JP2006006800A - 車椅子の補助駆動装置および車椅子 - Google Patents

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Shuji Shiomi
修司 塩見
Takashi Yokoi
孝志 横井
Kiichi Ikeda
喜一 池田
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Abstract

【課題】 ゼンマイ式の車椅子の補助駆動装置および車椅子を提供する。
【解決手段】 補助動力伝達機構34のゼンマイバネ28を巻き上げる際には、車椅子を前進させることによってシャフト26を回転させ、シャフト26の回転力を、シャフト側クラッチ44、1次傘歯車50、連結傘歯車54、2次傘歯車52、遊星ギヤ装置58およびスリーブ30等を介してゼンマイバネ28に付与する。一方、補助動力を使用する際には、ゼンマイバネ28の復元による回転力を、スリーブ30、ゼンマイ側クラッチ42およびシャフト側クラッチ44を介してシャフト26に付与する。
【選択図】 図3

Description

本発明は、ゼンマイバネの復元による回転力を車椅子の補助動力として用いるようにした、車椅子の補助駆動装置および車椅子に関する。
従来の車椅子の駆動方式には、「手動式」と「電動式」とがあるが、「手動式」では、人力に頼るため、車椅子での行動範囲が制限されるという問題があり、「電動式」では、モータを駆動するバッテリを頻繁に充電しなければならないため、利便性において問題があった。そこで考えられたのが「ゼンマイ式」の車椅子であり、その一例が特開2001−37817号(特許文献1)に開示されている。
特開2001−37817号
従来の「ゼンマイ式」の車椅子(特許文献1)では、ゼンマイの動力を利用しているので、これを実施することができるならば、「手動式」の車椅子に比べて行動範囲を広げることができ、「電動式」の車椅子に比べて利便性を高めることができる。
しかし、特許文献1では、「ゼンマイを巻き上げるための構成」や、「ゼンマイに蓄えられた力を動力として取り出すための構成」についての開示が不十分なため、当業者がその記載を見たとしても、当該車椅子を実施することはできなかった。つまり、特許文献1に記載された発明は、未だ着想の段階にあり、その着想を具体化するには至っていなかった。
それゆえに、本発明の主たる目的は、現に実施することのできるゼンマイ式の車椅子の補助駆動装置および車椅子を提供することである。
請求項1に記載した発明は、「駆動輪14が取り付けられたシャフト26、シャフト26の外周に取り付けられたゼンマイバネ28、シャフト26の外周に回転自在に取り付けられ、ゼンマイバネ28の一端が固定されたスリーブ30、シャフト26の前進方向の回転による回転力を、スリーブ30を介してゼンマイバネ28に付与するゼンマイ巻上機構32、およびゼンマイバネ28の復元による回転力を、スリーブ30を介してシャフト26に前進方向の回転力として付与する補助動力伝達機構34を備える、車椅子10の補助駆動装置18」である。
この発明において、ゼンマイバネ28を巻き上げる際には、車椅子10を前進させることによって駆動輪14およびシャフト26を回転させ、シャフト26の回転力を、スリーブ30を介してゼンマイバネ28に付与する。一方、上り坂等において補助動力を使用する際には、ゼンマイバネ28の復元による回転力を、スリーブ30を介してシャフト26に前進方向の回転力として付与する。
請求項2に記載した発明は、請求項1に記載した「車椅子10の補助駆動装置18」において、「ゼンマイ巻上機構32は、シャフト26の回転に伴って回転される1次傘歯車50と、スリーブ30と一体となって回転される2次傘歯車52と、1次傘歯車50の回転力を2次傘歯車52へ伝達する連結傘歯車54とを備える」ことを特徴とする。
この発明では、シャフト26の回転力が、1次傘歯車50、連結傘歯車54および2次傘歯車52を介してスリーブ30に与えられる。
請求項3に記載した発明は、請求項1または2に記載した「車椅子10の補助駆動装置18」において、「補助動力伝達機構34は、シャフト26に固定されたシャフト側クラッチ44と、スリーブ30に固定されたゼンマイ側クラッチ42と、シャフト側クラッチ44とゼンマイ側クラッチ42とを必要に応じて連結するクラッチ連結機構68とを備える」ことを特徴とする。
この発明では、ゼンマイバネ28の復元による回転力が、スリーブ30、ゼンマイ側クラッチ42およびシャフト側クラッチ44を介してシャフト26に与えられる。
請求項4に記載した発明は、請求項2または3に記載した「車椅子10の補助駆動装置18」において、「連結傘歯車54は、一方向へのみ回転可能なトルクキープ歯車であり、1次傘歯車50および2次傘歯車52から離脱可能である」ことを特徴とする。
この発明では、連結傘歯車54が2次傘歯車52に噛み合っている限り、2次傘歯車52が逆回転されることはなく、ゼンマイバネ28に蓄えられた力が解放されることはない。一方、1次傘歯車50および2次傘歯車52から連結傘歯車54が離脱されると、2次傘歯車52が回転可能となり、ゼンマイバネ28に蓄えられた力が解放される。
請求項5に記載した発明は、請求項2ないし4のいずれかに記載した「車椅子10の補助駆動装置18」において、「ゼンマイバネ28の巻上数が所定数に達したときに、1次傘歯車50を連結傘歯車54から離脱させる巻上停止機構36を備える」ことを特徴とする。
1次傘歯車50を連結傘歯車54から離脱させると、シャフト26の回転力がスリーブ30に与えられなくなるため、ゼンマイバネ28の巻き上げ動作が停止される。
請求項6に記載した発明は、請求項2ないし5のいずれかに記載した「車椅子10の補助駆動装置18」において、「1次傘歯車50は、前進時に噛み合うラチェットギヤ48を介してシャフト26の外周に取り付けられている」ことを特徴とする。
この発明では、車椅子10が前進するときには、ラチェットギヤ48が噛み合うことによって1次傘歯車50がシャフト26と共に回転し、車椅子10が後退するときには、ラチェットギヤ48が噛み合わないため、1次傘歯車50がシャフト26に対して空回りする。
請求項7に記載した発明は、「座席部12aの両側に配置された駆動輪14のそれぞれに請求項1ないし6のいずれかに記載した補助駆動装置18を取り付けた、車椅子10」である。
この発明は、請求項1ないし6のいずれかに記載した補助駆動装置18が組み込まれた車椅子10であり、ゼンマイバネ28が復元するときの回転力を補助動力として用いることができる。
この発明によれば、ゼンマイ巻上機構によってゼンマイバネを巻き上げることができ、ゼンマイバネに蓄えられた力を、補助動力伝達機構によって駆動輪に伝達することができる。ゼンマイバネを巻き上げる際には、車椅子を前進させることによって駆動輪およびシャフトを回転させ、シャフトの回転力を、スリーブを介してゼンマイバネに付与する。したがって、坂を下るときの重力エネルギーを利用してゼンマイバネを楽に巻き上げることができ、そのときのゼンマイバネの反力をブレーキとして利用することもできる。
図1および図2を参照して、本発明が適用された車椅子10は、フレーム12、駆動輪14、補助輪16および補助駆動装置18等を備えている。
フレーム12は、アルミニウム等のような金属パイプによって折り畳み自在に構成されたものであり、座席部12a、肘掛部12b、介護用ハンドル12c、足載部12d等を有している。そして、座席部12aの両側には、駆動輪14が取り付けられており、駆動輪14の前方であって足載部12dの近傍には、補助輪16が取り付けられている。また、座席部12aには、座席シート20が取り付けられており、座席部12aの下方には、補助駆動装置18が取り付けられている。
各駆動輪14は、使用者の人力や補助駆動装置18の動力が伝達される車輪であり、各駆動輪14には、使用者が操作するリング状の駆動ハンドル22(図2)が一体的に設けられている。一方、各補助輪16は、フレーム12の前部を支持するものであり、方向転換が容易なように、首振り自在に構成されている。
補助駆動装置18は、各駆動輪14に対して個別に取り付けられたものであり、図3〜図6に示すように、ハウジング24、駆動輪14が取り付けられたシャフト26、シャフト26の外周に取り付けられたゼンマイバネ28、シャフト26の外周に回転自在に取り付けられ、ゼンマイバネ28の一端が連結されたスリーブ30、シャフト26の前進方向の回転による回転力を、スリーブ30を介してゼンマイバネ28に付与するゼンマイ巻上機構32、ゼンマイバネ28の復元による回転力を、スリーブ30を介してシャフト26に前進方向の回転力として付与する補助動力伝達機構34、ゼンマイバネ28の巻き上げを停止させる巻上停止機構36および足踏式巻上装置38を備えている。
ハウジング24は、補助駆動装置18の各構成部品が組み付けられる基台となるものであり、図3に示すように、ハウジング24の中央部においてシャフト26が軸受24aによって回転自在に支持されている。
ゼンマイバネ28は、長尺の金属板を渦巻き状に巻いたものであり、ゼンマイバネ28の中心側の端部はスリーブ30に固定されており、外周側の端部はハウジング24に固定されている。したがって、スリーブ30が回転されると、ゼンマイバネ28が巻き上げられ、ゼンマイバネ28に復元しようとする力が蓄えられる。
スリーブ30は、シャフト26の外周に回転自在に取り付けられた筒状部材であり、図4に示すように、ゼンマイバネ28が取り付けられる本体部30aと、本体部30aの一端に形成された袋状部30bとを有しており、袋状部30bの内側には、ラチェットギヤ40を介してゼンマイ側クラッチ42が取り付けられている。
ラチェットギヤ40は、ゼンマイバネ28が復元するときの回転力によってスリーブ30が回転する方向で噛み合い、その逆の方向では噛み合わないように構成されている。したがって、ゼンマイバネ28が復元するときの回転力が、スリーブ30およびラチェットギヤ40を介してゼンマイ側クラッチ42に伝達される。
ゼンマイ巻上機構32は、図3および図4に示すように、シャフト26の外周にシャフト側クラッチ44、ホルダー46およびラチェットギヤ48を介して取り付けられた1次傘歯車50と、スリーブ30の外周に固定的に取り付けられた2次傘歯車52と、1次傘歯車50および2次傘歯車52に噛み合わされ、1次傘歯車50の回転力を2次傘歯車52へ伝達する連結傘歯車54と、1次傘歯車50および2次傘歯車52から連結傘歯車54を離脱させる離脱機構56(図6)と、遊星ギヤ装置58とによって構成されている。
ホルダー46は、シャフト側クラッチ44が挿通される孔46aを有しており、孔46aの内面には、軸方向へ延びる溝46bが形成されている。そして、シャフト側クラッチ44の外面に取り付けられたキー44aが溝46bに嵌め合わされている。したがって、ホルダー46は、シャフト側クラッチ44に対して周方向へは移動しないが、軸方向へは移動可能である。
ラチェットギヤ48は、車椅子10が前進するときにシャフト26が回転する方向で噛み合い、その逆の方向では噛み合わないように構成されている。したがって、車椅子10が前進するときには、シャフト26の回転力がシャフト側クラッチ44、ホルダー46およびラチェットギヤ48を介して1次傘歯車50に伝達され、車椅子10が後退するときには、1次傘歯車50が空転される。
連結傘歯車54は、一方向へのみ回転可能なトルクキープ歯車である。したがって、連結傘歯車54が2次傘歯車52に噛み合っている限り、2次傘歯車52が逆回転されることはなく、ゼンマイバネ28に蓄えられた力が解放されることはない。一方、1次傘歯車50および2次傘歯車52から連結傘歯車54が離脱されると、2次傘歯車52が逆回転可能となり、ゼンマイバネ28に蓄えられた力が解放される。
離脱機構56は、図6に示すように、連結傘歯車54の軸54aを支持する支持部56aと、支持部56aに回動可能に設けられたL状のレバー56bと、連結傘歯車54を押し上げるコイルバネ(図示省略)とを有しており、連結傘歯車54の軸54aとレバー56bの一端とが回動可能に連結されている。そして、レバー56bの他端にはワイヤー56cの一端が連結されており、ワイヤー56cの他端がフレーム12の介護用ハンドル12cに取り付けられた駆動レバー56d(図1、図2)に連結されている。したがって、駆動レバー56dを握ると、1次傘歯車50および2次傘歯車52から連結傘歯車54が離脱され、ゼンマイバネ28に蓄えられた力が補助動力として取り出される。一方、駆動レバー56dから手を離すと、連結傘歯車54が2次傘歯車52に噛み合うことによってスリーブ30の回転が停止される。
遊星ギヤ装置58は、図7に示すように、内周にギヤ60aが形成された円形の孔60bを有する枠体60と、孔60bの中心部に配置された太陽ギヤ62と、太陽ギヤ62の周囲に配置され、ギヤ60aと太陽ギヤ62とに噛み合わされた複数の遊星ギヤ64とを有している。そして、太陽ギヤ62の中心部に形成された孔62aにスリーブ30が挿通されており、スリーブ30に対して太陽ギヤ62が固着されている。一方、各遊星ギヤ64の回転軸64aは、2次傘歯車52の側面に固着されている。したがって、2次傘歯車52が回転されると、各遊星ギヤ64が回転されることによって太陽ギヤ62が回転され、それに伴ってスリーブ30が回転される。
このように、ゼンマイ巻上機構32では、車椅子10の前進時におけるシャフト26の回転力が、シャフト側クラッチ44、ホルダー46、ラチェットギヤ48、1次傘歯車50、連結傘歯車54、2次傘歯車52、遊星ギヤ装置58およびスリーブ30を介してゼンマイバネ28に与えられ、それによってゼンマイバネ28が巻き上げられる。
補助動力伝達機構34は、図3および図4に示すように、シャフト26の外周に固定されたシャフト側クラッチ44と、スリーブ30に固定されたゼンマイ側クラッチ42と、シャフト側クラッチ44とゼンマイ側クラッチ42との間に配置されたコイルバネ66と、シャフト側クラッチ44とゼンマイ側クラッチ42とを連結操作するクラッチ連結機構68とを備えている。
クラッチ連結機構68は、図3に示すように、ハウジング24の上部に回動可能に取り付けられた回動アーム68aと、ハウジング24の下部に回動自在に取り付けられた作動アーム68bとを有しており、回動アーム68aの下端と作動アーム68bの上端とが回動自在に連結されている。そして、作動アーム68bの中央部がシャフト側クラッチ44に係止されており、回動アーム68aの上端にワイヤー68cの一端が連結されており、ワイヤー68cの他端が介護用ハンドル12cに取り付けられたクラッチレバー68d(図1、図2)に連結されている。
したがって、クラッチレバー68dを「ON」の位置に倒すと、ワイヤー68cを介して回動アーム68aが引かれることによって作動アーム68bが回動され、作動アーム68bの中央部に係止されたシャフト側クラッチ44がゼンマイ側クラッチ42の側へ移動される。これにより、シャフト側クラッチ44とゼンマイ側クラッチ42とがコイルバネ66を圧縮しながら連結される。一方、クラッチレバー68dを「OFF」の位置に倒すと、コイルバネ66の復元力によってシャフト側クラッチ44とゼンマイ側クラッチ42とが切り離される。
巻上停止機構36は、図5、図6および図10に示すように、2次傘歯車52に噛み合わされた傘歯車36aと、傘歯車36aの回転に伴って回転されるギヤユニット36bと、ギヤユニット36bの出力軸に取り付けられたカム36c(図10)と、カム36cによって作動される揺動アーム36d(図10)とを有している。そして、揺動アーム36dの一端が1次傘歯車50の連結部50aに連結されており、揺動アーム36dの他端近傍にカム36cが配置されている。
したがって、2次傘歯車52が回転されることによってゼンマイバネ28の巻上げが開始されると、図10(A)に示すように、その巻上数に応じてカム36cが回転され、巻上数が所定数に達すると、図10(B)に示すように、カム36cが揺動アーム36dの他端を押し下げる。すると、揺動アーム36dの一端に係止された1次傘歯車50の連結部50aが引っ張られ、1次傘歯車50が連結傘歯車54から離脱される。
足踏式巻上装置38は、介護者が足で踏むことによってゼンマイバネ28を巻き上げるためのものであり、図8に示すように、外周部に鋸歯状のギヤを有する円盤部38aと、円盤部38aの周囲に配置された作動リング38bと、作動リング38bに固定された作動アーム38cと、作動アーム38cの先端に連結された足掛アーム38dと、足掛アーム38dの下端に取り付けられた足掛部38eとを有している。そして、作動リング38bの内周部には、円盤部38aの鋸歯に係止される係止爪38fが取り付けられており、作動リング38bの外周部には、回動された作動リング38bを元の位置へ引き戻すためのバネ38gが取り付けられている。
車椅子10を手動式の車椅子として用いる場合には、介護者は、クラッチレバー68dを「OFF」の位置に倒した状態で介護用ハンドル12cを操作する。クラッチレバー68dを「OFF」の位置に倒した状態では、コイルバネ66(図4)によってシャフト側クラッチ44とゼンマイ側クラッチ42とが切り離されるので、連結傘歯車54から1次傘歯車50が離脱される。したがって、車椅子10の前進時または後退時にシャフト26が回転されたとしても、その回転力がゼンマイバネ28に与えられることはない。
一方、車椅子10をゼンマイ式の車椅子として用いる場合には、すなわち補助駆動装置18を作動させる場合には、介護者がクラッチレバー68dを「ON」の位置に倒し、図9に示すように、シャフト側クラッチ44とゼンマイ側クラッチ42とを噛み合わせる。そして、車椅子10を前進させることによってシャフト26を回転させ、その回転力を、シャフト側クラッチ44、ホルダー46、ラチェットギヤ48、1次傘歯車50、連結傘歯車54、2次傘歯車52、遊星ギヤ装置58およびスリーブ30を介してゼンマイバネ28に付与し、ゼンマイバネ28を巻き上げる。ゼンマイバネ28の巻上数が所定数に達すると、図10(B)に示すように、カム36cが揺動アーム36dを押し下げることによって、1次傘歯車50が連結傘歯車54から離脱される。つまり、巻上停止機構36(図5、図6)が働くことによってゼンマイバネ28の巻上動作が停止される。この状態では、図11に示すように、トルクキープギヤである連結傘歯車54が2次傘歯車52に噛み合っているので、ゼンマイバネ28に蓄えられた力が解放されることはない。
ゼンマイバネ28に蓄えられた力を補助動力として使用する際には、クラッチレバー68dを「ON」の位置に倒した状態で、駆動レバー56dを握ることによって離脱機構56を作動させる。すると、図12に示すように、連結傘歯車54が引き下げられて2次傘歯車52から離脱され、ゼンマイバネ28に蓄えられた力が解放される。つまり、ゼンマイバネ28が復元するときの回転力が、スリーブ30、ゼンマイ側クラッチ42およびシャフト側クラッチ44を介してシャフト26に与えられ、駆動輪14が前進方向へ回転される。
スリーブ30の外周に取り付けられた2次傘歯車52には、カム36c(図10)を作動させる傘歯車36aが常時噛み合っているので、ゼンマイバネ28の補助動力を使用するときには、ゼンマイバネ28を巻き上げるときとは逆の方向へカム36c(図10)が回転されることになる。したがって、ゼンマイバネ28の巻戻し数が巻上数と同じ(巻戻し数=巻上数)になったとき、すなわちゼンマイバネ28の補助動力の全部が解放されたとき、1次傘歯車50が連結傘歯車54と噛み合う位置まで戻される。
補助動力を途中で解除したい場合には、駆動レバー56dから手を離すだけでよい。駆動レバー56dから手を離すと、連結傘歯車54が2次傘歯車52に噛み合うことによってスリーブ30の回転が停止される。
この実施例によれば、車椅子10を前進させることによって駆動輪14およびシャフト26を回転させ、シャフト26の回転力でゼンマイバネ28を巻き上げるようにしているので、坂を下るときの重力エネルギーを利用してゼンマイバネ28を巻き上げることができる。
本発明の車椅子の駆動方式は、「手動式」に拘わらず「ゼンマイ」を利用することで、ある程度「電動式」のような駆動を可能にするものであり、「手動式車椅子」に活用することで車椅子の利便性を非常に高いものにすることが出来た。
車椅子の使用状態を示す側面図である。 車椅子を示す背面図である。 補助駆動装置を示す断面図(正面)である。 補助駆動装置を示す分解図である。 補助駆動装置を示す断面図(平面)である。 離脱機構を示す断面図である。 遊星ギヤ装置を示す断面図である。 足踏式巻上装置を示す断面図である。 クラッチを噛み合わせた状態を示す断面図である。 揺動アームの動作を示す図である。 1次傘歯車を連結傘歯車から離脱させた状態を示す断面図である。 連結傘歯車を2次傘歯車から離脱させた状態を示す断面図である。
符号の説明
10… 車椅子
18… 補助駆動装置
26… シャフト
28… ゼンマイバネ
30… スリーブ
32… ゼンマイ巻上機構
34… 補助動力伝達機構
36… 巻上停止機構
38… 足踏式巻上装置
42… ゼンマイ側クラッチ
44… シャフト側クラッチ
50… 1次傘歯車
52… 2次傘歯車
54… 連結傘歯車
56… 離脱機構
58… 遊星ギヤ装置
68… 連結機構

Claims (7)

  1. 駆動輪が取り付けられたシャフト、
    前記シャフトの外周に取り付けられたゼンマイバネ、
    前記シャフトの外周に回転自在に取り付けられ、前記ゼンマイバネの一端が固定されたスリーブ、
    前記シャフトの前進方向への回転による回転力を、前記スリーブを介して前記ゼンマイバネに付与するゼンマイ巻上機構、および
    前記ゼンマイバネの復元による回転力を、前記スリーブを介して前記シャフトに前進方向の回転力として付与する補助動力伝達機構を備える、車椅子の補助駆動装置。
  2. 前記ゼンマイ巻上機構は、前記シャフトの回転に伴って回転される1次傘歯車と、前記スリーブと一体となって回転される2次傘歯車と、前記1次傘歯車の回転力を前記2次傘歯車へ伝達する連結傘歯車とを備える、請求項1に記載の車椅子の補助駆動装置。
  3. 前記補助動力伝達機構は、前記シャフトに固定されたシャフト側クラッチと、前記スリーブに固定されたゼンマイ側クラッチと、前記シャフト側クラッチと前記ゼンマイ側クラッチとを必要に応じて連結するクラッチ連結機構とを備える、請求項1または2に記載の車椅子の補助駆動装置。
  4. 前記連結傘歯車は、一方向へのみ回転可能なトルクキープ歯車であり、前記1次傘歯車および前記2次傘歯車から離脱可能である、請求項2または3に記載の車椅子の補助駆動装置。
  5. 前記ゼンマイバネの巻上数が所定数に達したときに、前記1次傘歯車を前記連結傘歯車から離脱させる巻上停止機構を備える、請求項2ないし4のいずれかに記載の車椅子の補助駆動装置。
  6. 前記1次傘歯車は、前進時に噛み合うラチェットギヤを介して前記シャフトの外周に取り付けられている、請求項2ないし5のいずれかに記載の車椅子の補助駆動装置。
  7. 座席部の両側に配置された駆動輪のそれぞれに請求項1ないし6のいずれかに記載した補助駆動装置を取り付けた、車椅子。
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