JP2006020461A - 多極回転電機 - Google Patents

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和夫 大西
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昭二 大岩
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Abstract

【課題】 小形・高トルク・高精度で微少ステップ角駆動に優れ、安価な構造のハイブリッド形ステッピングモータの特性を改善する。
【解決手段】 本発明の多極回転電機は、モータ軸の軸方向にN極とS極に着磁されたリング状のマグネットを具備し、その軸方向側にA相とB相を形成する円柱状の二組のステータを具備し、前記円柱状の二組のステータのそれぞれにはリングコイルを巻回した環状溝を設け、外周部には複数の磁極を形成する小歯群A(または外2)と外1(またはB)が配置され、それぞれの数1の側面が前記リング状のマグネットの両端面に対接されるとともに、前記ステータ外周の小歯群とラジアル方向にエアギャップを介して対向配置された同数の小歯を内径に具備し、軸受を介して回転自在に支承した円筒状ロータが配置されている多極回転電機において、上記ロータの小歯をバーニアピッチ配列とし、且つ軸対称に配列すると共に、前記ステータとロータを、軟磁性粉末と、バインダーとの複合材から成る粉末を加圧成形して構成したことを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は多極回転電機、特に、OA機器駆動用、FA設備等において使用されるハイブリッド形(HB形)ステッピングモータに代表される多極回転電機のトルクアップとコギングトルク低減に関するものである。
ステッピングモータには、ロータに永久磁石を使用しないバリアブル・レラクタンス形(VR形)と、ロータを永久磁石で構成した永久磁石形(PM形)と、両者を混合したハイブリット形(HB形)とがある。PM形、HB形は、小型化が容易であるため、比較的小型の産業機器に用いられる。中でもHB形は、高精度、高トルク、微小ステップ角等に優れた特性を示すため、多くの分野で活用されている。そして、これらの用途においては、常に使用モータに対して一層の小形・高トルク化が要求される。
一方、高トルクを得るためには、各相の鎖交磁束(磁束が入るコイルの巻数と磁束の積の総和)を増加するのが有効である。この一方策として、分解能すなわちロータの歯数を減らすことなくコイルの鎖交磁束を増加できるステッピングモータは既知である(特許文献1)。
特開昭56−12856号公報
図25は、特開昭56−12856号公報に示されるアウターロータ構造のHB形モータの縦断正面図であり、図26(a)は図25のA−A断面図、図26(b)はA′−A′断面図、図26(c)はB′−B′断面図、図26(d)はB−B断面図、図27は図25のモータの縦断側面図をそれぞれ示している。
図25において、1は固定軸、2と2′は夫々前後カバー、3はリング状のマグネットでモータ固定軸方向にN,Sに着磁され、中心部分を貫通するモータ固定軸1に固着されている。4はA相を形成する円柱状のステータで、その外周に設けられた小歯群はAと外1のように構成され、外1側でステータ4の側面を上記リング状マグネット3の一側面に面接触している。同様に5はB相を形成する円柱状のステータで、その小歯群は外2とBのように構成され、外2側でステータ5の側面をリングマグネット3の他側面に面接触している。これらのステータ4,5にはその軸方向中央部に円周方向の環状溝8,9が設けられていて、これらの溝8,9にそれぞれ円筒形状の励磁用コイル12,13が巻装されている。また、図26(a)〜図26(d)に示すようにステータの小歯群Aと外1の位相が0.5ピッチ(1ピッチは小歯の間隔とする)ずれている。また、小歯群Bと外2は位相がAに対してそれぞれ0.25ピッチ、0.75ピッチずれている。なお、図25はロータの小歯が数2においてすべて同相で内側のステータの小歯が0.25ピッチずつずれている場合であるが、逆にステータ側を同相にしてロータ側の小歯群を互いに0.25ピッチずつずらしても同じ効果が得られる。
10は円筒状のロータであり、前後カバー2、2′により軸受11を介して回転可能となるように支持されている。ロータ10の内周面は、ステータ4,5の外周面と小空隙を介して対向し、このロータ10の内周面には軸方向に、ステータ4,5の外周面に軸方向に設けられた小歯と同数の小歯が設けられている。
次に磁束の流れについて説明する。図28に示すように磁石3を出てステータ4に入る磁束はA部を通る磁束φAと外1部を通る磁束外3に分かれてロータ10に入り、ロータ内を右方向に流れ、B部を通る磁束φBと外2部を通る磁束外4に分かれてステータ5に入り左方向に流れて磁石3に戻る。このとき、数3各部の小歯は図26(a)〜図26(d)のように、互いに0.25ピッチずれた形に設けられているため、それぞれの磁束は数5〜数8に示す位相関係になる。すなわち、数4はこの順に90°ずつ位相が遅れることになる。
(外3)
Figure 2006020461
(外4)
Figure 2006020461
Figure 2006020461
Figure 2006020461
Figure 2006020461
Figure 2006020461
Figure 2006020461
Figure 2006020461
ここで、θはロータ10の回転電気角、数9は変化する磁束数10の平均値、k,k′は変動分の割合である。なお、図25に示されるように、A相とB相は位相関係を除いてリングマグネットに関して左右対称であるから、数11でかつk=k′の関係にある。また、ここでは簡単のために高調波分を省略して磁束変動が正弦波的であると仮定した。
Figure 2006020461
Figure 2006020461
Figure 2006020461
次に発生トルクについて検討する。図28において、A相励磁用リングコイル12およびB相励磁用リングコイル13に入る有効な主磁束は、それぞれφAとφBである。ここで、ロータ10が電気的角速度ωで回転している場合を考えるとそのときのコイル逆起電力eA,eBはそれぞれ数12,数13となる。なお、nは各相コイルの巻数である。
Figure 2006020461
Figure 2006020461
一方、トルクは、逆起電力と電流の積である理論出力を機械的角速度ωM=ω/pで割ったものであるから、数14,数15のようになる。ここで、pは極対数すなわちステータまたはロータの小歯数である。
Figure 2006020461
Figure 2006020461
これからコイル巻数と小歯数を一定とすれば、トルクを大きくするにはコイルを通る平均磁束Φと変動比率kを大きくする必要のあることがわかる。
一般的にモータ用のステータとロータは珪素鋼板を積層して構成され、珪素鋼板表面の防錆用皮膜を含め機械的に避けられない隙間が積層間に生じている。上記に示すような従来のモータ構造では、モータ軸方向の磁路が多く存在し、積層間の隙間によりコアのパーミアンス(磁束の通り易さ)が悪くなり、巻線の鎖交磁束が低下する欠点がある。特に、図25に示した構造ではコイルを通る有効な主磁束は数12と数13に示されるようにφAとφBであって、数16は完全な無効磁束である。しかるに、磁束は通りやすいところを通る性質があるため、積層鋼板を用いた構造では磁石より出た磁束の大部分が数16となって流れ、有効な主磁束φAとφBは非常に少なくなるので、数14,数15に示すトルクが少なくなる上に、コギングトルクは大きくなってしまい実用に至らなかった。図29は、500回転/分時のモータの1相の逆起電力波形pを示し、出力電圧の振れ幅は10Vである。一般的構成の同一体格のモータに比べて、出力電圧が低下している。その結果、モータの効率も悪化している。
Figure 2006020461
また、図30は従来モータ構造のコギングトルクの波形rを示し、コギングトルクの振れ幅は1Nmである。一般的構成の同一体格のモータに比べて、コギングトルクが増加している。その結果、モータ回転中に大きな振動を伴うという問題が生じる。
そこで、本発明は、モータ軸方向の磁路の磁気抵抗を下げ、数2各磁路をバランスさせてモータ巻線への鎖交磁束を増加させモータの高出力化を図り、かつモータのコギングトルクを低減することを目的とするものである。
本発明は上記の欠点を除くようにしたものである。
本発明の多極回転電機は、モータ軸の軸方向にN極とS極に着磁されたリング状のマグネットを具備し、このマグネットの軸方向両側にA相とB相を形成する円柱状の二組のステータを具備し、前記円柱状の二組のステータの夫々にはリングコイルを巻回した環状溝を設け、外周部には複数の磁極を形成する小歯群Aと数1とBが軸方向に配置され、それぞれの小歯群数1の側面が前記リング状のマグネットの両側面に対接されるとともに、前記ステータ外周の小歯群とラジアル方向にエアギャップを介して対向配置された同数の小歯を内周に具備し、軸受を介して回転自在に支承した円筒状ロータが配置され、上記ステータ外周の小歯群数2のロータ小歯に対する相対位相差がほぼ4分の1ピッチずつずれている多極回転電機において、前記ステータとロータを、軟磁性粉末と、バインダーとの複合材から成る粉末を加圧成形して構成したことを特徴とする。
また、本発明の多極回転電機は、モータ軸の軸方向にN極とS極に着磁されたリング状のマグネットを具備し、このマグネットの軸方向両側にA相とB相を形成する円柱状の二組のステータを具備し、前記円柱状の二組のステータのそれぞれにはリングコイルを巻回した環状溝を設け、外周部には複数の磁極を形成する小歯群Aと数1とBが軸方向に配置され、それぞれの小歯群数1の側面が前記リング状のマグネットの両側面に対接されるとともに、前記ステータ外周の小歯群とラジアル方向にエアギャップを介して対向配置された同数の小歯を内周に具備し、軸受を介して回転自在に支承した円筒状ロータが配置されている多極回転電機において、上記ロータの小歯をバーニアピッチ配列とし、且つ軸対称に配列すると共に、前記ステータとロータを、軟磁性粉末と、バインダーとの複合材から成る粉末を加圧成形して構成したことを特徴とする。
また、本発明の多極回転電機は、モータ軸の軸方向にN極とS極に着磁されたリング状のマグネットを具備し、このマグネットの軸方向両側にA相とB相を形成する円筒状の二組のステータを具備し、前記円筒状の二組のステータの夫々にはリングコイルを巻回した環状溝を設け、内周部には複数の磁極を形成する小歯群Aと数1とBが軸方向に配置され、それぞれの小歯群数1の側面が前記リング状のマグネットの両側面に対接されるとともに、前記ステータ内周の小歯群とラジアル方向にエアギャップを介して対向配置された同数の小歯を外周に具備し、軸受を介して回転自在に支承した円筒状ロータが配置され、上記ステータ内周の小歯群数2のロータ小歯に対する相対位相差がほぼ4分の1ピッチずつずれている多極回転電機において、前記ステータとロータを、軟磁性粉末と、バインダーとの複合材から成る粉末を加圧成形して構成したことを特徴とする。
また、本発明の多極回転電機は、モータ軸の軸方向にN極とS極に着磁されたリング状のマグネットを具備し、このマグネットの軸方向両側にA相とB相を形成する円筒状の二組のステータを具備し、前記円筒状の二組のステータのそれぞれにはリングコイルを巻回した環状溝を設け、内周部には複数の磁極を形成する小歯群Aと数1とBが軸方向に配置され、それぞれの小歯群数1の側面が前記リング状のマグネットの両側面に対接されるとともに、前記ステータ内周の小歯群とラジアル方向にエアギャップを介して対向配置された同数の小歯を外周に具備し、軸受を介して回転自在に支承した円筒状ロータが配置されている多極回転電機において、上記ロータの小歯をバーニアピッチ配列とし、且つ軸対称に配列すると共に、前記ステータとロータを、軟磁性粉末と、バインダーとの複合材から成る粉末を加圧成形して構成したことを特徴とする。
また、本発明の多極回転電機は、外周に小歯を有し、中間部にモータ軸の軸方向にN極とS極に着磁されたリング状のマグネットを具備し、軸受を介して回転自在に支承した円筒状ロータが配置され、モータ軸の軸方向両側にA相とB相を形成する円筒状の二組のステータを具備し、前記円筒状の二組のステータの夫々にはリングコイルを巻回した環状溝を設け、内周部には複数の磁極を形成する小歯群Aと数1とBが軸方向に配置され、それぞれの小歯群数1が前記リング状のマグネットの両側に位置する前記ロータ外周の小歯群とラジアル方向にエアギャップを介して対向配置され、上記ステータ内周の小歯群数2のロータ小歯に対する相対位相差がほぼ4分の1ピッチずつずれている多極回転電機において、前記ステータとロータを、軟磁性粉末と、バインダーとの複合材から成る粉末を加圧成形して構成したことを特徴とする。
また、本発明の多極回転電機は、外周に小歯を有し、中間部にモータ軸の軸方向にN極とS極に着磁されたリング状のマグネットを具備し、軸受を介して回転自在に支承した円筒状ロータが配置され、モータ軸の軸方向両側にA相とB相を形成する円筒状の二組のステータを具備し、前記円筒状の二組のステータのそれぞれにはリングコイルを巻回した環状溝を設け、内周部には複数の磁極を形成する小歯群Aと数1とBが軸方向に配置され、それぞれの小歯群数1が前記リング状のマグネットの両側に位置する前記ロータ外周の小歯群とラジアル方向にエアギャップを介して対向配置されている多極回転電機において、上記ロータの小歯をバーニアピッチ配列とし、且つ軸対称に配列すると共に、前記ステータとロータを、軟磁性粉末と、バインダーとの複合材から成る粉末を加圧成形して構成したことを特徴とする。
また、本発明の多極回転電機においては、前記ステータの小歯群Aの軸方向コア厚みに対する前記小歯群外1の軸方向コア厚みの比率を1より小さく設定し、両相の小歯間の平均パーミアンスが実質的に互いに等しくなるようにし、前記ステータの小歯群Bの軸方向コア厚みに対する前記小歯群外2の軸方向コア厚みの比率を1より小さく設定し、両相の小歯間の平均パーミアンスが実質的に互いに等しくなるようにしたことを特徴とする。また、前記ロータおよびステータの小歯群の歯幅比を基準小歯ピッチの35〜45%になるようにしたことを特徴とする。
本発明のステッピングモータによれば、下記のような効果が得られる。
(1)巻線形状が円筒形で巻線数が少ない構造でありながら、合成粉末軟磁性材料を使用することで主磁束磁路のパーミアンスを改善し、逆起電力を多く取り出し、従来モータに比べて2倍以上の高トルク・高出力化が可能となる。
(2)2組の小歯群からなる各相の小歯群の軸方向厚みを適切な比率にすることで、逆起電力を低下させることなく、コギングトルクを最小に設定することが可能である。
(3)ステータとロータを軟磁性粉末で加圧成形して構成できるため、形状の自由度が広がる。また、磁性材料の打ち抜き残材などの無駄がなくなり、モータ構造の簡略化と低コスト化が可能になる。
(4)モータ高速回転時の鉄損を低減でき、モータ効率がアップできる。
(5)また、この構造は、ステッピングモータだけに限らず、ブラシレスモータや同期モータあるいは発電機としても使用できる。
(6)ロータ小歯とステータ小歯の数を同数とし、その何れか一方をバーニアピッチとし且つバーニアピッチの小歯を軸対称に配列したのでコギングトルクと振動を大幅に低下できる。
以下図面によって本発明の実施例を説明する。
以下従来のモータと同一部分には同一符号を付しその説明は省略する。
本発明の実施例1においては図1に示すようにモータ軸の軸方向にN極とS極に着磁されたリング状のマグネット3を具備し、その軸方向両サイドに隣接する位置にA相とB相を形成する円柱状の二組のステータ4,5を具備し、前記円柱状の二組のステータ4,5のそれぞれ軸方向中央部にリングコイル12,13を巻回した環状溝8,9を設け、その両サイドの円柱体の外周部には複数の磁極を形成する小歯群Aと数1とBが軸方向に配置され、それぞれの小歯群数1側面が前記リング状のマグネット3の両側面に固着されるとともに、前記ステータ外周の小歯群とラジアル方向にエアギャップを介して配置された同数の小歯を内周に具備し、軸受を介して回転自在に支承した円筒状ロータ10が配置され、上記小歯群数2のロータ小歯に対する相対位相差がほぼ4分の1ピッチずつずれている構成において、上記ステータ4,5とロータ10を軟磁性粉末と、樹脂および/あるいはガラスのような無機材料のバインダーとの複合材から成る粉末を成形して構成する。軟磁性粉末としては、例えば日立粉末冶金社のニッカロイEU−66x等がある。
本発明の効果を検証するために、3次元有限要素法による磁界解析を用いて性能を比較した。対象にしたモータは、ロータ外径35mm、コア軸方向長28mm、磁石厚2mm、リングコイル部厚さ6mmである。図2はモータ逆起電力波形を示すもので、図中のqはこの軟磁性粉末にてモータを構成した場合の、500回転/分時のモータ逆起電力波形を示すもので、従来の珪素鋼板を積層して構成したステータとロータ構成での逆起電力波形pと比べ、誘起電圧が約2.2倍に改善されていることが分かる。
また、図3は本発明のモータのコギングトルク波形sを示すもので、従来の珪素鋼板を積層して構成したステータとロータ構成でのコギングトルクrと比べ、コギングトルクが約1/5倍に改善されていることが分かる。
また、軟磁性粉末材料自身で電気抵抗が高い特長があり、モータとしての渦電流損が低いという利点があり、高速回転ほど効果が大きく、有効となる。
本発明の実施例2においては図1に示すように小歯群外1(および外2)とA(およびB)の軸方向長の比率Cを0.5ないし0.8にする。
上記比率Cを変えた場合の逆起電力とコギングトルクの関係を図4に示す。図4の横軸が比率Cであり、縦軸は逆起電力出力電圧値とコギングトルク値を示す。図中eが逆起電力の出力電圧値特性で、比率Cの変化に対し出力電圧値の変化は少ない。また、図中Tcがコギングトルク特性で、比率Cが0.64付近で極小となることが分かる。
従来のモータでは図28に示すようにステータ4の外1とステータ5の外2がマグネット3に近接しているため最短ループの磁路が存在し、数17を通る磁束が優勢になる。本発明においてはこれを避けるため、図5に示すようにステータ数17の軸方向厚みを短くAとBの軸方向厚みをその分長くすることによって、数18並びに数19の磁束のバランスを図っている。このため、逆起電力の出力電圧値の変化が少なく、コギングトルクが小さくなる。なお、図4における比率Cの最適値は、数18並びに数19の磁路のパーミアンス(磁束の通り易さ関係)に依存するので、これらの部分の寸法によって変わってくることは自明である。
Figure 2006020461
Figure 2006020461
Figure 2006020461
実用上、図4のように逆起電力eを低下させることなく、コギングトルクTcが低減可能な特性は非常に有効であり、低振動で小型高出力のモータが設計可能になる。
本発明の実施例3においては、コギングトルクを最小化する目的で、ロータ2の小歯配列を通常のピッチ、例えば小歯数50の場合の基準ピッチである7.2°(=360°/50)より異なる同歯数のバーニアピッチとし、このバーニアピッチのロータ小歯を複数に分割してこれらの間に間隙を形成せしめると共に、径方向の磁気吸引力のアンバランスを発生させないために、これら分割されたロータ小歯群が固定子軸に対し軸対称となるようにする。
この場合、回転子と固定子の小歯配列の相対的な関係を、図6の固定子小歯配列の位相関係に示すように、Aの0゜に対して、それぞれ電気角で外1:180゜,B:90゜,外2:270゜となるようにする。
なお、本発明においては、ステータの小歯配列を各相ごとに位相変位させ、ロータの小歯配列をバーニア配列とするが、この関係を逆転させてロータを各相で変位させステータ側小歯をバーニア配列にしても相対的な関係に変化がないので、全く同じ効果が得られる。
(対象モータの等価回路)
次に本発明の仕組みを明らかにするために、磁気回路法を利用して解析を進める。本発明のステッピングモータの構造を等価磁気回路で表すと、図7のようになる。ここでPigをi相数20の空隙部パーミアンス、PiCをi相磁路のパーミアンス、φiをi相磁路の磁束、2FMを磁石の起磁力とする。なお、磁石の内部パーミアンスは、数式演算を簡単化するために各相磁路の内部パーミアンスに含める。
Figure 2006020461
このとき、図6のように数18(そして数19)は、互いに小歯配列の山と谷が補完する関係にあるため、磁石から見た両者の合成パーミアンスはほとんど変動がないと考えられるので、磁石起磁力の半分がA相とB相いずれにも均等に掛かっていると仮定すると、磁気回路を図8の形に等価的に変換することができる。
図8において任意のi相について磁束φiを求めると、数21のようになる。
Figure 2006020461
この場合、一般にPiCは変動するPigに対してかなり大きい値を持っているが、ここでは計算の簡単化のために1/(1+Pig/PiC)は回転に対してほぼ一定値であると仮定し、これを数22のように表わす。
Figure 2006020461
これにより数21は数23のように表される。
Figure 2006020461
ここで、Pigは図6に示されるように各相互いに電気角で90°の位相差を持っているので、小歯の形状と周方向配列が各相同じとすれば、数24及び数25の形に書くことができる。
Figure 2006020461
Figure 2006020461
ここで、hiは各相小歯の軸方向実効長さ、ρig1は単位軸長当たりのパーミアンス、ρnは第n次調波成分の係数、ζiはi番目の相の電気角、θeは回転電気角である。
(有効磁束と電流トルク)
本発明のステッピングモータでは、各相コイルに入る磁束φA,φBとそれを流れる電流iA,iBの相互作用によってトルクTA,TBが発生する。nAはコイルの巻数で、A相,B相とも同じ巻数とすれば数26が得られる。
Figure 2006020461
磁束に数23〜25の関係を入れて、大勢を占める基本波のみを考慮すると数27,数28のようになる。
Figure 2006020461
Figure 2006020461
ここで、トルクは数29で与えられる。
Figure 2006020461
これに数30の磁束と同相の電流を入れる。
Figure 2006020461
これにより全体として数31のトルクが得られる。
Figure 2006020461
ここで、ΔφA=kA FM hAρ1は数27の変化分の振幅である。
これより、電流トルク(またはトルク定数)は磁束変化分の振幅ΔφAに比例するので、磁気回路側ではΔφAがトルクの増加に必須であることがわかる。そのほかに、上式より巻線側ではアンペアターンIAnAの確保が必要であることがわかる。
ステッピングモータでは、有効なトルクである電流トルクのほかに、振動の要因となるコギングトルクが発生するので、逆にこれは小さくしなければならない。
(コギングトルク)
図8の等価回路において磁気エネルギーの大勢を占める空隙の磁気エネルギーは、数32で計算される。
Figure 2006020461
コギングトルクTCは、この角度微分で与えられるので、2相モータの場合には数33のようになる。
Figure 2006020461
ここに、Nはロータの歯数、θeは電気角である。なお、kiは回転角度によって変化しないものと仮定した。さらに、数34が成立する。
Figure 2006020461
(高調波成分とコギングトルクの関係)
各相の空隙部パーミアンスの高調波成分構成を一覧表で示すと、表1のようになる。なお、各相の係数(ki 2hi)ρnは表記をわかりやすくするため省略した。
Figure 2006020461
ここで、ρnは各相で等しいのに対し、(ki 2hi)については、A,B相間および数35相間ではそれぞれ互いの構造が同一のため等しいが、数36相間および数37相間では異なる。この観点から表1をみると、第2高調波の和は完全に零になるが、第1と第2高調波の和を零にするためには各相間で(ki 2hi)を一致させる必要がある。表1では、これらがほぼ一致した場合を想定して総和を示した。この場合には数34中の総和Σの部分は、第3次までの調波成分が相殺してすべて零になるので、残る第4次成分がコギングトルクの大勢を制することになる。このトルクをさらに小さくするためには、各相の空隙部パーミアンスPigの第4次成分を各巻線極内で零にする必要がある。これは、数34のρnを零にすることを意味する。
Figure 2006020461
Figure 2006020461
Figure 2006020461
(小歯配列による改善法)
次に、空隙部パーミアンスPigが、これを構成する各小歯のパーミアンスの合成によって成り立っていることを利用して、小歯配置の仕方によって特定の高調波成分、ここでは第4次成分を消去する方法を検討する。
(小歯のパーミアンスによる合成)
数38に示すように各相の空隙部パーミアンスPigは各小歯間のパーミアンスPik(iは相番号,kは小歯の番号)を合計したものとみなすことができる。
Figure 2006020461
そこで、ここでは小歯1個ごとにパーミアンスを計算し、その和によって巻線極のパーミアンスを求めることにする。
パーミアンスの計算には磁路仮定法を採用し、1小歯部分の磁路の一例を示すと、図9のようになる。ここで、2Tは磁極対ピッチ(ステータの小歯ピッチ)、α,βはロータおよびステータの小歯幅の磁極対ピッチに対する比、xは回転変位、(1),(2)等は磁路種別の区分である。この場合、各部分磁路((1),(2),・・・)ごとに数39によるパーミアンスを計算して合計する。
Figure 2006020461
ここで、μ0は真空透磁率、dSは微分対向面積、lは磁路長である。図9より明らかなように、両小歯の軸が一致している点を0位置にすると左右の移動に関して対称となり、パーミアンスはほぼ図10(ロータとステータの歯幅が等しいα=βの場合)のように左右対称の偶関数的に変化する。
相全体のパーミアンスは、このパーミアンスを小歯数N個分を加え合わせたものである。図1に示す例では、小歯50個分を加えることになるが、ここでは簡明のために、小歯6個分を加算した場合の様子を示すと図11のようになる。ここでは、一方の小歯ピッチを基準磁極ピッチと異ならせたバーニア配列にしているため、合成波形はわずかずつずれた波形が加え合わされて平均化され、元の波形に比べて大幅に滑らかになる。
このように各相の空隙部パーミアンスPigは角度変位に対して偶関数であるから、これは数24の形にフーリエ展開することができる。
(小歯配列による改善の原理)
小歯を極ピッチからずらしながら配列すると波形が滑らかになり、コギングトルクも低減されることが予想される。ここでは、その原理について考察する。小歯のパーミアンスの組み合わせによって、特定の高調波n次成分を除去するには、数40を満足させればよい。(2相モータのコギングトルクを低減する場合には、n=4になる。)
Figure 2006020461
ここで、mは小歯群の数、Qは1群中の小歯数でN=mQである。ρ1knは第k番目小歯の単位長パーミアンスの第n次調波成分で、基準角からの偏差を用いた複素ベクトル形(これを小歯パーミアンスベクトルと呼ぶ)で表すと数41のようになり、後に示すような図示に便利である。
Figure 2006020461
ここで、ρ1knは小歯パーミアンスの第n次調波成分の振幅、pは磁極対数で図1の構造では小歯数Nに等しい。θkはk番目の小歯の位置(機械角)である。
θkは,磁極対ピッチで配列された場合の角度(基準角度)θk0からの偏差角δθkを用いて数42の形に表すことができる。
Figure 2006020461
εjnpθk0=εj2πnp(k-1)=1であるから、数41はθkの代わりに偏差角δθkを用いても同じ形になり、コギングトルク低減条件も数40にこの表現を入れて数43で表すことができる。以下では、取り扱いやすい偏差角δθkを用いて考察することにする。
Figure 2006020461
なお、θk0は常に角度0の位置にあるため、δθkは0位置からの角度で表される。この式が成立するということは、電気角で表した高調波ベクトル平面上に各小歯のパーミアンスベクトルを描いたとき、それらのベクトル和が零になることを意味する。この関係位置を保ちながら各ベクトルが回転するので、回転中も常にバランスが成立してコギングトルクが極小化されるのである。
(第4次調波の除去)
次に、上記の考え方を利用して、コギングトルク低減法を検討する。なお、径方向の磁気吸引力のアンバランスを発生させないために、小歯配列を軸対称構造にすることが必要である。小歯数50枚の場合には、2グループ化して軸対称性を持たせるのが適当である。
まず、コギングトルクに関与する度合いの大きい第4次調波のみを除去する場合は、小歯が等ピッチに並んでいる構造でピッチを変えるバーニア方式が自然である。
グループ内の小歯が等ピッチで配列されている場合には、δθk(偏差機械角)がすべて等しいので、数40が成立するためにはQ個のベクトルρ1knεjnpδθkがベクトル平面の円周上に並ぶ必要がある。このとき、δθkは数44で与えられる。
Figure 2006020461
図1の場合は、p=50、Q=25であるから、第4次のn=4として、δθkは0.072であり、小歯ピッチはθk0=7.2からδθkだけ負側に変位させて7.128となる。なお、負側変位と正側変位が同じ効果を持つことは、数40以下の議論から自明である。
(2種類の高調波の除去)
数40を満足させるためには、前項のように小歯を等ピッチのバーニア配列にする必要はなく、様々な並べ方が可能である。ただし、その場合にも前述のように軸対称構造が望ましい。また、いたずらに不等ピッチ配列にするのではなく、2種類の高調波を除去するなどのプラス効果を出すことが望まれる。
ここでは、コギングトルク発生に関係が大きい第4次調波のほかに第3次調波の除去を考える。この例では小歯数50枚であるから、軸対称性が成立するように2分して、25個をその因数を考慮して5群に分けることにする。そして、1つのグループ内で第3次調波を除去するとともに、5グループ相互間で第4次調波を除去するようにする。いずれもQ=5であるから、この角度偏差は数44よりそれぞれ次のようになる。
グループ内:δθ=0.48°(第3次調波の除去)
グループ相互間:δθ=0.36°(第4次調波の除去)
このようにした小歯配列のロータを図示すると、図12のようになる。
図12では、ロータの上半分XからX′軸までの25枚の歯を点線で区切られる5グループに分け、それぞれのグループの中では、歯の間隔が7.2−0.48=6.72°になり、グループ間すなわち中心軸θ1,θ2,θ3,θ4,θ5の間の角度が7.2×5−0.36=35.64°になって上記条件を満たしている。
以上では、小歯配列の変更はすべてロータ側で行ったが、ロータ側を変えずにステータ側の変更で行うことも可能である。
また、2種類の高調波を除去する場合に、一方をロータ側で、他方をステータ側で行うことも可能である。このときの小歯配列を図13に示す。この場合、歯間のピッチ(間隔)はロータで7.2−360/(4×50×25)=7.128°、ステータで7.2−360/(3×50×25)=7.104°として、それぞれ第4次および第3次調波を除去する。
(奇数次調波成分バランスの改善)
表1では各相の係数(ki 2hi)ρnが等しいと仮定してパーミアンスの変動分を集計したが、奇数次調波(基本波と第3次高調波)ではA相と外1相で(ki 2hi)を等しくしないと、Σρの値は零にならない。
数10より数45を示すと数46のようになる。なお、B相でも全く同じ式になる。
Figure 2006020461
Figure 2006020461
A相では、外1相に比べてコイルの内側にある鉄心分だけ磁路が長いので、数47したがって数48となる。このため、数49を等しくするには数50にしなければならない。すなわち、A相の小歯部の軸方向長さを外1相よりも長くしなければならない。
Figure 2006020461
Figure 2006020461
Figure 2006020461
Figure 2006020461
また、コイル内側鉄心磁路の磁気抵抗はA相コイル磁束φAしたがってその変化分の振幅ΔφAを減少させるため、電流トルクの低下につながる。電気機械に通常使用する積層鋼板は、鋼板間に微少空隙が存在するため磁気抵抗が増加するので、積層枚数の少ない厚めのものが好ましい。さらに、積層しない絶縁性の粉末鉄心を使用すると、相対的に数45の差が小さくなるので優れている。
(3D−FEM磁界解析による検討)
ここでは、ハイブリッド形ステッピングモータに実績のある3次元有限要素法磁界解析プログラムを用いて、発生トルクを支配する磁束変動の振幅φCMおよび回転振動に影響するコギングトルクを各種条件に対して計算する。
(鉄心材料と積厚比)
まず、正相A,Bと逆相数51で異なるkiの影響を補正するために、積層珪素鋼板と圧粉磁心について積厚hiを変更したときの影響を調べた。なお、両材料のBH特性を図14に示す。磁石はBrが0.75T(テスラ)の(サマリウムコバルト磁石)(SmCo)相当とした。また、積層による微少空隙を考慮して、鋼板占積率をt0.35では97%、t0.5では98%とし、軸方向のBH特性を変えて計算している。
Figure 2006020461
対象モータの主要寸法は、ロータの外径が35.4mm、内径が29.6mm、空隙長が0.1mm、歯ピッチが7.128°、ステータの歯ピッチが7.2°、両者の歯幅が0.7mm、溝深さが0.7mm、磁石の外径が27.6mm、内径が20mm、厚さが2mm、コイル部軸方向長さが6mmである。ここで、鉄心歯部の積厚は正相と逆相の和が6mmになるようにして両者の比率を変化して計算した。正/逆相部の積厚比(ここでは、以前用いたCと逆数の関係になっている)を変化させたときのコギングトルクおよび有効磁束の計算結果を図15および図16に示す。コギングトルクは、回転に伴って磁石磁束により発生するトルク変化のpeak to peak値である。有効磁束φCMは、磁束φAの変化分の2分の1(振幅)として求めた。
図15より明らかなように、コギングトルクは比較的大きく、積層鉄心では板厚が薄い方が大きくなっている。圧粉磁心の場合は,積厚比によってコギングトルクがほぼゼロになるところ(積厚比約1.6)が存在するが、積層鉄心では積厚比5までの範囲ではゼロクロス点が存在しない。
図16より明らかなように、有効磁束については、BH特性の悪い圧粉磁心の方が、積層鉄心より圧倒的に大きくなっている。これは、積層鉄心では軸方向パーミアンスが低下してコイル内を通りにくいことが原因と思われる。
この結果、この構造には圧粉磁心が最適であることがわかったので、以下圧粉磁心をもとに検討を進める。
図17は、積厚比が1.0,1.4,2.0のときの回転に伴う各部の磁束変化の様子を夫々点線、一点鎖線及び実線で示した。これによると、磁石磁束はほとんど一定であり、図8の等価回路を導く際に設定した仮定が妥当であったことを示している。また、正相側の積厚が増加すると、その平均磁束レベルは上昇するが、逆に変動幅したがって有効磁束が減少することがわかる。これらの積厚比の中では、1.4の場合がもっとも正/逆相のバランスがとれている。
トルク発生に役立つ変動磁束の比率が両相合わせて40%強と少ないが、磁石が大きく各相コイル数が1個のため通常構造より鎖交磁束が大きいと思われる。
(バーニアピッチの効果)
図18に、積厚比1.4のときのバーニアの有無によるコギングトルクの変化を示す。数44のバーニアピッチを採用するとバーニアでない正規ピッチのときに発生していた4倍周波の大きいコギングトルクがなくなるが、基本周波の変動は残っている。図15よりみて、積厚比をこれよりやや大きい1.6にすると、さらに小さくなると推定される。
(歯幅の影響)
積厚比1.4と2.0に対して、歯幅を0.7前後に0.1mm変化させたときの有効磁束およびコギングトルクに与える影響を図19に示す。有効磁束の変化は緩やかであるが、いずれの積厚比でも0.7〜0.75あたりが最大になっている。また、コギングトルクは積厚比によって傾向が逆になるが、これは正相と逆相のバランスが変わるのが原因と考えられる。これらより考えて、0.7mm(磁極対ピッチの38%)は適正な値と言える。
(歯を4群に分けた実施例)
50枚歯の場合、軸対称性を保持しつつグループに等分割する方法は、図27に示す25×2か、図12に示す5×10が考えられる。これに対して、48枚歯の場合には4分割することが可能である。この例を図20に示す。ここでは、ロータ側を数44によって、標準の7.5°より360/(4×48×12)だけ小さくなるようなバーニアピッチを採用している。
(内転形の実施例)
これまでは、外転形について説明したが、この構造は通常のモータのように内側ロータの場合についても成立する。内転形の構造例を、図21および図22に示す。図21では磁石が外側に配置されているため、モータの外に比較的強い磁界が漏れるので、これが問題になる場合には、図23のように磁石を内部に取り込むこともできる。これらの場合の磁束の流れは、図21および図23の矢印のようになって、磁気回路等の考え方もそれぞれ外転回転子の場合と同じになる。
(最適積厚比における歯幅比の影響)
図15において、コギングトルクがゼロになると推定される積厚比1.6(正相積厚3.7mm/逆相積厚2.3mm)を用いた場合どうなるか磁界解析によって調べた。この結果より、歯幅とコギングトルクの関係を図24に示す。図24では、図15と異なり、歯幅を正規歯ピッチ1.83mmに対する百分率で示した。このような最適積厚比においては、歯幅には最適値があり、ほぼ正規歯ピッチの35〜45%の区間で極小になることがわかる。
本発明の基本となる従来モータ(特開昭56−12856号公報)は巻線が容易であり安価に構成される特長があるが、逆起電力の出力値が小さいため出力トルクも小さく、またコギングトルクが大きい等の欠点があり使用される用途が少なかった。しかし、粉末軟磁性材料の特性アップと普及により、上述のようなモータ特性改善を安価に実施できる目安がつき本発明に至った。
本発明の多極回転電機によれば逆起電力を低下させることなく、コギングトルクを最小に設定することが可能であるから、振動を嫌うOA機器、家電機器や高速運転するFA設備機器等の広い範囲で使用することが可能となる。また、本発明は同様にしてインナーロータ形モータに適用できる。さらに、本発明はブラシレスモータや同期モータあるいは発電機としても使用できる。
本発明の外転形2相ハイブリッドステッピングモータの縦断正面図である。 図1に示す外転形2相ハイブリッドステッピングモータの逆起電力波形図である。 図1に示すモータのコギングトルク波形図である。 ステータコア厚み比率に対する逆起電力・コギングトルク特性図である。 磁石より発生した磁束の通路を示す説明図である。 図1に示すモータの固定子小歯配列の位相関係説明図である。 本発明のモータの磁気回路図である。 本発明のモータの等価磁気回路図である。 本発明のモータの小歯間仮想磁路説明図である。 本発明のモータの小歯1個分のパーミアンス変化説明図である。 本発明のモータの小歯から合成された相パーミアンスの説明図である。 第3次調波と第4次調波を消すための小歯配列の本発明モータの縦断側面図である。 第3次調波と第4次調波を消すための他の小歯配列の本発明のモータの縦断側面図である。 鉄心材料のB−H特性図である。 鉄心の積厚比とコギングトルクの特性図である。 鉄心の積厚比と有効磁束の特性図である。 回転に伴う磁束変化説明図である。 バーニアピッチとコギングトルクの関係説明図である。 有効磁束とコギングトルクに対する歯幅の影響説明図である。 4分割バーニア方式の本発明のモータの縦断側面図である。 本発明の内転形モータの縦断正面図である。 図21に示すモータの縦断側面図である。 本発明の他の内転形モータの縦断面図である。 最適積厚における歯幅比の影響説明線図である。 従来のモータの縦断正面図である。 (a)は図25のA−A断面図である。(b)は図25のA′−A′断面図である。(c)は、図25のB′−B′断面図である。(d)は図25のB−B断面図である。 図25に示すモータの縦断側面図である。 図25に示すモータの磁気通路説明図である。 図25に示す外転形2相ハイブリッドステッピングモータの逆起電力波形図である。 図25に示すモータのコギングトルク波形図である。
符号の説明
1 固定軸
2 前カバー
2′ 後カバー
3 リング状マグネット
4 ステータ
5 ステータ
8 環状溝
9 環状溝
10 ロータ
11 軸受
12 励磁用リングコイル
13 励磁用リングコイル
A 小歯群
B 小歯群
A トルク
B トルク
IAnA アンペアリターン
θe 回転電気角
N ローターの歯数
C コギングトルク

Claims (8)

  1. モータ軸の軸方向にN極とS極に着磁されたリング状のマグネットを具備し、このマグネットの軸方向両側にA相とB相を形成する円柱状の二組のステータを具備し、前記円柱状の二組のステータの夫々にはリングコイルを巻回した環状溝を設け、外周部には複数の磁極を形成する小歯群Aと数1
    Figure 2006020461
    とBが軸方向に配置され、それぞれの小歯群数1の側面が前記リング状のマグネットの両側面に対接されるとともに、前記ステータ外周の小歯群とラジアル方向にエアギャップを介して対向配置された同数の小歯を内周に具備し、軸受を介して回転自在に支承した円筒状ロータが配置され、上記ステータ外周の小歯群数2
    Figure 2006020461
    のロータ小歯に対する相対位相差がほぼ4分の1ピッチずつずれている多極回転電機において、前記ステータとロータを、軟磁性粉末と、バインダーとの複合材から成る粉末を加圧成形して構成したことを特徴とする多極回転電機。
  2. モータ軸の軸方向にN極とS極に着磁されたリング状のマグネットを具備し、このマグネットの軸方向両側にA相とB相を形成する円柱状の二組のステータを具備し、前記円柱状の二組のステータのそれぞれにはリングコイルを巻回した環状溝を設け、外周部には複数の磁極を形成する小歯群Aと数1とBが軸方向に配置され、それぞれの小歯群数1の側面が前記リング状のマグネットの両側面に対接されるとともに、前記ステータ外周の小歯群とラジアル方向にエアギャップを介して対向配置された同数の小歯を内周に具備し、軸受を介して回転自在に支承した円筒状ロータが配置されている多極回転電機において、上記ロータの小歯をバーニアピッチ配列とし、且つ軸対称に配列すると共に、前記ステータとロータを、軟磁性粉末と、バインダーとの複合材から成る粉末を加圧成形して構成したことを特徴とする多極回転電機。
  3. モータ軸の軸方向にN極とS極に着磁されたリング状のマグネットを具備し、このマグネットの軸方向両側にA相とB相を形成する円筒状の二組のステータを具備し、前記円筒状の二組のステータの夫々にはリングコイルを巻回した環状溝を設け、内周部には複数の磁極を形成する小歯群Aと数1とBが軸方向に配置され、それぞれの小歯群数1の側面が前記リング状のマグネットの両側面に対接されるとともに、前記ステータ内周の小歯群とラジアル方向にエアギャップを介して対向配置された同数の小歯を外周に具備し、軸受を介して回転自在に支承した円筒状ロータが配置され、上記ステータ内周の小歯群数2のロータ小歯に対する相対位相差がほぼ4分の1ピッチずつずれている多極回転電機において、前記ステータとロータを、軟磁性粉末と、バインダーとの複合材から成る粉末を加圧成形して構成したことを特徴とする多極回転電機。
  4. モータ軸の軸方向にN極とS極に着磁されたリング状のマグネットを具備し、このマグネットの軸方向両側にA相とB相を形成する円筒状の二組のステータを具備し、前記円筒状の二組のステータのそれぞれにはリングコイルを巻回した環状溝を設け、内周部には複数の磁極を形成する小歯群Aと数1とBが軸方向に配置され、それぞれの小歯群数1の側面が前記リング状のマグネットの両側面に対接されるとともに、前記ステータ内周の小歯群とラジアル方向にエアギャップを介して対向配置された同数の小歯を外周に具備し、軸受を介して回転自在に支承した円筒状ロータが配置されている多極回転電機において、上記ロータの小歯をバーニアピッチ配列とし、且つ軸対称に配列すると共に、前記ステータとロータを、軟磁性粉末と、バインダーとの複合材から成る粉末を加圧成形して構成したことを特徴とする多極回転電機。
  5. 外周に小歯を有し、中間部にモータ軸の軸方向にN極とS極に着磁されたリング状のマグネットを具備し、軸受を介して回転自在に支承した円筒状ロータが配置され、モータ軸の軸方向両側にA相とB相を形成する円筒状の二組のステータを具備し、前記円筒状の二組のステータの夫々にはリングコイルを巻回した環状溝を設け、内周部には複数の磁極を形成する小歯群Aと数1とBが軸方向に配置され、それぞれの小歯群数1が前記リング状のマグネットの両側に位置する前記ロータ外周の小歯群とラジアル方向にエアギャップを介して対向配置され、上記ステータ内周の小歯群数2のロータ小歯に対する相対位相差がほぼ4分の1ピッチずつずれている多極回転電機において、前記ステータとロータを、軟磁性粉末と、バインダーとの複合材から成る粉末を加圧成形して構成したことを特徴とする多極回転電機。
  6. 外周に小歯を有し、中間部にモータ軸の軸方向にN極とS極に着磁されたリング状のマグネットを具備し、軸受を介して回転自在に支承した円筒状ロータが配置され、モータ軸の軸方向両側にA相とB相を形成する円筒状の二組のステータを具備し、前記円筒状の二組のステータのそれぞれにはリングコイルを巻回した環状溝を設け、内周部には複数の磁極を形成する小歯群Aと数1とBが軸方向に配置され、それぞれの小歯群数1が前記リング状のマグネットの両側に位置する前記ロータ外周の小歯群とラジアル方向にエアギャップを介して対向配置されている多極回転電機において、上記ロータの小歯をバーニアピッチ配列とし、且つ軸対称に配列すると共に、前記ステータとロータを、軟磁性粉末と、バインダーとの複合材から成る粉末を加圧成形して構成したことを特徴とする多極回転電機。
  7. 前記ステータの小歯群Aの軸方向コア厚みに対する前記小歯群外1
    (外1)
    Figure 2006020461
    の軸方向コア厚みの比率を1より小さく設定し、両相の小歯間の平均パーミアンスが実質的に互いに等しくなるようにし、前記ステータの小歯群Bの軸方向コア厚みに対する前記小歯群外2
    (外2)
    Figure 2006020461
    の軸方向コア厚みの比率を1より小さく設定し、両相の小歯間の平均パーミアンスが実質的に互いに等しくなるようにしたことを特徴とする請求項1,2,3,4,5または6記載の多極回転電機。
  8. 前記ロータおよびステータの小歯群の歯幅比を基準小歯ピッチの35〜45%になるようにしたことを特徴とする請求項7記載の多極回転電機。
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