JP2005539394A - ポリマーptcデバイスの製造方法 - Google Patents

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Abstract

過熱保護デバイスとして使用するための表面実装型ポリマーPTCデバイスの抵抗対温度プロファイルを調整する方法。この方法は:金属泊電極間に挟持された導電性ポリマー複合体を含む積層体を作製し;積層体を架橋し;複数の表面実装型デバイスを形成するように積層体をパターニングすることによって、架橋した積層体からパネルを形成し;少なくとも20Mradの電子ビーム照射を用いてパネルを照射し;および照射したパネルを分割することによって個々のデバイスを提供することを含む。

Description

発明の分野
本発明は過熱デバイスとして使用するためのポリマーPTCデバイスおよびそのようなデバイスの製造方法に関する。
発明へのイントロダクション
ポリマー正温度係数(PTC)回路保護デバイス(「PPTC」)は典型的には、押出成形した導電性ポリマーシートの両面に導電性金属箔を重ねて製造される。少なくとも2つの電気接続部を片面に有する複数の層状(または薄層)表面実装ポリマーPTCデバイスを製造する都合のよい方法が米国特許第5,852,397号(Chanら)、同第6,211,771号(Zhangら)および同第6,292,088号(Zhangら)ならびに国際公開第01/20619号(タイコエレクトロニクスコーポレイション、2001年3月22日公開)に開示されており、これらの開示内容は参照することにより本明細書に組み込まれる。これらの方法はプリント回路基板技術を用いてパネルを形成するように積層体をパターニングし、そしてその後、例えば鋸引、スナッピング(snapping:または折って割ること)または剪断加工などによりパネルから多くの個々のデバイスを分離する(即ち、単独化する)ことを含む。
回路保護デバイスにおいて、PTC導電性ポリマー複合体は、好ましくは放射線によって、架橋されていることが望ましい。架橋の効果はポリマーおよび架橋工程の間の条件に依存し、このことは米国特許第4,845,838号(Jacobsら)および同第4,857,880号(Auら)に述べられており、これらの開示内容は参照することにより本明細書に組み込まれる。例えば、PTC導電性ポリマーは高い照射線量(即ち少なくとも50Mrad)を用いて架橋でき、そしてこれにより得られる導電性ポリマーの抵抗対温度[R(T)]曲線は未照射のデバイスよりも低い温度で所定の抵抗値に達するように変化することが知られている。また、ポリマーPTC複合材料の架橋は、2つ以上の照射工程を用い、および照射工程間に材料をその融点より高い温度に曝す熱処理を含む材料の照射によって実施できることも知られている。高照射線量および複数の照射工程は、高電圧動作(即ち少なくとも72ボルト)下におけるポリマーPTCデバイスの性能を高めるために特に有用であることが判明している。72V未満で動作するように設計されたデバイスの場合、後続の処理(例えば積層体からのチップの打ち抜きまたは複数の表面実装デバイスに分割するためのパネルを形成するように積層体をパターニングすることなど)に先立って、積層体を典型的にはより低いレベル(例えば5〜15Mrad)で照射する。この照射は典型的には単一の工程として、間の熱処理なしに実施される。
ポリマーPTCデバイスは一般的に過電流保護デバイスとして使用され、また場合により過熱または熱的遮断保護デバイスとして使用される。典型的には、ポリマーPTCデバイスが過熱保護デバイスとして使用される場合、このデバイスと電気的に接触している機器が通常の動作状況下にある間、デバイスは通常、低抵抗状態にある。熱源によってPTCデバイスが熱くなると、その抵抗が増加する。機器、機器を取り巻く環境または機器内での局所的な環境の温度がフォールト(または異常もしくは故障)状態まで増加すると、PTCデバイスの抵抗は電力を低減するように回路の別の部分を機能させる契機を与える値にまで増加する。
ポリマーPTCデバイスのスイッチング温度Tは、ポリマー複合体のポリマー成分を変えることによって、例えばポリマーブレンドを作製することによって変化させ得ることが知られている。例えば米国特許第5,451,919号(Chuら)、同第5,582,770号(Chuら)、同第5,801,612号(Chandlerら)、同第6,362,721号(Chenら)および同第6,358,438号(Isozakiら)に開示される組成物を参照でき、これらの開示内容は参照することにより本明細書に組み込まれる。しかしながら一般的に、複合体のポリマー成分を変える場合、得られるデバイスの抵抗/温度プロファイル、抵抗率、およびスイッチング温度における抵抗が著しく変わり得る。加えて、複合体組成物を変える場合、ポリマーを変えたり、新たなポリマーブレンドを創作したりすると処理条件を変更または最適化しなければならないため、材料開発に多大な努力を要することとなる。異なる複合材料から作製される同類(またはファミリー)のデバイスを生産することは、混合、押出および積層の手順に際して材料を変更するために準備(またはセットアップ)時間が必要であり、およびより多くの出発材料および仕掛品のためにより多数の在庫品目が必要であるので、コストおよび搬送のリードタイムの増加を招くことになる。
発明の簡単な要旨
改良された過熱保護デバイスを提供するため、完成したパネルに(個別化の前に)、または完成した層状表面実装デバイス(例えば米国特許第5,852,397号または国際公開第01/20619号に記載されるようなもの)に追加の高照射線量(例えば20Mrad以上、好ましくは50〜100Mrad)を適用することをR(T)曲線を微調整するように利用できることはこれまで知られていなかった。この追加のビーム線量(または照射)は、所定温度(例えばそのスイッチング温度)における抵抗を増加させることによって性能を向上させることができ、あるいは導電性ポリマーの配合を変更することなくスイッチング温度またはそれより高い温度における抵抗を維持または増加させつつ、スイッチング温度を制御された方法で低下させることができる。例えば、スイッチング温度は本明細書に記載の方法を用いて3〜4℃の幅で低くすることができる。好ましくは積層体は、パネルを形成するようにパターニングする前に、従って、層状表面実装デバイスを形成する前に、(好ましくは照射を用いて)架橋させるが、このような積層体の架橋は用途によっては不要である。好ましくは追加のビーム線量の前に、ポリマー複合材料をその融点より高い温度に加熱することとなる熱処理を行う。本明細書に記載の方法は、多くの場合はPTC材料または構成を変えることなく、デバイスを様々な過熱保護に適用させるべく容易に設計し得るように、R(T)形状を所望の通りにオーダーメイド(または注文に応じて作製)することができる。例えば、同じバッチの完成した層状表面実装デバイスを本明細書に記載の方法に従って更に処理して、いくつかの異なる表面実装型過熱保護デバイスを製造することが可能である。
第1の要旨において、本発明は過熱保護デバイスとして使用するための表面実装型ポリマーPTCデバイスの抵抗対温度プロファイルを調整する方法であって:
(a)金属泊電極間に挟持された導電性ポリマー複合体を含む積層体(または層状体)を作製し、該ポリマー複合体は融点Tを有し;
(b)積層体を架橋し;
(c)複数の表面実装型デバイスを形成するように積層体をパターニングすることによって、架橋した積層体からパネルを形成し;
(d)少なくとも20Mradの電子ビーム照射を用いてパネルを照射し;および
(e)照射したパネルを分割することによって個々のデバイスを提供する
ことを含む方法を提供する。
第2の要旨において、本発明は過熱保護デバイスとして使用するためのポリマーPTCデバイスの抵抗対温度プロファイルを調整する方法であって:
(a)金属泊電極間に挟持された導電性ポリマー複合体を含む積層体(または層状体)を作製し、該ポリマー複合体は融点Tを有し;
(b)積層体を架橋し;
(c)架橋した積層体から個々のデバイスを形成し;および
(d)少なくとも20Mradの電子ビーム照射を用いて個々のデバイスを照射する
ことを含む方法を提供する。
発明の詳細な説明
本発明のデバイスは、正の温度係数(positive temperature coefficient:PTC)挙動を示す、即ち、比較的狭い温度範囲において温度に対し急峻な抵抗率増加を示すPTC導電性ポリマー組成物を含む少なくとも1つの層状ポリマー要素(または素子)または抵抗要素を含む。用語「PTC」は少なくとも2.5のR14値および/または少なくとも10のR100値を有する組成物またはデバイスを意味するものとして用い、組成物またはデバイスは少なくとも6のR30値を有すべきことが好ましい。ここで、R14とは14℃の範囲の最後と最初における抵抗率の比であり、R100とは100℃の範囲の最後と最初における抵抗率の比であり、R30とは30℃の範囲の最後と最初における抵抗率の比である。
それらに使用するための回路保護デバイスおよびPTC導電性ポリマー組成物は、例えば米国特許第4,237,441号(van Konynenburgら)、同第4,304,987号(van Konynenburg)、同第4,514,620号(Chengら)、同第4,534,889号(van Konynenburgら)、同第4,545,926号(Foutsら)、同第4,724,417号(Auら)、同第4,774,024号(Deepら)、同第4,935,156号(van Konynenburgら)、同第5,049,850号(Evansら)、同第5,378,407号(Chandlerら)、同第5,451,919号(Chuら)、同第5,582,770号(Chuら)、同第5,747,147号(Wartenbergら)、および同第5,801,612号(Chandlerら)、および同第6,358,438号(Isozakiら)に開示されている。これら特許の各開示内容は参照することにより本明細書に組み込まれる。
PTC導電性ポリマー組成物は示差走査熱量計の吸熱ピークにより測定されるところの融点Tを有する。ピークが2つ以上ある場合、Tは最も高い温度ピークの温度として定義される。
単純な過熱検出スキーム(または機構)としては、例えば図1に示すようにPTCデバイスを分圧器回路に使用することができ、図中、要素1および2は抵抗器であり、要素4はスイッチングトランジスタ(例えばMOSFET)であり、要素5は電源(例えばバッテリ)であり、および要素3はPTCデバイスである。例えば図1に示すように、PTCデバイスは一般的にこの保護スキームに関して直列要素ではないが、PTCデバイスが直列要素となっている別の回路もあり得る。過熱状況が存在しない低温状態では、PTCデバイスは低抵抗状態にあり、よってPTCデバイスを横切る電圧降下は小さい。PTCデバイスが熱くなると、抵抗が上昇してPTCにおける電圧降下が増加する(例えば図1に示す回路では、PTCの抵抗が抵抗器1の抵抗に近づくにつれて、PTC要素3を横切る電圧降下が顕著になる)。ある温度(例えばスイッチング温度)において、電圧降下が臨界値に達して、過熱状況下にあることを回路の制御部(例えば図1に示すようなトランジスタ4)に伝え、すると制御部は、回路または負荷を保護し、および損傷を回避するために電源を低減または遮断することができる。
スイッチング温度
スイッチング温度は、種々の用途に亘って幅広く適用可能であるように可変であるべきである。これはデバイスが所定の抵抗または抵抗範囲に達する温度として定義することができる。加えて、発熱部品に対するパーツ(または部品)の配置により、設計者は異なるスイッチング温度を有するデバイスを選択したいと要望することがある。例えば、PTCデバイスを発熱部品に直に接触させて配置する場合、設計者は110℃のスイッチング温度を選択したいと考えることがあるであろうが、PTCデバイスを発熱体に直に接触させずに単に近くに実装する場合、設計者は同じ回路を同じフォールトから保護するために100℃のより低いスイッチング温度を選択したいと考えるであろう。一般的に設計者はスイッチング温度を他のパラメータ(下記参照)と無関係に変えることを望む。これまで開発されてきたセラミックPTCデバイスはスイッチング温度に幅がある同類のデバイスを示し、これらではR(T)曲線はスイッチング温度についてお互いにシフトしているが、それ以外は形状上著しく変化していない。このことは、PPTCデバイスがポリマー組成物もしくは導電性フィラーまたは負荷を変えることによって図2に示すようにスイッチング温度を変化させたときに典型的に示すものと対照的である。図2に示す全てのデバイスは5mm×12mmのアキシャル・リード付きデバイスとして作製した。曲線1は、厚さ0.25mm(0.010インチ)のデバイスおよび約38体積%のカーボンブラック(コロンビアンケミカルズ(Columbian Chemicals)社から供給されているレイブン(Raven)(商標)430)を62体積%の高密度ポリエチレン(HDPE)(エクイスター(Equistar)社から供給されているペトロセン(Petrothene)(商標)LB832)中に含む配合物から得られたものであり;曲線2は、厚さ0.25mm(0.010インチ)のデバイスおよび約38体積%のレイブン(商標)430および62体積%のペトロセン(商標)LB832とエチレンブチルアクリレートコポリマー(EBA)(エクイスター社から供給されているエナセン(Enathene)(商標)70509)との45%/55%ブレンドを含む配合物から得られたものであり;曲線3は、厚さ0.25mm(0.010インチ)のデバイスおよび約40体積%のレイブン(商標)430を60体積%のペトロセン(商標)LB832中に含む配合物から得られたものであり;および曲線4は、厚さ0.125mm(0.005インチ)のデバイスおよび約38体積%のレイブン(商標)430および62体積%の10/90のHDPE/EBAブレンドを含む配合物から得られたものである。図2にR(T)特性を示す全てのデバイスは10Mrad照射を用いて架橋させた。
導電性複合体のポリマー成分を変える場合、またはポリマーブレンドを用いると、得られるデバイスの熱応答に関する他の多くの点が変わり得る(即ち、トリップした状態における抵抗が低下し得、ΔR/ΔTまたは抵抗/温度プロファイルの全体の形状が変わり得、低温での抵抗が変わり得、または複合体組成における変化に起因する抵抗率の差を相殺するためにデバイス寸法を変える必要があり得る)。これらのいずれによっても、単にデバイスのスイッチング温度を変えるという目的のために、設計者は回路を再設計しなければならなくなり、このようなことは望ましくない。ポリマーデバイスのR(T)曲線を微調整するためにビーム線量を使用することによって、他のパラメータに望ましくない変化をもたらすことなく、様々なスイッチング温度を有する同類のポリマーデバイスを提供することが可能である。例えば、多くのシリコンデバイスは温度が125℃を超えると適切に動作しなくなる。図2に示すように、高密度ポリエチレン(HDPE)から作製されるPPTCは125℃より高い(多くは130℃に近い)スイッチング温度を有し、よって、125℃以下の熱保護用途に対して最適化されない。本明細書に記載の方法を用いることによって、HDPEから作製されるデバイスのスイッチング温度を、スイッチング温度における抵抗を維持または増加させつつ低下させることが可能である。
所定のデバイスに対するスイッチング温度範囲
一般的に回路設計者は迷惑なフォールトを避けつつ、信頼性の高い熱保護を提供するためにスイッチング温度範囲を用途に対して可能な限り狭くしたいと望む。即ち、設計者は過熱保護デバイスが通常の動作条件下では決して高抵抗状態にならないが、フォールト状況下では常に高抵抗状態となることを望む。通常の動作条件の温度はフォールト条件の温度に極めて近い(例えば10度以内である)ことがある。このことは、R(T)特性についてのデバイス対デバイス間の再現性を高くし、またはR(T)曲線を対象範囲で(例えばスイッチング温度において)極めて急峻とすることによって実現可能である。
高温での抵抗
回路設計者は通常、スイッチング温度にてデバイスが達しなければならない最小の抵抗を指定する。分圧器回路を用いる多くの用途では、この抵抗はリーク電流を最小限に維持するために極めて高い(例えば50kオームより高く、場合によっては1Mオームより高い)ことが望ましい(例えば図1に示すような抵抗器1はリーク電流を最小源にするために50kオームであり得、または1Mオームより高くてよい)。このことはバッテリで駆動される用途に対して特に重要である。本明細書に記載の方法を用いることによって、高温での抵抗を上昇させることができる。
通常の動作条件下での抵抗
PTCデバイスを直列要素として用いないのであれば、通常動作状態における50〜1000オームの抵抗はあるいくつかの用途に対して十分に低いものであり得る。しかしながら、通常条件とフォールト条件との間の抵抗差を最小限にすることが望ましく、よって一般的に、通常動作状態での抵抗をできるだけ低く抑え、かつフォールト条件での抵抗をできるだけ高くすることが望ましい。PTCデバイスを直列要素として用いるのであれば、適正レベルの電流を連続的に流すために低抵抗が望ましいことは明らかである。追加の高ビーム線量を使用することは低温での抵抗を(例えば約2倍に)増加させるが、高温での抵抗はより急激に増加し得(例えば、低温での抵抗が2倍に増加するのに対して、高温での抵抗は一桁より大きい倍率で増加し得)、これにより、低温状態および高温状態の間での抵抗差がより大きなデバイスが得られる。
ヒステリシス(加熱および冷却間のRT特性の差)
ある用途では、フォールトの後、デバイスが冷えて、加熱の際のスイッチング温度と大きく異ならない温度にて低抵抗状態となることが望ましいことがある。このことは、通常動作条件とフォールト条件との間の温度差が小さい用途において最も重要であろう。200Mradの線量によってヒステリシスが小さくなることが示される(実施例14を参照のこと)。他の用途では、デバイスが冷えて、加熱の際のスイッチング温度より低い温度にて低抵抗状態となることが望ましい。このことは、回路が繰り返し可能である用途において最も重要であろう。
コスト
コストはできるだけ低く抑えなければならない。ビーム線量技術により、数千個のデバイスを一度に処理することができ、および同じ出発材料から様々なデバイスを製造することができ、よって、在庫品目に組み入れて備えておかなければならないプラック(plaque:シートまたは原板)の種類を少なくすることができる。パターニングまたは穴あけした後にパネルを処理することにより、ビーム照射の副生物であるガスを簡単に逃がすことができるので、真空工程なしに、極めて高いビーム線量を使用することができる。
本発明を以下の例により説明する。ここで例1、5、6および11は比較例である。
比較例1および実施例2〜4
約60体積%の高密度ポリエチレン(エクイスター社から入手可能なペトロセン(商標)LB832)を約40体積%のカーボンブラック(コロンビアンケミカルズ社から入手可能なレイブン(商標)430)とブレンドすることによって導電性ポリマー組成物を調製し、その後、連続プロセスでシートを押出成形し、そしてニッケル箔を重ねた(または積層した)。積層したシートを0.3×0.41m(12×16インチ)の個々の積層体に切断した。この積層体を処理に先立って10Mradまで照射した。各デバイスにつき1つの穴を設けるように、穴を規則正しく、個々の積層体の厚みに亘ってあけた。あけた穴を敏感な状態にし、その後、敏感にした表面に銅層を無電界めっきし、そして銅表面にはんだ層をめっきした。標準的なフォトレジストプロセスを用いて、個々の積層体の両面にパターンをエッチングした。まず、このパターニングした積層体を剪断機(シャー)または鋸(ソー)を用いてストリップに分断し、その後、ストリップを機械的なスナッピングによって個々のデバイスに分割した。作製したデバイスはおよそ3×2.5×0.5mm(0.12×0.10×0.020インチ)の寸法を有していた。比較例1では、後処理の照射(即ち「ポストビーム照射」)は行わなかった。実施例2〜4では、融点より高い温度にデバイスを曝す熱処理(150℃〜160℃の間で60分間および160℃〜170℃の間で40分間、その後、融点より低い温度で30分間に亘って冷却)の後、ポストビーム照射を行った。結果を表1に示す。スイッチング温度はデバイスが1Mオームに達する温度とした。ヒステリシスは、加熱および冷却サイクルの間における、デバイスが1Mオームに達する温度の差として測定した。PTCアノマリ(anomaly:または変則性)(これはオートサームハイト(autotherm height:ATH)とも言われる)は140℃および20℃で行った抵抗測定値を用いてlog[R(140℃)/R(20℃)]として計算する。
比較例5〜6および実施例7〜10
組成物はMg(OH)(キスマ(Kisuma)社から入手可能なキスマ5A)を含み、および作製したデバイスはおよそ4.6×3×0.25mm(0.18×0.12×0.010インチ)の寸法を有していたことを除いて、例1〜4と同様にしてデバイスを作製した。処理に先立って照射しなかった実施例10の場合を除き、積層体を処理に先立って7Mradまで照射した。比較例5および6では、ポストビーム照射は行わなかった。実施例7〜10では、実施例2〜4にて説明したのと同様にポストビーム照射を行った。結果を表2に示す。スイッチング温度はデバイスが10kオームに達する温度とした。比較例5および6ならびに実施例7〜10についてのR(T)曲線を図3に示し、図中、曲線番号は各例番号に対応する。
比較例11および実施例12
使用したポリマーをペトロセン(商標)LB832とエチレンブチルアクリレートコポリマー(EBA)(エクイスター社から供給されているエナセン(商標)70509)の45%/55%ブレンドとし、ならびに作製したデバイスはおよそ2.0×1.3×0.25mm(0.08×0.05×0.010インチ)の寸法を有し、および鋸引により個別化したことを除いて、例1〜4と同様にしてデバイスを作製した。結果を表3に示す。スイッチング温度はデバイスが10kオームに達する温度とした。
実施例13および14
積層体を処理に先立って10Mradまで照射し、ならびに作製したデバイスはおよそ2.0×1.3×0.5mm(0.08×0.05×0.020インチ)の寸法を有し、および鋸引により個別化したことを除いて、例2〜4と同様にしてデバイスを作製した。結果を表4に示す。スイッチング温度はデバイスが1Mオームに達する温度とした。ヒステリシスは、加熱および冷却サイクルの間における、デバイスが1Mオームに達する温度の差として測定した。
Figure 2005539394
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Figure 2005539394
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上述の装置アレンジメントおよびそれに関する方法は本発明の原理の適用の単なる例示に過ぎず、特許請求の範囲に規定するような本発明の概念および目的から逸脱することなく多くの他の態様および改変が成され得ることが理解されるであろう。
本発明を添付の図面により図示する。
図1は本発明の方法により作製されるデバイスを利用することのできる分圧器回路を示す。 図2はポリマー成分を変更することによってスイッチング温度が様々に変えられた一組のポリマーPTCデバイスについての抵抗対温度曲線を示す。 図3は本明細書に記載の方法を用いてR(T)曲線が様々に変えられた一組のポリマーPTCデバイスについての抵抗対温度曲線を示す。

Claims (12)

  1. 過熱保護デバイスとして使用するための表面実装型ポリマーPTCデバイスの抵抗対温度プロファイルを調整する方法であって:
    (a)金属泊電極間に挟持された導電性ポリマー複合体を含む積層体を作製し、該ポリマー複合体は融点Tを有し;
    (b)積層体を架橋し;
    (c)複数の表面実装型デバイスを形成するように積層体をパターニングすることによって、架橋した積層体からパネルを形成し;
    (d)少なくとも20Mradの電子ビーム照射を用いてパネルを照射し;および
    (e)照射したパネルを分割することによって個々のデバイスを提供する
    ことを含む方法。
  2. 積層体の架橋が照射を用いて実施される、請求項1に記載の方法。
  3. 少なくとも50Mradの電子ビーム照射を用いてパネルを照射する、請求項2に記載の方法。
  4. パネルの照射に先立って、導電性ポリマー複合体の融点を超える温度を含む熱処理にパネルを付す、請求項1に記載の方法。
  5. パネルの照射に先立って、導電性ポリマー複合体の融点を超える温度を含む熱処理にパネルを付す、請求項2に記載の方法。
  6. パネルの照射が少なくとも20Mradの電子ビーム照射を達成するように2つ以上の照射工程を用いて実施され、および各照射工程の前に複合体の融点を超える温度を含む熱処理にパネルを付す、請求項1に記載の方法。
  7. 過熱保護デバイスとして使用するためのポリマーPTCデバイスの抵抗対温度プロファイルを調整する方法であって:
    (a)金属泊電極間に挟持された導電性ポリマー複合体を含む積層体を作製し、該ポリマー複合体は融点Tを有し;
    (b)積層体を架橋し;
    (c)架橋した積層体から個々のデバイスを形成し;および
    (d)少なくとも20Mradの電子ビーム照射を用いて個々のデバイスを照射する
    ことを含む方法。
  8. 個々のデバイスが表面実装型である、請求項7に記載の方法。
  9. 積層体の架橋が照射を用いて実施される、請求項7に記載の方法。
  10. 少なくとも50Mradの電子ビーム照射を用いて個々のデバイスを照射する、請求項7に記載の方法。
  11. 照射に先立って、ポリマー複合体の融点を超える温度を含む熱処理に個々のデバイスを付す、請求項7に記載の方法。
  12. 照射が2つ以上の照射工程を用いて実施され、および各照射工程に先立ってポリマー複合体の融点を超える温度を含む熱処理を実施する、請求項7に記載の方法。
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