JP2006000872A - 異種金属の並列金属板およびその製造方法 - Google Patents

異種金属の並列金属板およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】溶接が困難な異種金属にも適用することができ、それら異種金属間の接合界面に溶接欠陥や合金層がなく、しかも溶接線のない、接合強度や靭性や加工性にも優れた並列金属板を提供する。
【解決手段】本発明の異種金属の並列金属板Pは、2種以上の異なる金属薄板を各々1枚又は2枚以上の多層に重ねて、幅方向に交互に並べて充填した組立スラブを圧延して金属的に接合してなり、隣り合う金属層A・B間に溶接線がない金属板で構成されてなる。
【選択図】図1

Description

複数の異種金属を組み合わせて製造した金属板の中で、特に、異なる種類の金属薄板を幅方向に並列接合した異種金属の並列金属板およびその製造方法に関する。
従来、複数の異種金属を組み合わせて製造した金属板の中に、たとえば図6(a)に示すように板厚方向に異なる金属板1・2を重ね合わせたり、同図(b)に示すようにある金属1に別の金属2を部分的に埋め込んだりしてクラッドした、所謂クラッド材がある。これらクラッド材は、主に冷間圧延や拡散接合、或いはろう付けによって製造されている。
ところで、従来、斯かるクラッド材以外にも、同様に複数の異種金属を組み合わせて製造される金属板がある。その金属板は、たとえば図7(a)に示すように、異なる種類の金属1・2を幅方向に交互に並べて製造し、隣り合う素材が異なり、板厚方向には同一素材からなる、所謂並列金属板と云われるものである。この種の並列金属板の中には、図7(b)に示すように、上下両面を金属板3の蓋で覆ったものもある。しかし、斯かる並列金属板は、いずれにせよ上記した従来のクラッド材のように、冷間圧延や拡散接合によっては技術的に製造することが難しく、特に薄板を製作するには、溶接による方法以外は技術的に困難であった。従来、そのように溶接によって並列金属板を製造する場合は、例えば特開2001−229741号公報に開示されているとおり、異なる金属を真空内で電子ビーム溶接し、その後、冷間圧延するプロセスを経て並列金属板を製造している。
特開2001−229741号公報
ところが、上述した従来の溶接による並列金属板の製造方法は、前提として、異種金属間での溶接が可能であることが必要であり、故に、異種金属間で融点に大きな差のある場合には、そもそも溶接による接合自体が困難であり、そのために並列金属板の製造方法として使用することができないという問題がある。また、仮に、溶接による接合が可能な場合であっても、接合界面に溶接の際に合金層が形成され、アンダーカットやブローホールなどの溶接欠陥を含むことがあり、しかも、これら溶接欠陥などに起因して接合力不足を生じることがあるという問題がある。さらに、溶接によって異種金属をつなぎ合わせるため、その溶接の際に脆い合金層が形成され、それが原因で曲げ加工が難しいという問題がある。加えて、溶接による接合の場合は、幅の狭い金属条を幅方向に並べて多数条つなぎ合わせることが技術的に困難である。しかも、溶接部の表面を平滑にするには、その後に圧延が必要であるが、溶接部が脆いために十分には平滑化ができないという、数々の課題があった。
そこで、本発明の目的は、上述した従来の課題を解決し、溶接が困難な異種金属にも適用することができ、それら異種金属間の接合界面に溶接欠陥や合金層がなく、しかも溶接線のない、接合強度や靭性や加工性にも優れた並列金属板を提供することにある。
そのため、本発明者らは、鋭意研究実験を重ねた結果、例えば、30mm×150mm×170mmの鉄板に30mm×70mm×140mmの大きさの穴を繰り抜いて枠体をつくり、その枠体内に、2種類の金属薄板を幅方向に交互に並べて充填し、その金属充填体を保持するために上下に蓋板を取り付けて組立スラブを形成し、枠体の側面に取り付けたパイプを通して内部を真空引きして組立スラブを熱間又は冷間で圧延すると、隣り合う2種類の金属の界面状態が、図1(b)や図4に示すように一方の金属が他方の金属側にふくらみ、凹凸の嵌め合い状態で互いの原子が混じり合って金属的に接合することを見出した。即ち、斯かる現象を利用することにより、上述した従来の課題を解決することできることが判り、本発明を完成するに至った。
そこで、請求項1に記載の発明による異種金属の並列金属板は、2種以上の異なる金属薄板を各々1枚又は2枚以上の多層に重ねて、幅方向に交互に並べて充填した組立スラブを圧延して金属的に接合してなる並列金属板であって、隣り合う異種金属層間に溶接線がないことを特徴にしている。
請求項2に記載の発明による異種金属の並列金属板は、請求項1に記載の並列金属板において、その上下両面の双方又は一方を、1種の金属層又は2種以上の多層金属層からなる蓋板で覆ってなることを特徴としている。
請求項3に記載の発明による異種金属の並列金属板は、請求項1又は2に記載の異種金属の並列金属板において、前記金属薄板が、鉄又は鉄合金、ニッケル又はニッケル合金、銅又は銅合金、アルミニウム又はアルミニウム合金、チタン又はチタン合金の群から選ばれる2種以上の異なる金属からなることを特徴としている。
請求項4に記載の発明による異種金属の並列金属板製造方法は、金属製の枠体内に、2種以上の異なる金属薄板が幅方向に交互に並んだ状態になるように、各列の金属薄板を1枚又は2枚以上の多層に重ねて充填し、その金属充填体の上下両面に金属製の蓋板を被せ、前記枠体に固着して組立スラブを形成し、次いで、その組立スラブを熱間圧延し、しかる後、前記蓋板を除去してなることを特徴としている。
請求項5に記載の発明による異種金属の並列金属板製造方法は、金属製の枠体内に、2種以上の異なる金属薄板が幅方向に交互に並んだ状態になるように、各列の金属薄板を1枚又は2枚以上の多層に重ねて充填し、その金属充填体の上下両面に金属製の蓋板を被せ、前記枠体に固着して組立スラブを形成し、次いで、その組立スラブを熱間圧延してなることを特徴としている。
請求項6に記載の発明による異種金属の並列金属板製造方法は、請求項4又は5に記載の並列金属板の製造方法において、得られた前記並列金属板を更に冷間圧延してなることを特徴としている。
請求項7に記載の発明による異種金属の並列金属板製造方法は、金属製の枠体内に、2種以上の異なる金属薄板が幅方向に交互に並んだ状態になるように、各列の金属薄板を1枚又は2枚以上の多層に重ねて充填し、その金属充填体の上下両面に金属製の蓋板を被せ、前記枠体に固着して組立スラブを形成し、次いで、その組立スラブを冷間圧延し、しかる後、前記蓋板を除去してなることを特徴としている。
請求項8に記載の発明による異種金属の並列金属板製造方法は、金属製の枠体内に、2種以上の異なる金属薄板が幅方向に交互に並んだ状態になるように、各列の金属薄板を1枚又は2枚以上の多層に重ねて充填し、その金属充填体の上下両面に金属製の蓋板を被せ、前記枠体に固着して組立スラブを形成し、次いで、その組立スラブを冷間圧延してなることを特徴としている。
請求項9に記載の発明による並列金属板製造方法は、請求項4乃至8に記載の異種金属の並列金属板製造方法において、前記金属薄板が、鉄又は鉄合金、ニッケル又はニッケル合金、銅又は銅合金、アルミニウム又はアルミニウム合金、チタン又はチタン合金の群から選ばれる2種以上の異なる金属からなることを特徴としている。
本発明によれば、(1)慣用の熱間圧延および冷間圧延設備があれば並列金属板の製造が可能であり、幅1m以上の幅広な並列金属板でも製作することができ、また、一度に幅設計の異なる複数の並列金属板の製作も可能である。さらには、(2)従来の溶接による並列金属板と異なり、圧延を利用するため、異種金属間に溶接による欠陥がなく、接合強度や靭性を高めることができる。しかも、異種金属間の接合界面が凹凸の嵌め合い形状となって互いの原子が混じり合った状態で金属的に一体結合されるため、その後の冷間圧延でも、さらに接合強度を高めることができる。加えて、(3)本発明の製造方法によってできる接合界面の合金層は、従来の溶接によってできる合金層よりも小さく、その分この箇所での電気伝導や熱伝導の低下を少なくすることができる。また、溶接が困難な幅の狭い多数の金属板からなる並列金属板の製作を可能にするなど、加工性を向上させることができる。そして、(4)異種金属間に溶接線が発生しないために、美的外観性が向上し、それだけ装飾の用途にも効果的に利用することができる。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1(a)は、本発明の一例である並列金属板を外観斜視図、同図(b)は、その並列金属板における異種金属間の接合界面形態を概略的に示す部分拡大断面図である。本発明の並列金属板Pは、2種以上の異なる金属薄板を各々1枚又は2枚以上の多層に重ねて、幅方向に交互に並べて充填した組立スラブを圧延して金属的に接合してなり、隣り合う金属層A・B間に溶接線がない金属板である。ここで「金属的に接合」とは、隣り合う金属層A・Bの接合界面で互いの原子が混じり合って原子的に一体結合していることを意味し、本発明の該接合界面は凹凸の嵌め合い状態になっている。従って、本発明による並列金属板Pは、溶接により異種金属を接合せず、圧延を利用して接合するため、隣り合う異種金属層A・B間に溶接による欠陥がなく、しかも、異種金属層A・B間の接合界面が凹凸の嵌め合い形状となって互いの原子が混じり合った状態で一体に結合されるので、接合強度が格段に高められる。さらに、この接合界面の合金層は、溶接によってできる合金層よりも小さく、その分この箇所での電気伝導や熱伝導の低下も抑えられる。
そこで、本発明による並列金属板において、図示例では、2種類の異なる金属薄板を用いたが、必要に応じて3種類以上の金属薄板を用い、それらを幅方向に並列させて構成することもできる。また、本発明による並列金属板では、作製した組立スラブは圧延して製造されるが、後述するとおり、この圧延は熱間圧延であっても、または加熱しないで冷間圧延を行って金属的に接合する構成であってもよい。
さらに、本発明による並列金属板は、その上下両面の双方又は一方を、1種の金属層又は2種以上の多層金属層からなる蓋板で覆った構成にすることもできる。
さて、本発明において、上述した異種金属の並列金属板Pは、たとえば図2を参照して以下に説明する製造工程を経て製作する。
まず、並列金属板Pの製造に際しては、Fe、Ni、Alなど金属製の厚板を用い、額縁のように中央部を大きくくり抜いた矩形な枠体10を、予め作製して準備をする。例えば帯状に並列金属板を製造する場合は、枠体10は、この並列金属板の形状に合わせて帯形の穴10aをあけて長尺な矩形枠状に作製する。そして、枠体10の一側部に貫通穴10bを開け、その貫通穴10bに真空引き用のパイプ11を付設する。
そこで、並列金属板Pを製造するときは、まず図2(1)に示すように、準備した枠体10内に、異なる種類の金属薄板、図示例では2種類の金属薄板a・b(例えばa:Ni板、b:Cu板)を幅方向に3列に並べて敷き詰める。そのとき、各列の金属薄板a・bは、それぞれ枠体10の枠厚と一致する積層高さになるように必要な枚数だけ重ねて充填し、枠体10内に3列に並んだ金属層A・Bからなる金属充填体Cを形成する。
それから、金属充填体Cの上下両面に、例えばNiなど同一素材からなる金属製の蓋板12を被せて枠体10に溶接し、図2(2)に示すような組立スラブSを作製する。そして、組立スラブSの内部を、パイプ11を通して真空引きして密閉する。なお、金属充填Cに被せる蓋板12は、1種の金属層又は2種以上の多層金属層で形成される。
次いで、組立スラブSを、並列金属板を構成する金属に応じて、300℃〜1300℃で30分以上加熱した後に、図2(3)に示すように熱間圧延する。このように組立スラブSを圧延すると、2種類の金属層A・Bが金属的に接合される。即ち、異なる金属層A・Bの接合界面の状態が、図1(b)に示したように一方の金属層Bが他方の金属A側にふくらみ、断面円弧な凹凸の嵌め合い形状となって互いの原子が混じり合った状態で金属的に結合される。
そして、熱間圧延後に、図2(4)に示すように圧延後の金属板の上下両面から、蓋板12を剥離して除去する。しかる後、同図(5)に示すように冷間圧延して並列金属板Pを製作する。なお、並列する金属の機械的性質が大きく異なる場合、冷間圧延では、軟質な金属領域が伸び、板にシワが生じ、冷延の継続が困難になることが考えられる。しかし、そうなる前に中間焼鈍を行うことによって、経続して冷間圧延することができるようになり、薄板の製作が可能になる。
ところで、上記図示例の製造方法では、枠体10内にNi板とCu板の2種類の金属薄板a・bを幅方向に3列に並べて充填する例を示したが、適宜に必要とする並列金属板に応じて、3種類以上の金属薄板を幅方向に2列又は4列以上並べて製造することもできる。そこで、以下の表1に、本発明の製造方法によって製作できる並列金属板の組み合わせ例を示す。
上記図示例の製造方法では、組立スラブSを加熱した後に熱間圧延して隣り合う金属層を金属的に接合したが、本発明では、加熱しないで冷間圧延することもできる。さらに、図示例では、そのような圧延後に上下両面の蓋板12を剥離して除去したが、蓋板を所定の特性を持つ材料とすることで、蓋板の除去はしなくてもよい。たとえばNiを蓋板の素材とすることで、蓋板をそのまま並列金属板のメッキの代替として利用することができる。その場合は、必要に応じて、並列金属板の上下両面双方の蓋板を共に除去しなくてもよいし、その一方のみを除去するようにしてもよい。
次に、以下に示す実施例1〜4に基づいて、本発明を更に具体的に説明するが、本発明は、これら実施例に限定されるものでないことは、勿論である。
t30mm×W110mm×L190mmのFe板に、30mm×70mm×140mmの大きさの矩形穴をくり抜いてFe枠(枠体)を作り、そのFe枠の内側に、幅方向にNi−Cu−Niの順となるように1.0mm×18mm×140mmのNi板30枚を2列および3.0mm×34mm×140mmのCu板10枚を1列に並べて詰め込み、これらを保持するための蓋板として上下面に1mm×80mm×150mmのFe板を被せ、その周囲を溶接してFe枠と一体化させた。その後、Fe枠の側面に取り付けたパイプを通して内部を真空引きしてから、パイプの先をつぶして密閉し組立スラブを作製した。この組立スラブを、1000℃×60分加熱して後、熱間圧延して4mmまで圧延した。その後、表面のFe蓋板を削り取り、冷間圧延して、t0.1mmのNi+Cu+Niの並列金属板を製作した。図3に製造した並列金属板の外観を示す。この並列金属板における板厚断面の接合界面部分は図7に示すとおりであり、溶接材のような溶接金属であるCuNiの合金相は存在しないので、曲げも可能である。
t30mm×W110mm×L190mmのFe板に、30mm×70mm×140mmの大きさの矩形穴をくり抜いてFe枠を作り、Fe枠の内側に、幅方向にFe−Cu−Fe−Cu−Feの順となるように1.0mm×20mm×140mmのFe板30枚を2列、1.0mm×16mm×140mmのFe板30枚を1列および1.0mm×14mm×140mmCu板30枚を2列に並べて詰め込み、これらを保持するための蓋板として上下面に1mm×80mm×150mmのNi板を被せ、その周囲を溶接してFe枠と一体化させた。その後、Fe枠の側面に取り付けたパイプを通して内部を真空引きしてから、そのパイプの先をつぶして密閉し組立スラブを作製した。この組立スラブを1000℃×60分加熱して後、熱間圧延して4mmまで圧延した。その後、冷間圧延およびスリットして、板の上下面をNiで覆われたt0.24mmのFe+Cu+Feの並列金属板を製作した。なお、FeとCuとでは、機械的性質が大きく異なるため、冷間圧延途中でCu部がシワになり、圧延継続が困難になるが、t0.5mm時に、800℃で中間焼鈍を行うことによって、t0.24mmまで冷間圧延を継続することができた。
t30mm×W300mm×L750mmのFe板に、30×270×600mmの大きさの矩形穴をくり抜き、図5に示す如く、更に該矩形穴13aの穴縁に補助枠材14をスポット溶接し、いま製作する並列金属板の形状に合わせてFe枠13を作る。そして、このFe枠13の内側に、Ni−Cu−Ni(幅の異なる2種類)、Ni−Cu−Ni−Cu−Ni、Ni−Cu−Ni−Cu−Ni−Cu−Niの合計4種類の並列金属板となるようにNi板15とCu板16を並べて詰め込み、これらを保持するための蓋板17として、上下面に1mm×290mm×700mmのNi板を被せ、その周囲を溶接してFe枠13と一体化させた。その後、Fe枠13の側面に取り付けたパイプを通して内部を真空引きしてから、パイプの先をつぶして密閉し組立スラブを作製した。この組立スラブを1000℃×60分加熱して後、熱間圧延で5mmまで圧延した。その後、表面のNi蓋板を削り取り、冷間圧延およびスリットして、異なる幅のNi+Cu+Ni並列金属板を製作した。なお、図5中符号18は、加工コスト上、Fe枠13の作製時に四隅に設けた空隙を、並列金属板の製作時に埋めてトラブルの発生を防止するためのスペーサである。
t30mm×W110mm×L190mmのAl板に、30mm×70mm×140mmの大きさの矩形穴をくり抜いてAl枠を作り、Al枠の内側に、幅方向にAl−Cu−Al−Cu−Alの順となるように1.0mm×11mm×140mmのAl板30枚を2列、1.0mm×16mm×140mmのAl板30枚を1列および30mm×16mm×140mmのCu板1枚を2列に並べて詰め込み、これらを保持するための蓋板として上下面に1mm×80mm×150mmのAl板を被せ、その周囲を溶接してAl枠と一体化させた。その後、Al枠の側面に取り付けたパイプを通して内部を真空引きし、パイプの先をつぶして密閉し組立スラブを作製した。この組立スラブを300℃×2時間加熱して後、熱間圧延で4mmまで圧延し、さらに蓋板を除去した後、1mmまで冷間圧延およびスリットして、Cu+Alの並列金属板を製作した。
本発明による方法で製造した並列金属板の各種特性値の測定結果の一例として、表2に並列金属板の引張試験結果を示し、表3に接合部を軸とした密着曲げ試験結果を示し、表4に導電率測定結果を示す。これらの測定結果から、従来の溶接による並列金属板と比較して、本発明による並列金属板の特性が極めて優れていることが判る。
本発明は、異なる性質の金属薄板を幅方向に並べることで、導電性を良好にした配線材料や、はんだ付けに優れた材料や、装飾材などに使用する用途がある。また、熱伝導性、軽量化、高強度化など、組み合わせる金属によって必要な各種特性をもった金属板にも広く利用することができる。
(a)本発明の一例である並列金属板を示す外観斜視図、(b)その並列金属板における異種金属間の接合界面形態を概略的に示す部分拡大断面図である。 本発明の製造方法による並列金属板の製造工程の一例を示す斜視図である。 本発明によるNi+Cu+Ni並列金属板の外観を示す写真である。 本発明によるNi+Cu+Ni並列金属板の接合界面形態を示す断面顕微鏡写真である。 本発明の他例であるNi+Cu+Ni並列金属板の組立スラブを示す概略平面図である。 (a)板厚方向に異なる金属板を重ねた従来のクラッド材を示す概略斜視図、(b)金属に別の金属を埋め込んだ従来のクラッド材を示す概略斜視図である。 (a)並列金属板を示す概略斜視図、(b)上下両面に金属製の蓋板を被せた並列金属板を示す概略斜視図である。
符号の説明
a・b 金属薄板
A・B 金属層
C 金属充填体
P 並列金属板
S 組立スラブ
10 枠体
12 蓋板

Claims (9)

  1. 2種以上の異なる金属薄板を各々1枚又は2枚以上の多層に重ねて、幅方向に交互に並べて充填した組立スラブを圧延して金属的に接合してなる並列金属板であって、隣り合う異種金属層間に溶接線がないことを特徴とする、異種金属の並列金属板。
  2. 請求項1に記載の並列金属板において、その上下両面の双方又は一方を、1種の金属層又は2種以上の多層金属層からなる蓋板で覆ってなる、異種金属の並列金属板。
  3. 前記金属薄板が、鉄又は鉄合金、ニッケル又はニッケル合金、銅又は銅合金、アルミニウム又はアルミニウム合金、チタン又はチタン合金の群から選ばれる2種以上の異なる金属からなる、請求項1又は2に記載の異種金属の並列金属板。
  4. 金属製の枠体内に、2種以上の異なる金属薄板が幅方向に交互に並んだ状態になるように、各列の金属薄板を1枚又は2枚以上の多層に重ねて充填し、その金属充填体の上下両面に金属製の蓋板を被せ、前記枠体に固着して組立スラブを形成し、次いで、その組立スラブを熱間圧延し、しかる後、前記蓋板を除去してなる、異種金属の並列金属板製造方法。
  5. 金属製の枠体内に、2種以上の異なる金属薄板が幅方向に交互に並んだ状態になるように、各列の金属薄板を1枚又は2枚以上の多層に重ねて充填し、その金属充填体の上下両面に金属製の蓋板を被せ、前記枠体に固着して組立スラブを形成し、次いで、その組立スラブを熱間圧延してなる、異種金属の並列金属板製造方法。
  6. 請求項4又は5に記載の並列金属板の製造方法において、得られた前記並列金属板を更に冷間圧延してなる、異種金属の並列金属板製造方法
  7. 金属製の枠体内に、2種以上の異なる金属薄板が幅方向に交互に並んだ状態になるように、各列の金属薄板を1枚又は2枚以上の多層に重ねて充填し、その金属充填体の上下両面に金属製の蓋板を被せ、前記枠体に固着して組立スラブを形成し、次いで、その組立スラブを冷間圧延し、しかる後、前記蓋板を除去してなる、異種金属の並列金属板製造方法。
  8. 金属製の枠体内に、2種以上の異なる金属薄板が幅方向に交互に並んだ状態になるように、各列の金属薄板を1枚又は2枚以上の多層に重ねて充填し、その金属充填体の上下両面に金属製の蓋板を被せ、前記枠体に固着して組立スラブを形成し、次いで、その組立スラブを冷間圧延してなる、異種金属の並列金属板製造方法。
  9. 前記金属薄板が、鉄又は鉄合金、ニッケル又はニッケル合金、銅又は銅合金、アルミニウム又はアルミニウム合金、チタン又はチタン合金の群から選ばれる2種以上の異なる金属からなる、請求項4乃至8に記載の異種金属の並列金属板製造方法。
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