JP2006028334A - 蛍光体ペースト - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明の目的は、塗布・印刷性が優れるとともに、バインダー樹脂の熱分解性が優れた蛍光体ペーストを提供することである。
【解決手段】本発明の蛍光体ペーストは、蛍光体粉末とバインダー樹脂と溶媒とを含有する蛍光体ペーストにおいて、バインダー樹脂が、ポリアルキレングリコール誘導体であることを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、プラズマディスプレイパネル(以下PDPという)などの蛍光体を発光させる表示装置に使用する蛍光体ペーストに関するものである。
PDPは、隔壁によって仕切られた小さなセルが縦横方向に配列されており、各セルの隔壁内面および底面には蛍光体からなる層(蛍光体層)が形成されており、セルごとに放電することによって封入されている希ガスから発生する紫外線(波長147nmおよび172nm)が蛍光体に照射されて、蛍光体が発光して画像を表示するものである。このような構造を有するPDPは、CRTのような奥行きが必要ないため、薄くて平坦な画面が可能であるとともに、自己発光性であるため視野角が広いという特徴を有する。また、大画面の製造が容易であるという工業上の利点もある。
セルの内面(隔壁内面および底面)に蛍光体層を形成するには、まず、蛍光体粉末をバインダー樹脂と溶媒とで均一に分散したペーストを製造し、これを所定のセル内にスクリーン印刷法により印刷する。続いて、印刷した蛍光体ペーストを400〜550℃で焼成することよって、有機成分を分解または焼却してセルの内面に蛍光体層を形成する方法が一般的である。
カラー映像を表示するためには、赤色、緑色および青色の光源が必要であり、PDPには希ガスから発生する紫外線を吸収して赤色、緑色および青色に発光する3種類の蛍光体が用いられている。中でも青色に発光する蛍光体は、酸素存在雰囲気で焼成すると輝度が低下しやすい。そのため、パネル全体の輝度が低下しやすいとともに、赤味、黄味を帯びた表示となり、色の再現性や精彩性が悪化しやすい。
また、蛍光体ペーストの焼成が充分でなく、蛍光体層に有機物の分解物等が残存すると、蛍光体の輝度が低下しやすいため、焼成工程において有機物を完全に分解または焼却しておく必要がある。
蛍光体ペーストのバインダー樹脂としては、スクリーン印刷法による印刷特性を高めるためにセルロース樹脂が一般的に使用されている(例えば、特許文献1参照。)。
また、アクリル樹脂をバインダー樹脂に用いた蛍光体ペーストも提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
特開平7−201281号公報 特開平10−324869号公報
しかし、特許文献1に記載の蛍光体ペーストは、PDP用蛍光体の塗布のために使用するバインダー樹脂の熱分解性が良好とは言い難いため、有機成分が残存しやすい。
また、特許文献2に記載の蛍光体ペーストは、バインダー樹脂の分解温度が高いため、蛍光体の種類によっては酸化されて蛍光体の輝度が低下したり、発光色が変色したりするおそれがある。
本発明の目的は、塗布・印刷性が優れるとともに、バインダー樹脂の熱分解性が優れた蛍光体ペーストを提供することである。
本発明者は、バインダー樹脂について鋭意検討した結果、ポリアルキレングリコール誘導体、具体的にはウレタン結合やカーボネート結合を有するポリアルキレングリコール誘導体をバインダー樹脂に使用すると塗布・印刷性に優れるとともに、低温で熱分解できることを見いだし本発明として提案するものである。
すなわち、本発明の蛍光体ペーストは、蛍光体粉末とバインダー樹脂と溶媒とを含有する蛍光体ペーストにおいて、バインダー樹脂が、ポリアルキレングリコール誘導体であることを特徴とする。
本発明の蛍光体ペーストは、塗布・印刷性が優れる。また、バインダー樹脂の熱分解性が優れており、焼成温度を低くできるため、焼成しても蛍光体の輝度の劣化や発光色の変色を抑制することができる。そのため、このペースト用いてPDPを作製すると、焼成ムラが発生しにくいため、輝度が均一であり、色の再現性や精彩性が良好である。
また、上記バインダーは、焼成時において隔壁、誘電体、封着用途のガラス(鉛硼酸系、リン酸錫系、ビスマス硼酸系ガラス等)等のPDPの内部部材に影響を与えるような分解ガスを発生させない。有害な分解ガスを発生させない原因は不明であるが、おそらくバインダー樹脂の分子鎖の構造に起因しているのではないかと推定する。
本発明の蛍光体ペーストは、ポリアルキレングリコール誘導体の質量平均分子量が、1万〜500万であると、塗布・印刷性が良好となる粘性が得られやすいため好ましい。好ましい質量平均分子量は、3万〜100万である。質量平均分子量が小さすぎると、粘性が低くなるため、良好な塗布・印刷性が得られにくく、質量平均分子量が大きすぎると、分解終了が高くなるため、良好な塗布・印刷性が得られにくい。
本発明の蛍光体ペーストは、ポリアルキレングリコール誘導体の分解温度が200〜400℃であると、蛍光体の輝度の低下を抑制しやすい。つまり、蛍光体が焼成時の熱によって劣化しにくく、バインダー樹脂が分解しやすいため、有機物が残存しにくいからである。好ましい分解温度は250〜350℃である。ポリアルキレングリコール誘導体の分解温度が低すぎると焼成前の工程で熱分解が生じるため取り扱いにくく、また、分解温度が高すぎると蛍光体の輝度が低下しやすい。なお、分解温度とは、バインダー樹脂を10℃/分で昇温して熱質量分析を行なった際の第2屈曲点の温度を指す。
本発明の蛍光体ペーストは、バインダー樹脂として使用するウレタン結合を有するポリアルキレングリコール誘導体が直鎖であるとペーストの粘性を高めやすいため好ましく、また、複数個のウレタン結合を有すると熱分解性に優れるため好ましい。
以下にウレタン結合を有するポリアルキレングリコールについて説明する。
直鎖で複数個のウレタン結合を有するポリアルキレングリコール誘導体は、末端にそれぞれ水酸基を有するポリアルキレングリコールと、2つのイソシアナート基を有する化合物(ジイソシアナート化合物)を混合することによって合成することができる。
ポリアルキレングリコールとしては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコールとポリプロピレングリコールの共重合体が使用可能である。
また、2つのイソシアナート基の間が直鎖もしくは側鎖を有する脂肪族炭化水素基であるジイソシアナート化合物としては、メチレンジイソシアナート、エチレンジイソシアナート、トリメチレンジイソシアナート、1−メチルエチレンジイソシアナート、テトラメチレンジイソシアナート、ペンタメチレンジイソシアナート、2−メチルブタン−1,4−ジイソシアナート、ヘキサメチレンジイソシアナート(HDI)、ヘプタメチレンジイソシアナート、2,2’−ジメチルペンタン−1,5−ジイソシアナート、オクタメチレンジイソシアナート、2,5−ジメチルヘキサン−1,6−ジイソシアナート、2,2,4−トリメチルペンタン−1,5−ジイソシアナート、ノナメチルジイソシアナート、2,2,4−トリメチルヘキサンジイソシアナート、2,4,4−トリメチルヘキサンジイソシアナート、デカメチレンジイソシアナート、ウンデカメチレンジイソシアナート、ドデカメチレンジイソシアナート、トリデカメチレンジイソシアナート、テトラデカメチレンジイソシアナート、ペンタデカメチレンジイソシアナート、ヘキサデカメチレンジイソシアナートなどが挙げられる。
また、2つのイソシアナート基の間が脂環式炭化水素基であるジイソシアナート化合物としては、シクロヘキサン−1,2−ジイソシアナート、シクロヘキサン−1,3−ジイソシアナート、シクロヘキサン−1,4−ジイソシアナート、1−メチルシクロヘキサン−2,4−ジイソシアナート、1−エチルシクロヘキサン−2,4−ジイソシアナート、4,5−ジメチルシクロヘキサン−1,3−ジイソシアナート、1,2−ジメチルシクロヘキサン−ω,ω’−ジイソシアナート、1,4−ジメチルシクロヘキサン−ω,ω’−ジイソシアナート、イソホロンジイソシアナート(IPDI)、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアナート、ジシクロヘキシルメチルメタン−4,4’−ジイソシアナート、ジシクロヘキシルジメチルメタン−4,4’−ジイソシアナート、2,2’−ジメチルジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアナート、3,3’−ジメチルジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアナート、4,4’−メチレン−ビス(イソシアナトシクロヘキサン)、ノルボルネンジイソシアナートなどが挙げられる。
さらに、2つのイソシアナート基の間が芳香族炭化水素基であるジイソシアナート化合物としては、1,3−フェニレンジイソシアナート、1,4−フェニレンジイソシアナート、1−メチル−2,4−フェニレンジイソシアナート(2,4−TDI)、1−メチル−2,6−フェニレンジイソシアナート(2,6−TDI)、1−メチル−2,5−フェニレンジイソシアナート、1−メチル−3,5−フェニレンジイソシアナート、1−エチル−2,4−フェニレンジイソシアナート、1−イソプロピル−2,4−フェニレンジイソシアナート、1,3−ジメチル−2,4−フェニレンジイソシアナート、1,3−ジメチル−4,6−フェニレンジイソシアナート、1,4−ジメチル−2,5−フェニレンジイソシアナート、ジエチルベンゼンジイソシアナート、ジイソプロピルベンゼンジイソシアナート、1−メチル−3,5−ジエチルベンゼン−2,4−ジイソシアナート、3−メチル−1,5−ジエチルベンゼン−2,4−ジイソシアナート、1,3,5−トリエチルベンゼン−2,4−ジイソシアナート、ナフタリン−1,4−ジイソシアナート、ナフタリン−1,5−ジイソシアナート、1−メチルナフタリン−1,5−ジイソシアナート、ナフタリン−2,6−ジイソシアナート、ナフタリン−2,7−ジイソシアナート、1,1−ジナフチル−2,2’−ジイソシアナート、ビフェニル−2,4’−ジイソシアナート、ビフェニル−4,4’−ジイソシアナート、3,3’−ジメチルビフェニル−4,4’−ジイソシアナート、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアナート、ジフェニルメタン−2,2’−ジイソシアナート、ジフェニルメタン−2,4’−ジイソシアナートなどが挙げられる。
本発明の蛍光体ペーストは、バインダー樹脂として使用するカーボネート結合を有するポリアルキレングリコール誘導体が直鎖であるとペーストの粘性を高めやすいため好ましく、また、複数個のカーボネート結合を有すると熱分解性に優れるため好ましい。
以下にカーボネート結合を有するポリアルキレングリコールについて説明する。
直鎖で複数個のカーボネート結合を有するポリアルキレングリコール誘導体は、末端にそれぞれ水酸基を有するポリアルキレングリコールと、ホスゲンまたは1−1‘−カルボニルジイミダゾールを混合することによって合成することができる。
ポリアルキレングリコールとしては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコールとポリプロピレングリコールの共重合体が使用可能である。
本発明の蛍光体ペーストは、蛍光体粉末とバインダー樹脂の質量比(蛍光体粉末/バインダー樹脂)が3〜15であると好ましい。さらに好ましくは3〜12である。バインダー樹脂の量が多すぎると、蛍光体粉末がバインダー樹脂の影響を受けて十分な輝度が得られにくい。また、蛍光体粉末が多すぎると、蛍光体層を適度な厚さ(5〜35μm)に形成しにくい。
PDPには、波長147nmまたは172nmの紫外線を吸収して、赤色、緑色または青色に発光する蛍光体粉末をそれぞれ含有する3種類の蛍光体ペーストが使用される。
赤色に発光する蛍光体粉末としては、YVO4:Eu、Y2SiO5:Eu、Y3Al512:Eu、Zn2(PO42:Mn、GdBO3、ScBO3:Eu、LuBO3:Eu、Y(P,V)O4:Eu、YBO3:Eu、(Y,Gd)BO3:Eu、Y23:Eu、(Y,Gd)23:Eu等が挙げられるが、好ましくは(Y,Gd)BO3:Eu、Y23:Eu、Y(P,V)O4:Eu、(Y,Gd)23:Euから選ばれる少なくとも一種が含まれることである。特に好ましくは、(Y、Gd)BO3:Euである。色純度と輝度のバランスが最も取れているためである。
緑色に発光する蛍光体粉末としては、Y3(Al、Ga)512:Ce、BaMg2Al1424:Mn、BaMgAl1422:Mn、SrAl1219:Mn、ZnAl1219:Mn、CaAl1219:Mn、YBO3:Tb、LuBO3:Tb、GdBO3:Tb、ScBO3:Tb、Sr4Si38Cl4:Eu、Zn2SiO4:Mn、BAl1219:Mn等が使用可能である。Zn2SiO4:Mn、BaAl1219:MnおよびYBO3:Tbからなる群から選ばれる一種または二種以上の蛍光体が使用されると、短い残光時間、色純度および輝度のバランスが最も取れているため好ましい。
青色に発光する蛍光体粉末としては、BaMgAlxy:Eu(x、yは1〜50の整数)、CaWO4:Pb、CaWO4:W、Sr3(PO42:Eu、Ba3(PO42:Eu、Y2SiO5:Ce、SrMg(SiO42:Eu、BaMg2Al1424:Eu、SrCl(PO43:Eu、Y2Si5:Ce等が使用可能である。BaMgAl1424:Eu、BaMgAl1017:EuおよびSrMg(SiO42:Euからなる群から選ばれる一種または二種以上の蛍光体が使用されると高輝度であるため好ましい。特に、BaMgAl1017:Euは高輝度で、色純度および輝度のバランスが最も良く輝度劣化が最も少ないため好ましい。
パネルのコントラストを高める目的で蛍光体表面に顔料成分を付着、被着させたものを使用することもできる。この場合の顔料の付着、被着の方法は問わない。
本発明の蛍光体ペーストに用いる溶媒としては、バインダー樹脂にウレタン結合を有するポリアルキレングリコール誘導体を用いる場合、バインダー樹脂を溶解できる溶媒であれば使用可能であるが、N、N’−ジメチルホルムアミド(DMF)、テルピネオール、γ−ブチロラクトン(γ−BL)、テトラリン、ブチルカルビトールアセテート(BCA)、酢酸エチル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ベンジルアルコール、トルエン、3−メトキシ−3−メチルブタノール、水、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、または、トリプロピレングリコールモノブチルエーテルであると、バインダー樹脂の溶解度が高くなる傾向があるため好ましい。なお、溶媒は単独でまたは2種以上の溶媒を混合して用いることができる。なかでも、N、N’−ジメチルホルムアミド(DMF)は、バインダー樹脂の溶解能が非常に高いため、バインダー樹脂濃度を調整しやすく好ましい。
本発明の蛍光体ペーストに用いる溶媒としては、バインダー樹脂にカーボネート結合を有するポリアルキレングリコール誘導体を用いる場合、バインダー樹脂を溶解できる溶媒であれば使用可能であるが、プロピレンカーボネート、アセトニトリル、N,N’−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチル−2−ピロリドン、ニトロメタン、ε−カプロラクトン、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、アセトン、エチルメチルケトンまたはテトラヒドロフランであると、バインダー樹脂の溶解度が高くなる傾向があるため好ましい。なお、溶媒は単独でまたは2種以上の溶媒を混合して用いることができる。なかでも、N、N’−ジメチルホルムアミド(DMF)は、バインダー樹脂の溶解能が非常に高いため、バインダー樹脂濃度を調整しやすく好ましい。
次に、隔壁間に蛍光体層を形成する方法について説明する。
通常は、隔壁側面上に厚さ5〜35μm、隔壁間に形成される空間の底部に同じく厚さ5〜35μmの蛍光体層を形成する。隔壁間に蛍光体層のパターンを形成する方法としては、スクリーン印刷法、感光性ペースト法、インクジェット法、ディスペンサー法、低圧吐出法などの方法を用いることができる。
以下にパターン形成方法の一例として、ディスペンサー法について説明する。
ディスペンサー法とは複数のノズルを有する口金の吐出ノズル先端から蛍光体ペーストを吐出して、直接隔壁間のセルにペーストを充填してパターンを形成する方法である。この工程を赤色、青色および緑色の蛍光体についてそれぞれ1回づつ、3回繰り返すことによってパターンを形成する。ディスペンサー法は現像によって3分の2のペーストを廃棄する感光性ペースト法などに比べると、材料の使用効率が高い。
次に、充填された蛍光体ペーストを乾燥装置で乾燥する。このようにして作られた蛍光体層を焼成することによって、バインダー樹脂成分を分解、焼却させる。焼成条件としては通常200〜500℃で10分〜1時間焼成することが好ましい。さらに好ましくは250〜450℃である。上記下限値未満では、焼成が不充分でありバインダー樹脂を十分に除去することができにくく、バインダー樹脂が残り発光輝度の低下につながる傾向がある。また、上記上限値を越えると、無機物の蛍光体粉末が劣化し輝度が低下する傾向がある。
以下、本発明について実施例を用いて詳細に説明する。
表1は、実施例1〜5を示し、表2は、比較例1、2を示す。
(実施例1)
まず、ウレタン結合を有するポリエチレングリコール誘導体(三井化学株式会社製 ビスコスター50k)20質量部と、ベンジルアルコール80質量部とを丸底フラスコに投入し、60℃で1時間攪拌してビークルを製作した。
次に、ビークル50質量部に対して青色蛍光体粉末50質量部を添加して攪拌した後に、3本ローラーで混練して蛍光体ペーストを作製した。
なお、青色蛍光体粉末としては、比重が3.7g/cm3、平均粒径が4.9μmのBaMgAl1017:Euからなる粉末を用いた。平均粒径は、レーザ回折式粒度分布測定装置(株式会社島津製作所製 SALD2000)を用いて測定した。
上記のようにして製作した蛍光体ペーストを、高歪点ガラス基板(日本電気硝子株式会社製 PP−8)上に、厚みが20μmになるようスクリーン印刷し、120℃で30分間乾燥した後、400℃で10分間焼成した。
焼成して得られた蛍光体層を高歪点ガラス基板から剥離して、粉末として回収し、得られた粉末に波長146nmの紫外線を照射した際の、発光輝度を測定し、未焼成粉末を100としたときの相対輝度を算出した。なお、紫外線光源として146nmのエキシマ光源(ウシオ電機株式会社製)を用い、測定には輝度計(大塚電子株式会社製 MCPD2000)を用いた。
(実施例2〜4)
ウレタン結合を有するポリエチレングリコール誘導体(三井化学株式会社製 ビスコスター分子量変更試作品)の質量平均分子量、および蛍光体ペーストの原料(バインダー樹脂、蛍光体粉末、溶媒)の混合割合をそれぞれ表1記載のようにした以外は実施例1と同様に蛍光体ペーストを作製した。
(実施例5)
バインダー樹脂にカーボネート結合を有するポリエチレングリコール誘導体(住友精化株式会社製 ポリエチレンカーボネート)と、溶媒にDMFを用いた以外は実施例1と同様に蛍光体ペーストを作製した。
(比較例1)
バインダー樹脂としてアクリル樹脂(ポリメチルメタクリレート、質量平均分子量10万)を用いた以外は実施例1と同じ組成で蛍光体ペーストを作製した。
(比較例2)
バインダー樹脂としてエチルセルロース(質量平均分子量5万)を用いた以外は実施例1と同じ組成で蛍光体ペーストを作製した。
表1から明らかなように、実施例1〜5は、相対輝度は92%以上と高く、蛍光体の輝度の低下が小さかった。
一方、表2から明らかなように、比較例1、2は、相対輝度は79%以下であり、蛍光体の輝度の低下が大きかった。
本発明の蛍光体ペーストは、PDP用途はもちろんのこと、CRT、FED、蛍光灯、蛍光表示管等の用途にも使用可能である。

Claims (12)

  1. 蛍光体粉末とバインダー樹脂と溶媒とを含有する蛍光体ペーストにおいて、バインダー樹脂が、ポリアルキレングリコール誘導体であることを特徴とする蛍光体ペースト。
  2. ポリアルキレングリコール誘導体の質量平均分子量が、1万〜500万であることを特徴とする請求項1に記載の蛍光体ペースト。
  3. ポリアルキレングリコール誘導体の分解温度が200〜400℃であることを特徴とする請求項1または2に記載の蛍光体ペースト。
  4. ポリアルキレングリコール誘導体がウレタン結合を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の蛍光体ペースト。
  5. ポリアルキレングリコール誘導体がカーボネート結合を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の蛍光体ペースト。
  6. 蛍光体粉末とバインダー樹脂との質量比(蛍光体粉末/バインダー樹脂)が、3〜15であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の蛍光体ペースト。
  7. 蛍光体粉末が、波長147nmの紫外線によって可視光線を発光することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の蛍光体ペースト。
  8. 蛍光体粉末が、(Y,Gd)BO3:Eu、Y23:Eu、Y(P,V)O4:Euまたは(Y,Gd)23:Euを含有することを特徴する請求項1〜7のいずれかに記載の蛍光体ペースト。
  9. 蛍光体粉末が、Zn2SiO4:Mn、BaAl1219:MnまたはYBO3:Tbを含有することを特徴する請求項1〜7のいずれかに記載の蛍光体ペースト。
  10. 蛍光体粉末が、BaMgAl1424:Eu、BaMgAl1017:EuまたはSrMg(SiO42:Euを含有することを特徴する請求項1〜7のいずれかに記載の蛍光体ペースト。
  11. 溶媒として、N、N’−ジメチルホルムアミド、テルピネオール、γ−ブチロラクトン、テトラリン、ブチルカルビトールアセテート、酢酸エチル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ベンジルアルコール、トルエン、3−メトキシ−3−メチルブタノール、水、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、または、トリプロピレングリコールモノブチルエーテルを用いることを特徴とする請求項1〜3、5〜10のいずれかに記載の蛍光体ペースト。
  12. 溶媒として、プロピレンカーボネート、アセトニトリル、N,N’−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチル−2−ピロリドン、ニトロメタン、ε−カプロラクトン、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、アセトン、エチルメチルケトンまたはテトラヒドロフラン用いることを特徴とする請求項1、2、4〜10のいずれかに記載の蛍光体ペースト。
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