JP2006007608A - パターン複製版とその製造方法及び光回折体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】パターン複製版10は、複製版11と、微細パターン12などとを備え、複製版11は、光の干渉を起こす光回折パターンを転写するための光回折パターン型21を有するガラス原版20から、少なくともその光回折パターン型21が複製されたものであり、微細パターン12は、複製版11の光回折パターン型21上に形成され、所定の幅の直線を所定のピッチで並べられ、直線の方向が異なる部分を有する万線パターンがパターニングされたものであり、このパターン複製版10を電離放射線硬化樹脂などに押し付けて光回折体を作製する。
【選択図】図1
Description
したがって、作製された原版は、金庫に保管されるような、非常に貴重なものであった。
それは、上述したコストの面を考慮すると、なんども原版を作製するわけにはいかず、例えば、会社全体で使用するのであれば、どの部署やどの製品にも使用できるように、共通の画像を用いる必要があった。
ところが、いったん原版が作製された後に、ホログラムの画像の内容を変更したり、別のホログラム画像を付加したりすることは、不可能である。
そこで、新たな原版を作製することも考えられるが、何個も何個もホログラムの原版を作製することは、上述した経済的な事情により、ほとんど不可能な状況にあった。
請求項1の発明は、光の干渉を起こす光回折パターンを転写するための光回折パターン型(21)を有する原版(20)から、少なくともその光回折パターン型(21)が複製された複製版(11)と、前記複製版(11)の光回折パターン型(21)上に形成され、所定の形状がパターニングされた微細パターン(12)と、を備えるパターン複製版である。
図1は、本発明によるパターン複製版の実施例を示す図であり、図2は、各パターンを示す図である。
本実施例のパターン複製版10は、後述する光回折体100を作製するためのものであり、図1(#9)に示すように、複製版11と、微細パターン12などとを備える。
このガラス原版20に記録されている画像は、例えば、図2(A)に示すように、多角形の画像とリボンの画像である。
この微細パターン12は、直線の方向が異なる部分を有し、具体的には、図2(B)に示すように、文字「A」やマーク「星」などが右肩上がりの直線で形成された付加画像のエリアA1と、右肩下がりの直線で形成された背景画像のエリアA2とからなる。
その理由は、30μmよりもピッチが小さいと、製造が困難であるとともに、光回折パターンとの関係で光学的な影響がでてしまうからであり、300μmよりもピッチが大きいと、万線パターンの各直線の1本1本が、視認できるようになってしまうからである。
(#1)ガラス原版20を用意する。
(#2)ガラス原版20の光回折パターン型21に電離放射線硬化樹脂30を塗布し、硬化させる。
(#3)ガラス原版20をはずして、返し版40を作製する。この状態で、返し版40には、光回折パターン型21とは逆さまの逆型21Aが複製されている。
(#5)返し版40をはずして、複製版11を作製する。この状態で、複製版11には、ガラス原版20と同様の光回折パターン型21が複製されている[#1〜#5:複製工程]。
(#6)複製版11の光回折パターン型21上に感光材料50を塗布する[塗布工程]。
(#8)パターンフィルム60の上方から露光し、感光材料50を硬化させて、複製版11の光回折パターン型21上に微細パターン12を形成する[形成工程]。
(#9)露光していない部分の感光材料50を洗浄し、パターン複製版10が完成する。
また、感光材料とは、光の作用によって硬化する性質の樹脂であり、例えば、感光性エマルジョン、アクリル、ポリエステル、ナイロン、ポリビニルアルコールなどである。
図3は、光回折体の製造方法を示す図であり、図4は、光回折体の平面図である。
まず、図3(A)に示すように、上述した通りに作製したパターン複製版10と、電離放射線硬化樹脂30とを用意する。
ついで、図3(B)に示すように、電離放射線硬化樹脂30にパターン複製版10を押し付け、そのままの状態で、電離放射線硬化樹脂30を硬化させる。
そして、図3(C)に示すように、パターン複製版10をはずすと、多数の凸部100a及び凹部100bを有する微細パターンと、その凸部100aに設けられた光回折パターン100cとを備える光回折体100が完成する。
また、エリアAについては、エリアA1とエリアA2とで万線パターンの直線の方向が異なるため、各々を区別して視認することもできる。
(1)複製版11の光回折パターン型21上に微細パターン12を形成したので、新たなガラス原版を作製しなくても、光回折パターンに「星」や「A」などの付加情報を追加することができ、ガラス原版の再作製と比較して、コストを大幅に抑えることができる。
(2)微細パターン12には、万線パターンを用いているので、各直線の間から光回折パターンの画像を視認することができ、光回折パターンの画像を活かしながら、付加情報を追加することができる。
(4)付加情報を追加することができるので、ガラス原版20は、任意のものが使用でき、例えば、ある用途に対して作製したガラス原版20を流用することによって、異なる識別マークを有する光回折体100を経済的に作製することができる。
(6)微細パターンの凸部100aに光回折パターン100cを設けたので、偽造がより困難となり、セキュリティ性が向上し、偽造防止対策にも好適である。
以上説明した実施例に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の均等の範囲内である。
微細パターン12は、万線パターンの例で説明したが、微小な点を規則的に並べた網点パターンでもよい。その場合には、各エリアは、密度が異なる部分を設けることによって区別することができる。
また、電離放射線硬化樹脂30は、加熱により軟化して種々の形に加工することができる熱可塑性樹脂や、加熱すると重合反応して熱硬化性を示す熱硬化性樹脂などであってもよい。
11 複製版
12 微細パターン
20 ガラス原版
21 光回折パターン型
21A 逆型
30 電離放射線硬化樹脂
40 返し版
50 感光材料
60 パターンフィルム
100 光回折体
100a 凸部
100b 凹部
100c 光回折パターン
Claims (7)
- 光の干渉を起こす光回折パターンを転写するための光回折パターン型を有する原版から、少なくともその光回折パターン型が複製された複製版と、
前記複製版の光回折パターン型上に形成され、所定の形状がパターニングされた微細パターンと、
を備えるパターン複製版。 - 請求項1に記載のパターン複製版において、
前記微細パターンは、所定の幅の直線を所定のピッチで並べた万線パターンであること、
を特徴とするパターン複製版。 - 請求項2に記載のパターン複製版において、
前記万線パターンは、直線の方向が異なる部分を有すること、
を特徴とするパターン複製版。 - 請求項1に記載のパターン複製版において、
前記微細パターンは、微小な点を規則的に並べた網点パターンであること、
を特徴とするパターン複製版。 - 請求項4に記載のパターン複製版において、
前記網点パターンは、密度が異なる部分を有すること、
を特徴とするパターン複製版。 - 光の干渉を起こす光回折パターンを転写するための光回折パターン型を有する原版から、少なくともその光回折パターン型が複製された複製版を作製する複製工程と、
前記複製版の光回折パターン型上に感光材料を塗布する塗布工程と、
前記感光材料の上方に、所定の形状がパターニングされた微細パターンを記録しているマスク層を配置する配置工程と、
前記マスク層の上方から露光し、前記感光材料を硬化させて、前記複製版の光回折パターン型上に前記微細パターンを形成する形成工程と、
を備えるパターン複製版の製造方法。 - 多数の凸部及び凹部を有する微細パターンと、
前記凸部に設けられ、光の干渉を起こす光回折パターンと、
を備える光回折体。
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