JP2006024760A - 微小球の利用方法、それを用いた偽造防止マーク及びその真偽判定装置 - Google Patents
微小球の利用方法、それを用いた偽造防止マーク及びその真偽判定装置Info
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Abstract
【課題】 極めて顕著な効果が得られる微小球の利用方法の提供。
【解決手段】 励起レーザ光ELの照射によって発振レーザ光OLを発振する微小球2を被認識体1上に固定して偽造防止手段として用いる。
【選択図】 図4
【解決手段】 励起レーザ光ELの照射によって発振レーザ光OLを発振する微小球2を被認識体1上に固定して偽造防止手段として用いる。
【選択図】 図4
Description
本発明は、励起光の照射によって発振レーザ光を発振する微小球の利用方法、それを用いたパスポート、運転免許証、身分証明書、有価証券等の被認識体に付される偽造防止マーク及びその真偽判定装置に関する。
微小球(通常、100μm以下)には、光蓄積効果、高いQ値(Q−Value)等の特徴があることがWGM(Whispering Gallery Mode)として知られている。
この特徴から、周囲より屈折率の大きい微小球に外部から入射された励起光は、図1、図2に示すように、界面で全反射を繰り返しながら微小球内を周回し、進行波の重ね合わせが一致する周波数の光が共振する。
そして、この共振過程で非常に低閾値のレーザ発振が可能であり、発振レーザ光の波長が非常に急峻になる特徴がある。
この特徴から、周囲より屈折率の大きい微小球に外部から入射された励起光は、図1、図2に示すように、界面で全反射を繰り返しながら微小球内を周回し、進行波の重ね合わせが一致する周波数の光が共振する。
そして、この共振過程で非常に低閾値のレーザ発振が可能であり、発振レーザ光の波長が非常に急峻になる特徴がある。
従来、微小球の利用方法として、
(a)基体;
(b)前記基体に固定された少なくとも1個の透明微小球;
(c)前記透明微小球と関連して設けられた少なくとも1個の非線形光学活性領域;および
(d)前記透明微小球と関連して設けられた少なくとも1個の光反射領域であって、当該光反射領域の界面の少なくとも一部が前記透明微小球の表面と共通である光反射領域を具備した非線形光学素子としての利用方法が知られている(特許文献1参照)が、偽造防止手段としての利用方法は、知られていない。
(a)基体;
(b)前記基体に固定された少なくとも1個の透明微小球;
(c)前記透明微小球と関連して設けられた少なくとも1個の非線形光学活性領域;および
(d)前記透明微小球と関連して設けられた少なくとも1個の光反射領域であって、当該光反射領域の界面の少なくとも一部が前記透明微小球の表面と共通である光反射領域を具備した非線形光学素子としての利用方法が知られている(特許文献1参照)が、偽造防止手段としての利用方法は、知られていない。
上記微小球の非線形光学素子としての利用方法によれば、非線形光学素子を構成する透明微小球が、1個単独で微小なキャビティとして機能するので、光閉じ込め効果による光の高いQ値を利用することにより、極めて微弱な光により非線形光学効果を発揮することができる、というものである。
一方、偽造防止手段としては、被認識体に透かし(特に、黒透かし)を入れる、凹板で非常に微細な模様を入れる、蛍光インクでマークを入れる、ホログラムを入れる、磁気情報を入れる等が一般に広く知られている。
しかし、上述した偽造防止手段では、コピー技術、電子技術の進歩等により容易に偽造される不具合がある。
このように、偽造が容易に行われる背景には、前述した偽造防止手段がコピー機等の民生品の技術によってなされていることが考えられる。
特開平5−061080号公報
このように、偽造が容易に行われる背景には、前述した偽造防止手段がコピー機等の民生品の技術によってなされていることが考えられる。
本発明は、極めて顕著な効果が得られる微小球の利用方法、それを用いた偽造防止マーク及びその真偽判定装置の提供を課題とする。
本発明の微小球の利用方法は、励起光の照射によって発振レーザ光を発振する微小球を被認識体上に固定して偽造防止手段として用いることを特徴とする。
前記微小球は、光の減衰率10%以下の無色透明な石英、ガラス又は合成樹脂製とすることが好ましい。
前記微小球を、Er、Yb若しくはNb等の元素又は色素を添加したものとすることが好ましい。
又、前記微小球の直径、添加剤は、それから発振される発振レーザ光の波長が可視光領域となるように設定することが好ましい。
一方、微小球の利用方法を用いた第1の偽造防止マークは、被認識体上に、励起光の照射によって発振レーザ光を発振する多数の微小球をこの微小球の屈折率により小さい屈折率の合成樹脂に分散してなる混合体が、所望の形状に印刷されていることを特徴とする。
第2の偽造防止マークは、被認識体上に、励起光の照射によって発振する発振レーザ光が一定の波長となるように直径を一定の大きさに揃えた1又は複数の微小球が、所定の位置に配置、固定されていることを特徴とする。
又、第3の偽造防止マークは、被認識体上に、励起光の照射によって発振する発振レーザ光が、複数の波長となるように直径を複数の大きさに揃えた複数の微小球が、無作為の位置に配置、固定されていることを特徴とする。
前記微小球は、光の減衰率10%以下の無色透明な石英、ガラス又は合成樹脂からなることが好ましい。
前記微小球は、Er、Yb若しくはNb等の元素又は色素を添加されていることが好ましい。
又、前記微小球は、それから発振される発振レーザ光の波長が可視光領域となるように直径、添加剤を設定されていることが好ましい。
他方、偽造防止マークの真偽判定装置は、第1〜第3のいずれかの偽造防止マークの微小球に励起光を照射する手段と、微小球から発振される発振レーザ光の波長、形状で認識して偽造防止マークの真偽を判定する手段とを備えることを特徴とする。
本発明の微小球の利用方法によれば、微小球は、Q値が高く発振レーザ光の波長スペクトルが非常に急峻になり、その他の光(外光等のノイズ)との分離が容易であるので、微小球を、極めて精度の高い偽造防止手段として利用することができる。
一方、第1の偽造防止マークによれば、上述した微小球を利用することによる作用効果の他、微小球が民生品等として一般に広く使われていないので、その偽造を極めて困難なものとすることができる。
又、マークの形成が、印刷方式でなされるので、印刷パターンにより個別認識もできるが、大量生産に向いている社員証等のように多数の認識もできる。
又、マークの形成が、印刷方式でなされるので、印刷パターンにより個別認識もできるが、大量生産に向いている社員証等のように多数の認識もできる。
第2の偽造防止マークによれば、第1のものと同様に、前述した微小球を利用することによる作用効果の他、微小球が民生品等として一般に広く使われていないので、その偽造を極めて困難なものとすることができる。
又、微小球が1個ずつピックアップして所定位置に配設されるので、製作工程が複雑になるものの、位置、発振レーザ光の波長により認識番号等を表すことが可能となり、個別の認識ができる。
又、微小球が1個ずつピックアップして所定位置に配設されるので、製作工程が複雑になるものの、位置、発振レーザ光の波長により認識番号等を表すことが可能となり、個別の認識ができる。
又、第3の偽造防止マークによれば、第1のものと同様に、前述した微小球を利用することによる作用効果の他、微小球が民生品等として一般に広く使われていないので、その偽造を極めて困難なものとすることができる。
又、複数の微小球が無作為に配設されるので、作製後にパターンを認識し記憶することで個別認識でき、かつ、同一パターンの再現が極めて困難なため偽造を殆ど不可能とすることができる。
又、複数の微小球が無作為に配設されるので、作製後にパターンを認識し記憶することで個別認識でき、かつ、同一パターンの再現が極めて困難なため偽造を殆ど不可能とすることができる。
他方、偽造防止マークの真偽判定装置によれば、微小球は、レーザ発振の閾値が小さいので、認識のために照射する励起光の強度を数mW以下にすることができ、誤照射による目の損傷等の危険がなく、安全性に優れたものとすることができる。
励起光の波長は、400〜1200mが好ましい。
励起レーザ光の波長は、1種でも、あるいは2種以上であってもよい。
又、励起レーザ光としては、CW(Continuous Wave)レーザ光、又はパルスレーザ光が用いられる。
励起レーザ光の波長は、1種でも、あるいは2種以上であってもよい。
又、励起レーザ光としては、CW(Continuous Wave)レーザ光、又はパルスレーザ光が用いられる。
微小球の直径は、10〜100μmが好ましく、より好ましくは、80μmである。
微小球の直径が、10μm未満であると、製作、取扱が困難であるばかりでなく、真球性の確保が難しくなる。一方、100μmを超えると、レーザ発振のモードが多数となる。
微小球の直径が、10μm未満であると、製作、取扱が困難であるばかりでなく、真球性の確保が難しくなる。一方、100μmを超えると、レーザ発振のモードが多数となる。
被認識体としては、パスポート、運転免許証、身分証明書、社員証、有価証券、機密情報管理のID証、その他の紙、プラスチック、その他からなるものが挙げられる。
微小球の光の減衰率が、10%を超えると、微小球内の減衰によりレーザ発振が起こらなくなる。
微小球の光の減衰率は、2%以下がより好ましい。
微小球の光の減衰率は、2%以下がより好ましい。
無色透明な微小球を形成するガラスとしては、ケイ酸塩ガラス、リン酸塩ガラス、フッ化物ガラス等が用いられる。
又、無色透明な微小球を形成する合成樹脂としては、ポリスチレン等が用いられる。
微小球に添加する添加剤としての元素には、Er(エルビウム)、Yb(イッテルビウム)、Nb(ニオブ)等の灰色系の元素の他、Pr(ブラセオジム)、Ho(ホルミウム)、Tm(ツリウム)等の元素が用いられる。
又、微小球に添加する添加剤としての色素には、ナイルレッド等の赤色系の他、ローダミンB等の青色系の色素が用いられる。
微小球の屈折率より小さい屈折率の合成樹脂は、被認識体上への微小球の接着剤としての機能をも有しており、微小球の材質によっても異なるが、エポキシ系樹脂等が用いられる。
印刷方法としては、スクリーン印刷、ディスペンス、転写、その他が挙げられる。
被認識体上への微小球の固定は、上記エポキシ系樹脂等からなる接着剤を用いて行われる。
偽造防止マークの真偽を判定する手段には、分光検出器(スペクトロディテクタ)、CCDカメラ等を用いたパターン認識、その他の機器が用いられる。
図3は、本発明の係る偽造防止マークの実施例1を示す概念的な斜視図である。
この偽造防止マークは、紙からなる被認識体1上に、励起光の照射によって発振する発振レーザ光が一定の波長とするように、Erを添加して灰色に着色した直径80μmの一定の大きさに揃えたBK7からなる複数(図3においては5個)の透明な微小球2(光の減衰率2%、屈折率1.51)を、1個ずつピックアップして所定の位置に配置(図3においてはコ字状に配置)し、屈折率1.43のエポキシ樹脂を接着剤として用いて固定したものである。
上述した偽造防止マークの真偽を判定するには、図4に示すように、偽造防止マークの真偽判定装置における励起レーザ光ELを照射する手段である出力5mWの半導体レーザ(図示せず)から波長980nmの励起レーザ光ELを被認識体1上の微小球2に照射し、微小球2から発振される発振レーザ光OLを、偽造防止マークの真偽を判定する手段である分光検出器3で検知すると共に、発振レーザ光OLの波長、形状(位置)で認識して偽造防止マークの真偽を判定する。
図5は、本発明に係る偽造防止マークの実施例2を示す概念的な斜視図である。
この偽造防止マークは、紙からなる被認識体4上に、Erを添加して、灰色に着色した直径80μmのBK7からなる多数の透明な微小球5(光の減衰率2%、屈折率1.51)を、この微小球5の屈折率より小さい屈折率の図示しないエポキシ樹脂(屈折率1.43)に分散してなる混合体6が、スクリーン印刷により所望の形状(図5においてはアルファベットと数字)の形状に印刷されているものである。
上述した偽造防止マークの真偽の判定は、微小球5に励起レーザ光ELを照射する手段と、微小球5から発振される発振レーザ光OLの波長形状で認識して偽造防止マークの真偽を判定する手段とを備えた前述した偽造防止マークの真偽判定装置を用いて、又は微小球5から発振される発振レーザ光OLの波長が可視光領域内のものである場合は、偽造防止マークの真偽を判定手段を用いることなく肉眼で行うことも可能なものである。
図6は、本発明に係る偽造防止マークの実施例3を示す概念的な斜視図である。
この偽造防止マークは、プラスチックからなる被認識体7上に、励起レーザ光の照射によって発振する発振レーザ光の波長が複数の波長となるように、TmとPrを添加した直径を80μmの大きさに揃えたBK7からなる透明な複数の微小球8(光の減衰率2%、屈折率1.51)が無作為の位置に配置(図6においては方形に配置)し、屈折率1.43のエポキシ樹脂を接着剤として用いて固定したものである。
上述した偽造防止マークの真偽を判定は、微小球8に励起レーザ光ELを照射する手段と、微小球8から発振される発振レーザ光OLの波長、形状と、マーク形成時に予め認識しておいたパターンとを比較認識して偽造防止マークの真偽を判定する手段とを備えた偽造防止マークの真偽判定装置を用いて行うものである。
1 被認識体
2 微小球
3 分光検出器
4 被認識体
5 微小球
6 混合体
7 被認識体
8 微小球
EL 励起レーザ光
OL 発振レーザ光
2 微小球
3 分光検出器
4 被認識体
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6 混合体
7 被認識体
8 微小球
EL 励起レーザ光
OL 発振レーザ光
Claims (11)
- 励起光の照射によって発振レーザ光を発振する微小球を被認識体上に固定して偽造防止手段として用いることを特徴とする微小球の利用方法。
- 前記微小球を、光の減衰率10%以下の無色透明な石英、ガラス又は合成樹脂製とすることを特徴とする請求項1記載の微小球の利用方法。
- 前記微小球を、Er、Yb若しくはNb等の元素又は色素を添加したものとすることを特徴とする請求項2記載の微小球の利用方法。
- 前記微小球の直径、添加剤を、それから発振される発振レーザ光の波長が可視光領域となるように設定することを特徴とする請求項1〜3のいずれか記載の微小球の利用方法。
- 被認識体上に、励起光の照射によって発振レーザ光を発振する多数の微小球をこの微小球の屈折率より小さい屈折率の合成樹脂に分散してなる混合体が、所望の形状に印刷されていることを特徴とする偽造防止マーク。
- 被認識体上に、励起光の照射によって発振する発振レーザ光が一定の波長となるように直径を一定の大きさに揃えた1又は複数の微小球が、所定の位置に配置、固定されていることを特徴とする偽造防止マーク。
- 被認識体上に、励起光の照射によって発振する発振レーザ光が、複数の波長となるように直径を複数の大きさに揃えた複数の微小球が、無作為の位置に配置、固定されていることを特徴とする偽造防止マーク。
- 前記微小球が、光の減衰率10%以下の無色透明な石英、ガラス又は合成樹脂からなることを特徴とする請求項5〜7のいずれか記載の偽造防止マーク。
- 前記微小球が、Er、Yb若しくはNb等の元素又は色素を添加されていることを特徴とする請求項8記載の偽造防止マーク。
- 前記微小球が、それから発振される発振レーザ光の波長が可視光領域となるように直径、添加剤を設定されていることを特徴とする請求項5〜9のいずれか記載の偽造防止マーク。
- 請求項5〜10のいずれか記載の偽造防止マークの微小球に励起光を照射する手段と、微小球から発振される発振レーザ光の波長、形状で認識して偽造防止マークの真偽を判定する手段とを備えることを特徴とする偽造防止マークの真偽判定装置。
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Cited By (3)
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---|---|---|---|---|
JP2009049329A (ja) * | 2007-08-23 | 2009-03-05 | Hisashi Shoren | 光蓄積リング |
JP2015520895A (ja) * | 2012-05-07 | 2015-07-23 | ハン ヤン チョ | 製品認証ラベル、そのラベルの認証コード生成方法、そのラベルの認証方法およびシステム、そのラベルを認証するための携帯端末、およびそのラベルの認証のためのコンピュータ可読記録媒体 |
JP2015191383A (ja) * | 2014-03-28 | 2015-11-02 | 大日本印刷株式会社 | 情報記録媒体、読取システム、読取方法 |
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2004
- 2004-07-08 JP JP2004201806A patent/JP2006024760A/ja active Pending
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JP2018142320A (ja) * | 2012-05-07 | 2018-09-13 | ハン ヤン チョ | 製品認証ラベル、そのラベルの認証コード生成方法、そのラベルの認証方法およびシステム、そのラベルを認証するための携帯端末、およびそのラベルの認証のためのコンピュータ可読記録媒体 |
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Legal Events
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Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712 Effective date: 20070711 |
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A072 | Dismissal of procedure [no reply to invitation to correct request for examination] |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A072 Effective date: 20071211 |