JP2006026227A - 動物の肉片採取方法 - Google Patents

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Abstract

【目的】
動物への耳標装着時、動物から採取した肉片をDNA鑑定用として使用されている鑑定用の容器に直接採取できないため、その鑑定用の容器に肉片を直接採取できる肉片採取方法を提供することを目的とする。
【解決手段】
耳標を動物に装着するためのアプリケータ4に鑑定に使用できる容器3をセットできるようにして、耳標装着時に、雄部材1の耳殻貫通体11の頭部12の分離可能な先端子13で動物の肉片を切断し且つ付着部14に付着させて、耳殻貫通体11の頭部12が雌部材2の係合部21に係合された後に頭部12から先端子13を分離させ、肉片が付着する分離した先端子13をアプリケータ4にセットした鑑定に使用できる容器3に収容する。

【選択図】 図1


Description

本発明は、耳標を家畜等の動物に装着する際、同時にその動物の肉片をサンプルとして採取する方法に関するものである。
近年、DNA鑑定等の検査用として採取される動物の肉片(肉片に付着する血液を含む。以下同じ。)は、動物の個体を識別するための耳標を動物に装着する際に行われる。
すなわち、耳標の雄部材を雌部材に嵌合させる際、雄部材の動物の耳殻に通す耳殻貫通体頭部の分離する先端子に付着した動物の肉片をサンプル用として確保している。
詳しくは、耳標装着の際に動物の耳殻を貫通し且つ雌部材に逆戻り不能に係着する雄部材の耳殻貫通体の分離する先端子に、動物の耳殻を貫通した際に先端子に付着する肉片を雌部材にセットされた容器内に収容すると共に、分離された先端子がその容器の開口に嵌合して容器の蓋となるように構成されている。
この耳標は、図10/図11(耳標の雄部材/雌部材および容器は内部を透視するものである)のように、円盤状の本体に頭部A12と先端子A13を有する耳殻貫通体A11が立設された雄部材A1と、雄部材A1の頭部A12が係合すると共に容器A3の口部A31が嵌合する係合部A21が設けられた雌部材A2と、雄部材A1の先端子A13が開口の蓋となる容器A3とからなる。また、容器A3は耳標装着時などに雌部材A2の係合部A21の開口に嵌合され固定される。
そして、雄部材A1と容器A3をセットした雌部材A2が耳標装着具(アプリケータ−)にセット各々されて、耳標装着具の操作によって雄部材A1の先端子A13が耳殻を貫通する際に先端子A13の付着部A14に肉片が付着され、また、雄部材A1の頭部A12が雌部材A2の係合部A21に係合する。その後、雄部材A1の先端子A13は頭部A12から分離されて容器A3の開口に嵌合する。すなわち、先端子A13は容器A3の開口の蓋となり、また、肉片が付着した付着部A14は容器A3の収容室A32内に位置する。
しかしながら、容器の開口が形成される口部の外径寸法は、雄部材の耳殻貫通体が係着される雌部材の係合部の径に等しくなければ容器の口部を雌部材にセットできないので、耳標用として専用の容器が用意されている。すなわち、従来からDNA鑑定に使用されている鑑定用容器は耳標の雌部材にはセットできないのである。
このため、DNA鑑定を行う際は、耳標にセットされる肉片採取用の容器からDNA鑑定で用いられる鑑定用容器にサンプルの肉片を移し変える必要があった。
従って、本発明は上述した問題点に鑑みてなされたもので、少なくともDNA鑑定に用いられる容器と同一寸法の容器を用いて行うことができる肉片採取方法を提供することを目的とするものである。
本発明の要旨とするところは、雄部材と雌部材からなる耳標を動物へ装着する際、同時にその動物の肉片を採取する方法であって、耳標を耳標装着具によって動物に装着する時、雄部材の耳殻貫通体の分離可能な先端子で動物の肉片を切断し、耳殻貫通体に形成する頭部が雌部材の係合部に係合された後、耳殻貫通体から先端子を分離させ、その分離した先端子を耳標装着具の任意の部位にセットした容器に収容することを特徴とする動物の肉片採取方法である。
本発明の肉片採取方法を詳しく説明すると、雄部材と雌部材からなる耳標とは、家畜等の動物の個体を識別するために動物の耳殻に装着する標識である。耳標の雄部材には、少なくとも偏平な本体に動物の耳殻を貫くことができる耳殻貫通体が設けられ、その耳殻貫通体の頭部は逆戻り不能に雌部材に係合でき、さらに、その頭部の先端子が動物の耳殻を貫いた際に耳殻の肉片を付着できる。また、その肉片が付着した先端子は分離することができる。
雄部材の具体的な形態は、本体プレートにシャフト状の耳殻貫通体が立設されており、その耳殻貫通体の先にシャフト径より広い返し部が形成された先細の頭部がある。また、その頭部の先には分離できる先端子があって、先端子の先端は肉片が付着できるように窪みを有しており、また、先端子の縁は鋭利になっている。そして、本体プレートと耳殻貫通体と頭部は一体的に成型されており、それらの内部は中空になっている。
耳標の雌部材には、少なくとも偏平な本体に雄部材の耳殻貫通体の頭部を逆戻り不能に係合できる係合部が設けられている。
雌部材の具体的な形態は、雄部材の少なくとも返し部が形成された頭部が通過できるようになっており且つ頭部の返し部より狭い通孔が形成された本体プレートに、その頭部を収容でき且つ頭部の先端子が通過できる通孔が形成された係合部が形成されている。また、本体プレートと係合部は一体的に成型されている。そして、本体プレートに続く柔軟な偏平札部を設けてもよい。
さらには、この係合部をタンパープルーフ構造にしてもよい。すなわち、耳標の装着後、何らかの力によって雄部材の脚部が切断されて耳標(雄部材/雌部材)が脱落した場合、雄部材の脚部の頭部が雌部材の係合部内に残れるようにした構造である。
そして、少なくともこの雌部材に、家畜等の動物の個体を識別するための任意の識別表示が設けられている。
識別表示の形態は、雌部本体または雌部材の雄部材との係合部の下方に、連結または一体的に設けられた札状の柔軟なプレートに文字/数字/記号/バーコードが印刷等によって表示される。また、無線通信によって個体情報を読み取りまたは読み書きすることができる少なくともコイルとICからなるトランスポンダが配置される。さらに、印刷による表示と電子的表示が併用される。そして、上記の識別表示が雌部材の本体等や本体プレートに続く偏平札部に設けられる。
そして、上述の耳標を動物の耳殻に装着するための機具が、アプリケータまた鉗子と呼ばれている耳標装着具である。
本発明で用いる耳標装着具は、耳標を動物の耳殻に装着でき且つ耳殻貫通体の分離された動物の肉片が付着した先端子を収容するための任意の容器をセットできるセット手段が設けられたものである。この耳標装着具は、本方法に適合させたものを新規に製造してもよいが、従来の鉗子を任意に改造して用いてもよい。また、耳標装着具に、肉片が付着した先端子を収容するための容器のセット手段を耳標装着具と着脱自在に構成してもよい。
耳標装着具に設けられたセット手段の構造も特に限定するものではない。具体的には、容器の口部を耳標装着具の所定部位に嵌合セットできる構造、また、容器の口部に形成する鍔部を耳標装着具の所定部位に形成する溝に嵌めてスライドセットできる構造、さらには、容器の口部に形成するネジ部を耳標装着具の所定部位に形成するネジ部に螺合セットできる構造としてもよい。しかして、少なくともDNA鑑定に使用できる容器をセットできるようにする。勿論、DNA鑑定以外の用途に用いられる容器をセットできるようにしてもよい。また、容器も所望の形状にしてもよい。そして、前述の容器の口部開口に逆行防止弁を設けてもよい。
そして、容器に耳標に表示される任意の動物識別表示と同一の動物識別表示を表示するのが望ましい。すなわち、印刷による表示の文字/数字/記号/バーコード、また、電子的表示のトランスポンダであり、さらには、印刷による表示と電子的表示を併用してもよい。
本発明の動物の肉片採取方法は以上のような方法であるので、動物への耳標装着という必ず実施される作業の中で、DNA鑑定に必要とされる動物の肉片又は肉片に付着する血液の採取ができる。また、肉片を収容する容器も、DNA鑑定の際に使用される容器をそのまま使用することができるので、肉片の搬送から保管そして鑑定まで一つの容器で行うことができる。
また、使用する容器に、動物に装着される耳標に表示される個体識別表示と同一の表示がされているので、採取した肉片を管理する上で被サンプル動物の個体識別表示を入手する必要もなく、効率的にもまた信頼性にも優れた検査システムを構築することができる。
従って、本発明による動物の肉片採取方法は、食の安全性が問われる今日の生産現場において非常に歓迎される肉片採取方法である。
本発明の動物の肉片採取方法を以下図面に従って説明すると、図1および図2は、肉片採取の実施図であり、図1は耳標装着用のアプリケータに耳標の雄部材1と雌部材2また容器3をセットした状態を示す図、図2は雄部材1と雌部材2が係合された状態を示す図である。また、図の耳標(雄部材/雌部材)および容器は内部を透視するものである。本図の例は、雄部材1の先端子13が容器3の開口の蓋となるものである。また、図は耳標および容器の内部を透視している。
1は耳標の雄部材、11は耳殻貫通体、12は雌部材2の係合部21に係合する耳殻貫通体11の頭部、13は頭部11に有する分離する先端子、14は耳殻貫通の際に切断した肉片が付着する付着部である。2は耳標の雌部材、21は雄部材1の耳殻貫通体11の頭部12が係合する係合部である。3は肉片を収容するための容器、31は容器3の口部、32は収容室である。4は耳標装着用のアプリケータ、41は雄部材1をセットする側のアーム、42は雌部材2をセット側のアーム、43は雄部材1の先端子13を分離させるためのプッシャーロッドである。
図3は、耳標装着時の先端子の動作図であり、すなわち、耳標装着による肉片採取の動作を示すものである。また、図の耳標(雄部材/雌部材)および容器は内部を透視するものである。(図1/図2も参照)
耳標の装着に際して、ハサミ状に開閉するアプリケータの一方のアーム41のプッシャーロッドを備えるピンに雄部材1をセットし、他方のアーム42の挟持板に雌部材2をセットし、容器をアーム42にセットし、雄部材1と雌部材2の間に動物の耳殻を位置させてアプリケータを操作してアーム41/42を閉じる。
すると、雄部材1の耳殻貫通体11の先端子13および頭部11は動物の耳殻を貫通すると共に雌部材2の係合部21の入口の開口部分を円周方向に広げて係合部21に入る。また、貫通によって先端子13先端の付着部14には耳殻から切断された肉片が付着する。そして、頭部11が係合部21に入ることによってその開口部分は元の状態に復帰し、雄部材1が雌部材2に嵌合される。さらに、先端子13はアプリケータの閉動作で突出するプッシャーロッド41によって強制的に頭部11から押し出されて分離され、アプリケータにセットされる容器3の開口に嵌合されて容器3の蓋となり、また、先端子13先端の付着部14に付着する肉片が容器3の収容室32に収容される。
また、本例では、肉片が付着する先端子13が従来の耳標と同様に容器の蓋となるが、従来の耳標で使用される容器と大きく相違するところは、容器の内径は広げることはできないが、容器の外径は所望の径にすることができる。
図4および図5は、肉片採取の実施図であり、図4は耳標装着用のアプリケータに耳標の雄部材1と雌部材2また容器3をセットした状態を示す図、図5は雄部材1と雌部材2が係合された状態を示す図である。また、図の耳標(雄部材/雌部材)および容器は内部を透視するものである。本図の例は、雄部材1の先端子13全体が容器3の収容室32内に完全に収容されるものである。
1は耳標の雄部材、11は耳殻貫通体、12は雌部材2の係合部21に係合する耳殻貫通体11の頭部、13は頭部11に有する分離する先端子、14は耳殻貫通の際に切断した肉片が付着する付着部である。2は耳標の雌部材、21は雄部材1の耳殻貫通体11の頭部12が係合する係合部である。3は肉片を収容するための容器、31は容器3の口部、32は収容室、33は口部31の開口の蓋である。4は耳標装着用のアプリケータ、41は雄部材1をセットする側のアーム、42は雌部材2をセット側のアーム、43は雄部材1の先端子13を分離させるためのプッシャーロッドである。
図6は、耳標装着時の先端子の動作図であり、すなわち、耳標装着による肉片採取の動作を示すものである。また、図の耳標(雄部材/雌部材)および容器は内部を透視するものである。(図4/図5も参照)
耳標の装着に際して、ハサミ状に開閉するアプリケータの一方のアーム41のプッシャーロッドを備えるピンに雄部材1をセットし、他方のアーム42の挟持板に雌部材2をセットし、容器3をアーム42にセットし、雄部材1と雌部材2の間に動物の耳殻を位置させてアプリケータを操作してアーム41/42を閉じる。
すると、雄部材1の耳殻貫通体11の先端子13および頭部11は動物の耳殻を貫通すると共に雌部材2の係合部21の入口の開口部分を円周方向に広げて係合部21に入る。また、貫通によって先端子13先端の付着部14には耳殻から切断された肉片が付着する。そして、頭部11が係合部21に入ることによってその開口部分は元の状態に復帰し、雄部材1が雌部材2に嵌合される。さらに、先端子13はアプリケータの閉動作で突出するプッシャーロッド41によって強制的に頭部11から押し出されて分離され、アプリケータにセットされる容器3の収容室32内に落下する。そして、容器3をアプリケータから外し、蓋33を容器3の開口に嵌めることによって先端子13先端の付着部14に付着する肉片が収容室32に収容される。
また、本例では、肉片が付着する先端子の全体を容器内に収容して容器に備える蓋で容器内を閉塞するので、容器の内径と共に外径を所望の径にすることができる。
図7は、耳標の一例を示す斜視図であり、本図の耳標は、雌部材2と容器3に動物の個体を識別するための個体識別番号34を表示し且つ容器3にはその個体識別番号34を表すバーコード35を表示したものである。また、容器3にはネジ部36が形成され、このネジ部36をアプリケータに形成するネジ部に螺合させて容器3がセットされる。
そして、採取された肉片はこの容器3に表示された個体識別番号34ならびにそれを表すバーコード35によって採取した動物が直接特定することができる。また、この方法は二次元バーコードなどのバーコード以外の自動認識標識でも実施が可能である。
図8は、耳標の雌部材の一例を示す斜視図であり、本図の雌部材2は、
雌部材2に続いて札部23が形成されており、この札部23に動物の個体情報を記録するIC24およびアンテナとなるコイル25が埋設された電子タグとなっている。
この電子タグは、IC24に記録される動物の個体情報は、例えば、動物のID番号(10進/15進)を含む読み取り専用の64ビット情報で、その情報はコイル25を介して外部の携帯型リーダや据置型リーダ等に無線通信によって伝送される。また、その情報のコード体系は、動物用電子識別用規格ISO11784(1996)に、通信方式は、動物用電子識別用規格ISO11785(1996)に準じている。
図9は、雌部材にタンパプルーフ構造を有する耳標を示す図であり、また、図の耳標(雄部材/雌部材)および容器は内部を透視するものである。26がタンパプルーフ部である。すなわち、このタンパプルーフ部により、雄部材1の耳殻貫通体11が何らかの力によって切断し、耳標が動物から脱落した場合においても、雄部材1の耳殻貫通体11の頭部12が雌部材2の係合部21内に残るので、脱落した雌部材2を再利用を防止することができる。これにより、個体識別の信頼性が維持される。
肉片採取の実施図 肉片採取の実施図 耳標装着時の先端子の動作図 肉片採取の実施図 肉片採取の実施図 耳標装着時の先端子の動作図 耳標の一例を示す斜視図 耳標の雌部材の一例を示す斜視図 雌部材にタンパプルーフ構造を有する耳標を示す図 従来の耳標を示す斜視図 従来の耳標装着時の先端子の動作図
符号の説明
1−雄部材,11−耳殻貫通体,12−頭部,13−先端子,14−付着部,2−雌部材,21−係合部,22−識別番号,23−札部,24−IC,25−コイル,26−タンパプルーフ部,3−容器,31−口部,32−収容室,33−蓋,34−個体識別番号,35−バーコード,36−ネジ部,4−アプリケータ,41−アーム,42−アーム,43−プッシャーロッド,A1−雄部材,A11−耳殻貫通体,A12−頭部,A13−先端子,A14−付着部,A2−雌部材,A21−係合部,A3−容器,A31−口部,A32−収容室

Claims (3)

  1. 雄部材と雌部材からなる耳標を動物へ装着する際、同時にその動物の肉片を採取する方法であって、耳標を耳標装着具によって動物に装着する時、雄部材の耳殻貫通体の分離可能な先端子で動物の肉片を切断し、耳殻貫通体に形成する頭部が雌部材の係合部に係合された後、耳殻貫通体から先端子を分離させ、その分離した先端子を耳標装着具の任意の部位にセットした容器に収容することを特徴とする動物の肉片採取方法
  2. 前記容器に、耳標に表示される任意の動物識別表示と同一の動物識別表示が表示されていることを特徴とする請求項1の動物の肉片採取方法
  3. 前記容器がDNA鑑定に使用できるものであることを特徴とする請求項1の動物の肉片採取方法
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