JP2006004291A - 操作履歴処理システム、操作履歴処理方法および操作履歴処理プログラム - Google Patents

操作履歴処理システム、操作履歴処理方法および操作履歴処理プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】操作履歴の背後にある利用者の内的要因までも考慮した、実用的で精度の高い検索結果を得ることを課題とする。
【解決手段】各利用者端末10では、利用者によるWeb操作、メール操作、ファイル操作、各種アプリケーション操作などの操作ごとに操作履歴を収集し、さらに、操作履歴ごとに各操作履歴に係る利用者の操作理由(操作履歴の背後にある利用者の目的、嗜好、興味、関心、スキルレベルなどの内的要因)を推定し、この操作理由および操作履歴を含んだコンテキストを生成してコンテキストDB15dに格納する。そして、各利用者端末10では、例えば、所定の操作理由を閲覧要求の検索キーとして受け付けた場合には、その操作理由を検索キーとしてコンテキストDB15dから該当のコンテキストを検索し、検索でヒットしたコンテキストを表示出力する。
【選択図】 図1

Description

この発明は、利用者端末における利用者の操作履歴を保存して処理する操作履歴処理システム、操作履歴処理方法および操作履歴処理プログラムに関する。
従来より、情報フィルタリングや履歴分析、リンク解析と呼ばれる技術分野では、大量の情報のなかから利用者の興味や嗜好に適うものを検索して抽出する技術が知られている。例えば、特許文献1(特開平11−328275号公報)には、ユーザの情報に対する評価値を他のユーザの情報に対する評価値から予測する手法が開示されており、また、特許文献2(特開2003−114903号公報)には、ある項目の嗜好値をユーザから取得し、この嗜好値に基づいて新規な項目の嗜好値を予測する手法が開示されている。
また、利用者端末における利用者の操作履歴を分析しようとする場合には、ユーザの操作履歴のデータ、すなわち、操作方法(例えば、ファイル開く、ファイル保存等の操作指示)、操作内容(例えば、Web検索で入力されたキーワード等)、操作対象(例えば、ファイル名、アプリケーション名等)などを検索キーとして、ある利用履歴に類似する他の利用履歴を検索することが一般的に行われている。
特開平11−328275号公報 特開2003−114903号公報
ところで、上記した従来の技術は、ユーザの操作履歴のデータをそのまま検索キーに用いるものに過ぎず、実用的で精度の高い検索結果を得ることができないという問題点があった。すなわち、同じ操作履歴であっても、その履歴の背後にある利用者の目的、嗜好、興味、関心、スキルレベルなどは相違することもあり(例えば、「ファイル開く」という同じ操作方法であっても、確認のためにファイルを開いたのか、編集のためにファイルを開いたのか、興味があってファイルを開いたのか、興味なくファイルを開いたのか等、利用者の内的要因は相違することもあり)、このような操作履歴の背後になる利用者の内的要因まで考慮に入れなければ、実用的で精度の高い検索結果を得ることはできない。
そこで、この発明は、上述した従来技術の課題を解決するためになされたものであり、操作履歴の背後にある利用者の内的要因までも考慮した、実用的で精度の高い検索結果を得ることが可能な操作履歴処理システム、操作履歴処理方法および操作履歴処理プログラムを提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するため、請求項1に係る発明は、利用者端末における利用者の操作履歴を保存して処理する操作履歴処理システムであって、前記操作履歴ごとに各操作履歴に係る前記利用者の内的要因を推定する推定手段と、前記操作履歴および前記推定手段によって推定された内的要因を含んだコンテキストを記憶するコンテキスト記憶手段と、前記内的要因を検索キーとして前記コンテキスト記憶手段に記憶されたコンテキストから所定のコンテキストおよび/または当該コンテキストに含まれる所定の項目を検索するコンテキスト検索手段と、前記コンテキスト検索手段によって検索された所定のコンテキストおよび/または所定の項目を出力する検索結果出力手段と、を備えたことを特徴とする。
また、請求項2に係る発明は、上記の発明において、前記推定手段は、前記内的要因として、前記利用者の目的、嗜好、興味、関心、スキルレベルもしくはこれらの組合せを推定することを特徴とする。
また、請求項3に係る発明は、上記の発明において、前記操作履歴の収集に係る収集条件を記憶する収集条件記憶手段を備え、前記推定手段は、前記収集条件記憶手段に記憶された収集条件に従って収集された項目を含んだ操作履歴について、前記内的要因を推定することを特徴とする。
また、請求項4に係る発明は、上記の発明において、前記コンテキスト検索手段は、所定の利用者からコンテキストに係る検索要求を受け付け、当該所定の利用者のコンテキスト並びに他の利用者のコンテキストのなかから所定のコンテキストおよび/または所定の項目を検索し、前記検索結果出力手段は、前記所定の利用者の利用者端末において、前記コンテキスト検索手段によって検索された所定のコンテキストおよび/または所定の項目を出力することを特徴とする。
また、請求項5に係る発明は、上記の発明において、前記コンテキスト検索手段は、所定の利用者から他の利用者に係る検索要求を受け付け、他の利用者のコンテキストのなかから所定のコンテキストを検索した後に、当該コンテキストに含まれる利用者名を抽出し、前記検索結果出力手段は、前記所定の利用者の利用者端末において、前記コンテキスト検索手段によって抽出された他の利用者の利用者名を出力することを特徴とする。
また、請求項6に係る発明は、利用者端末における利用者の操作対象であるコンテンツを記憶するコンテンツ記憶手段をさらに備え、前記コンテキスト検索手段は、所定の利用者からコンテンツに係る検索要求を受け付け、当該所定の利用者および/または他の利用者のコンテキストのなかから所定のコンテキストを検索した後に、当該コンテキストで操作対象となっているコンテンツを前記コンテンツ記憶手段から抽出し、前記検索結果出力手段は、前記所定の利用者の利用者端末において、前記コンテキスト検索手段によって抽出されたコンテンツを出力することを特徴とする。
また、請求項7に係る発明は、上記の発明において、前記コンテキストの開示に係る開示条件を記憶する開示条件記憶手段を備え、前記検索結果出力手段は、前記開示条件記憶手段に記憶された開示条件に従って、前記所定のコンテキスト、所定の項目、利用者名、コンテンツを出力することを特徴とする。
また、請求項8に係る発明は、上記の発明において、前記検索結果出力手段は、所定の利用者のコンテキスト、所定の項目、利用者名、コンテンツを他の利用者の利用者端末に出力する場合に、当該他の利用者の利用者端末に出力する旨を前記所定の利用者の利用者端末に出力することを特徴とする。
また、請求項9に係る発明は、上記の発明において、各利用者の利用者端末とネットワークを介して接続されるサーバ装置が、前記操作履歴を保存する手段、前記推定手段、コンテキスト記憶手段、コンテキスト検索手段、検索結果出力手段もしくはこれらの組合せを備えることを特徴とする。
また、請求項10に係る発明は、上記の発明において、ネットワークを介して相互に接続された各利用者の利用者端末が、前記操作履歴を保存する手段、前記推定手段、コンテキスト記憶手段、コンテキスト検索手段および検索結果出力手段を備えることを特徴とする。
また、請求項11に係る発明は、利用者端末における利用者の操作履歴を保存して処理する操作履歴処理方法であって、前記操作履歴ごとに各操作履歴に係る前記利用者の内的要因を推定する推定工程と、前記操作履歴および前記推定工程によって推定された内的要因を含んだコンテキストをコンテキスト記憶手段に格納するコンテキスト格納工程と、前記内的要因を検索キーとして前記コンテキスト記憶手段に記憶されたコンテキストから所定のコンテキストを検索するコンテキスト検索工程と、前記コンテキスト検索工程によって検索された所定のコンテキストもしくは当該コンテキストに含まれる所定の項目を出力する検索結果出力工程と、を含んだことを特徴とする。
また、請求項12に係る発明は、上記の発明において、前記推定工程は、前記内的要因として、前記利用者の目的、嗜好、興味、関心、スキルレベルもしくはこれらの組合せを推定することを特徴とする。
また、請求項13に係る発明は、利用者端末における利用者の操作履歴を保存して処理する操作履歴処理方法をコンピュータに実行させる操作履歴処理プログラムであって、前記操作履歴ごとに各操作履歴に係る前記利用者の内的要因を推定する推定手順と、前記操作履歴および前記推定手順によって推定された内的要因を含んだコンテキストをコンテキスト記憶手段に格納するコンテキスト格納手順と、前記内的要因を検索キーとして前記コンテキスト記憶手段に記憶されたコンテキストから所定のコンテキストを検索するコンテキスト検索手順と、前記コンテキスト検索手順によって検索された所定のコンテキストもしくは当該コンテキストに含まれる所定の項目を出力する検索結果出力手順と、をコンピュータに実行させることを特徴とする。
また、請求項14に係る発明は、上記の発明において、前記推定手順は、前記内的要因として、前記利用者の目的、嗜好、興味、関心、スキルレベルもしくはこれらの組合せを推定することを特徴とする。
請求項1、11または13の発明によれば、操作履歴に係る利用者の内的要因を推定し、この内的要因および操作履歴からなるコンテキストを作成し、さらに、かかる内的要因を検索キーとして所定のコンテキストを検索し、その検索でヒットしたコンテキストもしくは当該コンテキストに含まれる所定の項目を検索結果として出力するので、操作履歴の背後にある利用者の内的要因までも考慮した、実用的で精度の高い検索結果を得ることが可能になる。
また、請求項2、12または14の発明によれば、操作履歴の背後にある利用者の目的、嗜好、興味、関心、スキルレベルなどを推定するので、これらの内的要因を含んだ実用的価値の高いコンテキストを生成することが可能になる。
また、請求項3の発明によれば、収集条件に従って収集された項目を含んだ操作履歴について内的要因を推定してコンテキストを生成するので、例えば、各利用者が指定した収集条件によって収集された操作履歴についてのみ内的要因を推定してコンテキストを生成することなどが可能になる。また、利用者にとっては、コンテキストを生成する必要がない操作履歴や、コンテキストの生成に無関係な履歴項目、コンテキストとして検索対象にされたくない操作履歴などを収集条件で指定することで、操作履歴の格納容量を削減することや、操作履歴の漏洩を防止することが可能になる。
また、請求項4の発明によれば、自己のコンテキストのみならず他の利用者のコンテキストも検索対象にするので、内的要因を介して各利用者の操作履歴を連携させることができ、実用的な情報共有の実現によって、個々の利用者端末における利用者の作業を効率化させることが可能になる。
また、請求項5の発明によれば、他の利用者のコンテキストのなかから検索されたコンテキストに含まれる利用者名を検索結果として出力するので、趣味が合う利用者との出会いやコミュニティの形成を図ることが可能になる。
また、請求項6の発明によれば、コンテキストを介して、自分のコンテンツや他の利用者のコンテンツから所定のコンテンツを検索・抽出するので、実用的で精度の高い検索結果の下で、狙いのコンテンツを抽出することが可能になる。
また、請求項7の発明によれば、検索結果としてのコンテキストや利用者名、コンテンツを開示条件に従って利用者に出力するので、例えば、各利用者は自己のコンテキストが第三者による検索の結果として無条件に出力される事態を回避し、指定の第三者に対して指定の項目のみを出力することなどが可能になる。
また、請求項8の発明によれば、自己のコンテキストや利用者名、コンテンツが第三者による検索の結果として出力される場合に、その旨を知らせるので、利用者は第三者に自己のコンテキスト等が開示されたことを把握することが可能になる。
また、請求項9の発明によれば、各利用者の利用者端末を連携させるサーバ装置で、操作履歴を保存、内的要因の推定、コンテキストの記憶、コンテキストの検索、検索結果の出力を行うので、各利用者の利用者端末を相互に接続する場合に比較して、コンテキストの検索処理を高速化することや、セキュリティを向上させることが可能になる。
また、請求項10の発明によれば、各利用者の利用者端末で、操作履歴を保存、内的要因の推定、コンテキストの記憶、コンテキストの検索、検索結果の出力を行うので、各利用者端末を連携させるためのサーバを設けることなく、広範囲に居る利用者のコンテキストから実用的で精度の高い検索結果を得ることが可能になる。
以下に添付図面を参照して、この発明に係る操作履歴処理システム、操作履歴処理方法および操作履歴処理プログラムの実施例(実施例1および2)を詳細に説明する。
以下の実施例1では、本発明に係る操作履歴処理システムの概要および特徴、システムを形成する各利用者端末の構成、各種処理の詳細、実施例1の効果等を順に説明する。
[システムの概要および特徴]
図1は、実施例1に係る操作履歴処理システムの構成を示す構成図である。同図に示すように、この操作履歴処理システムは、複数の利用者がそれぞれ操作する複数の利用者端末10を、ネットワーク1(公衆電話網やインターネット、LANなどによって形成される通信網)を介して相互に通信可能に接続(PeerToPeer接続)して構成される。
ここで、利用者端末10は、電子メールソフトやブラウザソフト等の通信用ソフトや各種のアプリケーションソフトがインストールされた、既知のパーソナルコンピュータやワークステーション、家庭用ゲーム機、インターネットTV、PDA、あるいは携帯電話やPHSの如き移動体通信端末などである。そして、このような利用者端末10を相互に通信可能に接続して構成される、実施例1に係る操作履歴処理システムは、利用者端末10における利用者の操作履歴を保存して処理することを概要とするが、操作履歴の背後にある利用者の内的要因までも考慮した、実用的で精度の高い検索結果を得ることができるようにしている点に主たる特徴がある。
これを具体的に説明すると、各利用者端末10では、利用者によるWeb操作、メール操作、ファイル操作、各種アプリケーション操作などの操作ごとに、操作方法(例えば、ファイル開く、ファイル保存等の操作指示)、操作内容(例えば、Web検索で入力されたキーワード等)、操作対象(例えば、ファイル名、アプリケーション名等)などからなる操作履歴を収集して操作履歴DBに格納する。なお、操作対象そのもの(例えば、ファイルそのもの、アプリケーションそのもの)を特に「コンテンツ」と表記する。
さらに、各利用者端末10では、操作履歴ごとに各操作履歴に係る利用者の操作理由(操作履歴の背後にある利用者の目的、嗜好、興味、関心、スキルレベルなどの内的要因)を推定し、この操作理由および操作履歴を含んだコンテキストを生成してコンテキストDBに格納する。なお、「コンテキスト」とは、「いつ、どこで、だれが、なぜ、どのように、何をした」という5W4Hで表現された操作履歴のことであり、ここでいう「なぜ」が上記の「操作理由(内的要因)」に相当するものである。
そして、各利用者端末10では、利用者から自己の操作履歴DBに対してだけでなく自己のコンテキストDBに対する閲覧要求を受け付け、例えば、所定の操作理由を閲覧要求の検索キーとして受け付けた場合には、その操作理由を検索キーとしてコンテキストDBから該当のコンテキストを検索し、検索でヒットしたコンテキストを表示出力する。
また、各利用者端末10では、利用者から他人のコンテキストDBに格納されたコンテキストに係る検索要求を受け付け、例えば、所定の操作理由を検索キーとして受け付けた場合には、その操作理由を検索キーとして他の利用者端末10に検索を問い合わせる。一方、問い合わせを受けた利用者端末10では、コンテキストDBから検索キーに該当するコンテキストを検索し、検索でヒットしたコンテキストを問い合わせ元の利用者端末10に返信する。そして、コンテキストを受信した利用者端末10では、受信したコンテキストを検索結果として表示出力する。
さらに、各利用者端末10では、利用者から他の利用者に係る検索要求を受け付け、例えば、所定の操作理由を検索キーとして受け付けた場合には、その操作理由を検索キーとして他の利用者端末10に検索を問い合わせる。一方、問い合わせを受けた利用者端末10では、コンテキストDBから検索キーに該当するコンテキストを検索し、検索でヒットしたコンテキストから利用者名(操作者の名称)を抽出して問い合わせ元の利用者端末10に返信する。そして、利用者名を受信した利用者端末10では、受信した利用者名(もしくは、その集合であるコミュニティ)を検索結果として表示出力する。
このように、実施例1に係る操作履歴処理システムでは、操作履歴に係る利用者の内的要因を推定し、この内的要因および操作履歴からなるコンテキストを作成し、さらに、かかる内的要因を検索キーとして所定のコンテキストを検索し、その検索でヒットしたコンテキストもしくは当該コンテキストに含まれる所定の項目(利用者名)を検索結果として出力するので、上記した主たる特徴の如く、操作履歴の背後にある利用者の内的要因までも考慮した、実用的で精度の高い検索結果を得ることが可能になる。
これによって、複数の利用者端末10の間でも、内的要因を介して各利用者の操作履歴を連携させることができ、実用的な情報共有の実現によって、個々の利用者端末10における利用者の作業を効率化させることが可能になる。つまり、例を挙げれば、利用者端末10におけるウィルス被害報告を複数の利用者で共有することで、リスク回避に役立てることができ、また、ウィルス被害によって破壊されたデータを有する利用者を検索することで、データ回復に役立てることができ、さらに、趣味が合う利用者との出会いやコミュニティ形成に役立てることなどができる。
なお、上記したように、利用者は利用者端末10を介して、自己のコンテキストや操作履歴の閲覧、他の利用者のコンテキストの検索、他の利用者(コミュニティ)の検索を行うことができるが、さらにそれ以外にも、自己のコンテキストを他の利用者端末10に送信して、コンテキストを他の利用者に開示することなどもできる。
[利用者端末の構成]
次に、図2を用いて、利用者端末10の構成(特に、利用者端末10の構成のうち本発明に密接に関連する部分)を説明する。図2は、利用者端末10の構成を示すブロック図である。同図に示すように、利用者端末10は、入力部11と、出力部12と、入出力制御IF部13と、通信制御IF部14と、記憶部15と、制御部16とから構成される。
このうち、入力部11は、各種の情報の入力を受付ける入力手段であり、キーボードやマウス、マイクなどを備えて構成され、例えば、本発明に密接に関連するものとして、後述する収集条件、開示条件、閲覧要求、検索要求、開示要求などを受け付けて入力する。なお、後述するモニタも、マウスと協働してポインティングディバイス機能を実現する。
出力部12は、各種の情報を出力する出力手段であり、モニタ(若しくはディスプレイ、タッチパネル)やスピーカを備えて構成され、例えば、本発明に密接に関連するものとして、後述する収集条件や開示条件の設定画面、閲覧要求や検索要求に対する検索結果などを表示出力する。なお、入出力制御IF部13は、これら入力部11および出力部12によるデータの入出力を制御する手段である。
通信制御IF部14は、他の利用者端末10との間でやり取りする各種情報に関する通信を制御する手段であり、例えば、本発明に密接に関連するものとして、検索処理では検索条件を他の利用者端末10に送信し、他の利用者端末10から検索でヒットしたコンテキストを受信し、開示処理ではコンテキストを他の利用者端末10に送信する。なお、これらの送受信は、セキュリティ保持を図るために、暗号化して行うことが望ましい。
記憶部15は、制御部16による各種処理に必要なデータおよびプログラムを格納する格納手段(記憶手段)であり、特に本発明に密接に関連するものとしては、収集条件DB15aと、開示条件DB15bと、操作履歴DB15cと、コンテキストDB15cとを備える。なお、収集条件DB15aは特許請求の範囲に記載の「収集条件記憶手段」に対応し、開示条件DB15bは同じく「開示条件記憶手段」に対応し、コンテキストDB15cは同じく「コンテキスト記憶手段」に対応する。
このうち、収集条件DB15aは、操作履歴の収集条件に関する各種の情報を記憶する手段であり(図3参照)、また、開示条件DB15bは、コンテキストの開示条件に関する各種の情報を記憶する手段であり(図4参照)、いずれも後述する条件設定部16aの処理によって情報を記憶する。
また、操作履歴DB15cは、利用者端末10における利用者の操作履歴に関する各種の情報を記憶する手段であり(図5参照)、後述する操作履歴収集部16bの処理によって情報を記憶する。コンテキストDB15dは、操作履歴および内的要因からなるコンテキストに関する各種の情報を記憶する手段であり(図6参照)、後述するコンテキスト生成部16cの処理によって情報を記憶する。
なお、図1には図示していないが、記憶部15は、上記した各DBの他にも、例えば、利用者の操作対象であるコンテンツ(例えば、ファイルそのもの)を記憶するコンテンツDBも備える。このコンテンツDBは、特許請求の範囲に記載の「コンテンツ記憶手段」に対応する。
制御部16は、OS(Operating System)などの制御プログラム、各種の処理手順などを規定したプログラムおよび所要データを格納するための内部メモリを有し、これらによって種々の処理を実行する処理部であり、特に本発明に密接に関連するものとしては、条件設定部16aと、操作履歴収集部16bと、コンテキスト生成部16cと、閲覧処理部16dと、検索処理部16eと、開示処理部16fとを備える。以下に、各部の処理を順に説明する。なお、コンテキスト生成部16cは特許請求の範囲に記載の「推定手段」に対応し、閲覧処理部16dおよび検索処理部16eはいずれも特許請求の範囲に記載の「コンテキスト検索手段」や「検索結果出力手段」に対応する。
[条件設定処理]
条件設定部16aは、入力部11および出力部12を介して利用者から受け付けた収集条件を収集条件DB15aに格納し、また、同じく入力部11および出力部12を介して利用者から受け付けた開示条件を開示条件DB15bに格納する処理部である。
ここで、「収集条件」とは、操作履歴の収集に係る条件であり、図7に例示するような画面を通じて利用者から受け付けられる。すなわち、同図に示すように、利用者は、所定の時刻に所定の場所で所定の操作者が所定の対象に対して行った操作についてのみ、所定の項目からなる履歴を収集させることを意図する場合には、所定の「操作時刻(時間帯や期間)、操作場所(利用者端末の識別ID)、操作者(利用者IDやグループID)、操作対象(Web、メール、ファイル、アプリケーションなどの識別ID)、対象名(ファイル名など)もしくはこれらの一部」を指定するとともに、履歴として収集すべき「収集対象(項目)」を指定入力する。そして、条件設定部16aは、利用者から受け付けた収集条件を、図3に例示するように、収集条件DB15aに格納する。
また、「開示条件」とは、コンテキストの開示に係る条件であり、図8に例示するような画面を通じて利用者から受け付けられる。すなわち、同図に示すように、利用者は、コンテキストを開示するか否か(「OK」もしくは「NG」)、開示する場合における「開示先(開示する利用者の利用者IDや、グループID、利用者端末の識別IDなど)」および/または「開示期間(開示する期間、時間帯など)」、開示する場合における「帰属権表示の有無」、開示する場合における「開示項目」を指定入力する。そして、条件設定部16aは、利用者から受け付けた開示条件を、図4に例示するように、開示条件DB15bに格納する。なお、上記した条件設定部16aによる条件設定処理は、利用者の指示に応じて、図7や図8に例示した設定画面を呼び出すことによって実行される。
[履歴収集処理]
履歴収集部16bは、利用者によるWeb操作、メール操作、ファイル操作、各種アプリケーション操作などの操作ごとに、操作履歴を収集して操作履歴DB15cに格納する処理部である。具体的には、履歴収集部16bは、収集条件DB15aに格納されている収集条件に従って、指定の時刻に指定の場所で指定の操作者が指定の対象に対して行った操作についてのみ、指定の項目からなる履歴を収集し、こうして収集した操作履歴を、図5に例示するように、操作履歴DB15cに格納する。
ここで、履歴収集部16bによって収集されて操作履歴DB15cに格納される操作履歴のうち(図5参照)、「履歴ID」とは、操作履歴を一意に識別するための情報であり、履歴収集部16bは、例えば操作順に履歴IDを付与する。また、「操作時刻」とは、操作が行われた年月日時分を示す情報(例えば、OSが具備しているシステム時計が示す時刻情報)であり、「操作場所」とは、操作が行われた利用者端末10を一意に特定する情報(例えば、利用者端末10が有するIPアドレスやMACアドレスなど)であり、「操作者」とは、操作を行った利用者を一意に特定するための情報(例えば、利用者が利用者端末10の起動時に入力した利用者IDもしくはログインIDなど)である。
また、「操作対象」とは、操作が行われた対象を一意に特定するための情報(例えば、各ファイル、コンテンツ、アプリケーションなどに付与されている識別子)であり、「操作内容」とは、利用者によって行われた操作の内容を示す情報(例えば、「ファイル開く」や「ファイル保存」など、利用者が指示したコマンド)であり、「操作方法」とは、操作の具体的な方法を特定するための情報(例えば、「入力」操作において入力された情報、「Web検索」操作において検索欄に入力された情報など)である。さらに、履歴収集部16bは、上記した操作履歴の格納に合わせて、開示条件DB15bに格納された開示条件も操作履歴とともに操作履歴DB15cに格納する(図5参照)。なお、上記した履歴収集部16bによる履歴収集処理は、利用者による操作が行われるごとに実行される。
[コンテキスト生成処理]
コンテキスト生成部16cは、操作履歴ごとに各操作履歴に係る利用者の操作理由(操作履歴の背後にある利用者の目的、嗜好、興味、関心、スキルレベルなどの内的要因)を推定し、この操作理由および操作履歴からなるコンテキストを生成してコンテキストDB15dに格納する処理部である。
具体的には、コンテキスト生成部16cは、図9に示すように、いわゆるベイズ統計に基づいたベイジアン学習を行うベイジアン学習部を有し、このベイジアン学習部は、操作履歴DB15cに格納された操作履歴(特に、操作履歴のうちの「操作理由」や「操作対象」)を入力として、あらかじめ規定された複数の内的要因ごとの推定値(つまり、値が高いほど、その内的要因に該当する可能性が高いことを示す指標)を操作履歴ごとに算出し、かかる内的要因ごとの推定値からなる操作理由を出力する。そして、コンテキスト作成部16cは、このような操作理由および操作履歴からなるコンテキストを生成してコンテキストDB15dに格納する(図6参照)。
換言すれば、上記の「操作理由」は、例えば「ファイル開く」という同じ操作方法であっても、確認のためにファイルを開いたのか、編集のためにファイルを開いたのか、興味があってファイルを開いたのか、興味なくファイルを開いたのか等、利用者の内的要因は相違するという点に着目したものであるが、上記のコンテキスト生成部16cは、例えば「ファイル開く」という操作方法であっても、いつ頃開いたか、何時間に渡って開いたか、頻繁に開いているか、開いた後の操作内容は何であったか等、操作履歴から把握される具体的事情に応じて異なる「操作理由」を推定する。なお、上記したコンテキスト生成部16cによるコンテキスト生成処理は、利用者による指示に応じて、もしくは、利用者による操作が行われるごと、または、所定量の操作履歴が操作履歴DB15cに格納されるごと、さらには、所定の時間ごとに定期的に実行される。
[閲覧処理]
閲覧処理部16dは、コンテキストDB15dに格納されているコンテキストや、操作履歴DB15cに格納されている操作履歴を、利用者による閲覧要求に応じて出力部12に表示出力する処理部である。
具体的には、閲覧処理部16dは、コンテキストに対する閲覧要求を、図10に例示するような画面を通じて利用者から受け付ける。すなわち、同図に示すように、利用者は、コンテキストDB15dに格納されているコンテキストと同様の項目を検索キーとして、所定の「コンテキストID、操作時刻、操作場所、操作者、操作対象、操作内容、操作方法、操作方法、操作理由もしくはこれらの一部」を指定入力する。そして、閲覧処理部16dは、指定入力された検索キーに基づいてコンテキストDB15dから該当のコンテキストを検索し、検索でヒットしたコンテキストを出力部12に表示出力する。
つまり、利用者が、閲覧要求の検索キーとして「操作理由」を指定入力すれば、操作履歴の背後にある利用者の内的要因までも考慮した、実用的で精度の高い検索結果を得ることが可能になる。なお、上記した閲覧処理部16dによる閲覧処理は、利用者の指示に応じて、図10に例示した画面(閲覧要求入力画面)を呼び出すことによって実行される。また、操作履歴に対する閲覧要求も、操作履歴DB15cに格納されている操作履歴と同様の項目を検索キーとして受け付けることによって、上記と同様に行われる。
[検索処理]
検索処理部16eは、利用者からの検索要求に応じて、他の利用者のコンテキストや、他の利用者(コミュニティ)を検索する処理部である。以下に、図11を用いて、検索処理部16eによる検索処理を説明する。なお、図11は、実施例1による検索処理の流れを示すフローチャートであるが、ここでは、検索要求を行った利用者の利用者端末10を利用者端末Aとし、検索される側の利用者の利用者端末10を利用者端末Bとする。
利用者端末Aの検索処理部16eは、コンテキストの検索要求もしくは利用者の検索要求を、図12に例示するような画面を通じて利用者から受け付ける。すなわち、同図に示すように、利用者は、他の利用者のコンテキストを検索するかもしくは他の利用者を検索するか(「コンテキスト検索」もしくは「ユーザ検索」)、さらには、コンテキストDB15dに格納されているコンテキストと同様の項目を検索キーとして、所定の「コンテキストID、操作時刻、操作場所、操作者、操作対象、操作内容、操作方法、操作方法、操作理由もしくはこれらの一部」を指定入力する。
このようにして検索条件(検索キー)が入力されると(図11のステップS1101肯定)、利用者端末Aの検索処理部16eは、通信制御IF部14を介して、利用者が入力した検索条件を他の利用者端末Bに送信する(ステップS1102)。その一方、かかる検索条件を受信した利用者端末Bの検索処理部16eでは、受信した検索条件に基づいてコンテキストDB15dから該当のコンテキストを検索する(ステップS1103)。
その結果、検索キーに該当するコンテキストがヒットした場合には(ステップS1104)、利用者端末Bの検索処理部16eは、かかるコンテキストに含まれる開示条件を満たすか否かを判定する(ステップS1104)。すなわち、コンテキストの開示が「OK」であるか、検索条件の送信元や現在時刻が「開示先(開示する利用者の利用者IDや、グループID、利用者端末の識別IDなど)」や「開示期間(開示する期間、時間帯など)」の条件を満たすか否かを判定する。
かかる判定によって、開示条件を満たすと判定された場合には(ステップS1105肯定)、利用者端末Bの検索処理部16eは、検索でヒットしたコンテキストを利用者端末Aに送信する(ステップS1106)。具体的には、検索処理部16eは、開示条件から「帰属権表示の有無」や「開示項目」を読み出した後、検索でヒットしたコンテキストから、開示項目で指定された項目のみからなるコンテキストに再生成し、さらに、「帰属権表示有り」が指定されていれば、帰属権表示の情報をコンテキストに付加し、かかるコンテキストを利用者端末A(検索条件の送信元である利用者端末10)に送信する。
また、利用者端末Bの検索処理部16eは、検索でヒットしたコンテキストを利用者端末Aに送信するとともに、他の利用者からの検索要求に応じてコンテキストを送信した旨を出力部12から利用者に対して表示出力する(ステップS1107)。一方、コンテキストを受信した利用者端末Aの検索処理部16eは、受信したコンテキストを検索結果として出力部12に表示出力する(ステップS1108)。なお、検索キーにヒットしなかった場合(ステップS1104否定)や、開示条件を満たさなかった場合(ステップS1105否定)には、利用者端末Bの検索処理部16eは、検索処理を終了する。
ところで、検索要求がユーザ検索である場合には、利用者端末Bの検索処理部16eは、上記のステップS1106において、開示条件の「開示項目」によらず、検索でヒットしたコンテキストから利用者名(操作者の名称)のみを抽出し、かかる利用者名を利用者端末Aに送信する。そして、これを受信した利用者端末Aの検索処理部16eは、受信した利用者名(複数の利用者端末10から受信した場合には、その集合で形成されるコミュニティ)を検索結果として出力部12に表示出力する(ステップS1108)。なお、利用者名を表示出力する場合には、かかる利用者の連絡先(例えば、メールやメッセンジャのアドレスなど)も併せて表示出力することが望ましい。
上記した処理を通じて、利用者が、検索要求の検索キーとして「操作理由」を指定入力すれば、操作履歴の背後にある利用者の内的要因までも考慮した、実用的で精度の高い検索結果を他の利用者からも得ることが可能になる。なお、上記した利用者端末Aの検索処理部16eによる検索処理は、利用者の指示に応じて、図12に例示した画面(検索要求入力画面)を呼び出すことによって実行される。
[開示処理]
開示処理部16fは、利用者からの開示要求に応じて、自己のコンテキストを他の利用者端末10に送信して、コンテキストを他の利用者に開示する処理部である。以下に、図13を用いて、開示処理部16fによる検索処理を説明する。なお、図13は、実施例1による開示処理の流れを示すフローチャートであるが、ここでは、開示要求を行った利用者の利用者端末10を利用者端末Aとし、開示される側の利用者の利用者端末10を利用者端末Bとする。
利用者端末Aの開示処理部16fは、コンテキストの開示要求を、図14に例示するような画面を通じて利用者から受け付ける。すなわち、同図に示すように、利用者は、開示を希望するコンテキストに付与されているコンテキストIDを指定する入力し、または、同じ操作対象である複数のコンテキストについて開示を要求する場合には、その開示を希望する操作対象を指定入力する。
このようにして開示指示が入力されると(図13のステップS1301肯定)、利用者端末10の開示処理部16fは、開示指示されたコンテキスト(操作対象が指定された場合には複数のコンテキスト)に付与されている開示条件をコンテキストDB15dから読み出し、開示条件を満たすか否かを判定する(ステップS1302)。具体的には、開示処理部16fは、コンテキストの開示が「OK」であるか、現在時刻が「開示期間(開示する期間、時間帯など)」の条件を満たすか否かを判定する。
かかる判定によって、開示条件を満たすと判定された場合には(ステップS1302肯定)、利用者端末Aの開示処理部16fは、開示指示されたコンテキストを利用者端末Bに送信する(ステップS1303)。具体的には、検索処理部16eは、開示条件から「開示先(開示する利用者の利用者IDや、グループID、利用者端末の識別IDなど)」や「帰属権表示の有無」、「開示項目」を読み出した後、開示指示されたコンテキストから、開示項目で指定された項目のみからなるコンテキストに再生成し、さらに、「帰属権表示有り」が指定されていれば、帰属権表示の情報をコンテキストに付加し、かかるコンテキストを「開示先」で指定されている利用者の利用者端末Bに送信する。
その一方、かかるコンテキストを受信した利用者端末Bの開示処理部16fは、受信したコンテキストを出力部12に表示出力する(ステップS1304)。なお、開示条件を満たさなかった場合(ステップS1302否定)には、利用者端末Aの開示処理部16fは、開示処理を終了する。
上記した処理を通じて、利用者は、自己のコンテキストを他の利用者の積極的に提供して、コンテキストの販売や共有、さらにはコミュニティの拡大を図ることも可能になる。また、利用者は、上記したユーザ検索を行った後に、かかるユーザ検索でヒットした他の利用者にコンテキストを開示すれば、コンテキストの販売や共有を効率良く実現することも可能になる。
[実施例1による効果]
上述してきたように、実施例1によれば、操作履歴に係る利用者の内的要因を推定し、この内的要因および操作履歴からなるコンテキストを作成し、さらに、かかる内的要因を検索キーとして所定のコンテキストを検索し、その検索でヒットしたコンテキストもしくは当該コンテキストに含まれる所定の項目(例えば利用者名)を検索結果として出力するので、操作履歴の背後にある利用者の内的要因までも考慮した、実用的で精度の高い検索結果を得ることが可能になる。
また、実施例1によれば、操作履歴の背後にある利用者の目的、嗜好、興味、関心、スキルレベルなどを推定するので、これらの内的要因を含んだ実用的価値の高いコンテキストを生成することが可能になる。
また、実施例1によれば、収集条件に従って収集された項目を含んだ操作履歴について内的要因を推定してコンテキストを生成するので、例えば、各利用者が指定した収集条件によって収集された操作履歴についてのみ内的要因を推定してコンテキストを生成することなどが可能になる。また、利用者にとっては、コンテキストを生成する必要がない操作履歴や、コンテキストの生成に無関係な履歴項目、コンテキストとして検索対象にされたくない操作履歴などを収集条件で指定することで、操作履歴の格納容量を削減することや、操作履歴の漏洩を防止することが可能になる。
また、実施例1によれば、自己のコンテキストのみならず他の利用者のコンテキストも検索対象にするので、内的要因を介して各利用者の操作履歴を連携させることができ、実用的な情報共有の実現によって、個々の利用者端末における利用者の作業を効率化させることが可能になる。
また、実施例1によれば、他の利用者のコンテキストのなかから検索されたコンテキストに含まれる利用者名を検索結果として出力するので、趣味が合う利用者との出会いやコミュニティの形成を図ることが可能になる。
また、実施例1によれば、検索結果としてのコンテキストや利用者名を開示条件に従って利用者に出力するので、例えば、各利用者は自己のコンテキストが第三者による検索の結果として無条件に出力される事態を回避し、指定の第三者に対して指定の項目のみを出力することなどが可能になる。
また、実施例1によれば、自己のコンテキストや利用者名が第三者による検索の結果として出力される場合に、その旨を知らせるので、利用者は第三者に自己のコンテキストが開示されたことを把握することが可能になる。
また、実施例1によれば、各利用者の利用者端末10のみで、上記した各種の処理を実現するので、各利用者端末10を連携させるためのサーバを設けることなく、広範囲に居る利用者のコンテキストから実用的で精度の高い検索結果を得ることが可能になる。
さて、これまで実施例1に係る操作履歴処理システムについて説明したが、本発明は上述した実施例以外にも、種々の異なる形態にて実施されてよいものである。そこで、以下では実施例2に係る操作履歴処理システムとして、種々の異なる実施例を(1)〜(6)に区分けして説明する。
(1)操作理由
例えば、実施例1では、ベイジアン学習を利用して操作理由を推定する場合を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、他の統計推理手法や統計モデル、さらにはパターンマッチングなどを利用して操作理由を推定するなど、如何なる手法を用いて操作理由を推定してもよい。
また、実施例1では、複数の内的要因ごとの推定値を算出する場合を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、一つの操作履歴に対して一つの操作理由(内的要因)を推定するようにしてもよい。
(2)コンテキスト
また、実施例1では、操作対象の区別なしにコンテキストをコンテキストDB15dに蓄積する場合を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、操作対象ごとに複数のコンテキストDB15dを設け、各コンテキストDBdで操作対象ごとにコンテキストを蓄積するようにしてもよい。このようにコンテキストの管理を分散させることで、検索の処理速度を向上させることも可能になる。
また、実施例1では、開示条件を含んだコンテキストを生成する場合を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、コンテキストに開示条件を含めず、開示条件DB15bに格納されている開示条件を必要に応じて読み出すようにしてもよい。これについては、操作履歴についても同様であり、操作履歴にも開示条件を含めないようにしてもよい。
また、コンテキストDB15bに記憶されたコンテキスト(さらには、操作履歴DB15cに記憶された操作履歴)に対して、利用者や参照者(他の利用者)がコメントを付加できるようにしてもよい。つまり、操作履歴に対する操作者や参照者のコメントである。かかるコメントを付加することによって、コンテキストを参照する参照者に対して、一層有益な情報を与えることも可能なる。なお、かかるコメントを開示するか否かについても、開示条件で指定できるようにしてもよい。
(2)コンテンツ
また、実施例1では、利用者の要求に応じてコンテキストまたは利用者名(コミュニティ)を検索する場合を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、利用者の操作対象であるコンテンツを検索するようにしてもよい。
すなわち、この場合には、図12に示すような画面において、利用者は、「コンテキスト検索」や「ユーザ検索」と同様に設けられる「コンテンツ検索」をチェックし、さらには、コンテキストDB15dに格納されているコンテキストと同様の項目を検索キーとして、所定の「コンテキストID、操作時刻、操作場所、操作者、操作対象、操作内容、操作方法、操作方法、操作理由もしくはこれらの一部」を指定入力する。
このようにして検索条件(検索キー)が入力されると、利用者端末Aの検索処理部16eは、通信制御IF部14を介して、利用者が入力した検索条件を他の利用者端末Bに送信する。その一方、かかる検索条件を受信した利用者端末Bの検索処理部16eでは、受信した検索条件に基づいてコンテキストDB15dから該当のコンテキストを検索する。
その結果、検索キーに該当するコンテキストがヒットした場合には、利用者端末Bの検索処理部16eは、かかるコンテキストの操作対象であるコンテンツについて開示が「OK」であるか否かを判定する。かかる判定によって、開示がOKであった場合には、利用者端末Bの検索処理部16eは、かかるコンテンツをコンテンツDBから抽出し、かかるコンテンツを利用者端末A(検索条件の送信元である利用者端末10)に送信する。
また、利用者端末Bの検索処理部16eは、他の利用者からの検索要求に応じてコンテンツを送信した旨を出力部12から利用者に対して表示出力する。一方、コンテンツを受信した利用者端末Aの検索処理部16eは、受信したコンテンツを検索結果として出力部12に表示出力する。なお、検索キーにヒットしなかった場合や、開示条件を満たさなかった場合には、利用者端末Bの検索処理部16eは、検索処理を終了する。
上記した処理を通じて、利用者が、検索要求の検索キーとして「操作理由」を指定入力すれば、コンテキストを介して、他の利用者のコンテンツから所定のコンテンツが検索・抽出されるので、実用的で精度の高い検索結果の下で、狙いのコンテンツを抽出することが可能になる。なお、ここでは、他の利用者のコンテンツを検索する場合を説明したが、自己のコンテンツについても同様に検索することができる。また、上記では、コンテキスト検索、ユーザ検索、コンテンツ検索がそれぞれ排他的に行われる場合を説明したが、必ずしも排他的に一つの検索を行う場合に本発明が限定されるものではなく、これらの検索を組み合わせて実行することで、複数の検索結果(コンテキスト、ユーザ、コンテンツ)を出力するようにしてもよい。
(4)収集条件、開示条件
また、実施例1では、指定の時刻に指定の場所で指定の操作者が指定の対象に対して行った操作についてのみ、指定の項目からなる履歴を収集する場合を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、毎分毎秒で履歴を収集するか、所定時間ごとにのみ履歴を収集するか、細かな操作単位で履歴を収集するか、大きな操作単位で履歴を収集するかなど、履歴収集のタイミングや単位なども収集条件として指定できるようにしてもよい。
また、実施例1では、操作対象で区別することなく開示条件を設定する場合を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、操作対象ごとに別個の開示条件を受け付けて設定するようにしてもよい。これによって、各利用者は、コンテキストの操作対象が何であるかで区別して、指定の第三者に対して指定の項目のみを出力することなどが可能になる。
また、実施例1では、他の利用者からの検索要求に対して参照する開示条件と、利用者自らによる開示要求に対して参照する開示条件とが同一である場合を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、両者で別々の開示条件を設定し、他の利用者からの検索要求と利用者自らによる開示要求とで、異なる開示条件に基づく判定を行うようにしてもよい。これによって、より実用的な検索制御および開示制御を実現することが可能になる。
また、実施例1では、収集条件に従って操作履歴を収集する場合を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、何らの収集条件にも縛られず、全ての操作履歴を収集するようにしてもよい。同様に、実施例1では、開示条件に従ってコンテキストを開示する場合を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、全ての検索要求に対して無条件でコンテキストを開示するようにしてもよい。
(5)サーバ
また、実施例1では、複数の利用者端末10のみでシステムを形成する場合を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、図15に例示するように、検索要求や開示要求を受け付ける検索開示サーバ20をシステム内に設け、かかる検索開示サーバ20および複数の利用者端末10によってシステムを形成するようにしてもよい。つまり、「内的要因の推定、コンテキストの記憶、コンテキストの検索、検索結果の出力」の全てもしくは一部を検索開示サーバ20で実行するようにしてもよい。
より詳細には、この場合には、検索開示サーバ20は、利用者端末10から検索要求を受け付けると、他の利用者端末10のコンテキストDB15dから検索要求に該当するコンテキスト(もしくは利用者)を検索して、検索でヒットしたコンテキスト(もしくは利用者名)を検索要求元の利用者端末10に送信する。
また、検索開示サーバ20は、利用者端末10から開示要求(開示要求に係るコンテキストも含む。)を受け付けると、開示条件で指定されている利用者の利用者端末10に対して開示要求に係るコンテキストを送信する。なお、上記のように、このように検索開示サーバ20で検索要求を受け付けることで、検索要求に用いられた検索キーを各利用者から収集することもでき、かかる検索キーの統計情報を利用者に提供すること(利用者端末10に送信すること)も可能になる。
また、上記のような検索開示サーバ20を設ける場合には、利用者端末10から操作履歴を受け付け、かかるサーバ20においてコンテキストに含める操作理由を推定するようにしてもよく、さらに、操作理由を含んだコンテキストをサーバ20側で管理する(サーバ20がコンテキストDB15dを備える)ようにしてもよい。これによって、コンテキストの検索処理を高速化することもでき、さらに、各利用者端末10でコンテキストを管理する場合に比較してセキュリティを向上させることも可能になる。
(6)装置構成等
また、実施例1において説明した各処理のうち、自動的におこなわれるものとして説明した処理の全部または一部を手動的におこなうこともでき、あるいは、手動的におこなわれるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的におこなうこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報(特に、各DBに記憶される情報や、画面に表示される情報)については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
また、図示した各装置(利用者端末10、検索開示サーバ20)の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。さらに、各装置にて行なわれる各処理機能は、その全部または任意の一部が、CPUおよび当該CPUにて解析実行されるプログラムにて実現され、あるいは、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現され得る。
なお、上記の実施例では、本発明を実現する各装置(利用者端末10、検索開示サーバ20)を機能面から説明したが、各装置の各機能はパーソナルコンピュータやワークステーションなどのコンピュータにプログラムを実行させることによって実現することもできる。すなわち、実施例で説明した各種の処理手順は、あらかじめ用意されたプログラムをコンピュータ上で実行することによって実現することができる。そして、これらのプログラムは、インターネットなどのネットワークを介して配布することができる。さらに、これらのプログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク(FD)、CD−ROM、MO、DVDなどのコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行することもできる。つまり、例を挙げれば、実施例1に示したような利用者端末用プログラムを格納したCD−ROMを配布し、このCD−ROMに格納されたプログラムを各コンピュータが読み出して実行するようにしてもよい。
以上のように、本発明に係る操作履歴処理システム、操作履歴処理方法および操作履歴処理プログラムは、利用者端末における利用者の操作履歴を保存して処理する場合に有用であり、特に、操作履歴の背後にある利用者の内的要因までも考慮した、実用的で精度の高い検索結果を得ることに適する。
実施例1に係る操作履歴処理システムの構成を示す構成図である。 利用者端末の構成を示すブロック図である。 収集条件DBに記憶される情報の例を示す図である。 開示条件DBに記憶される情報の例を示す図である。 操作履歴DBに記憶される情報の例を示す図である。 コンテキストDBに記憶される情報の例を示す図である。 収集条件設定に際して利用者端末に表示される情報の例を示す図である。 開示条件設定に際して利用者端末に表示される情報の例を示す図である。 操作理由の推定を説明するための図である。 閲覧処理に際して利用者端末に表示される情報の例を示す図である。 実施例1による検索処理の流れを示すフローチャートである。 検索処理に際して利用者端末に表示される情報の例を示す図である。 実施例1による開示処理の流れを示すフローチャートである。 開示処理に際して利用者端末に表示される情報の例を示す図である。 実施例2に係るシステムの構成を示す構成図である。
符号の説明
1 ネットワーク
10 利用者端末
11 入力部
12 出力部
13 入出力制御IF部
14 通信制御IF部
15 記憶部
15a 収集条件DB
15b 開示条件DB
15c 操作履歴DB
15d コンテキストDB
16 制御部
16a 条件設定部
16b 操作履歴収集部
16c コンテキスト生成部
16d 閲覧処理部
16e 検索処理部
16f 開示処理部

Claims (14)

  1. 利用者端末における利用者の操作履歴を保存して処理する操作履歴処理システムであって、
    前記操作履歴ごとに各操作履歴に係る前記利用者の内的要因を推定する推定手段と、
    前記操作履歴および前記推定手段によって推定された内的要因を含んだコンテキストを記憶するコンテキスト記憶手段と、
    前記内的要因を検索キーとして前記コンテキスト記憶手段に記憶されたコンテキストから所定のコンテキストおよび/または当該コンテキストに含まれる所定の項目を検索するコンテキスト検索手段と、
    前記コンテキスト検索手段によって検索された所定のコンテキストおよび/または所定の項目を出力する検索結果出力手段と、
    を備えたことを特徴とする操作履歴処理システム。
  2. 前記推定手段は、前記内的要因として、前記利用者の目的、嗜好、興味、関心、スキルレベルもしくはこれらの組合せを推定することを特徴とする請求項1に記載の操作履歴処理システム。
  3. 前記操作履歴の収集に係る収集条件を記憶する収集条件記憶手段を備え、
    前記推定手段は、前記収集条件記憶手段に記憶された収集条件に従って収集された項目を含んだ操作履歴について、前記内的要因を推定することを特徴とする請求項1または2に記載の操作履歴処理システム。
  4. 前記コンテキスト検索手段は、所定の利用者からコンテキストに係る検索要求を受け付け、当該所定の利用者のコンテキスト並びに他の利用者のコンテキストのなかから所定のコンテキストおよび/または所定の項目を検索し、
    前記検索結果出力手段は、前記所定の利用者の利用者端末において、前記コンテキスト検索手段によって検索された所定のコンテキストおよび/または所定の項目を出力することを特徴とする請求項1、2または3に記載の操作履歴処理システム。
  5. 前記コンテキスト検索手段は、所定の利用者から他の利用者に係る検索要求を受け付け、他の利用者のコンテキストのなかから所定のコンテキストを検索した後に、当該コンテキストに含まれる利用者名を抽出し、
    前記検索結果出力手段は、前記所定の利用者の利用者端末において、前記コンテキスト検索手段によって抽出された他の利用者の利用者名を出力することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の操作履歴処理システム。
  6. 利用者端末における利用者の操作対象であるコンテンツを記憶するコンテンツ記憶手段をさらに備え、
    前記コンテキスト検索手段は、所定の利用者からコンテンツに係る検索要求を受け付け、当該所定の利用者および/または他の利用者のコンテキストのなかから所定のコンテキストを検索した後に、当該コンテキストで操作対象となっているコンテンツを前記コンテンツ記憶手段から抽出し、
    前記検索結果出力手段は、前記所定の利用者の利用者端末において、前記コンテキスト検索手段によって抽出されたコンテンツを出力することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載の操作履歴処理システム。
  7. 前記コンテキストの開示に係る開示条件を記憶する開示条件記憶手段を備え、
    前記検索結果出力手段は、前記開示条件記憶手段に記憶された開示条件に従って、前記所定のコンテキスト、所定の項目、利用者名、コンテンツを出力することを特徴とする請求項1〜6のいずれか一つに記載の操作履歴処理システム。
  8. 前記検索結果出力手段は、所定の利用者のコンテキスト、所定の項目、利用者名、コンテンツを他の利用者の利用者端末に出力する場合に、当該他の利用者の利用者端末に出力する旨を前記所定の利用者の利用者端末に出力することを特徴とする請求項1〜7のいずれか一つに記載の操作履歴処理システム。
  9. 各利用者の利用者端末とネットワークを介して接続されるサーバ装置が、前記操作履歴を保存する手段、前記推定手段、コンテキスト記憶手段、コンテキスト検索手段、検索結果出力手段もしくはこれらの組合せを備えることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一つに記載の操作履歴処理システム。
  10. ネットワークを介して相互に接続された各利用者の利用者端末が、前記操作履歴を保存する手段、前記推定手段、コンテキスト記憶手段、コンテキスト検索手段および検索結果出力手段を備えることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一つに記載の操作履歴処理システム。
  11. 利用者端末における利用者の操作履歴を保存して処理する操作履歴処理方法であって、
    前記操作履歴ごとに各操作履歴に係る前記利用者の内的要因を推定する推定工程と、
    前記操作履歴および前記推定工程によって推定された内的要因を含んだコンテキストをコンテキスト記憶手段に格納するコンテキスト格納工程と、
    前記内的要因を検索キーとして前記コンテキスト記憶手段に記憶されたコンテキストから所定のコンテキストを検索するコンテキスト検索工程と、
    前記コンテキスト検索工程によって検索された所定のコンテキストもしくは当該コンテキストに含まれる所定の項目を出力する検索結果出力工程と、
    を含んだことを特徴とする操作履歴処理方法。
  12. 前記推定工程は、前記内的要因として、前記利用者の目的、嗜好、興味、関心、スキルレベルもしくはこれらの組合せを推定することを特徴とする請求項11に記載の操作履歴処理方法。
  13. 利用者端末における利用者の操作履歴を保存して処理する操作履歴処理方法をコンピュータに実行させる操作履歴処理プログラムであって、
    前記操作履歴ごとに各操作履歴に係る前記利用者の内的要因を推定する推定手順と、
    前記操作履歴および前記推定手順によって推定された内的要因を含んだコンテキストをコンテキスト記憶手段に格納するコンテキスト格納手順と、
    前記内的要因を検索キーとして前記コンテキスト記憶手段に記憶されたコンテキストから所定のコンテキストを検索するコンテキスト検索手順と、
    前記コンテキスト検索手順によって検索された所定のコンテキストもしくは当該コンテキストに含まれる所定の項目を出力する検索結果出力手順と、
    をコンピュータに実行させることを特徴とする操作履歴処理プログラム。
  14. 前記推定手順は、前記内的要因として、前記利用者の目的、嗜好、興味、関心、スキルレベルもしくはこれらの組合せを推定することを特徴とする請求項13に記載の操作履歴処理プログラム。
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