JP2006014028A - 無線ｌａｎにおける省電力化方法、基地局、端末局、無線ｌａｎシステム - Google Patents

Abstract

【課題】 基地局における端末局向けデータの有無によらず、端末局において速やかにＤｏｚｅ状態への遷移が可能となる、無線ＬＡＮにおける省電力化方法を提供する。
【解決手段】 基地局が、基地局に帰属する端末局から、この端末局宛のデータの送信を促すＰＳ−Ｐｏｌｌ信号を受信すると（４０１、４１１）、端末局にＰＳ−Ｐｏｌｌ信号の受信成功を示すＡＣＫ信号を送信し（４０２、４１２）、さらに、端末局宛のデータがある場合には、当該データを含むデータフレームを送信し（４１３）、端末局宛のデータがない場合には、中身のないデータフレームを送信する（４０３）。そして、端末局が、このデータフレーム（中身のないデータフレームを含む）を受信すると、基地局にＡＣＫ信号を送信した後、送受信機能が停止するＤｏｚｅ状態に遷移する（４０４、４１４）。
【選択図】 図４

Description

本発明は、無線ＬＡＮ、特に、ＩＥＥＥ８０２．１１準拠の無線ＬＡＮにおける省電力化に関する。

ＩＥＥＥ８０２．１１準拠の無線ＬＡＮにおける省電力化は、例えば、図１のようなシーケンスにより行われている（ＩＥＥＥ Ｓｔｄ ８０２．１１、９．７ Ｆｒａｍｅ ｅｘｃｈａｎｇｅ ｓｅｑｕｅｎｃｅｓ、Ｔａｂｌｅ ２１ Ｆｒａｍｅ ｓｅｑｕｅｎｃｅｓ（非特許文献１）を参照）。

図１（ａ）は、基地局に端末局向けデータが蓄積されていない場合のシーケンスである。端末局は、自局向け下りデータの送信を要求するために、送受信機能がオンとなるＡｃｔｉｖｅモードに遷移した後、基地局にデータ送信を促す制御パケットであるＰＳ−Ｐｏｌｌを基地局に送信する（ステップ１０１）。基地局は、ＰＳ−Ｐｏｌｌを誤り無く受信すると、受信成功通知信号ＡＣＫを送信する（ステップ１０２）。端末局は、ＡＣＫの受信完了により、送受信機能がオフとなるＤｏｚｅ状態に遷移する。

図１（ｂ）は、基地局に端末局向けデータが蓄積されている場合のシーケンスである。端末局は、自局向け下りデータの送信を要求するために、Ａｃｔｉｖｅモードに遷移した後、ＰＳ−Ｐｏｌｌを基地局に送信する（ステップ１１１）。基地局は、ＰＳ−Ｐｏｌｌを誤り無く受信すると、データフレームを送信する（ステップ１１２）。端末局は、データフレームを誤り無く受信すると、ＡＣＫを送信する（ステップ１１３）。端末局は、ＡＣＫの送信完了により、Ｄｏｚｅ状態に遷移する。

図２は、このときの端末局の動作を示すフローチャートである。端末局は、受信動作を開始すると、Ａｃｔｉｖｅ状態に遷移する（ステップ２０１）。次に、基地局に対して、当該端末局向けデータの送信要求として、ＰＳ−Ｐｏｌｌを送信する（ステップ２０２）。次に、ＰＳ−Ｐｏｌｌに対する基地局の応答がＡＣＫかＤａｔａかの受信判定を行なう（ステップ２０３）。ＡＣＫもＤａｔａも受信できなかった場合、再度ＰＳ−Ｐｏｌｌ送信を行う（ステップ２０２）。ＡＣＫを受信した場合、基地局には自端末局向けデータは蓄積されていないと判断し、Ｄｏｚｅ状態に遷移する（ステップ２０５）。Ｄａｔａを受信した場合、端末局は、基地局に対してＡＣＫを送信し（ステップ２０４）、Ｄｏｚｅ状態に遷移して（ステップ２０５）、受信動作を完了する。

以上において、基地局に端末局向けデータが蓄積されている場合、基地局は、端末局からＰＳ−Ｐｏｌｌ信号を誤り無く受信すると、Ｄａｔａフレームを返信していた。しかしながら、一般に市販されている無線ＬＡＮ基地局では、端末局からのＰＳ−Ｐｏｌｌに対して、当該端末局向けデータの有無によらず、ＡＣＫを返信するようになっていることが多い。これは、Ｄａｔａフレームの送信完了には時間がかかるために、とりあえず、端末局に対してＰＳ−Ｐｏｌｌ信号を誤り無く受信したことを伝えるためである。そして、ＩＥＥＥ８０２．１１においても、ＡＣＫを返信することが認められている。

図３には、基地局が、端末局からのＰＳ−Ｐｏｌｌに対して、当該端末局向けデータの有無によらず、ＡＣＫを返信する場合のシーケンスが示されている（特許文献１を参照）。

図３（ａ）は、基地局に端末局向けデータが蓄積されていない場合のシーケンスである。端末局は、自局向け下りデータの送信を要求するためにＡｃｔｉｖｅモードに遷移した後、ＰＳ−Ｐｏｌｌを基地局に送信する（ステップ３０１）。基地局は、ＰＳ−Ｐｏｌｌを誤り無く受信すると、ＡＣＫを送信する（ステップ３０２）。

図３（ｂ）は、基地局に端末局向けデータが蓄積されている場合のシーケンスである。端末局は、自局向け下りデータの送信を要求するために、Ａｃｔｉｖｅモードに遷移した後、ＰＳ−Ｐｏｌｌを基地局に送信する（ステップ３１１）。基地局は、ＰＳ−Ｐｏｌｌを誤り無く受信すると、ＡＣＫを送信する（ステップ３１２）。端末局向けのデータが蓄積されている場合、さらにデータフレームを送信する（ステップ３１３）。端末局は、データフレームを誤り無く受信すると、ＡＣＫを送信する（ステップ３１４）。
ＩＥＥＥ Ｓｔｄ ８０２．１１、９．７ Ｆｒａｍｅ ｅｘｃｈａｎｇｅ ｓｅｑｕｅｎｃｅｓ、Ｔａｂｌｅ ２１ Ｆｒａｍｅ ｓｅｑｕｅｎｃｅｓ

このように、一般的な無線ＬＡＮのＰｏｗｅｒ Ｓａｖｅモードでのデータ通信は、基地局における端末局向けデータの有無によって、端末局−基地局間のフレームシーケンスが異なっている。そして、図３のように、基地局が、端末局からのＰＳ−Ｐｏｌｌに対して、当該端末局向けデータの有無によらず、ＡＣＫを返信する場合には、端末局は、基地局にデータが蓄積されていない場合のＤｏｚｅ状態への遷移判断が難しく、消費電力の低減が困難であった。なぜなら、端末局は、ＡＣＫを受信した時点では、自端末局向けデータの有無を判断することができないため、速やかにＤｏｚｅ状態に遷移することができないからである（ＡＣＫを受信した時点では、基地局において端末局向けデータが存在するかどうかわからない。したがって、端末局向けデータがない場合には、そのままＤｏｚｅ状態に遷移するわけにはいかない）。

本発明は、基地局における端末局向けデータの有無によらず、端末局において速やかにＤｏｚｅ状態への遷移が可能となる、無線ＬＡＮにおける省電力化方法を提供することにある。

上記目的を達成するために、本発明の省電力化方法は、基地局が、基地局に帰属する端末局から、この端末局宛のデータの送信を促すＰＳ−Ｐｏｌｌ信号を受信すると、端末局にＰＳ−Ｐｏｌｌ信号の受信成功を示すＡＣＫ信号を送信し、さらに、端末局宛のデータがある場合には、当該データを含むデータフレームを送信し、端末局宛のデータがない場合には、中身のないデータフレームを送信する。そして、端末局が、このデータフレーム（中身のないデータフレームを含む）を受信すると、基地局にＡＣＫ信号を送信した後、送受信機能が停止するＤｏｚｅ状態に遷移する。

以上により、端末局宛のデータがない場合であっても、基地局にＡＣＫ信号を送信し終わるとＤｏｚｅ状態に遷移するので、Ｄｏｚｅ状態への遷移判断が容易になる。

以上説明したように、本発明によれば、基地局に端末局向けデータが蓄積されていない場合においても、端末局からのＰＳ−Ｐｏｌｌに対して、データが蓄積されている場合と同じ動作を行なうため、端末局は一連のフレーム交換手順が完了したことによって、Ｄｏｚｅ状態に遷移することができるので、端末局の省電力化が可能となる効果がある。

次に、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。

図４には、本発明の一実施形態のＩＥＥＥ８０２．１１準拠の無線ＬＡＮにおける省電力化方法のシーケンスが示されている。図３と同様に、基地局が、端末局からのＰＳ−Ｐｏｌｌに対して、当該端末局向けデータの有無によらず、ＡＣＫを返信する。

図４（ａ）は、基地局に端末局向けデータが蓄積されていない場合のシーケンスである。端末局は、自局向け下りデータの送信を要求するために、Ａｃｔｉｖｅモードに遷移した後、ＰＳ−Ｐｏｌｌを基地局に送信する（ステップ４０１）。基地局は、ＰＳ−Ｐｏｌｌを誤り無く受信すると、ＡＣＫを送信する（ステップ４０２）。基地局はまた、ＰＳ−Ｐｏｌｌに対して、端末局向けのデータが蓄積されていないので、データの中身が無いデータフレームを端末局に送信する（ステップ４０３）。端末局は、このデータの中身の無いデータフレームを誤り無く受信すると、ＡＣＫを送信する（ステップ４０４）。端末局はＡＣＫの送信完了により、Ｄｏｚｅ状態に遷移する。

図４（ｂ）は、基地局に端末局向けデータが蓄積されている場合のシーケンスである。端末局は、自局向け下りデータの送信を要求するために、Ａｃｔｉｖｅモードに遷移した後、ＰＳ−Ｐｏｌｌを基地局に送信する（ステップ４１１）。基地局は、ＰＳ−Ｐｏｌｌを誤り無く受信すると、ＡＣＫを送信する（ステップ４１２）。基地局はまた、ＰＳ−Ｐｏｌｌに対して、端末局向けのデータが蓄積されているので、データフレームを端末局に送信する（ステップ４１３）。端末局は、データフレームを誤り無く受信すると、ＡＣＫを送信する（ステップ４１４）。端末局はＡＣＫの送信完了により、Ｄｏｚｅ状態に遷移する。

このようにして、本発明では、基地局に端末局向けデータが蓄積されていない場合においても、端末局からのＰＳ−Ｐｏｌｌに対して、データが蓄積されている場合と同じ動作を行なうため、端末局は一連のフレーム交換手順が完了したことによって（ＡＣＫ信号送信の完了によって）、Ｄｏｚｅ状態に遷移することができる。

図５には、図４の場合の端末局の動作を示すフローチャートが示されている。端末局は受信動作を開始すると、Ａｃｔｉｖｅ状態に遷移する（ステップ５０１）。次に、基地局に対して、当該端末局向けデータの送信要求としてＰＳ−Ｐｏｌｌを送信する（ステップ５０２）。そして、ＰＳ−Ｐｏｌｌに対する基地局の応答であるＡＣＫ受信判定を行なう（ステップ５０３）。ＡＣＫを受信できなかった場合、再度ＰＳ−Ｐｏｌｌ送信に移る。ＡＣＫを受信した場合、基地局から送られる自端末局向けデータ受信（ここで受信されるデータフレームは、データの中身が無いデータフレームを含む）を行なう（ステップ５０４）。データを受信した場合、端末局は基地局に対してＡＣＫを送信し（ステップ５０５）、Ｄｏｚｅ状態に遷移し（ステップ５０６）、受信動作を完了する。

本発明の他の実施形態として、端末局は基地局帰属時に、基地局のＡｓｓｏｃｉａｔｉｏｎ Ｒｅｓｐｏｎｓｅ情報から、当該基地局がＩＥＥＥ８０２．１１に準拠した基地局であるか（すなわち、端末局からのＰＳ−Ｐｏｌｌに対して、当該端末局宛のデータが無い場合、ＡＣＫ信号のみを返す基地局）、本発明の基地局（すなわち、端末局からのＰＳ−Ｐｏｌｌに対して、当該端末局宛のデータが無い場合でも、ＡＣＫ信号のみならず中身の無いデータフレームを返す基地局）であるかを判断し、図３または図４のシーケンスを選択するようにしてもよい。

ＩＥＥＥ８０２．１１準拠の無線ＬＡＮにおける、従来技術の省電力化方法のシーケンスを示した図である。（ａ）は、基地局に端末局向けデータが蓄積されていない場合のシーケンスであり、（ｂ）は、基地局に端末局向けデータが蓄積されている場合のシーケンスである。 図１のときの端末局の動作を示すフローチャートである。 従来技術において、基地局が、端末局からのＰＳ−Ｐｏｌｌに対して、当該端末局向けデータの有無によらず、ＡＣＫを返信する場合のシーケンスを示した図である。（ａ）は、基地局に端末局向けデータが蓄積されていない場合のシーケンスであり、（ｂ）は、基地局に端末局向けデータが蓄積されている場合のシーケンスである。 ＩＥＥＥ８０２．１１準拠の無線ＬＡＮにおける、本発明の省電力化方法のシーケンスを示した図である。（ａ）は、基地局に端末局向けデータが蓄積されていない場合のシーケンスであり、（ｂ）は、基地局に端末局向けデータが蓄積されている場合のシーケンスである。 図４のときの端末局の動作を示すフローチャートである。

符号の説明

１０１、１１１、３０１、３１１、４０１、４１１ ＰＳ−Ｐｏｌｌ送受信
１０２、１１３、３０２、３１２、３１４、４０２、４０４、４１２、４１４ ＡＣＫ送受信
１１２、３１３、４０３、４１３ Ｄａｔａ送受信
２０１〜２０５ ステップ
５０１〜５０６ ステップ

Claims (5)

1. 無線ＬＡＮシステムにおける省電力化方法であって、
   基地局が、該基地局に帰属する端末局から、該端末局宛のデータの送信を促すＰＳ−Ｐｏｌｌ信号を受信すると、前記端末局に該ＰＳ−Ｐｏｌｌ信号の受信成功を示すＡＣＫ信号を送信し、さらに、前記端末局宛のデータがある場合には、当該データを含むデータフレームを送信し、前記端末局宛のデータがない場合には、中身のないデータフレームを送信するステップと、
   前記端末局が、前記データフレームを受信すると、前記基地局にＡＣＫ信号を送信し、送受信機能が停止するＤｏｚｅ状態に遷移するステップを有する方法。
2. 無線ＬＡＮシステムにおける基地局であって、
   該基地局に帰属する端末局から、該端末局宛のデータの送信を促すＰＳ−Ｐｏｌｌ信号を受信すると、前記端末局に該ＰＳ−Ｐｏｌｌ信号の受信成功を示すＡＣＫ信号を送信する手段と、
   前記端末局から前記ＰＳ−Ｐｏｌｌ信号を受信すると、前記端末局宛のデータがある場合には、当該データを含むデータフレームを生成して送信し、前記端末局宛のデータがない場合には、中身のないデータフレームを生成して送信する手段を有する基地局。
3. 無線ＬＡＮシステムにおける端末局であって、
   該端末局が帰属する基地局に、前記端末局宛のデータの送信を促すＰＳ−Ｐｏｌｌ信号を送信する第１の手段と、
   前記基地局からデータフレームを受信すると、前記基地局にＡＣＫ信号を送信し、前記端末局を送受信機能が停止するＤｏｚｅ状態に遷移させる第２の手段を有する端末局。
4. 前記基地局に帰属するときに前記基地局から受信するＡｓｓｏｃｉａｔｉｏｎ Ｒｅｓｐｏｎｓｅ情報から、前記基地局が当該端末局宛のデータを有しない場合でも、ＰＳ−Ｐｏｌｌ信号に応答して、中身の無いデータフレームを送信する基地局であるか否かを判断し、そのような基地局である場合にのみ、前記第２の手段を作動させる第３の手段をさらに有する、請求項３に記載の端末局。
5. 請求項２に記載の基地局と、
   該基地局に帰属する、請求項３または４に記載の端末局を有し、
   前記基地局と前記端末局との間で、無線ＬＡＮのＰｏｗｅｒ Ｓａｖｅモードでのデータ通信が可能な無線ＬＡＮシステム。

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