JP2006005326A - 化合物半導体太陽電池の製造方法及び製造装置 - Google Patents

化合物半導体太陽電池の製造方法及び製造装置 Download PDF

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Abstract

【課題】硫化処理又はセレン化処理を施してp型半導体層を形成する際に、硫化処理又はセレン化処理の進行状況を簡単に把握し得る太陽電池の製造方法及び製造装置を提供する。
【解決手段】基板の一面側に形成された電極層上に、銅(Cu)層とインジウム(In)層とが積層されて成るプリカーサを、硫化水素雰囲気又はセレン化水素雰囲気中で加熱処理して形成した、CuInS又はCuInSeから成るp型半導体層と、p型半導体層の一面側に密着して形成したn型半導体層とを具備する化合物半導体太陽電池を製造する際に、加熱処理を、硫化水素又はセレン化水素とCu及びInとの反応の進行状況をモニターしつつ施すべく、反応によって発生する水素ガスの分圧を測定する。
【選択図】図1

Description

本発明は、化合物半導体太陽電池の製造方法及び製造装置に関し、詳しくはp型半導体層を形成するにあたってセレン化処理或いは硫化処理をする際の方法及び装置に関する。
太陽電池には、下記特許文献1に記載されているpn接合の光吸収層を有する化合物半導体太陽電池がある。化合物半導体太陽電池の一般的な構成を図2に示す。図2(a)は、化合物半導体太陽電池の正面図であり、図2(b)はその縦断面図である。この化合物半導体太陽電池(以下、単に太陽電池と称することがある)は、ガラス基板100上に電極層であるモリブデン層102が形成され、さらにモリブデン層102上には、p型半導体層104、n型半導体層106及び透明電極層108がこの順に積層されて形成されている。また、110は、透明電極層108上に形成されたアルミニウムからなる櫛形電極110である。
n型半導体層106は、ZnS又はCdS等からなり、透明電極層108は、ZnO:Al又はIn等からなっている。そして、p型半導体層104として、エネルギー変換効率が高く、低コストであるという利点から、CuInS等のカルコパイライト系の化合物半導体層が用いられている。
上記構成の太陽電池におけるp型半導体層104の製造方法は、まず、ガラス基板102の一面側に、蒸着或いはスパッタリングによってモリブデン層102を形成し、その上にインジウム層と銅層を順に蒸着やメッキによって積層して形成する。その後、インジウム層と銅層が積層されて成るプリカーサを、硫化水素雰囲気中で加熱処理をする方法によって硫化処理し、CuInSのp型半導体層104を形成する。
ところで、高性能の太陽電池を製造するにあたって、p型半導体層が均一な組成の良好な結晶であることは不可欠であり、均一な組成のp型半導体層を形成するためには、プリカーサ全体が硫化水素と反応して、硫化処理が完了していることが必要である。
硫化処理の完了時間は、プリカーサの形成方法や、硫化処理の温度等の条件によっても大きく異なるので、これらの条件を変える度に硫化処理の完了時間を確認する必要がある。しかしながら、硫化処理の進行状況は、p型半導体層の外観等によって簡単に認識できないので、従来は、硫化処理の途中で所定時間おき(例えば5分おき)に試料を取り出し、その切断面を電子顕微鏡で観察し判断する、或いはp型半導体層の成分を分析し分析結果から判断する等の作業を行って硫化処理条件を事前に確認していた。このように、従来の硫化処理の進行状況を確認する方法は、多大な労力と時間のかかる煩わしい作業となっている。
この煩雑さは、p型半導体層としてCuInSeを形成するために、インジウム層と銅層とからなるプリカーサを、セレン化水素雰囲気中で加熱処理をするセレン化処理の場合も同様に当てはまる。
特開2001−148490号公報
この様に、従来の化合物半導体太陽電池の製造方法における硫化処理又はセレン化処理の際に、多大な労力を必要とするのは、その硫化処理又はセレン化処理の進行状況を簡単に把握できないことにある。
そこで、本発明の課題は、硫化処理又はセレン化処理を施してp型半導体層を形成する際に、硫化処理又はセレン化処理の進行状況を簡単に把握し得る化合物半導体太陽電池の製造方法及び製造装置を提供することにある。
本発明者は、基板の一面側に形成された電極層上のインジウム層と銅層とから成るプリカーサをセレン化水素雰囲気中、或いは硫化水素雰囲気中で加熱処理する際には、質量が比較的軽く、拡散しやすい水素ガスが副生成物として生成されることに着目し、本願発明に到達した。
すなわち、本発明による化合物半導体太陽電池の製造方法は、基板の一面側に形成された電極層上に、銅(Cu)層とインジウム(In)層とが積層されて成るプリカーサを、硫化水素雰囲気又はセレン化水素雰囲気中で加熱処理して形成した、CuInS又はCuInSeから成るp型半導体層と、前記p型半導体層の一面側に密着して形成したn型半導体層とを具備する化合物半導体太陽電池を製造する際に、前記加熱処理を、硫化水素又はセレン化水素とCu及びInとの反応の進行状況をモニターしつつ施すべく、前記反応によって発生する水素ガスの分圧を測定することを特徴とする。これにより、効率良く硫化処理又はセレン化処理の進行状況を知ることができる。
また、本発明の化合物半導体太陽電池の製造装置は、一面側に形成された電極層上に、銅(Cu)層とインジウム(In)層とが積層されて成るプリカーサを有した基板を、処理室内で加熱しながら、該処理室内に導入される硫化水素或いはセレン化水素と、前記プリカーサとを反応させることにより、p型半導体層を形成する化合物半導体太陽電池の製造装置において、処理室から排気される、前記反応によって生成する水素ガスの分圧を測定する測定装置が設けられていることを特徴とする。
かかる本発明において、水素ガスの分圧の測定を加熱処理の開始から終了まで連続して行うことによって、硫化処理又はセレン化処理の進行状況を連続して把握できる。
また、水素ガスの分圧の測定を質量分析計で行うことによって、簡単に水素ガスの分圧を測定できる。
本発明によれば、硫化処理又はセレン化処理の際に、硫化水素又はセレン化水素と銅及びインジウムとの反応によって水素が発生する。この水素の分圧を測定することによって、その時点における硫化処理又はセレン化処理の処理速度を把握できる。
すなわち、水素分圧が高い場合には、硫化水素又はセレン化水素と銅及びインジウムとの反応が急速に進行している状態を示す。かかる反応速度が速過ぎると、形成されたp型半導体層内に空孔が形成され易く、良好な効率の太陽電池を得ることができない。
一方、水素分圧が低い場合には、硫化水素又はセレン化水素と銅及びインジウムとの反応の進行が遅い状態を示す。かかる反応速度が遅過ぎると、硫化処理又はセレン化処理が長時間となり、太陽電池の生産性が低下する。
このため、硫化処理又はセレン化処理の際に、その水素分圧が適度の範囲となる様に、硫化水素又はセレン化水素の濃度や温度等を調整できる。
その結果、形成されたp型半導体層内に空孔が形成されず且つ硫化処理又はセレン化処理を適度の時間で行うことができ、生産性を低下させることなく良好な効率の太陽電池を製造できる。
本発明に係る化合物半導体太陽電池(以下、単に太陽電池と称することがある)の製造方法の一例を図3に示す。
図3に示す製造方法では、まず、基板(ガラス基板)100の一面側に、電極層としてのモリブデン層102をスパッタリングによって形成した後、モリブデン層102上にインジウム層103を室温下での蒸着によって形成する。次いで、インジウム層103上に室温下での蒸着によって銅層105を形成し(図3(a)の工程)、インジウム層103及び銅層105から成るプリカーサに、硫化水素雰囲気中で加熱処理をする硫化処理を施すことによって、CuInSのp型半導体層104を形成する(図3(b)の工程)。
銅層とインジウム層から成るプリカーサを形成するにあたっては、インジウム層を形成した後に銅層を形成しても、銅層を形成した後にインジウム層を形成してもどちらでもよい。さらに、インジウム層と銅層は、蒸着による形成に限らず、スパッタリングやメッキによって形成してもよいし、蒸着、スパッタリング、及びメッキの併用であってもよい。
p型半導体層を形成した後、最適なpn接合の太陽電池が得られるように、p型半導体層に生成された硫化物(Cu)等の不純物を取り除きp型半導体層の特性を適性化して安定した特性とすべく、KCNが5〜10重量%含有された室温(常温)程度のKCN溶液中に、p型半導体層の表面を1〜5分間程度浸漬する。
こうして形成されたp型半導体層上に、化学的溶液析出法によってZnS、或いはCdSから成るn型半導体層106を密着して形成する(図3(c)の工程)。さらに、n型半導体層106上にAlがドープされたZnOから成る透明電極層108を形成する(図3(d)の工程)。その後、透明電極層108上にアルミニウムから成る櫛形電極を形成した後、モリブデン層上に電極端子を形成して太陽電池を得ることができる。
図3(b)に示す硫化処理においては、図1に示す処理装置10を用いる。
図1に示す処理装置10では、加熱処理を行うための電気炉(処理室)11に、ガス導入口12とガス排出口13が電気炉11の長手方向に対向して設けられている。ガス導入口12には、硫化水素がアルゴンガス等の不活性ガスと共に電気炉11内へ導入可能に、導入管14が接続されている。また、電気炉11内のガスが、ガス処理設備15へ排出されるように、排出管16を介して電気炉11のガス排出口13とガス処理設備15が接続されている。
そして、排出管16の中途には配管17が接続されており、配管17を介して電気炉11から排出される排気ガスが質量分析計18に導入され、硫化処理と並行して排気ガスの成分を分析可能に設けられている。質量分析計18としては、特に四重極質量分析計が好適である。
処理装置10を用いて硫化処理を行うには、一面側にモリブデン層とプリカーサを形成した基板200(図3(a)参照)を、電気炉11内に収容して所定の温度(例えば、550℃)に加熱しながら、アルゴンガス等の不活性ガス中に硫化水素(HS)が所定濃度(例えば、5vol%)加えられた気体を電気炉11内へ流すことで行なわれる。この際の硫化処理の化学反応式は次の式で表される。
上記化学式からわかるように、硫化処理の際には副生成物として水素ガス(H)が生成されるので、硫化処理を行いながら並行して質量分析計18によって電気炉11から排出される水素ガスの分圧を連続して測定する。
水素ガスは比較的軽いガスで、拡散性が良いので、電気炉11から速やかに質量分析計18へと導入される。従って水素ガスは、電気炉11内での生成と時間的な差を生じることなく質量分析計18に到達するので、水素ガスの分圧の変化は、Cu層とIn層とから成るプリカーサと、硫化水素との反応の進行具合による変化としてとらえることができる。そして、水素ガス分圧を観察することで、硫化処理と並行して同時期に、硫化処理の進行状況をモニターし、p型半導体層の形成状態を予想することができる。
また、水素ガス分圧がバックグラウンドレベルに戻った時を、プリカーサ全体が硫化水素と反応した、硫化処理の完了時、つまりp型半導体層の形成反応完了時と判断できる。
これまで、プリカーサに硫化処理を施す方法について説明したが、プリカーサにセレン化処理を施す場合も、図1に示す処理装置10を適用できる。つまり、基板上に形成された電極層上の、インジウム層と銅層から成るプリカーサに、セレン化水素雰囲気中で加熱処理をするセレン化処理を施し、CuInSe等のp型半導体層を形成する場合も、図1に示す処理装置10を用いて施すことができる。この場合のセレン化処理の化学反応式は、次の式で表される。
上記化学式から分かるように、セレン化処理の際にも、硫化処理と同様、副生成物として水素ガスが生成される。
従って、硫化処理の場合と同様の図1に示す処理装置10を用い、同様の操作によって、電気炉内にモリブデン層と、インジウム層と銅層から成るプリカーサを形成した基板を収容し、これを所定温度に加熱しながら、アルゴン等の不活性ガスと共にセレン化水素を電気炉内に導入することで、プリカーサにセレン化処理を施すことができる。そして、セレン化処理と並行して、質量分析計により電気炉から排出される水素ガスの分圧を測定することで、セレン化処理の進行状況をモニターすることができる。
この場合も水素ガス分圧がバックグラウンドレベルに戻った時を、セレン化処理の完了時、つまりp型半導体層の形成反応完了時と判断できる。
さらに、p型半導体層であるCuInS或いはCuInSe中に、微量のガリウム(Ga)が含有される場合にも本発明は適用できる。つまり、基板上に形成されたモリブデン層上に、ガリウム層をガリウム(Ga)又は硫化ガリウム(GaS)のスパッタリング又は蒸着によって形成した後、インジウム層と銅層を形成する。或いは、モリブデン層上にインジウム層と銅層を形成した後、上記同様にガリウム層を形成する。このような方法により、インジウム及び銅を主とし、微量のガリウムを含むプリカーサを形成し、次いで硫化処理、あるいはセレン化処理を施すことによって、微量のガリウム(Ga)を含有するp型半導体層が形成できる。このときの硫化処理或いはセレン化処理の際にも、本発明による製造方法及び製造装置が適用できる。
このように、プリカーサの種類や形成方法に限定されず、プリカーサを硫化水素雰囲気中或いはセレン化水素雰囲気中で加熱処理することで、硫化処理或いはセレン化処理を施す際に、副生成物として水素ガスが生成される場合に本発明が適用できる。
本発明によれば、硫化処理或いはセレン化処理と並行して水素ガスの分圧を計測し、計測結果を観察することで、処理と並行して処理の進行状況をモニターすることができ、効率良くp型半導体層の形成状態を予想できる。
また、水素分圧がピークとなるまでの処理時間を知ることで、硫化処理或いはセレン化処理が完了し、均一な結晶に形成されたp型半導体層を効率良く簡単に得ることができる。さらに、ピーク時前に硫化処理或いはセレン化処理を停止すれば、プリカーサが完全に硫化或いはセレン化処理されずに残存しているものも必要に応じて作成できる。
ガラス基板の一面側に形成したモリブデン層上に、インジウム層と銅層をこの順に、別々に蒸着によって積層し、膜厚760nmのインジウム層と、膜厚540nmの銅層とから成るプリカーサが形成された基板を作成した。この基板を前記処理装置10の電気炉11内に収容して550℃に加熱しながら、アルゴンガス中に硫化水素が5vol%加えられた気体を電気炉内に導入して硫化処理を行った。
図4は、この硫化処理と並行して、四重極質量分析計18で測定した硫化水素ガス(HS)と水素ガス(図ではH(蒸着)で示す)、それぞれの分圧の経時変化を示したグラフである。尚、60分を過ぎたところでHSの電気炉への供給を停止した。
ところで、図4のグラフの縦軸は、質量分析計の検出電流であるイオン電流値で、単位はアンペア(A)であるが、感度係数を乗算することで分圧に換算できる。後述する図5、図6についても同様である。
グラフにおいてHSの分圧の立ち上がりが遅いのは、HSの質量が比較的重く拡散性が悪いため、四重極質量分析計に到達するまでに時間がかかるからと考えられる。
水素ガス分圧の上昇が約30分間にわたり観察されるので、硫化処理の完了までに要する処理時間は約30分であることが分かる。
このことを実証するため、硫化処理と並行して5分おきに試料を取り出し、その試料をICP分析によって組成分析するという確認を行った。その結果を表1に示す。
表1から、確かに処理時間30分で硫黄の組成比が2となって、CuInSが形成され、硫化処理が完了していることがわかる。
また、No.6(処理時間30分)の試料をFIB装置によって加工し、その断面を電子顕微鏡で観察したところ、プリカーサは認められず、モリブデン層上に均一な結晶のCuInS層が形成されていることが確認できた。
ガラス基板の一面側に形成したモリブデン層上に、インジウム層と銅層をこの順に別々に、メッキによって形成して、実施例1と同じ膜厚(インジウム層の膜厚760nm、銅層の膜厚540nm)のプリカーサを形成した基板を、前記処理装置10の電気炉11内に収容して硫化処理を行った。このとき、その他の条件については、実施例1と同様にして行った。
図4に、このときの硫化処理と並行して、四重極質量分析計18で測定した水素ガス(図ではH(メッキ)で示す)の分圧の経時変化を示す。
実施例2で用いたものと同様の基板、つまり一面側に形成したモリブデン層上に、インジウム層(膜厚760nm)と銅層(膜厚540nm)がこの順に別々に、メッキによって形成された基板を、処理装置10によって硫化処理を施してp型半導体層を形成した。この際、電気炉内に導入する硫化水素の濃度を2.5vol%とし、その他の硫化処理の条件は実施例2と同様にして行った。
図5は、硫化処理と並行して四重極質量分析計で測定した硫化水素ガスと水素ガス、それぞれの分圧の経時変化を示したグラフである。尚、80分を過ぎたところでHSの電気炉への導入を停止した。
実施例2で用いたものと同様の基板、つまり一面側に形成したモリブデン層上に、インジウム層(膜厚760nm)と銅層(膜厚540nm)がこの順に別々に、メッキによって形成された基板を、処理装置10を用いて硫化処理を施してp型半導体層を形成した。この際、電気炉内に導入する硫化水素の濃度を1.0vol%とし、その他の硫化処理の条件は実施例2と同様にして行った。
図6は、硫化処理と並行して四重極質量分析計18で測定した硫化水素ガスと水素ガス、それぞれの分圧の経時変化を示したグラフである。尚、80分を過ぎたところでHSの電気炉内への導入を停止した。
図4から、蒸着によって形成したプリカーサについては、水素ガス分圧の上昇が約30分間にわたってみられ、メッキによるプリカーサはそれが約15分間であるので、プリカーサの膜厚は同じでも形成方法の違い(蒸着とメッキ)によって硫化処理完了までに要する時間が異なることがわかる。そして、メッキによって形成したプリカーサの方が、硫化の速度が速いことがわかる。
さらに、同じメッキによるプリカーサであっても、硫化水素濃度が5%のときは水素ガス分圧は硫化処理時間が約15分でピークとなり(図4参照)、硫化水素濃度2.5%では約30分(図5参照)で、硫化水素濃度1%では約50分(図6参照)でピークとなっていることから、硫化水素濃度を低くすることで、硫化速度が遅くなることがわかる。
図7は、実施例2(硫化水素濃度5%)の硫化処理における、処理途中の基板(硫化処理時間約5分)の断面の電子顕微鏡写真である。基板34の上層にCuInSの層30が形成され、モリブデン層32とCuInS層30との間に、硫化水素と反応していないプリカーサ31が存在している。そして、CuInS層30の厚さは位置によるバラツキが大きい上に、CuInS層30には、複数の空孔33が形成されているのが認められる。
図8は、実施例4(硫化水素濃度1.0%)の硫化処理における、処理途中の基板(硫化処理時間約10分)の断面の電子顕微鏡写真である。基板34の上層にCuInSの層30が形成され、モリブデン層32とCuInS層30との間には、硫化水素と反応していないプリカーサ31が存在している。そして、図7で見られた空孔33は認められず、プリカーサ31とCuInS層30はそれぞれ均一な厚さの層になっている。
空孔33は、太陽電池において均一な厚さの膜形成の障害となり、ショート(電気的短絡)の原因となるので硫化処理は、空孔が発生しない条件で行わなくてはならない。上記の結果から、硫化水素の濃度を高くして急速に硫化処理を行うと空孔が発生しやすく、硫化水素の濃度を低くして硫化速度を遅くすると、空孔の無い良好なp型半導体層を形成できることがわかる。
本発明による化合物半導体太陽電池の処理装置の概略図である。 化合物半導体太陽電池の構成を示す正面図及び縦断面図である。 化合物半導体太陽電池の製造方法を説明する説明図である。 実施例1、2における水素ガス分圧の経時変化を示すグラフである。 実施例3における水素ガス分圧の経時変化を示すグラフである。 実施例4における水素ガス分圧の経時変化を示すグラフである。 実施例2における処理途中の基板の断面の電子顕微鏡写真である。 実施例4における処理途中の基板の断面の電子顕微鏡写真である。
符号の説明
10 処理装置
11 電気炉
12 ガス導入口
13 ガス排出口
14 導入管
15 ガス処理設備
16 排出管
17 配管
18 質量分析計

Claims (5)

  1. 基板の一面側に形成された電極層上に、銅(Cu)層とインジウム(In)層とが積層されて成るプリカーサを、硫化水素雰囲気又はセレン化水素雰囲気中で加熱処理して形成した、CuInS又はCuInSeから成るp型半導体層と、前記p型半導体層の一面側に密着して形成したn型半導体層とを具備する化合物半導体太陽電池を製造する際に、
    前記加熱処理を、硫化水素又はセレン化水素とCu及びInとの反応の進行状況をモニターしつつ施すべく、前記反応によって発生する水素ガスの分圧を測定することを特徴とする化合物半導体太陽電池の製造方法。
  2. 水素ガスの分圧の測定を加熱処理の開始から終了まで連続して行うことを特徴とする請求項1記載の化合物半導体太陽電池の製造方法。
  3. 水素ガスの分圧の測定を、質量分析計で行うことを特徴とする請求項1または2記載の化合物半導体太陽電池の製造方法。
  4. 一面側に形成された電極層上に、銅(Cu)層とインジウム(In)層とが積層されて成るプリカーサを有した基板を、処理室内で加熱しながら、該処理室内に導入される硫化水素或いはセレン化水素と、前記プリカーサとを反応させることにより、p型半導体層を形成する化合物半導体太陽電池の製造装置において、
    処理室から排気される、前記反応によって生成する水素ガスの分圧を測定する測定装置が設けられていることを特徴とする化合物半導体太陽電池の製造装置。
  5. 水素ガスの分圧を測定する測定装置が、質量分析計である請求項4記載の化合物半導体太陽電池の製造装置。
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