し、既設函体上をスライドさせて先頭の既設函体の前に設置し、主航路水域内での船舶の往来を妨げないようにしている。特許文献2の発明は、水底トンネルを構築するためのシールド掘進装置であり、トンネルブロックを収容可能な箱状のガイドと、前進に伴い発生する排土を排出するポンプと、ガイド内に供給されたトンネルブロックを既設トンネルブロックに押圧するためのシールドジャッキ等から構成されている。
特許第3487201号公報 実開平5−96198号公報
建設しようとするトンネルに図3の側面図に示すような縦断勾配があり、途中に縦断勾配変化部がある場合に、上記した従来の水底掘進機60を適用しようとすると、テール部62には底板63があるため、前記縦断勾配変化部を通過する際に底板63とテール部内の函体aとが干渉し、水底掘進機60が縦断勾配変化部を通過できないという問題がある。
また、水底掘進機60が前進する際、テール部62内の函体aと底板63との間に多数のコロ等を設置し、摩擦抵抗を低減して水底掘進機60が移動しやすくする必要がある。さらに、水底掘進機を用いない一般的な沈埋トンネル工法のようにトレンチ内に基礎工(基礎栗石工・仮支承台工)を予め施工しておくことができないため、水底掘進機60の前進により函体aがテール部62内から掘削地盤上に押し出された後に、水底掘進機60の後方で函体aと掘削地盤との間に裏込めモルタルや砂65を充填しており、完全な基礎を構築するのが難しい。
本発明は、上記のような問題を解消すべくなされたものであり、建設しようとするトンネルに縦断勾配があり、途中に縦断勾配変化部がある場合にも、水底掘進機による水底トンネル工法が可能となり、しかも比較的簡単な構造の装置で水底トンネルを建設でき、さらに完全な基礎も構築することができる水底トンネルの施工方法および水底掘削推進機を提供することを目的とする。
本発明の請求項1の発明は、水底の地盤を水底掘削推進機で掘進しつつ、掘進後の掘削地盤上に複数の函体(トンネルエレメント)を互いに接合しながら設置して水底トンネル(海底トンネル等)を構築する水底トンネルの施工方法であり、水底掘削推進機を、前部の掘削部と、掘進方向に平行な側壁を対向配置してなるテール部とから構成し、前記一対の側壁間の掘削地盤上に函体を沈設した後、前記水底掘削推進機を1函体分だけ前進させ、側壁間への函体の設置と1函体分の前進を順次繰り返して水底トンネルを構築することを特徴とする水底トンネルの施工方法である。
即ち、海底トンネル等の沈埋トンネル工法の一種であって、掘削部とテール部からなる水底掘進機を用い、水底地盤を掘削しつつテール部内に函体(沈埋函)を沈設して順次接合していくトンネル工法において、テール部の底板を無くしてテール部を左右一対の側壁から構成し、建設しようとするトンネルに縦断勾配があり、途中に縦断勾配変化部がある場合にも、この縦断勾配変化部を水底掘削推進機が通過できるようにしたものである。
本発明の請求項2の発明は、請求項1に記載の施工方法において、一対の側壁間の掘削地盤上に基礎(基礎栗石と仮支承など)を施工した後、この基礎上に函体を沈設することを特徴とする水底トンネルの施工方法である。
即ち、函体の下に基礎を設ける場合であり、テール部に底板が無いため、水底掘進機を用いない一般的な沈埋トンネル工法と同様に、水底地盤掘削後で函体の沈設前に基礎栗石や仮支承を設けることができる。基礎栗石工と仮支承工を施工し、この上に函体を沈設した後、函体内からモルタル等を函体の函底と基礎栗石の空隙に注入し、完全なモルタル基礎等を構築する。
本発明の請求項3の発明は、請求項1または2に記載の施工方法において、縦断勾配を有するトンネルの縦断勾配変化部を、掘削部に対して一対の側壁を上下方向に折曲させることにより、通過させることを特徴とする水底トンネルの施工方法である。
即ち、本発明ではテール部に底板が無いため、縦断勾配変化部を通過することができるが、縦断勾配変化部の形状に合わせて掘削部とテール部を中折れ状態とし、縦断勾配変化部において、掘削部で掘進できるようにし、また既設函体に反力を取って一対の側壁を推進できるようにする。
本発明の請求項4の発明は、水底の地盤を掘進しつつ、掘進後の掘削地盤上に複数の函体(トンネルエレメント)を互いに接合しながら設置して水底トンネル(海底トンネル等)を構築する際に使用される水底掘削推進機であり、水底の地盤を掘削する掘削手段を備えた前部の掘削部と、掘進方向に平行な側壁を函体を収納可能に対向配置してなるテール部と、掘削部に対してテール部を折曲げ可能に連結する中折れ機構と、掘削部およびテール部を前進させるための推進ジャッキを備えていることを特徴とする水底掘削推進機である。
即ち、トンネルの縦断勾配変化部を容易に通過できるように、掘削部にテール部の一対の側壁を中折れ機構を介して連結している。中折れ機構は、掘削部に対してテール部を上下左右に折曲げ可能に連結し、掘削部を上下左右に首振りできるようにする接合構造であればよい。推進ジャッキは、例えばテール部の側壁内面とテール部内の既設函体とを連結するように配置し、既設の函体に反力を取って掘削部およびテール部を前進させる。なお、一対の側壁は底板で連結されていないため、地山圧力に対抗させるため、側壁の後端部同士をつなぎ材で連結するのが好ましい。また、つなぎ材を設けずに、内部に収納された函体により地山圧力に対して反力を取るようにしてもよい。
本発明の請求項5の発明は、請求項4に記載の水底掘削推進機において、中折れ機構は、掘削部とテール部を連結する複数の掘進用シリンダから構成されていることを特徴とする水底掘削推進機である。
即ち、テール部に対して掘削部を掘進させる複数の掘進用シリンダを中折れ機構に用いる場合であり、複数の掘進用シリンダの伸縮量を調節することにより、掘削部を上下・左右に首振りさせることができ、トンネルの縦断勾配変化部あるい曲線や方向修正に対応できる。なお、この場合、水底掘削推進機の前進は、この掘進用シリンダと前記推進ジャッキとを用いて尺取り式に行う。掘削部を側壁および既設の函体に反力を取って掘進用シリンダで掘進し、次いで一対の側壁を既設の函体に反力を取って推進ジャッキにより推進し、これを順次繰り返して、水底掘削推進機を1函体分だけ前進させる。
本発明の請求項6の発明は、請求項4または5に記載の水底掘削推進機において、掘削部の前面に掘進方向に平行な土留めブレードが対向配置され、この一対の土留めブレード間を掘削可能な掘削機(水中掘削機、浚渫機など)が掘削部に装備されていることを特徴とする水底掘削推進機である。
即ち、掘削手段には、面板、掘削翼、アースドリル等を用いることができるが、土留めブレードと水底地盤の土質に応じた数種の掘削機とを組み合わせた掘削設備を用いる場合である。土留めブレードは、上下に複数分割し、各ブレードを移動用シリンダで地山に容易に貫入できるようにするのが好ましい。掘削機には、例えば砂岩ズリ用ショベル、砂岩ズリ用グラブバケット、粘性土用回転ドラム浚渫機を用いることができる。
本発明は、以上のような構成からなるので、次のような効果が得られる。
(1) 掘削部とテール部からなる水底掘削推進機のテール部の底板を無くしてテール部を左右一対の側壁から構成しているため、建設しようとするトンネルに縦断勾配があり、途中に縦断勾配変化部がある場合にも、この縦断勾配変化部を容易に通過することができ、縦断勾配変化部に連続して函体を沈設し接合することができ、縦断勾配変化部のある水底トンネルの建設が可能となる。
(2) 底板が無いため、従来の函体との摩擦を低減するためのコロ等も不要となり、比較的簡単な構造の装置で、掘削断面を縮小でき、近接する構造物に対する影響を少なくできるトンネル工法が可能となる。
(3) 底板が無いため、掘削後で函体の沈設前に基礎栗石や仮支承を施工でき、また函体荷重を地盤に均等に伝達させることができ、かつ、函体と基礎を一体化できる完全なモルタル基礎等を構築することができる。
以下、本発明を図示する実施形態に基づいて説明する。この実施形態は、海底トンネルに適用した例である。図1、図2は、本発明の水底掘削推進機の基本構造を示す斜視図、横断面図、側面図である。図3、図4は、本発明が適用されるトンネルの縦断勾配の一例と、このトンネルにおける本発明の水底掘削推進機の動作を示す側面図である。図5、図6は、本発明の水底掘削推進機による水底トンネル工法の一例を工程順に示す側面図である。図7〜図9は、本発明の水底掘削推進機の具体例を示す側面図、平面図である。
図1、図2に示すように、本発明の水底掘削推進機1は、主として、掘削手段を有する前部の掘削部2と、一対の側壁4、4からなる底板の無いテール部3と、掘削部2とテール部3とを連結する中折れ機構5から構成されている。
一対の側壁4、4は、掘進方向(トンネル軸方向)と平行に、トンネルエレメントである函体aの幅よりも大きい間隔をおいて対向配置されている。この一対の側壁4、4は、それぞれ中折れ機構5を介して掘削部2の後面に接続され、函体aの長さよりも十分に長い長さを有している。また、底板が無く側壁4は片持ちで取付けられるため、一対の側壁4、4の後端部同士をつなぎ材6で連結している。このつなぎ材6は、函体aを上部開口から挿入でき、後部開口から送り出せるような位置に設ける。なお、このつなぎ材6を設けずに、内部に収納された函体aにより地山圧力に対して反力を取るようにすることもできる。
掘削部2の掘削手段には、面板(掘削土をスクリューコンベアで後方に排出する)、掘削翼(砂シルト層の掘削土と海水を泥水化し、排泥ポンプで後方に流体排出する)、アースドリル(掘削土をコンクリートポンプで後方にパイプ排出する)、あるいは、後述する土留めブレードと数種の掘削機とを組み合わせた掘削設備等を用いることができる。
中折れ機構5は、掘削部2に対してテール部3を上下左右に折曲げ可能に連結し、掘削部2を上下左右に首振りできるようにする首振り機構であり、後述するトンネルの縦断勾配変化部およびトンネルの曲線や方向修正に対応できるようにするものである。この中折れ機構(首振り機構)には、所謂ユニバーサルジョイントによる接合構造等を採用することもできるが、後述するような掘削部2とテール部3を連結する複数本の掘進用シリンダを利用するのが好ましい。
図2に示すように、海底の比較的浅い位置の海底地盤Bを水底掘削推進機1で掘進し、1函体分だけ前進すると、一対の側壁4、4間の掘削地盤C上に函体aを沈設し、後述するように、函体aと側壁4とを連結する推進ジャッキにより函体aに反力を取って水底掘削推進機1を推進させ、1函体分の前進と函体aの設置とを順次繰り返し、函体同士は通常の方法で接合し、連続した海底トンネルAを構築する。
基礎を施工する場合には、1函体分の掘進後、一対の側壁4、4間の掘削地盤C上に基礎栗石10を敷設し、仮支承(鉛直ジャッキ)11を設置し、この上に函体aを沈設する。一対の側壁4、4の内部や後方で函体aの函底と基礎栗石10の空隙に函内からモルタル12を注入し、モルタル基礎13を構築する。水底掘進機を用いない一般的な沈埋トンネル工法と同様に、(1) 砕石マウンドを造成することができ、(2) 鉛直ジャッキ11で修正を行うことができ、(3) 函体沈設後にモルタル12を注入することができ、(4) 基礎栗石10と充填されるモルタル12とにより、函体荷重を地盤に均等に伝達することができ、函体aと基礎との一体化を図ることができる。
なお、函体aは製作ヤードにおいて、RC構造、PC構造、SRC構造、鋼・コンクリート合成構造などで製作される。函体aは、設置箇所まで曳航してもよいし、特許文献1の発明のように、岸寄り水域で新設函体を既設函体の上に沈設し、既設函体上をガイドレールとガイド溝等を用いてスライドさせ、先頭の既設函体の前に昇降装置で設置することもできる。
図3に示すように、建設しようとする海底トンネルAに縦断勾配があり、途中に縦断勾配変化部がある場合、図4に示すように、本発明の水底掘削推進機1では、底板が無い一対の側壁4,4が縦断勾配変化部を通過することができると共に、掘削部2とテール部3とを中折れ機構で縦断勾配変化部に対応させて折り曲げて前進させることにより、縦断勾配変化部において、掘削部2で掘進し、かつ、既設函体aに反力を取って前進させることができる。通過後は掘削部2とテール部3とを直線状に戻せば、函体aの沈設と掘進とを通常通り行うことができる。
図5、図6は、海底トンネルAの陸上側における施工開始時の施工状況を工程順に示したものであり、以下のような手順で施工が行われる。なお、海底トンネルの両端は立坑等を介して別途構築された陸上トンネルに接続される。また、この海底トンネルには、縦断勾配があるが、図では水平にして示している。
(1) 図5(a) に示すように、鋼管杭等により締切壁20を構築し、その陸上側に立坑21を構築する。この立坑21の海底トンネル側に1号函体を接続するための接続端部22を構築し、この接続端部22の内側にバルクヘッド23を設ける。
(2) 図5(b) に示すように、締切壁20を撤去した後、浚渫船24を用いて、水底掘削推進機をセットできるように海底地盤Bの所定の範囲を浚渫する。
(3) 図5(c) に示すように、起重機船25等を用いて、浚渫された掘削地盤C上に本発明の水底掘削推進機1をセットする。
(4) 図5(d) に示すように、一対の側壁4、4間から接続端部22までの掘削地盤C上に基礎栗石10を施工し、この基礎の所定の位置に仮支承11を設置する。なお、このような基礎を施工せずに函体を設置する場合もある。
(5) 図6(a) に示すように、基礎栗石10および仮支承11の上に1号函体a1を沈設する。次いで、1号函体a1の後端部を接続端部22に接合する。
(6) 図6(b) に示すように、水底掘削推進機1の後方でモルタル12の注入と側部埋戻し14を行いながら、掘削部2により海底地盤Bの掘削を行う。1号函体a1に反力を取り、推進ジャッキ7により前進させる。
(7) 図6(c) に示すように、1函体分だけ掘進すると、一対の側壁4、4間に基礎栗石10および仮支承11を施工し、この上に次の2号函体a2を沈設する。水底掘削推進機1の後方でモルタル12の注入と側部埋戻し14を行いながら、掘削部2により海底地盤Bの掘削を行う。2号函体a1に反力を取り、推進ジャッキにより前進させる。
上記の函体aの設置と1函体分の前進を順次繰り返して海底トンネルAを構築する。トンネル上部を埋戻すことによりトンネルが完成する。
図7〜図9は、長さ50m程度の函体aの沈設に用いられ、掘削部2に土留めブレードと数種の掘削機を組み合わせた掘削設備を備えた水底掘削推進機1の具体例である。掘削部2の両側の側壁2aに連続するようにテール部3の側壁4がそれぞれ配置され、中折れ機構5を介して連結され、掘削部2に対して一対の側壁4、4が上下・左右に傾動できるように、即ち、一対の側壁4、4に対して掘削部2が上下・左右に首振りできるように構成されている。
この具体例では、図8に示すように、中折れ機構5には、テール部3に対して掘削部2を例えば1m程度掘進させる掘進用シリンダ8が用いられている。この掘進用シリンダ8側壁2aと側壁4の端部同士を連結するように上下・左右に一対で合計4本程度配置されており、各掘進用シリンダ8の伸縮量を調整することにより、掘削部2を上下・左右に首振りさせることができ、トンネルの縦断勾配変化部あるい曲線や方向修正に対応できるようにされている。なお、側壁2aと側壁4の端部同士は、上下・左右に可動の係合部により接合されている。
推進ジャッキ7は、一対の側壁4、4の内面にそれぞれ上下一対で設けられ、合計4本程度配置されており、ロッド先端が既設の函体aの先端面に着脱可能に取付けられ、シリンダ基部も側壁4の内面に着脱可能に取付けられ、盛替えができるようにされている。この推進ジャッキ7のストロークは、掘進用シリンダ8と同様に1m程度とされている。
水底掘削推進機1の前進は、これらの推進ジャッキ7と掘進用シリンダ8を用いて、尺取り式に行うことになる。即ち、掘削部2を側壁4および既設の函体aに反力を取って掘進用シリンダ8で1m程度掘進し、次いで一対の側壁4、4を既設の函体aに反力を取って推進ジャッキ7により1m程度推進し、これを順次繰り返して、水底掘削推進機1を1函体分だけ前進させる。
掘削部2の前面には、図8に示すように、掘進方向に平行な一対の土留めブレード30、30がその外面が側壁2a・側壁4の外面と面一となるように設けられており、この一対のブレード30、30で挟まれた箇所を、図9に示すような、砂岩ズリ用ショベル31、砂岩ズリ用グラブバケット32、現地盤の粘性土用回転ドラム浚渫機33で掘削(浚渫)する。これらの掘削機を土質等に応じて適宜使い分ける。
土留めブレード30は、図8に示すように、全体の側面形状が下に向かって突出長さが短くなる略三角形であり、また上下に3分割され、それぞれがストローク3m程度の移動用シリンダ34で地山に容易に貫入できるようにされている。
砂岩ズリ用ショベル31は、図8、図9(a) に示すように、掘削部2の上面に設置した回転ベース35に基部が取付けられ、また掘削溝幅方向に一対で配置されており、バケットで砂岩ズリをすくい取り、ホッパー・ストックビン36を介してクラッシャー37へ供給し、ポンプ38で海上の船まで圧送する。潮流の影響を受けずに、任意の位置を確実に掘削できる。また、汎用機械を改造して適用できる。
砂岩ズリ用グラブバケット32は、図9(b) に示すように、掘削部2の前面側にオーバーハングした門型クレーン39に取付け、砂岩ズリを掴み取り、ホッパー・ストックビン36を介してクラッシャー37へ供給し、ポンプ38で海上の船まで圧送する。潮流が速いとグラブバケットの位置決めが難しい。陸上の機械を改造して適用できる。
回転ドラム浚渫機33は、図9(c) に示すように、ブーム40の先端に取付け、回転ドラム式の切削機で掘削した土砂(粘性土)をポンプ41で海上の船まで圧送する。ブームを操作し任意の位置の掘削が正確にできる。汎用機械ではないが実績がある。
なお、これらの掘削機は、上記のような掘削機に限らず、土質等に応じて種々の掘削機を使用できることはいうまでもない。
なお、以上は、海底トンネルに適用した場合について説明したが、その他の水底トンネルにも適用できる。また、縦断勾配変化部のあるトンネルについて説明したが、縦断勾配変化部のないトンネルにも適用できる。
本発明の水底掘削推進機の基本構造を示す斜視図である。 図1の水底掘削推進機の施工状態を示したものであり、(a) は横断面図、(b) は側面図である。 本発明が適用されるトンネルの縦断勾配の一例を示す側面図である。 縦断勾配変化部における本発明の水底掘削推進機の動作を順に示す側面図である。 本発明の水底掘削推進機による水底トンネル工法の一例を工程順に示す側面図(前半部分)である。 本発明の水底掘削推進機による水底トンネル工法の一例を工程順に示す側面図(後半部分)である。 本発明の水底掘削推進機の具体例を示したものであり、(a) は側面図、(b) は平面図である。 図7の前部の掘削部付近を示したものであり、(a) は側面図、(b) は平面図である。 本発明で用いる掘削部の種々の掘削手段を示す側面図であり、(a) は砂岩ズリ用ショベル方式、(b) は砂岩ズリ用グラブバケット方式、(c) は粘性土用回転ドラム浚渫機方式である。 従来の沈埋トンネル工法を示す横断面図である。 従来の水底掘進機を用いるトンネル工法であり、(a) は横断面図、(b) は側面図である。
符号の説明
A……海底トンネル(水底トンネル)
a……函体(トンネルエレメント)
B……海底地盤(水底地盤)
C……掘削地盤
1……水底掘削推進機
2……掘削部
2a…側壁
3……テール部
4……側壁
5……中折れ機構
6……つなぎ材
7……推進ジャッキ
8……掘進用シリンダ
10……基礎栗石
11……仮支承(鉛直ジャッキ)
12……モルタル
13……モルタル基礎
14……側部埋戻し
20……締切壁
21……立坑
22……接続端部
23……バルクヘッド
24……浚渫船
25……起重機船
30……土留めブレード
31……砂岩ズリ用ショベル
32……砂岩ズリ用グラブバケット
33……粘性土用回転ドラム浚渫機
34……移動用シリンダ
35……回転ベース
36……ホッパー・ストックビン
37……クラッシャー
38……ポンプ
39……門型クレーン
40……ブーム
41……ポンプ

Claims (6)

  1. 水底の地盤を水底掘削推進機で掘進しつつ、掘進後の掘削地盤上に複数の函体を互いに接合しながら設置して水底トンネルを構築する水底トンネルの施工方法であり、
    水底掘削推進機を、前部の掘削部と、掘進方向に平行な側壁を対向配置してなるテール部とから構成し、前記一対の側壁間の掘削地盤上に函体を沈設した後、前記水底掘削推進機を1函体分だけ前進させ、側壁間への函体の設置と1函体分の前進を順次繰り返して水底トンネルを構築することを特徴とする水底トンネルの施工方法。
  2. 請求項1に記載の施工方法において、一対の側壁間の掘削地盤上に基礎を施工した後、この基礎上に函体を沈設することを特徴とする水底トンネルの施工方法。
  3. 請求項1または2に記載の施工方法において、縦断勾配を有するトンネルの縦断勾配変化部を、掘削部に対して一対の側壁を上下方向に折曲させることにより、通過させることを特徴とする水底トンネルの施工方法。
  4. 水底の地盤を掘進しつつ、掘進後の掘削地盤上に複数の函体を互いに接合しながら設置して水底トンネルを構築する際に使用される水底掘削推進機であり、
    水底の地盤を掘削する掘削手段を備えた前部の掘削部と、掘進方向に平行な側壁を函体を収納可能に対向配置してなるテール部と、掘削部に対してテール部を折曲げ可能に連結する中折れ機構と、掘削部およびテール部を前進させるための推進ジャッキを備えていることを特徴とする水底掘削推進機。
  5. 請求項4に記載の水底掘削推進機において、中折れ機構は、掘削部とテール部を連結する複数の掘進用シリンダから構成されていることを特徴とする水底掘削推進機。
  6. 請求項4または5に記載の水底掘削推進機において、掘削部の前面に掘進方向に平行な土留めブレードが対向配置され、この一対の土留めブレード間を掘削可能な掘削機が掘削部に装備されていることを特徴とする水底掘削推進機。
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