JP2006001206A - 加熱処理用インジケータ付積層体およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 加熱により不可逆的に色変化するインジケータインキ組成物を形成する基材フィルム層と、ヒートシール層とを接着層を介して順次積層する積層体であり、かつ、前記のインジケータインキ組成物が、ビスマス化合物と硫黄化合物とを主成分とする顔料と、紫外線で硬化する低量体を含むバインダーとを含有する成分からなるフレキソ印刷用硬化型インキ組成物からなる加熱処理用インジケータ付積層体であることを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
これらの包装用材料は、通常、その最内層にヒ−トシ−ル層を設け、当該ヒ−トシ−ル層を対向させて重ね合わせ、その周辺端部をヒ−トシ−ルして、種々の形態の包装用容器を製造し、当該包装用容器の開口部から、例えば、飲食品、医薬品、化粧品、洗剤、化学品、雑貨品、その他等の種々の内容物を充填包装して、各種の包装製品を製造しているものである。
従来のボイル殺菌の処理に耐える包装袋としては、例えば、ボイル処理の熱処理に耐える延伸ポリエステルフィルム、延伸ナイロンフィルム、または、延伸ポリプロピレンフィルムを用い、必要によっては絵柄印刷層を設け、バリア層としてアルミニウム箔と、ヒートシール層に無延伸ポリプロピレンフィルム、無延伸直鎖状低密度ポリエチレンフィルムとをドライラミネーション用接着剤を介して、積層したフィルムを用いて包装材とし、当該積層フィルムの流れ方向を天地とする四方シールのパウチ、ないし底部を有するスダンディングパウチ等がよく知られている。
従来のボイル処理用パウチは、当該積層フィルムを用いて袋を作成し生麺等の内容物を充填後、開口部をヒートシールして、水分含有食品あるいは薬品などを包装して、例えば、温度、98℃〜100℃位、時間、20〜60分間位、好ましくは、30分間前後位でボイル殺菌処理した包装製品を製造することができるものである。
前記のレトルト処理用パウチは、一般に下ごしらえをした材料を充填した容器の口を、できるだけ空気を抜くようにしながら閉じ、口の部分を熱してプラスチックを溶かしながら密封して、密閉包装体を製造し、次いで、当該密閉包装体を、例えば、通常のレトルト釜を使用し、例えば、温度、110℃〜140℃位、好ましくは、120℃前後位、圧力、100kPa〜300kPa 位、好ましくは、180kPa前後位、時間、20〜60分間位、好ましくは、30分間前後位で加熱加圧処理する方法により、レトルト殺菌等の処理して、レトルト処理した包装製品を製造することができるものである。
従って、包装容器の外装から内容物が、ボイル処理、レトルト処理を実施しているかの有無を目視で確認することが困難である。
従来、ボイル殺菌、レトルト殺菌の処理条件の確認方法として、水蒸気の存在下、指定温度で一定時間加熱すると鮮明に変色し、加熱が指定の条件で行われたことを示すインキをグラビア印刷方式で包装容器の外表面に印刷する方法がある。
特許文献1に記載のレトルト包材シートの層構成は、樹脂製外層フィルム、基材フィルム、樹脂製内層フィルムの順で接着剤層により貼り合わせられており、該外層フィルムと該基材フィルムとの間の少なくとも一部に、殺菌温度での水蒸気変色性のインジケータインキ層が形成されている。
また、グラビア印刷の乾燥形態は、乾燥温度、100℃以上で溶剤を熱により蒸発させる形態であるため、グラビア印刷法により形成されたインジケータ用インキ組成物の印字部が、にじみ、場合によっては文字が崩れ、判読不能となったり、熱により変色してしまうという欠点があった。
(1)巻取り状態の基材シートを連続供給する工程、
(2)前記の基材シート上にフレキソ印刷法により加熱処理用インジケータインキ組成物を塗布する工程、
(3)前記の基材シート上の加熱処理用インジケータインキ組成物に紫外線照射を行い、前記の加熱処理用インジケータインキ組成物を硬化させる工程、
(4)前記の基材シートのインジケータインキ組成物の塗布面と、ヒートシール層とを、接着層を介してラミネートする工程、
(5)前記の加熱処理用インジケータ付積層体を連続巻取りする工程。
また、本発明によれば、本発明の加熱処理用インジケータ付積層体は、インジケータインキ組成物をグラビア印刷によらず、フレキソ印刷により印字部を形成することによって、100℃以上の加熱乾燥することなく、紫外線により硬化させることができるため、ボイル殺菌処理前やレトルト殺菌処理前に熱により変色することなく、ボイル殺菌処理後やレトルト殺菌処理後に印字部ににじみも少なく、ボイル殺菌、レトルト殺菌処理の有無の視認性に優れるという利点を有する。
また、本発明の加熱処理用インジケータ付積層体は、前記のインジケータインキ組成物の上に、メジウム層、および/または、白インキ層を重ね刷りにより形成することによって、外表面からインジケータインキ組成物の色変化をより視認しやすくすることができる。
また、本発明の加熱処理用インジケータ付積層体をフレキソ印刷機により連続して製造できるため、生産性にも優れるという利点を有する。
また、本発明の加熱処理用インジケータ付積層体は、基材フィルム層のラミネート面側にインジケータインキ組成物を形成するため、外表面の擦消等で印字部がダメージを受けることなく、耐熱性、耐溶剤性、衛生性にも優れるという利点を有する。
図1は、本発明の加熱処理インジケータ付積層体の層構成例を示す断面図であり、図2は、本発明の別態様の加熱処理インジケータ付積層体の層構成例を示す断面図であり、図3は、本発明のまた別態様の加熱処理インジケータ付積層体の層構成例を示す断面図であり、図4は、本発明の更にまた別態様の加熱処理インジケータ付積層体の層構成例を示す断面図であり、図5は、本発明の加熱処理インジケータ付積層体を用いた包装容器の一例を示す斜視図であり、図6は、図5に示す包装用容器を使用して内容物を充填包装した包装体の一例を示す斜視図であり、図7は、本発明の加熱処理インジケータ付積層体の製造方法を示す概念図である。
図7に示すように、巻取り状態の基材シート21を連続供給する工程と、前記の基材シート上にフレキソ印刷法により加熱処理用インジケータインキ組成物を塗布する工程Aと、前記の基材シート21上の加熱処理用インジケータインキ組成物に紫外線照射28を行う工程Bと、前記の加熱処理用インジケータインキ組成物を硬化させる工程と、前記の基材シートのインジケータインキ組成物の塗布面とヒートシール性シート22とを接着層3を介してラミネートする工程Cと、前記の加熱処理用インジケータ付積層シート23を連続巻取りする工程を順次行うことにより本発明に係る加熱処理用インジケータ付積層シート23を連続して製造することができる。
具体的には、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアラミド系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリカ−ボネ−ト系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアセタ−ル系樹脂、フッ素系樹脂、その他等の強靱な樹脂のフィルムないしシ−ト、その他等を使用することができる。
そして、上記の樹脂のフィルムないしシ−トとしては、未延伸フィルム、あるいは一軸方向または二軸方向に延伸した延伸フィルム等のいずれのものでも使用することができる。そのフィルムの厚さとしては、5〜100μm位、好ましくは、10〜50μm位が望ましい。
また、必要に応じてこれらの基材フィルムに例えばアルミニウム等の金属、または、例えばアルミニウム、酸化アルミナ、酸化珪素等の無機物を蒸着して使用してもよい。
また、本発明において、上記のような基材フィルムには、通常の印刷インキよりインキ密着性に劣る加熱処理インジケータインキ層を形成するため、インキ密着性に優れるポリエチレンテレフタレートフィルムにポリエステル系エラストマーをブレンドする樹脂フィルムを使用することが好ましいものである。
なお、必要に応じて、例えば、文字、図形、記号、絵柄、模様等の所望の印刷絵柄を通常の印刷インキで表刷り印刷あるいは裏刷り印刷等が施されていてもよい。
また、前記のビスマス化合物は、3,2−酸化ビスマス、塩基性硝酸ビスマス、水酸化ビスマス、塩基性酢酸ビスマス、塩基性炭酸ビスマスから選ばれる少なくとも1種類の化合物を使用することができる。
硫黄化合物としては、例えば、硫黄、硫化亜鉛、硫化アンチモン、硫化カルシウム等の無機硫黄化合物、およびチオカルボアニリド等の有機硫黄化合物、システイン等の硫黄を含むアミノ酸から選ばれる少なくとも1種類の化合物およびその誘導体を使用することができる。
また、本発明に係る加熱処理用インジケータインキ組成物4は、ビヒクルの酸化重合による固化、不溶化によって皮膜をつくるもので、乾性油ワニス・乾性アルキド等を含むインキである。
なお、添加剤としては、必要に応じて、重合禁止剤、可塑剤、充填剤、溶剤、その他助剤等を数重量%程度、添加することができる。
本発明において、加熱処理用インジケータインキ層4は、フレキソ方式による印刷方法により形成することが好ましく、従来のグラビア印刷と比べて、多量の残インキを廃棄する必要がないため、環境面、コスト面に優れるものであり、多品種少ロット生産の場合、生産性を向上させることができるという利点を有する。
このことによって、ボイル殺菌、レトルト殺菌等の処理をしたところ、加熱処理インジケータインキ層のインキ浮きが発生せず、インキの密着性に優れ、経時的に密着性を維持できるという利点を有するものである。
また、メジウム層、および、白インキ層5は、印刷インキとして使用することによって、下地の役目を果たすので、加熱処理インジケータインキ層4等と重ね刷りする場合、加熱処理インジケータインキ層4の印字部がクッキリと見える状態になり、意匠性が向上し、また、内容物の隠蔽効果もあるため好ましいものである。
かかるメジウム層は、バインダー、モノマー、光開始剤、増感剤、およびワックス等の添加剤を適宜に配合した紫外線硬化型フレキソインキにおいて、着色剤としての顔料を含まないものであり、白インキ層5の顔料としては、例えば、酸化チタン、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、これらの2種類以上からなる混合物などを使用することができる。
前記のメジウム層、および白インキ層の粘度としては、ザーンカップ#4で15秒〜20秒程度であることにより、泡の発生なく、均一なコーティング面が得られ、また、乾燥性に優れるため好ましい。
また、上記のメジウム層のいずれかにポリエチレンワックス等添加剤を添加したものをコーティングすることによりブロッキングを防止できるため、好ましい。
メジウム層、および白インキ層の形成方法としては、フィレキソ印刷法を用いることができ、必要に応じて、全面ベタ、あるいは部分コートにて、その形成することができる。
又印刷の塗布量も2〜4g/m2前後で安定して印刷でき、ラインスピード100m/分程度で加熱処理インジケータインキ層4を印刷した後、メジウム層、および/または、白インキ層5や、絵柄印刷層を連続印刷することが可能であり、溶剤使用の自然硬化型のインキでは連続印刷が不可能なため紫外線照射にて硬化させる紫外線(UV)硬化型のインキを用いることで連続した印刷が可能となる。
しかる後、前記の基材シートの印刷面とヒートシール層とを接着層を介してラミネートする工程を行うことにより、一工程で印刷から加熱処理用インジケータ付積層フィルムまで製造することができる。
具体的には、例えば、ポリエステル樹脂フィルム、ポリプロピレン樹脂フィルム、ポリアミド樹脂フィルム、塩化ビニリデン樹脂フィルム、ポリアセタール樹脂フィルム等を使用することができる。
そして、上記の樹脂のフィルムとしては、未延伸フィルム、あるいは一軸方向または二軸方向に延伸した延伸フィルム等のいずれのものでも使用することができる。
そのフィルムの厚さとしては、5〜100μm位、好ましくは、10〜50μm位が望ましい。また、上記の表面フィルム層13を設ける替わりに表面を樹脂でコーティングしてもよい。
具体的に、例えば、アクリル酸エステル系樹脂、ポリエステル系樹脂、セルロース系樹脂等を使用することができる。その厚さは、塗布液を2μm〜5μm程度であることが好ましい。
具体的には、例えば、低密度ポリエチレンフィルム、中密度ポリエチレンフィルム、高密度ポリエチレンフィルム、線状低密度ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂フィルム、アイオノマ−樹脂フィルム、エチレン−アクリル酸共重合体樹脂フィルム、エチレン−アクリル酸エチル共重合体樹脂フィルム、エチレン−メタクリル酸共重合体フィルム、エチレン−プロピレン共重合体フィルム、メチルペンテン樹脂フィルム、ポリブテン樹脂フィルム、酸変性ポリオレフィン系樹脂等の樹脂のフィルムを使用することができる。
そのフィルムの厚さとしては、10〜300μm、好ましくは、20〜100μm位が望ましい。
これらの材料は、一種ないしそれ以上を組み合わせて使用することができる。上記のフィルムないしシ−トの厚さとしては、任意であるが、通常、5〜300μm位、更には、10〜100μm位が望ましい。
具体的には、例えば、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマ−樹脂、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−アクリル酸またはメタクリル酸共重合体、メチルペンテンポリマ−、ポリブテン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリアクリルニトリル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS系樹脂)、アクリロニトリル−ブタジェン−スチレン共重合体(ABS系樹脂)、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカ−ボネ−ト系樹脂、ポリビニルアルコ−ル系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体のケン化物、フッ素系樹脂、ジエン系樹脂、ポリアセタ−ル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ニトロセルロ−ス、その他等の樹脂のフィルムないしシ−トから任意に選択して使用することができる。
その他、例えば、セロハン等のフィルム、合成紙等も使用することができる。
本発明において、上記のフィルムないしシ−トは、未延伸、一軸ないし二軸方向に延伸されたもの等のいずれのものでも使用することができる。
また、その厚さは、任意であるが、数μm〜300μm位の範囲から選択して使用することができる。
更に、本発明においては、フィルムないしシ−トとしては、押し出し成膜、インフレ−ション成膜、コ−ティング膜等のいずれの性状の膜でもよい。
而して、本発明においては、上記の積層を行う際に、必要ならば、例えば、コロナ処理、オゾン処理、フレ−ム処理、その他等の前処理をフィルムに施すことができる。
本発明にかかる接着層3としては、例えば、ポリエステル系、イソシアネ−ト系(ウレタン系)、ポリエチレンイミン系、ポリブタジエン系、有機チタン系等のアンカ−コ−ティング剤、あるいはポリウレタン系、ポリアクリル系、ポリエステル系、エポキシ系、ポリ酢酸ビニル系、セルロ−ス系、その他等のラミネ−ト用接着剤等のアンカ−コ−ト剤、接着剤等を使用することができる。
而して、その製袋方法としては、上記の積層体を、その内層の面を対向させて折り曲げるか、あるいはその二枚を重ね合わせ、更にその外周の周辺端部を、例えば、側面シ−ル型、二方シ−ル型、三方シ−ル型、四方シ−ル型、封筒貼りシ−ル型、合掌貼りシ−ル型(ピロ−シ−ル型)、ひだ付シ−ル型、平底シ−ル型、角底シ−ル型、その他等のヒ−トシ−ル形態によりヒ−トシ−ルして、本発明にかかる種々の形態の包装用容器を製造することができる。
その他、例えば、自立性包装袋(スタンディングパウチ)、スパウトパウチ等も製造することが可能であり、更に、本発明においては、上記の積層材を使用してチュ−ブ容器、インモールドラベル、カップ用蓋材等も製造することができる。
上記において、ヒ−トシ−ルの方法としては、例えば、バ−シ−ル、回転ロ−ルシ−ル、ベルトシ−ル、インパルスシ−ル、高周波シ−ル、超音波シ−ル等の公知の方法で行うことができる。
なお、本発明においては、上記のような包装用容器には、例えば、ワンピ−スタイプ、ツウ−ピ−スタイプ、その他等の注出口、あるいは開閉用ジッパ−等を任意に取り付けることができる。
上記の包装容器に充填し、密封するのに特に適する食品の例としては、カレー、シチューなどのレトルト食品、味噌等の調味料、こんにゃく、ちくわ、蒲鉾等の練り製品、ハム、ソーセージ等の燻製製品、ミートボール、ハンバーグ等の調理済み食品、水産加工製品、漬物、佃煮、嗜好品等の飲食品である。
まず、下記成分をプレミキサーで混合してペースト状にした後、3本ロールにて練肉し、フレキソ印刷インキを得た。
(インキ組成)
1)エポキシアクリレート樹脂(40重量部):品名「エピコート828」(シエル化学社製アクリス酸エステル樹脂)
2)メチル・ハイドロキノン(0.1重量部)
3)ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート(26重量部)
4)ベンゾフエノン(7重量部)
5)p−ジメチル・アミノ安息香酸イソアミルエステル(7重量部)
6)ビスマス化合物(8重量部)
7)硫黄化合物(10重量部)
しかる後、紫外線照射装置を使用して、100m/分の走行スピードで巻取りながら、160W/cmの紫外線を当該インキ塗布面側から照射して当該インキを硬化させた。
更に、上記で形成したメジウムをバインダーとする印刷面に、接着層として、ポリウレタン系接着剤を3.5g/m2 (乾燥状態)塗布し、15μmの2軸延伸ナイロン(以下「ON」という。)フィルムとをドライラミネーション法によりラミネートして積層フィルムを作製した。
次に、上記で得られた積層シートのONフィルム面に、ポリウレタン系接着剤を3.5g/m2(乾燥状態)塗布し、厚さ7μmのアルミニウム箔(以下「Al」という。)、厚さ70μmの未延伸ポリプロピレン(以下「CPP」という。)フィルムとを順次ドライラミネーション法で積層して、層構成が、PETフィルム12μm/インジケータインキ層/白色印刷層/接着剤層/ONフィルム15μm/接着剤層/Al7μm/接着剤層/CPPフィルム70μm(内面)の本発明にかかる実施例1の積層シートを作製し、連続で巻取り、その後、40℃×3日間、エージングした。
PETフィルム:商品名「P60」(東洋紡績(株)製)
ONフィルム:商品名「ボニールW15」(興人(株)製)
CPPフィルム:商品名「ZK93K」(東レ合成フィルム(株)製)
印刷インキ:商品名「NewLPスーパーR611白」/硬化剤:商品名「LPスーパー硬化剤」(東洋インキ製造(株)製)
接着剤:商品名「DIC LX703」、三井武田ケミカル(株)製
次いで、内容物として水100gを充填し、上端シール部をプレスシ−ルを行い、半製品を製造した。
次いで、蒸気式のレトルト釜で、温度120℃、圧力180kPa、30分間のレトルト条件でレトルト殺菌を実施し、本発明にかかるインジケータ付レトルト処理包装体を得た。
また、本発明にかかる包装製品は、前記のインジケータインキ組成物の下地として、メジウム層、および/または、白インキ層を形成することで、より当該印字部の色変化を外表面からより視認しやすくすることができた。
加熱処理用インジケータインキとしては、バインダーとして、ポリウレタン系樹脂とポリイソシアネートオリゴマー架橋剤とを併用する2液型インキ用樹脂(15重量%)を用い、顔料として、ビスマス化合物と硫化物(10重量%)を用い、溶剤としてイソプロピルアルコール、メチルエチルケトン、およびトルエンの混合溶媒(75重量%)からなり、温度、90℃程度、加熱時間20分程度で加熱すると、白色から褐色に変化する特性を有するものを使用した。
そして、厚み12μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレート(以下「PET」という。)フィルムの片面に加熱処理用インジケータインキ(膜厚、1μm)をグラビア印刷方式より、縦5mm×横10mmの範囲に所望の文字を印字した。
しかる後、連続して上記で形成したインジケータインキ層の上に、メジウムをバインダーとする白色の印刷インキを膜厚2μmのベタ刷りでグラビア印刷法にて、重ね刷り印刷した。
更に、上記で形成したメジウムをバインダーとする印刷面に、ポリウレタン系接着剤を3.5g/m2(乾燥状態)塗布し、15μmの2軸延伸ナイロン(以下「ON」という。)フィルムとをドライラミネーション法によりラミネートして積層フィルムを作製した。
次に、上記で得られた積層フィルムのONフィルム面に、ポリウレタン系接着剤を3.5g/m2(乾燥状態)塗布し、厚さ7μmのアルミニウム箔(以下「Al」という。)、厚さ70μmの未延伸ポリプロピレン(以下「CPP」という。)フィルムとを順次ドライラミネーション法で積層して、層構成がPETフィルム12μm/インジケータインキ層/白色印刷層/接着剤層/ONフィルム15μm/接着剤層/Al7μm/接着剤層/CPPフィルム70μm(内面)の比較例1の積層体を作製し、40℃×3日間、エージングした。
PETフィルム:商品名「T4102」(東洋紡績(株)製)
ONフィルム:商品名「ボニールW15」(興人(株)製)
CPPフィルム:商品名「ZK93K」(東レ合成フィルム(株)製)
加熱処理用インジケータインキ:商品名「RGインキ」:日油技研工業(株)/硬化剤:商品名「LPスーパー硬化剤」(東洋インキ製造(株)製)
混合溶媒:商品名「SL−302」(東洋インキ製造(株)製)
印刷インキ:商品名「NewLPスーパーR611白」/硬化剤:商品名「LPスーパー硬化剤」(東洋インキ製造(株)製)
接着剤:商品名「DIC LX703」:三井武田ケミカル(株)製
次いで、内容物として水100gを充填し、上端シール部をプレスシ−ルを行い、半製品を製造した。
次いで、蒸気式のレトルト釜で、温度120℃、圧力180kPa、30分間のレトルト条件でレトルト殺菌を実施し、本発明にかかるレトルト処理包装体を得た。
実施例1、比較例1の加熱処理用インジケータ付積層シートの印刷後のインキパン内に残った加熱処理用インジケータインキ量を測定した。なお、結果を表1に示す。
実施例1、比較例1の加熱処理用インジケータ付包装袋の印刷部について、レトルト殺菌処理後に基材フィルムへのインキの滲みについて目視により評価した。なお、結果を表1に示す。
このことにより、本発明に係る加熱処理用インジケータ付積層シートの製造方法によれば、加熱処理用インジケータインキ組成物の使用残インキの排気量が少なくて済むのに対し、比較例1では、使用残インキの廃棄量が多く必要であった。
また、実施例1のフレキソ印刷による紫外線硬化型の加熱処理用インジケータインキ組成物の形成部は、インキの色相に変色がないのに対して、比較例1のグラビア印刷によるインジケータインキ組成物の形成部のインキの色相が、熱により黄色味を帯びて変色しており好ましくなかった。
また、実施例1のフレキソ印刷による加熱処理用インジケータインキ組成物の形成部は、レトルト殺菌処理後にインキの基材フィルムへの滲みがないのに対して、比較例1のインジケータインキ組成物の形成部の滲みがあり、文字が崩れてしまい、好ましくなかった。
このことにより、実施例1の加熱処理用インジケータ付積層シートは、ボイル殺菌、レトルト殺菌処理後にインジケータインキ組成物形成部の有無の視認性に優れるものであった。
2 ヒートシール層
3 接着層
4 加熱処理インジケータインキ層
5 メジウム層、および/または、白インキ層
6 中間層
7 開口部
8 サイドシール部
9 底シール部
10 加熱処理インジケータ付積層体
11 上端シール部
12 内容物
13 表面フィルム層
14 加熱処理インジケータインキの印刷領域(印字部)
20 加熱処理インジケータ付包装袋
21 基材シート
22 ヒートシール性シート
23 加熱処理インジケータ付積層シート
24 第1給紙
25 第2給紙
26 巻取り部
27 フレキソ輪転印刷機
28 紫外線
30 加熱処理インジケータ付包装体
A インキ塗布部
B エネルギー線照射部
C ラミネート部
Claims (3)
- 加熱により不可逆的に色変化するインジケータインキ組成物をラミネート面側の少なくとも一部に形成する基材フィルム層と、ヒートシール層とを接着層を介して順次積層する積層体であって、
かつ、前記のインジケータインキ組成物が、ビスマス化合物と硫黄化合物とを主成分とする顔料と、紫外線で硬化する低量体を含むバインダーとを含有する成分からなるフレキソ印刷用硬化型インキ組成物であることを特徴とする加熱処理用インジケータ付積層体。 - 前記のインジケータインキ組成物の上に、メジウム層、および/または、白インキ層を重ね刷りにより形成することを特徴とする請求項1記載の加熱処理用インジケータ付積層体。
- 少なくとも、下記工程(1)〜(5)の工程を順次行い、かつ(1)〜(3)の工程をフレキソ印刷機による一工程で行うことを特徴とする請求項1〜2記載の加熱処理用インジケータ付積層体の製造方法。
(1)巻取り状態の基材シートを連続供給する工程、
(2)前記の基材シート上にフレキソ印刷法により加熱処理用インジケータインキ組成物を塗布する工程、
(3)前記の基材シート上の加熱処理用インジケータインキ組成物に紫外線照射を行い、前記の加熱処理用インジケータインキ組成物を硬化させる工程、
(4)前記の基材シートの加熱処理用インジケータインキ組成物の塗布面と、ヒートシール層とを、接着層を介してラミネートする工程、
(5)前記の加熱処理用インジケータ付積層体を連続巻取りする工程。
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