JP2006023540A - 画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】少なくとも可撓性ブラシ繊維、極性制御成分を配合してなるブラシ表面被覆層23及び導電性のブラシ支持体22を有し、かつ、ブラシ21の体積抵抗が1×103〜1×1012Ω・cmであり、転写後に像担持体1上に残存したトナーの帯電量を、摺擦により転写前の像担持体1上トナー帯電量の50〜95%に帯電させる摺擦装置2でトナーを回収して保持し、非画像形成時に像担持体1上に排出し、排出された像担持体1上のトナーを現像装置5で回収することを特徴とする。
【選択図】図3
Description
この電子写真画像形成方法は、可視像化のためのトナーを帯電させる方法によって、トナーとキャリアとを攪拌・混合させて発生する摩擦帯電を用いる、いわゆる二成分現像方式と、キャリアを用いずにトナーへの電荷付与を行う、いわゆる一成分現像方式とに大別される。この一成分現像方式は、現像ローラへのトナー粒子の保持に磁気力を使用するか否かにより、磁性一成分現像方式、非磁性一成分現像方式に分類される。
通常、像担持体上への潜像は、像担持体を一様に帯電させた後若しくは像担持体を帯電させると同時に、レーザー光による書き込み装置等の潜像形成装置により、得ようとする画像のパターンに応じた潜像パターンとして形成される。
安定した画像を得るには、潜像の形成や、潜像の可視像化すなわち現像の安定化はもちろんのこと、更なる画質の安定化の為には、像担持体の一様な帯電の維持、潜像形成部位内の場所による帯電電位バラツキの抑制が、重要となる。
これらに対しては、これまでにも、コロトロン、スコロトロン、櫛歯電極をはじめとした、さまざまな提案がなされている。
特に、コロナ放電を用いた帯電装置は、帯電の均一性に対しては、効果的な方式であり、数多くの電子写真方式の画像形成装置に採用されている。
しかしながら、一方で、コロナ放電を用いた帯電装置では、放電に伴う大量のオゾン発生が不可避であり、これを低減することを目的として、帯電ローラや帯電ブラシを用いた接触帯電方式や、近接帯電方式等が提案されている。
これらの帯電装置は、主に帯電ローラや帯電ブラシ等と像担持体との間の、微小領域における放電を利用して、像担持体を帯電させるものである。このような帯電装置においては、帯電部材と感光体との接触・非接触は、特別重要視する必要はないが、均一な帯電を得るためには、その帯電部材と感光体との間の空隙は小さい方が望ましい。
このような帯電方式の帯電装置では、帯電効率(帯電電位/印加電圧)は接触もしくは近接する帯電部材の表面状態に依存し、像担持体から転写媒体に転写されなかった残存トナーに代表される汚染物質の帯電部材への累積的な付着・固着や融着に起因する経時的な変動や、付着・固着や融着が発生している箇所と発生していない箇所での帯電効率の差異が生じることがあった。
この様な状況が発生すると、定電圧制御の帯電装置では帯電効率が低下すると一定の印加電圧で得られる帯電電位が低下するため、画像濃度の低下や、その他の帯電電位を基準値として制御されるプロセスコントロールが正常に行われなくなることがあった。
これらを解決するため、従来は、像担持体上に残存するトナーを除去する、いわゆるクリーニング装置や、帯電部材を清掃する装置・機構等を設置し、帯電部材の汚染を抑制する提案がなされている(特許文献1、2、3)。
ところが、より高画質な画像を求める中、トナーの形状はより球形に近づき、また粒径は更に小さくなりつつ有る。この様なトナーは、クリーニング装置による除去が困難になり、帯電部材は一層汚染されやすくなってきている。
この時、可視像を形成したトナーの大部分は、転写装置にて大部分が媒体もしくは中間転写媒体へ移行するが、通常は、少量のトナーが残存する。
これらのトナー、いわゆる転写残トナーは、別途設けたクリーニング装置にて回収して廃棄されるか、もしくは更にリサイクル機構を経由して現像装置内に戻され使用される。
また、近年では、装置の小型化のため転写残トナーを像担持体上に残したまま、帯電装置設置部を通過させ現像装置にて回収する機構も提案されている(特許文献4)。
ところが、上述のような転写残トナーは、転写装置の転写電界に応答することなく残留したものであり、帯電量が小さなトナーや逆帯電のトナーが多く含まれるため、そのままでは現像装置部分で十分に回収できず、像担持体上に滞留して膜化したり、像担持体に接触している他の部材を汚染したりすることがあった。
また、このようなトナーは、たとえ現像装置にて回収されたとしても引き続き現像が行われるときに、十分な帯電量を保持していないことがあり、画像部、非画像部を問わず付着してしまい、画像品質を低下させる要因となっていた。
しかしながら、昨今の環境保全の機運が高まる中、使用済みのプロセスカートリッジを廃棄することなく再使用し、廃棄物量を削減することは、製造者としての社会的使命となってきており、このためにも、複数回の使用に耐えられるような部品の安定化は、重要な課題として残されていた。
1. 本発明は、少なくとも、静電潜像を形成する像担持体と、像担持体を帯電する帯電装置と、像担持体に潜像を形成する潜像形成装置と、像担持体上の潜像をトナー像とする現像装置と、像担持体上のトナー像を転写媒体に転写する転写装置と、転写後の像担持体表面を摺擦する摺擦部材を備える摺擦装置とを備える画像形成装置において、転写後に像担持体表面に残存するトナーを摺擦装置で回収して保持し、非画像形成時に像担持体上に排出し、排出された像担持体上のトナーを現像装置で回収する画像形成装置であって、前記摺擦装置は、少なくとも可撓性ブラシ繊維、極性制御成分を配合してなるブラシ表面被覆層及び導電性のブラシ支持体を有し、かつ、ブラシの体積抵抗が1×103〜1×1012Ω・cmであり、転写後に像担持体上に残存したトナーの帯電量を、摺擦により転写前の像担持体上トナー帯電量の50〜95%に帯電させることを特徴とする画像形成装置である。
3.前記摺擦装置は、アミノシラン化合物を含むことを特徴とする画像形成装置である。
4.前記摺擦装置のアミノシラン化合物は、下記化学式1よりなる群の内、少なくとも1種であることを特徴とする画像形成装置である。
6.また、本発明は、前記画像形成装置が、摺擦装置へ直流電圧または直流電圧に交流電圧を重畳した電圧を、印加する電圧印加装置を備えることを特徴とする画像形成装置である。
7.前記電圧印加装置は、非画像形成時に、摺擦装置から像担持体へトナーが転移する電界を形成する電圧を摺擦装置へ印可する電圧印加装置であることを特徴とする画像形成装置である。
8.前記画像形成装置は、複数の像担持体に形成したトナー像を転写媒体または中間転写媒体に転写する転写装置を備えることを特徴とする画像形成装置である。
10.前記画像形成装置に用いるトナーが、体積平均粒径が3〜10μmで、体積平均粒径と個数平均粒径との比(分散度)が、1.00〜1.40の範囲にあることを特徴とする。
11.前記トナーは、少なくとも、窒素原子を含む官能基を有するポリエステルプレポリマー、ポリエステル、着色剤、離型剤とを有機溶媒中にそれぞれ溶解又は分散させたトナー材料液を、水系媒体中で架橋及び/又は伸長反応させることを特徴とする。
12.前記トナーは、形状係数SF−1が100〜180の範囲にあり、形状係数SF−2が100〜180の範囲にあることを特徴とする。
13.前記トナーは、外観形状がほぼ球形状であって、長軸と短軸との比(r2/r1)が0.5〜1.0の範囲で、厚さと短軸との比(r3/r2)が0.7〜1.0の範囲であって、長軸r1≧短軸r2≧厚さr3の関係を満足することを特徴とする。
また、高画質な画像を得るに適したトナーを使用しても、初期の高品質な画像を長期にわたって変動させることなく維持することができる共に、プロセスカートリッジもしくはこれに使用している部品の再使用が容易になり、廃棄物の削減、自然環境へ与える負荷を大幅に低減する画像形成装置を提供することができる。
図2は、画像形成装置内部のプロセスカートリッジの概略構成図である。
なお、プロセスカートリッジ10は各色毎に配置されており、各感光体1Y、1C、1M、1K周りの構成はすべて同じであるため、1つのプロセスカートリッジについてのみ図示し、色分け用の符号Y、C、M、Kについては省略してある。ドラム状の像担持体1の周囲には、摺擦装置2、帯電装置3、潜像形成装置4、現像装置5、および一次転写装置6が配置され、以下の動作で画像形成が行われる。
有機光導電層を有する感光体(OPC)に代表される像担持体1は、除電ランプ(図示せず)等で除電され、帯電部材を有する帯電装置3で均一にマイナスに帯電される。
帯電装置3による像担持体1の帯電が行なわれる際には、電圧印加機構(図示せず)から帯電部材に、像担持体1を所望の電位に帯電させるに適した、適当な大きさの電圧またはこれに交流電圧を重畳した帯電電圧が印加される。
帯電された像担持体1は、レーザー光学系等の潜像形成装置4によって照射されるレーザー光で潜像形成(露光部電位の絶対値は、非露光部電位の絶対値より低電位となる)が行なわれる。レーザー光は半導体レーザーから発せられて、高速で回転する多角柱の多面鏡(ポリゴン)等により像担持体1の表面を、像担持体1の回転軸方向に走査する。
このようにして形成された潜像が、現像装置5にある現像剤担持体である現像スリーブ5a上に供給されたトナー粒子、またはトナー粒子及びキャリア粒子の混合物からなる現像剤により現像され、トナー可視像が形成される。
潜像の現像時には、電圧印加機構(図示せず)から現像スリーブに、像担持体1の露光部と非露光部の間にある、適当な大きさの電圧またはこれに交流電圧を重畳した現像バイアスが印加される。
また、像担持体上に残存するトナー粒子は、本発明に係る摺擦装置2の摺擦部材21によって摺擦され、トナー帯電量が強化され、同時にトナー回収方向へ電界が形成された摺擦装置内へ一時的に保持される。その後、紙間などの画像形成を行わないタイミングで、トナー排出方向に電界が形成され、摺擦装置2から像担持体上へトナーが排出される。排出されたトナーは、像担持体1にて搬送され、現像装置5にて回収される。
なお、本発明において、像担持体のクリーニング部材は必須ではなく、特に、トナーの円形度が大きく、転写が良好なトナーの使用においては、転写後の像担持体1上の残存トナー量は少なくなっているため、本発明の摺擦装置により十分にトナー帯電量を正常な状態に近づけていれば、帯電装置3を汚染することなく、現像装置5にて十分に回収が行われ、安定した画像を維持することができる。
像担持体1に対向して配設された摺擦装置2は、導電性支持体22、可撓性ブラシ繊維23およびブラシ表面被覆層24よりなる摺擦部材21を有し、必要により像担持体1表面をクリーニングするためのクリーニング部材(図示せず)等から主に構成される。像担持体1に接触または近接する摺擦装置2には高電圧電源25により、転写残トナーを、摺擦装置2内に回収もしくは、摺擦装置2から排出させるための電圧が印加される。
ブラシ表面被覆層24には、本発明で規定するように、極性制御成分を含有している。また、ブラシ繊維23、ブラシ表面被覆層24の片方もしくは両方に電気伝導性物質を含有し、ブラシ抵抗が調整されている。
一次転写装置61通過後の像担持体1上に残存している転写残トナーは、帯電量が小さい、又は逆帯電のトナーを多く含んでいるが、本発明に係る摺擦装置2を通過させることにより、通常のトナーと同等の帯電量を付与させることができるため、現像装置5にて転写残トナーを効率良く回収することができ、また、十分にトナー帯電量が維持できているため、画像品質への影響も与えなくできる。摺擦装置2の摺擦部には、可撓性ブラシ繊維23表面に、トナーの帯電量を像担持体表面の帯電極性と同極性に帯電させる極性制御成分を配合してなるブラシ表面被覆層24を設ける必要がある。撓みを持たない剛直なブラシ繊維の使用では、像担持体表面を傷つけるばかりでなく、ブラシ自身が経時的に変形し、十分な摺擦力が得られなくなるからである。また、導電性のブラシ支持体22を用いることにより、ブラシと転写残トナーとの間での電荷授受にて発生するトナー電荷のカウンター電荷を蓄積することなく、速やかに系外へ送り出すことができるため、ブラシの電荷付与能力を安定にすることができる。
ブラシ21の体積抵抗を1×103〜1×1012Ω・cmとすることにより、これらを両立させることができ、安定してトナーへの電荷付与を行うことができる。また、使用環境の変動に対して、よりしたトナーへの電荷付与のためには、ブラシの体積抵抗は、1×105〜1×1010Ω・cmとする方が、より好ましい。
アミノシラン化合物はブラシ表面被覆層となる液の処方材料であり、この液をブラシに塗布することにより、ブラシ表面への膜化の際の架橋反応によりアミン化合物および/またはイミン化合物が形成され、これらの化合物が極性制御成分として有効になる。一方、アミノシラン化合物自体もある程度の量が未反応のまま残留する。
従って、比較的容易にブラシ表面層成分として、極性制御成分を導入することができるため、好ましく用いられる。アミノシラン化合物は、下記化学式1よりなる群の内少なくとも1種であることが好ましい。
また、撓みの程度を調整するために、ジエン系ゴム、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、エチレンプロピレンゴム、イソプレンゴム、ニトリルゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴム、ヒドリンゴム、ノルボルネンゴム等を複合して用いても良い。
摺擦部材21は、ブラシ密度の高い物を使用することが好ましく、1本の繊維を数本〜数百本の微細な繊維から作ることも好ましい。例えば、333デシテックス=6.7デシテックス×50フィラメント(300デニール=6デニール×50フィラメント)のように6.7デシテックス(6デニール)の微細な繊維を50本束ねて1本の繊維として植毛することも可能である。
シリコーン樹脂としては、従来から知られているシリコーン樹脂の内、可撓性を持つものであれば良く、下記式で示されるオルガノシロキサンを含む線状/非線状シリコーン樹脂をアルキド、ポリエステル、エポキシ、ウレタンなどで変成したシリコーン樹脂等が挙げられる。
また、これらの電気伝導性物質は、本発明の規定範囲を逸脱しない限り、強度の維持や製造し易さの観点から、その量を適宜調整する事ができるが、ブラシ繊維組成物やブラシ被覆層組成物の100重量部に対して2〜30重量部程度の量を添加することが好ましく用いられ、30重量部を越えるような場合には、可撓性の維持が困難となったり、亀裂や永久歪等を引き起こすことが有り、2重量%を下回る場合には十分な電気伝導性物質の選択によっては効果が発現しないことや、その発現にバラツキが生じることが有る。
また、画像形成時には、摺擦装置2への電圧印加は行わなくても良いが、より制御性良くトナーの一時保持を行うには、トナー排出時と逆方向の電界が形成されるように摺擦装置2への電圧印加を行っても差し支えない。
また、摺擦装置2のブラシ21の回転方向は、像担持体1と接触する部分で同方向とする。ブラシ21と像担持体1との線速比(ブラシの線速/像担持体の線速)は、1.0〜2.5の範囲であり、好ましくは、1.2〜2.2の範囲である。
本発明のトナーは、平均円形度が0.93〜1.00であることが好ましい。本発明では、下記式1より得られた値を円形度SRと定義する。この円形度はトナー粒子の凹凸の度合いの指標であり、トナーが完全な球形の場合1.00を示し、表面形状が複雑になるほど円形度は小さな値となる。
円形度SR=粒子投影面積と同じ面積の円の周囲長/粒子投影像の周囲長・・・式1
平均円形度が0.93〜1.00の範囲では、トナー粒子の表面は滑らかであり、トナー粒子同士、トナー粒子と感光体との接触面積が小さいために転写性に優れる。トナー粒子に角がないため、現像装置内での 現像剤の攪拌トルクが小さく、攪拌の駆動が安定するために異常画像が発生しない。ドットを形成するトナーの中に、角張ったトナー粒子がいないため、転写で転写媒体に圧接する際に、その圧がドットを形成するトナー全体に均一にかかり、転写中抜けが生じにくい。トナー粒子が角張っていないことから、トナー粒子そのものの研磨力が小さく、感光体、帯電部材等の表面を傷つけたり、磨耗させたりしない。
円形度は、東亜医用電子製フロー式粒子像分析装置FPIA−1000を用いて測定することができる。具体的な測定方法としては、容器中の予め不純固形物を除去した水100〜150ml中に分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスフォン酸塩を0.1〜0.5ml加え、更に測定試料を0.1〜0.5g程度加える。試料を分散した懸濁液は超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行ない、分散液濃度を3000〜10000個/μlとして前記装置によりトナーの形状、粒度を測定する。
この範囲では、微小な潜像ドットに対して、十分に小さい粒径のトナー粒子を有していることから、ドット再現性に優れる。体積平均粒径D4が3μm未満では、転写効率の低下、ブレードクリーニング性の低下といった現象が発生しやすい。重量平均径D4が10μmを超えると、文字やラインの飛び散りを抑えることが難しい。
コールターカウンター法によるトナー粒子の粒度分布の測定装置としては、コールターカウンターTA−IIやコールターマルチサイザーII(いずれもコールター社製)があげられる。以下に測定方法について述べる。
まず、電解水溶液100〜150ml中に分散剤として界面活性剤(好ましくはアルキルベンゼンスルフォン酸塩)を0.1〜5ml加える。ここで、電解液とは1級塩化ナトリウムを用いて約1%NaCl水溶液を調製したもので、例えばISOTON−II(コールター社製)が使用できる。ここで、更に測定試料を2〜20mg加える。試料を懸濁した電解液は、超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行ない、前記測定装置により、アパーチャーとして100μmアパーチャーを用いて、トナー粒子又はトナーの体積、個数を測定して、体積分布と個数分布を算出する。得られた分布から、トナーの体積平均粒径D4、個数平均径D1を求めることができる。
チャンネルとしては、2.00〜2.52μm未満;2.52〜3.17μm未満;3.17〜4.00μm未満;4.00〜5.04μm未満;5.04〜6.35μm未満;6.35〜8.00μm未満;8.00〜10.08μm未満;10.08〜12.70μm未満;12.70〜16.00μm未満;16.00〜20.20μm未満;20.20〜25.40μm未満;25.40〜32.00μm未満;32.00〜40.30μm未満の13チャンネルを使用し、粒径2.00μm以上乃至40.30μm未満の粒子を対象とする。
イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)としては、ポリオール(1)とポリカルボン酸(2)の重縮合物でかつ活性水素基を有するポリエステルをさらにポリイソシアネート(3)と反応させた物などが挙げられる。上記ポリエステルの有する活性水素基としては、水酸基(アルコール性水酸基およびフェノール性水酸基)、アミノ基、カルボキシル基、メルカプト基などが挙げられ、これらのうち好ましいものはアルコール性水酸基である。
ポリオール(1)としては、ジオール(1−1)および3価以上のポリオール(1−2)が挙げられ、(1−1)単独、または(1−1)と少量の(1−2)の混合物が好ましい。ジオール(1−1)としては、アルキレングリコール(エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオールなど);アルキレンエーテルグリコール(ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコールなど);脂環式ジオール(1,4-シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールAなど);ビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールSなど);上記脂環式ジオールのアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなど)付加物;上記ビスフェノール類のアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなど)付加物などが挙げられる。これらのうち好ましいものは、炭素数2〜12のアルキレングリコールおよびビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物であり、特に好ましいものはビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物、およびこれと炭素数2〜12のアルキレングリコールとの併用である。3価以上のポリオール(1−2)としては、3〜8価またはそれ以上の多価脂肪族アルコール(グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトールなど);3価以上のフェノール類(トリスフェノールPA、フェノールノボラック、クレゾールノボラックなど);上記3価以上のポリフェノール類のアルキレンオキサイド付加物などが挙げられる。
ポリオール(1)とポリカルボン酸(2)の比率は、水酸基[OH]とカルボキシル基[COOH]の当量比[OH]/[COOH]として、通常2/1〜1/1、好ましくは1.5/1〜1/1、さらに好ましくは1.3/1〜1.02/1である。
ポリイソシアネート(3)の比率は、イソシアネート基[NCO]と、水酸基を有するポリエステルの水酸基[OH]の当量比[NCO]/[OH]として、通常5/1〜1/1、好ましくは4/1〜1.2/1、さらに好ましくは2.5/1〜1.5/1である。[NCO]/[OH]が5を超えると低温定着性が悪化する。[NCO]のモル比が1未満では、変性ポリエステル中のウレア含量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。末端にイソシアネート基を有するプレポリマー(A)中のポリイソシアネート(3)構成成分の含有量は、通常0.5〜40重量%、好ましくは1〜30重量%、さらに好ましくは2〜20重量%である。0.5重量%未満では、耐ホットオフセット性が悪化するとともに、耐熱保存性と低温定着性の両立の面で不利になる。また、40重量%を超えると低温定着性が悪化する。
イソシアネート基を有するプレポリマー(A)中の1分子当たりに含有するイソシアネート基は、通常1個以上、好ましくは、平均1.5〜3個、さらに好ましくは、平均1.8〜2.5個である。1分子当たり1個未満では、ウレア変性ポリエステルの分子量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。
(ii)のピーク分子量は、通常1000〜30000、好ましくは1500〜10000、さらに好ましくは2000〜8000である。1000未満では耐熱保存性が悪化し、10000を超えると低温定着性が悪化する。(ii)の水酸基価は5以上であることが好ましく、さらに好ましくは10〜120、特に好ましくは20〜80である。5未満では耐熱保存性と低温定着性の両立の面で不利になる。(ii)の酸価は通常1〜30、好ましくは5〜20である。酸価を持たせることで負帯電性となりやすい傾向がある。
本発明に用いる水系媒体としては、水単独でもよいが、水と混和可能な溶剤を併用することもできる。混和可能な溶剤としては、アルコール(メタノール、イソプロパノール、エチレングリコールなど)、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、セルソルブ類(メチルセルソルブなど)、低級ケトン類(アセトン、メチルエチルケトンなど)などが挙げられる。
トナー粒子は、水系媒体中でイソシアネート基を有するプレポリマー(A)からなる分散体を、(B)と反応させて形成しても良いし、あらかじめ製造したウレア変性ポリエステル(i)を用いても良い。水系媒体中でウレア変性ポリエステル(i)やプレポリマー(A)からなる分散体を安定して形成させる方法としては、水系媒体中にウレア変性ポリエステル(i)やプレポリマー(A)からなるトナー原料の組成物を加えて、せん断力により分散させる方法などが挙げられる。プレポリマー(A)と他のトナー組成物である(以下トナー原料と呼ぶ)着色剤、着色剤マスターバッチ、離型剤、荷電制御剤、未変性ポリエステル樹脂などは、水系媒体中で分散体を形成させる際に混合してもよいが、あらかじめトナー原料を混合した後、水系媒体中にその混合物を加えて分散させたほうがより好ましい。また、本発明においては、着色剤、離型剤、荷電制御剤などの他のトナー原料は、必ずしも、水系媒体中で粒子を形成させる時に混合しておく必要はなく、粒子を形成せしめた後、添加してもよい。たとえば、着色剤を含まない粒子を形成させた後、公知の染着の方法で着色剤を添加することもできる。
ウレア変性ポリエステル(i)やプレポリマー(A)を含むトナー組成物100部に対する水系媒体の使用量は、通常50〜2000重量部、好ましくは100〜1000重量部である。50重量部未満ではトナー組成物の分散状態が悪く、所定の粒径のトナー粒子が得られない。20000重量部を超えると経済的でない。また、必要に応じて、分散剤を用いることもできる。分散剤を用いたほうが、粒度分布がシャープになるとともに分散が安定である点で好ましい。
プレポリマー(A)からウレア変性ポリエステル(i)を合成する工程は水系媒体中でトナー組成物を分散する前にアミン類(B)を加えて反応させても良いし、水系媒体中に分散した後にアミン類(B)を加えて粒子界面から反応を起こしても良い。この場合製造されるトナー表面に優先的にウレア変性ポリエステルが生成し、粒子内部で濃度勾配を設けることもできる。
またフルオロアルキル基を有する界面活性剤を用いることにより、非常に少量でその効果をあげることができる。好ましく用いられるフルオロアルキル基を有するアニオン性界面活性剤としては、炭素数2〜10のフルオロアルキルカルボン酸及ぴその金属塩、パーフルオロオクタンスルホニルグルタミン酸ジナトリウム、3一[オメガーフルオロアルキル(C6〜C11)オキシ]ー1ーアルキル(C3〜C4)スルホン酸ナトリウム、3ー[オメガーフルオロアルカノイル(C6〜C8)一Nーエチルアミノ]ー1−プロパンスルホン酸ナトリウム、フルオロアルキル(C11〜C20)カルボン酸及ぴ金属塩、パーフルオロアルキルカルボン酸(C7〜C13)及びその金属塩、パーフルオロアルキル(C4〜C12)スルホン酸及ぴその金属塩、パーフルオロオクタンスルホン酸ジエタノールアミド、NープロピルーN一(2ヒドロキシエチル)パーフルオロオクタンスルホンアミド、パーフルオロアルキル(C6〜C10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩、パーフルオロアルキル(C6〜C10)ーNーエチルスルホニルグリシン塩、モノパーフルオロアルキル(C6〜C16)エチルリン酸エステルなどが挙げられる。
また高分子系保護コロイドにより分散液滴を安定化させても良い。例えばアクリル酸、メタクリル酸、αーシアノアクリル酸、α−シアノメタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、フマール酸、マレイン酸または無水マレイン酸などの酸類、あるいは水酸基を含有する(メタ)アクリル系単量体、例えばアクリル酸β一ヒドロキシエチル、メタクリル酸β一ヒドロキシエチル、アクリル酸βーヒドロキシプロビル、メタクリル酸β一ヒドロキシプロピル、アクリル酸γーヒドロキシプロピル、メタクリル酸γ一ヒドロキシプロピル、アクリル酸3−クロロ2−ヒドロキシプロビル、メタクリル酸3ークロロー2一ヒドロキシプロピル、ジエチレングリコールモノアクリル酸エステル、ジエチレングリコールモノメタクリル酸エステル、グリセリンモノアクリル酸エステル、グリセリンモノメタクリル酸エステル、N−メチロールアクリルアミド、Nーメチロールメタクリルアミドなど、ビニルアルコールまたはビニルアルコールとのエ一テル類、例えばビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルプロピルエーテルなど、またはビニルアルコールとカルボキシル基を含有する化合物のエステル類、例えば酢酸ピニル、プロピオン酸ピニル、酪酸ビニルなど、アクリルアミド、メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミドあるいはこれらのメチロール化合物、アクリル酸クロライド、メタクリル酸クロライドなどの酸クロライド類、ピニルビリジン、ビニルピロリドン、ビニルイミダゾール、エチレンイミンなどの窒素原子、またはその複素環を有するものなどのホモポリマーまたは共重合体、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシプロピレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、ポリオキシプロピレンアルキルアミド、ポリオキシエチレンノニルフエニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルフェニルエステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエステルなどのポリオキシエチレン系、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどのセルロース類などが使用できる。
なお、分散安定剤としてリン酸カルシウム塩などの酸、アルカリに溶解可能な物を用いた場合は、塩酸等の酸により、リン酸カルシウム塩を溶解した後、水洗するなどの方法によって、微粒子からリン酸カルシウム塩を除去する。その他酵素による分解などの操作によっても除去できる。
分散剤を使用した場合には、分散剤がトナー粒子表面に残存したままとすることもできるが、伸長および/または架橋反応後、洗浄除去するほうがトナーの帯電面から好ましい。
伸長および/または架橋反応時間は、プレポリマー(A)の有するイソシアネート基構造とアミン類(B)の組み合わせによる反応性により選択されるが、通常10分〜40時間、好ましくは2〜24時間である。反応温度は、通常、0〜150℃、好ましくは40〜98℃である。また、必要に応じて公知の触媒を使用することができる。具体的にはジブチルチンラウレート、ジオクチルチンラウレートなどが挙げられる。
乳化分散時の粒度分布が広く、その粒度分布を保って洗浄、乾燥処理が行われた場合、所望の粒度分布に分級して粒度分布を整えることができる。
分級操作は液中でサイクロン、デカンター、遠心分離等により、微粒子部分を取り除くことができる。もちろん乾燥後に粉体として取得した後に分級操作を行っても良いが、液体中で行うことが効率の面で好ましい。得られた不要の微粒子、または粗粒子は再び混練工程に戻して粒子の形成に用いることができる。その際微粒子、または粗粒子はウェットの状態でも構わない。
用いた分散剤は得られた分散液からできるだけ取り除くことが好ましいが、先に述べた分級操作と同時に行うのが好ましい。
具体的手段としては、高速で回転する羽根によって混合物に衝撃力を加える方法、高速気流中に混合物を投入し、加速させ、粒子同士または複合化した粒子を適当な衝突板に衝突させる方法などがある。装置としては、オングミル(ホソカワミクロン社製)、I式ミル(日本ニューマチック社製)を改造して、粉砕エアー圧カを下げた装置、ハイブリダイゼイションシステム(奈良機械製作所社製)、クリプトロンシステム(川崎重工業社製)、自動乳鉢などがあげられる。
更に、必要により、トナー粒子自身に磁気特性を持たせるには、フェライト、マグネタイト、マグヘマイト等の酸化鉄類、鉄、コバルト、ニッケル等の金属あるいは、これらと他の金属との合金等の磁性成分を単独または混合して、トナー粒子へ含有させればよい。また、これらの成分は、着色剤成分として使用/併用することもできる。
トナー中の着色剤の個数平均径が0.5μmより大きいときには、顔料の分散性が充分なレベルには到らず、好ましい透明性が得られないことがある。
0.1μmより小さい微小粒径の着色剤は、可視光の半波長より十分小さいため、光の反射、吸収特性に悪影響を及ぼさないと考えられる。よって、0.1μm未満の着色剤の粒子は良好な色再現性と、定着画像を有するOHPシートの透明性に貢献する。一方、0.5μmより大きな粒径の着色剤が多く存在していると、入射光の透過が阻害されたり、散乱されたりして、OHPシートの投影画像の明るさ及び彩かさが低下する傾向がある。
さらに、0.5μmより大きな粒径の着色剤が多く存在していると、トナー粒子表面から着色剤が脱離し、カブリ、ドラム汚染、クリーニング不良といった種々の問題を引き起こしやすいため、好ましくない。特に、0.7μmより大きな粒径の着色剤は、全着色剤の10個数%以下である事が好ましく、5個数%以下である事が、より好ましい。
予めの混錬に用いる結着樹脂としては、トナー用結着樹脂として例示した樹脂類をそのまま使用することができるが、これらに限定されるものではない。
前記の結着樹脂と着色剤の混合物を予め湿潤液と共に混練する具体的な方法としては、例えば、結着樹脂、着色剤及び湿潤液を、ヘンシェルミキサー等のブレンダーにて混合した後、得られた混合物を二本ロール、三本ロール等の混練機により、結着樹脂の溶融温度よりも低い温度で混練して、サンプルを得る。
また、湿潤液としては、結着樹脂の溶解性や、着色剤との塗れ性を考慮しながら、一般的なものを使用できるが、特に、アセトン、トルエン、ブタノン等の有機溶剤や水が、着色剤の分散性の面から好ましい。
中でも、水の使用は、環境への配慮及び、後のトナー製造工程における着色剤の分散安定性維持の点から、一層好ましい。
この製法によると、得られるトナーに含有される着色剤粒子の粒径が小さくなるばかりでなく、粒子の分散状態の均一性が高くなるため、OHPによる投影像の色の再現性がより一層良くなる。
離型剤としては公知のものが使用でき、例えばポリオレフィンワッックス(ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックスなど);長鎖炭化水素(パラフィンワッックス、サゾールワックスなど);カルボニル基含有ワックスなどが挙げられる。
これらのうち好ましいものは、カルボニル基含有ワックスである。カルボニル基含有ワックスとしては、ポリアルカン酸エステル(カルナバワックス、モンタンワックス、トリメチロールプロパントリベヘネート、ペンタエリスリトールテトラベヘネート、ペンタエリスリトールジアセテートジベヘネート、グリセリントリベヘネート、1,18-オクタデカンジオールジステアレートなど);ポリアルカノールエステル(トリメリット酸トリステアリル、ジステアリルマレエートなど);ポリアルカン酸アミド(エチレンジアミンジベヘニルアミドなど);ポリアルキルアミド(トリメリット酸トリステアリルアミドなど);およびジアルキルケトン(ジステアリルケトンなど)などが挙げられる。
これらカルボニル基含有ワックスのうち好ましいものは、ポリアルカン酸エステルである。これら離型剤の融点は、通常40〜160℃であり、好ましくは50〜120℃、さらに好ましくは60〜90℃である。融点が40℃未満のワックスは耐熱保存性に悪影響を与え、160℃を超えるワックスは低温での定着時にコールドオフセットを起こしやすい。また、ワックスの溶融粘度は、融点より20℃高い温度での測定値として、5〜1000cpsが好ましく、さらに好ましくは10〜100cpsである。1000cpsを超えるワックスは、耐ホットオフセット性、低温定着性への向上効果に乏しい。トナー中のワックスの含有量は通常0〜40重量%であり、好ましくは3〜30重量%である。
帯電制御剤としては公知のものが全て使用でき、例えば、トリフェニルメタン系染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、4級アンモニウム塩(フッ素変性4級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、燐の単体または化合物、タングステンの単体または化合物、フッ素系活性剤、サリチル酸金属塩及び、サリチル酸誘導体の金属塩等である。具体的には第四級アンモニウム塩のボントロンPー51、オキシナフトエ酸系金属錯体のEー82、サリチル酸系金属錯体のEー84、フェノール系縮合物のEー89(以上、オリエント化学工業社製)、第四級アンモニウム塩モリブデン錯体のTPー302、TP一415(以上、保土谷化学工業社製)、第四級アンモニウム塩のコピーチャージPSY VP2038、トリフェニルメタン誘導体のコピーブルーPR、第四級アンモニウム塩のコピーチャージ NEG VP2036、コピーチャージ NX VP434(以上、ヘキスト社製)、LRAー901、ホウ素錯体であるLRー147(日本カ一リット社製)、キナクリドン、アゾ系顔料、その他スルホン酸基、カルボキシル基、四級アンモニウム塩等の官能基を有する高分子系の化合物が挙げられる。
使用される樹脂微粒子は、水性分散体を形成しうる樹脂であればいかなる樹脂も使用でき、熱可塑性樹脂でも熱硬化性樹脂でもよいが、例えばビニル系樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ケイ素系樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、アニリン樹脂、アイオノマー樹脂、ポリカーボネート樹脂等が挙げられる。樹脂微粒子としては、上記の樹脂を2種以上併用しても差し支えない。このうち好ましいのは、微細球状樹脂粒子の水性分散体が得られやすい点から、ビニル系樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂及びそれらの併用が好ましい。
ビニル系樹脂としては、ビニル系モノマーを単独重合また共重合したポリマーで、例えば、スチレン−(メタ)アクリル酸エステル樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、(メタ)アクリル酸−アクリル酸エステル重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体等が挙げられるがこれらに限定されるものではない。
この無機微粒子の一次粒子径は、5nm〜2000nmであることが好ましく、特に5nm〜500nmであることが好ましい。また、BET法による比表面積は、20〜500m2/gであることが好ましい。この無機微粒子の使用割合は、トナーの0.01〜5重量%であることが好ましく、特に0.01〜2.0重量%であることが好ましい.無機微粒子の具体例としては、例えばシリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、酸化スズ、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ペンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素などを挙げることができる。
この他 高分子系微粒子たとえばソープフリー乳化重合や懸濁重合、分散重合によって得られるポリスチレン、メタクリル酸エステルやアクリル酸エステル共重合体やシリコーン、ベンゾグアナミン、ナイロンなどの重縮合系、熱硬化性樹脂による重合体粒子が挙げられる。
また、感光体や一次転写媒体に残存する転写後の現像剤を除去するためのクリーニング性向上剤としては、例えばステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸など脂肪酸金属塩、例えばポリメチルメタクリレート微粒子、ポリスチレン微粒子などのソープフリー乳化重合などによって製造された、ポリマー微粒子などを挙げることかできる。ポリマー微粒子は比較的粒度分布が狭く、体積平均粒径が0.01から1μmのものが好ましい。
図4は、形状係数SF−1、形状係数SF−2を説明するためにトナーの形状を模式的に表した図である。形状係数SF−1は、トナー形状の丸さの割合を示すものであり、下記式2で表される。トナーを2次元平面に投影してできる形状の最大長MXLNGの二乗を図形面積AREAで除して、100π/4を乗じた値である。
SF−1={(MXLNG)2/AREA}×(100π/4) ・・・ 式2
SF−1の値が100の場合トナーの形状は真球となり、SF−1の値が大きくなるほど不定形になる。
また、形状係数SF−2は、トナーの形状の凹凸の割合を示すものであり、下記式3で表される。トナーを2次元平面に投影してできる図形の周長PERIの二乗を図形面積AREAで除して、100π/4を乗じた値である。
SF−2={(PERI)2/AREA}×(100π/4) ・・・ 式3
SF−2の値が100の場合トナー表面に凹凸が存在しなくなり、SF−2の値が大きくなるほどトナー表面の凹凸が顕著になる。
形状係数の測定は、具体的には、走査型電子顕微鏡(S−800:日立製作所製)でトナーの写真を撮り、これを画像解析装置(LUSEX3:ニレコ社製)に導入して解析して計算した。
トナーの形状が球形に近くなると、トナーとトナーあるいはトナーと感光体1との接触合点接触になるために、トナー同士の吸着力は弱くなり従って流動性が高くなり、また、トナーと感光体1との吸着力も弱くなって、転写率は高くなる。
図5は、本発明のトナーの形状を模式的に示す図である。図5において、略球形状のトナーを長軸r1、短軸r2、厚さr3(但し、r1≧r2≧r3とする。)で規定するとき、本発明のトナーは、長軸と短軸との比(r2/r1)(図5(b)参照)が0.5〜1.0で、厚さと短軸との比(r3/r2)(図5(c)参照)が0.7〜1.0の範囲にあることが好ましい。長軸と短軸との比(r2/r1)が0.5未満では、真球形状から離れるためにドット再現性及び転写効率が劣り、高品位な画質が得られなくなる。また、厚さと短軸との比(r3/r2)が0.7未満では、扁平形状に近くなり、球形トナーのような高転写率は得られなくなる。特に、厚さと短軸との比(r3/r2)が1.0では、長軸を回転軸とする回転体となり、トナーの流動性を向上させることができる。
なお、r1、r2、r3は、走査型電子顕微鏡(SEM)で、視野の角度を変えて写真を撮り、観察しながら測定した。
像担持体に対する負荷を軽減した場合には、像担持体上のトナー除去が不十分となり、トナーはクリーニング装置を通過し、帯電装置へ搬送されて帯電部材へ付着し、帯電装置の性能を変動させる要因となる。
本発明に係る摺擦装置は、上述の如く、転写残トナーを摺擦することにより、トナー帯電量を正常に近い状態とし、同時に、像担持体から摺擦装置内に一時的に転写トナーを保持し、画像形成時以外のタイミングで保持した転写残トナーを像担持体上へ排出し得るため、帯電装置通過時に帯電装置に適切な電圧を印加することにより帯電装置へトナーが移転することを抑止し、その後に設置した現像装置にて、容易に回収できる。よって、帯電装置の像担持体への帯電性能変動等を高度に抑制し、上記構成のトナーと併用することにより、極めて高画質な画像を長期にわたって安定して得ることができるものである。
(実施例1)
<摺擦部材製造例1>
直径6mm、全長355mmのSUSローラを導電性ブラシ支持体とし、ブラシ支持体上の像担持体に対向する310mmの領域に導電性ナイロン繊維をパイル地にしたテープをスパイラル状に巻き付けてロール状ブラシを作製した。導電性ナイロン繊維は、ナイロン繊維にカーボンブラックを分散させて抵抗調整したものであり、繊維束の太さは333デシテックス(=6.7デシテックス×50フィラメント);300デニール(=6デニール×50フィラメント);であった。ブラシの繊維の長さは3mm、ブラシ繊維束の径は約0.11mmφ、ブラシ密度は1平方インチ当たり10万本で植毛された物を用いた。得られたロール状ブラシに対して、以下のブラシ被覆層処方のコート液を浸漬法によりコート後、溶剤を乾燥して除去し、摺擦部材(S1)を得た。被覆量は、ロール状ブラシ1本当りの固形分で2g(平均膜厚約1μm)となるように調整した。
得られた摺擦部材の抵抗値は1×1010Ω・cmであった。
ブラシ被覆層処方1
フェニルシリコーン樹脂 10部
極性制御剤 1部
(γ(2アミノエチル)アミノプロピルモノメチルジメトキシシラン)
カーボンブラック 0.5部
トルエン 40部
イソプロピルアルコール 60部
スチールボールの充填量は、内容積の40体積%とし、コート液の仕込み量は、およそ20%となるようにした。また、分散は常温下で、12時間行った。
ブラシの体積抵抗は8.5×109Ω・cmであった。
〜有機微粒子エマルションの合成〜
撹拌棒および温度計をセットした反応容器に、水683部、メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩(エレミノールRS−30、三洋化成工業製)11部、スチレン79部、メタクリル酸79部、アクリル酸ブチル105部、ジビニルベンゼン13部、過硫酸アンモニウム1部を仕込み、400回転/分で15分間撹拌し、白色の乳濁液を得た。加熱して、系内温度75℃まで昇温し5時間反応させた。さらに、1%過硫酸アンモニウム水溶液30部加え、75℃で5時間熟成してビニル系樹脂(スチレン−メタクリル酸−アクリル酸ブチル−メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩の共重合体)の水性分散液[微粒子分散液1]を得た。[微粒子分散液1]をLA−920で測定した重量平均粒径は、105nmであった。[微粒子分散液1]の一部を乾燥して樹脂分を単離した。樹脂分のガラス転移点(Tg)は95℃、数平均分子量140000、重量平均分子量980000であった。
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物220部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド3モル付加物561部、テレフタル酸218部、アジピン酸48部およびジブチルチンオキサイド2部を入れ、常圧230℃で8時間反応し、さらに10〜15mmHgの減圧で5時聞反応した後、反応容器に無水トリメリット酸45部を入れ、180℃、常圧で2時間反応し、[低分子ポリエステル1]を得た。[低分子ポリエステル1]は、数平均分子量2500、重量平均分子量6700、Tg43℃、酸価25であった。
冷却管、撹拌機および窒索導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物682部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物81部、テレフタル酸283部、無水トリメリット酸22部およびジブチルチンオキサイド2部を入れ、常圧230℃で8時間反応し、さらに10〜15mmHgの減圧で5時間反応した[中間体ポリエステル1]を得た。[中間体ポリエステル1]は、数平均分子量2100、重量平均分子量9500、Tg55℃、酸価0.5、水酸基価49であった。
次に、冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応容器中に、[中間体ポリエステル1]411部、イソホロンジイソシアネート89部、酢酸エチル500部を入れ100℃で5時間反応し、[プレポリマー1]を得た。[プレポリマー1]の遊離イソシアネート質量%は、1.53%であった。
撹拌棒および温度計をセットした反応容器に、イソホロンジアミン170部とメチルエチルケトン75部を仕込み、50℃で5時間反応を行い、[ケチミン化合物1]を得た。[ケチミン化合物1]のアミン価は418であった。
カーボンブラック(キャボット社製 リーガル400R):40部、結着樹脂:ポリエステル樹脂(三洋化成RS−801 酸価10、重量平均分子量20000、Tg64℃):60部、水:30部をヘンシェルミキサーにて混合し、顔料凝集体中に水が染み込んだ混合物を得た。これをロ−ル表面温度130℃に設定した2本ロールにより45分間混練を行い、パルペライザー(ホソカワミクロン社製)で1mmφの大きさに粉砕し、[マスターバッチ1]を得た。
撹拌棒および温度計をセットした容器に、[低分子ポリエステル1]378部、カルナウバWAX110部、CCA (サリチル酸金属錯体E−84:オリエント化学工業)22部、酢酸エチル947部を仕込み、撹拌下80℃に昇温し、80℃のまま5時間保持した後、1時間で30℃に冷却した。次いで容器に[マスターバッチ1]500部、酢酸エチル500部を仕込み、1時間混合し[原料溶解液1]を得た。 [原料溶解液1]1324部を容器に移し、ビーズミル(ウルトラビスコミル、アイメックス社製)を用いて、送液速度1kg/hr、ディスク周速度6m/秒、0.5mmジルコニアビーズを80体積%充填、3パスの条件で、カーボンブラック、WAXの分散を行った。次いで、[低分子ポリエステル1]の65%酢酸エチル溶液1324部加え、上記条件のビーズミルで1パスし、[顔料・WAX分散液1]を得た。[顔料・WAX分散液1]の固形分濃度(130℃、30分)は50%であった。
[顔料・WAX分散液1]648部、[プレポリマー1]を154部、[ケチミン化合物1]6.6部を容器に入れ、TKホモミキサー(特殊機化製)で5000rpmで1分間混合し[油相混合液1]を得た。
水990部、[微粒子分散液1]8部、[微粒子分散液2]72部、ドデシルジフェニルェーテルジスルホン酸ナトリウムの48.5%水溶液(エレミノールMON−7):三洋化成工業製)40部、酢酸エチル90部を容器に入れ、TKホモミキサー(特殊機化製)で3000rpmで1分間混合した後、容器に[油相混合液1]809部を加え、TKホモミキサーで、回転数13000rpmで20分間混合し[乳化スラリー1]を得た。
撹拌機および温度計をセットした容器に、[乳化スラリー1]を投入し、30℃で8時間脱溶剤した後、45℃で4時間熟成を行い、[分散スラリー1]を得た。
[乳化スラリー1]100部を減圧濾過した後、
(1)濾過ケーキにイオン交換水300部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12000rpmで10分間)した後濾過する操作を3回行い[濾過ケーキ1]を得た。
(2)[濾過ケーキ1]を循風乾燥機にて45℃で48時間乾燥し、目開き75μmメッシュで篩い、樹脂微粒子残存率3.6質量%の[トナー粒子1]を得た。
〜無機微粒子の外添〜
この[トナー粒子1]に、疎水化処理(ヘキサメチルジシラザン処理)されたシリカ(平均粒径:12nm)を、2.0重量%になるように添加し、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)で、2分間混合してトナー(T1)を得た。
トナー(T1)の粒度分布をFPIA−2100(シスメックス社製)にて測定したところ、重量平均粒径5.10μm、個数平均粒径4.40μm、累積個数分布から算出した個数基準10%径=2.2μm、円形度=0.97であった。
このとき、摺擦部材への電圧の印加は、画像出力時、すなわち転写残トナー回収時には、+300V、非画像出力時の内、回収した転写残トナーを像担持体上へ排出時には、−300Vの直流電圧を印加した。帯電装置への電圧の印加は、画像出力時には−600Vの直流電圧に、ピーク間電圧2000V、周波数2000Hzの交流電圧を重畳した帯電電圧を印加した。
また、転写残トナー帯電量は、転写前トナー帯電量の場合と同様に、転写後かつ摺擦前の像担時体上トナーを吸引し、算出した。摺擦後のトナー帯電量は、摺擦部に保持されたトナーを吸引し、算出した。
トナーを吸引する面積は、転写前トナーの場合は約3cm2、転写残トナーの場合は約20cm2、また摺擦後トナーの場合は摺擦ブラシローラの外周に位置する部分で約5cm2とした。
非画像出力時には、地肌部の像担持体電位及び画像部の像担持体電位はほぼ0Vである。但し、残留電位で−数十V程度は残っている可能性がある。また、現像スリーブの電位も0Vである。
摺擦部材への印加電圧は、トナー回収時には+300Vとし、トナー排出時には−300Vとした。
画質評価としては、文字部分の文字太り、ハーフトーン画像のボソツキおよび階調性、ベタ画像での画像濃度、地肌部のカブリの安定性及び各画像でのその他不具合の有無を評価した。
初期、30万枚後共に良好な画像品質が得られ、本発明の摺擦装置、画像形成装置が、画像品質、寿命の両面で有用であることが判った。
なお、画像濃度については、マクベス濃度計(RD−914)を用いて計測し、その他の項目については、目視により評価した。
初期及び30万枚後の、各評価結果について、表1−1、表1−2、表1−3に示す。
(摺擦部材製造例2)
ブラシ被覆層として、ブラシ被覆層処方2を用いた以外は、摺擦部材製造例1と同様にして、摺擦部材(S2)を得た。
ブラシ被覆層処方2
フェニルシリコーン樹脂 10部
極性制御剤 0.6部
(γ(2アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン)
カーボンブラック 0.5部
トルエン 40部
イソプロピルアルコール 60部
初期及び30万枚後の、各評価結果について、表1−1、表1−2、表1−3に示す。
<摺擦部材製造例3>
以下の製造方法により作成したコート液3を用いた以外は、摺擦部材製造例1と同様にして、摺擦部材(S3)を得た。
撹拌機、温度計、および冷却器を備えたフラスコに、ポリエチレンイミン6.97g、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン2.66g、メタノール20.37gを仕込み、フラスコ内を窒素置換し、65℃±2℃に温度保持し3時間撹拌した後、室温まで放冷した。引き続き、室温下で撹拌しつつ、メタノール5gと水0.1gの混合液を15分間かけて滴下し、1時間撹拌を継続した。更にその反応液に、テトラメトキシシラン79.6gとメタノール23.9gの混合溶液を加え、室温で3時間撹拌を続けることによりポリメトキシシラン鎖を持ち、極制御成分としてエチレンイミン部を持つ複合化合物のメタノール溶液(コート液3)を得た。
摺擦装置に用いる摺擦部材として、摺擦部材(S3)を用いた以外は、実施例1と同様にして、各評価を行った。
初期及び30万枚後の各評価結果について表1−1、表1−2、表1−3に示す。
<摺擦部材製造例4>
ブラシ被覆層として、ブラシ被覆層処方2を用いた以外は、摺擦部材製造例1と同様にして、摺擦部材(S4)を得た。
ブラシ被覆層処方4
フェニルシリコーン樹脂 10部
極性制御剤 2部
(スチレン/ブチルメタクリレート/2(メチル)(ジプロピル)アンモニウムエチルアクリレート・ベンゼンスルホン酸塩=20/75/5mol%)
カーボンブラック 0.5部
トルエン 50部
イソプロピルアルコール 50部
摺擦装置に用いる摺擦部材として、摺擦部材(S4)を用いた以外は、実施例1と同様にして、各評価を行った。
初期及び30万枚後の、各評価結果について、表1−1、表1−2、表1−3に示す。
<摺擦部材製造例5>
ブラシ被覆層として、極性制御成分を配合していないブラシ被覆層処方5を用いた以外は、摺擦部材製造例1と同様にして、摺擦部材(S5)を得た。
ブラシ被覆層処方5
フェニルシリコーン樹脂 10部
カーボンブラック 0.5部
トルエン 60部
イソプロピルアルコール 40部
摺擦装置に用いる摺擦部材として、摺擦部材(S5)を用いた以外は、実施例1と同様にして、各評価を行った。
初期及び30万枚後の、各評価結果について、表1−1、表1−2、表1−3に示す。
<摺擦部材製造例6>
ブラシ被覆層として、高抵抗のブラシ被覆層処方6を用いた以外は、摺擦部材製造例1と同様にして、摺擦部材(S6)を得た。
ブラシ被覆層処方6
フェニルシリコーン樹脂 10部
極性制御剤 1部
(γ(2アミノエチル)アミノプロピルモノメチルジメトキシシラン)
トルエン 60部
イソプロピルアルコール 40部
摺擦装置に用いる摺擦部材として、摺擦部材(S6)を用いた以外は、実施例1と同様にして、各評価を行った。
初期及び30万枚後の、各評価結果について、表1−1、表1−2、表1−3に示す。
<摺擦部材製造例7>
ブラシ被覆層として、低抵抗のブラシ被覆層処方7を用いた以外は、摺擦部材製造例1と同様にして、摺擦部材(S7)を得た。
ブラシ被覆層処方7
フェニルシリコーン樹脂 10部
極性制御剤 1部
(γ(2アミノエチル)アミノプロピルモノメチルジメトキシシラン)
カーボンブラック 2部
トルエン 60部
イソプロピルアルコール 40部
摺擦装置に用いる摺擦部材として、摺擦部材(S7)を用いた以外は、実施例1と同様にして、各評価を行った。
初期及び30万枚後の、各評価結果について、表1−1、表1−2、表1−3に示す。
<摺擦部材製造例8>
ブラシ支持体として、実施例1の形状と同一のグラスファイバー強化した絶縁性のABS樹脂ロッド(グラスファイバー配合率=25vol%)を用いた以外は、摺擦部材製造例1と同様にして、摺擦部材(S8)を得た。
摺擦装置に用いる摺擦部材として、摺擦部材(S8)を用いた以外は、実施例1と同様にして、各評価を行った。
初期及び30万枚後の、各評価結果について、表1−1、表1−2、表1−3に示す。
<摺擦部材製造例9>
像担持体と対向する領域の直径10mm、両端部直径6mm、全長355mmのSUSローラを導電性ブラシ支持体とし、ブラシの繊維の長さは1mm、ブラシ繊維束の直径は約0.2mmφ、ブラシ密度は1平方インチ当たり15万本で植毛された物を用い、剛直な短毛ブラシを持つロール状ブラシを作成した。このロール状ブラシを用い、表面被覆層の量をロール状ブラシ1本当り固形分で1gとした以外は、摺擦部材製造例1と同様にして摺擦部材9を作成した。
摺擦装置に用いる摺擦部材として、摺擦部材(S9)を用いた以外は、実施例1と同様にして、各評価を行った。
初期及び30万枚後の、各評価結果について、表1−1、表1−2、表1−3に示す。
<トナー製造例2>
トナー製造例1の、乳化から脱溶剤工程の条件を調整し、粒度分布がややブロードなトナー(T2)を得た。
トナーとして(T2)を用いた以外は、実施例1と同様にして、各評価を行った。
初期及び30万枚後の、各評価結果について、表1−1、表1−2、表1−3に示す。
<トナー製造例3>
トナー製造例1の、乳化から脱溶剤工程の条件を調整し、平均粒子径がやや大きいトナー(T3)を得た。
トナーとして(T3)を用いた以外は、実施例1と同様にして、各評価を行った。
初期及び30万枚後の、各評価結果について、表1−1、表1−2、表1−3に示す。
<トナー製造例4>
トナー製造例1の、乳化から脱溶剤工程の条件を調整し、平均粒子径が小さいトナー(T4)を得た。
トナーとして(T4)を用いた以外は、実施例1と同様にして、各評価を行った。
初期及び30万枚後の、各評価結果について、表1−1、表1−2、表1−3に示す。
<トナー製造例5>
トナー製造例1の、脱溶剤条件を急速に行うと共に、油相処方中での反応を進めることにより、トナー形状を歪にしたトナー(T5)を得た。
トナーとして(T5)を用いた以外は、実施例1と同様にして、各評価を行った。
初期及び30万枚後の、各評価結果について、表1−1、表1−2、表1−3に示す。
摺擦部材(S1)およびトナー(T1)を用いて、像担持体、摺擦装置、帯電装置、現像装置、トナー容器を一体にしたプロセスカートリッジを作成し、画像評価を行った。
ランニング枚数25000枚にて、容器内のトナーが終了したため、像担持体および現像装置内の現像剤の交換、並びにトナー容器へのトナー補給を行い、ランニング試験を継続した。各交換時の容器内のトナーは、ほとんど残存していなかった。
プロセスカートリッジを繰返し、5回使用した終了時の画像品質を確認したところ、初期と遜色のない、画像が得られた。
2 摺擦装置
21 摺擦部材(ブラシ)
22 ブラシ支持体
23 ブラシ表面被覆層
24 内部被覆層(弾性層)
25 高圧電源
3 帯電装置
3a 帯電部材
4 潜像形成装置
5 現像装置
5a 現像剤担持体
6 転写装置
60 中間転写媒体
61 一次転写装置
7 定着装置
8 排紙トレイ
10 プロセスカートリッジ
100 画像形成装置
200 給紙機構
Claims (18)
- 少なくとも、静電潜像を形成する像担持体と、
像担持体を帯電する帯電装置と、
像担持体に潜像を形成する潜像形成装置と、
像担持体上の潜像をトナー像とする現像装置と、
像担持体上のトナー像を転写媒体に転写する転写装置と、
転写後の像担持体表面を摺擦する摺擦部材を備える摺擦装置とを備える画像形成装置において、
前記画像形成装置は、転写後に像担持体表面に残存するトナーを摺擦装置で回収して保持し、非画像形成時に像担持体上に排出し、
排出された像担持体上のトナーを現像装置で回収する画像形成装置であって、
摺擦装置が、少なくとも可撓性ブラシ繊維、極性制御成分を配合してなるブラシ表面被覆層及び導電性のブラシ支持体を有し、
かつ、ブラシの体積抵抗が1×103〜1×1012Ω・cmであり、
転写後に像担持体上に残存したトナーの帯電量を、摺擦により転写前の像担持体上トナー帯電量の50〜95%に帯電させる
ことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1に記載の画像形成装置において、
前記摺擦装置のブラシ表面被覆層中の極性制御成分は、アミン化合物および/またはイミン化合物を含むことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1または2に記載の画像形成装置において、
前記摺擦装置は、アミノシラン化合物を含むことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1ないし3のいずれかに記載の画像形成装置において、
前記摺擦装置のアミノシラン化合物は、下記化学式1よりなる群の内、少なくとも1種であることを特徴とする画像形成装置。
XaSiR1(4−a−b)(OR2)b ・・・・・・ 化学式1
(式中、R1は、炭化水素基および/またはその誘導体、R2は、水素,炭化水素基および/またはその誘導体、Xは、第一、第二または第三アミンを有する有機基であり、aおよびbは、各々1〜3の整数である。) - 請求項1ないし4のいずれかに記載の画像形成装置において、
少なくとも、静電潜像を形成する像担持体と、
像担持体上の潜像をトナー像とする現像装置と、
転写後の像担持体表面を摺擦する摺擦部材を有する摺擦装置とを一体化するプロセスカートリッジを脱着する
ことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1ないし5のいずれかに記載の画像形成装置において、
前記画像形成装置は、摺擦装置へ直流電圧または直流電圧に交流電圧を重畳した電圧を、印加する電圧印加装置を備えることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項6に記載の画像形成装置において、
前記電圧印加装置は、非画像形成時に、摺擦装置から像担持体へトナーが転移する電界を形成する電圧を摺擦装置へ印可する電圧印加装置であることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1ないし7のいずれかに記載の画像形成装置において、
前記画像形成装置は、複数の像担持体に形成したトナー像を転写媒体または中間転写媒体に転写する転写装置を備えることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1ないし8のいずれかに記載の画像形成装置において、
前記画像形成装置で用いられるトナーは、平均円形度が0.93〜1.00の範囲にある
ことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1ないし9のいずれかに記載の画像形成装置において、
前記画像形成装置で用いられるトナーは、体積平均粒径が3〜10μmで、体積平均粒径と個数平均粒径との比(分散度)が、1.00〜1.40の範囲にある
ことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1ないし10のいずれかに記載の画像形成装置において、
前記画像形成装置で用いられるトナーは、少なくとも、窒素原子を含む官能基を有するポリエステルプレポリマー、ポリエステル、着色剤、離型剤とを有機溶媒中にそれぞれ溶解又は分散させたトナー材料液を、水系媒体中で架橋及び/又は伸長反応させる
ことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1ないし11のいずれかに記載の画像形成装置において、
前記画像形成装置で用いられるトナーは、形状係数SF−1が100〜180の範囲にあり、形状係数SF−2が100〜180の範囲にある
ことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1ないし12のいずれかに記載の画像形成装置において、
前記画像形成装置で用いられるトナーは、外観形状がほぼ球形状であって、
長軸と短軸との比(r2/r1)が0.5〜1.0の範囲で、厚さと短軸との比(r3/r2)が0.7〜1.0の範囲であって、長軸r1≧短軸r2≧厚さr3の関係を満足する
ことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1ないし8のいずれかに記載の画像形成装置に用いられるトナーであって、
トナーは、平均円形度が0.93〜1.00の範囲にある
ことを特徴とするトナー。 - 請求項14に記載のトナーにおいて、
体積平均粒径が3〜10μmで、体積平均粒径と個数平均粒径との比(分散度)が、1.00〜1.40の範囲にある
ことを特徴とするトナー。 - 請求項14または15に記載のトナーにおいて、
前記トナーは、少なくとも、窒素原子を含む官能基を有するポリエステルプレポリマー、ポリエステル、着色剤、離型剤とを有機溶媒中にそれぞれ溶解又は分散させたトナー材料液を、水系媒体中で架橋及び/又は伸長反応させる
ことを特徴とするトナー。 - 請求項14ないし16のいずれかに記載のトナーにおいて、
前記トナーは、形状係数SF−1が100〜180の範囲にあり、形状係数SF−2が100〜180の範囲にある
ことを特徴とするトナー。 - 請求項14ないし17のいずれかに記載のトナーにおいて、
前記トナーは、外観形状がほぼ球形状であって、
長軸と短軸との比(r2/r1)が0.5〜1.0の範囲で、厚さと短軸との比(r3/r2)が0.7〜1.0の範囲であって、長軸r1≧短軸r2≧厚さr3の関係を満足する
ことを特徴とするトナー。
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