JP2006010556A - 磁気センサ励磁用磁石の取付け方法および検査方法 - Google Patents

Abstract

【課題】大バルクハウゼン効果を有する鉄芯内の磁界が反転する毎に電圧を出力するセンサの、励磁用磁石の取付けを容易かつ正確にする。
【解決手段】図示されないセンサに対し、図１（ａ）のように励磁用磁石１を磁石ホルダ４に設置する場合には、図１に示すような治具３を利用することにより、磁石１を簡単，正確に磁石ホルダ４へ取り付けられるようにする。このとき、治具３の磁石１と対応する所定位置には、図示のような極性の磁石１ａ，１ｂが予め設置されているので、作業が簡単で誤って取り付けるおそれもない。
【選択図】図１

Description

この発明は、例えばガスメータ，水道メータ等の流量センサとして用いて好適な、大バルクハウゼン効果を利用する磁気センサ、特にこのような磁気センサを励磁するための励磁用磁石の取付け方法および検査方法に関する。

従来、大バルクハウゼン効果を利用する流量センサは、例えば特許文献１により公知である。図２〜４はこのような流量センサを説明するための説明図である。
センサ素子は図２に示すように、大バルクハウゼン効果を利用する鉄芯２ａに検出コイル２ｂを巻いて構成される。大バルクハウゼン効果を利用する鉄芯２ａとしては、アモルファス素子を繊維状に構成したものや強磁性体のワイヤなどが知られている。

図２のようなセンサ（素子）２を作動させるためには、例えば図３のように回転体（磁石ホルダ）４上にその中心を挟んで一対の励滋用磁石１を配置し、これを回転体の中心軸の周りで回転させ、磁束変化をセンサ２に与えて出力を得るものが一般的である。なお、図３（ａ）は上面図、同（ｂ）は側面図を示す。
このような構成において、センサ２に対し図４（ａ）に示されるような磁界（磁束）Φが印加されると、印加磁界の極性が反転する度に、センサ２の検出コイル２ｂには図４（ｂ）のようなパルス電圧Ｓが誘起される。

特開２０００−２２１０６９号公報（第２−３頁、図１−３）

ところで、上記のようなセンサでは、印加する磁界の方向を順次変えるようにするため、励磁用磁石の取付けに当ってはその方向を考慮しなければならず、作業が煩雑になるだけでなく取付けを誤まるおそれも生じるという問題がある。
したがって、この発明の課題は、センサを励磁するための励磁用磁石を簡単かつ正確に取り付けられるようにすることにある。

このような課題を解決するため、請求項１の発明では、大バルクハウゼン効果を有する鉄芯に印加される磁界の極性が変化する毎に電圧を出力する素子に対し、中心を挟み少なくとも一対の励磁用磁石を配置した回転体を対向設置し、回転する前記励磁用磁石から発生する磁界の変化により前記素子を動作させる磁気センサにおいて、
前記回転体に励磁用磁石を取り付けるに当たっては、回転体を一時的に固定する治具を用いるとともに、この治具には回転体に取り付けるべき励磁用磁石と対応する位置に、その励磁用磁石の回転体への取付けを許容する極性の磁石を予め固定しておくことを特徴とする。
この請求項１の発明においては、前記治具を用い、前記回転体に取り付けるべき励磁用磁石の適否を検査可能にすることができる（請求項２の発明）。

この発明によれば、治具を用いるようにしたので、励磁用磁石を容易かつ正確に取り付けることができるだけでなく、取り付けるべき励磁用磁石の極性の適否を正確にチェックすることができ、信頼性を向上させることができる。

図１はこの発明の実施の形態を説明するための説明図である。
図１を参照して、図３に示すような場合の磁石の取り付け方につき説明する。
例えば図３では、励磁用の磁石１を図示のような極性で磁石ホルダ４に装着する必要がある。そのためには、図１のような治具３を一時的に利用し、治具３に磁石ホルダ４を装着する。このとき、治具３の装着すべき磁石１と対応する所定位置には、磁石がそれぞれ予め設置（固定）されている。つまり、図１（ｂ）の左側の磁石1に対しては、右側がＳ極で左側がＮ極の磁石1ａを、また、右側の磁石1に対しても、右側がＳ極で左側がＮ極の磁石１ｂをそれぞれ配置（固定）しておく。その磁石1ａ，１ｂの極性（方向）は、磁石ホルダ４に装着すべき磁石1の極性（方向）によって決まることになる。

さらには、磁石ホルダ４および治具３には、図１（ａ）にＢ部として示す部分で、両者の固定位置関係が一義的に決まるような溝および突起を形成しておくことにより、正確な位置決めがなされるようにしている。
こうすることで、治具３に磁石ホルダ４を固定し励磁用磁石１を挿入するに当り、治具３に固定された磁石の磁力により挿入すべき磁石が吸引されるようになり、磁石ホルダ４に磁石１を誤りなく容易に挿入できるようになる。以上では、磁石が１個ずつ１対の場合を説明したが２個以上の対でも良く、さらには円周上に複数対配置する場合にも同様にして適用することができる。

また、何らかの事情により、励磁用磁石１の磁石ホルダ４への取付けを誤ると、磁石ホルダ４と治具３との間に吸引（または反発）方向の力が働かないので、この性質を利用することにより、磁石１が磁石ホルダ４に正しく取り付けられているかどうかの検査（チェック）を行なうことも可能である。

この発明の実施の形態を説明する説明図 従来の大バルクハウゼン効果を用いたセンサを示す外観図 図２のセンサの駆動原理を説明するための説明図 図２のセンサの駆動方法を説明するための波形図

符号の説明

１，１ａ，１ｂ…磁石、２…センサ（素子）、２ａ…鉄芯、２ｂ…検出コイル、３…治具、４…磁石ホルダ。

Claims (2)

1. 大バルクハウゼン効果を有する鉄芯に印加される磁界の極性が変化する毎に電圧を出力する素子に対し、中心を挟み少なくとも一対の励磁用磁石を配置した回転体を対向設置し、回転する前記励磁用磁石から発生する磁界の変化により前記素子を動作させる磁気センサにおいて、
   前記回転体に励磁用磁石を取り付けるに当たっては、回転体を一時的に固定する治具を用いるとともに、この治具には回転体に取り付けるべき励磁用磁石と対応する位置に、その励磁用磁石の回転体への取付けを許容する極性の磁石を予め固定しておくことを特徴とする磁気センサ励磁用磁石の取付け方法。
2. 前記治具を用い、前記回転体に取り付けるべき励磁用磁石の適否を検査可能にしたことを特徴とする請求項１に記載の磁気センサ励磁用磁石の取付け検査方法。
   
   

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