JP2006025583A - 同期電動機のベクトル制御方法及び同装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】
本発明は、次の特色を持つ指令生成器を備えたベクトル制御方法及び同装置を提供する。1)指令生成器は、最大トルク/電流比規範、最大力率規範などの規範に従った解析的電流指令を、近似誤差さなく正確に、また軽い計算負荷で簡単に生成することができる。2)トルク制御に準じた電流ノルム制御が可能である。3)電流制限を、精度良くかつ簡単に付与することができる。
【解決手段】
固定子電流のd軸成分、q軸成分を制御するための電流制御工程と、該電流制御工程の入力信号であるd軸電流指令、q軸電流指令を生成するための指令生成工程とを有する同期電動機のベクト
もつ次の関係式
を基本的に満足するように生成し、課題を解決している。
【選択図】 図2
本発明は、次の特色を持つ指令生成器を備えたベクトル制御方法及び同装置を提供する。1)指令生成器は、最大トルク/電流比規範、最大力率規範などの規範に従った解析的電流指令を、近似誤差さなく正確に、また軽い計算負荷で簡単に生成することができる。2)トルク制御に準じた電流ノルム制御が可能である。3)電流制限を、精度良くかつ簡単に付与することができる。
【解決手段】
固定子電流のd軸成分、q軸成分を制御するための電流制御工程と、該電流制御工程の入力信号であるd軸電流指令、q軸電流指令を生成するための指令生成工程とを有する同期電動機のベクト
もつ次の関係式
を基本的に満足するように生成し、課題を解決している。
【選択図】 図2
Description
本発明は、突極特性を持つ同期電動機の制御方法及び同装置であって、特に、同電動機の高効率運転あるいは広範囲運転に必要な電流制御のための電流指令生成技術を扱ったものである。
突極特性をもつ同期電動機の高精度あるいは高速なトルク発生は、フィードバック電流制御系を中核とするベクトル制御により行うことになる。突極特性をもつ同期電動機においては、固定子電流と発生トルクとは、非線形な関係にあり、同一の発生トルクをもたらす固定子電流は無数存在する。この固定子電流の選択多様性を利用して、各種の電流指令法が、すなわち電流指令通りの電流制御を遂行し得るフィードバック電流制御系(あるいはこれに準ずる電流制御系)が構成されているものとして電流指令を生成する規範と規範の実現法が種々考案されてきた。
定トルク領域の規範としては、効率運転を重視した最小銅損規範、低トルク指令に対し力率1の電流指令を生成する力率1規範、力率1が不能な大トルク指令に対し最大力率を目指す最大力率規範(狭義)などが利用されている(本明細書では、力率1と狭義の最大力率とを合わせて、広義の最大力率または簡単に最大力率と呼ぶ)。定出力領域は、速度の増加と共に固定子の電圧制限が深刻になる領域であり、広範囲運転に有用な電圧制限を考慮した規範として、トルク/固定子鎖交磁束ノルムの比を最大化する規範、電動機印加電圧を常時許容最大値に維持する電圧制限規範などが利用されている。
規範が選定された後の同期電動機の制御法の主たる課題は、規範を満足した状態で、電流制御系のための電流指令を如何に合理的に生成するかに、すなわち規範の実現方法にある。規範の実現においては、近似計算に起因する誤差縮小化、計算負荷の軽減化などが同時に達成されることが望まれる。過電流の防止は、電動機及び電動機駆動用電力変換器の保護のため実用上不可欠であり、実際的なベクトル制御装置には電流制限機能は不可欠な機能となっている。過電流の防止は、適切に動作する電流制御系を構成の上、これへの電流指令に制限を設けることでなされる。規範に基づく電流指令の生成に当たっては、電流制限機能が、規範に反することなく、精度よく、更には簡単に併せ実現されることが望まれる。
図10は、同期電動機に対して、フィードバック電流制御系を中核とするベクトル制御系を介して速度制御を行う様子を、規範の実現に焦点を当て概略的に示したものである。9aは、d軸電流指令,q軸電流指令を入力とし、発生トルクを出力とする電流制御系を中核とするベクトル制御系の動特性を示すブロックである。また、9bは、発生トルクから速度までの機械系の動特性を示すブロックである。10は、本発明と直接的関係をもつ指令生成器であり、規範は本指令生成器により実現されている。すなわち、指令生成器は、線形な速度制御器の出力信号を入力信号として受け、特定の規範に従って、同期電動機ベクトル制御系の中核である電流制御系への入力としてのd軸電流指令、q軸電流指令を出力するよう実現されている。11は、速度制御のための線形速度制御器である。指令生成器に関する本発明に先行する関係の深い文献として以下のものがある。
(1)新中新二:「同期電動機のベクトル制御方法」、特開平11−41998
(2)新中新二:「効率重視の電流制御に向けた突極形同期モータのベクトル信号による解析」,電気学会論文誌D,Vol.119,No.5,pp.648−658(1999−5)
(3)新中新二:「突極特性を持つ同期モータベクトル制御のための再帰形指令電流決定法」,電気学会論文誌D,Vol.118,No.4,pp.550−551(1998−4)
(4)柴田尚武・出光利明・亀井健:「IPMモータの高効率可変速ドライブ」、電気学会研究会資料、MID−98−12、pp.7−12(1998)
(5)森本茂雄・畠中啓太・童毅・武田洋次・平紗多賀男:「PMモータの弱め磁束制御を用いた広範囲可変速運転」、電気学会論文誌D、Vol.112,No.3,pp.292−298(1992−3)
(6)武田洋次・松井信行・森本茂雄・本田幸夫:「埋込磁石同期モータの設計と制御」、オーム社(2001−10)
(2)新中新二:「効率重視の電流制御に向けた突極形同期モータのベクトル信号による解析」,電気学会論文誌D,Vol.119,No.5,pp.648−658(1999−5)
(3)新中新二:「突極特性を持つ同期モータベクトル制御のための再帰形指令電流決定法」,電気学会論文誌D,Vol.118,No.4,pp.550−551(1998−4)
(4)柴田尚武・出光利明・亀井健:「IPMモータの高効率可変速ドライブ」、電気学会研究会資料、MID−98−12、pp.7−12(1998)
(5)森本茂雄・畠中啓太・童毅・武田洋次・平紗多賀男:「PMモータの弱め磁束制御を用いた広範囲可変速運転」、電気学会論文誌D、Vol.112,No.3,pp.292−298(1992−3)
(6)武田洋次・松井信行・森本茂雄・本田幸夫:「埋込磁石同期モータの設計と制御」、オーム社(2001−10)
上記文献に提示された従来の指令生成器は、入力信号をトルク指令とするもの(文献(1)〜(4))とq軸電流指令とするもの(文献(5)、(6))とに二別される。前者の実現による指令生成器においては、指令生成器の入力であるトルク指令と発生トルクとの関係は線形であり、トルク制御に直ちに利用できる、また、速度制御に利用する場合には、線形系としてのフィードバック速度制御系の安定性が線形速度制御器により簡単に確保されると言うメリットを享受できる。反面、指令生成器の設計・構成が概して複雑であると言う短所をもつ。トルク指令に対応した具体的電流指令を得るには、一般に、非線形連立方程式を解法する必要があり、近似のない正確な解析解(解析的電流指令)はいまだ得られていないのが実情である。
近似のない正確な解析的な電流指令の利用に代わる現実的な対処法として、例えば、文献(1)〜(3)では、トルク指令から近似解析電流指令を得る方法として、ラグランジ乗数を媒体とした方法が、また、繰返し演算で電流指令を得る離散再帰形アルゴリズムが提示されている。これらは共に最小銅損規範、最大力率規範などに利用可能となっている。文献(4)では、最小銅損規範のための電流指令を得る離散再帰形アルゴリズムとして、文献(3)とは異なる方法が提示されている。
指令生成器の入力をq軸電流指令とする後者の実現方法は、文献(5)、(6)で提案されている。本指令生成器では、q軸電流指令から最小銅損規範などに従いd軸電流指令が生成される。この結果、前者の方法に比較し簡単に電流指令が生成できるという長所を有する。反面、トルク制御あるいはこれに準じた制御には利用できないと言う短所をもつ。
本発明は、上記従来技術の状況を鑑みて、次の特色を持つ第3の指令生成器を備えたベクトル制御方法及び同装置を新規に提供することを目的とするものである。1)指令生成器は、最大トルク/電流比規範(最小銅損規範、最大トルク規範と実質等価)、最大力率規範などの規範に従った解析的電流指令を、近似誤差さなく正確に、また軽い計算負荷で簡単に生成することができる。2)トルク制御に準じた電流ノルム制御が可能である。3)電流制限を、精度良くかつ簡単に付与することができる。
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、回転子N極方向をd軸としこれと直交する軸をq軸とする座標系上で評価した固定子電流のd軸成分、q軸成分を制御するための電流制御工程と、該電流制御工程の入力信号であるd軸電流指令、q軸電流指令を生成するための指令生成工程とを有する同期電動機のベク
を基本的に満足するように、生成するようにしたことを特徴とする。
を基本的に満足するように、生成するようにしたことを特徴とする。
請求項2の発明は、請求項1記載の同期電動機のベクトル制御方法であって、該d軸電流指令、該q軸電流指令が最大トルク/電流ノルム比軌道の上の値となるように、これらを生成するようにしたことを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項1記載の同期電動機のベクトル制御方法であって、該d軸電流指令、該q軸電流指令が最大力率軌道の上の値となるように、これらを生成するようにしたことを特徴とする。
請求項4の発明は、請求項1記載の同期電動機のベクトル制御方法であって、該d軸電流指令、該q軸電流指令が電圧制限楕円上の値となるように、これらを生成するようにしたことを特徴とする。
請求項5の発明は、回転子N極方向をd軸としこれと直交する軸をq軸とする座標系上で評価した固定子電流のd軸成分、q軸成分を制御するための電流制御手段と、該電流制御手段の入力信号であるd軸電流指令、q軸電流指令を生成するための指令生成手段とを有する同期電動機のベクトル制御装置であって、該指
を基本的に満足するように、生成するようにしたことを特徴とする。
を基本的に満足するように、生成するようにしたことを特徴とする。
本発明の作用説明に先立って、説明の簡明さの確保と本発明が指令生成器に関するものであることとを考慮の上、以降では、適切な電流制御系が既に構成されているものとすることを断っておく。この場合には、d軸電流指令と同応答値id、q軸電流指令と同応答値iqの間には、実質的に次式が成立する。
更に説明の簡明さを向上させるために、電動機パラメータを以下のように定めておく。Rl、Ld、Lqを固定子の巻線抵抗、d軸インダクタンス、q軸インダクタンスとする。Φは回転子磁束の最大値とする。τ、Npを各々発生トルク、極対数とする。また、ω2n、ω2mをを回転子の電気、機械角速度とする。また、同相、鏡相インダクタンスLi、Lmを次式のように定義しておく。
以上の準備のもと、本発明の作用を説明する。請求項1あるいは請求項5の本発明によれば、指令生成器の出力であるq軸電流指令は、次の関係を満足することになる。
一方、最大トルク/電流比、最大力率などの規範の多くは、d軸電流指令に関して2次の関数、及びq軸電流指令に関して2次の関数となっている。規範を満足した電流指令を得るには、これら規範関数と(3)式との非線形連立方程式を解法する必要がある。これら規範関数は、幸いにも、q軸電流指令に関しては2乗因子しか持たない。このため、(3)式を規範関数に代入してq軸電流指令を消去し、d軸電流指令のみの関数に変換しても、規範関数はd軸電流指令に関して2次のままである。ひいては、容易に非線形連立方程式を解法することができる。この結果、請求項1あるいは請求項5の本発明によれば、ノルム電流指令より、近似のない解析的なd軸、q軸電流指令を容易に得ることができると言う作用が得られる。
突極特性をもつ同期電動機においては、d軸電流 id、q軸電流 iqと発生トルクτとの間には、次の関係が成立する。
(1)〜(4)式より、ノルム電流指令と発生トルクの間には、次の(5)式に示したように、線形性はないが強い相関が存在する。
これは、請求項1あるいは請求項5の本発明によれば、指令生成器にノルム電流指令を外部より直接入力する場合には、トルク制御に準じた制御のための電流指令が生成されると言う作用が得られることを意味する。
過電流の防止は、電動機及び電動機駆動用電力変換器の保護のため、実用上不可欠である。過電流の防止は、適切に動作する電流制御系を構成の上、これへの電流指令に制限を設けることでなされる。電流制御系が適切に構成され、かつ、正弦駆動が行われている状態では、相電流の実効値Iと、電流指令の間には次の関係が成立する。
従来は、d軸電流指令、q軸電流指令に対し個別に制限を付すことにより、過電流防止を行っていた。この従来方法では、d軸電流指令とq軸電流指令との電流比が一定の場合には、(6)式から明らかなように、各指令の制限値と3相電流の実効値との間に比例関係が成立し、簡単かつ精度良く電流制限を付すことができる。ところが、同期電動機を効率的なあるいは広範囲な運転を行う場合には、電流比は常時変化するため、個別に電流制限を設ける場合には、安全を見込んだ控えめな(換言すれば、精度の悪い)設定値を採用するか、または煩雑な処理を実施することになる。
本発明に従って、符号付きノルム電流指令に基づきd軸電流指令、q軸電流指令を生成する場合には、(6)式が示すように、d軸電流指令とq軸電流指令の電流比の如何に拘わらず、3相電流の実効値とノルム電流指令の絶対値との間には比例関係が成立する。請求項1あるいは請求項5の本発明によれば、この比例関係により、単にノルム電流指令に制限を設けると言う簡単な処理で、精度のよい電流制限をもたらす電流指令が生成されると言う作用が得られる。
続いて、請求項2の作用を説明する。請求項2の本発明によれば、請求項1のベクトル制御方法であって、d軸電流指令、q軸電流指令は、最大トルク/電流ノルム比軌道の解となる。最大トルク/電流ノルム比軌道は、電流ノルムを基準にとれば最大トルクを約束する軌道である。この結果、請求項2の本発明によれば、同一のノルム電流指令に対して最大トルクの発生をもたらす電流指令が生成されると言う作用が得られる。最大トルク/電流ノルム比軌道は、トルクを基準にとれば最小ノルム電流を約束する軌道である。この結果、請求項2の本発明によれば、同一の発生トルクに対して最小のノルム電流指令が生成されることになる。巻線抵抗で発生する損失pwは、(1)式の下では、次式で与えられる。
(7)式が明示しているように、最小のノルム電流指令は、最小銅損を意味する。
以上より明らかなように、請求項2の本発明によれば、同一の発生トルクに対して最小銅損をもたらす(すなわち、最大効率をもたらす)電流指令が生成されると言う作用が得られる。
以上より明らかなように、請求項2の本発明によれば、同一の発生トルクに対して最小銅損をもたらす(すなわち、最大効率をもたらす)電流指令が生成されると言う作用が得られる。
続いて、請求項3の作用を説明する。請求項3の本発明によれば、請求項1のベクトル制御方法であって、d軸電流指令、q軸電流指令は、最大力率軌道の解となる。この結果、請求項3の本発明によれば、力率1の解が存在する場合には力率1をもたらす電流指令が得られ、力率1の解が存在しない場合には、達成可能な最大力率をもたらす電流指令が得られる。当業者には周知のように、モータ本体のみならずインバータを含めた損失の低減、効率向上には、固定子に印加される電力の力率向上が重要である。従って、請求項3の本発明によれば、モータ本体のみならずインバータを含めた損失の低減、効率の向上をもたらす電流指令が生成されると言う作用が得られる。
続いて、請求項4の作用を説明する。請求項4の本発明によれば、請求項1のベクトル制御方法であって、d軸電流指令、q軸電流指令は、電圧制限楕円上の値となる。この結果、請求項4の本発明によれば、電圧制限を満足した電流指令が得られる。当業者には周知のように、定格速度を超える広範囲運転を行なうには、電圧制限への考慮が不可欠である。請求項4の本発明によれば、電圧制限を考慮した電流指令が得られ、ひいては定格速度を超える広範囲運転を可能とする電流指令生成できるようになると言う作用が得られる。
以下、図面を用いて、本発明の実施形態を詳細に説明する。本発明のベクトル制御方法を適用したベクトル制御装置と同期電動機の1実施形態例の基本的構造を図1に示す。図1における電動機等の1〜8の機器は、従来のベクトル制御方法と同一である。これらは、具体的には以下の通りである。1は同期電動機を、2は回転子の位置検出器を、3は電力変換器を、4は電流検出器を、5a、5bは夫々3相2相変換器、2相3相変換器を、6a、6bは共にベクトル回転器を、7は電流制御器を、8は正弦信号発生器を意味している。これらの働きは当業者には公知であるので、その説明を省略する。同図では、3から7までの諸機器が電流制御手段を構成(すなわち、電流制御工程を実現)している。本発明に直接関連する装置は、指令生成手段(すなわち、指令生成工程の実現)である指令生成器10である。図1に明示しているように、電流制御手段と指令生成手段とによりベクトル制御装置が構成されている。なお、同図では、簡明のため、複数の正弦信号を1つの位相ベクトルとして捕らえ、1本の太線で表現している。また、11、12は、各々、速度制御の場合に利用される線形な速度制御器、速度検出器である。
電流ノルム制御の場合は外部から直接受け、速度制御の場合には線形速度制御器の出力として得ている。指令生成器の働きは、ノルム電流指令からd軸、q軸電流指令を生成することである。本働きは、電流指令が外部から直接受ける場合にも、速度制御器の出力として受ける場合にも、同一である。このため、以降の説明では、符号付き電流指令が既に得られたものとして、本発明による指令生成器を詳しく説明する。
先ず、本発明の請求項1、5及び請求項2に関連した実施形態例を示す。最大トルク/電流ノルム比規範の軌道は、次式で与えられる。
(8)式の下で、請求項1、5に示した条件を同時かつ正確に満足する解析的な電流指令は、直ちに得られ、次の(9)式として与えることができる。
(9)式に電流指令の生成の手順は、先ずd軸電流指令を生成し、次にq軸電流指令を生成するものである。図2にこの処理手順を、指令生成器の内部構成ブロック図として図示した。
(8)式による最大トルク/電流ノルム比規範の軌道とノルム電流指令による円軌道との1例を図3に示した。(9)式の解析電流指令は、2曲線の交点の値を意味している。なお、図3の描画のためのパラメータとしては、次の表1に掲示した、実用に供されている電気自動車用供試機のものを利用した。また、ノルム電流
続いて、本発明の請求項1、5及び請求項3に関連した実施形態例を示す。力率1を達成するための最適電流解軌道は、次式で与えられる。
(10)式の下で、請求項1、5に示した条件を同時かつ正確に満足する解析的な電流指令は、直ちに得られ、次の(11)式として与えることができる。
概して、ノルム電流指令の絶対値が定格以上では力率1の達成は不可能となる。こうした状況では、力率を可能な範囲で最大化を図る最大力率規範(狭義)が有用である。本規範のための最適電流解軌道は次式で与えられる。
以上の説明で明白なように、力率向上を重視した電流制御では、(10)、(12)式に示した2つの最適解軌道があり、最大力率規範(広義)の応用に際しては2種の最適解軌道を使い分ける必要がある。
2種の最適解軌道の切替え点は2軌道の交点である。本交点は、(10)、(12)式を連立解法することにより解析的に求めることが可能である。すなわち、本交点に対応するd軸、q軸電流指令は、次の(14)式として与えることができる。
軌道の切替えは、本交点に対応するノルムとノルム電流指令の絶対値の大小比較で行えばよい。すなわち、次式が成立する場合には(10)式の起動を利用し、
これ以外は(12)式の起動を利用するようにすればよい。(15a)式の右辺は、モータパラメータのみで構成されており、事前に算定可能である。従って、(15a)式は、制御周期の中で、演算負荷のない単なる比較として簡単に遂行することが可能である。図4に、最大力率規範(広義)の利用のおいて制御周期の中で遂行すべき切替の手順を、上記の説明に従い、流れ図で示した。ただし、図4の流れ図における、ステップs4−1、s4−2では、軌道の選択に対応したd軸、q軸電流指令の生成選択を示した。これら電流指令の生成手順は、図2と同一である。
表1に示した供試機のパラメータを利用して、(10)、(12)、(14)式に基づき、最大力率軌道(広義)とノルム電流指令による円軌道の1例を図5に示した。ただし、ノルム電流指令の1例は定格値とした。最大力率軌道(広義)の変曲点が(14)式に対応している。また、両軌道の交点がd軸、q軸電流指令を意味している。
続いて、本発明の請求項1、5及び請求項4に関連した実施形態例を示す。定格速度以上の速度領域での同期電動機運転における最優先考慮事項は、電圧制限である。電圧制限への考慮なくして定格速度超える高速運転は、維持することはできない。本速度領域では固定子抵抗による電圧ドロップは相対的に十分小さく、本速度領域での電圧制限(当業者には容易に理されるように、本明細書で言う電圧制限は、dq2軸上での評価された電圧ベクトルのノルム制限である)CVを示す規範は、次の楕円軌道として与えられる。
上式が明示しているように、電圧制限規範である楕円軌道は、速度の関数となる。
表1に示した供試機のパラメータを利用して、(16)式に基づき、電圧制限軌道(|cv/ω2n|=0.08〜0.02)とノルム電流指令による円軌道の1例を図6に示した。ただし、ノルム電流指令の1例は定格値とした。電圧制限軌道と円軌道の交点が(17)式によるd軸、q軸電流指令を意味している。
表1に示した供試機のパラメータを(18)、(19)式に適用して、電圧制限下で(17)式が意味のある解を持つ領域を図6に領域Bとして示した。同図の横軸はノルム電流指令の絶対値、縦軸は制限電圧/速度比の絶対値|cv/ω2n|である。同図では、領域Bの上限は(18)式の右辺で、上限の直下の制限は(18)式の中辺で各々規定されている。また、領域Bの下限は(19)式で規定されている。なお、B領域のp点
的には取りえない領域である。
的には取りえない領域である。
領域Aは、(17)式が解を持たない領域であるが、利用不能の領域を示すものではないので注意されたい。領域Aは、図6においては、電圧制限楕円がノルム電流指令円を内包する程度に十分大きく、楕円と円の交点が存在しない領域に対応する。換言するならば、請求項2、請求項3の本発明による、電圧制限に対して何らの考慮の要がない最大トルク/電流ノルム比規範、最大力率規範を問題なく利用できる領域に対応する。また、図7の下部白領域は、元来、モータ、インバータバス電圧などシステム固有の特性に起因しており、指令生成器の構成如何に拘わらず、運転不能な領域である。
ゼロ速度から定格速度を超える広範囲運転を行なう場合には、請求項2または請求項3と、請求項4の本発明を切替えて使用することが必要となる。図8は、請求項2の発明と請求項4の発明の切替え方の1例を流れ図として示したものである。各制御周期で、先ず、ステップs8−1で、(18)式の第1、第2辺間の不等式の成否を判定する。不等式が成立しない場合には、ステップs8−4へ進み、(9)式に従いd軸、q軸電流指令を生成する。ステップs8−1での不等式が成立する場合には、ステップステップs8−2へ進み、(9)式によるd軸電流指令と、(17)式によるd軸電流指令の大小比較する。(9)式によるd軸電流指令が(17)式によるd軸電流指令より大きい場合には(はいの場合)、ステップs8−3へ進み、(17)式による指令を採用する。反対に、小さい場合には(いいえの場合)、ステップs8−4へ進み、(9)式による指令を採用する。
図8は、請求項2の発明と請求項4の発明の切替え方の1例であった。このため、ステップs8−4には、請求項2の発明による(9)式を利用した。同様に、請求項3と請求項4との本発明を切替えて使用することも可能である。この場合の切替え方の1例も図8と同様である。具体的には、ステップs8−4でのd軸、q軸電流指令の生成法を、請求項3の発明による生成法に変更すればよい。
以上、本発明の実施形態例を、図1に示した構造のベクトル制御装置、すなわち、2軸回転座標系上で電流制御を行なう構造のベクトル制御装置を利用して説明したが、本発明は、この構造のベクトル制御装置に限定されるものではないことを指摘しておく。すなわち、2軸固定座標系上で電流制御を行なうベクトル制御装置、3軸固定座標系上で電流制御(すなわち、3相レベルでの電流制御)を行うベクトル制御装置にも、同様に本発明が適用可能であることを指摘しておく。図9は、3軸固定座標系上で電流制御(すなわち、3相レベルでの電流制御)を行うベクトル制御装置の1構成例である。なお、このときの電流制御器としては、回転子の速度情報を利用するD因子形の電流制御器が好ましい。本図より明白なように、本構成例においても指令生成器が用いられており、しかもこの指令生成器は、図1〜8を用いて詳しく説明した指令生成器と同一である。このように、本発明は電流制御装置の構成に依存しない汎用性を有することを指摘しておく。
図1〜9を用いた実施形態例では、説明の簡明性を確保すべく、突極特性をもつ同期電動機において、その固定子鉄損が無視しうる同期電動機の例を取り上げた。固定子鉄損を無視しえない同期電動機の場合にも、最大トルク/電流比軌道、電圧制限楕円等は、d軸電流指令に関して2次関数、q軸電流指令に関して2次関数となっており、しかも、これら規範関数は、q軸電流指令に関しては2乗因子しか持たない。すなわち、本発明を適用し、解析的に電流指令を得るための必要条件が、鉄損が無視できない同期電動機に対しても満足される。本事実は、換言するならば、固定子鉄損が無視しうる例であった図1〜9を用いた実施形態例と同様に、固定子鉄損が無視できない同期電動機に対しても、本発明が適用できることを意味する。このことを指摘しておく。なお、鉄損が無視できない動機電動機のための規範関数は、次の文献に既に明らかにされ詳しく説明されている。
(7)新中新二:「突極形永久磁石同期モータの広範囲高効率運転のための鉄損を綱領した実用的最適電流指令法」、電気学会論文誌D、Vol.123,No.11,pp.1359−1370(2003−11)
以上の説明より明白なように、本発明は以下の効果を奏する。特に、請求項1あるいは請求項5の本発明によれば、1)基本的な指令であるノルム電流指令より近似のない解析的なd軸、q軸電流指令を容易に得ることができる、2)指令生成器にノルム電流指令を外部より直接入力する場合には、トルク制御に準じた制御のための電流指令が生成される、3)単にノルム電流指令に制限を設けると言う簡単な処理で、精度のよい電流制限をもたらす電流指令が生成される、と言った作用が得られた。これらの作用をもつ本発明を、所要の電流制御手段をもつベクトル制御装置に適用する場合には、1)基本的な指令であるノルム電流指令に応じた電流応答をもつ、2)トルク制御に準じた制御が可能、3)電流制限機能をもつ、と言った特性を、近似誤差さなく正確にまた軽い計算負荷で簡単に実現した、本発明が目的とした高度に実用的なベクトル制御装置を得ることができると言う効果が得られる。
特に、請求項2の本発明によれば、1)同一のノルム電流指令に対して最大トルクの発生をもたらす電流指令が生成される、2)同一の発生トルクに対して最小損失をもたらす、換言するならば最大効率をもたらす電流指令が生成される、と言う作用が得られた。これらの作用をもつ本発明を、所要の電流制御手段をもつベクトル制御装置に適用する場合には、1)同一ノルムの電流に対して最大トルクの発生をもたらす、2)同一の発生トルクに対して最小損失をもたらす、換言するならば最大効率をもたらす、ベクトル制御装置を極めて軽い計算負荷で、精度よく、簡単に実現できると言う効果が得られる。
特に、請求項3の本発明によれば、モータ本体のみならずインバータを含めた損失の低減、効率の向上をもたらす電流指令が生成されると言う作用が得られた。本作用をもつ本発明を、所要の電流制御手段をもつベクトル制御装置に適用する場合には、モータ本体のみならずインバータを含めた損失の低減、効率の向上が可能なベクトル制御装置を極めて軽い計算負荷で、精度よく、簡単に実現できると言う効果が得られる。
特に、請求項4の本発明によれば、電圧制限を考慮した電流指令が得られ、ひいては定格速度を超える広範囲運転を可能とする電流指令が生成できるようになると言う作用が得られた。本作用をもつ本発明を、所要の電流制御手段をもつベクトル制御装置に適用する場合には、定格速度を超える広範囲運転を可能とするベクトル制御装置を極めて軽い計算負荷で、精度よく、簡単に実現できると言う効果が得られる。
1 同期電動機
2 位置検出器
3 電力変換器
4 電流検出器
5a 3相2相変換器
5b 2相3相変換器
6a ベクトル回転器
6b ベクトル回転器
7 電流制御器
8 正弦信号発生器
9a ベクトル制御下の電気磁気的特性を代表するブロック
9b 機械的特性を代表するブロック
10 指令生成器
10a d軸電流指令生成器
10b q軸電流指令生成器
11 線形速度制御器
12 速度検出器
2 位置検出器
3 電力変換器
4 電流検出器
5a 3相2相変換器
5b 2相3相変換器
6a ベクトル回転器
6b ベクトル回転器
7 電流制御器
8 正弦信号発生器
9a ベクトル制御下の電気磁気的特性を代表するブロック
9b 機械的特性を代表するブロック
10 指令生成器
10a d軸電流指令生成器
10b q軸電流指令生成器
11 線形速度制御器
12 速度検出器
Claims (5)
- 該d軸電流指令、該q軸電流指令が最大トルク/電流ノルム比軌道の上の値となるように、これらを生成するようにしたことを特徴とする請求項1記載の同期電動機のベクトル制御方法。
- 該d軸電流指令、該q軸電流指令が最大力率軌道の上の値となるように、これらを生成するようにしたことを特徴とする請求項1記載の同期電動機のベクトル制御方法。
- 該d軸電流指令、該q軸電流指令が電圧制限楕円上の値となるように、これらを生成するようにしたことを特徴とする請求項1記載の同期電動機のベクトル制御方法。
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-
2004
- 2004-07-07 JP JP2004228715A patent/JP2006025583A/ja active Pending
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