JP2006006734A - スキー場施設、滑走床及びスキー場施設の造成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 低コストで滑走時のスキー板と滑走床との摩擦抵抗を低減して円滑な滑走を可能にすると共に、摩擦熱を抑えることで滑走性の低下やスキー板及び滑走床の劣化も防止する。
【解決手段】 滑走者が滑走具を使用して滑走する滑走エリアの地表面の少なくとも一部に滑走床を敷設したスキー場施設であって、前記滑走床5を、滑走エリア2の地表面4に主としてフッ素樹脂、シリコーン樹脂若しくはそれらの化合物から選択される樹脂の多数の小片・砕片・薄片・フィルム片・糸状片・シート片若しくは破片のチップ7を所定の厚さで積層若しくは堆積させて構成した。
【選択図】 図1

Description

本発明は、スキーなどの雪上を滑走する滑走遊戯を提供するスキー場施設、このスキー場施設用の滑走床及びスキー場の滑走エリアの造成方法に関する。なお、本明細書では、特に明記しない限り、「スキー」「スキーヤー」「スキー場」にはスノーボード、そりなどの滑走遊戯(競技)、その遊戯者(滑走者)、遊戯施設を含むものとする。また、スキー場には、ゲレンデの一部又は全部が壁や天井などで囲まれた屋内型スキー場、人工雪を利用したスキー場、人工芝などの雪の代替品を利用した人工スキー場の何れも含むものとする。
近年の地球温暖化などの影響により、スキーシーズン中のスキー場の雪不足が深刻化してきている。また、スキーヤーやスキー場施設の関係者の間には、スキーシーズンを少しでも長期間継続させたいという基本的な要請がある。そのため、スキー場では、空中にミストを噴霧して人工的に雪を降らせる人工降雪器や、氷塊を細かく粉砕して雪を製造する人工造雪器を設置して、雪不足を補ったりスキーシーズンの延長を企っている。
一方、スキーヤーにはオールシーズンに亘ってスキーを楽しみたいという根強いニーズがある。また、スキー場経営者には冬季以外のオフシーズンにもスキー場施設を有効利用したいという要請もある。そこで、最近は、人工芝生やウッドチップなどの雪の代替品を敷設した人工ゲレンデを備えたオールシーズン型の人工スキー場や、屋内スキー場が提供されてきている。このような人工スキー場施設や、人工ゲレンデ用の滑走床の一例として、例えば、以下の特許文献が提案されている。
特開平6−299144号公報 特開平8−276046号公報 特開平11−29904号公報 特開2001−32205号公報 特開2003−130514号公報
ところで、上記特許文献3などのように、滑走路を熱可塑性樹脂発泡体(ABS樹脂やポリウレタンなど)からなる人工芝生で構成すると、熱可塑性樹脂発泡体は一般的に摩擦抵抗(動摩擦係数)が大きいため、スピードが低下しスキーの操作性が低下するという問題がある。この問題を解決するため、この特許文献3では、熱可塑性樹脂発泡体の基盤に擬似葉を群立させ、この葉先を細くしたり、さらにその先端を丸く溶融させた溶融玉を形成した成型人工芝を用いている。これにより、スキー板をコロの機能で摩擦抵抗を低減し安全性を向上できるとする。
しかし、滑走路をこのように構成した場合でも、例えば、図5に示すように、滑走時に滑走者の体重で人工芝の葉先が進行方向に向かって撓んでしまうため、スキー板100と人工芝101とが点ではなく線若しくは面で接触することになる。そのため、摩擦抵抗が大きくなり滑走性が低下することになる。また、前記したように人工芝101の擬似葉102は基盤103上に群立されているため、スキー板100と連続的に接触することになり、摩擦熱が放熱されずスキー板100に蓄熱されていくことになる。そうすると、スキー板100の裏面(滑走面)に塗布したワックスが徐々に剥離されていき、数百m滑走するとほとんど滑走性が失われることになる。
また、雪の代替品として、特許文献1、5などのように、球状又はペレット状の発泡樹脂の表面を潤滑成分であるフッ素含有材料やシリコーンオイルなどでコーティングしたものを用いることも提案されている。
しかし、発泡樹脂の表面に潤滑成分をコーティングしただけでは、長期間に亘って滑走性を維持することは困難であると考えられる。そのため、例えばシーズン中にこの代替品を交換したり、潤滑成分を塗布し直す必要が生じる。
また、このような雪の代替品は、単価はそれほど高くないとしても、広大なゲレンデ全体に敷設するには膨大な量が必要になるため、結果的にコストが嵩むおそれがある。特に、前記のメンテナンスも必要となるため、ランニングコストも嵩むことになる。
本発明は上記の課題を解決するためになされたもので、低コストで滑走時のスキー板と滑走床との摩擦抵抗を低減して円滑な滑走を可能にすると共に、摩擦熱を抑えることで滑走性の低下やスキー板及び滑走床の劣化も防止できるスキー場施設、滑走床及びスキー場施設の造成方法を提供することを目的とする。
本発明の第1の主要な観点によれば、滑走者が滑走具を使用して滑走する滑走エリアの地表面の少なくとも一部に滑走床を敷設したスキー場施設であって、前記滑走床を、滑走エリアの地表面に主としてフッ素樹脂、シリコーン樹脂若しくはそれらの化合物から選択される樹脂の多数の小片・砕片・薄片・フィルム片・糸状片・シート片若しくは破片のチップを所定の厚さで積層若しくは堆積させて構成したことを特徴とするスキー場施設が提供される。
また、本発明の第2の主要な観点によれば、滑走者が滑走具を使用して滑走する滑走エリアの地表面の少なくとも一部に滑走床を敷設したスキー場施設であって、前記滑走床を、シート状・薄板状若しくはブロック状の滑走床本体と、この滑走床本体の表面に合成樹脂の多数の小片・砕片・薄片・フィルム片・糸状片・シート片若しくは破片のチップを所定の厚さで積層した表面層とから構成したことを特徴とするスキー場施設が提供される。
また、本発明の第3の主要な観点によれば、スキー場施設において、滑走者が滑走具を使用して滑走する滑走エリアの地表面の少なくとも一部に敷設される滑走床であって、前記滑走床を、シート状・薄板状若しくはブロック状の滑走床本体と、この滑走床本体の表面にフッ素樹脂若しくはシリコーン樹脂の一次成形品を成形する際に発生した小片・砕片・薄片・フィルム片・糸状片・シート片若しくは破片の端材を所定の厚さで積層若しくは堆積させた表面層とから構成したことを特徴とする滑走床が提供される。
さらに、本発明の第4の主要な観点によれば、滑走エリアとなる地表面に、降雪前・積雪前若しくは雪の補充時に、フッ素樹脂若しくはシリコーン樹脂の一次成形品を成形する際に発生した小片・砕片・薄片・フィルム片・糸状片・シート片若しくは破片の端材を所定の厚さで敷設して樹脂層を形成する樹脂層形成工程と、この樹脂層の表面に天然若しくは人工の雪を堆積させて滑走エリアを形成する滑走エリア形成工程とを備えることを特徴とするスキー場の滑走エリアの造成方法が提供される。
本発明によれば、滑走エリアの地表面に動摩擦係数が小さい樹脂のチップを所定厚さで積層するようにしたので、スキー板との摩擦抵抗を格段に低減でき、滑走性が低下することを有効に防止できる。また、このような樹脂チップとして、他に利用価値のない切削加工の端材をそのまま利用できるため、低コストでスキー場施設を整備できる。
なお、この発明の他の特徴と顕著な効果は、次の発明を実施するための最良の形態の項の記載と添付した図面とを参照することで、より明確に理解される。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。
(第1の実施形態))
図1は、本発明の一実施形態に係る人工スキー場施設を模式的に示した図である。このスキー場1は、図1(a)に示すように、所定の傾斜角をもって形成された滑走エリアとしてのゲレンデ2を備えている。
ゲレンデ2は、図1(b)の拡大断面図に示すように、鉄筋コンクリートなどの床構造体4の表面全体に滑走床5を敷設して形成されている。この滑走床5は、図2に示すように、床構造体4に固定されるシート状の滑走床本体6と、この滑走床本体6の表面に積層した表面層7とから構成される。なお、人工スキー場1は、図1(c)に示すように、前記ゲレンデ2を覆う屋根及び側壁が一体化されたドーム3を備えた屋内型の人工スキー場として構成しても良い。
滑走床本体6は、ナイロンやポリウレタンなどのシート状基材6aの表面に、可撓性を有する多数の針状部材(葉)6bを立設したブラシ状に形成されている。この滑走床本体6としては、従来例として説明した人工芝と同一の構造を採用でき、従来周知の方法で成形できるため、ここでは概略構成のみ説明する。
シート状基材6aは、厚みが5〜15cm、1辺が1m〜2mの矩形状に形成されているが、輸送や設置作業・現場での加工性等を考慮して任意の大きさのものを採用できる。この基材6aは、成形性やクッション性等を考慮して薄板状やブロック状とすることもできる。基材6aをシート状若しくは薄板状で形成する場合には、床構造体4との間に補強材や緩衝材を積層するのが好ましい。
針状部材6bは、衝撃吸収性やクッション性の観点で、根元から先端にかけて細く(狭く・薄く)なるように形成される。例えば、5〜20cmの長さで形成した場合、根元の直径(厚さ)を1.5mm、先端部の直径(厚さ)を0.5mm程度とする。また、針状部材6bは、5〜10本/cm程度の密度で立設される。図示の例では、放熱性を考慮してシート状基材6aの中央付近(20cm×20cm)には針状部材6bを設けていない。
前記表面層7は、図2に示すように、比較的長尺な樹脂のフィルム片・糸状片・シート片7aを集約し、その表面の一部に接着剤を塗布して樹脂の小片・砕片・薄片若しくは破片7bを接着して一体化させた樹脂シートによって形成される。この樹脂シートは、前記基材6aと同一の大きさであり、厚みは約5〜10cm程度とする。図2においては1の樹脂シート及び基材6aのみ示したが、複数の樹脂シート及び基材6aが滑走エリア全体に敷設される。また、樹脂シートは前記滑走床6の針状部材6bに2重、3重に積層しても良い。
ここで、本実施形態のような雪を全く利用しない人工スキー場においては、図2に示すように、スキー板と接する前記表面層7(樹脂シート)の表面に界面活性剤を塗布若しくは散布することが好ましい。これにより、樹脂シート表面の摩擦係数を一層低下させ滑走性を飛躍的に向上させることができる。このような界面活性剤は、家庭用洗剤などに使用される汎用品をそのまま利用できる。また、界面活性剤は滑走を繰り返すことでスキー板に付着するなどして徐々に減少していくため、所定周期で滑走面に散布するのが好ましい。
このようにして成形した表面層7を針状部材6bに積層すると、この表面層7を構成するフィルム片・糸状片若しくはシート片の樹脂チップの一部が針状部材6bの上端部と絡み合って一体化される。これにより、表面層7と針状部材6bとが一体となってクッション性・衝撃吸収性を向上させることができる。また、形態保持性が向上し、急斜面に設置した場合でもずり落ちることがなく、さらにスキーヤーのターンや転倒などによって前後左右方向に力がかかっても横ずれすることを有効に防止できる。
表面層7は、フッ素樹脂若しくはシリコーン樹脂の一次成形品を切削成形する際に発生した小片・砕片・薄片・フィルム片・糸状片・シート片若しくは破片の端材をそのまま利用した不連続若しくは不規則な形状・長さ・厚さ・重さの樹脂チップで構成される。これらの樹脂は、融点が高いなど成形性が良くないため、基礎材料を切削することによって製品が成形される。このような切削成形は、通常、成形精度を向上させるために、棒状、パイプ状若しくはブロック状の基礎材料を回転させカッターやニードルで徐々に削り取りながら所望の形状に成形するようにしている。そのため、成形の過程で、フィルム片・糸状片・シート片が多数発生する。また、板状若しくはシート状の基礎材料を切削加工する場合や、回転させながら切削することが困難な穴、孔、不連続な溝、模様などを成形する場合には、不連続若しくは不規則な形状・長さ・厚さ・重さの小片・砕片・薄片・破片が発生する。
このような端材(樹脂チップ)は、成形性が悪いため溶融させて二次成形品にリサイクルすることは困難である。また、不連続若しくは不規則な形状・長さ・厚さ・重さの小片・砕片・薄片・フィルム片・糸状片・シート片若しくは破片であるため、これらをさらに切削して他の製品に成形することもできない。
かかる事情により、このような端材は利用価値がなく従来は廃棄されていたものであるため、極めて安価に入手することができる。また、形状や厚さなどを揃えるための加工も全く必要なくそのまま利用できるため加工コストも不要で、広大なスキー場のゲレンデに敷設する場合でも、極めて低コストで行うことができるものである。
スキー場の滑走床を形成する樹脂という観点では、動摩擦係数が小さく、耐熱性、耐摩耗性、耐候性、撥水性等に優れたものであれば良いが、本実施形態の表面層7として好適な樹脂としては、さらに低コストという条件が必要となる。ここで言う低コストとは、材料自体が安価という意味ではなく、前記した入手コストと入手後の加工コストが低いことを意味する。したがって、融点が低く射出成形や押出成形が可能で成形性に優れた樹脂やリサイクルが容易な樹脂は、端材を低コストで入手することが困難であるため好ましくない。
本実施形態で好適な樹脂としては、鋼に対する動摩擦係数が0.3以下であり、成形性が悪いため一時加工品を製作した際に発生した端材のリサイクルが困難な樹脂である。例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE:四フッ化エチレン樹脂)、パーフルオロエチレン・プロペンコポリマー(FEP)、パーフルオロアルコキシアルカン(PFA)、エチレンテトラフルオロエチレンコポリマー(ETFE)、ポリビニリデンフルオライド(PVDF)、エチレン・クロロトリフルオロエチレンコポリマー(ECTFE)などのフッ素樹脂、シリコーン樹脂やこれらの化合物が最も好適である。
一方、上記した端材の中には、厚みが数mm〜数cmで、長さが数mを超えるフィルム片・糸状片・シート片が混在する場合がある。樹脂チップが厚く、長くなっても摩擦抵抗は変わらないため滑走性に影響はないが、表面層7上を直接滑走する場合に、スキー板やスキーヤーの身体・衣服などに絡みつく可能性が高くなる。厚さ2〜3mm×長さ1m程度の樹脂チップであれば引張強度もさほど大きくないため滑走のエネルギーで容易に破断するが、厚さ数mm×長さ数m〜10数mになると引張強度が大きくなり滑走のエネルギーだけでは破断しなくなるおそれもある。
そこで、樹脂チップ(端材)の入手経路(加工業者等)や成形された一次成形品の種類などを管理し、厚くて長い樹脂チップが混在する可能性がある場合は、例えば1m以下の所定の長さにカットしてから上記表面層7として敷設する。
以上のように構成された滑走床5をゲレンデ2などの滑走エリアの床構造体4に接着剤やビスなどで固定していく。この時、隣接する滑走床5同士も接着剤などで固定するのが好ましい。
このような構成により、本実施形態の発明は、スキー板に接する表面層7の動摩擦係数が極めて小さいので、スキーヤーがゲレンデ2を滑走する場合の摩擦熱を最小限に抑えることができる。また、表面層7が多数のシート片・破片などで形成され内部に空気層を有しており、かつその下面には針状部材6bが立設されているので、発生した摩擦熱は滑走床5に蓄熱されることなく容易かつ早期に放出される。したがって、多数のスキーヤーが連続して滑走しても表面層7や針状部材6bが熱によって変形・破損することがなく、また、繰り返し滑走してもスキーの滑走性能が低下することがない。
また、このような好適な人工ゲレンデを、利用価値が低い端材を利用することで極めて安価に製作でき、経済性に優れているものである。さらに、このような端材を有効利用することで、廃棄物の量を減らすことができ、地球環境や自治体の廃棄物処理の負担を減らすことにもつながる。
(滑走床の変形例1)
図3は、滑走床の他の例を示す分解斜視図である。
この例の表面層は、複数のフィルム片・糸状片若しくはシート片の樹脂チップ17aを、方向を合わせて紐17bなどで結束して、楕円形状若しくは長尺状の樹脂集合体17として構成されている。この樹脂集合体17を、滑走床本体16の表面に所定間隔で穿設した穴若しくは孔18に挿入して接着することで滑走床15を構成している。
この実施形態の構成によれば、樹脂チップの表面層(樹脂集合体17)で前記針状部材の機能を兼用できる。また、複数の樹脂チップ17aを結束したので、樹脂集合体17の形状が安定し、クッション性・衝撃吸収性が向上する。さらに、滑走時にスキー板のビンディングやストックなどに樹脂チップが引っ掛かることを有効に防止できる。
(滑走床の変形例2)
図4は、滑走床のさらに他の例を示す分解斜視図である。
この例の表面層は、比較的長尺の糸状片若しくはシート片の樹脂チップを、ケミカルボンドやニードルパンチなどの周知の方法で不織布として形成されている。表面層を不織布で構成することで、良好な滑走性や通気性などの樹脂チップのメリットを維持しながら、形態安定性や剛性を高めることができ、施工性やメンテナンスも容易になる。
(第2の実施形態)
図5は、第2の実施形態に係る屋外スキー場施設の概略構成を示す図である。
この実施形態では、屋外スキー場20のゲレンデ21の地表面22に、オフシーズン中などの降雪(積雪)前に前記樹脂チップ23を所定の厚さで敷設して樹脂層を形成しておき、その後の降雪によってこの樹脂チップ23上に雪24を堆積させるようにしている。雪は、人工降雪器や人工造雪器による人工雪でも良い。この樹脂層は、雪24と共にクッション性や衝撃吸収性を有すると共に、地表面22からの地熱が雪24に伝導したり日光が雪24を透過して地表に達するのを防止する断熱層・光反射層の機能も有する。これにより、雪24が地表面22に近い方から解け出して行くことを有効に防止できる。そのため、比較的雪が多い地域であっても本実施形態の樹脂層を形成しておくことは非常に有意義である。
また、このような融雪抑制機能を考慮して、図示しないリフト乗り場やレストランなどの店舗25の出入口、平地26などの、ゲレンデに比較して雪の消費量若しくは融雪が早く進行する重点エリア(図に破線で示す)にだけこの樹脂層を敷設することが好ましい。また、滑走面全体に樹脂層を敷設する場合には、前記重点エリアをゲレンデ21よりも層を厚くすることもできる。このような重点エリアは、ゲレンデよりも頻繁に雪を補充しているが、この発明を採用することで、補充作回数を減らすことができるようになる。
一例として、ゲレンデは5〜10cm程度、リフト乗り場等では10〜20cm程度の厚みとする。なお、この実施形態の屋外スキー場でも、第1の実施形態の滑走床5や変形例1、2の滑走床15を同様に利用することができる。また、ゲレンデ21の一部に樹脂層が露出した場合には、界面活性剤を散布してゲレンデ全体の滑走性を維持することも有効である。
さらに、滑走面以外の場所でも、ゲレンデ21の周囲の緑化エリア27、図示しない排水用の側溝の中、岩石などの大型障害物28の表面などにもこの樹脂層を敷設するのが好ましい。これにより、ゲレンデ21周囲の融雪を抑制して見栄えを向上したり、排水性を保持してメンテナンス作業を軽減したり、さらに目障りな障害物を隠蔽することができる。
このようなスキー場の滑走エリアの造成方法によれば、雪が少ない地域や時期でも滑走性を低下させずにスキー場を稼動させることができ、また、融雪抑制効果もあるので、稼動期間の延長にも寄与する。また、樹脂層は空間を多く含んでおり高い撥水性を有するため、雪解け水を円滑に地表面に排水でき、また吸水性がないので地表面の水分で雪24が解け易くなることも有効に防止できる。
なお、この発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を変更しない範囲で種々変形可能である。
例えば、上記した滑走床やスキー場施設の構成は一例に過ぎず、種々の変形・応用が可能である。例えば、スキー場の一部に設置したスノーボード専用のハーフパイプやクオーターパイプ、こぶやスロープ、そりや特定競技の専用コースなどの滑走エリアにも、本発明は適用可能である。
図1は、本発明の一実施形態に係る人工スキー場施設の概略構成を示す図であり、(a)はスキー場の全体図、(b)は滑走床の要部拡大断面図、(c)は変形例としての屋内型の人工スキー場の全体図である。 図2は、滑走床の一例を示す分解斜視図である。 図3は、滑走床の他の例を示す分解斜視図である。 図4は、滑走床の他の例を示す分解斜視図である。 図5は、第2の実施形態に係る屋外スキー場施設の概略構成を示す図である。 図6は、従来の滑走床の滑走時の状態を示す図である。

Claims (19)

  1. 滑走者が滑走具を使用して滑走する滑走エリアの地表面の少なくとも一部に滑走床を敷設したスキー場施設であって、
    前記滑走床を、滑走エリアの地表面に主として以下のA群から選択される樹脂若しくはそれらの化合物の多数の小片・砕片・薄片・フィルム片・糸状片・シート片若しくは破片のチップを所定の厚さで積層若しくは堆積させて構成したことを特徴とするスキー場施設。
    A)フッ素樹脂、シリコーン樹脂、ポリアセタール、ポリ塩化ビニル、ポリアミドイミド、ポリフェニレンエーテル、超高分子量ポリエチレン、ポリエーテルイミド
  2. 請求項1記載のスキー場施設であって、
    前記樹脂チップは、鋼に対する動摩擦係数が0.3以下の1又は2以上の樹脂から選択されることを特徴とするスキー場施設。
  3. 請求項1記載のスキー場施設であって、
    前記滑走床を、滑走エリアの地表面に敷設されるシート状・薄板状若しくはブロック状の滑走床本体と、この滑走床本体の表面に前記樹脂チップを積層若しくは堆積させた表面層とから形成したことを特徴とするスキー場施設。
  4. 請求項3記載のスキー場施設であって、
    前記滑走床本体は、シート状・薄板状若しくはブロック状の基材の表面に可撓性を有する多数の針状部材を立設したブラシ状に形成され、
    この多数の針状部材の上端部に、前記表面層を構成するフィルム片・糸状片若しくはシート片の樹脂チップの少なくとも一部を絡ませたことを特徴とするスキー場施設。
  5. 請求項3記載のスキー場施設であって、
    前記表面層は、複数のフィルム片・糸状片若しくはシート片の樹脂チップを結束した楕円形状若しくは長尺状の樹脂集合体を、前記滑走床本体の表面に所定間隔で穿設した穴若しくは孔に多数植設して構成したことを特徴とするスキー場施設。
  6. 請求項1記載のスキー場施設であって、
    前記樹脂チップは、不連続若しくは不規則な形状・長さ・厚さ若しくは重さで形成されることを特徴とするスキー場施設。
  7. 請求項1記載のスキー場施設であって、
    前記樹脂チップは、フッ素樹脂若しくはシリコーン樹脂の一次成形品を切削成形する際に発生した小片・砕片・薄片・フィルム片・糸状片・シート片若しくは破片の端材をそのまま利用するものであることを特徴とするスキー場施設。
  8. 請求項1記載のスキー場施設であって、
    前記滑走床を、多数の樹脂のフィルム片・糸状片若しくはシート片の表面に小片・砕片・薄片若しくは破片を接着して一体化させた樹脂シートを複数積層/及び若しくは並設して形成したことを特徴とするスキー場施設。
  9. 滑走者が滑走具を使用して滑走する滑走エリアの地表面の少なくとも一部に滑走床を敷設したスキー場施設であって、
    前記滑走床を、シート状・薄板状若しくはブロック状の滑走床本体と、この滑走床本体の表面に合成樹脂の多数の小片・砕片・薄片・フィルム片・糸状片・シート片若しくは破片のチップを所定の厚さで積層した表面層とから構成したことを特徴とするスキー場施設。
  10. 請求項9記載のスキー場施設であって、
    前記表面層は、積層した樹脂チップの表面に界面活性剤を塗布若しくは散布して形成されていることを特徴とするスキー場施設。
  11. 請求項9記載のスキー場施設であって、
    前記滑走床本体は、シート状・薄板状若しくはブロック状の基材の表面に可撓性を有する多数の針状部材を立設したブラシ状に形成され、
    前記表面層のチップは、前記針状部材より動摩擦係数が小さい樹脂で形成されることを特徴とするスキー場施設。
  12. 請求項9記載のスキー場施設であって、
    前記表面層は、フッ素樹脂、シリコーン樹脂、ポリアセタール、ポリ塩化ビニル、ポリアミドイミド、ポリフェニレンエーテル、超高分子量ポリエチレン、ポリエーテルイミドの何れかから選択されるチップで形成されることを特徴とするスキー場施設。
  13. 請求項9記載のスキー場施設であって、
    前記樹脂チップは、フッ素樹脂若しくはシリコーン樹脂の一次成形品を成形する際に発生した小片・砕片・薄片・フィルム片・糸状片・シート片若しくは破片の端材をそのまま利用するものであることを特徴とするスキー場施設。
  14. スキー場施設において、滑走者が滑走具を使用して滑走する滑走エリアの地表面の少なくとも一部に敷設される滑走床であって、
    前記滑走床を、シート状・薄板状若しくはブロック状の滑走床本体と、この滑走床本体の表面にフッ素樹脂若しくはシリコーン樹脂の一次成形品を成形する際に発生した小片・砕片・薄片・フィルム片・糸状片・シート片若しくは破片の端材を所定の厚さで積層若しくは堆積させた表面層とから構成したことを特徴とする滑走床。
  15. 滑走エリアとなる地表面に、降雪前・積雪前若しくは雪の補充時に、フッ素樹脂若しくはシリコーン樹脂の一次成形品を成形する際に発生した小片・砕片・薄片・フィルム片・糸状片・シート片若しくは破片の端材を所定の厚さで敷設して樹脂層を形成する樹脂層形成工程と、
    この樹脂層の表面に天然若しくは人工の雪を堆積させて滑走エリアを形成する滑走エリア形成工程と
    を備えることを特徴とするスキー場の滑走エリアの造成方法。
  16. 請求項15記載の方法であって、
    さらに、フッ素樹脂若しくはシリコーン樹脂の一次成形品を成形する際に発生した端材を所定の長さに切断して小片・砕片・薄片・フィルム片・糸状片・シート片若しくは破片を成形する工程を備えたことを特徴とする方法。
  17. 請求項15記載の方法であって、
    さらに、フッ素樹脂若しくはシリコーン樹脂の一次成形品を成形する際に発生した樹脂のフィルム片・糸状片若しくはシート片を不規則に織りこんで樹脂の不織布を形成する工程を備え、
    前記樹脂層形成工程は、形成された不織布を所定の厚さに敷設するものである
    ことを特徴とする方法。
  18. 請求項15記載の方法であって、
    前記滑走エリアは、傾斜したゲレンデに比較して雪の消費量が多い若しくは融雪が早く進行する重点補充エリアを含み、
    前記樹脂層形成工程は、前記重点補充エリアにのみ樹脂層を形成するか、重点補充エリアに優先的に樹脂層を形成するものである
    ことを特徴とする方法。
  19. 請求項18記載の方法であって、
    前記重点補充エリアには、ゲレンデの周囲の緑化エリアや排水用の側溝、岩石などの大型障害物の表面を含むことを特徴とする方法。
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