JP2006001891A - α−(N−アミド)置換ニトリル化合物及びその植物病害防除用途 - Google Patents

α−(N−アミド)置換ニトリル化合物及びその植物病害防除用途 Download PDF

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裕史 阪口
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Abstract

【課題】
植物病害に対して優れた防除効力を有する化合物を提供すること。

【解決手段】
式(I)
Figure 2006001891

[式中、R1は水素原子、ハロゲン原子、C1−C4アルキル基、C1−C4ハロアルキル基等を表し、R2は水素原子、ハロゲン原子、C1−C4アルキル基等を表し、R4はC1−C4アルキル基を表し、R5はC3−C4アルキニルアミノ基、C3−C4アルキニルチオ基等を表す。]で示されるα−(N−アミド)置換ニトリル化合物は植物病害に対して優れた防除効力を有する。

【選択図】 なし

Description

本発明は、α−(N−アミド)置換ニトリル化合物及びその植物病害防除用途に関する。
従来より、植物病害を防除するための薬剤の開発が広く進められ、多数の植物病害防除剤が実用に供されているが、その効力は必ずしも十分でない場合がある。
ジャーナル オブ ケミカル アンド エンジニアリング デート、1965年、第10巻、第2号、188頁(Journal of Chemical and EngineeringDate,10(2),pp.188(1965))
本発明は、優れた植物病害防除効力を有する化合物及び植物病害防除剤を提供することを課題とする。
本発明者は優れた植物病害防除効力を有する化合物を見出すべく鋭意検討をした結果、下記式(1)で示されるα−(N−アミド)置換ニトリル化合物が優れた植物病害防除効力を有することを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は式(1)
式(1)
Figure 2006001891
[式中、R1は水素原子、ハロゲン原子、C1−C4アルキル基、C1−C4ハロアルキル基又はC1−C4アルコキシ基を表し、R2は水素原子、ハロゲン原子、C1−C4アルキル基又はC1−C4ハロアルキル基を表すか、或いはR1とR2とが一緒になってC3−C5ポリメチレン又はCH=CH−CH=CHを表し、R4はC1−C4アルキル基を表し、R5はC3−C4アルキニルチオ基、C3−C4アルカンジエニルオキシ基又はNR67を表し、R6は水素原子又はC1−C3アルキル基を表し、R7はC3−C4アルキニル基を表す。]で示されるα−(N−アミド)置換ニトリル化合物(以下、本発明化合物と記す。)、本発明化合物を有効成分として含有することを特徴とする植物病害防除剤及び本発明化合物の有効量を植物又は土壌に処理することを特徴とする植物病害の防除方法を提供する。
本発明化合物は優れた植物病害防除効力を有することから、植物病害防除剤の有効成分として有用である。
1で示される
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子が挙げられ、
C1−C4アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基及びtert−ブチル基が挙げられ,
C1−C4ハロアルキル基としては、例えばフルオロメチル基、ジフルオロメチル基及びトリフルオロメチル基が挙げられ、
C1−C4アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基及びtert−ブトキシ基が挙げられる。
2で示される
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子が挙げられ、
C1−C4アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基及びtert−ブチル基が挙げられ,
C1−C4ハロアルキル基としては、例えばフルオロメチル基、ジフルオロメチル基及びトリフルオロメチル基が挙げられる。
1とR2とが一緒になったC3−C5ポリメチレンとしては、トリメチレン、テトラメチレン及びペンタメチレンが挙げられる。
4で示される
C1−C4アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基及びtert−ブチル基が挙げられる。
5で示される
C3−C4アルキニルチオ基としては、2−プロピニルチオ基、1−メチル−2−プロピニルチオ基、2−ブチニルチオ基及び3−ブチニルチオ基が挙げられ、
C3−C4アルカンジエニルオキシ基としては、プロパン−1,2−ジエニルオキシ基、1−メチル−プロパン−1,2−ジエニルオキシ基及びブタン−1,2−ジエニルオキシ基が挙げられる。
6で示される
C1−C3アルキル基としては、例えばメチル基、エチル基及びプロピル基が挙げられ、
7で示される
C3−C4アルキニル基としては、2−プロピニル基、1−メチル−2−プロピニル基、2−ブチニル基及び3−ブチニル基が挙げられ、
5で示されるNR67としては、例えば2−プロピニルアミノ基、1−メチル−2−プロピニルアミノ基、2−ブチニルアミノ基、3−ブチニルアミノ基、メチル(2−プロピニル)アミノ基、エチル(2−プロピニル)アミノ基及びプロピル(2−プロピニル)アミノ基が挙げられる。
本発明化合物としては、例えば以下の態様の化合物が挙げられる。
式(1)において、R1が水素原子、ハロゲン原子、C1−C4アルキル基、C1−C4ハロアルキル基又はC1−C4アルコキシ基であるニトリル化合物;
式(1)において、R1がハロゲン原子、C1−C4アルキル基、C1−C4ハロアルキル基又はC1−C4アルコキシ基であるα−(N−アミド)置換ニトリル化合物;
式(1)において、R1が水素原子であるα−(N−アミド)置換ニトリル化合物;
式(1)において、R1がハロゲン原子であるα−(N−アミド)置換ニトリル化合物;
式(1)において、R1がC1−C4アルキル基又はC1−C4ハロアルキル基であるα−(N−アミド)置換ニトリル化合物;
式(1)において、R1がC1−C4アルコキシ基であるα−(N−アミド)置換ニトリル化合物;
式(1)において、R1が塩素原子であるα−(N−アミド)置換ニトリル化合物;
式(1)において、R2が水素原子、ハロゲン原子、C1−C4アルキル基又はC1−C4ハロアルキル基であるα−(N−アミド)置換ニトリル化合物;
式(1)において、R2が水素原子であるα−(N−アミド)置換ニトリル化合物;
式(1)において、R2がハロゲン原子であるα−(N−アミド)置換ニトリル化合物;
式(1)において、R2が塩素原子であるα−(N−アミド)置換ニトリル化合物;
式(1)において、R1とR2とが一緒になってC3−C5ポリメチレン又はCH=CH−CH=CHであるα−(N−アミド)置換ニトリル化合物;
式(1)において、R1とR2とが一緒になってトリメチレンであるα−(N−アミド)置換ニトリル化合物;
式(1)において、R1とR2とが一緒になってテトラメチレンであるα−(N−アミド)置換ニトリル化合物;
式(1)において、R1とR2とが一緒になってCH=CH−CH=CHであるα−(N−アミド)置換ニトリル化合物;
式(1)において、R4がC1−C4アルキル基であるα−(N−アミド)置換ニトリル化合物;
式(1)において、R4がC1−C2アルキル基であるα−(N−アミド)置換ニトリル化合物;
式(1)において、R4がメチル基であるα−(N−アミド)置換ニトリル化合物;
式(1)において、R4がエチル基であるα−(N−アミド)置換ニトリル化合物;
式(1)において、R5がNR67であるα−(N−アミド)置換ニトリル化合物;
式(1)において、R5がNR67であり、R6が水素原子であるα−(N−アミド)置換ニトリル化合物;
式(1)において、R5がNR67であり、R6がC1−C3アルキル基であるα−(N−アミド)置換ニトリル化合物;
式(1)において、R5がNR67であり、R6がメチル基又は水素原子であり、R7が2−プロピニル基であるα−(N−アミド)置換ニトリル化合物;
式(1)において、R5がNR67であり、R6が水素原子であり、R7が2−プロピニル基であるα−(N−アミド)置換ニトリル化合物;
式(1)において、R5がC3−C4アルキニルチオ基であるα−(N−アミド)置換ニトリル化合物;
式(1)において、R5が2−プロピニルチオ基であるα−(N−アミド)置換ニトリル化合物;
式(1)において、R5がC3−C4アルカンジエニルオキシ基であるα−(N−アミド)置換ニトリル化合物;
式(1)において、R5がプロパン−1,2−ジエニルオキシ基であるα−(N−アミド)置換ニトリル化合物;
式(1)において、R1がハロゲン原子、C1−C4アルキル基、C1−C4ハロアルキル基又はC1−C4アルコキシ基であり、R2が水素原子であるα−(N−アミド)置換ニトリル化合物;
式(1)において、R1がハロゲン原子、C1−C4アルキル基、C1−C4ハロアルキル基又はC1−C4アルコキシ基であり、R2がハロゲン原子、C1−C4アルキル基又はC1−C4ハロアルキル基であるα−(N−アミド)置換ニトリル化合物;
式(1)において、R4がメチル基であり、R5がNR67であるα−(N−アミド)置換ニトリル化合物;
式(1)において、R4がメチル基であり、R5がNR67であり、R6が水素原子又はメチル基であり、R7が2−プロピニル基であるα−(N−アミド)置換ニトリル化合物;
式(1)において、R4がメチル基であり、R5がNR67であり、R7が2−プロピニル基であるα−(N−アミド)置換ニトリル化合物;
式(1)において、R4がC1−C2アルキル基であり、R5がNR67であるα−(N−アミド)置換ニトリル化合物;
式(1)において、R4がC1−C2アルキル基であり、R5がNR67であり、R6が水素原子又はメチル基であり、R7が2−プロピニル基であるα−(N−アミド)置換ニトリル化合物;
式(1)において、R4がC1−C2アルキル基であり、R5がNR67であり、R7が2−プロピニル基であるα−(N−アミド)置換ニトリル化合物;
式(1)において、R4がメチル基であり、R5がC3−C4アルキニルチオ基であるα−(N−アミド)置換ニトリル化合物;
式(1)において、R4がメチル基であり、R5が2−プロピニルチオ基であるα−(N−アミド)置換ニトリル化合物;
式(1)において、R4がC1−C2アルキル基であり、R5がC3−C4アルキニルチオ基であるα−(N−アミド)置換ニトリル化合物;
式(1)において、R4がC1−C2アルキル基であり、R5が2−プロピニルチオ基であるα−(N−アミド)置換ニトリル化合物;
式(1)において、R4がメチル基であり、R5がC3−C4アルカンジエニルオキシ基であるα−(N−アミド)置換ニトリル化合物;
式(1)において、R4がメチル基であり、R5がプロパン−1,2−ジエニルオキシ基であるα−(N−アミド)置換ニトリル化合物;
式(1)において、R4がC1−C2アルキル基であり、R5がC3−C4アルカンジエニルオキシ基であるα−(N−アミド)置換ニトリル化合物;
式(1)において、R4がC1−C2アルキル基であり、R5がプロパン−1,2−ジエニルオキシ基であるα−(N−アミド)置換ニトリル化合物。
次に、本発明化合物の製造法について説明する。
本発明化合物は例えば以下の(製造法A)、(製造法B)、(製造法C)又は(製造法D)にしたがって製造することができる。
(製造法A)
本発明化合物のうちR5がC3−C4アルキニルチオ基である式(1−1)で示される化合物は、式(2)で示される化合物又は式(2)で示される化合物の塩酸塩と式(3)で示される化合物とを、脱水縮合剤の存在下で反応させることにより製造することもできる。
Figure 2006001891
〔式中、R5-1C3−C4アルキニルチオ基を表し、R1、R2及びR4は前記と同じ意味を表す。〕
該反応は、通常溶媒の存在下で行われる。
反応に用いられる溶媒としては、例えばN,N−ジメチルホルムアミド等の酸アミド類、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類、ピリジン、キノリン等の含窒素芳香族化合物及びこれらの混合物があげられる。
反応に用いられる脱水縮合剤としては、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(以下、WSCと記す)、1,3−ジシクロヘキシルカルボジイミド等のカルボジイミド類があげられる。
反応に用いられる試剤の量は、式(2)で示される化合物1モルに対して、式(3)で示される化合物が通常1〜3モルの割合であり、脱水縮合剤が通常1〜5モルの割合である。
該反応の反応温度は、通常0〜140℃の範囲であり、反応時間は通常0.1〜24時間の範囲である。
反応終了後は、(i)反応混合物を水に注加して有機溶媒抽出し、有機層を必要に応じて酸性水(希塩酸等)、塩基性水(炭酸水素ナトリウム水溶液等)で洗浄してから、乾燥、濃縮する、又は(ii)反応混合物に少量の水を加えてから減圧下濃縮し、得られた固体を濾集する等の後処理操作を行うことにより、式(1−1)で示される化合物を単離することができる。単離された式(1−1)で示される化合物は、クロマトグラフィー、再結晶等の操作によりさらに精製することもできる。
(製造法B)
本発明化合物のうちXが酸素原子であり、R5がC3−C4アルカンジエニルオキシ基である式(1−2)で示される化合物は、式(4)で示される化合物と塩基とを反応させることにより製造することができる。
Figure 2006001891
〔式中、R8はC3−C4アルキニルオキシ基を表し、R5-2はC3−C4アルカンジエニルオキシ基を表し、R1、R2及びR4は前記と同じ意味を表す。〕
該反応は、通常溶媒の存在下で行われる。
反応に用いられる溶媒としては、例えば1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル等のエーテル類、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の脂肪族炭化水素類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、アセトニトリル、ブチロニトリル等のニトリル類、N,N−ジメチルホルムアミド等の酸アミド類、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類及びこれらの混合物が挙げられる。
反応に用いられる塩基としては、例えばナトリウムtert−ブトキシド、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド等のアルコキシド類が挙げられる。
反応に用いられる塩基の量は、式(4)で示される化合物1モルに対して、通常0.01〜10モルの割合である。
該反応の反応温度は、通常50〜150℃の範囲であり、反応時間は通常0.1〜24時間の範囲である。
反応終了後は、反応混合物を水に注加して有機溶媒抽出し、有機層を必要に応じて酸性水(希塩酸等)、塩基性水(炭酸水素ナトリウム水溶液等)で洗浄してから、乾燥、濃縮する等の後処理操作を行うことにより、式(1−2)で示される化合物を単離することができる。単離された式(1−2)で示される化合物は、クロマトグラフィー、再結晶等の操作によりさらに精製することもできる。
(製造法C)
本発明化合物のうちR5がNR67である式(1−3)で示される化合物は、式(2)で示される化合物又は式(2)で示される化合物の塩酸塩と式(5)で示される化合物とを、脱水縮合剤の存在下で反応させることにより製造することもできる。
Figure 2006001891
〔式中、R1、R2、R4、R6及びR7は前記と同じ意味を表す。〕
該反応は、通常溶媒の存在下で行われる。
反応に用いられる溶媒としては、例えばN,N−ジメチルホルムアミド等の酸アミド類、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類、ピリジン、キノリン等の含窒素芳香族化合物及びこれらの混合物があげられる。
反応に用いられる脱水縮合剤としては、WSC及び1,3−ジシクロヘキシルカルボジイミド等のカルボジイミド類があげられる。
反応に用いられる試剤の量は、式(5)で示される化合物1モルに対して、式(2)で示される化合物が通常1〜3モルの割合であり、脱水縮合剤が通常1〜5モルの割合である。
該反応の反応温度は、通常0〜140℃の範囲であり、反応時間は通常0.1〜24時間の範囲である。
反応終了後は、(i)反応混合物を水に注加して有機溶媒抽出し、有機層を必要に応じて酸性水(希塩酸等)、塩基性水(炭酸水素ナトリウム水溶液等)で洗浄してから、乾燥、濃縮する、又は(ii)反応混合物に少量の水を加えてから減圧下濃縮し、得られた固体を濾集する等の後処理操作を行うことにより、式(1−3)で示される化合物を単離することができる。単離された式(1−3)で示される化合物は、クロマトグラフィー、再結晶等の操作によりさらに精製することもできる。
次に、本発明中間体の製造法について説明する。
式(3)で示される化合物は、例えば下記のスキームに従って製造することができる。
Figure 2006001891
〔式中、R10はメチル基、エチル基又はプロピル基を表し、R11はC3−C4アルキニル基を表し、L1はハロゲン原子を表し、R4及びR5-1は前記と同じ意味を表す。〕
工程(I−1)
式(12)で示される化合物は、式(10)で示される化合物と式(11)で示される化合物とを、塩基の存在下で反応させることにより製造することができる。
該反応は、溶媒の存在下又は非存在下で行われる。
反応に用いられる溶媒としては、例えば1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル等のエーテル類、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の脂肪族炭化水素類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、アセトニトリル、ブチロニトリル等のニトリル類、N,N−ジメチルホルムアミド等の酸アミド類、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類及びこれらの混合物が挙げられる。
反応に用いられる塩基としては、例えば炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の炭酸塩類、水素化ナトリウム、水素化カリウム等のアルカリ金属水素化物、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデック−7−エン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノン−5−エン等の第3級アミン類及びピリジン、4−ジメチルアミノピリジン等の含窒素芳香族化合物が挙げられる。
反応に用いられる試剤の量は、式(10)で示される化合物1モルに対して塩基が通常1〜10モルの割合、式(11)で示される化合物が通常1〜5モルの割合である。
該反応の反応温度は、通常0〜100℃の範囲であり、反応時間は通常0.1〜24時間の範囲である。
反応終了後は、反応混合物を水に注加して有機溶媒抽出し、有機層を乾燥、濃縮する等の後処理操作を行うことにより、式(12)で示される化合物を単離することができる。単離された式(12)で示される化合物は、クロマトグラフィー、再結晶等の操作によりさらに精製することもできる。
工程(I−2)
式(13)で示される化合物は、式(12)で示される化合物を加熱することにより製造することができる。
該反応は、溶媒の存在下又は非存在下で行われる。
反応に用いられる溶媒としては、例えばテトラグライム、トリグライム、ジフェニルエーテル等のエーテル類、オクタン、デカン等の脂肪族炭化水素類、トルエン、キシレン、メシチレン等の芳香族炭化水素類、ジクロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類及びこれらの混合物が挙げられる。
該反応の反応温度は、通常100〜300℃の範囲であり、反応時間は通常0.1〜12時間の範囲である。
反応終了後は、反応混合物を冷却してヘキサンを注加して生成する固体を濾別する等の後処理操作を行うことにより、式(13)で示される化合物を単離することができる。単離された式(13)で示される化合物は、クロマトグラフィー、再結晶等の操作によりさらに精製することもできる。
工程(I−3)
式(15)で示される化合物は、式(13)で示される化合物と式(14)で示される化合物とを塩基の存在下で反応させることにより製造することができる。
該反応は、通常溶媒の存在下で行われる。
反応に用いられる溶媒としては、例えば1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル等のエーテル類、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の脂肪族炭化水素類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類、N,N−ジメチルホルムアミド等の酸アミド類、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類、水及びこれらの混合物が挙げられる。
反応に用いられる塩基としては、例えば炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の炭酸塩類、水素化ナトリウム、水素化カリウム等のアルカリ金属水素化物、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムtert−ブトキシド等のアルカリ金属アルコキシドが挙げられる。
反応に用いられる試剤の量は、式(13)で示される化合物1モルに対して塩基が通常1〜10モルの割合、式(14)で示される化合物が通常1〜5モルの割合である。
該反応の反応温度は、通常−20〜100℃の範囲であり、反応時間は通常0.1〜24時間の範囲である。
反応終了後は、反応混合物を水に注加して有機溶媒抽出し、有機層を乾燥、濃縮する等の後処理操作を行うことにより、式(15)で示される化合物を単離することができる。単離された式(15)で示される化合物は、クロマトグラフィー、再結晶等の操作によりさらに精製することもできる。
工程(I−4)
式(16)で示される化合物は、式(15)で示される化合物を還元剤と反応させることにより製造することができる。
該反応は通常溶媒の存在下で行われる。
反応に用いられる溶媒としては、例えばメタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール類、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等のエーテル類、水及びこれらの混合物が挙げられる。
反応に用いられる還元剤としては、例えば水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素カリウム等の金属水素化物が挙げられる。
反応に用いられる還元剤の量は、式(15)で示される化合物1モルに対して通常0.25〜10モルの割合である。
該反応は遷移金属化合物の存在下で行うこともできる。その場合に、反応に用いられる遷移金属化合物としては、例えば塩化ニッケル、塩化コバルト等の遷移金属塩化物が挙げられ、反応に用いられる遷移金属化合物の量は、通常0.1〜10モルの割合である。
該反応の反応温度は通常0〜100℃の範囲であり、反応時間は通常0.1〜24時間の範囲である。
反応終了後は、反応混合物を濾過し、濾液を有機溶媒抽出して、得られた有機層を乾燥、濃縮する等の後処理操作を行うことにより、式(16)で示される化合物を単離することができる。単離された式(16)で示される化合物はクロマトグラフィー、再結晶等の操作によりさらに精製することもできる。
工程(I−5)
式(17)で示される化合物は式(16)で示される化合物を塩基の存在下で、水と反応させることにより製造することができる。
該反応は水及び有機溶媒の存在下で行われる。
反応に用いられる有機溶媒としては、例えば1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル等のエーテル類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類、アセトニトリル、ブチロニトリル等のニトリル類、メタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール類及びこれらの混合物が挙げられる。
反応に用いられる塩基としては、例えば水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物が挙げられる。
反応に用いられる塩基の量は、式(16)で示される化合物1モルに対して、通常1〜10モルの割合である。
該反応の反応温度は、通常0〜150℃の範囲であり、反応時間は通常0.1〜24時間の範囲である。
反応終了後は、反応混合物に酸性水(塩酸等)を加えて有機溶媒抽出し、有機層を乾燥、濃縮する等の後処理操作を行うことにより、式(17)で示される化合物を単離することができる。単離された式(17)で示される化合物は、クロマトグラフィー、再結晶等によりさらに精製することもできるが、そのまま次の工程に用いることもできる。
工程(I−6)
式(19)で示される化合物は、式(17)で示される化合物と式(18)で示される化合物とを塩基の存在下で反応させることにより製造することができる。
該反応は、通常溶媒の存在下で行われる。
反応に用いられる溶媒としては、例えば1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル等のエーテル類、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の脂肪族炭化水素類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、アセトニトリル、ブチロニトリル等のニトリル類、N,N−ジメチルホルムアミド等の酸アミド類、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類及びこれらの混合物が挙げられる。
反応に用いられる塩基としては、例えば炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の炭酸塩類、水素化ナトリウム、水素化カリウム等のアルカリ金属水素化物、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデック−7−エン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノン−5−エン等の第3級アミン類及びピリジン、4−ジメチルアミノピリジン等の含窒素芳香族化合物が挙げられる。
反応に用いられる試剤の量は、式(17)で示される化合物1モルに対して、塩基が通常2〜10モルの割合、式(18)で示される化合物が通常2〜5モルの割合で用いられる。
該反応の反応温度は、通常−20〜100℃の範囲であり、反応時間は通常0.1〜24時間の範囲である。
反応終了後は、反応混合物を水に注加して有機溶媒抽出し、有機層を必要に応じて酸性水(希塩酸等)、塩基性水(炭酸水素ナトリウム水溶液等)で洗浄してから、乾燥、濃縮する等の後処理操作を行うことにより、式(19)で示される化合物を単離することができる。単離された式(19)で示される化合物は、クロマトグラフィー、再結晶等の操作によりさらに精製することもできる。
工程(I−7)
式(3)で示される化合物は式(19)で示される化合物を塩基の存在下で、水と反応させることにより製造することができる。
該反応は水及び有機溶媒の存在下で行われる。
反応に用いられる有機溶媒としては、例えば1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル等のエーテル類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類、アセトニトリル、ブチロニトリル等のニトリル類、メタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール類及びこれらの混合物が挙げられる。
反応に用いられる塩基としては、例えば水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物が挙げられる。
反応に用いられる塩基の量は、式(19)で示される化合物1モルに対して、通常1〜10モルの割合である。
該反応の反応温度は、通常0〜150℃の範囲であり、反応時間は通常0.1〜24時間の範囲である。
反応終了後は、反応混合物に酸性水(塩酸等)を加えて有機溶媒抽出し、有機層を乾燥、濃縮する等の後処理操作を行うことにより、式(3)で示される化合物を単離することができる。単離された式(3)で示される化合物は、クロマトグラフィー、再結晶等によりさらに精製することもできるが、そのまま次の工程に用いることもできる。
式(4)で示される化合物は、例えば下記のスキームに従って製造することができる。
Figure 2006001891
〔式中、R12はC3−C4アルキニル基を表し、R13はメチル基、エチル基又はプロピル基を表し、R8はC3−C4アルキニルオキシ基を表し、L2は塩素原子又は臭素原子を表し、L3はハロゲン原子を表し、R1、R2、R4及びR8前記と同じ意味を表す。〕
工程(II−1)
式(22)で示される化合物は、式(20)で示される化合物と式(21)で示される化合物とを塩基の存在下で反応させることにより製造することができる。
該反応は、溶媒の存在下又は非存在下で行われる。
反応に用いられる溶媒としては、例えば1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル等のエーテル類、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の脂肪族炭化水素類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、アセトニトリル、ブチロニトリル等のニトリル類、N,N−ジメチルホルムアミド等の酸アミド類、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類及びこれらの混合物が挙げられる。
反応に用いられる塩基としては、例えば炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の炭酸塩類、水素化ナトリウム、水素化カリウム等のアルカリ金属水素化物、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデック−7−エン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノン−5−エン等の第3級アミン類及びピリジン、4−ジメチルアミノピリジン等の含窒素芳香族化合物が挙げられる。
反応に用いられる試剤の量は、式(20)で示される化合物1モルに対して塩基が通常1〜10モルの割合、式(21)で示される化合物が通常1〜5モルの割合である。
該反応の反応温度は、通常0〜100℃の範囲であり、反応時間は通常0.1〜24時間の範囲である。
反応終了後は、反応混合物を水に注加して有機溶媒抽出し、有機層を乾燥、濃縮する等の後処理操作を行うことにより、式(22)で示される化合物を単離することができる。単離された式(22)で示される化合物は、クロマトグラフィー、再結晶等の操作によりさらに精製することもできる。
工程(II−2)
式(24)で示される化合物は、式(22)で示される化合物と式(23)で示される化合物とを、塩基の存在下で反応させることにより製造することができる。
該反応は、通常溶媒の存在下で行われる。
反応に用いられる溶媒としては、例えば1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル等のエーテル類、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の脂肪族炭化水素類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類、N,N−ジメチルホルムアミド等の酸アミド類、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類、水及びこれらの混合物が挙げられる。
反応に用いられる塩基としては、例えば炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の炭酸塩類、水素化ナトリウム、水素化カリウム等のアルカリ金属水素化物、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムtert−ブトキシド等のアルカリ金属アルコキシドが挙げられる。
反応に用いられる試剤の量は、式(22)で示される化合物1モルに対して塩基が通常1〜10モルの割合、式(22)で示される化合物が通常1〜5モルの割合である。
該反応の反応温度は、通常−20〜100℃の範囲であり、反応時間は通常0.1〜24時間の範囲である。
反応終了後は、反応混合物を水に注加して有機溶媒抽出し、有機層を乾燥、濃縮する等の後処理操作を行うことにより、式(24)で示される化合物を単離することができる。単離された式(24)で示される化合物は、クロマトグラフィー、再結晶等の操作によりさらに精製することもできる。
工程(II−3)
式(25)で示される化合物は、水素化触媒の存在下、式(24)で示される化合物と水素とを反応させることにより製造することができる。
該反応は水素雰囲気下、通常溶媒の存在下で行われる。
反応に用いられる溶媒としては、例えばメタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール類、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等のエーテル類及びこれらの混合物が挙げられる。
反応に用いられる水素化触媒としては、例えばパラジウム炭素、水酸化パラジウム、ラネーニッケル、酸化白金等の遷移金属化合物が挙げられる。
反応に用いられる水素化触媒の量は、式(24)で示される化合物1モルに対して通常0.001〜0.5モルの割合である。
該反応は、通常1〜100気圧の水素雰囲気下で行われる。
該反応は、さらに必要に応じて酸(塩酸等)を加えて行うこともできる。
該反応の反応温度は通常−20〜100℃の範囲であり、反応時間は通常0.1〜24時間の範囲である。
反応終了後は、反応混合物を濾過し、濾液を有機溶媒抽出して、得られた有機層を乾燥、濃縮する等の後処理操作を行うことにより、式(25)で示される化合物を単離することができる。単離された式(25)で示される化合物はクロマトグラフィー、再結晶等の操作によりさらに精製することもできる。
工程(II−4)
式(27)で示される化合物は、式(25)で示される化合物と式(26)で示される化合物とを、塩基の存在下で反応させることにより製造することができる。
該反応は、溶媒の存在下又は非存在下で行われる。
反応に用いられる溶媒としては、例えば1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル等のエーテル類、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の脂肪族炭化水素類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、アセトニトリル、ブチロニトリル等のニトリル類、N,N−ジメチルホルムアミド等の酸アミド類、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類及びこれらの混合物が挙げられる。
反応に用いられる塩基としては、例えば炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の炭酸塩類、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデック−7−エン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノン−5−エン等の第3級アミン類及びピリジン、4−ジメチルアミノピリジン等の含窒素芳香族化合物が挙げられる。
反応に用いられる試剤の量は、式(25)で示される化合物1モルに対して塩基が通常1〜10モルの割合、式(26)で示される化合物が通常1〜5モルの割合である。
該反応の反応温度は、通常0〜100℃の範囲であり、反応時間は通常0.1〜24時間の範囲である。
反応終了後は、反応混合物に必要に応じて有機溶媒を加えてから濾過し、濾液を濃縮する等の後処理操作を行うことにより、式(27)で示される化合物を単離することができる。単離された式(27)で示される化合物は、蒸留、クロマトグラフィー、再結晶等の操作によりさらに精製することもできる。
工程(II−5)
式(28)で示される化合物は式(27)で示される化合物を塩基の存在下で、水と反応させることにより製造することができる。
該反応は水及び有機溶媒の存在下で行われる。
反応に用いられる有機溶媒としては、例えば1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル等のエーテル類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類、アセトニトリル、ブチロニトリル等のニトリル類、メタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール類及びこれらの混合物が挙げられる。
反応に用いられる塩基としては、例えば水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物が挙げられる。
反応に用いられる塩基の量は、式(27)で示される化合物1モルに対して、通常1〜10モルの割合である。
該反応の反応温度は、通常0〜150℃の範囲であり、反応時間は通常0.1〜24時間の範囲である。
反応終了後は、反応混合物に酸性水(塩酸等)を加えて有機溶媒抽出し、有機層を乾燥、濃縮する等の後処理操作を行うことにより、式(28)で示される化合物を単離することができる。単離された式(28)で示される化合物は、クロマトグラフィー、再結晶等によりさらに精製することもできるが、そのまま次の工程に用いることもできる。
工程(II−6)
式(29)で示される化合物は、式(28)で示される化合物と塩素化剤とを反応させることにより製造することができる。
該反応は溶媒の存在下又は非存在下で行われる。
反応に用いられる溶媒としては、例えば1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル等のエーテル類、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類及びこれらの混合物が挙げられる。
反応に用いられる塩素化剤としては、例えば塩化チオニル、塩化オキサリル及びオキシ塩化リンが挙げられる。
反応に用いられる塩素化剤の量は、式(28)で示される化合物1モルに対して通常1〜100モルの割合で用いられる。
該反応の反応温度は通常30〜150℃の範囲であり、反応時間は通常0.1〜24時間の範囲である。
反応終了後は、反応混合物をそのまま濃縮する等の操作を行うことにより、式(29)で示される化合物を単離することができる。単離された式(29)で示される化合物は通常精製することなく次の工程の反応に用いられる。
工程(II−7)
式(4)で示される化合物は式(29)で示される化合物と(30)で示される化合物とを、塩基の存在下で反応させることにより製造することができる。
該反応は、通常溶媒の存在下で行われる。
反応に用いられる溶媒としては、例えば1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル等のエーテル類、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の脂肪族炭化水素類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、アセトニトリル、ブチロニトリル等のニトリル類、N,N−ジメチルホルムアミド等の酸アミド類、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類及びこれらの混合物が挙げられる。
反応に用いられる塩基としては、例えば炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の炭酸塩類、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデック−7−エン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノン−5−エン等の第3級アミン類及びピリジン、4−ジメチルアミノピリジン等の含窒素芳香族化合物が挙げられる。
反応に用いられる試剤の量は、式(29)で示される化合物1モルに対して塩基が通常1〜10モルの割合、式(30)で示される化合物が通常1〜5モルの割合である。
該反応の反応温度は、通常−20〜100℃の範囲であり、反応時間は通常0.1〜24時間の範囲である。
反応終了後は、(i)反応混合物を水に注加して有機溶媒抽出し、有機層を必要に応じて酸性水(希塩酸等)、塩基性水(炭酸水素ナトリウム水溶液等)で洗浄してから、乾燥、濃縮する、又は(ii)反応混合物に少量の水を加えてから減圧下濃縮し、得られた固体を濾集する等の後処理操作を行うことにより、式(4)で示される化合物を単離することができる。単離された式(4)で示される化合物は、クロマトグラフィー、再結晶等の操作によりさらに精製することもできる。
式(5)で示される化合物のうちR6が水素原子である式(5−1)で示される化合物及びR6がC1−C3アルキル基である式(5−2)で示される化合物は、例えば下記のスキームに従って製造することができる。
Figure 2006001891
〔式中、R6-1はC1−C3アルキル基を表し、R14はメチル基、エチル基又はプロピル基を表し、R15は水素原子、メチル基又はエチル基を表し、L4は塩素原子又は臭素原子を表し、L5はハロゲン原子を表し、L6はハロゲン原子を表し、R4及びR7は前記と同じ意味を表す。〕
工程(III−1)
式(33)で示される化合物は、式(31)で示される化合物と式(32)で示される化合物とを、塩基の存在下で反応させることにより製造することができる。
該反応は、溶媒の存在下又は非存在下で行われる。
反応に用いられる溶媒としては、例えば1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル等のエーテル類、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の脂肪族炭化水素類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、アセトニトリル、ブチロニトリル等のニトリル類、N,N−ジメチルホルムアミド等の酸アミド類、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類及びこれらの混合物が挙げられる。
反応に用いられる塩基としては、例えば炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の炭酸塩類、水素化ナトリウム、水素化カリウム等のアルカリ金属水素化物、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデック−7−エン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノン−5−エン等の第3級アミン類及びピリジン、4−ジメチルアミノピリジン等の含窒素芳香族化合物が挙げられる。
反応に用いられる試剤の量は、式(31)で示される化合物1モルに対して塩基が通常1〜10モルの割合、式(32)で示される化合物が通常1〜5モルの割合である。
該反応の反応温度は、通常0〜100℃の範囲であり、反応時間は通常0.1〜24時間の範囲である。
反応終了後は、反応混合物を水に注加して有機溶媒抽出し、有機層を乾燥、濃縮する等の後処理操作を行うことにより、式(33)で示される化合物を単離することができる。単離された式(33)で示される化合物は、クロマトグラフィー、再結晶等の操作によりさらに精製することもできる。
工程(III−2)
式(35)で示される化合物は、式(33)で示される化合物と式(34)で示される化合物とを、塩基の存在下で反応させることにより製造することができる。
該反応は、通常溶媒の存在下で行われる。
反応に用いられる溶媒としては、例えば1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル等のエーテル類、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の脂肪族炭化水素類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類、N,N−ジメチルホルムアミド等の酸アミド類、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類、水及びこれらの混合物が挙げられる。
反応に用いられる塩基としては、例えば炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の炭酸塩類、水素化ナトリウム、水素化カリウム等のアルカリ金属水素化物、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムtert−ブトキシド等の金属アルコキシドが挙げられる。
反応に用いられる試剤の量は、式(33)で示される化合物1モルに対して塩基が通常1〜10モルの割合、式(34)で示される化合物が通常1〜5モルの割合である。
該反応の反応温度は、通常−20〜100℃の範囲であり、反応時間は通常0.1〜24時間の範囲である。
反応終了後は、反応混合物を水に注加して有機溶媒抽出し、有機層を乾燥、濃縮する等の後処理操作を行うことにより、式(35)で示される化合物を単離することができる。単離された式(35)で示される化合物は、クロマトグラフィー、再結晶等の操作によりさらに精製することもできる。
工程(III−3)
式(36)で示される化合物は、水素化触媒の存在下、式(35)で示される化合物と水素とを反応させることにより製造することができる。
該反応は水素雰囲気下、通常溶媒の存在下で行われる。
反応に用いられる溶媒としては、例えばメタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール類、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等のエーテル類及びこれらの混合物が挙げられる。
反応に用いられる水素化触媒としては、例えばパラジウム炭素、水酸化パラジウム、ラネーニッケル、酸化白金等の遷移金属化合物が挙げられる。
反応に用いられる水素化触媒の量は、式(35)で示される化合物1モルに対して通常0.001〜0.5モルの割合である。
該反応は、通常1〜100気圧の水素雰囲気下で行われる。
該反応は、さらに必要に応じて酸(塩酸等)を加えて行うこともできる。
該反応の反応温度は通常−20〜100℃の範囲であり、反応時間は通常0.1〜24時間の範囲である。
反応終了後は、反応混合物を濾過し、濾液を有機溶媒抽出して、得られた有機層を乾燥、濃縮する等の後処理操作を行うことにより、式(36)で示される化合物を単離することができる。単離された式(36)で示される化合物はクロマトグラフィー、再結晶等の操作によりさらに精製することもできる。
工程(III−4)
式(38)で示される化合物は、式(36)で示される化合物と式(37)で示される化合物とを反応させることにより製造することができる。
該反応は、通常溶媒の存在下で行われる。
反応に用いられる溶媒としては、例えば1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル等のエーテル類、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の脂肪族炭化水素類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、アセトニトリル、ブチロニトリル等のニトリル類、N,N−ジメチルホルムアミド等の酸アミド類、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類及びこれらの混合物が挙げられる。
反応に用いられる塩基としては、例えば炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の炭酸塩類、水素化ナトリウム、水素化カリウム等のアルカリ金属水素化物、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデック−7−エン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノン−5−エン等の第3級アミン類及びピリジン、4−ジメチルアミノピリジン等の含窒素芳香族化合物が挙げられる。
反応に用いられる試剤の量は、式(36)で示される化合物1モルに対して、塩基が通常1〜10モルの割合、式(37)で示される化合物が通常0.5〜2モルの割合である。
該反応の反応温度は、通常−20〜100℃の範囲であり、反応時間は通常0.1〜24時間の範囲である。
反応終了後は、(i)反応混合物を水に注加して有機溶媒抽出し、有機層を必要に応じて酸性水(希塩酸等)、塩基性水(炭酸水素ナトリウム水溶液等)で洗浄してから、乾燥、濃縮する、又は(ii)反応混合物を濾過し、得られた濾液を濃縮、乾燥する等の後処理操作を行うことにより、式(38)で示される化合物を単離することができる。単離された式(38)で示される化合物は、クロマトグラフィー、再結晶等の操作によりさらに精製することもできる。
工程(III−5)
式(5−1)で示される化合物は式(38)で示される化合物を塩基の存在下で、水と反応させることにより製造することができる。
該反応は水及び有機溶媒の存在下で行われる。
反応に用いられる有機溶媒としては、例えば1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル等のエーテル類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類、アセトニトリル、ブチロニトリル等のニトリル類、メタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール類及びこれらの混合物が挙げられる。
反応に用いられる塩基としては、例えば水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物が挙げられる。
反応に用いられる塩基の量は、式(38)で示される化合物1モルに対して、通常1〜10モルの割合である。
該反応の反応温度は、通常0〜150℃の範囲であり、反応時間は通常0.1〜24時間の範囲である。
反応終了後は、反応混合物に酸性水(塩酸等)を加えて有機溶媒抽出し、有機層を乾燥、濃縮する等の後処理操作を行うことにより、式(5−1)で示される化合物を単離することができる。単離された式(5−1)で示される化合物は、クロマトグラフィー、再結晶等によりさらに精製することもできるが、そのまま次の工程に用いることもできる。
工程(III−6)
式(40)で示される化合物は、式(39)で示される化合物の存在下、水素化触媒の存在下、式(36)で示される化合物と水素とを反応させることにより製造することができる。
該反応は水素雰囲気下、通常溶媒の存在下で行われる。
反応に用いられる溶媒としては、例えばメタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール類、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等のエーテル類及びこれらの混合物が挙げられる。
反応に用いられる水素化触媒としては、例えばパラジウム炭素、水酸化パラジウム、ラネーニッケル、酸化白金等の遷移金属化合物が挙げられる。
反応に用いられる式(39)で示される化合物の量は、式(36)で示される化合物1モルに対して、通常1モル〜過剰量の割合である。
反応に用いられる水素化触媒の量は、式(36)で示される化合物1モルに対して通常0.001〜0.5モルの割合である。
該反応は、通常1〜100気圧の水素雰囲気下で行われる。
該反応は、さらに必要に応じて酸(塩酸等)を加えて行うこともできる。
該反応の反応温度は通常−20〜100℃の範囲であり、反応時間は通常0.1〜24時間の範囲である。
反応終了後は、反応混合物を濾過し、濾液を有機溶媒抽出して、得られた有機層を乾燥、濃縮する等の後処理操作を行うことにより、式(40)で示される化合物を単離することができる。単離された式(40)で示される化合物はクロマトグラフィー、再結晶等の操作によりさらに精製することもできる。
工程(III−7)
式(42)で示される化合物は、式(40)で示される化合物と式(41)で示される化合物とを反応させることにより製造することができる。
該反応は、通常溶媒の存在下で行われる。
反応に用いられる溶媒としては、例えば1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル等のエーテル類、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の脂肪族炭化水素類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、アセトニトリル、ブチロニトリル等のニトリル類、N,N−ジメチルホルムアミド等の酸アミド類、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類及びこれらの混合物が挙げられる。
反応に用いられる塩基としては、例えば炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の炭酸塩類、水素化ナトリウム、水素化カリウム等のアルカリ金属水素化物、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデック−7−エン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノン−5−エン等の第3級アミン類及びピリジン、4−ジメチルアミノピリジン等の含窒素芳香族化合物が挙げられる。
反応に用いられる試剤の量は、式(40)で示される化合物1モルに対して、塩基が通常1〜10モルの割合、式(41)で示される化合物が通常0.5〜2モルの割合である。
該反応の反応温度は、通常−20〜100℃の範囲であり、反応時間は通常0.1〜24時間の範囲である。
反応終了後は、(i)反応混合物を水に注加して有機溶媒抽出し、有機層を必要に応じて酸性水(希塩酸等)、塩基性水(炭酸水素ナトリウム水溶液等)で洗浄してから、乾燥、濃縮する、又は(ii)反応混合物を濾過し、得られた濾液を濃縮、乾燥する等の後処理操作を行うことにより、式(42)で示される化合物を単離することができる。単離された式(42)で示される化合物は、クロマトグラフィー、再結晶等の操作によりさらに精製することもできる。
工程(III−8)
式(5−2)で示される化合物は式(42)で示される化合物を塩基の存在下で、水と反応させることにより製造することができる。
該反応は水及び有機溶媒の存在下で行われる。
反応に用いられる有機溶媒としては、例えば1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル等のエーテル類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類、アセトニトリル、ブチロニトリル等のニトリル類、メタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール類及びこれらの混合物が挙げられる。
反応に用いられる塩基としては、例えば水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物が挙げられる。
反応に用いられる塩基の量は、式(42)で示される化合物1モルに対して、通常1〜10モルの割合である。
該反応の反応温度は、通常0〜150℃の範囲であり、反応時間は通常0.1〜24時間の範囲である。
反応終了後は、反応混合物に酸性水(塩酸等)を加えて有機溶媒抽出し、有機層を乾燥、濃縮する等の後処理操作を行うことにより、式(5−2)で示される化合物を単離することができる。単離された式(5−2)で示される化合物は、クロマトグラフィー、再結晶等によりさらに精製することもできるが、そのまま次の工程に用いることもできる。
式(2)で示される化合物は、例えば式(43)で示される化合物をシアン化物、アンモニウム塩及びアンモニアと反応させることにより製造することができる。
Figure 2006001891
〔式中、R1及びR2は前記と同じ意味を表す。〕
該反応は、通常溶媒の存在下で行われる。
反応に用いられる溶媒としては、例えばメタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール類、水及びこれらの混合物が挙げられる。
反応に用いられるシアン化合物としては、例えばシアン化ナトリウム、シアン化カリウムが挙げられる。
反応に用いられるアンモニウム塩としては、例えば塩化アンモニウム、臭化アンモニウムが挙げられる。
反応に用いられる試剤の量は、式(43)で示される化合物1モルに対して、シアン化物が通常1〜5モルの割合、アンモニウム塩が通常1〜5モルの割合、アンモニアが通常1モル〜過剰量の割合である。
該反応の反応温度は通常−10〜100℃の範囲であり、反応時間は通常1〜50時間の範囲である。
反応終了後は、反応混合物に必要に応じて有機溶媒を加えて抽出し、有機層を濃縮する等の操作を行うことにより、式(2)で示される化合物を単離することができるが、塩酸と混合することにより塩酸塩として単離することもできる。
本発明化合物が防除効力を有する植物病害としては、例えば藻菌類による植物病害が挙げられ、具体的には例えば次の病害が挙げられる。
蔬菜類、ダイコンのべと病(Peronospora brassicae)、ホウレンソウのべと病(Peronospora spinaciae)、タバコのべと病(Peronospora tabacina)、ウリ類のべと病(Pseudoperonospora cubensis)、ブドウのべと病(Plasmopara viticola)、リンゴ、イチゴ、ヤクヨウニンジンの疫病(Phytophthora cactorum)、トマト、キュウリの灰色疫病(Phytophthora capsici)、パイナップルの疫病(Phytophthora cinnamomi)、ジャガイモ、トマトの疫病(Phytophthora infestans)、タバコ、ソラマメ、ネギの疫病(Phytophthora nicotianae var. nicotianae)、ホウレンソウの立枯病(Pythium sp.)、キュウリ苗立枯病(Pythium aphanidermatum)、コムギ褐色雪腐病(Pythium sp.)、タバコ苗立枯病(Pythium debaryanum)、ダイズのPythium rot(Pythium aphanidermatum, P. debaryanum, P. irregulare, P. myriotylum, P. ultimum)。
本発明の植物病害防除剤は本発明化合物そのものであってもよいが、通常は固体担体、液体担体、界面活性剤その他の製剤用補助剤と混合し、乳剤、水和剤、顆粒水和剤、フロアブル剤、粉剤、粒剤等に製剤化されている。これらの製剤は本発明化合物を通常0.1〜90重量%含有する。
製剤化の際に用いられる固体担体としては、例えば、カオリンクレー、アッタパルジャイトクレー、ベントナイト、モンモリロナイト、酸性白土、パイロフィライト、タルク、珪藻土、方解石等の鉱物、トウモロコシ穂軸粉、クルミ殻粉等の天然有機物、尿素等の合成有機物、炭酸カルシウム、硫酸アンモニウム等の塩類、合成含水酸化珪素等の合成無機物等からなる微粉末あるいは粒状物等が挙げられ、液体担体としては、例えば、キシレン、アルキルベンゼン、メチルナフタレン等の芳香族炭化水素類、2−プロパノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、セロソルブ等のアルコール類、アセトン、シクロヘキサノン、イソホロン等のケトン類、ダイズ油、綿実油等の植物油、脂肪族炭化水素類、エステル類、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル及び水が挙げられる。
界面活性剤としては、例えば、アルキル硫酸エステル塩、アルキルアリールスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテルリン酸エステル塩、リグニンスルホン酸塩、ナフタレンスルホネートホルムアルデヒド重縮合物等の陰イオン界面活性剤及びポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレンアルキルポリオキシプロピレンブロックコポリマー、ソルビタン脂肪酸エステル等の非イオン界面活性剤が挙げられる。
その他の製剤用補助剤としては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等の水溶性高分子、アラビアガム、アルギン酸及びその塩、CMC(カルボキシメチルセルロ−ス)、ザンサンガム等の多糖類、アルミニウムマグネシウムシリケート、アルミナゾル等の無機物、防腐剤、着色剤、PAP(酸性リン酸イソプロピル)、BHT等の安定化剤が挙げられる。
本発明の植物病害防除剤は、例えば、植物体に茎葉処理することにより当該植物を植物病害から保護するために用いられ、また、土壌に処理することにより当該土壌に生育する植物を植物病害から保護するために用いられる。
本発明の植物病害防除剤を植物体に茎葉処理することにより用いる場合又は土壌に処理することにより用いる場合、その処理量は、防除対象植物である作物等の種類、防除対象病害の種類、防除対象病害の発生程度、製剤形態、処理時期、気象条件等によって変化させ得るが、10000m2あたり本発明化合物として通常1〜5000g、好ましくは5〜1000gである。
乳剤、水和剤、フロアブル剤等は通常を水で希釈して散布することにより処理する。この場合、本発明化合物の濃度は通常0.0001〜3重量%、好ましくは0.0005〜1重量%の範囲である。粉剤、粒剤等は通常希釈することなくそのまま処理する。
また、本発明の植物病害防除剤は種子消毒等の処理方法で用いることもできる。種子消毒の方法としては、例えば、本発明化合物の濃度が1〜1000ppmとなるように調製した本発明の植物病害防除剤に植物の種子を浸漬する方法、植物の種子に本発明化合物の濃度が1〜1000ppmの本発明の植物病害防除剤を噴霧もしくは塗沫する方法及び植物の種子に粉剤に製剤化された本発明の植物病害防除剤を粉衣する方法があげられる。
本発明の植物病害防除方法は、通常本発明の植物病害防除剤の有効量を、病害の発生が予測される植物若しくはその植物が生育する土壌に処理する、及び/又は病害の発生が確認された植物若しくはその植物が生育する土壌に処理することにより行われる。
本発明の植物病害防除剤は通常、農園芸用植物病害防除剤、即ち畑地、水田、果樹園、茶園、牧草地、芝生地等の植物病害を防除するための植物病害防除剤として用いられる。
本発明の植物病害防除剤剤は他の植物病害防除剤剤、殺虫剤、殺ダニ剤、殺線虫剤、除草剤、植物生長調節剤及び/又は肥料と共に用いることもできる。
かかる植物病害防除剤の有効成分としては、例えば、クロロタロニル、フルアジナム、ジクロフルアニド、ホセチル−Al、環状イミド誘導体(キャプタン、キャプタホール、フォルペット等)、ジチオカーバメート誘導体(マンネブ、マンコゼブ、チラム、ジラム、ジネブ、プロピネブ等)、無機もしくは有機の銅誘導体(塩基性硫酸銅、塩基性塩化銅、水酸化銅、オキシン銅等)、アシルアラニン誘導体(メタラキシル、フララキシル、オフレース、シプロフラン、ベナラキシル、オキサジキシル等)、ストロビルリン系化合物(クレソキシムメチル、アゾキシストロビン、トリフロキシストロビン、ピコキシストロビン、ピラクロストロビン、ジモキシストロビン等)、アニリノピリミジン誘導体(シプロジニル、ピリメタニル、メパニピリム等)、フェニルピロール誘導体(フェンピクロニル、フルジオキソニル等)、イミド誘導体(プロシミドン、イプロジオン、ビンクロゾリン等)、ベンズイミダゾール誘導体(カルベンダジム、ベノミル、チアベンダゾール、チオファネートメチル等)、アミン誘導体(フェンプロピモルフ、トリデモルフ、フェンプロピジン、スピロキサミン等)、アゾール誘導体(プロピコナゾール、トリアジメノール、プロクロラズ、ペンコナゾール、テブコナゾール、フルシラゾール、ジニコナゾール、ブロムコナゾール、エポキシコナゾール、ジフェノコナゾール、シプロコナゾール、メトコナゾール、トリフルミゾール、テトラコナゾール、マイクロブタニル、フェンブコナゾール、ヘキサコナゾール、フルキンコナゾール、トリティコナゾール、ビテルタノール、イマザリル、フルトリアホール等)、シモキサニル、ジメトモルフ、ファモキサドン、フェナミドン、イプロヴァリカルブ、ベンチアバリカルブ、シアゾファミド、ゾキサミド、エタボキサム、ボスカリド、フェンヘキサミド、キノキシフェン、プロキナジット、ジエトフェンカルブ、アシベンゾラールSメチル、グアザチン及びペンチオピラドが挙げられる。
本発明化合物の具体例としては、以下の化合物が挙げられる。
式(i)〜(xxiv)で示されるα−(N−アミド)置換ニトリル化合物;
Figure 2006001891


Figure 2006001891

式(i)〜(xxiv)において、Zは以下に示される群より選ばれるいずれかの基を表す。
フェニル基、4−フルオロフェニル基、3−フルオロフェニル基、4−クロロフェニル基、3−クロロフェニル基、4−ブロモフェニル基、3−ブロモフェニル基、4−ヨードフェニル基、3−ヨードフェニル基、4−メチルフェニル基、3−メチルフェニル基、4−エチルフェニル基、3−エチルフェニル基、4−プロピルフェニル基、3−プロピルフェニル基、4−イソプロピルフェニル基、4−ブチルフェニル基、3−ブチルフェニル基、4−(sec−ブチル)フェニル基、4−イソブチルフェニル基、4−(tert−ブチル)フェニル基、4−(フルオロメチル)フェニル基、4−(ジフルオロメチル)フェニル基、4−(トリフルオロメチル)フェニル基、4−メトキシフェニル基、4−エトキシフェニル基、3,4−ジフルオロフェニル基、4−クロロ−3−フルオロフェニル基、4−ブロモ−3−フルオロフェニル基、3−フルオロ−4−メチルフェニル基、4−エチル−3−フルオロフェニル基、3−フルオロ−4−(トリフルオロメチル)フェニル基、3−フルオロ−4−メトキシフェニル基、4−フルオロ−3−クロロフェニル基、3,4−ジクロロフェニル基、4−ブロモ−3−クロロフェニル基、3−クロロ−4−メチルフェニル基、3−クロロ−4−エチルフェニル基、3−クロロ−4−(トリフルオロメチル)フェニル基、3−クロロ−4−メトキシフェニル基、3−ブロモ−4−フルオロフェニル基、3−ブロモ−4−クロロフェニル基、3,4−ジブロモフェニル基、3−ブロモ−4−メチルフェニル基、3−ブロモ−4−エチルフェニル基、3−ブロモ−4−(トリフルオロメチル)フェニル基、3−ブロモ−4−メトキシフェニル基、4−フルオロ−3−メチルフェニル基、4−クロロ−3−メチルフェニル基、4−ブロモ−3−メチルフェニル基、3,4−ジメチルフェニル基、4−エチル−3−メチルフェニル基、3−メチル−4−(トリフルオロメチル)フェニル基、4−メトキシ−3−メチルフェニル基、3−エチル−4−フルオロメチル基、4−クロロ−3−エチルフェニル基、4−ブロモ−3−エチルフェニル基、3−エチル−4−メチルフェニル基、3,4−ジエチルフェニル基、3−エチル−4−(トリフルオロメチル)フェニル基、3−エチル−4−メトキシフェニル基、インダン−5−イル基、5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2−イル基、6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ベンゾシクロヘプテン−2−イル基及び2−ナフチル基。
以下、本発明を製造例、製剤例及び試験例等によりさらに詳しく説明するが、本発明は、これらの例のみに限定されるものではない。
まず、本発明化合物の製造例を示す。
製造例1
2−アミノ−2−(4−クロロフェニル)アセトニトリル塩酸塩0.27g、3−{3−メトキシ−4−(2−プロピニルチオ)フェニル}プロピオン酸0.3g、WSC0.28g、ピリジン1ml及びN,N−ジメチルホルムアルデヒド6mlを室温で4時間混合した。その後、反応混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を5%塩酸で3回、水及び飽和食塩水で順次洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下濃縮した。残渣をヘキサンで洗浄して、N−{1−(4−クロロフェニル)−1−シアノメチル}−3−{3−メトキシ−4−(2−プロピニルチオ)フェニル}プロピオンアミド(以下、本発明化合物1と記す。)0.28gを得た。
本発明化合物1
Figure 2006001891
1H-NMR (CDCl3, TMS) δ (ppm): 7.37 (2H, d, J=8.8 Hz) , 7.33 (1H, d, J=8.0 Hz), 7.23 (2H, d, J=8.8 Hz) , 6.76 (1H, dd, J=8.0 Hz, 1.8 Hz), 6.69 (1H, d, J=1.2 Hz), 6.08 (1H, d, J=8.0 Hz), 5.89 (1H, br.d), 3.85 (3H, s), 3.59 (2H, d, J=2.8 Hz), 2.99 (2H, t, J=7.2 Hz), 2.51-2.62 (2H, m), 2.17 (1H, t, J=2.8 Hz)
次に中間体の製造につき参考例として記す。
参考例1
バニリン31g、塩化N,N−ジメチルチオカルバミン酸25g、ジメチルアミノピリジン0.5g及びジオキサン300mlを混合し、還流下で10時間撹拌した。その後、反応混合物を室温付近まで放冷し、減圧下濃縮してから水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を5%塩酸、水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液及び飽和食塩水で順次洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下濃縮した。残渣をエタノールから再結晶して、N,N−ジメチルチオカルバミン酸 O−(4−ホルミル−2−メトキシフェニル)エステル36gを得た。
N,N−ジメチルチオカルバミン酸 O−(4−ホルミル−2−メトキシフェニル)エステル
Figure 2006001891
1H-NMR (CDCl3, TMS) δ (ppm): 9.96 (1H, s), 7.49-7.51 (2H, m), 7.22 (1H, d, J=8.3 Hz), 3.90 (3H, s), 3.46 (3H, s), 3.37 (3H, s)
参考例2
N,N−ジメチルチオカルバミン酸 O−(4−ホルミル−2−メトキシフェニル)エステル36g及びテトラグライム100mlを混合し、230〜240℃で1時間攪拌した。その後、反応混合物を室温付近まで放冷し、ヘキサンを加えてから濾過し、濾物をヘキサンで洗浄して、N,N−ジメチルチオカルバミン酸 S−(4−ホルミル−2−メトキシフェニル)エステル29gを得た。
N,N−ジメチルチオカルバミン酸 S−(4−ホルミル−2−メトキシフェニル)エステル
Figure 2006001891
1H-NMR (CDCl3, TMS) δ (ppm): 9.99 (1H, s), 7.69 (1H, d, J=7.5 Hz), 7.44-7.47 (2H, m), 3.95 (3H, s), 3.14 (3H, br.s), 3.03 (3H, br.s)
参考例3
テトラヒドロフラン200mlに55%水素化ナトリウム2.0gを混合し、該混合液に氷冷下でジエチルホスホノ酢酸エチルエステル10gを混合し、15分間撹拌した。得られた混合物に、N,N−ジメチルチオカルバミン酸 S−(4−ホルミル−2−メトキシフェニル)エステル10gとテトラヒドロフラン30mlとの混合物を徐々に加え、室温で2時間攪拌した。その後、反応混合物に飽和塩化アンモニウム水溶液を加えて減圧下濃縮し、水を加えて酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和炭酸ナトリウム水溶液、飽和食塩水で順次洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下濃縮した。得られた残渣をヘキサンで洗浄し、3−(4−N,N−ジメチルカルバモイルチオ−3−メトキシフェニル)アクリル酸エチルエステル8.2gを得た。
3−(4−N,N−ジメチルカルバモイルチオ−3−メトキシフェニル)アクリル酸エチルエステル
Figure 2006001891
1H-NMR (CDCl3, TMS) δ (ppm): 7.66 (2H, d, J=15 Hz), 7.48 (1H, d, J=7.9 Hz), 7.14 (1H, dd, J=7.9 Hz, 1.6 Hz), 7.06 (1H, d, J=1.6 Hz), 6.45 (1H, d, J=16 Hz), 4.27 (2H, q, J=7.1 Hz), 3.90 (3H, s), 3.13 (3H, br.s), 3.02 (3H, br.s), 1.35 (3H, t, J=7.1 Hz)
参考例4
3−(4−N,N−ジメチルカルバモイルチオ−3−メトキシフェニル)アクリル酸エチルエステル8.0g、エタノール20ml及び塩化ニッケル(II)0.17gを混合し、氷冷下で水素化ホウ素ナトリウム1.5gを混合し、室温で4時間攪拌した。その後、反応混合物に飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、減圧下濃縮し、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水及び飽和食塩水で洗浄し、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し減圧下濃縮した。得られた残渣に再度、前記と同様の操作を行い、3−(3−メトキシ−4−N,N−ジメチルカルバモイルチオ)プロピオン酸エチルエステルの粗生成物6.6gを得た。
3−(3−メトキシ−4−N,N−ジメチルカルバモイルチオ)プロピオン酸エチルエステル
Figure 2006001891
1H-NMR (CDCl3, TMS) δ (ppm): 7.36 (1H, d, J=7.2 Hz), 6.75-6.83 (2H, m), 4.14 (2H, q, J=7.2 Hz), 3.86 (3H, s), 3.11 (3H, br.s), 3.59 (2H, d, J=2.4 Hz), 3.00 (3H, br.s), 2.96 (2H, t, J=7.8 Hz), 2.63 (2H, t, J=7.8 Hz), 1.25 (3H, t, J=7.2 Hz)
参考例5
3−(3−メトキシ−4−N,N−ジメチルカルバモイルチオ)プロピオン酸エチルエステル6.5g、水酸化ナトリウム50g及び水50mlを混合し、還流下で4時間攪拌した。その後、反応混合物を室温まで放冷し、水を加え、pHが2以下となるまで36%塩酸を加え、酢酸エチルで2回抽出した。有機層を飽和食塩水で2回洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下濃縮した。得られた残渣をヘキサンで洗浄して、3−{4−メルカプト−3−メトキシフェニル}プロピオン酸3.8gを得た。
3−{4−メルカプト−3−メトキシフェニル}プロピオン酸
Figure 2006001891
1H-NMR (CDCl3, TMS) δ (ppm): 7.17 (1H, d, J=8.0 Hz), 6.70-6.72 (2H, m), 3.87 (3H, s), 3.74 (1H, s), 2.91 (2H, t, J=7.6 Hz), 2.66 (2H, t, J=7.6 Hz)
参考例6
3−{4−メルカプト−3−メトキシフェニル}プロピオン酸1.0g、炭酸カリウム2.0g及びアセトニトリル20mlを混合した。該混合液に臭化プロパルギル1.4mlとアセトニトリル10mlとの混合物を徐々に加え、室温で1時間撹拌した。その後、反応混合物に水を加え、pH=2以下となるまで5%塩酸を加え、酢酸エチルで2回抽出した。有機層を飽和食塩水で2回洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下濃縮した。得られた残渣をヘキサンで洗浄して、3−{3−メトキシ−4−(2−プロピニルチオ)フェニル}プロピオン酸0.95gを得た。
3−{3−メトキシ−4−(2−プロピニルチオ)フェニル}プロピオン酸
Figure 2006001891
1H-NMR (CDCl3, TMS) δ (ppm): 7.36 (1H, d, J=8.0 Hz), 6.80 (1H, dd, J=8.0 Hz, 1.6 Hz), 6.76 (1H, d, J=1.2 Hz), 3.88 (3H, s), 2.95 (2H, t, J=7.6 Hz), 2.69 (2H, t, J=7.6 Hz), 2.17 (1H, t, J=2.4 Hz)
参考例7
塩化アンモニウム22g、シアン化ナトリウム12g及び28%アンモニア水溶液300mlを混合し、0℃で4−クロロベンズアルデヒド30gを徐々に加えた。該混合物を0℃で1時間、室温で8時間撹拌した後、水を加え、クロロホルムで抽出した。有機層を水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下濃縮した。得られた残渣をアセトニトリル300mlに溶解し、該溶液に0℃で36%塩酸25mlを徐々に混合した。該混合液を濾過し、得られた固体をアセトニトリル、tert−ブチルメチルエーテル及びヘキサンで洗浄後、減圧下で乾燥して、2−アミノ−2−(4−クロロフェニル)アセトニトリル塩酸塩23gを得た。
2−アミノ−2−(4−クロロフェニル)アセトニトリル塩酸塩
Figure 2006001891
1H-NMR (CD3SOCD3, TMS) δ (ppm): 9.54 (3H, br.s), 7.68-7.72 (2H, m), 7.61-7.64 (2H, m), 5.98 (1H, s)
次に製剤例を示す。部は重量部を表す。
製剤例1
本発明化合物1の50部、リグニンスルホン酸カルシウム3部、ラウリル硫酸マグネシウム2部及び合成含水酸化珪素45部をよく粉砕混合することにより、本発明化合物1の水和剤を得る。
製剤例2
本発明化合物1の20部とソルビタントリオレエ−ト1.5部とを、ポリビニルアルコ−ル2部を含む水溶液28.5部と混合し、湿式粉砕法で微粉砕した後、この中に、キサンタンガム0.05部及びアルミニウムマグネシウムシリケ−ト0.1部を含む水溶液40部を加え、さらにプロピレングリコ−ル10部を加えて攪拌混合し本発明化合物1のフロアブル製剤を得る。
製剤例3
本発明化合物1の2部、カオリンクレー88部及びタルク10部をよく粉砕混合することにより、本発明化合物1の粉剤を得る。
製剤例4
本発明化合物1の5部、ポリオキシエチレンスチリルフェニルエ−テル14部、ドデシルベンゼンスルホン酸カルシウム6部及びキシレン75部をよく混合することにより、本発明化合物1の乳剤を得る。
製剤例5
本発明化合物1の2部、合成含水酸化珪素1部、リグニンスルホン酸カルシウム2部、ベントナイト30部及びカオリンクレ−65部をよく粉砕混合した後、水を加えてよく練り合せ、造粒乾燥することにより、本発明化合物1の粒剤を得る。
製剤例6
本発明化合物1の10部、ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェートアンモニウム塩50部を含むホワイトカーボン35部及び水55部を混合し、湿式粉砕法で微粉砕することにより、本発明化合物1の製剤を得る。
次に、本発明化合物が植物病害の防除に有用であることを試験例で示す。
なお防除効果は、調査時の供試植物上の病斑の面積を目視観察し、無処理区の病斑の面積と本発明化合物処理区の病斑の面積を比較することにより評価した。
試験例1
プラスチックポットに砂壌土を詰め、トマト(品種:ポンテローザ)を播種し、温室内で20日間生育させた。本発明化合物1を製剤例6に準じて製剤とした後、水で所定濃度(500ppm)に希釈し、希釈液をトマト葉面に充分付着するように茎葉散布した。散布後、葉面上の該希釈液が乾く程度に風乾し、トマト疫病の遊走子嚢懸濁液(懸濁液1mlあたり約10000個の遊走子嚢を含有する)を噴霧接種(植物1個体あたり約2mlの割合)した。接種後、23℃、相対湿度90%以上の条件下で1日間栽培し、ついで昼間24℃、夜間20℃の温室で4日間栽培した。その後、防除効果を調査した。
その結果、本発明化合物1を供試した植物上の病斑面積は、無処理区の病斑面積の10%以下であった。



Claims (3)

  1. 式(1)
    Figure 2006001891
    [式中、
    1は水素原子、ハロゲン原子、C1−C4アルキル基、C1−C4ハロアルキル基又はC1−C4アルコキシ基を表し、
    2は水素原子、ハロゲン原子、C1−C4アルキル基又はC1−C4ハロアルキル基を表すか、
    或いはR1とR2とが一緒になってC3−C5ポリメチレン又はCH=CH−CH=CHを表し、
    4はC1−C4アルキル基を表し、
    5はC3−C4アルキニルチオ基、C3−C4アルカンジエニルオキシ基又はNR67を表し、
    6は水素原子又はC1−C3アルキル基を表し、
    7はC3−C4アルキニル基を表す。]
    で示されるα−(N−アミド)置換ニトリル化合物。
  2. 請求項1記載のα−(N−アミド)置換ニトリル化合物を有効成分として含有することを特徴とする植物病害防除剤。
  3. 請求項1記載のα−(N−アミド)置換ニトリル化合物の有効量を植物又は土壌に処理することを特徴とする植物病害の防除方法。



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