JP2006024050A - 微小位置決め装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】位置決め対象部4と、位置決め対象部4を変位可能に支持する基部2,3と、位置決め対象部4と基部2,3との間に設けられ、温度変化に応じて伸縮する熱伸縮部10と、熱伸縮部10を加熱又は冷却する温度調節部11とを備える微小位置決め装置とし、熱伸縮部10を加熱又は伸縮したときの熱膨張又は熱収縮によって位置決めを行なう。
【選択図】図3
Description
従来の微小位置決め装置として、ステッパのテーブルを、スリップスティック現象が発生しない空気軸受によって支持し、これをリニアモータで駆動するものがある(例えば、特許文献1を参照。)。
また、リニアモータ駆動の精度を、熱環境の面から考慮すると、例えば、厚さ1mmの鉄材の温度が1℃上がったときに、10nmの熱膨張が生ずることから、リニアモータ駆動によってナノメータオーダの位置決めをすることは困難である。
図1は、本発明を適用した微小位置決め装置の実施例1の平面図である。図2は、図1のII−II部矢視断面図である。
粗動固定壁部3は、粗動基板2の表面上に矩形断面の突条状に形成され、X方向に延在する部分と、Y方向に延在する部分とを備えている。これらの部分は、それぞれの一端側で接続され、L字状に形成されている。
可動ステージ4は、X,Y方向に延在する矩形の平板状に形成され、その隣り合った2辺が、粗動固定壁部3のX方向に延在する部分と、Y方向に延在する部分とにそれぞれ対向している。
また、可動ステージ4は、その粗動基板2に対する位置を検出する位置センサ7が備えられている。このような位置センサ7として、例えば、レーザー変位計測装置、静電容量方式の変位センサ等を用いることができる。
X方向アクチュエータ5X及びY方向アクチュエータ5Yは、可動テーブル4の周縁部と、これに対向する粗動固定壁部3との間にわたして設けられ、それぞれ例えば2つずつ、分散して配置されている。
Z方向アクチュエータ5Zは、図2に示すように、粗動基板2と可動テーブル4の相互に対向する面間にわたして設けられ、図1に示すように、X−Y平面視において、例えば3つが可動テーブル4の周辺部に分散して配置されている。
また、アクチュエータ部5には、駆動電力を供給する電源部8が接続されている。
また、アクチュエータ部5を制御する制御装置9が備えられ、この制御装置9は、上述した位置センサ7及び電源部8と接続されている。
X方向アクチュエータ5Xは、熱伸縮部10と、加熱コイル11と、断熱部12とを備えている。
熱伸縮部10は、例えば、炭素鋼によって形成され、加熱コイル11は、その周囲に設けられている。加熱コイル11は、電源部8に接続されて通電時に発熱するものであり、その電力は制御装置9によって制御されている。
断熱部12は、熱伸縮部10を挟んで、可動ステージ4側及び粗動固定壁部3側にそれぞれ設けられ、熱伸縮部10の材料よりも熱伝導率が小さい熱不良導体によって形成されている。熱伸縮部10は、これらの断熱部12を介して、可動テーブル4、粗動基板2、粗動固定壁部3とそれぞれ接続されている。
熱伸縮部10と、その両端の断熱部12とは、そのY−Z平面と並行な横断面積が略同じに形成され、柱状に形成されている。
これらはそれぞれ対応する方向に可動テーブル4を付勢するものであり、X方向付勢ばね6X、Y方向付勢ばね6Yはそれぞれ可動テーブル4の外縁部と、これに対向する粗動固定壁部3との間にわたして設けられ、Z方向付勢ばね6Zは、可動テーブル4の粗動基板2側の面における略中央部と、粗動基板2のこれに対向する面部との間にわたして設けられている。
まず、制御装置9は、図示しない入力部からの入力によって設定された位置決め目標位置を、位置センサ7が検出した可動テーブル4の実際の位置と比較し、各アクチュエータ部5の必要な変位量を算出する。
制御装置9は、各アクチュエータ毎に、算出された変位を得るために必要な熱量を算出し、この熱量を熱伸縮部10に与えるように加熱コイル11へ通電する電力量を算出し、電源部8に制御命令を発して電力を加熱コイル11に供給させる。
また、この熱伸縮部10の温度を1℃上げるために必要な熱量は、0.27J(6.4×10-5kcal)であり、これは0.27Ωの抵抗値を有する加熱コイル11に、1Aの電流を流すことによって得られる。したがって、抵抗値が0.54Ωの加熱コイル11に、1Aの電流を流すと、20nmの変位量を得ることができる。
上述した制御装置9は、位置センサ7によって検出された可動ステージ4の位置と位置決め目標位置とを随時比較しながら、加熱コイル11に供給する電力のフィードバック制御を行う。
また、運動エネルギーに着目すると、可動ステージ4が10nmの変位を10msecで行う場合、10kg×10-12(m/sec)2=10-11Jである。
以上のように、可動ステージ4の位置決めは、微小なエネルギーによって行なうことができる。
また、位置決めに要するエネルギーは微小であるから、装置への蓄熱も小さく抑えられる。
実施例2は、上述した実施例1と類似するので、同様の部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に相違点について説明する。
また、実施例2の微小位置決め装置は、ばね部6に変えて、磁力を制御可能な電磁石を有する磁石部6’によって可動ステージ4を粗動基板2又は粗動固定壁部3側に付勢している。
実施例2においても、上述した実施例1と同様の効果が得られ、さらに加熱コイル及びこれに電力を供給する配線が不要となるから、装置をシンプルにすることができる。
また、ばね部に代えて磁力を調節可能な電磁石を有する磁石部6’によって可動ステージ4を付勢しているから、磁力を弱くして可動ステージ4の駆動に要するエネルギーを低減し、又は、磁力を強くしてことによって、可動ステージ4が粗動基板2又は粗動固定壁部3側に戻るスピードを向上することができる。
本発明は、以上説明した実施例に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の均等の範囲内である。
(1)各実施例は、熱伸縮部を加熱し、熱膨張を利用して位置決めを行うものであるが、熱伸縮部を冷却し、熱収縮を利用して位置決めを行うようにしてもよい。この場合、付勢部は、可動ステージを粗動基板又は粗動固定壁部から遠ざける方向に付勢するものであるとよい。
(2)各実施例は、可動ステージを3次元方向に位置決めするものであるが、2次元又は1次元方向の位置決めにのみ本発明を適用してもよい。
(3)実施例2は、熱伸縮部10を加熱するためにレーザー光線を用いているが、これに代えて、例えばマイクロ波等の他の電磁波を用いてもよい。
2 粗動基板
3 粗動固定壁部
4 可動テーブル
5 アクチュエータ部
5X X方向アクチュエータ
5Y Y方向アクチュエータ
5Z Z方向アクチュエータ
6 ばね部
6X X方向付勢ばね
6Y Y方向付勢ばね
6Z Z方向付勢ばね
7 位置センサ
8 電源部
9 制御装置
10 熱伸縮部
11 加熱コイル
12 断熱部
Claims (7)
- 位置決め対象部と、
前記位置決め対象部を変位可能に支持する基部と、
前記位置決め対象部と前記基部との間に設けられ、温度変化に応じて伸縮する熱伸縮部と、
前記熱伸縮部を加熱又は冷却する温度調節部と
を備える微小位置決め装置。 - 請求項1に記載の微小位置決め装置において、
前記位置決め対象部の前記基部に対する位置を検出する位置検出部と、
前記位置検出部の出力に基づいて前記温度調節部を制御する制御部と
を備えること
を特徴とする微小位置決め装置。 - 請求項1又は請求項2に記載の微小位置決め装置において、
前記制御部は、前記位置検出部によって検出された前記位置決め対象部の位置が、予め設定された目標位置であるときに、前記熱伸縮部がその寸法を維持する熱量の加熱又は冷却を行なうこと
を特徴とする微小位置決め装置。 - 請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の微小位置決め装置において、
前記熱伸縮部は、この熱伸縮部の材料よりも熱伝導率の低い材料を有する断熱部材を介して前記位置決め対象部、前記基部の少なくとも一方と接続されていること
を特徴とする微小位置決め装置。 - 請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の微小位置決め装置において、
前記位置決め対象部を、前記熱伸縮部の伸縮方向の一方に付勢する付勢部を備えること
を特徴とする微小位置決め装置。 - 請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の微小位置決め装置において、
前記温度調節部は、前記熱伸縮部に備えられた電気ヒータを有すること
を特徴とする微小位置決め装置。 - 請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の微小位置決め装置において、
前記温度調節部は、前記熱伸縮部に電磁波を照射する電磁波発生部を有すること
を特徴とする微小位置決め装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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2004
- 2004-07-09 JP JP2004202532A patent/JP2006024050A/ja active Pending
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