JP2006002190A - 無機建材用の塗膜形成方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 耐水性、耐ブロッキング性、上塗り付着性等が優れた無機建材を得ること。
【解決手段】1.無機建材に、電着塗料(I)を塗装することを特徴とする無機建材用の塗膜形成方法。2.無機建材を、水に浸漬し、その後電着塗料(I)を塗装することを特徴とする無機建材用の塗膜形成方法。3.電着塗料(I)が、アニオン性樹脂、硬化剤を含有してなるアニオン電着塗料である1項又は2項に記載の無機建材用の塗膜形成方法。
4.電着塗料(I)が、カチオン性樹脂、及び硬化剤を含有してなるカチオン電着塗料である1項又は2項に記載の無機建材用の塗膜形成方法。
【選択図】 なし
【解決手段】1.無機建材に、電着塗料(I)を塗装することを特徴とする無機建材用の塗膜形成方法。2.無機建材を、水に浸漬し、その後電着塗料(I)を塗装することを特徴とする無機建材用の塗膜形成方法。3.電着塗料(I)が、アニオン性樹脂、硬化剤を含有してなるアニオン電着塗料である1項又は2項に記載の無機建材用の塗膜形成方法。
4.電着塗料(I)が、カチオン性樹脂、及び硬化剤を含有してなるカチオン電着塗料である1項又は2項に記載の無機建材用の塗膜形成方法。
【選択図】 なし
Description
本発明は、耐透水性、耐透湿性、耐ブロッキング性、上塗り付着性等が優れた無機建材用の塗膜形成方法に関する。
無機建材は、建築材料、土木材料、工業材料として使われており、詳しくは、珪酸カルシウム板、石綿セメント板、木片セメント板、パルプセメント板、軽量気泡コンクリート板等が挙げられる。このような無機建材の強度アップや上塗り塗料の付着性向上の為にシーラーが塗布されて無機建材が製造されている。
従来、シーラーとしては、有機溶剤型の塩化ビニル系シーラーや、2液ウレタン系の無機建材用のシーラーが多く使用されてきたが、有機溶剤の揮散や廃棄リサイクル時において塩素にかかわる公害問題、安全衛生性等の面から、最近では水性シーラーが用いられるようになってきた。
従来、シーラーとしては、有機溶剤型の塩化ビニル系シーラーや、2液ウレタン系の無機建材用のシーラーが多く使用されてきたが、有機溶剤の揮散や廃棄リサイクル時において塩素にかかわる公害問題、安全衛生性等の面から、最近では水性シーラーが用いられるようになってきた。
この様な水性シーラーに関して、変性エポキシ樹脂を分散安定樹脂として、アクリル変性エポキシ樹脂を水分散せしめてなるエポキシ樹脂系エマルション、アミン硬化剤を含む水性塗料組成物がある(特許文献1)。
他に、無機建材に、水分散性ポリイソシアネートを塗装して含浸させる無機建材用のシーラーの塗膜形成方法に関する発明がある(特許文献2)。
他に、コア・シェル型ビニル系樹脂エマルションを含有する水性シーラーであり、該コア・シェル型ビニル系樹脂がシェル部を構成するモノマー成分として、分子末端に炭素数10以上のアルキル基を有する長鎖アクリル系モノマーを必須成分として含有する発明がある(特許文献3)。
これらのシーラーを、珪酸カルシウム板、石綿セメント板、パルプセメント板、軽量気泡コンクリート板などの無機建材に、刷毛、浸漬、カーテンフローコーター、エアースプレー、エアレススプレー、シャワーコート、フローコート、ロールコートなどの塗装手段を用いて塗装した場合、シーラーが無機建材の内部まで均一に含浸することが困難であるため、耐水性や上塗り塗料の付着性は不十分であった。
無機建材の強度や耐水性、耐ブロッキング性、上塗り付着性等が優れた無機建材を得ること。
本発明者らは上記問題点を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、無機建材に電着塗装を施すことにより、課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、
1.無機建材に、電着塗料(I)を塗装することを特徴とする無機建材用の塗膜形成方法、
2.無機建材を、水に浸漬し、その後電着塗料(I)を塗装することを特徴とする無機建材用の塗膜形成方法、
3.電着塗料(I)が、アニオン性樹脂、及び硬化剤を含有してなるアニオン電着塗料である1項又は2項に記載の無機建材用の塗膜形成方法、
4.電着塗料(I)が、カチオン性樹脂、及び硬化剤を含有してなるカチオン電着塗料である1項又は2項に記載の無機建材用の塗膜形成方法、
5.無機建材に、1項〜5項のいずれか1項に記載の電着塗料(I)を塗装した後、60〜200℃で乾燥し、該塗膜上に上塗り塗料(II)を塗装してなる無機建材用の塗膜形成方法、
に関する。
即ち、本発明は、
1.無機建材に、電着塗料(I)を塗装することを特徴とする無機建材用の塗膜形成方法、
2.無機建材を、水に浸漬し、その後電着塗料(I)を塗装することを特徴とする無機建材用の塗膜形成方法、
3.電着塗料(I)が、アニオン性樹脂、及び硬化剤を含有してなるアニオン電着塗料である1項又は2項に記載の無機建材用の塗膜形成方法、
4.電着塗料(I)が、カチオン性樹脂、及び硬化剤を含有してなるカチオン電着塗料である1項又は2項に記載の無機建材用の塗膜形成方法、
5.無機建材に、1項〜5項のいずれか1項に記載の電着塗料(I)を塗装した後、60〜200℃で乾燥し、該塗膜上に上塗り塗料(II)を塗装してなる無機建材用の塗膜形成方法、
に関する。
本発明の塗膜形成方法は、無機建材、特に多孔質の無機建材において、耐水性、耐ブロッキング性、上塗り付着性等に優れた塗装物品を得ることができる。理由としては、塗料が被塗物の内部まで均一に含浸するためと考えられる。塗装物品の性能は、電着塗料の樹脂成分や、電着塗装における塗装条件(例えば、浴温度、電圧、通電時間)や乾燥温度によって調整が可能であるため、ユーザーの要求に応じた対応が容易になった。
本発明の無機建材用の塗膜形成方法は、
無機建材に電着塗装を施し、60〜200℃の温度で乾燥してなることを特徴とする。
無機建材に電着塗装を施し、60〜200℃の温度で乾燥してなることを特徴とする。
無機建材:
無機建材は、特に制限されずに使用でき、例えば、セメント系、珪酸カルシウム系、石膏等の無機質材料を主成分とする多孔質基材(例えば、珪酸カルシウム板、石綿セメント板、木片セメント板、パルプセメント板、軽量気泡コンクリート板等の建築材料、構造材料、土木材料、あるいは工業材料として使用されているもの)を用いることができる。このものの形状としては、例えば、瓦状、板状、加工板状、角状、パイプ状等いずれの形状においても適用することができる。
上記した無機建材は、例えば、無機質系水硬性物質を押し出し成形法、プレス成形法、一体成形法、乾式成形法、鋳込成形法、抄造法等の通常の方法によって板状に成形し、次いで必要に応じて加熱養生(例えば、40〜100℃で4時間〜20時間加熱)やオートクレーブ養生(特に制限なしに窯業系基材で採用されている条件で行うことができる。通常は約160〜170℃、約8〜9Kgf/cm2、約4〜8時間、水蒸気存在下で行われる。)等の手段により養生させことにより得られる。
また電着塗装を施すにあたって、被塗物である無機建材は湿潤状態であることが好ましく、無機建材を水、例えば、脱イオン水、UF濾液、及びRO水から選ばれる少なくとも1種に10秒〜24時間、好ましくは30秒間〜1時間、さらに好ましくは30秒間〜10分間浸漬することが、電着塗装時に無機建材内部まで塗料を浸透させるためによい。
無機建材は、特に制限されずに使用でき、例えば、セメント系、珪酸カルシウム系、石膏等の無機質材料を主成分とする多孔質基材(例えば、珪酸カルシウム板、石綿セメント板、木片セメント板、パルプセメント板、軽量気泡コンクリート板等の建築材料、構造材料、土木材料、あるいは工業材料として使用されているもの)を用いることができる。このものの形状としては、例えば、瓦状、板状、加工板状、角状、パイプ状等いずれの形状においても適用することができる。
上記した無機建材は、例えば、無機質系水硬性物質を押し出し成形法、プレス成形法、一体成形法、乾式成形法、鋳込成形法、抄造法等の通常の方法によって板状に成形し、次いで必要に応じて加熱養生(例えば、40〜100℃で4時間〜20時間加熱)やオートクレーブ養生(特に制限なしに窯業系基材で採用されている条件で行うことができる。通常は約160〜170℃、約8〜9Kgf/cm2、約4〜8時間、水蒸気存在下で行われる。)等の手段により養生させことにより得られる。
また電着塗装を施すにあたって、被塗物である無機建材は湿潤状態であることが好ましく、無機建材を水、例えば、脱イオン水、UF濾液、及びRO水から選ばれる少なくとも1種に10秒〜24時間、好ましくは30秒間〜1時間、さらに好ましくは30秒間〜10分間浸漬することが、電着塗装時に無機建材内部まで塗料を浸透させるためによい。
上記の無機建材の電着塗装に用いる電着塗料としては、アニオン電着塗料、又はカチオン電着塗料のいずれにおいても使用可能である。
アニオン電着塗料:
アニオン電着塗料は、アニオン性樹脂をアミンなどで中和し、水分散してなるものであって、通常のアニオン電着塗料に配合されているカルボキシル基及び水酸基含有樹脂を使用することができる。カルボキシル基及び水酸基含有樹脂としては、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂などを使用することができる。
アニオン電着塗料は、アニオン性樹脂をアミンなどで中和し、水分散してなるものであって、通常のアニオン電着塗料に配合されているカルボキシル基及び水酸基含有樹脂を使用することができる。カルボキシル基及び水酸基含有樹脂としては、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂などを使用することができる。
上記のアクリル樹脂としては、カルボキシル基含有不飽和単量体、水酸基含有アクリル系単量体、及び必要に応じてその他の重合性単量体を用い、これらの単量体をラジカル重合させてなる共重合体が使用できる。
これらの単量体としては、下記のものをあげることができる。カルボキシル基含有不飽和単量体:1分子中にカルボキシル基と重合性不飽和結合をそれぞれ1個以上有する化合物であり、例えば、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、カプロラクトン変性カルボキシル基含有(メタ)アクリル系単量体(ダイセル化学社製、商品名、プラクセルFM1A、プラクセルFM4A、プラクセルFM10A)などがあげられる。
水酸基含有アクリル系単量体:1分子中に水酸基と重合性不飽和結合をそれぞれ1個以上有する化合物であり、例えば、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、(ポリ)エチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコールモノ(メタ)アクリレ−ト、これらの水酸基含有アクリル系単量体と、β−プロピオラクトン、ジメチル
プロピオラクトン、ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、γ−カプロラクトン、γ−カプリロラクトン、γ−ラウリロラクトン、ε−カプロラクトン、δ−カプロラクトンなどのラクトン類化合物との反応物など、商品名としては、プラクセルFM1(ダイセル化学社製、商品名、カプロラクトン変性メタクリル酸ヒドロキシエステル類)、プラクセルFM2(同左)、プラクセルFM3(同左)、プラクセルFA1(同左)、プラクセルFA2(同左)、プラクセルFA3(同左)などが挙げられる。
プロピオラクトン、ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、γ−カプロラクトン、γ−カプリロラクトン、γ−ラウリロラクトン、ε−カプロラクトン、δ−カプロラクトンなどのラクトン類化合物との反応物など、商品名としては、プラクセルFM1(ダイセル化学社製、商品名、カプロラクトン変性メタクリル酸ヒドロキシエステル類)、プラクセルFM2(同左)、プラクセルFM3(同左)、プラクセルFA1(同左)、プラクセルFA2(同左)、プラクセルFA3(同左)などが挙げられる。
その他の重合性単量体:これらのカルボキシル基含有不飽和単量体及び水酸基含有アクリル系単量体以外であって、1分子中に重合性不飽和結合を1個以上有する化合物であり、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシルなどの(メタ)アクリル酸のC1〜C18のアルキル又はシクロアルキルエステル、スチレンなどの芳香族重合性単量体、(メタ)アクリル酸アミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリアミド、N−メチロ−ル(メタ)アクリアミドなどの(メタ)アクリルアミド及びその誘導体、(メタ)アクリロニトリル化合物類、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシランなどのアルコキシシリル基含有重合性単量体などがあげられる。
これらの単量体をラジカル共重合反応させる方法は従来から公知の溶液重合方法などで行うことができる。かくして得られるアクリル樹脂の数平均分子量は、10000以下、特に4000〜8000の範囲内が適している。
アニオン性樹脂の水溶化又は水分散化は、カルボキシル基を、アンモニア、ジエチルアミン、エチルエタノールアミン、ジエタノールアミン、モノエタノールアミン、モノプロパノールアミン、イソプロパノールアミン、エチルアミノエチルアミン、ヒドキシエチルアミン、ジエチレントリアミンなどの有機アミン、及びカセイソーダ、カセイカリなどのアルカリ金属水酸化物などの中和剤で中和する。
アニオン性樹脂の水溶化又は水分散化は、カルボキシル基を、アンモニア、ジエチルアミン、エチルエタノールアミン、ジエタノールアミン、モノエタノールアミン、モノプロパノールアミン、イソプロパノールアミン、エチルアミノエチルアミン、ヒドキシエチルアミン、ジエチレントリアミンなどの有機アミン、及びカセイソーダ、カセイカリなどのアルカリ金属水酸化物などの中和剤で中和する。
アニオン性樹脂の硬化剤としては、特に制限されるものではないが、例えば、メラミン樹脂、ブロックポリイソシアネート化合物、ポリオキサゾリン化合物などがあげられる。このうち、メラミン樹脂やブロックポリイソシアネート化合物を使用することが特に好ましい。
メラミン樹脂としては、メラミン樹脂のメチロール基の一部もしくは全部がメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、オクチルアルコール、2−エチルヘキシルアルコール等の1種もしくは2種以上の1価アルコールで変性されたものを使用することができる。
上記のメラミン樹脂の市販品としては、例えば、ユーバン20SE−60、ユーバン225(以上、いずれも三井化学社製、商品名)、スーパーベッカミンG840、スーパーベッカミンG821(以上、いずれも大日本インキ化学工業社製、商品名)などのブチルエーテル化メラミン樹脂;スミマールM−100、スミマールM−40S、スミマールM−55(以上、いずれも住友化学社製、商品名)、サイメル303、サイメル325、サイメル327、サイメル350、サイメル370(以上、いずれも日本サイテックインダストリーズ社製、商品名)、ニカラックMS17、ニカラックMX15、ニカラックMX430、ニカラックMX600、(以上、いずれも三和ケミカル社製、商品名)、レジミン741(モンサント社製、商品名)等のメチルエーテル化メラミン樹脂;サイメル235、サイメル202、サイメル238、サイメル254、サイメル272、サイメル1130(以上、いずれも三井サイテック社製、商品名)、スマミールM66B(住友化学社製、商品名)等のメチル化とイソブチル化との混合エーテル化メラミン樹脂;サイメルXV805(三井サイテック社製、商品名)、ニカラックMS95(三和ケミカル社製、商品名)等のメチル化とn−ブチル化との混合エーテル化メラミン樹脂などを挙げることができる。
ブロックポリイソシアネート化合物は、ポリイソシアネート化合物のイソシアネート基をブロック剤で封鎖したものである。このものは加熱すると、ブロック剤が解離し、遊離のイソシアネ−ト基が再生され、それがアニオン性樹脂の水酸基などの活性水素と架橋反応する。
ポリイソシアネート化合物としては、例えば、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、メチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートなどの芳香族、脂肪族又は脂環族のポリイソシアネート化合物、及びこれらのイソシアネート化合物の過剰量にエチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチロールプロパン、ヘキサントリオール、ヒマシ油などの低分子活性水素含有化合物を反応させて得られる末端イソシアネート含有化合物などを挙げることができる。
ポリイソシアネート化合物としては、例えば、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、メチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートなどの芳香族、脂肪族又は脂環族のポリイソシアネート化合物、及びこれらのイソシアネート化合物の過剰量にエチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチロールプロパン、ヘキサントリオール、ヒマシ油などの低分子活性水素含有化合物を反応させて得られる末端イソシアネート含有化合物などを挙げることができる。
一方、ブロック剤は、ポリイソシアネート化合物のイソシアネート基に付加してブロックするものであり、そして付加によって生成するブロックポリイソシアネート化合物は常温においては安定であるが、塗膜の焼付け温度(通常約100〜約200℃)に加熱した際、ブロック剤が解離して遊離のイソシアネート基を再生しうるものであることが望ましい。
このような要件を満たすブロック剤としては、例えば、ε−カプロラクタム、γ−ブチロラクタムなどのラクタム系化合物;メチルエチルケトオキシム、シクロヘキサノンオキシムなどのオキシム系化合物;フェノール、パラ−t−ブチルフェノール、クレゾールなどのフェノール系化合物;n−ブタノール、2−エチルヘキサノールなどの脂肪族アルコール類;フェニルカルビノール、メチルフェニルカルビノールなどの芳香族アルキルアルコール類;エチレングリコールモノブチルエーテルなどのエーテルアルコール系化合物等を挙げることができる。
カチオン電着塗料:
カチオン電着塗料は、カチオン性樹脂をカルボン酸などで水分散してなるものであって、例えば、アミノ基、アンモニウム塩基、スルホニウム塩基、ホスホニウム塩基などのカチオン性基を有した、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリブタジエン樹脂、アルキド樹脂、ポリエステル樹脂などが挙げられ、特にポリエポキシド化合物にアミンを付加反応させてなるアミン付加エポキシ樹脂が好適に使用できる。
カチオン電着塗料は、カチオン性樹脂をカルボン酸などで水分散してなるものであって、例えば、アミノ基、アンモニウム塩基、スルホニウム塩基、ホスホニウム塩基などのカチオン性基を有した、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリブタジエン樹脂、アルキド樹脂、ポリエステル樹脂などが挙げられ、特にポリエポキシド化合物にアミンを付加反応させてなるアミン付加エポキシ樹脂が好適に使用できる。
アミン付加エポキシ樹脂としては、例えば、(1)ポリエポキシド化合物と1級モノ−及びポリアミン、2級モノ−及びポリアミン又は1、2級混合ポリアミンとの付加物(例えば、米国特許第3,984,299号明細書参照);(2)ポリエポキシド化合物とケチミン化された1級アミノ基を有する2級モノ−及びポリアミンとの付加物(例えば、米国特許第4,017,438号 明細書参照);(3)ポリエポキシド化合物とケチミン化された1級アミノ基を有するヒドロキシ化合物とのエーテル化により得られる反応物(例えば、特開昭59−43013号公報参照)等を挙げることができる。
上記アミン付加エポキシ樹脂の製造に使用されるポリエポキシド化合物は、エポキシ基を1分子中に1個以上、好ましくは2個以上有する化合物であり、一般に少なくとも200、好ましくは400〜4,000、更に好ましくは800〜2,500の範囲内の数平均分子量及び少なくとも160、好ましくは180〜2,500、さらに好ましくは400〜1,500の範囲内のエポキシ当量を有するものが適しており、特に、ポリフェノール化合物とエピクロルヒドリンとの反応によって得られるものが好ましい。該ポリエポキシド化合物の形成のために用い得るポリフェノール化合物としては、例えば、ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2,2−プロパン、4,4'−ジヒドロキシベンゾフェノン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1−エタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1−イソブタン、ビス(4−ヒドロキシ−tert−ブチル−フェニル)−2,2−プロパン、ビス(2−ヒドロキシナフチル)メタン、テトラ(4−ヒドロキシフェニル)−1,1,2,2−エタン、4,4'−ジヒドロキシジフェニルスルホン、フェノールノボラック、クレゾールノボラック等を挙げることができる。
該ポリエポキシド化合物は、ポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリアミドアミン、ポリカルボン酸、ポリイソシアネート化合物などと一部反応させたものであってもよく、更にまた、ε−カプロラクトンなどのカプロラクトン、アクリルモノマーなどをグラフト重合させたものであってもよい。アミン付加エポキシ樹脂は、ブロックポリイソシアネート化合物と組合わせて使用することにより、カチオン電着塗料を調製することができる。 ブロックポリイソシアネート化合物としては、アニオン電着塗料に使用した同様の化合物を使用できる。
アニオン電着塗料又はカチオン電着塗料に用いる顔料分散ペーストの調整は、分散用樹脂とともに、その他の顔料として、例えば、酸化チタン、カーボンブラック、ベンガラ等の着色顔料;クレー、マイカ、バリタ、炭酸カルシウム、シリカ等の体質顔料;リンモリブデン酸アルミニウム、トリポリリン酸アルミニウム、水酸化ビスマス、塩基性炭酸ビスマス、硝酸ビスマス、ケイ酸ビスマス等の防錆顔料;ジオクチル錫オキサイト、ジブチル錫オキサイト、錫オクトエート、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジベンゾエートオキシ等の錫系硬化触媒;他に表面調整剤、界面活性剤等を適宜に配合し、ボールミル分散やサンドミルで分散して顔料分散ペーストを通じて行うことができる。
アニオン電着塗料又はカチオン電着塗料の製造は、アニオン性樹脂及び硬化剤を水分散してなるエマルション、又はカチオン性樹脂及び硬化剤を水分散してなるエマルションと 顔料分散ペーストを混合し、さらに脱イオン水を加えて塗料固形分を5〜30重量%、好ましくは10〜25重量%に希釈することによって得られる。
無機建材への塗膜の形成は、被塗物である無機建材をあらかじめ水、例えば、脱イオン水、UF濾液、及びRO水などに浸漬し、又は浸漬することなく、次にアニオン電着塗料ではpHを7.0〜10.0、カチオン電着塗料ではpHを5.0〜7.0、浴温15〜40℃、好ましくは20〜35℃に調整し、負荷電圧20〜400V、好ましくは30〜200Vで1〜10分間通電することによって無機建材に電着塗装を行う。電着塗膜の乾燥温度・時間は、一般に約60〜約200℃、好ましくは約120〜約170℃で、5分間〜120分間、好ましくは10分間〜50分間が適している。
さらに適宜に、意匠性や塗膜性能を目的として、上塗り塗料を塗り重ねることができる。上塗り塗料としては、従来から公知の上塗り塗料を特に制限なしに使用することができ、例えば、アクリル樹脂系、ウレタン樹脂系、塩化ビニル樹脂系、繊維素樹脂系、シリコーン系樹脂、ポリエステル系樹脂、アルキド系樹脂フッ素樹脂系及びこれらの2種以上の変性樹脂やブレンド樹脂等を使用することができる。上塗り塗料はラッカータイプもしくは架橋タイプのものいずれにおいても使用することができ、水性、有機溶剤系、無溶剤系のいずれの塗料形態であっても構わない。
次に、実施例を掲げて本発明を詳細に説明する。尚、実施例及び比較例中の「部」、「%」は「重量部」、「重量%」である。
製造例1 アクリル共重合体樹脂溶液の製造例(アニオン電着塗料用)
反応容器中に混合溶剤A(注1)2100部を仕込み80℃に保持した中へ以下の「混合物(A)」を3時間掛けて滴下し、次いでアゾビスジメチルバレロニトリル3部を添加し、80℃で3時間保持して反応を行って、アルコキシシリル基を有する樹脂固形分70重量%のアクリル共重合体樹脂溶液を製造した。
「混合物(A)」
スチレン 750部
メチルメタクリレート 1550部
n−ブチルアクリレート 950部
エチルアクリレート 500部
2−ヒドロキシエチルアクリレート 750部
アクリル酸 350部
γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン 150部
アゾビスジメチルバレロニトリル 10部
混合溶剤A:プロピレングリコールモノメチルエーテル/イソプロピルアルコール/n−ブチルアルコール/エチレングリコールモノブチルエーテル=420部/420部/420部/840部。
反応容器中に混合溶剤A(注1)2100部を仕込み80℃に保持した中へ以下の「混合物(A)」を3時間掛けて滴下し、次いでアゾビスジメチルバレロニトリル3部を添加し、80℃で3時間保持して反応を行って、アルコキシシリル基を有する樹脂固形分70重量%のアクリル共重合体樹脂溶液を製造した。
「混合物(A)」
スチレン 750部
メチルメタクリレート 1550部
n−ブチルアクリレート 950部
エチルアクリレート 500部
2−ヒドロキシエチルアクリレート 750部
アクリル酸 350部
γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン 150部
アゾビスジメチルバレロニトリル 10部
混合溶剤A:プロピレングリコールモノメチルエーテル/イソプロピルアルコール/n−ブチルアルコール/エチレングリコールモノブチルエーテル=420部/420部/420部/840部。
製造例2 アニオン電着塗料の製造例
上記の製造例1で得たアクリル共重合体樹脂溶液857部(固形分600部)、ニカラックMX−430(注2)400部(固形分400部)、アクリル共重合体樹脂溶液のカルボキシル基に対してトリエチルアミン19部(0.4当量分)を加えて水分散後、さらにトリエチルアミンにてpHを8.5とし、脱イオン水で希釈して固形分10%のアニオン電着塗料を得た。
(注2)ニカラックMX−430:三和ケミカル社製、商品名、メラミン核1個当たり、メチル基約3個、ブチル基約3個で1核体の量は約57%のメラミン樹脂、固形分100%。
上記の製造例1で得たアクリル共重合体樹脂溶液857部(固形分600部)、ニカラックMX−430(注2)400部(固形分400部)、アクリル共重合体樹脂溶液のカルボキシル基に対してトリエチルアミン19部(0.4当量分)を加えて水分散後、さらにトリエチルアミンにてpHを8.5とし、脱イオン水で希釈して固形分10%のアニオン電着塗料を得た。
(注2)ニカラックMX−430:三和ケミカル社製、商品名、メラミン核1個当たり、メチル基約3個、ブチル基約3個で1核体の量は約57%のメラミン樹脂、固形分100%。
製造例3 アミン付加エポキシ樹脂の製造例(カチオン電着塗料用)
PP−400(三洋化成社製、商品名、ポリプロピレングリコール 分子量400)400部にε−カプロラクトン300部を加えて、130℃まで昇温した。その後、テトラブトキシチタン0.01部を加え、170℃に昇温した。この温度を保ちながら経時でサンプリングし、赤外吸収スペクトル測定にて未反応のε−カプロラクトン量を追跡し、反応率が98%以上になった時点で冷却し、変性剤1を得た。
別に、エピコート828EL(ジャパンエポキシレジン(株)製、商品名、エポキシ樹脂 エポキシ当量190 分子量350)1000部にビスフェノールA 400部及びジメチルベンジルアミン0.2部を加え、130℃でエポキシ当量750になるまで反応させた。
その中にノニルフェノール120部を加え、130℃でエポキシ当量1000になるまで反応させた。次いで変性剤1を200部、ジエタノールアミンを95部及びジエチレントリアミンのケチミン化物を65部加え、120℃で4時間反応させた後、ブチルセロソルブ414部を加え、アミン価40mgKOH/g、樹脂固形分80%のノニルフェノールを付加したポリオール変性のアミン付加エポキシ樹脂を得た。
PP−400(三洋化成社製、商品名、ポリプロピレングリコール 分子量400)400部にε−カプロラクトン300部を加えて、130℃まで昇温した。その後、テトラブトキシチタン0.01部を加え、170℃に昇温した。この温度を保ちながら経時でサンプリングし、赤外吸収スペクトル測定にて未反応のε−カプロラクトン量を追跡し、反応率が98%以上になった時点で冷却し、変性剤1を得た。
別に、エピコート828EL(ジャパンエポキシレジン(株)製、商品名、エポキシ樹脂 エポキシ当量190 分子量350)1000部にビスフェノールA 400部及びジメチルベンジルアミン0.2部を加え、130℃でエポキシ当量750になるまで反応させた。
その中にノニルフェノール120部を加え、130℃でエポキシ当量1000になるまで反応させた。次いで変性剤1を200部、ジエタノールアミンを95部及びジエチレントリアミンのケチミン化物を65部加え、120℃で4時間反応させた後、ブチルセロソルブ414部を加え、アミン価40mgKOH/g、樹脂固形分80%のノニルフェノールを付加したポリオール変性のアミン付加エポキシ樹脂を得た。
製造例4 硬化剤の製造例(カチオン電着塗料用)
コスモネートM−200(三井化学株式会社製、商品名、クルードMDI)2700部にメチルイソブチルケトン460部を加え70℃に昇温した。ジエチレングリコールモノエチルエーテル460部を加え70℃に昇温した。さらにジエチレングリコールモノエチルエーテル2810部をゆっくり加えた後、90℃に昇温した。
この温度を保ちながら、経時でサンプリングし、赤外吸収スペクトル測定にて未反応のイソシアネートの吸収がなくなったことを確認することにより、溶剤量を調整し、固形分90%のブロックポリイソシアネート型の硬化剤を得た。
コスモネートM−200(三井化学株式会社製、商品名、クルードMDI)2700部にメチルイソブチルケトン460部を加え70℃に昇温した。ジエチレングリコールモノエチルエーテル460部を加え70℃に昇温した。さらにジエチレングリコールモノエチルエーテル2810部をゆっくり加えた後、90℃に昇温した。
この温度を保ちながら、経時でサンプリングし、赤外吸収スペクトル測定にて未反応のイソシアネートの吸収がなくなったことを確認することにより、溶剤量を調整し、固形分90%のブロックポリイソシアネート型の硬化剤を得た。
製造例5 カチオン電着塗料の製造例
製造例3で得た80%のアミン付加エポキシ樹脂を875部(固形分700部)、製造例4で得た硬化剤を333部(固形分300部)、及び10%ギ酸82部を配合して均一に攪拌し、次に脱イオン水1650部を加えて攪拌して水分散した後、さらに酢酸にてpHを6.1とし、脱イオン水で調整して固形分10%のカチオン電着塗料を得た。
製造例3で得た80%のアミン付加エポキシ樹脂を875部(固形分700部)、製造例4で得た硬化剤を333部(固形分300部)、及び10%ギ酸82部を配合して均一に攪拌し、次に脱イオン水1650部を加えて攪拌して水分散した後、さらに酢酸にてpHを6.1とし、脱イオン水で調整して固形分10%のカチオン電着塗料を得た。
製造例6 下塗りシーラーNo.1の製造例
エポルジョンEA−7(日本エヌエスシー株式会社製、商品名、エポキシエマルション 不揮発分62%)1000部、エポルジョンEB−1(日本エヌエスシー株式会社製、商品名、変性脂肪族ポリアミンエマルション系架橋剤 不揮発分44%)800部、及び水3060部を加え、固形分20%の下塗りシーラーNo.1を得た。
エポルジョンEA−7(日本エヌエスシー株式会社製、商品名、エポキシエマルション 不揮発分62%)1000部、エポルジョンEB−1(日本エヌエスシー株式会社製、商品名、変性脂肪族ポリアミンエマルション系架橋剤 不揮発分44%)800部、及び水3060部を加え、固形分20%の下塗りシーラーNo.1を得た。
製造例7 下塗りシーラーNo.2の製造例
タケネートD−170N(武田薬品工業株式会社製、商品名、ポリイソシアネート、不揮発分100%)200部、トルエン400部、及びキシレン400部を配合して固形分20%の下塗りシーラーNo.2を得た。
タケネートD−170N(武田薬品工業株式会社製、商品名、ポリイソシアネート、不揮発分100%)200部、トルエン400部、及びキシレン400部を配合して固形分20%の下塗りシーラーNo.2を得た。
製造例8 プライマー塗料の製造例
攪拌機、温度計および単量体添加ポンプを備えたステンレス製オートクレーブに、加熱器およびチッ素ガス導入装置を取付け、このオートクレーブに水120部、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム1部、及び過硫酸ナトリウム0.3部を仕込み、気相部を15分間、チッ素ガスで置換し、75℃に昇温した。
その後、別容器からメタクリル酸n−ブチル10部、メタクリル酸メチル25部、メタクリル酸−2−ヒドロキシエチル15部、スチレン18部、アクリル酸2部及びアクリル酸エチル10部を混合したものを、所要時間3時間かけて連続的に添加した。
添加終了後、さらに85〜95℃で2時間熟成したのち、25℃まで冷却し、ジメチルエタノールアミンでpH8に調整した。
次に、メチルトリエトキシシラン30部を入れ、約1時間にわたり強く攪拌してシードとなる共重合体に吸収させ、さらに70℃に昇温し、3時間縮合反応させた。その後冷却し、固形分を水で45%に調整し、酸価は14mgKOH/g、水酸基価は58mgKOH/gのプライマー塗料を得た。
攪拌機、温度計および単量体添加ポンプを備えたステンレス製オートクレーブに、加熱器およびチッ素ガス導入装置を取付け、このオートクレーブに水120部、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム1部、及び過硫酸ナトリウム0.3部を仕込み、気相部を15分間、チッ素ガスで置換し、75℃に昇温した。
その後、別容器からメタクリル酸n−ブチル10部、メタクリル酸メチル25部、メタクリル酸−2−ヒドロキシエチル15部、スチレン18部、アクリル酸2部及びアクリル酸エチル10部を混合したものを、所要時間3時間かけて連続的に添加した。
添加終了後、さらに85〜95℃で2時間熟成したのち、25℃まで冷却し、ジメチルエタノールアミンでpH8に調整した。
次に、メチルトリエトキシシラン30部を入れ、約1時間にわたり強く攪拌してシードとなる共重合体に吸収させ、さらに70℃に昇温し、3時間縮合反応させた。その後冷却し、固形分を水で45%に調整し、酸価は14mgKOH/g、水酸基価は58mgKOH/gのプライマー塗料を得た。
無機建材板の作成
ポルトランドセメント60部、珪砂50部、パルプ繊維5部、セピオライト3部、カーボンブラック1部、及び水120部からなる組成物を板状とし、次いでプレス成形して無機建材板を得た。
ポルトランドセメント60部、珪砂50部、パルプ繊維5部、セピオライト3部、カーボンブラック1部、及び水120部からなる組成物を板状とし、次いでプレス成形して無機建材板を得た。
実施例1
以下の工程1〜5で試験板を作成した。
工程1:無機建材板を脱イオン水に10分間浸漬した。
工程2:上記の無機建材板を、製造例2で得たアニオン電着塗料の浴に浸漬し、乾燥後の塗布量70g/m2になるように電着塗装を行った。
工程3:次いで160℃で10分間乾燥させた。
工程4:さらに製造例8で得たプライマー塗料をエアレススプレーにて塗布量50μm(乾燥膜厚)になるように塗布した。
工程5:120℃で20分間乾燥させて試験板No.1を得た。
以下の工程1〜5で試験板を作成した。
工程1:無機建材板を脱イオン水に10分間浸漬した。
工程2:上記の無機建材板を、製造例2で得たアニオン電着塗料の浴に浸漬し、乾燥後の塗布量70g/m2になるように電着塗装を行った。
工程3:次いで160℃で10分間乾燥させた。
工程4:さらに製造例8で得たプライマー塗料をエアレススプレーにて塗布量50μm(乾燥膜厚)になるように塗布した。
工程5:120℃で20分間乾燥させて試験板No.1を得た。
実施例2〜4
表1の工程とする以外は、実施例1と同様にして試験板No.2〜No.4を得た。
表1の工程とする以外は、実施例1と同様にして試験板No.2〜No.4を得た。
比較例1
無機建材板に、下塗りシーラーNo.1をロールコーターで乾燥後の塗布量70g/m2になるように塗布した。次いで160℃で10分間乾燥させた。さらに製造例8で得た着色プライマー塗料をエアレススプレーにて塗布量50μm(乾燥膜厚)になるように塗布し、120℃で20分間乾燥させて試験板No.5を得た。
無機建材板に、下塗りシーラーNo.1をロールコーターで乾燥後の塗布量70g/m2になるように塗布した。次いで160℃で10分間乾燥させた。さらに製造例8で得た着色プライマー塗料をエアレススプレーにて塗布量50μm(乾燥膜厚)になるように塗布し、120℃で20分間乾燥させて試験板No.5を得た。
比較例2
下塗りシーラーNo.1の代わりに下塗りシーラーNo.2を用いる以外は比較例1と同様の操作にて、試験板No.6を得た。
下塗りシーラーNo.1の代わりに下塗りシーラーNo.2を用いる以外は比較例1と同様の操作にて、試験板No.6を得た。
表1に試験板No.1〜No.6の工程を示す。
実施例1〜4、比較例1、及び比較例2で得られた試験板を下記の試験内容にて試験に供した結果を表2に示す。
(注3)外観:塗面の平滑性、ワレ、ピンホール等の仕上り性を目視で評価する。
◎:良好
○:若干劣るが実用上問題なく良好
△:劣る
×:著しく劣る。
◎:良好
○:若干劣るが実用上問題なく良好
△:劣る
×:著しく劣る。
(注4)耐水性:試験板No.1〜No.6を20℃の上水に30日間浸漬した後、塗膜のワレ、剥がれ、フクレなどの塗膜異常の有無を観察した。
◎:異常なし
○:若干劣るが実用上問題なく良好
△:異常あり
×:著しく異常が認められる。
◎:異常なし
○:若干劣るが実用上問題なく良好
△:異常あり
×:著しく異常が認められる。
(注5)耐アルカリ性:試験板No.1〜No.6を、水酸化カルシウムの飽和水溶液に20℃で30日間浸漬した後、上塗り塗膜のワレ、剥がれ、フクレなどの塗膜異常の有無を観察した。
◎:異常なし
○:若干劣るが実用上問題なく良好
△:異常あり
×:著しく異常が認められる。
◎:異常なし
○:若干劣るが実用上問題なく良好
△:異常あり
×:著しく異常が認められる。
(注6)凍結融解性:試験板No.1〜No.6を、−20℃で18時間凍結と、20℃で8時間融解とを1サイクルとして、20サイクル試験を行った後の塗膜状態を評価した。
◎:異常なし
○:若干劣るが実用上問題なく良好
△:異常あり
×:著しく異常が認められる。
◎:異常なし
○:若干劣るが実用上問題なく良好
△:異常あり
×:著しく異常が認められる。
(注7)耐ブロッキング性:試験板No.1〜No.6の塗装面同士を接触させて40℃雰囲気下、400g/cm2の荷重をかけた。
◎:全く付着せずに良好なもの
○:若干付着はしているが、軽い力で剥離が可能で実用上問題がない
△:力をかけないと剥離できない
×:剥離が困難である。
◎:全く付着せずに良好なもの
○:若干付着はしているが、軽い力で剥離が可能で実用上問題がない
△:力をかけないと剥離できない
×:剥離が困難である。
(注8)上塗り付着性:試験板No.1〜No.6に、アクリル系水性塗料IMコート5111(関西ペイント社製、商品名)を膜厚50μmになるよう塗装し、140℃−20分間乾燥させた。この試験板にカッターナイフで4mm間隔に5×5マスの碁盤目状に切れ目をいれ、粘着テープを貼り付けて剥離した。
○:剥離したマス目のないもの、
△:剥離したマス目が2マス以下
×:3マス以上の剥離がある。
○:剥離したマス目のないもの、
△:剥離したマス目が2マス以下
×:3マス以上の剥離がある。
耐水性、耐ブロッキング性、上塗り付着性等が優れた無機建材が得られる。
Claims (5)
- 無機建材に、電着塗料(I)を塗装することを特徴とする無機建材用の塗膜形成方法。
- 無機建材を、水に浸漬し、その後電着塗料(I)を塗装することを特徴とする無機建材用の塗膜形成方法。
- 電着塗料(I)が、アニオン性樹脂、及び硬化剤を含有してなるアニオン電着塗料である請求項1又は2項に記載の無機建材用の塗膜形成方法。
- 電着塗料(I)が、カチオン性樹脂、及び硬化剤を含有してなるカチオン電着塗料である請求項1又は2項に記載の無機建材用の塗膜形成方法。
- 無機建材に、請求項1〜5のいずれか1項に記載の電着塗料(I)を塗装した後、60〜200℃で乾燥し、該塗膜上に上塗り塗料(II)を塗装してなる無機建材用の塗膜形成方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004177770A JP2006002190A (ja) | 2004-06-16 | 2004-06-16 | 無機建材用の塗膜形成方法 |
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JP2004177770A JP2006002190A (ja) | 2004-06-16 | 2004-06-16 | 無機建材用の塗膜形成方法 |
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