JP2006017020A - 予混合圧縮自着火式内燃機関の制御装置 - Google Patents

予混合圧縮自着火式内燃機関の制御装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 未燃の炭化水素の排出量を低減することが可能な予混合圧縮自着火式内燃機関の制御装置を提供すること。
【解決手段】 この制御装置は、ピストン22の頂面の外周とファーストリング26bとの間の同ピストン22の側面であるピストントップランドと燃焼室25の側壁との間に形成されるクエンチ領域Bに、空気噴射弁62dからガス噴射孔61cを介して不燃ガス(空気)を噴射する。この結果、クエンチ領域Bの混合ガスが燃焼室25の中央部へ押し出されるので、クエンチ領域B内の燃料濃度を低減することができる。これにより、クエンチ領域Bにおいて未燃の炭化水素が生成されにくくなり、同未燃の炭化水素の排出量を低減することができる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、燃焼室内に形成された混合ガスを圧縮して自着火させる予混合圧縮自着火燃焼を行う予混合圧縮自着火式内燃機関の制御装置に関する。
従来から、燃焼室内に形成された均質な(燃料濃度が均一な)混合ガスを圧縮して自着火させる予混合圧縮自着火燃焼(自着火燃焼)を行う予混合圧縮自着火式内燃機関が知られている(例えば、特許文献1を参照。)。自着火燃焼においては、混合ガスが散在する多数の位置においてほぼ同時に着火する。このため、自着火燃焼は、点火プラグを使用することにより混合ガスを着火して燃焼させる火花点火燃焼に比較して短期間内に終了する。この結果、自着火燃焼におけるNOxの排出量(内燃機関から外部に排出される量)は火花点火燃焼に比べて減少すると言われている。
特開2001−280165号公報
ところで、ピストン頂面の外周とピストンリングとの間のピストンの側面であるピストントップランドと燃焼室の側壁との間に形成されるクエンチ領域においては、混合ガスの体積に対する同混合ガスが接する低温の壁面(ピストントップランド及び燃焼室の側壁)の面積の割合が大きいので、混合ガスは冷却されやすい。このため、クエンチ領域における混合ガスは、その温度が燃焼を開始する温度に達しないので、燃焼しないまま未燃ガスとして残留したり、不完全に燃焼したりする。
一方、混合ガスを自着火させるためには、同混合ガスの温度を極めて高い温度まで上昇させる必要がある。このため、予混合圧縮自着火式内燃機関は、混合ガスを大きく圧縮する。従って、自着火燃焼が開始する直前(即ち、上死点近傍)においては、混合ガスは単位体積あたりに多くの燃料を含む。このとき、混合ガスの燃料濃度は均一であるので、クエンチ領域に多量の燃料が進入することになる。このため、同クエンチ領域にて未燃の炭化水素(HC)が多く生成され、その結果、同未燃の炭化水素の排出量が多くなるという問題がある。
本発明は上述した課題に対処するためになされたものであって、その目的は、未燃の炭化水素の排出量を低減することが可能な予混合圧縮自着火式内燃機関の制御装置を提供することにある。かかる目的を達成するため本発明の制御装置は、シリンダと、同シリンダ内において往復運動するピストンと、同シリンダと同ピストンとにより構成される燃焼室の気密性を高めるために同ピストンの側面に形成されたリング溝に装着されたピストンリングと、を備え、前記燃焼室内に形成された混合ガスを圧縮して自着火させる予混合圧縮自着火燃焼を行う予混合圧縮自着火式内燃機関に適用される。
本発明の制御装置は、前記ピストンの頂面の外周と前記ピストンリングとの間の同ピストンの側面であるピストントップランドと前記燃焼室の側壁との間に形成されるクエンチ領域に不燃ガスを噴射して、同クエンチ領域の混合ガスを同クエンチ領域から前記燃焼室の中央部へ押し出すガス噴射手段を備えてなる。
これによれば、ピストントップランドと燃焼室の側壁との間に形成されるクエンチ領域に不燃ガスが噴射される。この結果、不燃ガスにより、クエンチ領域の混合ガスを燃焼室の中央部へ押し出すことができるので、同クエンチ領域内の燃料濃度を低減することができる。これにより、クエンチ領域において未燃の炭化水素が生成されにくくなり、同未燃の炭化水素の排出量を低減することができる。
更に、不燃ガスからなる断熱層が燃焼室の側壁と混合ガスとの間に形成されるので、燃焼室の側壁と混合ガスとの間の熱伝達量を減少させることができる。これにより、混合ガスの冷却を抑制することができ、安定した自着火燃焼を実現することができる。
この場合、前記ガス噴射手段は、
前記ピストンが上死点近傍にあるときに前記クエンチ領域に連通するガス噴射孔と、
駆動信号に応答して前記ガス噴射孔に前記不燃ガスを噴射するガス噴射弁と、
前記不燃ガスが前記ガス噴射孔を介して前記クエンチ領域に噴射されるように所定のタイミングにて前記駆動信号を発生するガス噴射弁制御手段と、
を含んでなることが好適である。
これによれば、ピストンが上死点近傍にあるとき、即ち、自着火燃焼が開始する直前或いは自着火燃焼の初期から中期にかけて、混合ガスがクエンチ領域から燃焼室の中央部へ押し出されるので、同混合ガスは確実に燃焼させられる。また、不燃ガスの噴射が早過ぎることにより、自着火燃焼が開始する前に再びクエンチ領域に混合ガスが進入することもない。従って、未燃の炭化水素の排出量を確実に低減することができる。
この場合、前記ガス噴射手段は、
前記内燃機関が暖機運転されるときは混合ガスが燃焼することにより生成された燃焼ガスを前記不燃ガスとして噴射することが好適である。
これによれば、燃焼室を構成する壁面(シリンダボア壁及びピストンの側面)が一層低温となる暖機運転時において、高温の燃焼ガスがクエンチ領域に噴射される。この結果、高温の燃焼ガスからなる断熱層が燃焼室の側壁と混合ガスとの間に形成されるので、燃焼室の側壁と混合ガスとの間の熱伝達量を一層減少させることができ、暖機運転時において安定した自着火燃焼を実現することができる。
以下、本発明による内燃機関の制御装置の実施形態について図面を参照しながら説明する。図1は、実施形態に係る前記制御装置を2サイクル予混合圧縮自着火式運転が可能な多気筒(本例では、直列4気筒)且つピストン往復動型内燃機関(レシプロエンジン)に適用したシステムの概略構成を示している。なお、図1は、特定気筒の断面のみを示しているが、他の気筒も同様な構成を備えている。
この内燃機関10は、シリンダブロック、シリンダブロックロワーケース及びオイルパン等を含むシリンダブロック部20と、シリンダブロック部20の上に固定されるシリンダヘッド部30と、シリンダブロック部20に空気を供給するための給気系統40と、シリンダブロック部20からの排ガス(燃焼ガス)を外部に放出するための排気系統50と、シリンダブロック部20に空気又は燃焼ガスを噴射するためのガス噴射部60とを含んでいる。
シリンダブロック部20は、シリンダ21、ピストン22、コンロッド23及びクランク軸24を含んでいる。ピストン22はシリンダ21内において往復運動し、ピストン22の往復運動がコンロッド23を介してクランク軸24に伝達され、これにより同クランク軸24が回転するようになっている。シリンダ21及びピストン22は、シリンダヘッド部30とともに燃焼室25を構成している。
シリンダ21とピストン22との境界の概略拡大断面図である図2に示したように、ピストン22の側面には同ピストン22頂面から下方に向けてファーストリング溝26a、セカンドリング溝27a及びオイルリング溝28aの3つのリング溝が形成されており、これらのリング溝にはピストン22頂面から下方に向けてそれぞれファーストリング(ピストンリング)26b、セカンドリング27b及びオイルリング28bが装着されている。
ファーストリング26b及びセカンドリング27bは、燃焼室25の気密性を高めるようになっている。オイルリング28bは、シリンダ21のボア壁面に形成された余分な油膜を下方へかき落とすようになっている。なお、ピストン22頂面の外周とファーストリング26bとの間の同ピストン22の側面(即ち、ピストントップランド)とシリンダ21のボア壁及び後述するガスケット61の燃焼室穴61aを構成する側壁(即ち、燃焼室25の側壁)との間に形成される領域(図2の符号Bが付された点線にて囲まれた領域)はクエンチ領域Bである。
再び図1を参照しながら説明を続けると、シリンダヘッド部30は、燃焼室25に連通した給気ポート31、給気ポート31を開閉する給気弁32、給気弁32を駆動する給気弁駆動機構32a、燃焼室25に連通した排気ポート33、排気ポート33を開閉する排気弁34、排気弁34を駆動する排気弁駆動機構34a、点火プラグ35、点火プラグ35に与える高電圧を発生させるイグニッションコイルを含むイグナイタ36、燃料を燃焼室25内に噴射するインジェクタ37を備えている。給気弁駆動機構32a及び排気弁駆動機構34aは、駆動信号に応答して、給気弁32及び排気弁34をそれぞれ開閉するようになっている。
給気系統40は、給気ポート31に連通したインテークマニホールド41及びインテークマニホールド41に連通したサージタンク42を備えている。図示しない給気系統40の上流部は空気を外部から取り込み、サージタンク42に導入するようになっている。
排気系統50は、排気ポート33に連通し同排気ポート33とともに排気通路を形成するエキゾーストマニホールドを含む排気管51を備えている。図示しない排気系統50の下流部は排ガスを外部へ放出するようになっている。
ガス噴射部60は、シリンダブロック部20とシリンダヘッド部30との間に挟持されたガスケット61、ガスケット61を介して燃焼室25内に不燃ガスとしての空気を噴射する空気噴射部62及びガスケット61を介して燃焼室25内に不燃ガスとしての燃焼ガスを噴射する燃焼ガス噴射部63を備えている。
ガスケット61は、図2及び図3に示したように、燃焼室穴61a、環状ガス通路61b、1つの燃焼室穴61aにつき複数個(本例では8個)あるガス噴射孔61c、第1連通路61d及び第2連通路61eを備えている。燃焼室穴61aは、シリンダ21のボア径と同径の貫通穴である。燃焼室穴61aを構成する側壁はシリンダ21のボア壁とともに燃焼室25の側壁(広義のシリンダボア壁)を形成している。環状ガス通路61bは、ガスケット61内部に形成された燃焼室穴61aと同心の環状空間である。
各ガス噴射孔61cは、その一端が燃焼室穴61aに連通し、他端が環状ガス通路61bに連通する円柱状の孔である。ガス噴射孔61cは、燃焼室穴61aの外周に一定の中心角(本例では45°)毎に配置され、燃焼室穴61aの中心から放射状に形成されている。
第1連通路61dは、ガスケット61内部に形成され、環状ガス通路61bとガスケット61の外部とを連通する直線状の通路である。同様に、第2連通路61eは、ガスケット61内部に形成され、環状ガス通路61bとガスケット61の外部とを連通する直線状の通路である。第1連通路61d及び第2連通路61eの延長線上にはガス噴射孔61cは存在しないように、第1連通路61d、第2連通路61e及びガス噴射孔61cの位置関係が定められている。
ガス噴射部60の空気噴射部62は、図1及び図3に示したように、空気ポンプ62a、逆止弁62b、空気蓄圧室62c及びガス噴射弁としての空気噴射弁62dを備える。空気ポンプ62aは、サージタンク42に接続されている。空気ポンプ62aは、空気蓄圧室62c内の圧力が所定の圧力(本例では4MPa)以下となったときに駆動され、サージタンク42から導入した空気を圧縮するようになっている。逆止弁62bは、空気ポンプ62aと空気蓄圧室62cとの間に介装され、空気が空気蓄圧室62cから空気ポンプ62aへ流入することを防止するようになっている。
空気蓄圧室62cは、逆止弁62bを介して空気ポンプ62aから供給された高圧の空気を蓄えるようになっている。空気噴射弁62dは、空気蓄圧室62cと接続されている。また、空気噴射弁62dの噴射口(図示省略)は、ガスケット61の第1連通路61dと接続されている。空気噴射弁62dは、駆動信号に応答して、図示しない弁体を駆動することにより開弁し、空気蓄圧室62cから供給される高圧の空気を第1連通路61dに噴射するようになっている。
以上の構成により、空気噴射部62は、サージタンク42から導入した空気を圧縮した後、同圧縮された空気を図3の矢印C1及びDに示したように各気筒の第1連通路61d、環状ガス通路61b及びガス噴射孔61cを介して燃焼室25内に噴射できるようになっている。
ガス噴射部60の燃焼ガス噴射部63は、図1及び図3に示したように、燃焼ガスポンプ63a、燃焼ガスフィルタ63b、逆止弁63c、燃焼ガス蓄圧室63d及びガス噴射弁としての燃焼ガス噴射弁63eを備える。燃焼ガスポンプ63aは、排気管51に接続されている。燃焼ガスポンプ63aは、燃焼ガス蓄圧室63d内の圧力が所定の圧力(本例では4MPa)以下となったときに駆動され、排気管51から導入した燃焼ガスを圧縮するようになっている。燃焼ガスフィルタ63b及び逆止弁63cは、燃焼ガスポンプ63aと燃焼ガス蓄圧室63dとの間に介装されている。燃焼ガスフィルタ63bは、燃焼ガスから煤などの微粒子を取り除くようになっている。逆止弁63cは、燃焼ガスが燃焼ガス蓄圧室63dから燃焼ガスフィルタ63bへ流入することを防止するようになっている。
燃焼ガス蓄圧室63dは、燃焼ガスフィルタ63b及び逆止弁63cを介して燃焼ガスポンプ63aから供給された高圧の燃焼ガスを蓄えるようになっている。燃焼ガス噴射弁63eは、燃焼ガス蓄圧室63dと接続されている。また、燃焼ガス噴射弁63eの噴射口(図示省略)は、ガスケット61の第2連通路61eと接続されている。燃焼ガス噴射弁63eは、駆動信号に応答して、図示しない弁体を駆動することにより開弁し、燃焼ガス蓄圧室63dから供給される高圧の燃焼ガスを第2連通路61eに噴射するようになっている。
以上の構成により、燃焼ガス噴射部63は、排気管51から導入した燃焼ガスを圧縮した後、同圧縮された燃焼ガスを図3の矢印C2及びDに示したように各気筒の第2連通路61e、環状ガス通路61b及びガス噴射孔61cを介して燃焼室25内に噴射できるようになっている。
次に、電気ブロック図である図4を参照しながら、内燃機関10を制御する電気制御装置70について説明する。なお、電気制御装置70は内燃機関10の一部である内燃機関制御部を構成すると捉えることもできる。
この電気制御装置70は、CPU、ROM、RAM及びインターフェース等(何れも図示省略)を含むマイクロコンピュータである。電気制御装置70には、図示しないアクセルペダルの操作量Accpを検出するアクセルペダル操作量センサ81と、クランク軸24の回転速度からエンジン回転速度NEを検出するエンジン回転速度センサ82と、内燃機関10の冷却水の温度Twを検出する冷却水温度センサ83とが接続されている。電気制御装置70は、これらのセンサから各検出信号を入力するようになっている。更に、電気制御装置70は、給気弁駆動機構32a、排気弁駆動機構34a、イグナイタ36及びインジェクタ37、並びに、空気噴射弁62d及び燃焼ガス噴射弁63eと接続されていて、これらに駆動信号を送出するようになっている。
(作動)
次に、上記のように構成された制御装置の作動について説明する。この制御装置は、燃焼室穴61aを構成する側壁面に開口するガス噴射孔61cからクエンチ領域Bに向けて、内燃機関10が暖機運転されるとき(暖機前、機関冷間時)は燃焼ガスを噴射し、同内燃機関10が暖機運転されないとき(暖機後)は空気を噴射する。
(制御量及び制御タイミングの決定)
具体的に述べると、電気制御装置70のCPUは、図5にフローチャートにより示した内燃機関の制御量及び制御タイミングを決定するためのルーチンを、第n気筒(nは、1、2、3及び4)のクランク角が第n気筒の上死点に一致する毎に第n気筒専用に実行するようになっている。
従って、第n気筒のクランク角が第n気筒の上死点に一致すると、CPUはステップ500から処理を開始してステップ510に進み、現時点のアクセルペダル操作量Accp及び現時点のエンジン回転速度NEと、アクセルペダル操作量Accp及びエンジン回転速度NEと燃料噴射量TAUとの関係を規定するテーブルMapTAUとに基づいて燃料噴射量TAU(=MapTAU(Accp,NE))を決定する。
なお、以下の説明において、MapX(a,b)と表記されるテーブルは、変数a及び変数bと値Xとの関係を規定するテーブルを意味することとする。また、値XをテーブルMapX(a,b)に基づいて求めるとは、値Xを現時点の変数a及び現時点の変数bと、テーブルMapX(a,b)とに基づいて求める(決定する)ことを意味することとする。
次に、CPUはステップ520に進んで燃料噴射開始タイミングθfuelをテーブルMapθfuel(Accp,NE)に基づいて求め、ステップ530に進んで排気弁開弁タイミングEOをテーブルMapEO(Accp,NE)に基づいて求める。続いて、CPUはステップ540に進んで給気弁開弁タイミングIOをテーブルMapIO(Accp,NE)に基づいて求め、ステップ550に進んで排気弁閉弁タイミングECをテーブルMapEC(Accp,NE)に基づいて求める。その後、CPUはステップ560に進んで給気弁閉弁タイミングICをテーブルMapIC(Accp,NE)に基づいて求め、ステップ599に進んで本ルーチンを一旦終了する。以上により、各気筒のインジェクタ37、給気弁32及び排気弁34を制御するタイミングが決定される。
(駆動制御)
更に、CPUは、図6にフローチャートにより示した内燃機関10を駆動制御するためのルーチンを、クランク角が所定の微小なクランク角だけ経過する毎に第n気筒専用に実行するようになっている。
従って、所定のタイミングになると、CPUはステップ600から本ルーチンの処理を開始してステップ605に進み、第n気筒の現時点のクランク角が前述した図5のステップ530にて決定された第n気筒の排気弁開弁タイミングEOと一致しているか否かを判定する。そして、第n気筒の現時点のクランク角が第n気筒の排気弁開弁タイミングEOと一致していると、CPUはステップ605にて「Yes」と判定してステップ610に進み、排気弁駆動機構34aに駆動信号を送出して第n気筒の排気弁34を開弁させる。
以降、CPUはステップ615からステップ650までの処理に従って、排気弁34を開弁させる場合と同様に各種の駆動信号を適当なタイミングにて発生し、以下に記述する各種の動作を行わせる。
ステップ615及びステップ620…第n気筒の現時点のクランク角が図5のステップ540にて決定された第n気筒の給気弁開弁タイミングIOと一致したとき、給気弁駆動機構32aに駆動信号を送出して第n気筒の給気弁32を開弁させる。
ステップ625及びステップ630…第n気筒の現時点のクランク角が図5のステップ520にて決定された第n気筒の燃料噴射開始タイミングθfuelと一致したとき、第n気筒のインジェクタ37を燃料噴射量TAUに応じた時間だけ開弁させ、燃料噴射量TAUの燃料を燃焼室25内に噴射させる。
ステップ635及びステップ640…第n気筒の現時点のクランク角が図5のステップ550にて決定された第n気筒の排気弁閉弁タイミングECと一致したとき、排気弁駆動機構34aに駆動信号を送出して第n気筒の排気弁34を閉弁させる。
ステップ645及びステップ650…第n気筒の現時点のクランク角が図5のステップ560にて決定された第n気筒の給気弁閉弁タイミングICと一致したとき、給気弁駆動機構32aに駆動信号を送出して第n気筒の給気弁32を閉弁させる。
次に、CPUはステップ655に進み、第n気筒の現時点のクランク角が所定のガス噴射開始タイミングθgasと一致しているか否かを判定する。ここで、ガス噴射開始タイミングθgas及びガス噴射の時間は少なくともガス噴射孔61cがピストントップランドと対向している期間内にガス噴射が実行されるように設定されている。本例においては、ガス噴射孔61cを備えるガスケット61がシリンダ21の上端に固定されているので、ガス噴射孔61cがピストントップランドと対向している期間はピストン22が上死点近傍にあるときとなる。
そして、第n気筒の現時点のクランク角がガス噴射開始タイミングθgasと一致していると、CPUはステップ655にて「Yes」と判定し、ステップ660に進んで冷却水温度センサ83から出力される信号による内燃機関10の冷却水温度Twを読み込む。次に、CPUはステップ665に進んで冷却水温度Twが所定の温度(本例では60℃)より低いか否かを判定する。
(暖機運転時)
いま、内燃機関10の運転が開始された直後であると仮定して説明を続ける。この場合、冷却水温度Twは外気の温度に略等しい。従って、CPUはステップ665にて「Yes」と判定し、続くステップ670に進んで第n気筒の燃焼ガス噴射弁63eに駆動信号を送出して同燃焼ガス噴射弁63eを所定の時間だけ開弁させる。これにより、高圧の燃焼ガスがクエンチ領域Bに噴射される。なお、ステップ655及びステップ670の処理が実行されることは、ガス噴射弁制御手段の機能が達成されることに対応している。その後、CPUはステップ699に進んで本ルーチンを一旦終了する。
以上により、図7に示したように、排気弁開弁タイミングEOにて排気弁34が開弁して排気期間が開始し、燃焼室25から排気ポート33へ高温の燃焼ガスが排出され始める。次いで、給気弁開弁タイミングIOにて給気弁32が開弁して掃気期間が開始する。掃気期間では、給気ポート31から燃焼室25へ低温の空気(新気)が導入され、また、この空気の導入により、燃焼室25から排気ポート33へ高温の燃焼ガスが排出される。
そして、下死点付近の適切な燃料噴射開始タイミングθfuelにて燃料噴射が実行され、燃焼室25内に燃焼ガス、空気及び燃料からなる混合ガスが形成され始める。その後、排気弁閉弁タイミングECにて排気弁34が閉弁して掃気期間が終了するとともに過給期間が開始し、更に空気が燃焼室25内に供給される。次に、給気弁閉弁タイミングICにて給気弁32が閉弁して過給期間が終了するとともに圧縮期間が開始する。
その後、上死点付近の適切なガス噴射開始タイミングθgasにてガス噴射が実行され、クエンチ領域Bに向けて高圧の燃焼ガスが噴射される。これにより、図2の符号Aが付された矢印にて示したように、クエンチ領域B内の混合ガスは燃焼室25の中央部に押し出され、噴射された燃焼ガスからなる断熱層が燃焼室25の側壁と同混合ガスとの間に形成される。その後、クランク角が上死点(TDC)近傍になると、混合ガスは自着火し膨張期間が開始する。
(非暖機運転時)
次に、内燃機関10が十分な時間運転されたことにより冷却水温度Twが60℃以上となった場合について、具体的な作動を説明する。
この場合、CPUは図6のステップ665にて「No」と判定し、ステップ675に進んで第n気筒の空気噴射弁62dに駆動信号を送出して同空気噴射弁62dを所定の時間だけ開弁させる。これにより、高圧の空気がクエンチ領域Bに噴射される。なお、ステップ675の処理が実行されることは、ガス噴射弁制御手段の機能の一部が達成されることに対応している。その後、CPUはステップ699に進んで本ルーチンを一旦終了する。
以上説明したように、本発明による内燃機関の制御装置の実施形態は、不燃ガスである燃焼ガス又は空気をクエンチ領域Bに噴射する。この結果、不燃ガスにより、クエンチ領域Bの混合ガスを燃焼室の中央部へ押し出すことができるので、同クエンチ領域B内の燃料濃度を低減することができる。これにより、クエンチ領域Bにおいて未燃の炭化水素が生成されにくくなり、同未燃の炭化水素の排出量を低減することができる。
更に、実施形態は、不燃ガスからなる断熱層を燃焼室25の側壁と混合ガスとの間に形成するので、燃焼室25の側壁と混合ガスとの間の熱伝達量を減少させることができる。これにより、混合ガスの冷却を抑制することができ、安定した自着火燃焼を実現することができる。
加えて、実施形態は、自着火燃焼が開始する直前或いは自着火燃焼の初期から中期にかけて、混合ガスをクエンチ領域Bから燃焼室25の中央部へ押し出すので、同混合ガスは確実に燃焼させられる。また、不燃ガスの噴射が早過ぎることにより、自着火燃焼が開始する前に再びクエンチ領域Bに混合ガスが進入することもない。従って、未燃の炭化水素の排出量を確実に低減することができる。
更に、実施形態は、燃焼室25を構成する壁面(シリンダボア壁及びピストン22の側面)が一層低温となる暖機運転時において、高温の燃焼ガスをクエンチ領域Bに噴射する。この結果、高温の燃焼ガスからなる断熱層が燃焼室25の側壁と混合ガスとの間に形成されるので、燃焼室25の側壁と混合ガスとの間の熱伝達量を一層減少させることができ、暖機運転時において安定した自着火燃焼を実現することができる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されることはなく、本発明の範囲内において種々の変形例を採用することができる。例えば、不燃ガスの噴射を開始するタイミングは、ピストン22頂面がガス噴射孔61cの下端より高い位置となった時点からピストン22が上死点に達する時点までの期間内に設定されていることが好ましい。
また、不燃ガスの噴射を開始するタイミングは、上死点を原点としクランク軸24の回転方向と逆方向を正にとったクランク角(BTDC)で20°以降であることが好ましい。これによれば、自着火燃焼が開始する時期はBTDCで5°から10°であることが多いので、不燃ガスの噴射が早過ぎることはなく、自着火燃焼が開始する前に再びクエンチ領域Bに混合ガスが進入することもない。
更に、上記実施形態における予混合圧縮自着火式運転(自着火運転)は2サイクルであったが、4サイクル自着火運転を行う内燃機関にも本発明を適用することができる。また、自着火運転中において失火を確実に防止するために点火プラグ35によって火花を補助的に発生してもよい。更に、少なくとも自着火運転中において、スーパチャージャ及びターボチャージャ等により過給を行うことが望ましい。
また、火花点火燃焼を行う内燃機関にも本発明を適用することができる。これによれば、上記実施形態と同様に、クエンチ領域Bにおいて生成される未燃の炭化水素の量を低減することができる。
更に、上記実施形態においては不燃ガスとして空気又は燃焼ガスを噴射することとしているが、不燃ガスとして窒素やアルゴンを噴射してもよい。また、噴射される不燃ガスは燃焼ガスの様に、クエンチ領域Bに進入する混合ガスの燃料濃度よりも低い燃料濃度のガスであればよい。
本発明による制御装置を2サイクル予混合圧縮自着火式内燃機関に適用したシステムの概略構成図である。 図1に示したシリンダとピストンとの境界の概略拡大断面図である。 図1に示したガスケットの概略断面、空気噴射部及び燃焼ガス噴射部を示した図である。 図1に示した内燃機関と電気制御装置との関係を示すブロック図である。 図4に示した電気制御装置が実行する内燃機関の制御量及び制御タイミングを決定するためのルーチンを表すフローチャートである。 図4に示した電気制御装置が実行する内燃機関を駆動制御するためのルーチンを表すフローチャートである。 実施形態に係る内燃機関の弁開閉タイミング、燃料噴射タイミング及びガス噴射タイミング等を概念的に示した説明図である。
符号の説明
10…内燃機関、20…シリンダブロック部、21…シリンダ、22…ピストン、25…燃焼室、26a…ファーストリング溝、26b…ファーストリング、27a…セカンドリング溝、27b…セカンドリング、28a…オイルリング溝、28b…オイルリング、30…シリンダヘッド部、32…給気弁、32a…給気弁駆動機構、34…排気弁、34a…排気弁駆動機構、37…インジェクタ、61…ガスケット、61a…燃焼室穴、61b…環状ガス通路、61c…ガス噴射孔、61d…第1連通路、61e…第2連通路、62d…空気噴射弁、63e…燃焼ガス噴射弁、83…冷却水温度センサ、B…クエンチ領域。

Claims (3)

  1. シリンダと、同シリンダ内において往復運動するピストンと、同シリンダと同ピストンとにより構成される燃焼室の気密性を高めるために同ピストンの側面に形成されたリング溝に装着されたピストンリングと、
    を備え、前記燃焼室内に形成された混合ガスを圧縮して自着火させる予混合圧縮自着火燃焼を行う予混合圧縮自着火式内燃機関の制御装置であって、
    前記ピストンの頂面の外周と前記ピストンリングとの間の同ピストンの側面であるピストントップランドと前記燃焼室の側壁との間に形成されるクエンチ領域に不燃ガスを噴射して、同クエンチ領域の混合ガスを同クエンチ領域から前記燃焼室の中央部へ押し出すガス噴射手段を備えた予混合圧縮自着火式内燃機関の制御装置。
  2. 請求項1に記載の予混合圧縮自着火式内燃機関の制御装置において、
    前記ガス噴射手段は、
    前記ピストンが上死点近傍にあるときに前記クエンチ領域に連通するガス噴射孔と、
    駆動信号に応答して前記ガス噴射孔に前記不燃ガスを噴射するガス噴射弁と、
    前記不燃ガスが前記ガス噴射孔を介して前記クエンチ領域に噴射されるように所定のタイミングにて前記駆動信号を発生するガス噴射弁制御手段と、
    を含む予混合圧縮自着火式内燃機関の制御装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の予混合圧縮自着火式内燃機関の制御装置において、
    前記ガス噴射手段は、
    前記内燃機関が暖機運転されるときは混合ガスが燃焼することにより生成された燃焼ガスを前記不燃ガスとして噴射する予混合圧縮自着火式内燃機関の制御装置。
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