JP2006009876A - 弁駆動用電油圧式アクチュエータ - Google Patents

弁駆動用電油圧式アクチュエータ Download PDF

Info

Publication number
JP2006009876A
JP2006009876A JP2004185543A JP2004185543A JP2006009876A JP 2006009876 A JP2006009876 A JP 2006009876A JP 2004185543 A JP2004185543 A JP 2004185543A JP 2004185543 A JP2004185543 A JP 2004185543A JP 2006009876 A JP2006009876 A JP 2006009876A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
thrust
hydraulic
valve
electric motor
actuator
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2004185543A
Other languages
English (en)
Inventor
Takeshi Saito
猛 斎藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Individual
Original Assignee
Individual
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Individual filed Critical Individual
Priority to JP2004185543A priority Critical patent/JP2006009876A/ja
Publication of JP2006009876A publication Critical patent/JP2006009876A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Servomotors (AREA)
  • Fluid-Driven Valves (AREA)
  • Connection Of Motors, Electrical Generators, Mechanical Devices, And The Like (AREA)

Abstract

【課題】 調節弁の開度を、(1)安定的(2)高精度かつ(3)高応答に駆動することができ、更に軽量かつコンパクトでしかも高効率な弁駆動用電油圧式アクチェータを提供すること。
【解決手段】 電動モータ11により出力軸10Aを直線駆動する弁駆動用電油圧式アクチュエータ10において、電動モータ11の回転運動を直線運動に変換するスラストコンバータ13を設けるとともに、スラストコンバータ13の両側に油圧ブースタ21A、21Bを設け、スラストコンバータ13の両側スラスト軸17A、17Bのそれぞれを各油圧ブースタ21A、21Bのピストンに連結し、両油圧ブースタ21A、21Bに接続される油圧シリンダ31を設け、油圧シリンダ31のピストンロッドに出力軸10Aを連結し、各油圧ブースタ21A、21Bの油圧を油圧シリンダ31のピストンを挟む両側油室のそれぞれに供給可能にしたもの。
【選択図】 図1

Description

本発明は水処理又は工業用プロセスプラントの高負荷用調節弁等を高精度に駆動するに好適な弁駆動用電油圧式アクチュエータに関する。
一般に、事業用火力発電プラント等の高温高圧調節弁等に用いられる電気式アクチュエータは、プラント全体に数多く使用されているが、近年、ボイラ設計条件の超々臨界圧化や、高頻度な起動・停止運転及び負荷変動化に伴ない、常時過酷な運転条件にさらされるようになっている。
従って、電気式アクチュエータは、そのような過酷な運転条件下においてもプラント統括制御装置から要求される指令信号に基づき、(1)安定的(2)高精度かつ(3)高応答に調節弁の開度をポジション制御する必要がある。更に、プラント設備全体の低コスト化ニーズより、電気式アクチュエータは、(1)軽量かつコンパクト(2)省エネルギーで調節弁を連続的に駆動制御することが望まれる。
しかるに、従来、弁駆動用アクチュエータとして、特許文献1に記載の如くのものや、特許文献2に記載の如くのものが提案されている。
特許文献1に記載のものは、電動モータにより駆動される電動式調節弁駆動用リニアアクチュエータにおいて、ベクトル制御方式により速度制御される交流インダクション電動モータと、上記電動モータ軸に連結された太陽歯車と、太陽歯車回りを旋回可能な遊星歯車と、上記遊星歯車の出力トルクをスラストに変換して弁棒に伝えるスラストコンバータとを有してなるものである。
特許文献2に記載のものは、電動機、2方向液圧ポンプ、液圧シリンダ及びシリンダロッドの位置検出器を一体化することからなるハイブリッドアクチュエータである。
特許2631635 特開平11-347699
特許文献1に記載の従来技術には以下の問題点がある。
(i)電動モータとアクチュエータ出力軸との間に減速比の大なる歯車列やねじ等による機械的減速機構を有するため、減速装置内の各機構部分に存在するバックラッシュ分が、調節弁の(1)安定的かつ(2)高精度なポジション制御に悪影響を及ぼし易い。特に、調節弁の負荷の大きさ及び方向が頻繁に変化する可能性があるプラントの起動・停止或いは変圧運転中にポジション制御のガタが生じ易く、調節弁の流量制御が不連続になり易い。
(ii)上述(i)の減速装置がアクチュエータの質量及びサイズに占める割合が大きくかつ、各減速部において比較的大きな動力損失(伝達効率)を生ずるため、(1)軽量かつコンパクトで(2)省エネルギー型のアクチュエータを得にくい。
特許文献2に記載の従来技術には以下の問題点がある。
(iii)頻繁な負荷変動並びにポジション変動を伴なう調節弁の連続制御に用いる場合、安定したポジション制御を得るためには、負荷と双方向液圧ポンプの吐出圧とを常にバランスさせる必要があり、この調整のため液圧ポンプ内に常時一定の漏れが必要となるが、この状態で連続負荷運転を行なうと漏れ部における作動油の摩擦熱により作動油が自己発熱し、その粘度、密度が大幅に変化するため、結果的にポジション制御にずれが生じ、調節弁の(1)安定的かつ(2)高精度なポジション制御が不可能となる。
(iv)2方向液圧ポンプそのものの形状並びにその制御が複雑であり、結果的にアクチュエータの製作コストが高くなり、プラント設備全体の低コスト化ニーズには不向きである。
本発明の課題は、調節弁の開度を、(1)安定的(2)高精度かつ(3)高応答に駆動することができ、更に軽量かつコンパクトでしかも高効率な弁駆動用電油圧式アクチェータを提供することにある。
請求項1の発明は、電動モータにより出力軸を直線駆動する弁駆動用電油圧式アクチュエータにおいて、電動モータの回転運動を直線運動に変換するスラストコンバータを設けるとともに、スラストコンバータの両側に油圧ブースタを設け、スラストコンバータの両側スラスト軸のそれぞれを各油圧ブースタのピストンに連結し、両油圧ブースタに接続される油圧シリンダを設け、油圧シリンダのピストンロッドに出力軸を連結し、各油圧ブースタの油圧を油圧シリンダのピストンを挟む両側油室のそれぞれに供給可能にしたものである。
請求項2の発明は、請求項1の発明において更に、前記電動モータを駆動制御するポジショナを有し、ポジショナは、上位制御装置からの指令弁開度と現在弁開度との偏差に応じた開閉速度指令を演算し、開閉速度指令と電動モータによる実際の開閉速度との偏差に基づいて演算される指令トルクにて電動モータを駆動制御するようにしたものである。
請求項3の発明は、請求項1又は2の発明において更に、前記スラストコンバータが、電動モータ軸に連結される歯車装置と、歯車装置の出力トルクをスラスト軸に伝えるボールねじ装置と、スラスト軸の回り止め手段とからなるものである。
請求項4の発明は、請求項1〜3のいずれかの発明において更に、前記油圧シリンダに連結した出力軸にスラストモニタ用のスラスト力検出器を設けたものである。
請求項5の発明は、請求項1〜4のいずれかの発明において更に、前記電動モータの供給電源がオフしたときに電動モータ軸を拘束するブレーキを備えるとともに、油圧シリンダを手動操作可能にする手動操作手段を付加したものである。
請求項1に記載の本発明によれば、下記(a)〜(c)の作用効果を奏する。
(a)電動モータのトルクがスラストコンバータにより減速された後、更に油圧ブースタと出力用油圧シリンダにより倍力されアクチュエータの出力スラストとなる。従ってアクチュエータの出力スラストは負荷側の高頻度な圧力変動に対しても充分に大となり、調節弁のポジションを高精度かつスムーズに制御できる。
(b)アクチュエータの減速比は、スラストコンバータの小なる機械的減速比と、油圧ブースタと出力用油圧シリンダの大なる断面積比との積に比例しかつ一定のため、弁開度指令の変化に対する出力軸の変化も一定となり、出力軸のリニアリティ精度を確保できる。
(c)アクチュエータの減速比は主として油圧ブースタと出力用油圧シリンダの断面積比に依存するため、スラストコンバータの小なる機械的伝達損失は殆ど無視でき、従ってアクチュエータ全体の機械効率はスラストコンバータのみからなる場合に比べ極めて高いものとなる。
尚、アクチュエータはスラストコンバータを構成する歯車やボールねじ等の機械的減速部が極めて少なく、軽量かつコンパクトで省エネ型となる。
請求項2に記載の本発明によれば、下記(d)の作用効果を奏する。
(d)ポジショナが、上位制御装置からの指令弁開度と現在弁開度との偏差に応じた開閉速度指令を演算し、開閉速度指令と電動モータによる実際の開閉速度との偏差に基づいて演算される指令トルクにて電動モータを駆動制御するから、高精度かつスムーズで安定した調整弁のポジション制御が得られる。
請求項3に記載の本発明によれば、下記(e)の作用効果を奏する。
(e)スラストコンバータが、歯車装置の出力トルクをスラスト軸に伝えるボールねじ装置と、スラスト軸の回り止め手段とからなるものとすることにより、アクチュエータの機械伝達効率を更に向上させることができる。
請求項4に記載の本発明によれば、下記(f)の作用効果を奏する。
(f)スラスト力検出器により弁締切状態下における出力軸のスラストをモニタすることにより、流体の温度変化による出力軸(弁棒)の過負荷或いは低負荷の適正化を図ることができる。また、弁中間開度状態におけるスラスト力検出器の検出結果を監視することにより、調整弁の信頼性、安定性を向上できる。
請求項5に記載の本発明によれば、下記(g)の作用効果を奏する。
(g)電動モータの供給電源がオフしたとき、電動モータ軸をブレーキにより拘束するとともに、手動操作手段により油圧シリンダ、ひいては調節弁の開度を手動操作できる。
図1は弁駆動用電油圧式アクチェータを示す模式図、図2は図1の要部拡大図である。
アクチュエータ10は、図1に示す如く、例えば調節弁1の弁棒1Aを駆動する。調節弁1は、入口流路2及び出口流路3並びに弁室4を備えるケーシング5と、ケーシング5の弁室4に形成される弁座6と、ケーシング5に移動可能に支持されて弁体1Bを備える弁棒1Aとを有する。
アクチュエータ10は、電動モータ11の出力トルクにより出力軸10Aを直線駆動し、出力軸10Aにコネクタ10Bを介して弁棒1Aを接続している。電動モータ11はアクチュエータハウジング10Cに設置されている。
電動モータ11は、ベクトル制御方式又は同等の制御方式により速度/トルク制御(モータの実回転速度が(モータバランス停止時を含む)弁体の現在位置と指令信号との偏差に見合った速度指令と一致するようにモータトルクを制御するもの)される交流インダクションモータ又はブラシレスサーボモータを採用できる。電動モータ11は、モータ軸11Aの回転運動を直線運動に変換するスラストコンバータ13を伴なう。スラストコンバータ13は遊星歯車装置14、平歯車装置15、ボールねじ装置16にて構成される。遊星歯車装置14には手動操作装置12が連結される。
遊星歯車装置14は、電動モータ軸11Aに連結される太陽歯車14Aと、太陽歯車14A回りを旋回可能な遊星歯車14Bと、遊星歯車14Bと外側で噛合う内歯歯車14Cとからなり、遊星歯車キャリヤ14Dには旋回軸14Eが連結されている。
尚、内歯歯車14Cはアクチュエータハウジング10Cにボール軸受(不図示)を介して回転可能に支持されるとともに、手動操作装置12を構成するウォームホイール12Aを外周に備える。手動操作装置12は、ウォームホイール12Aに噛合うウォーム12Bをアクチュエータハウジング10Cに支持し、このウォーム12Bに手動操作ハンドル12Cを連結してある。これにより、アクチュエータ10の電動操作時には、内歯歯車14Cはウォーム12Bによりロックされ、手動操作時には、内歯歯車14Cはウォーム12Bにより回転せしめられる。
平歯車装置15は、小歯車15Aと大歯車15Bの噛合いから構成され、小歯車15Aは遊星歯車装置14の旋回軸14Eに固着されている。大歯車15Bはアクチュエータハウジング10Cに回転可能に支持される。
ボールねじ装置16は、互いに噛合うボールナット16Aとボールねじ軸16Bを有する。ボールナット16Aは平歯車装置15の大歯車15Bに固着され、大歯車15Bと一体に回転して遊星歯車装置14の出力トルクをボールねじ軸16Bに伝える。ボールねじ軸16Bはボールナット16Aの両側に突き出るスラスト軸17A、17Bを一体にもつ。ボールねじ軸16Bは、アクチュエータハウジング10Cに固定したガイド筒18との間に回り止め手段19(例えばスラスト軸17Bに設けたスプライン軸とガイド筒18に設けたスプライン孔の組合せ、又はキーとキー溝の組合せ等)を設けられ、スラスト軸17A、17Bを直線運動する。
アクチュエータ10は、図1、図2に示す如く、スラストコンバータ13たるボールねじ装置16の同軸延長上の上下方向に上下一対の油圧ブースタ21A、21Bを設け、ボールねじ装置16の両側スラスト軸17A、17Bのそれぞれを各油圧ブースタ21A、21Bのピストン22A、22Bに連結する。本実施例では、スラスト軸17A、17Bの先端部自体をピストン22A、22Bとする。各油圧ブースタ21A、21Bはピストン22A、22Bが仕切る断面積A1の油室23A、23Bを備え、各油圧ブースタ21A、21Bの作動油をスラスト軸17A、17Bのスラスト力により加圧する。
アクチュエータ10は、両油圧ブースタ21A、21Bのそれぞれに油圧配管24A、24Bを介して接続される油圧シリンダ31を設ける。油圧シリンダ31はピストン32の下片側にピストンロッド33をもつ複動式をなし、ピストン32が仕切る断面積A21、A22(A21、A22>A1)の上下の油室34A、34Bを備える。上油圧ブースタ21Aの上油室23Aの油圧は油圧配管24Aにより油圧シリンダ31の上油室34Aに供給され、下油圧ブースタ21Bの下油室23Bの油圧は油圧配管24Bにより油圧シリンダ31の下油室34Bに供給される。油圧シリンダ31のピストンロッド33に出力軸10Aを連結する。本実施例ではピストンロッド33自体を出力軸10Aとする。
アクチュエータ10は、両油圧ブースタ21A、21Bの油室23A、23Bのそれぞれを油圧配管25A、25Bを介してリザーバ26に連通し、油圧シリンダ31に進入/退出するピストンロッド33の容積分の作動油を補償可能にする。
アクチュエータ10のポジション制御(油圧シリンダ31のピストンロッド33(出力軸10A)の位置制御)は、ポジショナ40により行なわれる。ポジショナ40は位置検出器41を付帯的に備え、位置検出器41はピストンロッド33(出力軸10A)と弁棒1Aとのコネクタ10Bにリンク連結され、調節弁1の現在弁開度たる出力軸10Aの位置フィードバック信号FSを出力する。また、電動モータ11はエンコーダを備えた速度検出器42を備え、電動モータ11の実際の回転速度信号Vを出力する。ポジショナ40は、上位制御装置(上位コントローラ)からの指令弁開度DSと、位置検出器41からの現在弁開度FSとの開度偏差Keに応じた開閉速度指令V0を演算し、開閉速度指令V0と速度検出器42からの実際の開閉速度Vとの速度偏差Veを求め、この速度偏差Veに応じたトルク指令It(電流値)を演算する。ポジショナ40は、電動モータ11がこの指令トルクItを出力するように、電動モータ11の1次電流I1(U相、V相、W相の各電流指令Iu、Iv、Iw)をベクトル制御方式にて演算する。しかして、ポジショナ40は、上記1次電流指令I1と、電動モータ11に設けてある電流検出器から転送される現在1次電流Iとの電流偏差Ieを求め、電動モータ11への給電制御回路にて上記電流偏差Ieに応じた電圧指令信号Eu、Ev、Ewを3相交流の各相に対応するパワートランジスタに供給し、これによりモータ11を駆動制御可能とする。EPSは供給電源を示す。
アクチュエータ10は、電動モータ11に電磁ブレーキ43を備え、電動モータ11の停止制御時や、電動モータ11への供給電源がオフしたときに、モータ軸11Aを拘束してその空転を制動する。
アクチュエータ10は、油圧シリンダ31に連結した出力軸10A(弁棒1A)に作用するスラスト力を検出するためのスラスト力検出器50を備える。スラスト力検出器50は出力軸10Aに添付される歪ゲージにて構成できる。スラスト力検出器50の検出結果tfはポジショナ40に付帯のスラスト力判断器51に転送される。スラスト力判断器51は、弁締切状態下におけるスラスト力検出器50の検出結果が弁棒スラスト力の変化を示すとき、停止制御状態にあるモータ11を再起動し、流体の温度変化により弁棒1Aに作用する過負荷或いは低負荷に対抗する最適トルクにてモータ11を駆動制御する。尚、弁締切状態におけるモータ11の空転を電磁ブレーキ43が制動しているから、スラスト力判断器51はモータ11の再起動時に電磁ブレーキ43を無制動状態に切換設定する。尚、スラスト力判断器51は常時スラスト力検出器50の検出結果を監視し、これにより調節弁1内の異常負荷(過負荷等)発生時にモータ11を緊急停止させ電磁ブレーキ43にて現状位置を保持し、前記異常状態が解消後、通常運転に自動復帰させる機能をも果たし、アクチュエータ10の信頼性、安全性を向上可能にする。
アクチュエータ10は以下の如く動作する。
(1)ポジショナ40は上位制御装置からの弁開度指令DSと、アクチュエータ出力軸10Aの現在位置を位置検出器41にて電気的な信号に変換された現在開度フィードバック信号FSを受け、現在開度が指令開度となるように、電動モータ11のトルクと速度を制御し、結果としてスラストコンバータ13のスラスト軸17A、17Bの推力とスピードを調節する。
(2)図1は、スラスト軸17Aの上限位置(弁開度で0%(全閉))を示すが、このとき、上位の制御装置からポジショナ40に開方向(例えば50%等)の開度指令DSが入力されると、この指令信号と現在開度フィードバック信号の偏差に基づきポジショナ40は、予め定められたスピードとトルクにて、電動モータ11を開方向に駆動する。結果としてスラストコンバータ13のスラスト軸17Bに下向きの推力を発生させる。この推力は電動モータ11のモータトルクとスピード及びスラストコンバータ13(遊星歯車装置14、平歯車装置15、ボールねじ装置16)の減速比によって決まる関数にて得られる値である。
(3)下向き推力を得たスラストコンバータ13のスラスト軸17Bは油圧ブースタ21B内の作動油を加圧する。尚、このとき油圧ブースタ21Bの作動油圧力Pはスラスト軸17Bの推力を油圧ブースタ21Bの断面積A1で除して得られる値である。油圧ブースタ21Bで加圧された作動油は出力用油圧シリンダ31の下油室34Bに導かれ、結果として出力用油圧シリンダ31のピストンロッド33に上向き推力を発生させる。尚、このときの推力は油圧ブースタ21Bのピストン22Bと出力用油圧シリンダ31のピストン32の断面積比A21/A1に作動油の圧力Pを乗じて得られる。
(4)一方、出力用油圧シリンダ31の上油室34A内の作動油は、上油圧ブースタ21A内に戻り、上油圧ブースタ21Aはアクチュエータ全開時(開度100%)にリザーバ26と導通する。
尚、電動モータ11の供給電源がオフした際におけるような手動操作時には、モータ11側の電源がオフされているためモータ11内の電磁ブレーキ43が無励磁となり、モータ軸11Aを拘束する。従って、手動操作ハンドル12Cにより、ウォーム12Bを介し内歯歯車14Cを回転すると、遊星歯車列14にてソーラー型(太陽歯車14Aが固定で、内歯歯車14Cを駆動する場合の遊星歯車減速機構を言う)として減速する。従って、手動操作ハンドル12Cの必要回転数を比較的少なくしながら、弁棒1Aを上下方向に駆動できる。
本実施例によれば以下の作用効果を奏する。
(a)電動モータ11のトルクがスラストコンバータ13により減速された後、更に油圧ブースタ21A、21Bと出力用油圧シリンダ31により倍力されアクチュエータ10の出力スラストとなる。従ってアクチュエータ10の出力スラストは負荷側の高頻度な圧力変動に対しても充分に大となり、調節弁1のポジションを高精度かつスムーズに制御できる。
(b)アクチュエータ10の減速比は、スラストコンバータ13の小なる機械的減速比と、油圧ブースタ21A、21Bと出力用油圧シリンダ31の大なる断面積比との積に比例しかつ一定のため、弁開度指令の変化に対する出力軸10Aの変化も一定となり、出力軸10Aのリニアリティ精度を確保できる。
(c)アクチュエータ10の減速比は主として油圧ブースタ21A、21Bと出力用油圧シリンダ31の断面積比に依存するため、スラストコンバータ13の小なる機械的伝達損失は殆ど無視でき、従ってアクチュエータ10全体の機械効率はスラストコンバータ13のみからなる場合に比べ極めて高いものとなる。
尚、アクチュエータ10はスラストコンバータ13を構成する歯車やボールねじ等の機械的減速部が極めて少なく、軽量かつコンパクトで省エネ型となる。
(d)ポジショナ40が、上位制御装置からの指令弁開度と現在弁開度との偏差に応じた開閉速度指令を演算し、開閉速度指令と電動モータ11による実際の開閉速度との偏差に基づいて演算される指令トルクにて電動モータ11を駆動制御するから、高精度かつスムーズで安定した調整弁のポジション制御が得られる。
(e)スラストコンバータ13が、歯車装置14、15の出力トルクをスラスト軸17A、17Bに伝えるボールねじ装置16と、スラスト軸17A、17Bの回り止め手段19とからなるものとすることにより、アクチュエータ10の機械伝達効率を更に向上させることができる。
(f)スラスト力検出器50により弁締切状態下における出力軸10Aのスラストをモニタすることにより、流体の温度変化による出力軸10A(弁棒1A)の過負荷或いは低負荷の適正化を図ることができる。また、弁中間開度状態におけるスラスト力検出器50の検出結果を監視することにより、調整弁の信頼性、安定性を向上できる。
(g)電動モータ11の供給電源がオフしたとき、電動モータ軸11Aを電磁ブレーキ43により拘束するとともに、手動操作手段により油圧シリンダ31、ひいては調節弁1の開度を手動操作できる。
尚、アクチュエータ10にあっては、電動モータ11の供給電源がオフしたときに油圧シリンダ31を手動操作可能とする手動操作手段として、油圧シリンダ31の両側油室34A、34Bの両方、又はいずれか一方に吐出油圧を供給可能にする手動油圧ポンプを用いるものでも良い。
従って、本発明によれば、弁駆動用アクチュエータにおいて、調節弁の開度を、(1)安定的(2)高精度かつ(3)高応答に駆動することができる。更に、重厚長大な機械的減速機構を非常に小型化できるため、軽量かつコンパクトでしかも動力伝達損失が極めて小さい高効率な弁駆動用アクチュエータを得ることができる。
以上、本発明の実施例を図面により詳述したが、本発明の具体的な構成はこの実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。
図1は弁駆動用電油圧式アクチェータを示す模式図である。 図2は図1の要部拡大図である。
符号の説明
1 調節弁
1A 弁棒
10 アクチュエータ
10A 出力軸
11 電動モータ
11A モータ軸
12 手動操作装置(手動操作手段)
13 スラストコンバータ
14、15 歯車装置
16 ボールねじ装置
17A、17B スラスト軸
19 回り止め手段
21A、21B 油圧ブースタ
22A、22B ピストン
31 油圧シリンダ
32 ピストン
33 ピストンロッド
34A、34B 油室
40 ポジショナ
43 電磁ブレーキ
50 スラスト力検出器

Claims (5)

  1. 電動モータにより出力軸を直線駆動する弁駆動用電油圧式アクチュエータにおいて、
    電動モータの回転運動を直線運動に変換するスラストコンバータを設けるとともに、
    スラストコンバータの両側に油圧ブースタを設け、スラストコンバータの両側スラスト軸のそれぞれを各油圧ブースタのピストンに連結し、
    両油圧ブースタに接続される油圧シリンダを設け、油圧シリンダのピストンロッドに出力軸を連結し、各油圧ブースタの油圧を油圧シリンダのピストンを挟む両側油室のそれぞれに供給可能にしたことを特徴とする弁駆動用電油圧式アクチュエータ。
  2. 前記電動モータを駆動制御するポジショナを有し、ポジショナは、上位制御装置からの指令弁開度と現在弁開度との偏差に応じた開閉速度指令を演算し、開閉速度指令と電動モータによる実際の開閉速度との偏差に基づいて演算される指令トルクにて電動モータを駆動制御する請求項1に記載の弁駆動用電油圧式アクチュエータ。
  3. 前記スラストコンバータが、電動モータ軸に連結される歯車装置と、歯車装置の出力トルクをスラスト軸に伝えるボールねじ装置と、スラスト軸の回り止め手段とからなる請求項1又は2に記載の弁駆動用電油圧式アクチュエータ。
  4. 前記油圧シリンダに連結した出力軸にスラストモニタ用のスラスト力検出器を設けた請求項1〜3のいずれかに記載の弁駆動用電油圧式アクチュエータ。
  5. 前記電動モータの供給電源がオフしたときに電動モータ軸を拘束するブレーキを備えるとともに、油圧シリンダを手動操作可能にする手動操作手段を付加した請求項1〜4のいずれかに記載の弁駆動用電油圧式アクチュエータ。
JP2004185543A 2004-06-23 2004-06-23 弁駆動用電油圧式アクチュエータ Withdrawn JP2006009876A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004185543A JP2006009876A (ja) 2004-06-23 2004-06-23 弁駆動用電油圧式アクチュエータ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004185543A JP2006009876A (ja) 2004-06-23 2004-06-23 弁駆動用電油圧式アクチュエータ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2006009876A true JP2006009876A (ja) 2006-01-12

Family

ID=35777351

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004185543A Withdrawn JP2006009876A (ja) 2004-06-23 2004-06-23 弁駆動用電油圧式アクチュエータ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2006009876A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009209934A (ja) * 2008-02-29 2009-09-17 General Electric Co <Ge> ガスタービンエンジンの流体流調整方法および装置
CN113531195A (zh) * 2021-06-24 2021-10-22 西安航天动力试验技术研究所 高压低温大流量阀门的建压速率控制系统及控制方法
CN115664105A (zh) * 2022-12-28 2023-01-31 东莞市特姆优传动科技有限公司 一种具有防护功能的太阳能板电动推杆

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009209934A (ja) * 2008-02-29 2009-09-17 General Electric Co <Ge> ガスタービンエンジンの流体流調整方法および装置
CN113531195A (zh) * 2021-06-24 2021-10-22 西安航天动力试验技术研究所 高压低温大流量阀门的建压速率控制系统及控制方法
CN115664105A (zh) * 2022-12-28 2023-01-31 东莞市特姆优传动科技有限公司 一种具有防护功能的太阳能板电动推杆
CN115664105B (zh) * 2022-12-28 2023-03-10 东莞市特姆优传动科技有限公司 一种具有防护功能的太阳能板电动推杆

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20220025910A1 (en) Self-contained energy efficient hydraulic actuator system
JP5539900B2 (ja) スプール・バルブ用アクチュエータ
JP4877657B2 (ja) 電動アクチュエータ
JP2631635B2 (ja) 電動式調節弁駆動用リニアアクチュエータ
EP2765276A1 (en) Steam turbine
CN105020458A (zh) 蝶阀用电液执行器
CN104864061A (zh) 一种电液混合驱动的丝杠传动系统及其控制方法
CN102889254A (zh) 一种双驱动伺服阀及其控制方法
AU2017422789A1 (en) Gate valve and gate valve control method
JP2006009876A (ja) 弁駆動用電油圧式アクチュエータ
JP3883677B2 (ja) 液圧装置
WO2000075483A1 (en) Actuator
US8847533B2 (en) Actuator
US8973605B2 (en) Actuating device for housed or housingless valves
CN109441895A (zh) 一种伺服电液驱动器
KR101868328B1 (ko) 로터리 엔코더 내장형 삼상 벡터제어 멀티턴 액추에이터
CN202597325U (zh) 一种直驱式电液伺服执行器
WO2010044733A1 (en) Method and arrangement for propeller pitch control
CN113294455B (zh) 用于离合器的电液执行机构及其控制方法
CN212775856U (zh) 小型集成化变速主汽门执行器
US20160290173A1 (en) Adjusting valve drive mechanism and steam turbine
US20150041696A1 (en) Valve drive for actuating a valve
GB2532304A (en) Improvement to drill pipe torque control device
KR20050040205A (ko) 능동 전륜 조향 시스템의 페일세이프 제어방법
JPS6215549Y2 (ja)

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20070904