JP2006005380A - ヘテロ接合電界効果トランジスタの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 マイクロ波からミリ波領域で動作する発振器やパワーアンプに用いるヘテロ接合電界効果トランジスタの製造方法に関し、高い素子耐圧を有し、かつ、動作時の直列抵抗の小さいヘテロ接合電界効果トランジスタの製造方法を提供する。
【解決手段】 ゲートリセス構造を有しているヘテロ接合電界効果トランジスタにおいて、ゲート電極端からソース、ドレイン電極端の間のヘテロ接合電界効果トランジスタの素子耐圧に大きな影響を与える目空き領域に、少なくとも2層以上の不純物濃度の異なる層で構成することでヘテロ接合電界効果トランジスタの直列抵抗を小さくしつつ、高い素子耐圧を実現したヘテロ接合電界効果トランジスタが得られる。
【選択図】 図1
【解決手段】 ゲートリセス構造を有しているヘテロ接合電界効果トランジスタにおいて、ゲート電極端からソース、ドレイン電極端の間のヘテロ接合電界効果トランジスタの素子耐圧に大きな影響を与える目空き領域に、少なくとも2層以上の不純物濃度の異なる層で構成することでヘテロ接合電界効果トランジスタの直列抵抗を小さくしつつ、高い素子耐圧を実現したヘテロ接合電界効果トランジスタが得られる。
【選択図】 図1
Description
本発明は、ヘテロ接合を有する半導体デバイスの製造方法に関し、特にマイクロ波、ミリ波領域で動作するヘテロ接合電界効果トランジスタの製造方法に関するものである。
マイクロ波、ミリ波領域で動作する素子としてヘテロ接合電界効果トランジスタに属する高電子移動度トランジスタやドープチャンネルヘテロ接合電界効果トランジスタが用いられている。ここで、高電子移動度トランジスタの断面構造を図7に示す。
高電子移動度トランジスタの構造は、図7に示すように半絶縁性基板104の上面にバッファ層105、チャンネル層106、第1障壁層107、第2障壁層108、コンタクト層109が順番に形成されている。また、コンタクト層109の上面には、ソース電極102とドレイン電極103が形成され、これらのソース電極102とドレイン電極103は、コンタクト層109とオーミック接合されている。また、ゲート電極101が、コンタクト層109を選択リセスエッチングした後に第2障壁層108に形成されている。さらに、この高電子移動度トランジスタは、保護膜111で保護されている。ここで、ゲート電極101とソース電極102の間およびゲート電極101とドレイン電極103の間のリセス部分は、ヘテロ接合電界効果トランジスタの素子耐圧に大きな影響を与える部分として、目空き領域と呼ばれている(図7における目空き領域110)。当然の事ながら、目空き領域110はコンタクト層109の一部分から構成されている。
このヘテロ接合ヘテロ接合電界効果トランジスタのリセスエッチング加工形状は、図7に示すような1段リセス構造以外に、リセス部分が2段構造になっている2段リセス構造がある。図8に一例として2段リセス構造の高電子移動度トランジスタの断面構造を示す。
従来例として示した図7の1段リセス構造では、コンタクト層109は、ソース電極102およびドレイン電極103とオーミック接合を形成するために、高濃度にドープされたn型GaAs層で形成されている。そして、上述のとおり、目空き領域110はコンタクト層109で形成されているので、目空き領域110も高濃度にドープされてキャリア濃度が高くなっている。このため、ゲート電極101とソース電極102の間またはゲート電極101とドレイン電極103の間に電界が印加されて目空き領域110に電界が集中した場合、目空き領域110のキャリア濃度が高いため絶縁性が低く、低電界でブレイクダウンを起こしてしまう欠点があった。
低電界でのブレイクダウンを改善する方法として、図8に示すような2段リセス構造を用いることが行なわれてきた。図8に示すように、半絶縁性基板124の上面にバッファ層125、チャンネル層126、第1障壁層127、第2障壁層128、コンタクト層130のほかに、コンタクト層130と第2障壁層128との間に低濃度にドープされたn型GaAsからなる接続層129が配置されている。この構造では、ゲート電極121からソース電極122およびゲート電極121からドレイン電極123に至る経路が2段構造に形成されることで、印加される電界は段ごとに分散されるので、1段に加わる電界は1段リセス構造より小さくなり、素子耐圧を向上させている。
また、接続層129に低濃度にドープされたn型GaAsが用いられているため、目空き領域132の絶縁性を高め、素子耐圧を向上している。
しかしながら、この方法では、低濃度にドープされたn型GaAsからなる接続層129は、キャリア濃度が低いために抵抗が高くなり、かつ、目空き領域132の表面に発生する表面空乏層が大きくなり、目空き領域の高抵抗化が促進される。これにより、ドレイン電極からソース電極に至る電流の経路が狭くなるため、ヘテロ接合電界効果トランジスタの直列抵抗が増大する問題点があった。また、目空き領域132の表面に発生する表面空乏層が均一に形成されるため、ゲート電極121とソース電極122(ドレイン電極123)との間に電界が印加されると、表面空乏層が発生している目空き領域132においてゲート電極端やリセス加工端など角部に電界が集中してしまいヘテロ接合電界効果トランジスタの素子耐圧を劣化させる問題点があった。
特に、ヘテロ接合電界効果トランジスタの直列抵抗の増大と電界効果トランジスタの素子耐圧の低下は、高利得、高出力、高効率な特性が要求されるマイクロ波からミリ波領域で動作する発振器やパワーアンプにおいて、特性を劣化させる最大の要因であった。
本発明の目的は、上述の問題を鑑みてなされたものであり、高い素子耐圧を有し、かつ、動作時の直列抵抗が小さいヘテロ接合電界効果トランジスタの製造方法を提供することを目的としている。
上記目的を達成するため本発明のヘテロ接合電界効果トランジスタの製造方法では、障壁層上に最下層のコンタクト層下層を含む複数の層からなるコンタクト層を順に形成し、前記コンタクト層をリセスエッチングして第1リセス溝を形成し、前記コンタクト層上に該コンタクト層とオーミック接合するソース電極およびドレイン電極を形成し、前記第1リセス溝の底部に両側に前記第1リセス溝の底部が露出するような形でゲート電極を形成する1段リセスのリセス構造を有するヘテロ接合電界効果トランジスタの製造方法であって、前記コンタクト層が少なくとも2層以上の不純物濃度が異なる層で構成されていることを特徴とする。これによって、ゲート電極の横方向にゲート電極側端からリセス溝側壁上端かつ、縦方向にゲート電極下端からコンタクト層上端に相当する部分の目空き領域が、少なくとも2層以上の不純物濃度が異なる層で構成されることになる。
また、障壁層上に最下層の接続層下層を含む複数の層からなる接続層とコンタクト層を順に形成し、前記コンタクト層をリセスエッチングして第1リセス溝を形成し、該第1リセス溝の底部を両側に前記第1リセス溝の底部が露出するような形で少なくとも前記接続層下層を残してリセスエッチングして第2リセス溝を形成し、前記コンタクト層上に該コンタクト層とオーミック接合するソース電極およびドレイン電極を形成し、前記第2リセス溝の底部に両側に前記第2リセス溝の底部が露出するような形でゲート電極を形成し、該ゲート電極の下端を前記第2リセス溝の底部に埋め込む2段リセスのリセス構造を有するヘテロ接合電界効果トランジスタの製造方法であって、前記接続層は縦方向に前記ゲート電極下端より上の部分が、少なくとも2層以上の不純物濃度が異なる層で構成されていることを特徴とする。これによって、ゲート電極の横方向にゲート電極側端から第1リセス溝側壁下端かつ、縦方向にゲート電極下端から第1リセス溝底部に相当する部分の目空き領域が、少なくとも2層以上の不純物濃度が異なる層で構成されることになる。
すなわち、ゲートリセス構造を有している電界効果トランジスタにおいて、目空き領域が不純物濃度の異なる複数の層で構成されることにより、目空き領域を構成する各層に発生する表面空乏層の大きさが異なるため表面空乏層が変形するので目空き領域の電界の集中する部分を分散することができる。これにより、目空き領域の高抵抗化及びチャンネルの狭窄を防ぎつつ、素子耐圧を向上したヘテロ接合電界効果トランジスタが実現できる。
本発明の製造方法によれば、製造されたヘテロ接合電界効果トランジスタにおいて、ゲート電極側端からソース、ドレイン電極の間にある目空き領域を、少なくとも2層以上の不純物濃度の異なる層で形成し、ヘテロ接合電界効果トランジスタの高耐圧化をはかり、また、目空き領域部分での表面空乏層の拡大を防ぐことでヘテロ接合電界効果トランジスタの直列抵抗の増大を抑制している。
また、電界の集中する目空き領域の角部であるゲート電極端やリセス加工端などに、低不純物濃度の材料を用いることで、目空き領域の角部での電界の集中を抑制することができる。
これにより、高い素子耐圧を有し、かつ、直列抵抗が小さいヘテロ接合電界効果トランジスタを提供することが可能となり、マイクロ波からミリ波領域で動作する発振器やパワーアンプにおいて、高利得、高出力、高効率な特性と高い信頼性を実現することができる。
[第1実施例、図1]以下、本発明の製造方法で製造したヘテロ接合電界効果トランジスタの第1実施例について、図1に基づいて説明する。
図1に示す1段リセス構造のヘテロ接合電界効果トランジスタは、半絶縁性基板4の上面にバッファ層5、チャンネル層6、第1障壁層7、第2障壁層8、コンタクト層下層9、コンタクト層10を順番に形成している。これらの層は、MBE法,MOCVD法などを用いたエピタキシャル成長法で形成されている。さらに、コンタクト層11の上面にはソース電極2、ドレイン電極3が形成され、コンタクト層10とソース電極2、ドレイン電極3とは、オーミック接合されている。また、ソース電極2とドレイン電極3の間部分のコンタクト層10及びコンタクト層下層9を選択リセスエッチングしてリセス溝を形成した後に、リセス溝の底に露出した第2障壁層8にゲート電極1を形成している。また、コンタクト層10及びコンタクト層下層9のリセスエッチングで削られた部分はテーパー形状になっている。さらに、このヘテロ接合電界効果トランジスタは、図1に示すようにSiNなどの保護膜13で保護されている。
このうち、横方向(ゲート電極からドレイン電極やソース電極へ向かう水平方向)にゲート電極1側端からリセス溝側壁上端かつ、縦方向(各層の厚み方向)にコンタクト層上端からゲート電極1下端に相当する部分の目空き領域は、コンタクト層下層9の一部分で形成される第1目空き領域11と、コンタクト層10の一部分で形成される第2目空き領域12とから構成されている。
ここで、第1目空き領域11は、コンタクト層下層9と同じ低濃度n型GaAsで構成され、第2目空き領域12は、コンタクト層10と同じ高濃度n型GaAsで構成されている。これにより、第1目空き領域11に発生する表面空乏層は大きく、第2目空き領域12に発生する表面空乏層は小さくなるため、目空き領域内の表面空乏層の形状が凹凸になることにより、電界の集中する第1目空き領域11の角部14以外に複数の電界の集中しやすい部分を作ることができるので、電界を分散させてヘテロ接合電界効果トランジスタの素子耐圧を向上させることができる。さらに、目空き領域に低濃度n型GaAs層と高濃度n型GaAs層が混在するため、目空き領域の表面空乏層の拡大を抑えることができるので、ヘテロ接合電界効果トランジスタの直列抵抗の増大を抑えることができる。
なお、第1目空き領域11を構成するコンタクト層下層9は、GaAs以外の低不純物濃度の材料でもよく、例えば、InGaP,InGaAlP,InGaAlAsなどを用いてもよい。第2目空き領域12を構成するコンタクト層10は、高濃度n型GaAsと同程度の高濃度不純の材料を用いてもよい。
半絶縁性基板4は、GaAs基板またはInP基板を使用している。
バッファ層5は、ノンドープ層を用いているが、薄いn型層もしくはp型層でもよい。また、バッファ層5の材料は、GaAsを用いているが,AlGaAs,InAlAsを用いてもよい。また、これらの材料の組み合わせた層や超格子構造の一般的な層構造を用いてもよい。
チャンネル層6は、n型InGaAsを用いているがn型ドープ層、ノンドープ層もしくはそれらの組み合わせまたはGaAs層でもよい。
第1障壁層7と第2障壁層8の材料は、AlGaAsを用いているが、InGaP,InAlAsなどの材料を使用してもよい。さらに、障壁層の伝導型は、第1障壁層7がn型、第2障壁層8がノンドープを用いているが、障壁層を1層構造のn型層またはノンドープ層にしてもよい。
[第2実施例、図2]以下、本発明の製造方法で製造したヘテロ接合電界効果トランジスタの第2実施例について、図2に基づいて説明する。
図2に示す2段リセス構造を有するヘテロ接合電界効果トランジスタは、半絶縁性基板24の上面に、バッファ層25、チャンネル層26、第1障壁層27、第2障壁層28、接続層下層29、接続層上層30、コンタクト層31を形成して構成している。これらの層は、MBE法,MOCVD法などを用いたエピタキシャル成長法で形成されている。高濃度n型GaAsで形成された接続層下層29と低濃度n型GaAsで形成された接続層上層30以外は、第1実施例と同様の材料で形成されている。
この図2に示す第2実施例は、第1実施例と異なり、2段リセス構造になっている。この2段リセス構造は、ソース電極22とドレイン電極23の間のコンタクト層31を広くリセスエッチングして第1リセス溝を形成し、その後、さらにエッチングされた中央の部分にリセスエッチングを行い第2リセス溝を形成し、ゲート電極21を接続層下層29に埋め込むように形成している。
さらに、このヘテロ接合電界効果トランジスタは、図2に示すようにSiNなどの保護膜37で保護されている。
このように、2段リセス構造は、ゲート電極21とソース電極22の間およびゲート電極21とドレイン電極23の間に至る経路が2段構造に形成されることで、印加される電界が段ごとに分散されるので、1段に加わる電界は1段リセス構造より小さくなり、第1実施例の1段リセス構造に比較して、素子耐圧を向上することができる。
ここで、横方向にゲート電極21側端から第1リセス溝側壁下端かつ、縦方向にゲート電極21下端から第1リセス溝底部に相当する部分の目空き領域は、第1目空き領域32と第2目空き領域33で構成されている。さらに、第1目空き領域32は例えば5×1017〜2×1018cm-3の低濃度n型AlGaAsで形成された接続層下層29の一部で構成され、第2目空き領域33は例えば1×1018〜3×1018cm-3の高濃度n型GaAsで形成された接続層上層30の一部で構成されている。これにより、第1目空き領域32に発生するショットキ空乏層は大きく、第2目空き領域33に発生する表面空乏層は小さくなる。
濃度関係を逆にした場合、空乏層の大小関係は逆とる。従って、目空き領域内の空乏層の形状が凹凸になる。すなわち、電界の集中する目空き領域内の角部34以外に複数の電界の集中しやすい部分を作ることできるので、電界を分散させてヘテロ接合電界効果トランジスタの素子耐圧を向上させることができる。すなわち、2段リセスによる電界印加部の表面形状の変調に加えて、印加部の空乏層厚の変調も加味することにより、より電界集中を分散させ、単位領域に加わる電界強度を低下せしめ、素子耐圧を向上させている。
濃度関係を逆にした場合、空乏層の大小関係は逆とる。従って、目空き領域内の空乏層の形状が凹凸になる。すなわち、電界の集中する目空き領域内の角部34以外に複数の電界の集中しやすい部分を作ることできるので、電界を分散させてヘテロ接合電界効果トランジスタの素子耐圧を向上させることができる。すなわち、2段リセスによる電界印加部の表面形状の変調に加えて、印加部の空乏層厚の変調も加味することにより、より電界集中を分散させ、単位領域に加わる電界強度を低下せしめ、素子耐圧を向上させている。
また、第2目空き領域33が低濃度GaAsで構成されているため、第2目空き領域33での表面空乏層を小さくすることができるので、目空き領域の高抵抗化及びチャンネルの狭窄を防ぐことができる。第2目空き領域33が高濃度の場合も同様である。
つぎに、この図2に示す2段リセス構造の第2実施例のヘテロ接合電界効果トランジスタと図8に示した従来例の2段リセス構造のヘテロ接合電界効果トランジスタとの電気的特性の比較を図3に示す。図3(a)は、従来のヘテロ接合電界効果トランジスタのIgs−Vd特性を示している。ドレイン電圧Vdが5V以上の場合に、ゲート−ソース電流Igs(リーク電流)が増加してブレイクダウンが発生している。それに対して、本発明のヘテロ接合電界効果トランジスタの特性は、図3(b)に示すように、ドレイン電圧Vdが6.5V付近までゲート−ソース電流Igs(リーク電流)の増加は見られない。このように、ヘテロ接合電界効果トランジスタの素子耐圧が従来のものより明らかに向上していることがわかる。
[第3実施例、図4]以下、本発明の製造方法で製造したヘテロ接合電界効果トランジスタの第3実施例について、図4に基づいて説明する。
図4に示す2段リセス構造のヘテロ接合電界効果トランジスタは、第2実施例と構造がほとんど同一で、異なる点は目空き領域が3層構造になっていることである。図4に示すように、目空き領域は、第1目空き領域51、第2目空き領域52、第3目空き領域53とから構造されている。また、第1目空き領域51は例えば5×1017〜2×1018cm-3の濃度の低濃度n型AlGaAsで形成された第1接続層41の一部で構成され、第2目空き領域52は例えば2×1018〜5×1018cm-3の濃度の高濃度n型GaAsで形成された第2接続層42の一部で構成され、第3目空き領域53は低濃度n型GaAsで形成された第3接続層43の一部で構成されている。これにより、第1目空き領域51に発生するショットキ空乏層は大きく、第2目空き領域52に発生する表面空乏層はより小さく、第3目空き領域53に発生する表面空乏層はさらに小さくなるため、目空き領域内の空乏層の厚さがゲート、ドレイン(ソース)間で変化し、かつこの場合、角部が多く電界の集中しやすいゲート近傍で厚く、離れるに従って薄くなっているため、2段リセス構造で電界が集中する目空き領域の角部55、56やゲート電極端部58以外に複数の電界の集中しやすい部分を作ることできるので、電界を分散させてヘテロ接合電界効果トランジスタの素子耐圧を第2実施例よりも向上させることができる。
また、2段リセス構造で電界が集中する目空き領域の角部55、56やゲート電極端部58を有する第1目空き領域51と第3目空き領域53とを低不純物濃度層である低濃度n型AlGaAs層と低濃度n型GaAs層とで構成し、電界の集中しやすい部分がほとんどない第2目空き領域52をn型GaAs層で構成した場合においても、目空き領域内での空乏層厚の変調ができるとともに、電界が低濃度の目空き領域より高濃度の目空き領域に集まりやすくなり、目空き領域の角部55、56やゲート電極端部58への電界の集中をさらに分散することができる。
また、高濃度n型GaAs層があるため、目空き領域の表面空乏層の拡大を抑えることができるので、ヘテロ接合電界効果トランジスタの直列抵抗の増大を抑えることができる。
[第4実施例、図5]以下、本発明の製造方法で製造したヘテロ接合電界効果トランジスタの第4実施例について、図5に基づいて説明する。
図5に示す第4実施例は、第3実施例と構造がほとんど同一で、異なる点は、目空き領域が4層構造になっていることである。図5に示すように、目空き領域は、第1目空き領域71、第2目空き領域72、第3目空き領域73、第4目空き領域74とから構造されている。また、第1目空き領域71はn型AlGaAsで形成された第1接続層61の一部で構成され、第2目空き領域72は低濃度n型AlGaAsで形成された第2接続層62の一部で構成され、第3目空き領域73はn型GaAsで形成された第3接続層63の一部で構成され、第4目空き領域74は低濃度n型GaAsで形成された第4接続層64の一部で構成されている。これにより、第1目空き領域71に発生する表面空乏層は小さく、第2目空き領域72に発生する表面空乏層は大きく、第3目空き領域73に発生する表面空乏層は小さく、第4目空き領域74に発生する表面空乏層は大きくなるため、目空き領域内の表面空乏層の形状が第3実施例より多く凹凸することにより、第3実施例よりも多くの電界の集中しやすい部分を作ることできるので、電界を分散させてヘテロ接合電界効果トランジスタの素子耐圧を第3実施例よりも向上させることができる。
また、目空き領域にn型AlGaAs層とn型GaAs層及びn型AlGaAs層が混在するため、目空き領域の表面空乏層の拡大を抑えることができるので、ヘテロ接合電界効果トランジスタの直列抵抗の増大を抑えることができる。
[第5実施例、図6]以下、本発明の製造方法で製造したヘテロ接合電界効果トランジスタの第5実施例について、図6に基づいて説明する。
図6に示す第5実施例は、第4実施例と構造がほとんど同一で、異なる点は、目空き領域が6層構造になっていることである。図6に示すように、目空き領域は、第1目空き領域91、第2目空き領域92、第3目空き領域93、第4目空き領域94、第5目空き領域95、第6目空き領域96とから構造されている。また、第1目空き領域91は低濃度n型AlGaAsで形成された第1接続層81の一部で構成され、第2目空き領域92はn型AlGaAsで形成された第2接続層82の一部で構成され、第3目空き領域93は低濃度n型AlGaAsで形成された第3接続層83の一部で構成され、第4目空き領域94は低濃度n型GaAsで形成された第4接続層84の一部で構成され、第5目空き領域95はn型GaAsで形成された第5接続層85の一部で構成され、第6目空き領域96は低濃度n型GaAsで形成された第6接続層86の一部で構成されている。
これにより、第1目空き領域91に発生する表面空乏層は大きく、第2目空き領域92に発生する表面空乏層は小さく、第3目空き領域93に発生する表面空乏層は大きく、第4目空き領域94に発生する表面空乏層は大きく、第5目空き領域95に発生する表面空乏層は小さく、第6目空き領域96に発生する表面空乏層は大きくなり、目空き領域内の表面空乏層の形状が第4実施例より多く凹凸することにより、第4実施例よりも多くの電界の集中しやすい部分を作ることできるので、電界を分散させてヘテロ接合電界効果トランジスタの素子耐圧を第4実施例よりも向上させることができる。
これにより、第1目空き領域91に発生する表面空乏層は大きく、第2目空き領域92に発生する表面空乏層は小さく、第3目空き領域93に発生する表面空乏層は大きく、第4目空き領域94に発生する表面空乏層は大きく、第5目空き領域95に発生する表面空乏層は小さく、第6目空き領域96に発生する表面空乏層は大きくなり、目空き領域内の表面空乏層の形状が第4実施例より多く凹凸することにより、第4実施例よりも多くの電界の集中しやすい部分を作ることできるので、電界を分散させてヘテロ接合電界効果トランジスタの素子耐圧を第4実施例よりも向上させることができる。
なお、隣接する第3目空き領域93と第4目空き領域94とが低不純物濃度層である低濃度n型AlGaAs層と低濃度n型GaAs層で構成されているが、第3目空き領域93と第4目空き領域94の表面空乏層の形状を異なるようにするために、低濃度n型AlGaAs層と低濃度n型GaAs層との不純物濃度は、低濃度であっても不純物濃度が異なる値にすることが望ましいく、例えば、どちらか一方をノンドープ層で構成しても良い。
また、2段リセス構造で電界が集中する目空き領域のすべての角部やゲート電極端部を、低不純物濃度の層で形成しているため、第4実施例よりも電界の集中を防ぐことができるので素子耐圧の向上を図ることができる。
また、目空き領域の電界の集中する部分以外の部分である第2目空き領域92及び第5目空き領域95に高濃度の不純物濃度層を用いると、目空き領域に高濃度n型GaAs層ができるため、目空き領域の表面空乏層の拡大を抑えることができ、ヘテロ接合電界効果トランジスタの直列抵抗の増大を抑えることができる。
なお、第1実施例から第5実施例においては、目空き領域に低濃度のn型層が用いられているが、この部分に不純物がほとんどドープされていないノンドープ層を用いても良い。また、第1実施例から第5実施例において、障壁層が1層構造でかつノンドープ層で形成したドープチャンネルヘテロ接合電界効果トランジスタで構成してもよい。
1,21,101,121 ----- ゲート電極
2,22,102,122 ----- ソース電極
3,23,103,123 ----- ドレイン電極
4,24,104,124 ----- 半絶縁性基板
5,25,105,125 ----- バッファ層
6,26,106,126 ----- チャンネル層
7,8,27,28,107,108,127,128 ----- 障壁層
10,31,109,130 ----- コンタクト層
9 ----- コンタクト層下層
11,12,32,33,51,52,53,71,72,73,74,91,92,93,94,95,96,101,132 ----- 目空き領域
29,30,41,42,43,61,62,63,64,81,82,83,84,85,86,129 ----- 接続層
13,37,111,131----- 保護膜
2,22,102,122 ----- ソース電極
3,23,103,123 ----- ドレイン電極
4,24,104,124 ----- 半絶縁性基板
5,25,105,125 ----- バッファ層
6,26,106,126 ----- チャンネル層
7,8,27,28,107,108,127,128 ----- 障壁層
10,31,109,130 ----- コンタクト層
9 ----- コンタクト層下層
11,12,32,33,51,52,53,71,72,73,74,91,92,93,94,95,96,101,132 ----- 目空き領域
29,30,41,42,43,61,62,63,64,81,82,83,84,85,86,129 ----- 接続層
13,37,111,131----- 保護膜
Claims (9)
- 障壁層上に最下層のコンタクト層下層を含む複数の層からなるコンタクト層を順に形成し、
前記コンタクト層をリセスエッチングして第1リセス溝を形成し、
前記コンタクト層上に該コンタクト層とオーミック接合するソース電極およびドレイン電極を形成し、
前記第1リセス溝の底部に両側に前記第1リセス溝の底部が露出するような形でゲート電極を形成する1段リセスのリセス構造を有するヘテロ接合電界効果トランジスタの製造方法であって、
前記コンタクト層が少なくとも2層以上の不純物濃度が異なる層で構成されていることを特徴とするヘテロ接合電界効果トランジスタ。 - 障壁層上に最下層の接続層下層を含む複数の層からなる接続層とコンタクト層を順に形成し、
前記コンタクト層をリセスエッチングして第1リセス溝を形成し、
該第1リセス溝の底部を両側に前記第1リセス溝の底部が露出するような形で少なくとも前記接続層下層を残してリセスエッチングして第2リセス溝を形成し、
前記コンタクト層上に該コンタクト層とオーミック接合するソース電極およびドレイン電極を形成し、
前記第2リセス溝の底部に両側に前記第2リセス溝の底部が露出するような形でゲート電極を形成し、
該ゲート電極の下端を前記第2リセス溝の底部に埋め込む2段リセスのリセス構造を有するヘテロ接合電界効果トランジスタの製造方法であって、
前記接続層は縦方向に前記ゲート電極下端より上の部分が、少なくとも2層以上の不純物濃度が異なる層で構成されていることを特徴とするヘテロ接合電界効果トランジスタ。 - 前記2層以上の不純物濃度の異なる層の少なくとも1層は、低不純物濃度層もしくはノンドープ層であることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載のヘテロ接合電界効果トランジスタの製造方法。
- 前記2層以上の不純物濃度の異なる層は、低不純物濃度層もしくはノンドープ層とn型層との多層構造であることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のヘテロ接合電界効果トランジスタの製造方法。
- 前記2層以上の不純物濃度の異なる層は、低不純物濃度層もしくはノンドープ層と高不純物濃度層との多層構造で構成したことを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のヘテロ接合電界効果トランジスタの製造方法。
- 前記2層以上の不純物濃度の異なる層において、電界の集中する角部に低不純物濃度層もしくはノンドープ層を用いることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれかに記載のヘテロ接合電界効果トランジスタの製造方法。
- 前記2層以上の不純物濃度の異なる層は、GaAsからなることを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれかに記載のヘテロ接合電界効果トランジスタの製造方法。
- 前記2層以上の不純物濃度の異なる層は、GaAsとAlGaAsの積層構造からなることを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれかに記載のヘテロ接合電界効果トランジスタの製造方法。
- 前記電界効果トランジスタは、ドープチャンネルヘテロ接合電界効果トランジスタであることを特徴とする請求項1ないし請求項9のいずれかに記載のヘテロ接合電界効果トランジスタの製造方法。
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