JP2006013103A - 有機電界発光素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】高い感度での光検出が可能でありながら、色純度の高い発光光の取り出しが可能な有機電界発光素子を提供する。
【解決手段】第1電極(陽極)12と第2電極(陰極)14との間に、第1電極(陽極)12側から順に、正孔輸送層13a、光検出層13b、電子ブロック層(電荷ブロック層)13c、発光層13d、電子輸送層13eを積層してなる有機層13を狭持してなる有機電界発光素子11において、電子ブロック層13cは、第2電極(陽極)14から供給される順バイアス電荷(電子)が光検出層13bに達することを防止すると共に、第1電極(陽極)12から供給される順バイアス電荷(正孔)の輸送性を有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、有機電界発光素子に関し、特には発光と共に光検出機能を備えた有機電界発光素子に関する。
近年、低消費電力での駆動が可能な有機電界発光素子として、自発光型の有機電界発光素子が注目されている。また、情報システムの多様化にともない、有機電界発光素子に対しても、表示特性のみならず、情報の入力機能を兼ね備えた特性が要求されてきている。
このような中、発光と共に光吸収による情報検出を兼ね備えた有機電界発光素子が提案されている。例えば図4に示す有機電界発光素子1は、ITOからなる正孔注入用電極2と、光応答部3と、正孔注入層4、発光層5および電子注入層6からなる発光表示部7と、Mg−Agからなる電子注入用電極8とをこの順に積層してなる。光応答部13および発光表示部17を構成する各層14〜16は、有機材料で構成されている。そして、上下の電極12−18間に、順方向バイアスを印加し、かつ光応答部13に光が入射されることにより、光応答部13が高導電性になって発光が生じる構成となっている(以上、下記特許文献参照)。
特許第3405608号公報
ところで、有機電界発光素子を用いてカラー表示が可能な表示装置を構成する場合、特に色再現性に優れたフルカラー表示を行うためには、各有機電界発光素子に対して優れた色純度が要求される。しかしながら、上述したような光応答部を備えた有機電界発光素子においては、光応答部における光検出感度の向上を目的として、発光性を備えた色素材料を光応答部に含有させる場合がある。この場合、光応答部に含有される色素材料の影響により、発光光の色純度が低下すると言った問題が発生する。
そこで本発明は、高い感度での光検出が可能でありながら、色純度の高い発光光の取り出しが可能な有機電界発光素子を提供することを目的とする。
このような目的を達成するための本発明は、第1電極と第2電極との間に、当該第1電極側から順に少なくとも光検出層および発光層が積層された有機層を狭持してなる有機電界発光素子であり、特には、光検出層と発光層との間に、有機材料からなる電荷ブロック層を備えている。この電荷ブロック層は、第2電極から供給される順バイアス電荷が光検出層に達することを防止すると共に、第1電極から供給される順バイアス電荷の輸送性を有する。
このような構成の有機電界発光素子では、第1電極−第2電極間に順バイアスを印加した際に、第2電極から供給される順バイアス電荷は発光層に達し、その後電荷ブロック層に阻止されて光検出層に達することが防止される。一方、第1電極から供給される順バイアス電荷は、光検出層に達し、さらに電荷ブロック層内で輸送されて発光層に達する。これにより、発光層には、第2電極および第1電極から輸送された順バイアス電荷が供給され、当該発光層内における発光に寄与する。これに対して、光検出層には、第2電極から供給される順バイアス電荷が供給されることはないため、この光検出層に発光材料が含まれていた場合であっても、発光が生じることはない。したがって、光検出層において発光が生じることはなく、発光層のみにおいて発光が生じることになる。
以上説明したように本発明の有機電界発光素子によれば、光検出層において発光を生じさせることなく発光層のみにおいて発光光を生じさせることが可能である。したがって、光検出層に発光材料を含有させることで受光感度の向上を図り、かつ発光層のみにおいて生じた色純度の高い発光光を取り出して表示することが可能になる。
以下本発明の有機電界発光素子の構成を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、実施形態の有機電界発光素子の一構成例を示す断面図である。この図に示す有機電界発光素子11は、陽極となる第1電極12上に、有機層13が設けられ、この有機層13上に陰極となる第2電極14を設けた構成となっている。有機層13は、例えば第1電極12側から順に、正孔輸送層13a、光検出層13b、電子ブロック層13c、発光層13d、電子輸送層13eを積層してなる。以下、第1電極12側から順に詳細な構成を説明する。
<第1電極12>
陽極として用いられる第1電極12は、光反射機能を有していることが好ましい。このような第1電極12は、高反射率な陽極材料からなる単層構造、または高反射率材料層上に光透過性の良好な陽極材料層または陰極材料層を設けた積層構造で構成されることとする。
ここで、陽極材料としては、効率良く正孔を注入するために電極材料の真空準位からの仕事関数が大きいもの、例えばクロム(Cr)、金(Au)、酸化スズ(SnO2)とアンチモン(Sb)との合金、酸化亜鉛(ZnO)とアルミニウム(Al)との合金、さらにはこれらの金属や合金の酸化物等を、単独または混在させた状態で用いることができる。そして、特に、高反射率材料としては、例えばAl、Ag等を主成分とする電極を用いることが好ましい。これらの高反射率材料層上に、例えばITO(Indium Tin Oxide:インジウムスズ酸化物)の様な仕事関数が大きい透明電極材料層を設けることで電荷注入効率を高めることも可能である。
このような第1電極(陽極)12は、この有機電界発光素子によって構成される表示装置の駆動方式によって適する形状にパターニングされていることとする。例えば、この表示装置の駆動方式が単純マトリックス型である場合には、ストライプ状に形成されていることとする。一方、表示装置の駆動方式が画素毎にTFTを備えたアクティブマトリックス型である場合には、ここでの図示を省略したTFT基板上に、各画素に対応させて第1電極12をパターン形成し、同様に各画素に設けられたTFTに対して、これらのTFTを覆う層間絶縁膜に形成されたコンタクトホールを介してそれぞれが接続される状態で形成されることとする。アクティブマトリックス型の場合、このようにTFT基板側に設けられた第1電極12に光反射機能を設けることにより、素子の開口率を向上させることが好ましいのである。
<正孔輸送層13a>
そして、陽極として用いられる第1電極12上に設けられる正孔輸送層13aは、正孔を輸送するように設計された層である。この正孔輸送層13aは、正孔輸送性能を向上させるために、複数種の正孔輸送材料を積層した構成であってもよい。
この正孔輸送層を形成する材料(正孔輸送性材料)としては、例えばベンジジン又はその誘導体、スチリルアミン又はその誘導体、トリフェニルメタン又はその誘導体をはじめ、ポルフィリン又はその誘導体、トリアゾール又はその誘導体、イミダゾール又はその誘導体、オキサジアゾール又はその誘導体、ポリアリールアルカン又はその誘導体、フェニレンジアミン又はその誘導体、アリールアミン又はその誘導体、オキサゾール又はその誘導体、アントラセン又はその誘導体、フルオレノン又はその誘導体、ヒドラゾン又はその誘導体、スチルベン又はその誘導体、フタロシアニンまたはその誘導体、ポリシラン系化合物、ビニルカルバゾール系化合物、チオフェン系化合物、アニリン系化合物等の複素環式共役系のモノマー、オリゴマー、ポリマー等が挙げられる。
このような正孔輸送性材料の具体的な例としては、α−ナフチルフェニルジアミン(αNPD)、ポルフィリン、金属テトラフェニルポルフィリン、金属ナフタロシアニン、4,4’,4”−トリメチルトリフェニルアミン、4,4’,4”−トリス(3−メチルフェニルフェニルアミノ)トリフェニルアミン(m−MTDATA)、N,N,N’,N’−テトラキス(p−トリル)p−フェニレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラフェニル−4,4’−ジアミノビフェニル、N−フェニルカルバゾール、4−ジ−p−トリルアミノスチルベン、ポリ(パラフェニレンビニレン)、ポリ(チオフェンビニレン)、ポリ(2,2’−チエニルピロール)等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
<光検出層13b>
正孔輸送層13a上に設けられる光検出層13bは、例えば正孔輸送性能を有するホスト中に、発光材料をゲストとして含有してなる有機層からなる。この光検出層13bは、正孔輸送層13aから注入された正孔が、この光検出層13b内で電子と再結合することなく、以降に説明する発光層13dに輸送されて発光発光に寄与することが好ましい。発光材料としては、より長波長側における受光感度を高めるために、例えば赤色発光材料を用いることが好ましい。尚、この発光材料が正孔輸送性能を有していれば、発光材料のみを用いた光検出層13bであっても良い。
このような光検出層13bは、a)赤色発光材料と共に、b)正孔輸送性材料、c)電子輸送性材料、およびd)両電荷輸送性材料の中から適宜必要とされる材料を組み合わせて構成される。尚、これらの各材料は、正孔輸送性能が確保されるように、必要に応じて下記に示す各材料カテゴリーの中から単数または複数の材料が適宜選択して用いられる。
すなわち上記材料カテゴリーとしては、シクロペンタジエン誘導体、テトラフェニルブタジエン誘導体、トリフェニルアミン誘導体、オキサジアゾール誘導体、バソフェナントロリン誘導体、ピラゾロキノリン誘導体、スチリルベンゼン誘導体、スチリルアリーレン誘導体、アミノスチリル誘導体、シロール誘導体、チオフェン環化合物、ピリジン環化合物、ペリノン誘導体、ペリレン誘導体、オリゴチオフェン誘導体、クマリン誘導体、ルブレン誘導体、キナクリドン誘導体、スクアリウム誘導体、ポルフィリン誘導体、スチリル系色素、テトラセン誘導体、ピラゾリン誘導体、トリフマニルアミン誘導体、アントラセン誘導体、ジフェニルアントラセン誘導体、ピレン誘導体、カルバゾール誘導体、オキサジアゾールダイマー、ビラゾリンダイマー、アルミキノリノール錯体、ベンゾキノリノールベリリウム錯体、ベンゾオキサゾール亜鉛錯体、ベンゾチアゾール亜鉛錯体、アゾメチル亜鉛錯体、ポルフィリン亜鉛錯体、ユーロビウム錯体、イリジウム錯体、白金錯体等、中心金属にAl、Zn、Be、Pt、Ir、Tb、Eu、Dy等の金属を有し、配位子にオキサジアゾール、チアジアゾール、フェニルピリジン、フェニルベンゾイミダゾール、キノリン構造等を有する金属錯体等が例示される。
そして、a)赤色発光材料の具体例としては、スチリルアリーレン誘導体である下記式(1)に示すBSNが挙げられる。
Figure 2006013103
このような、スチリルアリーレン系材料は特開2002−226722に記載例があるが、ホスト材料に対して高濃度のドーピングが可能であり、トリフェニルアミン骨格を有するため正孔輸送性を有している。したがって、このような赤色発光材料を用いることで、効率的な受光と高い正孔輸送性を得ることができるため、この赤色発光層を正孔輸送層に接して成膜するのが好ましいのである。
また、a)赤色発光材料の他の例としては、例えば下記式(2)に示すペリフランテン誘導体を例示できる。ここで、下記式(2)に示すRは、水素、または炭素数1〜5のアルキル基を示し、それぞれが同一または異なっていても良い。
Figure 2006013103
そして、b)正孔輸送性材料の具体例としてはα-NPD(α−ナフチルフェニルジアミン)、c)電子輸送性材料の具体例としてはスチリルアリーレン誘導体である下記式(3)に示すDPVBi(4,4´−ビス(2,2−ジフェニル−エテン−1−イル)−ジフェニル)挙げられるが、これらに限定されるものではない。
Figure 2006013103
<電子ブロック層13c>
そして、光検出層13b上に設けられた電子ブロック層13cは、第2電極(陰極)14側から輸送される電子の光検出層13bへの輸送を阻止すること、また同時に正孔輸送性を有していることが好ましい。これにより、光検出層13b側から注入された正孔と、第2電極(陰極)14側から注入された電子の再結合を、次に説明する青色の発光層13d内での発光に寄与させ、第2電極(陰極)14側から注入された電子が光検出層13bへ到達することが阻止され、発光のほとんどが発光層13d内でのものに起因するようにできる。
このような電子ブロック層13cを構成する材料としては、光検出層13bで述べた材料カテゴリーの中から単数または複数の材料が適宜選択して用いられる。
<発光層13d>
そして、電子ブロック層13c上に設けられる発光層13dは、電子輸送性能を有するホスト中に、例えば青色発光材料をゲストとして含有してなる有機層からなる。
このような発光層13dは、a)青色発光材料(蛍光性または燐光性)、b)正孔輸送性材料、c)電子輸送性材料、さらにはd)両電荷輸送性材料のなかから適宜必要とされる材料を組み合わせて構成される。これらの各材料は、発光性能および電子輸送性能が確保されるように、必要に応じて上述した各材料カテゴリーの中から単数または複数の材料が適宜選択して用いられる。
そして、a)青色発光材料の具体例としては、ペリレンを挙げることができ、b)正孔輸送性材料の具体例としてはα−NPD、c)電子輸送性材料の具体例としてはスチリルアリーレン誘導体である上記した式(3)のDPVBiが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
また、発光層13dは、光検出層13b側から順に、両電荷輸送性青色発光層と電子輸送性青色発光層とを積層した構成であっても良い。青色の発光層13dをこのような積層構造とすることにより、発光層13d内全体に効率よく正孔を運ぶことができ、高効率かつ安定的な色純度の高い発光が可能となる。発光層13dに両電荷輸送性を持たせる方法としては(1)両電荷輸送性ホストに青色発光材料をドープする、(2)正孔輸送性ホストに電子輸送性青色発光材料をドープする、(3)電子輸送性ホストに正孔輸送性青色発光材料をドープする、(4)正孔輸送性材料と電子輸送性材料の混合ホストに青色発光材料をドープする、等の方法が考えられる。
<電子輸送層13e>
発光層13d上に設けられる電子輸送層13eは、電子を輸送するように設計された層である。この電子輸送層は、電子輸送性能を向上させるために、複数種の電子輸送材料を積層した構成であっても良い。
このような電子輸送性材料として使用可能な材料としては、8−ヒドロキシキノリンアルミニウム(Alq3)、8−ヒドロキシメチルキノリンアルミニウム、アントラセン、ナフタレン、フェナントレン、ピレン、クリセン、ペリレン、ブタジエン、クマリン、アクリジン、スチルベン、又はこれらの誘導体等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
尚、以上述べたような有機層13を構成する各層13a〜13eは、周知の方法にて合成された各有機材料を用いて、真空蒸着やスピンコートなどの周知の方法を適用して行うことができる。
<第2電極14>
陰極として用いられる第2電極14は、光透過機能を有していることする。このような第2電極14は、光透過性を有する陰極材料からなる単層構造、または光透過性を有する陰極材料層上に光透過性の良好な陽極材料層または陰極材料層を設けた積層構造で構成されることとする。
ここで、陰極材料としては、効率良く電子を注入するために電極材料の真空準位からの仕事関数が小さいもの、例えばLi、Mg、Ca等の活性な金属とAg、Al、In等の金属との合金、或いはこれらを積層した構造を使用できる。また、有機層13との間に例えば、Li、Mg、Ca等の活性な金属とフッ素、臭素等のハロゲンや酸素等との化合物層を薄く挿入した構造としても良い。
このような第2電極(陰極)14は、この有機電界発光素子11によって構成される表示装置の駆動方式が単純マトリックス型である場合には、第1電極12と直交するストライプ状に形成されていることとする。一方、表示装置の駆動方式が画素毎にTFTを備えたアクティブマトリックス型である場合には、複数の有機電界発光素子が設けられた基板上の一面を覆う状態で成膜されたベタ膜状に形成されて良く、各画素に共通の電極として用いられることとする。
以上説明した構成の有機電界発光素子11によれば、第1電極(陽極)12側から順に、正孔輸送層13a、正孔輸送性を有し赤色発光材料を含有する光検出層13b、電子をブロックして正孔のみを輸送する電子ブロック層13c、および電子輸送性を有する青色の発光層13d、電子輸送層13eを積層した構成となっている。
これにより、第1電極(陽極)12−第2電極(陰極)14間に順バイアスを印加した場合には、第1電極(陰極)12側から輸送される電子が青色の発光層13dのみに届き、光検出層13bには達することはない。このため、光検出層13bにおいて発光が生じることはなく、発光層13dのみにおいて青色の発光光が発生する。そして、順方向バイアスの印加電圧によって発光輝度を制御することができる。したがって、緑域での受光感度の強い赤色発光材料を含む光検出層13bを備えながらも、発光層13dで生じた色純度の高い青色発光のみを取り出すことができる。
一方、第1電極(陽極)12−第2電極(陰極)14間に逆方向バイアスを印加した場合には、電極からのキャリアー注入が起こらず、素子には電流が流れないため、発光層13dにおける発光が生じることはない。そして、この際に、有機電界発光素子11に光が照射されると、光検出層13bより光起電流が発生し、電極12,14から有機電界発光素子11の外に取り出される、受光を検出することができる。
また、光検出層13bにゲストとして含有させた赤色発光材料は、青色域だけではなく、緑色域での受光感度が高いため、より長波長側の光に対しての受光感度を向上させることができる。また、この光検出層13bは、赤色発光材料を含有するため、通常の赤色発光する有機電界発光素子における発光層としても用いられ、この有機電界発光素子の発光層は光検出層ともなる。しかしながら、このような発光層と光検出層とを積層させていない構成の有機電界発光素子における発光層での受光感度よりも、発光層13dに対して積層させて用いることにより、受光感度を高めることができる。これは、他の有機薄膜が光を吸収することによってキャリヤーを発生し、光検出層として作用することに起因している。
この結果、ここでの図示は省略したが、有機電界発光素子11の光検出部13bへの光入力により発生する光検出信号を信号処理する光検出出力回路と、駆動回路とを、有機電界発光素子11と組み合わせることにより、好感度な光入力が可能でかつ色再現性に優れた表示装置を構成することが可能になる。
また、上述した有機電界発光素子においては、第1電極12に光反射機能を持たせ、第2電極14に光透過機能を持たせているため、発光層13dで生じた発光光が、光検出層13bを通過せずに第2電極側から取り出されることになる。したがって、発光層13dで生じた発光光を、光検出層13bで減衰させることなく外部に取り出すことが可能になり、発光光の取り出し効率を確保することができる。
尚、以上説明した実施形態においては、第1電極12を陽極、第2電極14を陰極とし、第1電極(陽極)12側から、正孔輸送層13a、光検出層13b、電子ブロック層13c、発光層13d、および電子輸送層13eを積層した構成を説明した。しかしながら、本発明は、第1電極を陰極とし、第2電極を陽極としても良い。この場合、第1電極(陰極)から、電子輸送層、光検出層、正孔ブロック層、発光層、正孔輸送層、第2電極(陽極)を積層させた構成とする。これにより、光検出層への正孔の注入が防止され、上述した実施形態と同様の効果を得ることがでる。
実施例1,2では、図を用いて説明したトップエミッション型の有機EL素子を次のように作製した。
まず、30mm×30mmのガラス板からなる基板上に、陽極となる第1電極12としてITO(膜厚約100nm)を形成した。その後、感光性有機絶縁材料により、第1電極12の中央部の2mm×2mmの発光領域以を絶縁膜でマスクした有機EL素子用のセルを作製した。
次に、開口を有する金属マスクを、各発光領域となる陽極(ITO)の露出部上に開口を合わせた状態で基板上に近接して配置し、10-4Pa以下の真空下での真空蒸着法により、以下の有機層13を順次形成した。
先ず、正孔輸送層13aとして下記式(4)に示すm−MTDATA(4,4’,4”−トリス(3―メチルフェニルフェニルアミノ)トリフェニルアミンを8nmの厚さで成膜し、単層構造の正孔輸送層13aを形成した。蒸着レートは0.1nm/秒とした。
Figure 2006013103
次に、光検出層13bとして、実施例1においては下記式(5)に示すBSNを5nmの厚さで成膜した。蒸着レートは0.2nm/秒とした。一方、実施例2においては下記式(6)においてRを水素としたペリフランテン誘導体を5nmの厚さで成膜した。
Figure 2006013103
その後、電子ブロック層13cとして、下記式(7)に示すα−NPD(α−ナフチルジアミン)を13nmの厚さで成膜した。
Figure 2006013103
次に、青色の発光層13dとして、下記式(8)に示すDPVBiをホストとし、青色の発光材料として下記式(9)に示すBCzVBiを5%ドープした共蒸着層を26nmの厚さで成膜した。蒸着レートは0.2nm/秒とした。
Figure 2006013103
次いで、電子輸送層として、下記式(10)に示すAlq3を10nmの厚さで成膜した。蒸着レートは0.2nm/秒とした。
Figure 2006013103
次に、陰極となる第2電極14として、MgとAgの共蒸着比10:1の薄膜を50nmの膜厚で成膜し、さらにAgを150nmの厚さに形成し、2層構造の第2電極を得た。蒸着レートは0.5nm/秒とした。
以上により作製した実施例1,実施例2の有機電界発光素子の発光スペクトルを図2に示す。
この図2に示すように、実施例1,2の様にして作製した有機電界発光素子1からは、赤色の発光材料を含有する光検出層13bを設けながらも、この光検出層13bにおける赤の発光成分が見られず、発光層13dのみにおける青色の波長領域での発光成分のみが確認された。
また、この有機電界発光素子に対して、電流密度40mA/cm2、駆動電圧5.16Vで発光させたところ、輝度1100cd/m2、CIE色度(0.1353,0.1003)の発光が、発光面においてムラ無く均一に得られることが確認された。
次に、実施例1の有機電界発光素子の受光波長−受光感度のグラフを図3に示す。このグラフには、「a.実施例1」の有機電界発光素子と共に、「b.光検出層なし」の有機電界発光素子と、「c.光検出層を発光層に」用いた有機電界発光素子に関する受光感度も合わせて示した。尚、「b.光検出層なし」とは、上記実施例1の構成において、光検出層13bのみを削除した構成である。また「c.光検出層を発光層に」とは、上記実施例1の構成において、光検出層bを削除し、削除した光検出層bを発光層として入れ換えた構成である。
この図3に示すように、光検出層と発光層とを積層させることにより、最も受光感度の高い波長350nm付近での受光感度が向上することが判る。また、受光検出領域も、赤色発光材料を用いた光検出層を備えた[a.実施例1」や、この光検出層を発光層に入れ換えた「c.光検出層を発光層に」では、より長波長側に受光検出領域が拡大されることが確認された。
実施形態の有機電界発光素子の断面構成図である。 実施例で作製した有機電界発光素子の発光スペクトルである。 実施例で作製した有機電界発光素子の受光波長−受光感度のグラフである。 従来の光応答部を備えた有機電界発光素子の断面構成図である。
符号の説明
11…有機電界発光素子、12…第1電極、13…有機層、13a…正孔輸送層、13b…光検出層、13c…電子ブロック層(電荷ブロック層)、13d…発光層、13e…電子輸送層、14…第2電極

Claims (5)

  1. 第1電極と第2電極との間に、当該第1電極側から順に少なくとも光検出層および発光層が積層された有機層を狭持してなる有機電界発光素子において、
    前記有機層は、前記第2電極から供給される順バイアス電荷が前記光検出層に達することを防止すると共に前記第1電極から供給される順バイアス電荷の輸送性を有する電荷ブロック層を、前記光検出層と前記発光層との間に設けてなる
    ことを特徴とする有機電界発光素子。
  2. 請求項1記載の有機電界発光素子において、
    前記第1電極が陽極として構成されると共に、前記第2電極が陰極として構成され、
    前記光検出層は、前記第1電極側に配置された正孔輸送層と、正孔輸送層を兼ねる前記電荷ブロック層との間に狭持されている
    ことを特徴とする有機電界発光素子。
  3. 請求項1記載の有機電界発光素子において、
    前記光検出層は、赤色発光材料を含有してなる
    ことを特徴とする有機電界発光素子。
  4. 請求項1記載の有機電界発光素子において、
    前記発光層は、赤、緑、または青の発光領域の発光光を発生する
    ことを特徴とする有機電界発光素子。
  5. 請求項1記載の有機電界発光素子において、
    前記発光層にて生じた発光光が、前記第2電極を透過して外部に取り出される
    ことを特徴とする有機電界発光素子。

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