JP2006019628A - 冷却装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】複数の板状ヒートパイプを1つのヒートシンクに熱的に接続して効率的に冷却することができ、且つ、放熱フィン部を冷却する冷媒の流れの方向を自由に設定することができる冷却装置を提供する。
【解決手段】放熱フィン部とベースプレートとからなる少なくとも1つのヒートシンクと、ヒートシンクのベースプレートに熱的に接続される接続部をそれぞれ備えた複数の板状熱導体とからなる冷却装置。接続部が、板状熱導体の曲げ部からなっており、並列配置された複数の曲げ部がベースプレートに熱的に接続されている。または、接続部が、板状熱導体の端部に接合された金属板材からなっており、並列配置された複数の金属板材がベースプレートに熱的に接続されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えば自動車に搭載された複数個の電子機器等の冷却を行うための冷却装置に関する。
近年、電気・電子機器装置においては、各種制御を行う各種のエレクトロニクス機器が搭載されており、エレクトロニクス機器は、マイクロプロセッサ等の高出力、高集積の部品を内蔵している。マイクロプロセッサは、集積度が極めて高くなり、高速で情報の演算、制御等の処理を行うので、多量の熱を放出する。これらの高出力かつ高集積の部品であるチップ等を冷却するために、各種の冷却システムが提案されてきた。
更に、自動車においては、その他に、電気自動車に搭載された二次電池等の充電放電時に発熱する装置を冷却するために、各種の冷却システムが提案されてきた。その代表的な冷却システムの1つとして、金属製の熱導体による熱移動およびヒートパイプによる熱移動がある。
金属製の熱導体は例えば熱伝導性に優れた銅板、アルミニウム板等が用いられる。発熱体からの熱を銅板、アルミニウム板によって熱移動し、熱的に接続された放熱フィン部によって、所定の場所に放熱される。
ヒートパイプには、その形状において、丸パイプ形状のヒートパイプ、平面形状の板状ヒートパイプがある。複数個のセルを備えた二次電池等の被冷却部品の冷却用としては、個々のセルの発生する熱を放熱するために、広い接触面が得られることから、板状ヒートパイプが好んで用いられる。
更に、ヒートパイプは、被冷却部品の取り付け位置において、被冷却部品が上部に位置するトップヒートモードと被冷却部品が下部に位置するボトムヒートモードに区分される。ボトムヒートモードの場合、重力により液が還流するが、トップヒートモードの場合、重力に逆らって液を還流させなければならず、通常はウイックによる毛管現象を利用する。
ヒートパイプの内部には作動流体の流路となる空間が設けられ、その空間に収容された作動流体が、蒸発、凝縮等の相変化や移動をすることによって、熱の移動が行われる。
密封された空洞部を備え、その空洞部に収容された作動流体の相変態と移動により熱の移動が行われるヒートパイプの詳細は次の通りである。
ヒートパイプの吸熱側において、ヒートパイプを構成する容器の材質中を熱伝導して伝わってきた被冷却部品が発する熱を潜熱として吸収して、作動流体が蒸発し、その蒸気がヒートパイプの放熱側に移動する。放熱側においては、作動流体の蒸気は凝縮して潜熱を放出するとともに、再び液相状態に戻る。このように液相状態に戻った作動流体は再び吸熱側に移動(還流)する。このような作動流体の相変態や移動によって熱の移動が行われる。
重力式のヒートパイプにおいては、相変態によって液相状態になった作動流体は、重力によって、吸熱側に移動(還流)する。
図7は、従来の冷却装置を示す概略斜視図である。従来の冷却装置100は、板状ヒートパイプ101と、板状ヒートパイプの放熱部104の両面に熱的に接続された放熱フィン部とを備えたヒートシンクとからなっている。板状ヒートパイプの吸熱部103には(図示しないが)発熱体(発熱部品)が熱的に接続される。板状ヒートパイプには、作動液の相変化による圧力に耐える強度を備えるように上板材および下板材の一部を接合するディンプル加工が施されている。
図7に示すように、従来の冷却装置100においては、個々の板状ヒートパイプ101の両面にある放熱部104にそれぞれ放熱フィン部を取り付けていた。放熱フィン部は、例えば、半田付けによって、放熱部に接合されていた。
板型ヒートパイプを備えた冷却装置が特開平5−275584号公報に開示されている。
特開平5−275584号公報
図7に示す従来の冷却装置においては、個々の板状ヒートパイプに放熱フィン部を直接取り付けていたので、複数の板状ヒートパイプを並列配置する場合に、それら複数の板状ヒートパイプを1つのヒートシンク(放熱フィン部+ベースプレート、または、放熱フィン部)に熱的に接続できなかった。即ち、板状ヒートパイプの数に対応する数のヒートシンクが必要であり、部品数が多く、また、配置に広いスペースが必要であった。
更に、ヒートパイプが配置される方向に対して、冷媒の流体が通る方向に制限があった。即ち、図7に矢印で示すように、板状ヒートパイプの短軸方向で、しかも、放熱部の面に平行な1つの方向に限定されていた。
更に、板状ヒートパイプの放熱部に放熱フィン部を半田付けしていたので、傷つきやすい放熱フィン部の組み立ての順序に制約があった。
従って、この発明の目的は、複数の板状ヒートパイプを1つのヒートシンクに熱的に接続して効率的に冷却することができ、且つ、放熱フィン部を冷却する冷媒の流れの方向を自由に設定することができる冷却装置を提供することにある。
本発明者は、上述した従来技術の問題点を解決すべく鋭意研究を重ねた。その結果、熱導体、例えば、板状ヒートパイプの一方の端部に、ヒートシンクのベースプレートに熱的に接続される接続部を設けることによって、複数の板状ヒートパイプを1つのヒートシンクに熱的に接続することができ、効率的な冷却ができることが判明した。
更に、複数の板状ヒートパイプに設けられた接続部をヒートシンクのベースプレートに熱的に接続するので、ヒートシンクの放熱フィン部の向きを自由に設定することができ、放熱フィン部を冷却する冷媒の流れの方向を自由に設定することができることが判明した。
この発明は、上記研究結果に基づいてなされたものであって、この発明の冷却装置の第1の態様は、放熱フィン部とベースプレートとからなる少なくとも1つのヒートシンクと、前記ヒートシンクの前記ベースプレートに熱的に接続される接続部をそれぞれ備えた複数の板状熱導体とからなる冷却装置である。
この発明の冷却装置の第2の態様は、前記板状熱導体は前記ベースプレートに対して垂直に延設されている冷却装置である。
この発明の冷却装置の第3の態様は、前記接続部が、板状熱導体の曲げ部からなっており、並列配置された複数の前記曲げ部が前記ベースプレートに熱的に接続されている冷却装置である。
この発明の冷却装置の第4の態様は、前記接続部が、前記板状熱導体の端部に接合された金属板材からなっており、並列配置された複数の前記金属板材が前記ベースプレートに熱的に接続されている冷却装置である。
この発明の冷却装置の第5の態様は、前記接続部が、前記ベースプレートに固定されたジョイント部からなっており、前記ジョイント部は、並列配置された複数の前記板状熱導体を着脱自在に固定して、前記ヒートシンクと前記板状熱導体とを熱的に接続する冷却装置である。
この発明の冷却装置の第6の態様は、前記ジョイント部が前記ベースプレートと一体的に形成されている冷却装置である。
この発明の冷却装置の第7の態様は、前記ヒートシンクの放熱フィン部は、前記放熱フィン部と前記ベースプレートとの接続部の長軸方向が板状熱導体とベースプレートとの接続部の長軸方向に対し概ね直交するように並列配置されている冷却装置である。
この発明の冷却装置の第8の態様は、複数個の発熱体が、並列配置された複数の板状熱導体のそれぞれに熱的に接続されている冷却装置である。
この発明の冷却装置のその他の態様は、前記放熱フィン部の方向が可変である冷却装置である。
この発明の冷却装置のその他の態様は、前記発熱体が自動車に搭載される電子機器である冷却装置である。
この発明の冷却装置のその他の態様は、前記熱導体が板状ヒートパイプからなっている冷却装置である。
この発明の冷却装置によると、板状ヒートパイプの一方の端部に、ヒートシンクのベースプレートに熱的に接続される接続部を設けることによって、複数の板状ヒートパイプを1つのヒートシンクに熱的に接続して効率的に冷却することができる。更に、ヒートシンクの放熱フィン部の向きを自由に設定することができるので、放熱フィン部を冷却する冷媒の流れの方向を自由に設定することができる。
この発明の冷却装置を図面を参照しながら詳細に説明する。
この発明の冷却装置の1つの態様は、放熱フィン部とベースプレートとからなる少なくとも1つのヒートシンクと、前記ヒートシンクの前記ベースプレートに熱的に接続される接続部をそれぞれ備えた複数の板状熱導体とからなる冷却装置である。
自動車に搭載される冷却装置は、灼熱・極寒の地で過酷な条件下において使用される場合においても、その機能を停止することは許されず、極めて高い信頼性が要求される。特に、二次電池等の冷却においては、その作動環境における温度条件は厳しく制限され、冷却の不具合が発生すると、被冷却部品である二次電池のセルを損傷してしまうという重大な問題を生じる。この発明の冷却装置は、このような過酷な条件下においても高い信頼性を備えることが要求される。
図1は、この発明の冷却装置の1つの態様を説明する図である。図1においては、ヒートシンクおよび板状ヒートパイプが分離して示されている。図1に示すように、熱導体、例えば板状ヒートパイプ2は、その一方の端部に接続部5−1を備えている。このように接続部5−1を備えた板状ヒートパイプ2が複数枚(図1においては3枚)並列して配置される。接続部5−1は例えば熱伝導性に優れた金属板材からなっており、板状ヒートパイプの長軸方向に直角に一方の端部に沿って取り付けられている。
このように並列配置された複数の接続部(金属板材)は、同一面上に位置している。並列配置された複数の接続部によって形成される面に、放熱フィン部7およびベースプレート6を備えたヒートシンク3のベースプレート6が熱的に接続される。上述したように、並列配置された複数の接続部によって形成される面は平らな同一面を形成しているので、ベースプレート6の平らな面と密着して、熱導体(板状ヒートパイプ)とヒートシンクとが小さい熱抵抗で熱的に接続される。
この態様においては、ヒートシンクの放熱フィン部は、その長軸方向が板状ヒートパイプの長軸方向に概ね直交するように並列配置されている。板状ヒートパイプ2の吸熱部4には、少なくとも1つの発熱体が熱的に接続される。発熱体は板状ヒートパイプの長軸方向に沿って配置される。短軸方向に複数個が配置されてもよい。板状ヒートパイプに備えられた接続部は、板状ヒートパイプの放熱部を形成し、放熱部に移動した熱がヒートシンクを介して大気中または所定の位置に、自然または強制的に放熱される。
図3は、この発明の冷却装置の1つの態様を説明する図である。図3においては、ヒートシンクおよび板状ヒートパイプが組み合わされて示されている。図3に示すように、一方の端部に接続部5−1が設けられた板状ヒートパイプ2が並列配置され、このように配置された接続部5−1にヒートシンク3のベースプレート6が熱的に接続されている。並列配置された板状ヒートパイプの吸熱部4に発熱部品9が熱的に接続されている。
この態様においては、隣接する板状ヒートパイプ2によって挟まれるように発熱部品9が配置されて熱的に接続されている。図3においては、1つの発熱部品が示されているけれども、複数の発熱部品が板状ヒートパイプの長軸方向に配置されていてもよい。並列配置された複数の板状ヒートパイプ2の吸熱部4に熱的に接続された発熱部品9の熱は、ヒートパイプのコンテナ内の作動液の相変態によって放熱部に移動し、接続部5−1を介してヒートシンク3に移動し、空気等によって、大気中に放熱されて、冷却される。
複数の放熱フィン部7は、その長軸方向が、板状ヒートパイプ2の長軸方向に直交するように配置されて、放熱フィン部7を冷却する冷媒は、図3において矢印に示すように流れる。
上述したように、並列配置された接続部の金属板材の一方の面が平らな面を形成する(即ち、同一面上にある)ので、金属板材が平らなベースプレート6と接続され、その上に位置する放熱フィン部7の長軸方向を自由に設定することができる。
図2は、この発明の冷却装置の他の1つの態様を説明する図である。この態様においては、板状ヒートパイプの一方の端部が湾曲されて接続部が形成されている。
図2に示すように、熱導体、例えば板状ヒートパイプ2は、その一方の端部に接続部5−2を備えている。即ち、この態様においては、板状ヒートパイプの放熱部が折り曲げられて接続部を形成している。このように接続部5−2を備えた板状ヒートパイプ2が複数枚(図2においては3枚)並列して配置される。接続部5−2は板状ヒートパイプの放熱部からなっており、板状ヒートパイプの長軸方向に直角に位置している。
このように並列配置された複数の接続部は、同一面上に位置している。並列配置された複数の接続部によって形成される面に、放熱フィン部7およびベースプレート6を備えたヒートシンク3のベースプレート6が熱的に接続される。上述したように、並列配置された複数の接続部によって形成される面は平らな同一面を形成しているので、ベースプレート6の平らな面と密着するので、板状ヒートパイプの放熱部とヒートシンクとが小さい熱抵抗で熱的に接続される。
この態様においては、ヒートシンクの放熱フィン部7は、放熱フィン部7とベースプレート6との接続部の長軸方向が板状ヒートパイプとベースプレート6との接続部の長軸方向に対し概ね直交するように並列配置されている。板状ヒートパイプ2の吸熱部4には、発熱体が熱的に接続される。発熱体は板状ヒートパイプの長軸方向に沿って複数個配置される。板状ヒートパイプの接続部は、板状ヒートパイプの放熱部を形成し、放熱部に移動した熱がヒートシンクを介して大気中または所定の位置に、自然または強制的に放熱される。
上述したように、並列配置された板状ヒートパイプの一部である接続部の一方の面が平らな面を形成する(即ち、同一面上にある)ので、接続部が平らなベースプレート6と接続され、その上に位置する放熱フィン部7の長軸方向を自由に設定することができる。
図4は、この発明の冷却装置の他の1つの態様を説明する図である。図4に示す態様は、この発明の1つの特徴であるヒートシンクの放熱フィン部7の向きを自由に設定することができる冷却装置である。この態様の冷却装置によると、放熱フィン部を冷却する冷媒の流れの方向を自由に設定することができる。
図4に示す態様の冷却装置は、ヒートシンクを除き、図3に示した態様と同一である。即ち、図4に示すように、一方の端部に接続部5−1が設けられた板状ヒートパイプ2が並列配置され、このように配置された接続部5−1にヒートシンク3のベースプレート6が熱的に接続されている。並列配置された板状ヒートパイプの吸熱部4に発熱部品9が熱的に接続されている。
発熱部品9は、隣接する板状ヒートパイプ2によって挟まれるように配置されて、板状ヒートパイプの吸熱部に熱的に接続されている。図4においては、1つの発熱部品が示されているけれども、複数の発熱部品が板状ヒートパイプの長軸方向に配置されていてもよい。並列配置された複数の板状ヒートパイプ2の吸熱部4に熱的に接続された発熱部品9の熱は、ヒートパイプのコンテナ内の作動液の相変換によって放熱部に移動し、接続部5−1を介してヒートシンク3に移動し、空気等によって、大気中に放熱されて、冷却される。
この態様においては、複数の放熱フィン部7は、放熱フィン部7とベースプレート6との接続部の長軸方向が、板状ヒートパイプ2とベースプレート6との接続部の長軸方向に対し平行になるように配置されて、放熱フィン部7を冷却する冷媒は、図4において矢印に示すように流れる。
図3および図4において示したように、この発明の冷却装置においては、ヒートシンクの放熱フィン部7の向きを自由に設定することができる。即ち、図3の態様においては、複数の放熱フィン部7は、その長軸方向が、板状ヒートパイプ2の長軸方向に直行するように配置され、図4の態様においては、複数の放熱フィン部7は、その長軸方向が、板状ヒートパイプ2の長軸方向に平行になるように配置される。更に、上述したように、並列配置された接続部の一方の面が平らな面を形成するので、接続部が平らなベースプレート6と接続され、その上に位置する放熱フィン部7の長軸方向を自由に設定することができる。従って、この発明の冷却装置によると、放熱フィン部を冷却する冷媒の流れの方向を自由に設定することができる。
この発明の冷却装置の他の1つの態様は、接続部が、ベースプレート6に固定されたジョイント部からなっており、ジョイント部は、並列配置された複数の前記板状熱導体を着脱自在に固定して、ヒートシンクと板状熱導体とを熱的に接続する冷却装置である。
図5は、ジョイント部を備えたベースプレート6を説明する図である。
図5に示すように、ジョイント部は、ヒートシンクのベースプレート6に熱的に接続される底面部11と、底面部の両側からヒートシンクのベースプレート6に垂直に位置し、装着される板状ヒートパイプを弾性によって固定する固定部13を備えた2つの側面部12からなっており、概ねコの字形からなっている。固定部13は側面部12の一方の端部から側面部に沿ってそれぞれ内側に曲げ加工が施され、底面部に向かって延びて形成されており、相対する弾力性のある固定部13によって、並列配置される板状ヒートパイプの先端部がジョイント部に装着・固定される。上述したジョイント部がヒートシンクのベースプレート6に並列配置されて、接合されている。
図5に示すジョイント部のそれぞれに板状ヒートパイプの一方の端部(放熱部)が挿入されて、材料の弾力性によって両側の固定部間に挟まれて着脱可能に固定される。ジョイント部に並列配置された板状ヒートパイプの各々が装着・固定されると、吸熱部に熱的に接続された発熱部品の熱が作動液の相変化によって、固定部に挟まれた板状ヒートパイプの放熱部に移動する。このように放熱部に移動した熱は、ジョイント部を介してヒートシンクのベースプレート6に移動し、放熱フィン部から所定の位置または大気中に放熱される。
なお、ヒートシンクの放熱フィン部7の向きは、図5においてはジョイント部の長軸方向(即ち、ジョイント部に装着される板状ヒートパイプの短軸方向)に直交するように配置されているが、ジョイント部の長軸方向(即ち、ジョイント部に装着される板状ヒートパイプの短軸方向)に平行になるように配置されてもよい。
図6は、別のジョイント部を備えたベースプレート6を説明する図である。
図6に示すように、ジョイント部は、垂直方向に配置され、ヒートシンクのベースプレート6に側面が熱的に接続される本体部14と、本体部の上下側からそれぞれコの字状に折り曲げられて形成される2つの把持部15とからなっている。ジョイント部は、弾力性のある材料によって形成されている。弾力性のある2つの把持部によって、板状ヒートパイプの先端部がジョイント部に着脱可能に装着・固定される。上述したジョイント部がヒートシンクのベースプレート6に並列配置されて、接合されている。
図6に示すジョイント部のそれぞれに板状ヒートパイプの一方の端部(放熱部)が挿入されて、材料の弾力性によって上下に位置する把持部および本体部によって挟まれて、板状ヒートパイプが着脱可能にジョイント部に固定される。ジョイント部に並列配置された板状ヒートパイプの各々が装着・固定されると、吸熱部に熱的に接続された発熱部品の熱が作動液の相変化によって、把持部と本体部の間に挟まれた板状ヒートパイプの放熱部に移動する。このように放熱部に移動した熱は、ジョイント部を介してヒートシンクのベースプレート6に移動し、放熱フィン部から所定の位置または大気中に放熱される。
なお、ヒートシンクの放熱フィン部7の向きは、図6においてはジョイント部の長軸方向(即ち、ジョイント部に装着される板状ヒートパイプの短軸方向)に直交するように配置されているが、ジョイント部の長軸方向(即ち、ジョイント部に装着される板状ヒートパイプの短軸方向)に平行になるように配置されてもよい。更に、それ以外の方向に自在に配置することができる。
熱導体は、板状ヒートパイプであってもよい。板状ヒートパイプは、例えば、2枚の銅板によって形成された密閉された空洞部を備える銅製コンテナからなっている。銅製コンテナの内部には、ウイックおよび作動液としての水が、脱ガス処理後に封入されている。2枚の銅板の四周を囲む周辺部は、シーム溶接によって水密に接合されている。一方の板材で他方の板材の周辺部を挟み込んでカシメ等によって機械的に接合してもよい。
ウイックは、例えば、コルゲート状のウイックからなっている。コルゲート状のウイックの上端部および下端部には、切り込み部が形成されている。ウイックの形状はこの形状に限定されることはない。即ち、ウイックは、2枚の銅薄板によって形成されたコンテナ内の作動液の移動を容易にするために、毛管力を高める働きをする、銅板と鋭角を形成する部分が存在する形状が好ましい。更に、コンテナ内の作動液の相変化に伴う圧力変化に対してコンテナの形状を維持できるような、所望の強さを備えていることが好ましい。ウイックは、コンテナの長軸方向および短軸方向の何れの方向に沿った移動ができることが好ましく。ウイックの形状の設定に当たっては、作動液の移動方向の自由を考慮する。
更に、密閉された空洞部を備える内層としての銅薄板材および外層としての別の金属板材の2重構造からなるコンテナと、その内部に収納されるウイックおよび作動液としての水とを備えていてもよい。例えば、銅およびアルミニウムのクラッドを用い、銅が内層に、アルミニウムが外層になるように、2枚のクラッド材を使用して、コンテナ部分を形成する中央部を凸形状に突出させ、平らな周辺部をあわせて、空洞部を形成し、周辺部を水密に接合する。クラッド材でなくても、別々に対応する形状の板材を準備し、銅が内層に、アルミニウムが外層になるように接着材等によって接合して使用してもよい。
なお、放熱フィン部は、銅薄板またはアルミニウム薄板で形成されている。その他の熱伝導性に優れた金属製板材で形成されてもよい。必要な放熱面積を得るために放熱フィン部を多段、例えば4層に配置してもよい。
この発明によると、複数の板状ヒートパイプを1つのヒートシンクに熱的に接続して効率的に冷却することができ、且つ、放熱フィン部を冷却する冷媒の流れの方向を自由に設定することができる冷却装置を提供することができ、産業上利用価値が高い。
図1は、この発明の冷却装置の1つの態様を説明する図である。 図2は、この発明の冷却装置の他の1つの態様を説明する図である。 図3は、この発明の冷却装置の1つの態様を説明する図である。 図4は、この発明の冷却装置の他の1つの態様を説明する図である。 図5は、ジョイント部を備えたベースプレートを説明する図である。 図6は、別のジョイント部を備えたベースプレートを説明する図である。 図7は、従来の冷却装置を示す概念斜視図である。
符号の説明
・ 冷却装置
・ 熱導体(板状ヒートパイプ)
・ ヒートシンク
・ 吸熱部
5−1、5−2:接続部
6.ベースプレート
7.放熱フィン部
9.発熱部品
10.ジョイント部
11.底面部
12.側面部
13.固定部
14.本体部
15.把持部

Claims (8)

  1. 放熱フィン部とベースプレートとからなる少なくとも1つのヒートシンクと、前記ヒートシンクの前記ベースプレートに熱的に接続される接続部をそれぞれ備えた複数の板状熱導体とからなる冷却装置。
  2. 前記板状熱導体は前記ベースプレートに対して垂直に延設されている、請求項1に記載の冷却装置。
  3. 前記接続部が、板状熱導体の曲げ部からなっており、並列配置された複数の前記曲げ部が前記ベースプレートに熱的に接続されている、請求項1または2に記載の冷却装置。
  4. 前記接続部が、前記板状熱導体の端部に接合された金属板材からなっており、並列配置された複数の前記金属板材が前記ベースプレートに熱的に接続されている、請求項1または3に記載の冷却装置。
  5. 前記接続部が、前記ベースプレートに固定されたジョイント部からなっており、前記ジョイント部は、並列配置された複数の前記板状熱導体を着脱自在に固定して、前記ヒートシンクと前記板状熱導体とを熱的に接続する、請求項1または4に記載の冷却装置。
  6. 前記ジョイント部が前記ベースプレートと一体的に形成されている、請求項5に記載の冷却装置。
  7. 前記ヒートシンクの放熱フィン部は、前記放熱フィン部と前記ベースプレートとの接続部の長軸方向が板状熱導体とベースプレートとの接続部の長軸方向に対し概ね直交するように並列配置されている、請求項1または6に記載の冷却装置。
  8. 複数個の発熱体が、並列配置された複数の板状熱導体のそれぞれに熱的に接続されている、請求項1から6の何れか1項に記載の冷却装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008103440A (ja) * 2006-10-18 2008-05-01 Furukawa Electric Co Ltd:The 遠心ファン付ヒートシンク
WO2017161739A1 (zh) * 2016-03-23 2017-09-28 乐视控股(北京)有限公司 一种散热器
JP2017184359A (ja) * 2016-03-29 2017-10-05 株式会社日立産機システム 電力変換装置

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