JP2006019993A - 発振装置及び発振制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 1PPS信号等の定期信号に基づいて発振周波数を制御する場合に、その受信障害が発生しても好適な周波数での発振を維持することができる発振装置を提供する。
【解決手段】 指示値に応じた周波数で発振する発振部26と、定期信号である1PPS信号を受信するGPS受信機24と、前記定期信号の各受信間隔における発振部26の発振回数を計数するカウンタ22と、計数される発振回数に応じて指示値を順次決定し、発振部26に供給する加算器12及び制御器14と、を含む発振装置10において、制御器14は順次決定される指示値を記憶するとともに、前記定期信号の受信障害が発生した場合に、その記憶内容に基づいて指示値を発振部26に供給する。
【選択図】 図1

Description

本発明は発振装置及び発振制御方法に関し、特に、GPS(Global
Positioning System)で利用可能な1PPS(1 Pulse Per Second)信号等の定期信号を用いた発振器の発振周波数の制御に関する。
衛星測位システム(GPS)では、測位衛星から1秒ごとに1PPS(1 Pulse
Per Second)信号と呼ばれる定期信号が送信されている。測位衛星には原子時計が搭載されており、この原子時計により刻まれる協定世界時(UTC)に従って送信される1PPS信号は、非常に高精度な定期信号として利用価値が高い。この1PPS信号を利用して、例えば下記特許文献1では、移動体通信網の基地局が送信する制御チャンネルの電波を受信して基地局の通信フレームのスロットタイミングと1PPS信号の両タイミング信号の時間差を測定し基地局の絶対同期ずれ量を検出する同期評価システムが記載されている。
特開平11−112410号公報
しかしながら、上記周波数発振装置では1PPS信号の受信が途絶えた場合を想定しておらず、1PPS信号の受信が途絶えると発振周波数が大幅に狂う虞があった。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであって、その目的は、1PPS信号等の定期信号に基づいて発振周波数を制御する場合に、その受信障害が発生しても好適な周波数での発振を維持することができる発振装置及び発振制御方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明に係る発振装置は、指示値に応じた周波数で発振する発振手段と、定期信号を受信する定期信号受信手段と、前記定期信号の各受信間隔における前記発振手段の発振回数を計数する発振回数計数手段と、前記発振回数計数手段により計数される発振回数に応じて前記指示値を順次決定する指示値決定手段と、前記指示値決定手段により順次決定される指示値を前記発振手段に供給する指示値供給手段と、を含む発振装置において、前記指示値決定手段により順次決定される指示値を記憶する指示値記憶手段と、前記定期信号の受信障害を検知する受信障害検知手段と、をさらに含み、前記指示値供給手段は、前記定期信号の受信障害が発生した場合に、前記指示値記憶手段の記憶内容に基づいて指示値を前記発振手段に供給する、ことを特徴とする。
また、本発明に係る発振制御方法は、定期信号を受信し、前記定期信号の各受信間隔における発振手段の発振回数を計数し、計数される発振回数に応じて前記発振手段に対する発振周波数の指示値を順次決定し、順次決定される指示値を記憶手段に記憶させるとともに前記発振手段に供給し、前記定期信号の受信障害が発生した場合には、前記記憶手段の記憶内容に基づいて前記発振手段に指示値を供給する、ことを特徴とする。
本発明によれば、発振手段への指示値を記憶しておき、定期信号の受信障害が発生した場合には、記憶内容に基づいて発振手段に指示値を供給する。このため、定期信号に基づいて発振周波数を制御する場合に、その受信障害が発生しても好適な周波数での発振を維持することができる。
本発明の一態様では、前記指示値記憶手段は、前記指示値決定手段により順次決定される複数の指示値を記憶し、前記指示値供給手段は、前記定期信号の受信障害が発生した場合に、前記指示値記憶手段に記憶される前記複数の指示値に基づいて指示値を前記発振手段に供給する。こうすれば、複数の指示値を順に用いたり、その平均値等の統計値を用いたり、或いはそれらを順に用いたりして、より好適な指示を発振手段に対してすることができる。
また本発明の他の態様では、前記指示値記憶手段は、前記指示値決定手段により決定される指示値のうち最後に決定された指示値を記憶し、前記指示値供給手段は、前記定期信号の受信障害が発生した場合に、前記指示値記憶手段に記憶される前記最後に決定された指示値に基づいて指示値を前記発振手段に供給する。こうすることにより最新の指示値に基づいて容易に好適な周波数で発振を維持することができる。
更に他の態様では、前記指示値供給手段は、前記定期信号の受信障害が発生した場合に、前記指示値記憶手段に記憶される前記複数の指示値に基づき、前記指示値決定手段により順次決定される指示値のパターンに従って指示値を前記発振手段に供給するようにしてもよい。こうすれば、簡易且つ確実に好適な発振周波数を維持することができる。
以下、本発明の実施形態について図面に基づき詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る発振装置の構成を示す図である。同図に示す発振装置10は、例えばPHS等の通信システムにおいて基地局間で共通の周波数の信号を得るのに用いられてよい。この発振装置10は、加算器12、制御器14、発振部26、ラッチ回路20、カウンタ22、GPS受信機24を含んで構成されている。発振部26は、DAC(デジタルアナログコンバーター)16及びVCO(電圧制御発振器)18を含んで構成されている。
制御器14はDAC16にデジタル値である指示値を与えるようになっており、DAC16はこれを電圧に変換してVCO18に供給する。VCO18はこうして供給される電圧値に応じた周波数の正弦波信号を出力する。出力信号は通信装置等の他の装置に供給されるとともに、カウンタ22に入力される。カウンタ22は、出力信号の発振回数を計数するようになっている。具体的には、出力信号の発振回数を表す変数を保持しており、1周期分の出力信号が出力される毎に、この変数を1ずつ増やすようにしている。GPS受信機24は、図示しないGPS衛星から受信したGPSデータから、1秒間隔毎にパルスが発生する1PPS信号を生成し、カウンタ22およびラッチ回路20に送る。カウンタ22は1PPS信号に基づいて1秒間VCO18からの出力信号の発振回数を計測する。計測し終わるとラッチ回路20がカウンタが1秒間に計測した発振回数を表す変数を取り込み、それを加算器12に供給する。カウンタ22は、発振回数を表す上記変数の値がラッチ回路20に取り込まれると、その値を零にリセットする。こうして、1PPS信号の受信間隔における出力信号の発振回数を計数し、それを加算器12に供給できるようにしている。
加算器12は、出力信号の1秒あたりの発振回数の目標値が正符号のまま入力されており、さらにラッチ回路20から出力信号の発振回数が負符号を与えられて入力されている。そして、目標値から出力信号の発振回数を減算した値は制御器14に供給されている。制御器14は、図2に示すように、指示値記憶部28、指示値決定・供給部30及び受信障害検知部32を含んで構成されている。指示値決定・供給部30には加算器12の出力、すなわち出力信号の発振回数の目標値とその実際の値との差分が入力されており、この値に基づいて指示値(デジタル値)を決定している。具体的には、目標値と実際の値との差が零になるように指示値を決定する。こうして決定される指示値は指示値記憶部28に供給されるとともにDAC16に供給される。指示値記憶部28は、N個の指示値を記憶するリングバッファを含んで構成されており、指示値決定・供給部30において最後に決定された最新の指示値から、その(N−1)個前に決定された指示値まで、合計N個の指示値を指示値決定・供給部30において決定された順に記憶している(Nは自然数であり、好ましくは2以上である)。そして、新しく指示値が決定されると、N個の指示値のうち最も古いものを削除し、代わりにその新しく決定された指示値を記憶するようにしている。受信障害検知部32は、GPS受信機24から1PPS信号を含むGPS信号の受信状態の通知を受けるようになっており、1PPS信号に受信障害が発生すると、その旨を指示値決定・供給部30に通知する。指示値決定・供給部30は、1PPS信号に受信障害が発生したことの通知を受けた場合、加算器12からの出力に応じて指示値を決定するのを停止し、代わりに指示値記憶部28に記憶されている指示値のうち最も古いものを読み出し、それをDAC16に供給する。この場合も、N個の指示値のうち最も古いものを削除し、代わりにその新しくDAC16に供給する指示値を記憶するようにしている。この結果、1PPS信号の受信障害が回復するまでは、元々指示値記憶部28に記憶されていたN個の指示値が繰り返し順にDAC16に供給されることになる。
図3は、制御器14の動作を示すフロー図である。同図に示すように、制御器14ではまず1PPS信号の受信障害が発生しているか否かを判断する(S101)。そして、受信障害が発生していなければ、加算器12の出力に基づいてDAC16への指示値を決定し(S102)、それを指示値記憶部28に記憶させる(S103)。そして、決定された指示値をDAC16に供給し(S104)、次の処理タイミングを待つ(S105)。一方、1PPSの受信障害が発生していれば、指示値記憶部28に記憶されている最も古い指示値を読み出し(S106)、それを指示値記憶部28に最新のものとして再び記憶させ(S107)、DAC16に供給する(S103〜105)。
以上のようにして、1PPS信号の受信障害が発生しているか否かに関わらず、定期的にDAC16に指示値が供給されるようになっている。また、1PPS信号の受信障害が発生している場合には、指示値記憶部28に記憶されている指示値の推移パターンに従って繰り返して指示値がDAC16に供給される。すなわち、1PPS信号の受信障害が発生した場合には、指示値記憶部28に順に記憶されているN個の指示値がその順でDAC16に供給され、その後も同じパターンで指示値がDAC16に供給される。
図4は、1PPSの受信障害が発生していない場合のDAC16への指示値(DAC設定値)の推移を示す図である。同図に示すように、通常は(安定時は)DAC16に供給される指示値は連続する二値のうちいずれかとなる。一方、図5は、1PPS信号に受信障害が発生した場合のDAC16への指示値の推移を示す図である。同図に、1PPS信号の受信障害が検知されると、N回前のDAC16への指示値が再びDAC16に供給される。
以上説明した発振装置10によれば、1PPS信号の受信障害が発生すると、過去のN回分のDAC16への指示値が繰り返して用いられるので、1PPS信号の受信障害が発生した場合にも、発振周波数の急変が生じることを防止することができる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、図5では、指示値記憶部28に複数の指示値が記憶される場合における、DAC16への指示値の推移を示したが、指示値記憶部28に指示値が1つ、最新のものだけが記憶されるようにしてもよく、この場合はDAC16への指示値の推移は図6に示すようになる。また、指示値記憶部28に複数の指示値を記憶する場合、それらをそのまま全て記憶する必要はなく、例えばそれら複数の指示値の平均値、最大値、最小値、或いは複数種類の指示値の各値と、その発生する割合等、各種の統計値を記憶してもよい。
本発明の実施形態に係る発振装置の構成を示す図である。 制御器の構成を示す図である。 制御器の動作を示すフロー図である。 1PPS信号の受信障害が無い場合の指示値の推移を示す図である。 1PPS信号の受信障害がある場合の指示値の推移を示す図である。 変形例の動作を示す図である。
符号の説明
10 発振装置、12 加算器、14 制御器、16 DAC(デジタルアナログコンバーター)、18 VCO(電圧制御発振器)、20 ラッチ回路、22 カウンタ、24 GPS受信機(衛星測位システム受信機)、26 発振部、28 指示値記憶部、30 指示値決定・供給部、32 受信障害検知部。

Claims (5)

  1. 指示値に応じた周波数で発振する発振手段と、
    定期信号を受信する定期信号受信手段と、
    前記定期信号の各受信間隔における前記発振手段の発振回数を計数する発振回数計数手段と、
    前記発振回数計数手段により計数される発振回数に応じて前記指示値を順次決定する指示値決定手段と、
    前記指示値決定手段により順次決定される指示値を前記発振手段に供給する指示値供給手段と、
    を含む発振装置において、
    前記指示値決定手段により順次決定される指示値を記憶する指示値記憶手段と、
    前記定期信号の受信障害を検知する受信障害検知手段と、をさらに含み、
    前記指示値供給手段は、前記定期信号の受信障害が発生した場合に、前記指示値記憶手段の記憶内容に基づいて指示値を前記発振手段に供給する、
    ことを特徴とする発振装置。
  2. 請求項1に記載の発振装置において、
    前記指示値記憶手段は、前記指示値決定手段により順次決定される複数の指示値を記憶し、
    前記指示値供給手段は、前記定期信号の受信障害が発生した場合に、前記指示値記憶手段に記憶される前記複数の指示値に基づいて指示値を前記発振手段に供給する、
    ことを特徴とする発振装置。
  3. 請求項1に記載の発振装置において、
    前記指示値記憶手段は、前記指示値決定手段により決定される指示値のうち最後に決定された指示値を記憶し、
    前記指示値供給手段は、
    前記定期信号の受信障害が発生した場合に、前記指示値記憶手段に記憶される前記最後に決定された指示値に基づいて指示値を前記発振手段に供給する、
    ことを特徴とする発振装置。
  4. 請求項2に記載の発振装置において、
    前記指示値供給手段は、前記定期信号の受信障害が発生した場合に、前記指示値記憶手段に記憶される前記複数の指示値に基づき、前記指示値決定手段により順次決定される指示値のパターンに従って指示値を前記発振手段に供給する、
    ことを特徴とする発振装置。
  5. 定期信号を受信し、
    前記定期信号の各受信間隔における発振手段の発振回数を計数し、
    計数される発振回数に応じて前記発振手段に対する発振周波数の指示値を順次決定し、
    順次決定される指示値を記憶手段に記憶させるとともに前記発振手段に供給し、
    前記定期信号の受信障害が発生した場合には、前記記憶手段の記憶内容に基づいて前記発振手段に指示値を供給する、
    ことを特徴とする発振制御方法。
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