JP2006010656A - 細胞観察用ユニットの製造方法および当該製造方法で製造された細胞観察用ユニット - Google Patents

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Abstract

【課題】
樹脂材料からなる細胞観察用チップと、透明性を有する基板とを十分なシール性を確保して接合し、微細構造に潰れを起こさない細胞観察用ユニットを提供すること。
【解決手段】
本発明にかかる細胞観察用ユニット100の製造方法は、透明性を有する基板10と、基板10よりも柔らかい樹脂で形成された微細構造を持つ細胞観察用チップ1とが相互に固定された細胞観察用ユニット100の製造方法であって、樹脂より成形された細胞観察用チップ1よりも更に柔らかい押圧ブロック6を用いて、細胞観察用チップ1を基板10に押し付けることにより、細胞観察用チップ1と基板10を固定したものである。
【選択図】 図3

Description

本発明は、細胞を観察するための細胞観察用チップに関するものであり、特に前記細胞観察用チップを樹脂で製造する際の製造方法に関する。
従来より液体検体、例えば薬品や生体物質に対してミキシングや分析を行う技術が種々提案され、また実用化されている。例えば血液粘度計測や細胞状態観察の評価であり、細胞の走化性観察である。走化性とは、走化性因子と呼ばれる化学物質の濃度勾配に応じて細胞が移動する性質のことである。この細胞の走化性を利用して治療薬の開発に応用しようとする動きがある。特に、この走化性を利用することによって、各種の炎症やアレルギー、ガンに対する治療薬の開発に新しいアプローチが見出せるのではないかと考えられており、走化性研究の重要性は増している。このような液体検体に対するミキシングや分析を行う技術として、流通型のマイクロチップが注目されている(例えば特許文献1、非特許文献1を参照)。
ここでは、走化性を観察するためのチップについて説明する。走化性を観察するための細胞観察用チップは、走化性因子を充填するウエルと、走化性を有する細胞等を充填するウエルを有する。そして、これらのウエル間は流路によって連通されており、当該流路内には障壁によって隔てられた微細な通路を多数設けている。この隔てられた微細な通路を細胞が移動する。
図6は、従来の細胞観察用チップ1Bを含む細胞観察用ユニット100の全体構成を説明するための断面図である。図において、細胞観察用チップ1Bには、細胞又は走化性因子を充填する領域であるウエル31,32が設けられている。それらウエル31,32には、貫通穴21'、22'がそれぞれ設けられている。貫通穴21'、22'は細胞観察用チップ1B上面に設けられたブロック5の貫通穴21、22に連結して細胞観察用ユニット100上部へ通じている。図では細胞観察用チップ1Bとブロック5は別々に成形され組み合わされているが、一体に成形されていてもよい。
貫通穴21,22は、細胞あるいは走化性因子などの試料を注入・採取するための微細穴である。またウエル31と32の間には、それらの間を連通する流路部4が設けられている。流路部4には、障壁によって隔てられた微細な通路が形成されている。かかる通路の大きさは細胞の通常の大きさより多少小さく作られており、走化性因子の濃度勾配ができると細胞は通路を通って濃度の高い方へ移動するため、走化性の観察ができる。
この細胞観察用チップ1Bは、透明性を有する硬い基板10と密着させて用いられる。基板10側から流路部4の微細通路を通過する細胞を観察する。従来の細胞観察用チップ1Bは、主にシリコンウエハ(単結晶シリコン)を異方性ドライエッチング等のマイクロマシニング技術を用いて加工する方法や、シリコンゴムの一種であるPDMS(Polydimethylsiloxane:ポリジメチルシロキサン)を成形する方法によって製作されていた。
しかし、シリコンウエハをマイクロマシニング技術を用いて加工する方法では細胞観察用チップ1Bの加工コストが高価となってしまう。また、シリコンゴムは加硫や架橋によって硬化する熱硬化性樹脂のためタクトタイムが長く、加工に要する工程数が多いために製造に時間がかかり量産に適さないといった課題があった。そのため、樹脂により形成し製造コストを低減すると共に量産性を高めることが試みられている。
図7に樹脂により細胞観察用チップ1Bを製造する場合の様子を示す。この場合には、第1の金型11と第2の金型12によって囲まれた領域中にピン13、14が突き当てられて形成された空間に熱可塑性の樹脂を射出し、冷却硬化させることによって、当該細胞観察用チップ1Bを製造することができる。第1の金型11、第2の金型12は、例えば電鋳により作製することができる。
特開2002−159287号公報 日経バイオビジネス2001年11月号、p.48−50
上記の様な細胞観察用チップ1Bは図8(a)に示すように、基板10に樹脂で成形した細胞観察用チップ1Bを乗せ、場合によってはブロック5を乗せた上で、押圧治具50で外側から締め付けることによって細胞観察用チップ1Bと基板10を直接接合し、シール性を確保していた。
しかし実際には、樹脂による細胞観察用チップは図8(b)に示す細胞観察用チップ1のように、ほとんどの場合歪みを持っている。この歪みは例えば細胞観察用チップ1の全体の幅が14mmだとすると、100μm程度のオーダーで発現する。このままの状態で治具によって締め付けを行うと、細胞観察用チップ1に対して治具が片辺りをしてしまい、押圧の力が偏ってしまう。
すると図8(b)に示すように基板10と細胞観察用チップ1の直接接合に際して、P部分のように密着過多の部分とQ部分のように密着不足の部分ができる。これにより、両者の直接接合がうまくいかずシール性が確保できないといったことが起こる。また、流路部4において流路を形成する凹凸は10μm以下の非常に微細な構造であるため、密着過多を原因とする不必要に大きな力によって、その構造がつぶれてしまい細胞観察用チップとして使用できなくなってしまうことも起こる。
本発明はこのような問題を解決するためになされたものであり、樹脂材料によって成形された歪みを持つ細胞観察用チップと、透明性を有する基板とを十分なシール性を確保して直接接合によって接合し、尚且つ微細構造に潰れを起こさない細胞観察用ユニットを提供することを目的とする。
本発明にかかる細胞観察用ユニットの製造方法は、少なくとも透明性を有する基板と、前記基板よりも柔らかい樹脂材料で形成された微細構造を持つ細胞観察用チップとが相互に固定された細胞観察用ユニットの製造方法であって、樹脂材料より成形された前記細胞観察用チップよりも更に柔らかい押圧ブロックを用いて、前記細胞観察用チップを前記基板に押し付けることにより、当該細胞観察用チップと前記基板を固定したものである。このような構成により、樹脂材料によって成形された歪みを持つ細胞観察用チップと、透明性を有する基板とを十分なシール性を確保して直接接合によって接合し、尚且つ微細構造に潰れを起こさない細胞観察用ユニットを提供することができる。
ここで、前記押圧ブロックは前記細胞観察用チップに設けられた穴に連結する貫通穴を有し、前記細胞観察用チップの穴と、前記押圧ブロックの穴が連結するように前記細胞観察用チップと前記押圧ブロックを固定し、前記押圧ブロックも前記細胞観察用ユニットの一部としてもよい。
また、前記細胞観察用チップと前記基板との固定は、前記押圧ブロックで前記細胞観察用チップを前記基板に押し付けることによる直接接合によって成されることが好ましい。これにより、前記細胞観察用チップ1と前記基板とを接着するための接着部材が不要となり、コストの低減を図ることができる。また、少なくとも接着部材を塗る工程と、接着部材の効果を待つ工程とが不要となるので、量産性を向上させることができる。
本発明にかかる細胞観察用ユニットは、少なくとも透明性を有する基板と、前記基板よりも柔らかい樹脂材料で形成された微細構造を持つ細胞観察用チップとが固定された細胞観察用ユニットであって、前記細胞観察用チップよりも更に柔らかい押圧ブロックによって、前記細胞観察用チップを前記基板に押し付けることによって当該細胞観察用チップと当該基板とが固定されたものである。このような構成により、樹脂材料によって成形された歪みを持つ細胞観察用チップと、透明性を有する基板とを十分なシール性を確保して直接接合によって接合し、尚且つ微細構造に潰れを起こさない細胞観察用ユニットを提供することができる。
他方、本発明にかかる細胞観察用チップは、少なくとも透明性を有する基板と、前記基板の上面に固定され、樹脂材料で成形された微細構造を持つ細胞観察用チップと、前記細胞観察用チップの更に上面に固定された弾性ブロックとを備えた細胞観察用ユニットであって、前記細胞観察用ユニットは前記基板よりも柔らかく、前記弾性ブロックは前記細胞観察用ユニットよりも更に柔らかいものである。このような構成により、樹脂材料によって成形された歪みを持つ細胞観察用チップと、透明性を有する基板とを十分なシール性を確保して直接接合によって接合し、尚且つ微細構造に潰れを起こさない細胞観察用ユニットを提供することができる。
ここで、前記弾性ブロックは前記細胞観察用チップに設けられた穴に連結する貫通穴を有し、前記細胞観察用チップの穴と、前記押圧ブロックの穴が連結するように前記細胞観察用チップと前記弾性ブロックを固定することが好ましい。
本発明により、樹脂材料によって成形された歪みを持つ細胞観察用チップと、透明性を有する基板とを十分なシール性を確保して直接接合によって接合し、尚且つ微細構造に潰れを起こさない細胞観察用ユニットを提供することができる。
以下に、本発明を適用可能な実施の形態が説明される。以下の説明は、本発明の実施形態を説明するものであり、本発明が以下の実施形態に限定されるものではない。また、説明の明確化のため、以下の記載は、適宜、省略及び簡略化がなされている。又、当業者であれば、以下の実施形態の各要素を、本発明の範囲において容易に変更、追加、変換することが可能である。また、以下の各実施形態では、具体化のために細胞の走化性観察用にチップを使用する場合について説明するが、液体検体としてはこれに限定されず、例えば、たんぱく質、核酸、DNA、RNA、ペプチド、ホルモン、抗原、抗体、リガンド、レセプタ、酵素、基質、低分子有機化合物、細胞、イオン等の測定対象物を含む液体であり、サスペンション、コロイド等の分散系も含む。すなわち本発明にかかるマイクロチップは上記のような液体検体のミキシング及び分析についても使用可能なものである。
実施の形態1
まず図1を用いて細胞観察用ユニット100について説明する。図1は細胞観察用ユニット100の断面図である。細胞観察用チップ1には、ウエル31、32が設けられている。この例では、ウエル31、32は、細胞観察用チップ1の観察面上の窪みとして成形されている。ウエル31、32は当該細胞観察用チップ1と透明性を有する基板10とが密着された状態においてそれぞれ空間を形成し、当該空間に細胞又は走化性因子が充填される。この例にかかるウエル31、32は、細胞観察用チップ1の一方の面から約100μm窪んで形成されている。尚、ウエル31、32の容積に特別な制限は無く、試料を充填する際の必要最小限の容積を持てばよい。例えば深さは100μm程度、幅・奥行きはそれぞれ1〜2.5mm程度で良い。
ウエル31、32には、貫通穴21'、22'がそれぞれ設けられており、貫通穴21'、22'は細胞観察用チップ1上面に設けられた押圧ブロック6の貫通穴23,24に連結して細胞観察用ユニット100上部へ通じている。貫通穴23、24は、試料を注入・採取するための微細穴である。この貫通穴23、24および貫通穴21'、22'の断面形状・大きさは特に限定されるものではなく、例えば、直径0.5mmのマイクロシリンジを用いて試料の注入が可能であれば良い。このため、貫通穴21、22の断面形状が円形であれば直径1mm程度、正方形であれば一辺の長さが1mm程度である。
ウエル31とウエル32との間には、両者を連通する流路部4が設けられている。図2は図1の流路部4を上下逆にして拡大した斜視図である。図1の矢印が指す方向と、図2の矢印が指す方向は一致する。図2に示すように流路部4には、障壁41によって隔てられた微細な通路42が形成されており、走化性因子の濃度勾配ができると細胞は通路42を通って濃度の高い方へ移動するため、走化性の観察ができる。なお、このような微細な通路42が形成された細胞観察用チップ1は走化性の観察のみならず、細胞状態観察の評価用および血液粘度計測にも使用できる。
この通路42は、細胞観察用チップ1の一方の面より約5μm窪んで形成されている。すなわち凸部である障壁41の高さは約5μmである。また、微細な通路42の幅は2〜10μm程度である。
当該細胞観察用チップ1は、熱可塑性エラストマーにより形成されており、例えばオレフィン系エラストマーにより形成されている。オレフィン系エラストマーを用いて製作すれば、流路部4の障壁41や通路42のような微細な加工も射出成形にての製作が可能である。樹脂の射出成形による製法は、金型を製作すれば安価に大量生産することができるため、従来のシリコンウエハをマイクロマシニング技術によって加工する製法やPDMSを成形する製法に比べて低コストかつ短時間で製作でき量産に適しているが、出来上がった成形物は歪みを持ってしまう。
では次に、図3を用いて細胞観察用チップ1と基板10との接合方法について説明する。図3(a)は図1に示した細胞観察用ユニット100の、それぞれの部材が接合される前の状態を押圧治具50へ収納した状態を表しており、同様の記号については説明を省略する。押圧ブロック6は細胞観察用チップを基板10に押し付けるために押圧治具50の締め付け部51と細胞観察用チップ1との間に設けられる。押圧ブロック6は、細胞観察用チップ1よりも更に柔らかい材料でできている。押圧ブロック6には細胞観察用チップ1の貫通穴21’,22’と連結し、押圧ブロック6の上面にまで貫通する貫通穴23,24が設けられている。
押圧ブロック6は細胞観察用チップ1よりも十分に厚いことが好ましい。押圧ブロック6は細胞観察用チップ1よりも柔らかい素材であるが、上記の通り細胞観察用チップ1に設けられた貫通穴21’,22’と連結する貫通穴23,24が設けられているので、あまり柔らかいと貫通穴23,24が押圧ブロック自身の潰れによって塞がれてしまう。よって押圧ブロック6自身の潰れによって貫通穴23,24が塞がれない程度の最低限の硬さが要求される。
このような構成で、従来と同じように締め付け部51で締め付けることにより細胞観察用チップ1を基板10に押し付ける。図3(b)の矢印は実際の締め付けの様子である。押圧ブロック6は細胞観察用チップ1よりも柔らかい材料でできているので、図3(b)のように細胞観察用チップ1の歪みにあわせて変形し片辺りがなくなる。更に押し付けていくと、細胞観察用チップ1の歪みによって押圧力の偏りができた部分は矢印のように歪み部分の力が逃げ、全体的に均一に力が加えられる。この効果により細胞観察用チップ1は基板10に均一に押し当てられる。直接接合の面は均等な圧力で押し付けられるので、シール性が確実に確保される。また余分な押圧力は図に示される矢印のように押圧力の足りない部分へと逃げるので、チップ材料に施された微細な構造を潰してしまうこともなくなる。
当然、細胞観察用チップ1と基板10とのシール性を確保しつつ、流路部4の微細構造を潰さない程度に押圧力を調整する事は必須となるが、それは押圧治具50の押圧力の調整ではなく、押圧ブロック6の素材の硬さおよび、厚さで調整できるので、押圧治具50の押圧力を調整することよりも、より精密な調整が可能となり、その点でも当該方法は有効である。
更に、押圧ブロック6は上述の通り細胞観察用チップ1に設けられた貫通穴21’,22’に連結する貫通穴23,24を有しているので、細胞観察用チップ1と接合されることにより、ウエル31,32へとつながる流路を形成する。この流路は細胞あるいは走化性因子などの試料を注入・採取するための微細穴となる。押圧ブロック6と細胞観察用チップ1を直接接合によって接合すれば、接着剤等の接着媒体が不要となるので製造コストの低減が可能となるが、これに限定されるものではない。また細胞観察用チップ1と押圧ブロック6との接合を直接接合にて行うのであれば、細胞観察用チップ1と基板10との直接接合時に同時に行われるのが、製造工程の簡略化としては好ましいが、別々の工程であってもよい。
尚、本実施の形態では押圧治具50は押圧完了後取り外すことを前提としているが、取り外さず細胞観察用ユニットの一部分としてしまってもよい。図4は押圧治具70も細胞観察用ユニットの一部とする場合の、細胞観察用ユニット101の一例の断面図である。図4(a)に示す通り、押圧治具70は少なくとも締め付け部71と観察部72とを備えている。締め付け部71と押圧治具70は特に限定されないが、一例として本実施の形態ではネジ締め式になっており、締め付け部71を回転させることによって締め付けられるものとする。
締め付け部71は押圧ブロック6に設けられた貫通穴23,24に連結する貫通穴25,26を有する。貫通穴25,26は細胞あるいは走化性因子等の試料を注入・採取するための役割を果たす。締め付け部71は貫通穴23,24と貫通穴25,26が連結するように位置調整され締め付けられる。
走化性の観察は観察部72から行う。観察部72は透明性を有する基板10を通して流路部4の状態を観察できるようになっていればよい。特に限定されないが切り欠きが設けてあっても良いし、透明性を有する材料で成形されていてもよい。また観察部72を透明性を有する材料で成形する場合、観察部72だけではなく押圧治具70全体が透明性を有する材料で成形されていても良い。
上記の様な押圧治具70を押圧治具50の代わりに用い、先述のように締め付けを行う。図4(b)は締め付けた状態の断面図である。押圧ブロック6が押圧によって変形し、細胞観察用チップ1の歪みによる片辺りを解消する効果については図3(b)と同様である。このような構成を用いれば、押圧ブロック70で締め付けた後、細胞観察用ユニットを取り出す工程を省くことができるので、量産性を高めるという目的に合致する。本発明にかかる細胞観察用ユニットは例えば14mm角の微細なものなので、押圧治具70の材料費は細胞観察用ユニット100を押圧治具から取り出す工程の省略により低減できるコストよりも安価であることも十分考えられ、生産コストの低減も可能である。
片辺りを起こさずに細胞観察用チップ1と基板10を直接接合する他の方法として、図9に示されるような真空吸引による方法が考えられる。図9(a)において、細胞観察用チップ1および基板10は、ビニール袋などの袋状の吸引袋60に封入されている。吸引袋60は吸引口61以外は完全に密閉されている。この状態で吸引口61から吸引袋60内の空気を吸引すると、図9(b)に示されるように吸引袋60は細胞観察用チップ1および基板10に密着し、細胞観察用チップ1は押圧力が偏ることなく均等に基板10に押し当てられるので、直接接合によるシール性は確保され微細構造が潰れてしまうことも起こらない。しかし、この方法では少なくとも細胞観察用チップ1と基板10を吸引袋60へ封入し、真空吸引し、吸引袋から取り出すといった作業が必要になり、コストを下げ、量産性を高めるために細胞観察用チップ1の材料に樹脂材料を使用した意味が薄らいでしまう。よって、真空吸引による方法よりも本発明にかかる方法の方が、より目的達成のために適した方法である。
実施の形態2
次に本発明の実施の形態2にかかる細胞観察用ユニットの製造方法について図5を用いて説明する。同様の記号を付した部分については実施の形態1と同様であり、説明を省略する。図5(a)において押圧ブロック7は細胞観察用チップを基板10に押し付けるために治具50の締め付け部51と細胞観察用チップ1との間に設けられる。押圧ブロック7は細胞観察用チップ1よりも十分に厚いことが好ましい。また、押圧ブロック7は細胞観察用チップ1よりも更に柔らかい材料でできている。ここで、実施の形態1において押圧ブロック6には貫通穴23,24が設けられており、自身の潰れによってその貫通穴23,24が潰れてしまわない程度の硬さが必要であったが、本実施の形態については押圧ブロック7には貫通穴は設けられておらず、直接接合が完了次第取り除いてもかまわないので、ある程度の硬さを有する必要はなく細胞観察用チップ1よりも柔らかい素材でだけあればよい。
このような構成で、従来と同じように締め付け部51で締め付けることにより細胞観察用チップ1を基板10に押し付ける。図5(b)は実際の締め付けの様子である。押圧ブロック7は細胞観察用チップ1よりも柔らかい材料でできているので、図5(b)のように細胞観察用チップ1の歪みにあわせて変形し片辺りがなくなる。更に押し付けていくと、細胞観察用チップ1の歪みによって押圧力の偏りができた部分は矢印のように歪み部分の力が逃げ、全体的に均一に力が加えられる。この効果により細胞観察用チップ1は基板10に均一に押し当てられる。直接接合の面は均等な圧力で押し付けられるので、シール性が確実に確保される。また余分な押圧力は図に示される矢印のように押圧力の足りない部分へと逃げるので、チップ材料に施された微細な構造を潰してしまうこともなくなる。
押圧ブロック7は細胞観察用チップ1と基板10の直接接合が完了し、接合の強度が十分に用途の要求を満たしているならば必ずしも必要なくなるので、取り除いてしまっても良い。
本発明にかかる細胞観察用ユニットを表す断面図である。 本発明にかかる細胞観察用チップの流路部分を表す拡大斜視図である。 本発明の実施の形態1にかかる細胞観察用ユニットの製造方法を表す断面図である。 本発明の実施の形態1にかかる細胞観察用ユニットの製造方法を表す断面図である。 本発明の実施の形態2にかかる細胞観察用ユニットの製造方法を表す断面図である。 従来技術にかかる細胞観察用ユニットを表す断面図である。 従来技術にかかる細胞観察用チップの製造方法を表す断面図である。 従来技術にかかる細胞観察用ユニットの製造方法を表す断面図である。 本発明の実施の形態と比較される方法にかかる細胞観察用ユニットの製造方法を表す断面図である。
符号の説明
1 細胞観察用チップ、21,22,21’,22’,23,24 貫通穴、
31,32 ウエル、4 流路部、41 障壁、42 通路、5 ブロック、
6,7 押圧ブロック、10 基板、11,12 金型、13,14 ピン、
50 押圧治具、51 締め付け部、60 吸引袋、61 吸引口、
70 押圧治具、71 締め付け部、72 観察部
100,101 細胞観察用ユニット、P 密着過多部分、Q 密着不足部分、

Claims (6)

  1. 少なくとも透明性を有する基板と、前記基板よりも柔らかい樹脂材料で形成された微細構造を持つ細胞観察用チップとが相互に固定された細胞観察用ユニットの製造方法であって、
    樹脂材料より成形された前記細胞観察用チップよりも更に柔らかい押圧ブロックを用いて、前記細胞観察用チップを前記基板に押し付けることにより、当該細胞観察用チップと前記基板を固定した、細胞観察用ユニットの製造方法。
  2. 前記押圧ブロックは前記細胞観察用チップに設けられた穴に連結する貫通穴を有し、前記細胞観察用チップの穴と、前記押圧ブロックの穴が連結するように前記細胞観察用チップと前記押圧ブロックを固定し、前記押圧ブロックも前記細胞観察用ユニットの一部とする請求項1に記載の細胞観察用ユニットの製造方法。
  3. 前記細胞観察用チップと前記基板との固定は、前記押圧ブロックで前記細胞観察用チップを前記基板に押し付けることによる直接接合によって成されることを特徴とする、請求項1又は請求項2記載の細胞観察用ユニットの製造方法。
  4. 少なくとも透明性を有する基板と、前記基板よりも柔らかい樹脂材料で形成された微細構造を持つ細胞観察用チップとが固定された細胞観察用ユニットであって、前記細胞観察用チップよりも更に柔らかい押圧ブロックで前記細胞観察用チップを前記基板に押し付けることにより当該細胞観察用チップと当該基板とが固定された細胞観察用ユニット。
  5. 少なくとも透明性を有する基板と、前記基板の上面に固定され、樹脂材料で成形された微細構造を持つ細胞観察用チップと、前記細胞観察用チップの更に上面に固定された弾性ブロックとを備えた細胞観察用ユニットであって、前記細胞観察用チップは前記基板よりも柔らかく、前記弾性ブロックは前記細胞観察用チップよりも更に柔らかい細胞観察用ユニット。
  6. 前記弾性ブロックは前記細胞観察用チップに設けられた穴に連結する貫通穴を有し、前記細胞観察用チップの穴と、前記押圧ブロックの穴が連結するように前記細胞観察用チップと前記弾性ブロックを固定したことを特徴とする、請求項5に記載の細胞観察用ユニットの製造方法。
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