JP2005538979A - キナーゼ阻害剤としてのトキソフラビンの3−フェニル類似物 - Google Patents

キナーゼ阻害剤としてのトキソフラビンの3−フェニル類似物 Download PDF

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Abstract

本発明は、式(I)
【化1】
Figure 2005538979

[式中、nは0、1または2の整数を表し、mは0または1の整数を表し、RはC1−4アルキルを表し、RはC1−4アルキルを表し、RはC1−4アルキルを表すか、或はRとRがこれらが結合している炭素原子と一緒になってC3−8シクロアルキルまたはHetを形成しており、ここで、前記C3−8シクロアルキルまたはHetは各々独立して場合によりC1−4アルキルオキシカルボニルで置換されていてもよく、RはハロまたはC1−4アルキルオキシを表し、RはC1−4アルキルオキシカルボニル、−O−(モノ−もしくはジ(C1−4アルキル)アミノスルホニル);HetまたはNRから選択される1個または可能ならばそれ以上の置換基で置換されているC1−4アルキル;アミノ、HetまたはNRから選択される1個または可能ならばそれ以上の置換基で置換されているC1−4アルキルオキシを表し、RおよびRは各々独立して水素、C1−4アルキル、C1−4アルキルオキシC1−4アルキル、−Het;またはヒドロキシまたはHetから選択される1個または可能ならばそれ以上の置換基で置換されているC1−4アルキルから選択され、RおよびRは各々独立して水素、C1−4アルキル、−Hetまたはモノ−もしくはジ(C1−4アルキル)アミノスルホニルから選択され、Hetはピペリジニルまたはピペラジニルから選択される複素環を表し、ここで、前記単環状複素環は各々が独立して場合により各々がヒドロキシ、アミノスルホニル、アミノ、モノもしくはジ(C1−4アルキル)アミノスルホニル、ヒドロキシC1−4アルキルオキシC1−4アルキルまたはC1−4アルキルオキシから独立して選択される1個または可能ならば2または3個の置換基で置換されていてもよく、Hetはモルホリニル、ピペリジニルまたはピペラジニルから選択される複素環を表し、ここで、前記単環状複素環は各々が独立して場合により各々がC1−4アルキル、C1−4アルキルオキシカルボニルまたはモノもしくはジ(C1−4アルキル)アミノスルホニルから独立して選択される1個または可能ならば2または3個の置換基で置換されていてもよいく、Hetはピリジニルまたはピペリジニルから選択される複素環を表し、ここで、前記単環状複素環は各々が独立して場合により各々がアミノスルホニルまたはモノ−もしくはジ(C1−4アルキル)アミノスルホニルから独立して選択される1個または可能ならば2または3個の置換基で置換されていてもよく、Hetはピペリジニルを表す]
で表される化合物、これらのN−オキサイド形態、製薬学的に受け入れられる付加塩および立体化学異性体形態に関する。

Description

本発明は、サイクリン依存性セリン/トレオニンキナーゼ(Cdks)ばかりでなく細胞周期の調節に関与するキナーゼおよびホスファターゼ、例えばチロシンキナーゼWee1、Mik1およびMyt1など、またはチロシンデホスファターゼ、例えばCdc25およびPyp3などを阻害する1H−ピリミド[5.4−e][1,2,4]トリアジン−5,7−ジオン誘導体に関する。サイクリン依存性キナーゼは、真核細胞有機体における細胞分裂の主調節因子に属していて、それらが脱制御を起こすと結果として染色体の再配列、増幅および損失がもたらされるが、そのような出来事は原因として癌に関係している。このように、そのような化合物は細胞増殖症、例えばアテローム性動脈硬化症、再狭窄および癌などの治療で用いるに有用である。
細胞周期キナーゼは細胞周期の調節に関与している天然に存在する酵素である(非特許文献1)。典型的な酵素にはセリン/トレオニンキナーゼ、例えばサイクリン依存性キナーゼ(cdk)、即ちcdk1、cdk2、cdk4、cdk5、cdk6などばかりでなくチロシンキナーゼ、例えばAKT3またはWee 1キナーゼなど、およびチロシンホスファターゼ、例えば細胞周期の調節に関与するcdc25などが含まれる。そのようなキナーゼが示す活性が高くなるか或はそれらの活性または調節が一時的に異常になると結果としてヒト腫瘍および他の増殖症の発症がもたらされることが分かっている。サイクリンとこれの相手であるキナーゼの間の相互作用を遮断するか或はキナーゼと結合してそれを不活性にすることでcdkを阻害する化合物は細胞の増殖を抑制し、従って、腫瘍または他の異常に増殖する細胞の治療で用いるに有用である。
cdkを阻害するいくつかの化合物は発症前抗腫瘍活性を有することが立証されている。例えば、フラボピリドールは数種の乳癌および肺癌細胞の効力のある阻害剤であることが示されたフラボノイドである(非特許文献2および3)。この化合物はcdk2およびcdk4を阻害することが分かっている。オロモウシン[2−(ヒドロキシエチルアミノ)−6−ベンジルアミン−9−メチルプリン]はcdk2およびcdk5の効力のある阻害剤であり(非特許文献4)、これはNational Cancer Institute(NCI)が新規な癌治療を選別する目的で用いた異なる約60種のヒト腫瘍細胞系の増殖を抑制することが示された(非特許文献5)。より最近になって、フラボノイド誘導体、例えばトキソフラビン(toxoflavine)(非特許文献6)などおよび7−アザプテリジン誘導体(特許文献1)が抗腫瘍薬として開示された。
本発明のトキソフラビン誘導体は、1,3および6位の置換基が水溶解度を向上させる官能性、例えばアルコール基、塩基性脂肪族アミン構成要素およびアミノスルホン(アミン)置換基などまたはこれらの組み合わせによる修飾を抗増殖性化合物としての生物学的活性を失うことなく受けている点でそれとは異なる。
従って、本発明で解決すべき根本的課題は、水溶解度の向上に付随して細胞活性が向上しているさらなるトキソフラビン誘導体を見つけだすことにあった。
特開平9−255681 Meijer L.、「Chemical Inhibitors of Cyclin−Dependent Kinases」、Progress in Cell Cycle Research、1995;1:35 1−363 Kaur他、J.Natl.Cancer Inst.、1992;84:1736−1740 Int.J Oncol.、1996;9:1143−1168 Vesely他、Eur.J.Biochem.、1994;224:771−786 Abraham他、Biology of the Cell、1995;83:1051−120 J.Chem.Soc.Perkin Trans。1、2001、130−137
本発明は、式(I)
Figure 2005538979
[式中、
nは、0、1または2の整数を表し、
mは、0または1の整数を表し、
は、水素、Ar、C1−4アルキル;またはモルホリニルもしくはピリジニルで置換されているC1−4アルキルを表し、
は、水素、フェニル、C1−4アルキル、C1−4アルキルオキシカルボニル;またはヒドロキシ、フェニルもしくは−オキシ−ハロフェニルで置換されているC1−4アルキルを表し、
は、水素、フェニル、C1−4アルキル、C1−4アルキルオキシカルボニル;またはヒドロキシ、フェニルもしくは−オキシ−ハロフェニルで置換されているC1−4アルキルを表すか、或は
とRがこれらが結合している炭素原子と一緒になってC3−8シクロアルキルまたはHetを形成しており、ここで、前記C3−8シクロアルキルまたはHetは各々独立して場合により各々がC1−4アルキルオキシカルボニル、−C1−4アルキル−Ar、C1−4アルキルスルホニル、アミノスルホニル、モノ−もしくはジ(C1−4アルキル)アミノスルホニルまたは−C(=NH)−NHから独立して選択される1個または可能ならば2または3個の置換基で置換されていてもよく、
は、ハロ、ニトロ、ヒドロキシまたはC1−4アルキルオキシを表し、
は、ホルミル、ヒドロキシ、シアノ、フェニル、−O−Ar、NR、C1−4アルキル、C1−4アルキルオキシ、C1−4アルキルスルホニル、C1−4アルキルカルボニル、C1−4アルキルオキシカルボニル、−O−(モノ−もしくはジ(C1−4アルキル)アミノスルホニル)、Het、−SO−Het;場合によりフェニルで置換されていてもよいC2−6アルケニル;ヒドロキシ、ハロ、Het、NRまたはホルミルから選択される1個または可能ならばそれ以上の置換基で置換されているC1−4アルキル;ハロ、アミノ、モノ−もしくはジ(C1−4アルキル)アミノスルホニル、アミノスルホニル、Het、NRまたは−C(=O)−Hetから選択される1個または可能ならばそれ以上の置換基で置換されているC1−4アルキルオキシを表し、
およびRは、各々独立して、水素、C1−4アルキル、C1−4アルキルオキシC1−4アルキル、Het;またはヒドロキシ、Het、C1−4アルキルオキシカルボニルまたはC1−4アルキルスルホニルから選択される1個または可能ならばそれ以上の置換基で置換されているC1−4アルキルから選択され、
およびRは、各々独立して、水素、C1−4アルキル、C1−4アルキルオキシカルボニル、Het、モノ−もしくはジ(C1−4アルキル)アミノスルホニルまたはアミノスルホニルから選択され、
Hetは、ピペリジニルまたはジヒドロインデニルを表し、
Hetは、ピペリジニル、モルホリニルまたはピペラジニルから選択される複素環を表し、ここで、前記単環状複素環は各々が独立して場合により各々がC1−4アルキルオキシカルボニルから独立して選択される1個または可能ならば2または3個の置換基で置換されていてもよく、
Hetは、モルホリニル、ピロリジニル、ピロリル、ピペリジニルまたはピペラジニルから選択される複素環を表し、ここで、前記単環状複素環は各々が独立して場合により各々がヒドロキシ、C1−4アルキル、C1−4アルキルオキシカルボニル、ヒドロキシC1−4アルキル、アミノスルホニル、NR1011、イミダゾリル、テトラヒドロピリミジニル、アミノ、モノもしくはジ(C1−4アルキル)アミノスルホニル、ヒドロキシC1−4アルキルオキシC1−4アルキル、C1−4アルキルオキシC1−4アルキルまたはC1−4アルキルオキシから独立して選択される1個または可能ならば2または3個の置換基で置換されていてもよく、
10およびR11は、各々独立して、水素、C1−4アルキル、C1−4アルキルオキシカルボニル、アミノスルホニルまたはモノ−もしくはジ(C1−4アルキル)アミノスルホニルから選択され、
Hetは、モルホリニル、ピペリジニル、イミダゾリルまたはピペラジニルから選択される複素環を表し、ここで、前記単環状複素環は各々が独立して場合により各々がヒドロキシ、C1−4アルキル、C1−4アルキルオキシカルボニル、アミノスルホニルまたはモノもしくはジ(C1−4アルキル)アミノスルホニルから独立して選択される1個または可能ならば2または3個の置換基で置換されていてもよいか、或はHetは、式(i):
Figure 2005538979
で表される一価基を表し、
Hetは、ピリジニル、ピリミジニル、ピロリジニルまたはピペリジニルから選択される複素環を表し、ここで、前記単環状複素環は各々が独立して場合により各々がC1−4アルキル、C1−4アルキルオキシカルボニル、アミノスルホニル、C1−4アルキルアミノスルホニルまたはモノ−もしくはジ(C1−4アルキル)アミノスルホニルから独立して選択される1個または可能ならば2または3個の置換基で置換されていてもよく、
Hetは、モルホリニルを表し、
Hetは、場合によりC1−4アルキルフェニル、C1−4アルキルオキシカルボニル、アミノスルホニルまたはモノ−もしくはジ(C1−4アルキル)アミノスルホニルで置換されていてもよいピリジニル、ピペリジニル、ピペラジニルもしくはピリミジニルを表し、
Arは、フェニルまたはナフタレニルから選択されるアリール置換基を表し、ここで、前記アリール置換基は各々が独立して場合により各々がニトロまたはC1−4アルキルオキシカルボニルから独立して選択される1個または可能ならば2または3個の置換基で置換されていてもよく、
Arは、場合により各々がハロおよびニトロから成る群から独立して選択される1個または可能ならば2または3個の置換基で置換されていてもよいフェニルを表し、
Arは、フェニルから成る群から選択されるアリール置換基を表す]
で表される化合物、これらのN−オキサイド形態、製薬学的に受け入れられる付加塩および立体化学異性体形態に関する。
この上に示した定義および本明細書の以下で用いる如きハロはフルオロ、クロロ、ブロモおよびヨードの総称であり、C1−4アルキルは炭素原子数が1から4の直鎖および分枝鎖飽和炭化水素基、例えばメチル、エチル、プロピル、ブチル、1−メチルエチル、2−メチルプロピル、2,2−ジメチルエチルなどを定義するものであり、C1−6アルキルにはC1−4アルキルおよびこれの炭素原子数が5から6の高級同族体、例えばペンチル、ヘキシル、3−メチル−ブチル、2−メチルペンチルなどが含まれ、C1−12アルキルにはC1−6アルキルおよびこれの炭素原子数が7から12の高級同族体、例えばヘプチル、オクチル、ノニル、デシルなどが含まれ、C1−4アルカンジイルは、炭素原子数が1から4の二価の直鎖および分枝鎖飽和炭化水素基、例えばメチレン、1,2−エタンジイル、1,3−プロパンジイル、1,4−ブタンジイルなどを定義するものであり、C1−5−アルカンジイルには、C1−4アルカンジイルおよびこれの炭素原子数が5の高級同族体、例えば1,5−ペンタンジイルなどが含まれ、1,6−アルカンジイルには、C1−5アルカンジイルおよびこれの炭素原子数が6の高級同族体、例えば1,6−ヘキサンジイルなどが含まれ、C2−6アルケニルは、二重結合を1個含有する炭素原子数が2から6の直鎖および分枝鎖炭化水素基、例えばエテニル、2−プロペニル、3−ブテニル、2−ペンテニル、3−ペンテニル、3−メチル−2−ブテニルなどを定義するものであり、C2−6アルケンジイルは、二重結合を1個含有する炭素原子数が2から6の直鎖および分枝鎖炭化水素基、例えばエテンジイル、2−プロペンジイル、3−ブテンジイル、2−ペンテンジイル、3−ペンテンジイル、3−メチル−2−ブテンジイルなどを定義するものであり、ハロC1−4アルキルは一もしくは多ハロ置換C1−4アルキルとして定義され、C1−6アルカンジイル−オキシ−C1−6アルカンジイルは、例えば式−CH−CH−O−CH−CH−、−CH−CH(CHCH)−O−CH(CH)−CH−、−CH(CH)−O−CH−などで表される二価の基を定義するものである。
本明細書の上に記述した如き製薬学的に受け入れられる付加塩は、これに、前記式(I)で表される化合物が形成し得る無毒の治療活性酸付加塩形態を包含させることを意味する。後者を、便利には、塩基形態をそのような適切な酸で処理することで得ることができる。適切な酸には、例えば無機酸、例えばハロゲン化水素酸、例えば塩酸または臭化水素酸など、硫酸、硝酸、燐酸など、または有機酸、例えば酢酸、プロピオン酸、ヒドロキシ酢酸、乳酸、ピルビン酸、しゅう酸、マロン酸、こはく酸(即ちブタン二酸)、マレイン酸、フマル酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、シクラミン酸、サリチル酸、p−アミノサリチル酸、パモ酸などが含まれる。
本明細書の上に記述した如き製薬学的に受け入れられる付加塩は、これに式(I)で表される化合物が形成し得る無毒の治療活性塩基付加塩形態を包含させることを意味する。そのような塩基付加塩形態の例は、例えばナトリウム、カリウム、カルシウム塩など、およびまた製薬学的に受け入れられるアミン、例えばアンモニア、アルキルアミン、ベンザチン、N−メチル−D−グルカミン、ヒドラバミン、アミノ酸、例えばアルギニン、リシンなどとの塩である。
逆に、前記塩形態を適切な塩基もしくは酸で処理することでそれらを遊離の酸もしくは塩基形態に変化させることも可能である。
本明細書の上で用いた如き用語「付加塩」に、また、前記式(I)で表される化合物ばかりでなくこれらの塩が形成し得る溶媒和物も包含させる。そのような溶媒和物は例えば水化物、アルコラートなどである。
本明細書の上で用いた如き用語「立体化学異性体形態」は、前記式(I)で表される化合物が取り得る可能ないろいろな異性体形態ばかりでなく立体配座形態を定義するものである。特に明記も指示もしない限り、化合物の化学的表示は、可能なあらゆる立体化学的および立体配座的異性体形態の混合物を表し、前記混合物は基本的分子構造を有するあらゆるジアステレオマー、エナンチオマーおよび/または配座異性体を含有する。前記式(I)で表される化合物のあらゆる立体化学異性体形態(純粋な形態または互いの混合物の両方とも)を本発明の範囲内に包含させることを意図する。
式(I)で表される化合物のN−オキサイド形態は、これに1個もしくは数個の窒素原子が酸化されていわゆるN−オキサイド、特にピペリジンの窒素がN−酸化されてN−オキサイドになっている式(I)で表される化合物を包含させることを意味する。
好適な化合物の群は、下記の制限の中の1つ以上が当てはまる式(I)で表される化合物で構成される群である:
がC1−4アルキル、好適にはメチルを表し、
とRがこれらが結合している炭素原子と一緒になってC3−8シクロアルキル、好適にはシクロペンチル、またはHetを形成しており、ここで、前記C3−8シクロアルキルまたはHetが各々独立して場合により各々がC1−4アルキルオキシカルボニル、−C1−4アルキル−Arまたはモノ−もしくはジ(C1−4アルキル)アミノスルホニルから独立して選択される1個または可能ならば2または3個の置換基で置換されていてもよく、
がハロ、好適にはクロロを表すか、或はRがC1−4アルキルオキシ、好適なメトキシを表し、
がNR、−O−(モノ−もしくはジ(C1−4アルキル)アミノスルホニル)、−Het、−SO−Het;HetまたはNRから選択される1個または可能ならばそれ以上の置換基で置換されているC1−4アルキル;アミノ、HetまたはNRから選択される1個または可能ならばそれ以上の置換基で置換されているC1−4アルキルオキシを表し、
およびRが各々独立して水素、C1−4アルキル、C1−4アルキルスルホニル、C1−4アルキルオキシC1−4アルキル、HetまたはヒドロキシC1−4アルキルから選択され、
およびRが各々独立して水素、C1−4アルキル、C1−4アルキルオキシカルボニル、Hetまたはモノ−もしくはジ(C1−4アルキル)アミノスルホニルから選択され、
Hetがピペリジニルまたはジヒドロインデニルを表し、
Hetがモルホリニルを表し、
Hetがモルホリニル、ピロリジニル、ピロリル、ピペリジニルまたはピペラジニルから選択される複素環を表し、ここで、前記単環状複素環が各々独立して場合により各々がヒドロキシ、アミノスルホニル、モノもしくはジ(C1−4アルキル)アミノスルホニルまたはC1−4アルキルオキシから独立して選択される1個または可能ならば2または3個の置換基で置換されていてもよく、
Hetがモルホリニル、ピペリジニル、イミダゾリルまたはピペラジニルから選択される複素環を表し、ここで、前記単環状複素環が各々独立して場合により各々がヒドロキシ、C1−4アルキル、C1−4アルキルオキシカルボニルまたはモノもしくはジ(C1−4アルキル)アミノスルホニルから独立して選択される1個または可能ならば2または3個の置換基で置換されていてもよいか、或はHetが式(i):
Figure 2005538979
で表される一価基を表し、
Hetがピリジニルまたはピペリジニルから選択される複素環を表し、
Hetがモルホリニルを表し、
Hetが場合によりC1−4アルキルフェニル、C1−4アルキルオキシカルボニルまたはモノ−もしくはジ(C1−4アルキル)アミノスルホニルで置換されていてもよいピリジニルもしくはピペラジニルを表す。
興味の持たれる化合物の群は、下記の制限の中の1つ以上が当てはまる式(I)で表される化合物で構成される群である:
がAr、C1−4アルキル、好適にはメチル;またはモルホリニルで置換されているC1−4アルキルを表し、
が水素またはC1−4アルキルを表し、
が水素またはC1−4アルキルを表すか、或は
とRがこれらが結合している炭素原子と一緒になってC3−8シクロアルキルまたはHetを形成しており、ここで、前記C3−8シクロアルキルまたはHetが各々独立して場合によりC1−4アルキルオキシカルボニルで置換されていてもよく、
がハロ、好適にはクロロを表すか、或はRがC1−4アルキルオキシ、好適にはメトキシを表し、
がC1−4アルキルオキシカルボニル、オキシ−(モノ−もしくはジ(C1−4アルキル)アミノスルホニル);HetまたはNRから選択される1個または可能ならばそれ以上の置換基で置換されているC1−4アルキル;アミノ、HetまたはNRから選択される1個または可能ならばそれ以上の置換基で置換されているC1−4アルキルオキシを表し、
およびRが各々独立して水素、C1−4アルキル、C1−4アルキルオキシC1−4アルキル、Het;またはヒドロキシまたはHetから選択される1個または可能ならばそれ以上の置換基で置換されているC1−4アルキルから選択され、
およびRが各々独立して水素、C1−4アルキル、C1−4アルキルオキシカルボニル、Hetまたはモノ−もしくはジ(C1−4アルキル)アミノスルホニルから選択され、
Hetがピペリジニルを表し、
Hetがモルホリニル、ピロリジニル、ピペリジニルまたはピペラジニルから選択される複素環を表し、ここで、前記単環状複素環が各々独立して場合により各々がヒドロキシ、C1−4アルキル、アミノスルホニル、アミノ、モノもしくはジ(C1−4アルキル)アミノスルホニル、ヒドロキシC1−4アルキルオキシC1−4アルキルまたはC1−4アルキルオキシから独立して選択される1個または可能ならば2または3個の置換基で置換されていてもよく、
Hetが場合によりモノ−もしくはジ(C1−4アルキル)アミノスルホニルで置換されていてもよいピリジニルを表し、
Hetが場合によりC1−4アルキルフェニル、C1−4アルキルオキシカルボニルまたはモノ−もしくはジ(C1−4アルキル)アミノスルホニルで置換されていてもよいピペリジニルを表し、
Arがフェニルまたはナフタレニルから選択されるアリール置換基を表す。
興味の持たれるさらなる化合物群は、下記の制限の中の1つ以上が当てはまる式(I)で表される化合物で構成される群である:
がC1−4アルキル、好適にはメチルを表し、
およびRが各々独立してC1−4アルキル、好適にはメチルを表すか、
とRがこれらが結合している炭素原子と一緒になってC3−8シクロアルキル、好適にはシクロペンチルまたはHet、好適には場合によりC1−4アルキルオキシカルボニル、好適にはt−ブチルオキシカルボニルで置換されていてもよいピペリジニルを形成しており、RがC1−4アルキルオキシ、好適にはメトキシを表し、
がC1−4アルキルオキシ、C1−4アルキルオキシカルボニル、オキシ−(モノ−もしくはジ(C1−4アルキル)アミノスルホニル);HetまたはNRから選択される1個または可能ならばそれ以上の置換基で置換されているC1−4アルキルを表すか、或はRがアミノ、モノ−もしくはジ(C1−4アルキル)アミノスルホニル、アミノスルホニルまたはHetから選択される1個または可能ならばそれ以上の置換基で置換されているC1−4アルキルオキシを表し、
およびRが各々独立して水素、C1−4アルキル、C1−4アルキルオキシC1−4アルキル、Het;またはヒドロキシまたはHetから選択される1個または可能ならばそれ以上の置換基で置換されているC1−4アルキルから選択され、
およびRが各々独立して水素、C1−4アルキル、C1−4アルキルオキシカルボニル、Het、モノ−もしくはジ(C1−4アルキル)アミノスルホニルまたはアミノスルホニルから選択され、
Hetがピロリジニル、ピペリジニルまたはピペラジニルから選択される複素環を表し、ここで、前記単環状複素環が各々独立して場合により各々がヒドロキシ、C1−4アルキルオキシカルボニル、アミノスルホニル、アミノ、モノもしくはジ(C1−4アルキル)アミノスルホニル、ヒドロキシC1−4アルキルオキシC1−4アルキルまたはC1−4アルキルオキシから独立して選択される1個または可能ならば2または3個の置換基で置換されていてもよく、
Hetがモルホリニル、ピペリジニル、イミダゾリルまたはピペラジニルから選択される複素環を表し、ここで、前記単環状複素環が各々独立して場合により各々がC1−4アルキル、C1−4アルキルオキシカルボニルまたはモノもしくはジ(C1−4アルキル)アミノスルホニルから独立して選択される1個または可能ならば2または3個の置換基で置換されていてもよく、
Hetがピリミジニルまたはピペリジニルから選択される複素環を表し、ここで、前記単環状複素環は各々が独立して場合により各々がC1−4アルキル、またはモノ−もしくはジ(C1−4アルキル)アミノスルホニルから独立して選択される1個または可能ならば2または3個の置換基で置換されていてもよく、
Hetが場合によりC1−4アルキルフェニル、C1−4アルキルオキシカルボニル、アミノスルホニルまたはモノ−もしくはジ(C1−4アルキル)アミノスルホニルで置換されていてもよいピリジニル、ピペリジニル、ピペラジニルもしくはピリミジニルを表す。
また、下記の制限の中の1つ以上が当てはまる式(I)で表される化合物の群にも興味が持たれる:
がC1−4アルキル、好適にはメチルを表し、
が水素、C1−4アルキル;またはフェニルで置換されているC1−4アルキルを表し、
が水素、C1−4アルキル;またはフェニルで置換されているC1−4アルキルを表すか、或は
とRがこれらが結合している炭素原子と一緒になってC3−8シクロアルキルまたはHetを形成しており、ここで、前記C3−8シクロアルキルまたはHetが各々独立して場合により各々がC1−4アルキルオキシカルボニルまたは−C1−4アルキル−Arから独立して選択される1個または可能ならば2または3個の置換基で置換されていてもよく、
がハロまたはC1−4アルキルオキシ、好適にはメトキシを表し、
がNR、C1−4アルキルオキシカルボニル、−O−(モノ−もしくはジ(C1−4アルキル)アミノスルホニル);HetまたはNRから選択される1個または可能ならばそれ以上の置換基で置換されているC1−4アルキル;HetまたはNRから選択される1個または可能ならばそれ以上の置換基で置換されているC1−4アルキルオキシを表し、
およびRが各々独立して水素、C1−4アルキル、C1−4アルキルオキシC1−4アルキル、Het;またはヒドロキシまたはHetから選択される1個または可能ならばそれ以上の置換基で置換されているC1−4アルキルから選択され、
およびRが各々独立して水素またはC1−4アルキルから選択され、
Hetがピペリジニルを表し、
Hetがモルホリニル、ピペリジニルまたはピペラジニルから選択される複素環を表し、
Hetがモルホリニルまたはピペラジニルから選択される複素環を表し、ここで、前記単環状複素環が各々独立して場合によりC1−4アルキルオキシカルボニルで置換されていてもよく、
Hetがピリジニルまたはピペリジニルから選択される複素環を表し、ここで、前記単環状複素環が各々独立して場合により各々がアミノスルホニルまたはモノ−もしくはジ(C1−4アルキル)アミノスルホニルから独立して選択される1個または可能ならば2または3個の置換基で置換されていてもよく、
Arがフェニルを表す。
注目すべき群の化合物は、下記の制限の中の1つ以上が当てはまる式(I)に従う化合物である:
nが2を表し、
が水素、Ar、C1−4アルキル;またはモルホリニルもしくはピリジニルで置換されているC1−4アルキルを表し、
が水素、フェニル;または場合によりヒドロキシまたはフェニルで置換されていてもよいC1−4アルキルを表し、
が水素、フェニル;または場合によりヒドロキシまたはフェニルで置換されていてもよいC1−4アルキルを表し、
がハロ、好適にはクロロを表すか、或はRがC1−4アルキルオキシ、好適にはメトキシを表し、
がシアノ、フェニル、−O−Ar、C1−4アルキル、C1−4アルキルオキシ、C1−4アルキルオキシカルボニル;場合によりフェニルで置換されていてもよいC2−6アルケニル;ハロで置換されているC1−4アルキル、好適にはトリフルオロメチル;ハロ、好適にはクロロまたはフルオロで置換されているC1−4アルキルオキシを表し、
およびRが各々独立して水素、C1−4アルキル、C1−4アルキルオキシC1−4アルキル、Het;またはヒドロキシ、Het、C1−4アルキルオキシカルボニルまたはC1−4アルキルスルホニルから選択される1個または可能ならばそれ以上の置換基で置換されているC1−4アルキルから選択される。
また、本発明の1つの態様では、下記の制限の中の1つ以上が当てはまる式(I)で表される化合物の群を提供する:
がC1−4アルキル、好適にはメチルを表し、
が水素、フェニル、C1−4アルキル、C1−4アルキルオキシカルボニル;またはフェニルで置換されているC1−4アルキルを表し、
が水素、フェニル、C1−4アルキル、C1−4アルキルオキシカルボニル;またはフェニルで置換されているC1−4アルキルを表すか、或は
とRがこれらが結合している炭素原子と一緒になってC3−8シクロアルキルまたはHetを形成しており、ここで、前記C3−8シクロアルキルまたはHetが各々独立して場合により各々がC1−4アルキルオキシカルボニルまたは−C1−4アルキル−Arから独立して選択される1個または可能ならば2または3個の置換基で置換されていてもよく、
がハロまたはC1−4アルキルオキシを表し、
がNR、−O−(モノ−もしくはジ(C1−4アルキル)アミノスルホニル)、Het;HetまたはNRから選択される1個または可能ならばそれ以上の置換基で置換されているC1−4アルキル;アミノ、HetまたはNRから選択される1個または可能ならばそれ以上の置換基で置換されているC1−4アルキルオキシを表し、
およびRが各々独立して水素、C1−4アルキル、C1−4アルキルオキシC1−4アルキル、Het;またはヒドロキシまたはC1−4アルキルスルホニルから選択される1個または可能ならばそれ以上の置換基で置換されているC1−4アルキルから選択され、
およびRが各々独立して水素、C1−4アルキル、C1−4アルキルオキシカルボニル、Het、またはモノ−もしくはジ(C1−4アルキル)アミノスルホニルから選択され、
Hetがモルホリニルを表し、
Hetがモルホリニル、ピロリジニル、ピペリジニルまたはピペラジニルから選択される複素環を表し、ここで、前記単環状複素環が各々独立して場合により各々がヒドロキシ、C1−4アルキル、アミノスルホニル、モノもしくはジ(C1−4アルキル)アミノスルホニルまたはC1−4アルキルオキシから独立して選択される1個または可能ならば2または3個の置換基で置換されていてもよく、
Hetがモルホリニル、ピペリジニル、イミダゾリルまたはピペラジニルから選択される複素環を表し、ここで、前記単環状複素環が各々独立して場合により各々がヒドロキシ、C1−4アルキル、C1−4アルキルオキシカルボニル、アミノスルホニルまたはモノもしくはジ(C1−4アルキル)アミノスルホニルから独立して選択される1個または可能ならば2または3個の置換基で置換されていてもよいか、或はHetが式(i):
Figure 2005538979
で表される一価基を表し、
Hetがピリジニルまたはピペリジニルから選択される複素環を表し、ここで、前記単環状複素環が各々独立して場合によりモノ−もしくはジ(C1−4アルキル)アミノスルホニルで置換されていてもよく、
Hetが場合によりC1−4アルキルフェニルで置換されていてもよいピペリジニルを表し、
Arがフェニルを表す。
注目すべき群の化合物は、下記の制限の中の1つ以上が当てはまる式(I)に従う化合物である:
がC1−4アルキル、好適にはメチルを表し、
がC1−4アルキル、好適にはメチルを表し、
がC1−4アルキル、好適にはメチルを表すか、或は
とRがこれらが結合している炭素原子と一緒になってC3−8シクロアルキル、好適にはシクロペンチルまたはHet、好適にはピペリジニルを形成しており、ここで、前記C3−8シクロアルキルまたはHetが各々独立して場合によりC1−4アルキルオキシカルボニル、好適にはt−ブトキシカルボニルで置換されていてもよく、
がハロまたはC1−4アルキルオキシを表し、
がC1−4アルキルオキシカルボニル、−O−(モノ−もしくはジ(C1−4アルキル)アミノスルホニル);HetまたはNRから選択される1個または可能ならばそれ以上の置換基で置換されているC1−4アルキル;アミノ、HetまたはNRから選択される1個または可能ならばそれ以上の置換基で置換されているC1−4アルキルオキシを表し、
およびRが各々独立して水素、C1−4アルキル、C1−4アルキルオキシC1−4アルキル、−Het;またはヒドロキシまたはHetから選択される1個または可能ならばそれ以上の置換基で置換されているC1−4アルキルから選択され、
およびRが各々独立して水素、C1−4アルキル、−Hetまたはモノ−もしくはジ(C1−4アルキル)アミノスルホニルから選択され、
Hetがピペリジニルまたはピペラジニルから選択される複素環を表し、ここで、前記単環状複素環が各々独立して場合により各々がヒドロキシ、アミノスルホニル、アミノ、モノもしくはジ(C1−4アルキル)アミノスルホニル、ヒドロキシC1−4アルキルオキシC1−4アルキルまたはC1−4アルキルオキシから独立して選択される1個または可能ならば2または3個の置換基で置換されていてもよく、
Hetがモルホリニル、ピペリジニルまたはピペラジニルから選択される複素環を表し、ここで、前記単環状複素環が各々独立して場合により各々がC1−4アルキル、C1−4アルキルオキシカルボニルまたはモノもしくはジ(C1−4アルキル)アミノスルホニルから独立して選択される1個または可能ならば2または3個の置換基で置換されていてもよく、
Hetがピリジニルまたはピペリジニルから選択される複素環を表し、ここで、前記単環状複素環は各々が独立して場合により各々がアミノスルホニルまたはモノ−もしくはジ(C1−4アルキル)アミノスルホニルから独立して選択される1個または可能ならば2または3個の置換基で置換されていてもよく、
Hetがピペリジニルを表す。
さらなる群の化合物は、下記の制限の中の1つ以上が当てはまる式(I)に従う化合物である:
がC1−4アルキル、好適にはメチルを表し、
が水素、C1−4アルキル、好適にはメチルまたはイソプロピルを表すか、或はRがヒドロキシで置換されているC1−4アルキル、好適にはヒドロキシ−エチル−を表し、
が水素、フェニル、C1−4アルキル、好適にはメチル、C1−4アルキルオキシカルボニル、好適にはメトキシカルボニル;またはフェニルで置換されているC1−4アルキルを表すか、
とRがこれらが結合している炭素原子と一緒になってC3−8シクロアルキル、好適にはC5−8シクロアルキル、またはHetを形成しており、ここで、前記C3−8シクロアルキルまたはHetが各々独立して場合によりC1−4アルキルオキシカルボニル、好適にはt−ブトキシカルボニル、−C1−4アルキル−Ar、またはモノ−もしくはジ(C1−4アルキル)アミノスルホニル、好適にはジメチルアミノスルホニルで置換されていてもよく、
がハロ、好適にはクロロ、またはC1−4アルキルオキシを表し、
がヒドロキシ、−O−Ar、C1−4アルキルオキシカルボニル、Het;HetまたはNRで置換されているC1−4アルキルを表すか、或はRがHetで置換されているC1−4アルキルオキシを表し、
およびRが各々独立して水素、C1−4アルキル;またはヒドロキシで置換されているC1−4アルキルから選択され、
Hetが場合により各々がヒドロキシ、C1−4アルキルまたはC1−4アルキルオキシカルボニル、好適にはt−ブチル−オキシカルボニルから独立して選択される1個または2個の置換基で置換されていてもよいモルホリニル、ピロリジニル、ピペリジニルまたはピペラジニルから選択される複素環を表し、
Hetがモルホリニル、ピペリジニルまたはピペラジニルから選択される複素環を表し、ここで、前記複素環が各々独立して場合により1個または可能ならば2または3個のC1−4アルキル置換基で置換されていてもよいか、或はHetが式(i)で表される一価基を表し、
Arが場合により1個または可能ならば2または3個のハロ置換基、好適にはクロロで置換されていてもよいフェニルを表す。
他の特殊な群の化合物は下記である:
− mが1を表しそしてRがフェニル置換基を持つ炭素原子を基準にしてパラ位に位置する式(I)で表される化合物、
− Rがメチルである式(I)で表される化合物、
− RとRがこれらが結合している炭素原子と一緒になってC3−8シクロアルキル、好適にはシクロペンチルを形成している式(I)で表される化合物、
− RとRがこれらが結合している炭素原子と一緒になって場合によりC1−4アルキルオキシカルボニル、好適にはt−ブトキシカルボニルで置換されていてもよいピペリジニルを形成している式(I)で表される化合物、
− RとRの各々がC1−4アルキル、好適にはメチルを表す式(I)で表される化合物、
− RとRの各々が独立してフェニルまたは−CH−フェニルを表す式(I)で表される化合物、
− Hetがモルホリニル、ピペリジニル、ピペラジニル、および1個のC1−4アルキル置換基、好適にはメチル、より好適にはR置換基を持つ炭素原子を基準にしてパラ位に位置するメチルで置換されているピペラジニルから成る群から選択される複素環を表す式(I)で表される化合物、
− Rがホルミル、ヒドロキシ、シアノ、フェニル、−O−Ar、NR、C1−4アルキルスルホニル、C1−4アルキルカルボニル、−O−(モノ−もしくはジ(C1−4アルキル)アミノスルホニル)、Het、−SO−Het;場合によりフェニルで置換されていてもよいC2−6アルケニル;ヒドロキシ、ハロ、Het、NRまたはホルミルから選択される1個または可能ならばそれ以上の置換基で置換されているC1−4アルキル;またはハロ、アミノ、モノ−もしくはジ(C1−4アルキル)アミノスルホニル、アミノスルホニル、Het、NRまたは−C(=O)−Hetから選択される1個または可能ならばそれ以上の置換基で置換されているC1−4アルキルオキシを表す式(I)で表される化合物、
− RがC1−4アルキルオキシ[ここで、前記C1−4アルキルオキシは1個のHet置換基(ここで、Hetはモルホリニル、ピペリジニル、ピペラジニル、および1個のC1−4アルキル置換基、好適にはメチル、より好適にはR置換基を持つ炭素原子を基準にしてパラ位に位置するメチルで置換されているピペラジニルから成る群から選択されるか或はHetは1個のモノ−もしくはジ(C1−4アルキル)アミノスルホニル置換基、好適にはジメチルアミノスルホニル、より好適にはR置換基を持つ炭素原子を基準にしてパラ位に位置するジメチルアミノスルホニルで置換されているピペラジニルから成る)で置換されている]である式(I)で表される化合物、
− RがC1−4アルキルオキシ[ここで、前記C1−4アルキルオキシは1個のHet置換基(ここで、Hetは1個のモノ−もしくはジ(C1−4アルキル)アミノスルホニル置換基、好適にはジメチルアミノスルホニル、より好適にはR置換基を持つ炭素原子を基準にしてパラ位に位置するジメチルアミノスルホニルで置換されているピペリジニルから成る群から選択される)で置換されている]である式(I)で表される化合物、
− RがNR[ここで、RまたはRのいずれかがC1−4アルキルスルホニルまたはC1−4アルキルカルボニル、好適にはメチルスルホニルまたはメチルカルボニルを表す]である式(I)で表される化合物、
− RがC2−6アルケニル[ここで、前記アルケニルはフェニルで置換されている]である式(I)で表される化合物、
− Rが水素を表しそしてRがハロ、好適にはクロロを表す式(I)で表される化合物。
前記式(I)で表される化合物の構造的表示を簡潔にする目的で、本明細書では以降、基
Figure 2005538979
を記号Qで表す。
本発明の化合物の調製は、有機化学技術分野の技術者が通常利用しておりかつ例えば下記の文献:「Heterocyclic Compounds」、24巻(パート4)、261−304頁、Fused pyrimidines、Wiley−Interscience;Chem.Pharm.Bull.、41巻(2)362−368(1993);J.Chem.Soc.、Perkin Trans.1、2001、130−137に記述されているいくつかの標準的合成方法のいずれかを用いて実施可能である。
本説明の実験部分に更に例示するように、前記式(I)で表される化合物の調製を一般的には3種類の代替合成スキームを用いて実施した。1番目の代替法では、式(II)で表される中間体にNaNOによるニトロソ環化(nitrosative cyclisation)を酢酸(AcOH)中で受けさせることを通して、式(I)で表される化合物を生じさせる。次に、その混合物を例えばジチオトレイトール(DTT)を入れておいた無水酢酸またはエタノール(EtOH)などに入れて還流させることで、そのようにして得たアザプテリジン[式(III)で表される5−ニトロソ中間体を含んで成る]を式(I)で表される最終的な化合物に変化させる。
Figure 2005538979
別法として、前記式(III)で表される中間体をN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)に入れて90−150℃の範囲の温度に3−6時間加熱することで、それに脱アルキルを受けさせる。次に、そのようにして得た式(IV)で表されるレウマイシン(reumycin)誘導体にアルキル置換を1,4−ジオキサン(これに更に適切な塩基、例えば無水炭酸カリウム、水素化ナトリウムまたは炭酸水素ナトリウム、好適には無水炭酸カリウムなどおよびアルキル化剤、例えばジアルキルスルフェート、アルキルヨージドまたはアルキルブロマイド、好適にはアルキルブロマイドなども入れておく)中で受けさせることで、最終的な式(I)で表される化合物を生じさせる。
Figure 2005538979
上述した反応スキームでは、一般に、式(V)で表される第一級アミンと式(VI)で表されるアルデヒドをとりわけエタノールを適切な溶媒として用いた伝統的な縮合反応で反応させることで、式(II)で表される置換イミンまたはシッフ塩基を生じさせてもよい。
Figure 2005538979
最後に、この上に示したスキームの代替として、式(Va)で表される第一級アミンと式(VI)で表されるアルデヒドの間の縮合反応をとりわけエタノールを適切な溶媒として用いて受けさせることで、式(I)で表される化合物を生じさせてもよい。
Figure 2005538979
前記式(V)および(Va)で表される中間体の調製を一般的には反応スキーム1に示した如く実施した。
Figure 2005538979
更にR置換基を導入する目的で、式(XI)で表される尿素誘導体に保護基であるt−ブトキシカルボニルを用いた保護を受けさせた。これの導入では、式(XIV)で表されるケトンにt−ブトキシカルボニルヒドラジンを用いた処理を受けさせた後にPt/C/Hによる還元をEtOH中で受けさせるか或はNaBHをTHFに入れてゆっくり添加して還元を受けさせことで導入を行う。
Figure 2005538979
その保護を受けさせたアミンにトリフルオロ酢酸(TFA)による処理をCHClを溶媒として用いて受けさせると、その保護基は容易に除去される。
スキーム2に示したように、式(IX)で表されるピリミジンを調製する時、本技術分野で公知の技術、例えば「Introduction to Organic Chemistry」、A.Streitweiser、第2版、Macmillan Publishing Inc.、1104頁に記述されている如き技術を用いた。前記ピリミジンの合成は、一般に、1,3−ジカルボニル化合物、例えばジエチルプロパンジオエートなどと一般構造N−C−Nを含有する材料、例えば尿素などと式(VIII)で表される化合物の間で縮合を起こさせることを包含する。前記式(VIII)で表される尿素化合物の調製では、本技術分野で公知の技術、特にイソシアネート、例えばベンゾイルイソシアネートなどとアミン、例えば式(VII)で表されるアミンなどの反応を用いる。このような特定の反応スキームでは、式(VIIIa)で表される尿素複合体に水による加水分解を受けさせることでベンゾイル置換基を放出させる。
Figure 2005538979
最終段階で、そのようにして得たピリミジンの互変異性形態(IXa)にハロゲン置換を適切なハロゲン化剤、例えばSOCl、POCl、PClまたはPBrなどを用いて受けさせた。
前記式(VI)で表される出発アルデヒドのいくつかは文献に記述されている。その他を公知手順に従って調製した。我々は、例えば市販の4−ヒドロキシベンズアルデヒド(VI−a)から出発して、それにMitsunobu反応を相当するアミノ−アルコールを用いて受けさせることでいろいろなアルデヒド(VI−b)を調製した。次に、我々は、この上に記述したスキームに従い、式(I)で表される個々の化合物を合成した;
Figure 2005538979
必要または望まれるならば、下記のさらなる段階のいずれか1つ以上を任意順で実施してもよい:
(i)残存する任意保護基1種または2種以上を除去;
(ii)式(I)で表される化合物またはこれの保護形態を式(I)で表されるさらなる化合物またはこれの保護形態に変換;
(iii)式(I)で表される化合物またはこれの保護形態を式(I)で表される化合物またはこれの保護形態のN−オキサイド、塩、第四級アミンまたは溶媒和物に変換;
(iv)式(I)で表される化合物またはこれの保護形態のN−オキサイド、塩、第四級アミンまたは溶媒和物を式(I)で表される化合物またはこれの保護形態に変換;
(v)式(I)で表される化合物またはこれの保護形態のN−オキサイド、塩、第四級アミンまたは溶媒和物を別の式(I)で表される化合物またはこれの保護形態のN−オキサイド、製薬学的に受け入れられる付加塩、第四級アミンまたは溶媒和物に変換;
(vi)式(I)で表される化合物が(R)と(S)のエナンチオマーの混合物として得られる時には所望エナンチオマーを得る目的でその混合物を分離。
例えば、本技術分野で公知の手順を用いて、式(I)で表される化合物、これのN−オキサイド、付加塩、第四級アミンおよび立体化学異性体形態を本発明に従うさらなる化合物に変化させることができる。
本分野の技術者は、この上に記述した方法では中間体化合物の官能基を保護基で保護しておく必要があり得ることを認識するであろう。
保護が望ましい官能基には、ヒドロキシ、アミノおよびカルボン酸が含まれる。ヒドロキシ用の適切な保護基には、トリアルキルシリル基(例えばt−ブチルジメチルシリル、t−ブチルジフェニルシリルまたはトリメチルシリル)、ベンジルおよびテトラヒドロ−ピラニルが含まれる。アミノ用の適切な保護基にはt−ブチルオキシカルボニルまたはベンジルオキシカルボニルが含まれる。カルボン酸用の適切な保護基には、C(1−6)アルキルまたはベンジルエステルが含まれる。
そのような官能基の保護および脱保護は反応段階前または後に実施可能である。
そのような保護基の使用はJWF McOmie編集の「Protective Groups in Organic Chemistry」、Plenum Press(1973)および「Protective Groups in Organic Synthesis」、第2版、TW GreeneおよびPGM Wutz、Wiley Interscience(1991)に詳述されている。
加うるに、本技術分野で公知の方法を用いて、式(I)で表される化合物が有するN原子にCH−Iを用いたメチル化を適切な溶媒、例えば2−プロパノン、テトラヒドロフランまたはジメチルホルムアミドなど中で受けさせてもよい。
また、本技術分野で公知の官能基変換手順に従って式(I)で表される化合物を互いに変化させることも可能であり、そのような変換のいくつかの例を本明細書の上に挙げた。
また、本技術分野で公知の手順に従い、三価の窒素をN−オキサイド形態に変化させることで、式(I)で表される化合物を相当するN−オキサイド形態に変化させることも可能である。前記N−オキサイド化反応は、一般に、式(I)で表される出発材料を3−フェニル−2−(フェニルスルホニル)オキサジリジンまたは適切な有機もしくは無機過酸化物と反応させることで実施可能である。適切な無機過酸化物には、例えば過酸化水素、アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属の過酸化物、例えば過酸化ナトリウム、過酸化カリウムなどが含まれ、適切な有機過酸化物には、ペルオキシ酸、例えば過安息香酸(benzenecarboperoxoic acid)またはハロ置換過安息香酸、例えば3−クロロ過安息香酸など、ペルオキソアルカン酸、例えばペルオキソ酢酸など、アルキルヒドロパーオキサイド、例えばt−ブチルヒドロパーオキサイドなどが含まれ得る。適切な溶媒は、例えば水、低級アルカノール、例えばエタノールなど、炭化水素、例えばトルエンなど、ケトン、例えば2−ブタノンなど、ハロゲン置換炭化水素、例えばジクロロメタンなど、そしてそのような溶媒の混合物である。
本技術分野で公知の手順を適用することで式(I)で表される化合物の立体化学的に高純度の異性体形態を得ることができる。物理的方法、例えば選択的結晶化およびクロマトグラフィー技術、例えば向流分配液クロ(counter−current distribution,liquid chromatography)などでジアステレオマーを分離することができる。
本発明の式(I)で表される化合物の中の数種および中間体の中の数種は不斉炭素原子を含有し得る。本技術分野の公知の手順を用いることで前記化合物および前記中間体の高純度の立体化学的異性体形態を得ることができる。例えば、物理的方法、例えば選択的結晶化またはクロマトグラフィー技術、例えば向流分配液クロなどの如き方法を用いてジアステレオ異性体の分離を行うことができる。最初にラセミ混合物に適切な分割剤(resolving agents)、例えばキラリティーを持つ酸などによる変換を受けさせてジアステレオマー塩もしくは化合物の混合物を生じさせた後、前記ジアステレオマー塩もしくは化合物の混合物に物理的分離、例えば選択的結晶化またはクロマトグラフィー技術、例えば液クロなどの方法を用いて物理的分離を受けさせそして最後に前記分離したジアステレオマー塩もしくは化合物を相当するエナンチオマーに変化させることで、ラセミ混合物からエナンチオマーを得ることができる。また、高純度の立体化学的異性体形態の適切な中間体および出発材料を用いることでも高純度の立体化学的異性体形態を得ることができるが、但し介在する反応が立体特異的に起こることを条件とする。
式(I)で表される化合物および中間体のエナンチオマー形態を分離する代替様式は、液クロ、特にキラル固定相を用いた液クロの使用を包含する。
本明細書の上に挙げた反応手順で用いる如き中間体および出発材料の中の数種は公知化合物であり、商業的に入手可能であるか或は本技術分野で公知の手順に従って調製可能である。
本発明の化合物は薬理学的特性を有することからそれらは有用である。従って、それらを薬剤として用いることができる。
本明細書の以下の実験部分に記述するように、細胞周期調節に関与するキナーゼおよびホスファターゼを用いた酵素アッセイにおいて、本化合物は増殖抑制効果および抗腫瘍活性を有することをインビトロで立証した。また、細胞が基になったアッセイでも抗腫瘍活性をインビトロで立証したが、そのようなアッセイは、細胞を本化合物と接触させそしてAKT3がMAPK燐酸化に対して示す効果を評価することを含んで成る。代替アッセイでは、本技術分野で公知の細胞毒性アッセイ、例えばLIVE/DEAD(分子プローブ)MTTなどを用いて本化合物が卵巣癌細胞系A2780に対して示す増殖抑制効果を試験した。
従って、本発明は、式(I)で表される化合物およびこれらの製薬学的に受け入れられるN−オキサイド、付加塩、第四級アミンおよび立体化学的異性体形態を治療、より詳細にはT細胞媒介性病気の治療または予防で用いることも提供する。本明細書では以降、式(I)で表される化合物およびこれらの製薬学的に受け入れられるN−オキサイド、付加塩、第四級アミンおよび立体化学的異性体形態を本発明に従う化合物と呼ぶこともあり得る。
本発明に従う化合物が特に有用な疾患はアテローム性動脈硬化症、再狭窄および癌である。
本発明に従う化合物が有用であることを考慮して、細胞増殖症、例えばアテローム性動脈硬化症、再狭窄および癌などに苦しんでいる動物、例えばヒトを包含する哺乳動物を治療する方法を提供し、この方法は、本発明に従う化合物を有効量で投与することを含んで成る。
本発明は、さらなる面において、この上に記述した細胞増殖症または徴候のいずれかを治療するための薬剤を製造する時に本発明に従う化合物を用いることを提供する。
治療効果の達成に要する本発明に従う化合物(ここではまた有効成分とも呼ぶ)の量は、勿論、個々の化合物、投与経路、受益者の年齢および状態、そして治療すべき個々の疾患または病気に伴って変わるであろう。1日当たりの適切な用量は体重1kg当たり0.01mgから50mg、特に体重1kg当たり0.05mgから10mgであろう。ある治療方法では、また、本有効成分を1日当たり1から4回服用する計画で投与することを含めてもよい。
本有効成分を単独で投与することは可能であるが、それを製薬学的組成物として提供する方が好適である。従って、本発明は、更に、本発明に従う化合物を製薬学的に受け入れられる担体または希釈剤と一緒に含んで成る製薬学的組成物も提供する。そのような担体または希釈剤は本組成物に含める他の材料と適合しかつそれの受益者に有害ではない意味で「受け入れられる」必要がある。
本発明の製薬学的組成物は薬剤技術で良く知られている如何なる方法で調製されてもよく、例えばGennaro他、Remington’s Pharmaceutical Sciences(18版、Mack Publishing Company、1990、特にパート8:Pharmaceutical preparations and their Manufactureを参照)に記述されている如き方法を用いて調製可能である。治療有効量の個々の化合物を有効成分として塩基形態または付加塩形態で製薬学的に受け入れられる担体との密な混合物として一緒にするが、前記担体が取り得る形態は投与に望まれる調剤の形態に応じて幅広く多様であり得る。望ましくは、本製薬学的組成物を好適には全身投与、例えば経口、経皮または非経口投与などに適した単位投薬形態、または局所的投与、例えば吸入、鼻スプレー、点眼またはクリーム、ゲル、シャンプーなどの単位投薬形態にする。例えば、本組成物を経口投薬形態で調製する時、通常の製薬学的媒体のいずれも使用可能であり、例えば液状の経口用調剤、例えば懸濁液、シロップ、エリキシルおよび溶液などの場合には水、グリコール、油、アルコールなど、または粉末、ピル、カプセルおよび錠剤の場合には固体状担体、例えば澱粉、糖、カオリン、滑剤、結合剤、崩壊剤などを用いてもよい。投与が容易なことから錠剤およびカプセルが最も有利な経口投薬単位形態に相当し、この場合には明らかに固体状の薬剤担体を用いる。非経口用組成物の場合の担体は少なくとも大部分が一般に無菌水を含んで成るが、他の材料、例えば溶解性を補助する材料などを含有させることも可能である。例えば、注射可能溶液を調製することも可能であり、その場合の担体は食塩水溶液、グルコース溶液、または食塩水とグルコース溶液の混合物を含んで成る。また、注射可能懸濁液を調製することも可能であり、この場合には適切な液状担体、懸濁剤などを用いてもよい。経皮投与に適した組成物の場合、その担体に場合により浸透向上剤および/または適切な湿潤剤を含めてもよく、それらを場合によりいずれかの性質を有する適切な添加剤と少しの比率で組み合わせてもよく、そのような添加剤は、皮膚に対して有害な影響を決して有意な度合では引き起こさない添加剤である。前記添加剤は皮膚への投与を助長しそして/または所望組成物の調製に役立ち得る。そのような組成物はいろいろな様式で投与可能であり、例えば経皮パッチ、スポットオン(spot−on)、軟膏などとして投与可能である。局所投与に適した組成物として、薬剤を局所的に投与する目的で通常用いられるあらゆる組成物を挙げることができ、例えばクリーム、ゼリー、包帯剤、シャンプー、チンキ、ペースト、塗り薬、軟膏、粉末などを挙げることができる。前記組成物をエーロゾルで塗布することも可能であり、例えば噴射剤、例えば窒素、二酸化炭素、フレオンなどを用いるか、或は噴射剤を用いないで、例えばポンプスプレー、滴、ローションまたは半固体、例えば消毒綿で塗布可能な濃密な組成物などを用いて塗布することも可能である。特に、半固体状組成物、例えば軟膏、クリーム、ゼリー、塗り薬などを便利に用いる。
上述した製薬学的組成物を単位投薬形態で調合するのが特に有利である、と言うのは、その方が投与が容易でありかつ投薬が均一であるからである。本明細書および本明細書の請求の範囲で用いる如き「単位投薬形態」は、各単位が要求される薬剤担体と一緒に所望治療効果をもたらすように計算して前以て決めておいた量の有効成分を含有する単位調剤として用いるに適した物理的に個々別々の単位を指す。そのような単位投薬形態の例は錠剤(切り目が入っている錠剤または被覆されている錠剤を包含)、カプセル、ピル、粉末、パケット、ウエハース、注射可能溶液もしくは懸濁液、茶サジ一杯、テーブルスプーン一杯など、そしてそれらを複数に分けた物(segregated multiples)である。
式(I)で表される化合物が製薬学的組成物の中で示す溶解性および/または安定性を向上させる目的でα−、β−もしくはγ−シクロデキストリンまたはこれらの誘導体を用いるのが有利であり得る。また、共溶媒、例えばアルコールなどを用いて式(I)で表される化合物が製薬学的組成物の中で示す溶解性および/または安定性を向上させることも可能である。水性組成物を調製しようとする時には、水溶性が高いことから本主題化合物の付加塩の方が明らかに適切である。
適切なシクロデキストリンはα−、β−もしくはγ−シクロデキストリンまたはこれらのエーテルおよび混合エーテルであり、そのようなエーテルでは、シクロデキストリンが有する無水グルコース単位の1つ以上のヒドロキシ基がC(1−6)アルキル、特にメチル、エチルまたはイソプロピルで置換されている[例えば無作為にメチル化されたβ−CD]か;ヒドロキシC(1−6)アルキル、特にヒドロキシエチル、ヒドロキシプロピルまたはヒドロキシブチルで置換されているか;カルボキシC(1−6)アルキル、特にカルボキシメチルまたはカルボキシエチルで置換されているか;C(1−6)アルキルカルボニル、特にアセチルで置換されているか;C(1−6)アルキルオキシカルボニルC(1−6)アルキルまたはカルボキシ−C(1−6)アルキルオキシC(1−6)アルキル、特にカルボキシメトキシプロピルまたはカルボキシエトキシプロピルで置換されているか;C(1−6)アルキルカルボニルオキシC(1−6)アルキル、特に2−アセチルオキシプロピルで置換されている。特に、β−CD、無作為にメチル化されたβ−CD、2,6−ジメチル−β−CD、2−ヒドロキシエチル−β−CD、2−ヒドロキシエチル−γ−CD、2−ヒドロキシプロピル−γ−CDおよび(2−カルボキシメトキシ)プロピル−β−CD、特に2−ヒドロキシプロピル−β−CD(2−HP−β−CD)が錯化剤(complexants)および/または可溶化剤として注目に値する。
用語「混合エーテル」は、シクロデキストリンが有するヒドロキシ基の中の少なくとも2個が異なる基、例えばヒドロキシプロピルとヒドロキシエチルなどでエーテル化されているシクロデキストリン誘導体を表す。
アンヒドログルコース1モル当たりのアルコキシ単位の平均モル数の尺度として平均モル置換度(M.S.)を用いる。このM.S.値はいろいろな分析技術を用いて測定可能であり、質量分光測定で測定した時のM.S.は好適には0.125から10の範囲である。
平均置換度(D.S.)は、アンヒドログルコース1単位当たりに置換されたヒドロキシルの平均数を指す。このD.S.値はいろいろな分析技術を用いて測定可能であり、質量分光測定で測定した時のD.S.は好適には0.125から3の範囲である。
実験部分
本明細書では以降、用語「RT」は室温を意味し、「THF」はテトラヒドロフランを意味し、「AcOH」はCHCOOHを意味し、「EtOH」はエタノールを意味し、「DME」はジメチルエーテルを意味し、「DIPE」はジイソプロピルエーテルを意味し、「iPrOH」はイソプロパノールを意味し、「DIAD」はアゾジカルボン酸ジイソプロピルを意味する。
A. 中間体の製造
実施例A1
Figure 2005538979
t−ブチルシクロペンチリンデンカルバゼート(0.1モル)と5%Pt/C(2g)をAcOH(30ml)とCHOH(300ml)に入れることで生じさせた混合物に水添を3バールの圧力下で5時間受けさせた後、セライトを用いて濾過を行った。溶媒を蒸発させた。その残留物を氷水で取り上げ、KCOで塩基性にした後、CHClで抽出した。その有機層を分離し、乾燥(MgSO)させ、濾過した後、溶媒を蒸発させた。中間体1の収量:21g(>100%)。
Figure 2005538979
中間体1(0.047モル)をCHCl(100ml)に入れることで生じさせた室温の混合物に6−クロロ−3−メチル−5−ニトロ−2,4(1H,3H)−ピリミジンジオン(0.038モル)を加えた。この混合物を4時間撹拌した。溶媒を蒸発させた。その残留物をDIPEで取り上げた。その沈澱物を濾別した後、乾燥させた。中間体2の収量:13.5g(96%)。
Figure 2005538979
中間体2(0.0365モル)をCHCl(140ml)に入れることで生じさせた室温の混合物にCFCOOH(30ml)を加えた。この混合物を室温で18時間撹拌した。溶媒を蒸発させた。その残留物をDIPEから結晶化させた。その沈澱物を濾別した後、乾燥させた。中間体3の収量:8.55g(61%)。
実施例A2
Figure 2005538979
6−クロロ−3−メチル−5−ニトロ−2,4(1H,3H)−ピリミジンジオン(CA No.:16689−35−3)(0.07モル)と2−(1−メチルエチル)−1,1−ジメチルエチルエステルヒドラジンカルボン酸(0.08モル)をCHCl(180ml)に入れることで生じさせた混合物を室温で18時間撹拌した。溶媒を蒸発させた。その残留物をDIPEで取り上げた。ゴム状物を傾斜法で取り出した。中間体7の収量:32g。この生成物を次の反応段階で直接用いた。
Figure 2005538979
中間体7(0.07モル)をCFCOOH(55ml)とCHCl(285ml)に入れることで生じさせた混合物を室温で12時間撹拌した。溶媒を蒸発させた。その残留物をDIPEで取り上げた。ゴム状物を傾斜法で取り出した。その残留物をCHClで取り上げた。溶媒を蒸発させた。中間体8の収量:22g(82%)。
Figure 2005538979
中間体8(0.0153モル)をTHF(170ml)に入れることで生じさせた混合物にNEt(0.051モル)に続いてTamis 3Angstrom(4.3g)そして次に2,6−ジメトキシ−4−ヒドロキシベンズアルデヒド(0.0183モル)を加えた。この混合物を50℃で4時間撹拌した後、室温に持っていって、濾過した。その濾液に蒸発を受けさせた。その残留物をCHClで取り上げた。その有機層をHOで洗浄し、乾燥(MgSO)させ、濾過した後、溶媒を蒸発させた。中間体9の収量:6.6g(>100%)。この生成物をさらなる精製なしに用いた。
実施例A3
Figure 2005538979
中間体8(0.011モル)をTHF(120ml)に入れることで生じさせた混合物にNEt(0.0354モル)、Tamis 3Angstrom(3g)に続いてバニリン(0.0129モル)を加えた。この混合物を50℃で4時間撹拌した後、室温に持っていって、濾過した。その濾液に蒸発を受けさせた。その残留物をHOで取り上げた。この混合物をCHClで抽出した後、中間体10と一緒にした。その有機層を分離し、乾燥(MgSO)させ、濾過した後、溶媒を蒸発させた。中間体10の収量:5.1g(>100%)。
実施例A4
Figure 2005538979
6−クロロ−3−メチル−2,4(1H,3H)−ピリミジンジオン(0.025モル)とメチルヒドラジン(0.055モル)をEtOH(25ml)に入れることで生じさせた混合物を撹拌しながら1時間還流させた後、氷水浴に入れて冷却した。その混合物を濾過することで白色固体を得た。中間体11の収量:3.4g。
Figure 2005538979
この実験を2回実施した。中間体11(0.01モル)と4−[2−(4−モルホリニル)エトキシ]−ベンズアルデヒド(0.015モル)をEtOH(30ml)に入れることで生じさせた混合物を撹拌しながら3時間還流させた後、室温に持っていった。その沈澱物を濾別し、EtOHで濯いだ後、乾燥させた。中間体12の収量:4.89g(63%)。
実施例A5
Figure 2005538979
N−メチルピペラジン(0.0499モル)と2−ブロモエタノール(0.0749モル)とKCO(0.0998モル)を2−ブタノン(90mL)に入れることで生じさせた混合物を90℃で4時間撹拌した。この反応混合物を冷却して濾過した。その濾液に蒸発を受けさせた。中間体14の収率:90%(注:規模をより大きくした時に得た収率は低かったことから、短いカラムのクロマトグラフィーを用いた精製が必要であった)。
Figure 2005538979
バニリン(CA No:121−33−5)(0.025モル)と中間体14(0.03モル)とDIAD(0.0375モル)をTHF(60ml)に入れることで生じさせた0から5℃の範囲の温度の溶液にPPh(0.0325モル)を滴下した。この混合物を室温で18時間撹拌した。EtOAcを加えた。この混合物を3NのHClで2回抽出した。酸性層をEtOAcで洗浄し、KCOで塩基性にした後、EtOAcで抽出した。その有機層を乾燥(MgSO)させ、濾過した後、溶媒を蒸発させた。中間体15の収量:3.9g(56%)。
Figure 2005538979
中間体11(0.011モル)と中間体15(0.014モル)をEtOH(100ml)に入れることで生じさせた混合物を撹拌しながら5時間還流させた後、室温に持っていって、溶媒を蒸発させた。その残留物をHOで取り上げた。その沈澱物を濾過し、HOで洗浄した後、DIPEで洗浄した。その沈澱物を濾別した後、乾燥させた。中間体16の収量:3.1g(65%)。
実施例A6
Figure 2005538979
ベンゾイルイソシアネート(0.0533モル)をCHCl(280ml)に入れることで生じさせた0℃の混合物にN流下で4−アミノ−1−Boc−ピペリジン(0.0484モル)を分割して加えた。この混合物を室温で3時間撹拌した。溶媒を蒸発させた。その残留物をDIPEから結晶化させた。その沈澱物を濾別した後、乾燥させた。中間体18の収量:7.75g(46%)。
Figure 2005538979
中間体18(0.0223モル)とNaOH(0.38モル)をCHOH(100ml)とHO(100ml)に入れることで生じさせた混合物を室温で12時間撹拌した後、撹拌しながら1時間還流させ、そして室温に持っていった。CHOHを蒸発させた。その沈澱物を濾過し、HOで洗浄した後、乾燥させた。中間体19の収量:4.46g(82%)。
Figure 2005538979
中間体19(0.0183モル)とジエチルマロネート(0.02モル)とEtONa/21%EtOH(0.02モル)をEtOH(60ml)に入れることで生じさせた混合物を撹拌しながら週末の間還流させた後、室温に持っていって、溶媒の半分を蒸発させた。その混合物をHOで取り上げた。3NのHClを5.5のpHが得られるまで加えた。この混合物をCHClで2回抽出した。その有機層を分離し、乾燥(MgSO)させ、濾過した後、溶媒を蒸発させた。その残留物をシクロヘキサンで取り上げた。その沈澱物を濾別した後、乾燥させた。中間体20の収量:5.4g(94%)。
Figure 2005538979
中間体20(0.017モル)とPOCl(0.21モル)の室温の混合物にHO(0.0459モル)をゆっくり滴下した。この混合物を撹拌しながら30分間還流させた後、室温に持っていって、溶媒を蒸発させた。その残留物を氷の中に入れた。KCOを7のpHが得られるまで加えた。この混合物をCHClで洗浄した後、溶媒を蒸発させた。その残留物をDIPEで取り上げた。その沈澱物を濾別した後、乾燥させた。中間体21の収量:3.63g。この生成物をさらなる精製なしに用いた。
Figure 2005538979
中間体21(0.017モル)とジ−t−ブチルジカーボネート(0.026モル)をCHCl(70ml)とCHOH(15ml)に入れることで生じさせた混合物を室温で12時間撹拌した。HOを加えた。この混合物に傾斜法を受けさせた(decanted)。その溶媒を蒸発させた。その残留物をCHClで取り上げた。活性炭を加えた。セライトを用いて前記混合物を濾過した。溶媒を蒸発させた。その残留物をDIPEで取り上げた。その沈澱物を濾別した後、乾燥させた。中間体22の収量:1.7g(30%)。
Figure 2005538979
中間体22(0.0052モル)とメチルヒドラジン(0.012モル)をEtOH(20ml)に入れることで生じさせた混合物を撹拌しながら1時間還流させた後、室温に持っていった。溶媒を蒸発させた。中間体23の収量:1.76g。この画分をさらなる精製なしに用いた。
Figure 2005538979
中間体23(0.0052モル)とベンズアルデヒド(0.0065モル)をEtOH(20ml)に入れることで生じさせた混合物を撹拌しながら1時間還流させた後、室温に持っていって、溶媒を蒸発させた。その残留物をHOで取り上げた後、CHCl/CHOHで抽出した。その有機層を分離し、乾燥(MgSO)させ、濾過した後、溶媒を蒸発させた。その残留物(2.6g)をシリカゲル使用カラムクロマトグラフィー(溶離剤:CHCl/CHOHが99.5/0.5;15−40μm)で精製した。高純度画分を集めた後、溶媒を蒸発させた。中間体24の収量:0.72g(32%)。
実施例A7
Figure 2005538979
中間体11(0.0065モル)と4−モルホリノベンズアルデヒド(0.0071モル)をEtOH(20ml)に入れることで生じさせた混合物を撹拌しながら2時間還流させた後、室温に持っていった。その沈澱物を濾別した後、乾燥させた。中間体25の収量:1.6g(71%)。
実施例A8
Figure 2005538979
4−ヒドロキシベンズアルデヒド(0.017モル)と2−(4,4−エチレンジオキシピペリジノ)エタノール(CA No:37443−73−5)(0.0204モル)とP(Ph(0.0289モル)をTHF(60ml)に入れることで生じさせた5℃の溶液にDIAD(0.0238モル)を滴下した。この混合物を5℃で2時間撹拌した。HO(5ml)を加えた。この混合物を3NのHClで抽出し、EtOAcで洗浄し、KCOで塩基性にした後、EtOAcで抽出した。その有機層を分離し、乾燥(MgSO)させ、濾過した後、溶媒を蒸発させた。中間体27の収量:7.6g。
Figure 2005538979
中間体27(0.02モル)をEtOH(130ml)に入れることで生じさせた混合物に中間体11(0.018モル)を分割して加えた。この混合物を撹拌しながら2時間30分還流させた後、室温に持っていって、溶媒を蒸発させた。HOおよびCHClを加えた。その有機層を分離し、乾燥(MgSO)させ、濾過した後、溶媒を蒸発させた。中間体28の収量:7.98g(90%)。
実施例A9
Figure 2005538979
中間体11(0.0088モル)とN−(4−ホルミルフェニル)−メタンスルホンアミド(0.012モル)をEtOH(20ml)に入れることで生じさせた混合物を撹拌しながら3時間還流させた後、室温に持っていった。その沈澱物を濾別した後、乾燥させた。中間体30の収量:2.34g(75%)。
実施例A10
Figure 2005538979
3−(4−モルホリニルスルホニル)−安息香酸(0.0092モル)をDME(30ml)に入れることで生じさせた−15℃の混合物にN流下でイソブチルクロロホルメート(0.011モル)に続いてNEt(0.0119モル)を滴下した。この混合物を0℃で撹拌した。NaBH(0.0184モル)を加えた。この混合物を室温で4時間撹拌した。HOを滴下した。この混合物を3NのHClで酸性にした後、CHClで2回抽出した。その有機層を分離し、乾燥(MgSO)させ、濾過した後、溶媒を蒸発させた。その残留物をEtOAcで取り上げた。その沈澱物を10%のKCOで2回洗浄した。その有機層を分離し、乾燥(MgSO)させ、濾過した後、溶媒を蒸発させた。その残留物をシリカゲル使用フラッシュカラムクロマトグラフィー(溶離剤:CHCl/CHOHが96/4;70−200μm)で精製した。高純度画分を集めた後、溶媒を蒸発させた。中間体32の収量:1.2g(50%)。
Figure 2005538979
塩化オクザリル(0.0056モル)とDMSO(0.007モル)をCHCl(10ml)に入れることで生じさせた−78℃の混合物にN流下で中間体32(0.0047モル)とDMSO(0.007モル)をCHCl(5ml)に入れることで生じさせた溶液を滴下した。この混合物を30分間撹拌した。NEt(0.0235モル)を加えた。この混合物を−78℃で5分間撹拌した後、室温に持っていった。HOを加えた。その有機層を分離し、乾燥(MgSO)させ、濾過した後、溶媒を蒸発させた。中間体33の収量:1.05g。
Figure 2005538979
中間体11(0.0037モル)と中間体33(0.0041モル)をEtOH(15ml)に入れることで生じさせた混合物を撹拌しながら1時間30分還流させた後、室温に持っていった。その沈澱物を濾別した後、乾燥させた。この画分の一部(0.17g)をCHOHで取り上げた。その沈澱物を濾別した後、乾燥させた。中間体34の収量:0.11g。
実施例A11
Figure 2005538979
4−[3−(ジメチルアミノ)プロポキシ]ベンズアルデヒド(CA No:26934−35−0)(0.0048モル)をEtOH(25ml)に入れることで生じさせた溶液に中間体11(0.004モル)を分割して加えた。この混合物を撹拌しながら4時間還流させた後、室温で週末の間撹拌し、そして3部(three parts)を蒸発させた。その残留物をDIPEで希釈した。その沈澱物を乾燥させた。中間体36の収量:1.3g(90%)。
実施例A12
Figure 2005538979
4−ヒドロキシベンズアルデヒド(0.015モル)と5−ヒドロキシメチル−1−メチル−1H−イミダゾール(CA No:38993−84−9)(0.018モル)とPPh(0.0225モル)をTHF(40ml)に入れることで生じさせた0から5℃の範囲の温度の混合物にN流下でDIAD(0.0195モル)を滴下した。この混合物を室温で一晩撹拌した後、週末の間撹拌し、EtOAcで希釈し、3NのHClで抽出し、EtOAcで洗浄し、KCOでアルカリ性にした後、EtOAcで抽出した。その有機層を分離し、乾燥(MgSO)させ、濾過した後、溶媒を蒸発させた。中間体38の収量:1.6g(49%)。
Figure 2005538979
中間体38(0.007モル)をEtOH(30ml)に入れることで生じさせた溶液に中間体11(0.0054モル)を分割して加えた。この混合物を撹拌しながら2時間還流させた後、冷却した。その沈澱物を濾過し、エタノールに続いてジエチルエーテルで洗浄した後、乾燥させた。溶媒を蒸発させた。その残留物をHOで取り上げた。この混合物を濾過した。その不溶物をエタノールで取り上げた。溶媒を乾固まで蒸発させた。中間体39の収量:1.3g。
B. 本化合物の製造
実施例B1
Figure 2005538979
中間体3(0.0055モル)とバニリン(CA No:121−33−5)(0.0066モル)とNEt(0.0181モル)とTamis 3Angstrom(1.5g)をTHF(60ml)に入れることで生じさせた混合物を50℃で3時間撹拌した後、室温に持っていった。その沈澱物を濾過した。溶媒を蒸発させた。その残留物をHOで取り上げた。この混合物をCHClで抽出した。その有機層を分離し、乾燥(MgSO)させ、濾過した後、溶媒を蒸発させた。中間体4の収量:2g(90%)。
Figure 2005538979
中間体4(0.005モル)と5%Pt/C(0.5g)をEtOH(100ml)に入れることで生じさせた混合物に水添を1.5バールの圧力下で12時間受けさせた後、セライトを用いて濾過した。セライトをCHCl/CHOHで洗浄した。その濾液に蒸発を受けさせた。その残留物をEtOHで取り上げた。その沈澱物を濾別した後、乾燥させた。化合物1の収量:0.3g(16%)。
実施例B2
Figure 2005538979
中間体3(0.028モル)と4−(ヒドロキシメチル)−ベンズアルデヒド(0.031モル)とNEt(0.057モル)をEtOH(280ml)に入れることで生じさせた混合物を50℃で一晩撹拌した。溶媒を蒸発させた。その残留物をTHF(200ml)で取り上げた。MgSO(5g)を加えた。この混合物を50℃で2時間撹拌した後、室温に持っていった。その沈澱物を濾別した後、乾燥させた。中間体5の収量:15g(>100%)。
Figure 2005538979
中間体5(0.028モル)と5%Pt/C(3g)をEtOH(300ml)に入れることで生じさせた混合物に水添を室温で12時間受けさせた後、セライトを用いて濾過した。セライトをCHCl/CHOHで洗浄した。その濾液に蒸発を受けさせた。その残留物をHOで取り上げた。その混合物をCHCl/CHOHで取り上げた。その有機層を分離し、乾燥(MgSO)させ、濾過した後、溶媒を蒸発させた。その残留物(9g)をシリカゲル使用カラムクロマトグラフィー(溶離剤:CHCl/CHOHが97/3;20−45μm)で精製した。高純度画分を集めた後、溶媒を蒸発させた。化合物2の収量:0.32g(3.2%)。
Figure 2005538979
化合物2(0.0009モル)とSOCl(0.0036モル)をCHCl(30ml)に入れることで生じさせた混合物を室温で12時間撹拌した。溶媒を蒸発させた。化合物3の収量:0.34g。
実施例B3
a)
Figure 2005538979
中間体3(0.0055モル)と2,6−ジメトキシ−4−ヒドロキシベンズアルデヒド(0.0066モル)とNEt(0.018モル)をtamis 3Angstrom(1.5ml)とTHF(60ml)に入れることで生じさせた混合物を50℃で3時間撹拌した。その沈澱物を濾過した。その濾液に蒸発を受けさせた。その残留物をHO/CHClで取り上げた。この混合物を濾過した。その有機層を分離し、乾燥(MgSO)させ、濾過した後、溶媒を蒸発させた。中間体6の収量:2.4g。この生成物を次の反応段階で直接用いた。
Figure 2005538979
中間体6(0.0051モル)と5%Pt/C(0.5g)をEtOH(100ml)に入れることで生じさせた混合物に水添を1.5バールの圧力下で16時間受けさせた後、セライトを用いて濾過した。セライトをCHCl/CHOHで洗浄した。その濾液に蒸発を受けさせた。その残留物をEtOHで取り上げた。その沈澱物を濾別した後、乾燥させた。化合物4の収量は0.25g(12%)であり、これにさらなる修飾を例えば実施例B5、B19に示すようにして受けさせることができた。
実施例B4
Figure 2005538979
中間体9(0.0153モル)と10%Pt/C(1g)をEtOH(200ml)に入れることで生じさせた混合物に水添を1.5バールの圧力下室温で16時間受けさせた後、セライトを用いて濾過した。セライトをCHCl/CHOHで洗浄した。その濾液に蒸発を受けさせた。その残留物をiPrOHで取り上げた。その沈澱物を濾過し、iPrOHに続いてDIPEで洗浄した後、乾燥させた。化合物5の収量は0.5gであり、これにさらなる修飾を例えば実施例B5、B19に示すようにして受けさせることができた。
実施例B5
Figure 2005538979
中間体10(0.0136モル)と5%Pt/C(1g)をEtOH(200ml)に入れることで生じさせた混合物に水添を1.5バールの圧力下室温で18時間受けさせた後、セライトを用いて濾過した。セライトをCHCl/CHOHで洗浄した。その濾液に蒸発を受けさせた。その残留物をiPrOHで取り上げた。その沈澱物を濾過し、iPrOHに続いてDIPEで洗浄した後、乾燥させた(0.17g、3.6%)。再びセライトをCHCl/CHOHで洗浄した。その沈澱物を濾別した後、乾燥させた。化合物6の収量:0.12g(6.2%)。
Figure 2005538979
化合物6(0.0008モル)とN−ピペリジン−エタナール(CA No:3040−44−6)(0.0012モル)とPPh(0.0013モル)をTHF(12ml)に入れることで生じさせた0℃の溶液にN流下でDIAD(0.0013モル)を滴下した。この混合物を室温で12時間撹拌した。HOを加えた。この混合物をCHClで2回抽出した。その有機層を分離し、乾燥(MgSO)させ、濾過した後、溶媒を蒸発させた。その残留物(1.45g)をシリカゲル使用カラムクロマトグラフィー(溶離剤:CHCl/CHOHが88/12;15−40μm)で精製した。高純度画分を集めた後、溶媒を蒸発させた。その残留物(0.2g)をDIPEで取り上げた。その沈澱物を濾別した後、乾燥させた。化合物7の収量:0.17g(44%)。
実施例B6
Figure 2005538979
中間体12(0.0125モル)をHO(3.1ml)とAcOH(50ml)に入れることで生じさせた5℃の混合物にNaNO(0.019モル)を加えた。この混合物を5℃で30分間撹拌した。DIPEを加えた。その残留物をCHCl/10%KCOで取り上げた。この混合物を15分間撹拌した後、セライトを用いて濾過した。そのセライトをCHClで濯いだ。その有機層を分離し、乾燥(MgSO)させ、濾過した後、溶媒を蒸発させた。化合物8およびこれのニトロソ誘導体
Figure 2005538979
の収量:2.4g。
Figure 2005538979
化合物8(0.0030モル)とこれのニトロソ誘導体(0.0030モル)をDMF(20ml)に入れることで生じさせた混合物を90℃で2時間撹拌した後、室温に持っていって、氷水の中に注ぎ出した。その沈澱物を濾別した後、乾燥させた。中間体13の収量:1.34g(59%)。
Figure 2005538979
中間体13(0.0044モル)と2−ヨードプロパン(0.02モル)とKCO(0.0131モル)をジオキサン(200ml)に入れることで生じさせた混合物を撹拌しながら12時間還流させた後、室温に持っていった。溶媒を蒸発させた。その残留物をHOで取り上げた。その混合物を濾過し、HOの後にEtOHに続いてDIPEで洗浄した後、乾燥させた。その残留物(0.85g)をEtOHで取り上げた。その沈澱物を濾別した後、乾燥させた。化合物9の収量:0.682g(36%)。
実施例B7
Figure 2005538979
中間体16(0.0072モル)をHO(1.75ml)とAcOH(27ml)に入れることで生じさせた0から5℃の範囲の温度の混合物にNaNO(0.011モル)を加えた。この混合物を10℃で2時間撹拌した後、DIPEで希釈した。その沈澱物を濾別した後、乾燥させた。化合物10とこれのニトロソ誘導体の収量:5g(>100%)。
Figure 2005538979
化合物17(0.0038モル)とこれのニトロソ誘導体(0.0038モル)をDMF(22ml)に入れることで生じさせた混合物を100℃で1時間撹拌した後、室温に持っていって、DIPEで希釈した。その沈澱物を濾別した後、乾燥させた。中間体17の収量:2.9g(94%)。
Figure 2005538979
中間体17(0.0033モル)と2−ヨードプロパン(0.015モル)とKCO(0.0098モル)をジオキサン(150ml)に入れることで生じさせた混合物を撹拌しながら16時間還流させた後、室温に持っていって、溶媒を蒸発させた。その残留物をHOで取り上げた。その混合物をCHClで抽出した。その有機層を分離し、乾燥(MgSO)させ、濾過した後、溶媒を蒸発させた。その残留物をEtOHで取り上げた。その沈澱物を濾別した後、乾燥させた。この画分を真空下80℃で3時間乾燥させた。化合物11の収量:0.411g(26%)。
実施例B8
Figure 2005538979
中間体24(0.0015モル)をAcOH(6ml)とHO(0.6ml)に入れることで生じさせた5℃の混合物にNaNO(0.0022モル)を加えた。この混合物を室温に持っていった後、6時間撹拌した。ジエチルエーテルを加えた。その沈澱物を濾別した後、乾燥させた。その残留物(0.67g)をシリカゲル使用カラムクロマトグラフィー(溶離剤:CHCl/CHOHが99/1;15−40μm)で精製した。高純度画分を集めた後、溶媒を蒸発させた。化合物12の収量:0.3g(45%)。
実施例B9
Figure 2005538979
中間体25(0.0104モル)をCHCOOH(35ml)とHO(1.8ml)に入れることで生じさせた5℃の混合物にNaNO(0.0125モル)を分割して加えた。この混合物を5℃で30分間撹拌した。エチルエーテルを加えた。その沈澱物を濾別した後、乾燥させた。化合物13とこれのニトロソ誘導体の収量:3.85g(定量的)。
Figure 2005538979
化合物13(0.0052モル)とこれのニトロソ誘導体(0.0052モル)をDMF(38ml)に入れることで生じさせた混合物を90℃で3時間撹拌した後、HOの中に注ぎ出した。その沈澱物を濾別した後、乾燥させた。中間体26の収量は2.03g(57%)であり、これにさらなる修飾を例えば実施例B14−B18に記述した如く受けさせることができる。
実施例B10
Figure 2005538979
中間体28(0.016モル)をAcOH(37.3ml)とHO(2ml)に入れることで生じさせた5から10℃の範囲の温度の溶液にNaNO(0.0176モル)を分割して加えた。この混合物を10℃で2時間撹拌した後、DIPEの中に注ぎ出した。その沈澱物を濾過した。この混合物をCHCl/CHOHで取り上げた。溶媒を蒸発させた。化合物14の収量:7.3g(100%)。
Figure 2005538979
化合物14(0.0073モル)とこれのニトロソ誘導体(0.0073モル)をDMF(30ml)に入れることで生じさせた混合物を90℃で4時間撹拌した。その沈澱物を濾過した。その濾液に蒸発を受けさせた。中間体29の収量は29(22%)であり、これにさらなる修飾を例えば実施例B14−B18に記述した如く受けさせることで式Iで表される化合物を生じさせることができる。
実施例B11
Figure 2005538979
中間体34(0.0022モル)をHO(0.55ml)とAcOH(15ml)に入れることで生じさせた5℃の混合物にNaNO(0.0029モル)を加えた。この混合物を室温で48時間撹拌し、氷の上に注ぎ出した後、KCOで塩基性にした。その沈澱物を濾過し、iPrOHで洗浄した後、乾燥させた。化合物16とこれのニトロソ誘導体の収量:0.9g(100%)。この生成物をさらなる精製なしに用いた。
Figure 2005538979
化合物16(0.0010モル)とこれのニトロソ誘導体(0.0010モル)と1,4−ジメルカプト−2,3−ブタンジオール(0.0064モル)をCHOH(10ml)に入れることで生じさせた混合物を室温で3日間撹拌した。1,4−ジメルカプト−2,3−ブタンジオール(0.0064モル)を加えた。この混合物を更に1日撹拌し、HOの中に注ぎ出し、CHClで抽出した後、濾過した。中間体35の収量:0.2g。その有機層を分離し、乾燥(MgSO)させ、濾過した後、溶媒を蒸発させた。その残留物をクロマシル使用カラムクロマトグラフィー(溶離剤:CHCl/EtOAcが95/5;5μm)で精製した。高純度画分を集めた後、溶媒を蒸発させた。中間体35の収量:0.084g(10%)。中間体35にさらなる修飾を例えば実施例B14−B18に示した如く受けさせること式Iで表される化合物を生じさせることができる。
実施例B12
Figure 2005538979
中間体36(0.0036モル)をAcOH(15ml)とHO(0.8ml)に入れることで生じさせた0から5℃の範囲の温度の混合物にNaNO(0.0041モル)を分割して加えた。この混合物を10℃で3時間撹拌した後、室温で一晩撹拌し、DIPEで希釈した。ゴム状物をCHCl/CHOHで取り上げた後、乾固するまで蒸発させた。化合物17とこれのニトロソ誘導体(混合物)の収量:2g。この混合物を次の反応段階で直接用いた。
Figure 2005538979
化合物17(0.0018モル)とこれのニトロソ誘導体(0.0018モル)をDMF(15ml)に入れることで生じさせた混合物を90℃で4時間撹拌した後、冷却し、DIPEで洗浄した後、乾燥させた。中間体37の収量は37(47%)であり、これに変換を例えば実施例B14−B18に記述した如く受けさせることで式Iで表される化合物を生じさせることができた。
実施例B13
Figure 2005538979
中間体39(0.0035モル)をAcOH(15ml)とHO(0.8ml)に入れることで生じさせた混合物を0から5℃の範囲の温度に冷却した。NaNO(0.004モル)を分割して加えた。この混合物を10℃で3時間撹拌した。DIPE(250ml)を加えた。その沈澱物を濾過し、DIPEで洗浄した後、乾燥させた。化合物18とこれのニトロソ誘導体(混合物)の収量:1g。
Figure 2005538979
化合物18(0.0013モル)とこれのニトロソ誘導体(0.0013モル)をDMF(10ml)に入れることで生じさせた混合物を90℃で4時間撹拌した後、冷却し、溶媒を真空下で蒸発させた。その沈澱物を濾過し、ジエチルエーテルで洗浄した後、乾燥させた。中間体40の収量:0.9g。この生成物をとりわけ実施例B15−B19に示した如き反応スキームを用いた次の反応段階で直接用いることでそれを式Iで表される化合物に変化させた。
実施例B14
Figure 2005538979
6−メチル−3−フェニル−ピリミド[5,4−e]−1,2,4−トリアジン−5,7(1H,6H)−ジオン(CA No:42285−76−7)(0.0039モル)をジオキサン(60ml)に入れることで生じさせた混合物にKCO(0.0068モル)に続いて2−ブロモペンタン(0.0117モル)を加えた。この混合物を撹拌しながら48時間還流させた。溶媒を乾固まで蒸発させた。その残留物をCHClで取り上げた後、HOで洗浄した。その有機層を分離し、乾燥(MgSO)させ、濾過した後、溶媒を蒸発させた。その残留物(1g)をシリカゲル使用カラムクロマトグラフィー(溶離剤:CHCl/CHOHが99.5/0.5;35−70μm)で精製した。高純度画分を集めた後、溶媒を蒸発させた。その残留物(0.45g)をEtOHから結晶化させた。その沈澱物を濾別した後、乾燥させた。化合物19の収量:0.15g(12%)。
実施例B15
Figure 2005538979
6−メチル−3−フェニル−ピリミド[5,4−e]−1,2,4−トリアジン−5,7(1H,6H)−ジオン(CA No:42285−76−7)[本明細書では以降中間体41と呼ぶ](0.0019モル)をジオキサン(45ml)に入れることで生じさせた混合物にKCO(0.0034モル)に続いて(1−ブロモエチル)ベンゼン(0.0058モル)を加えた。この混合物を撹拌しながら5時間還流させた。溶媒を乾固まで蒸発させた。その残留物をHOで取り上げた後、CHClで洗浄した。その有機層を分離し、乾燥(MgSO)させ、濾過した後、溶媒を蒸発させた。その残留物をシリカゲル使用カラムクロマトグラフィー(溶離剤:CHCl/CHOHが99/1;35−70μm)で精製した。高純度画分を集めた後、溶媒を蒸発させた。その残留物を2−プロパノールから結晶化させた。その沈澱物を濾別した後、乾燥させた。化合物20の収量:0.18g(26%)。
実施例B16
Figure 2005538979
中間体41(0.0075モル)とブロモジフェニルメタン(0.0082モル)とKCO(0.0082モル)をジオキサン(70ml)に入れることで生じさせた混合物を撹拌しながら1時間還流させた後、室温に持っていって、溶媒を蒸発させた。その残留物をHOで取り上げた後、CHClで2回抽出した。その有機層を分離し、乾燥(MgSO)させ、濾過した後、溶媒を蒸発させた。その残留物をEtOHで取り上げた。その沈澱物を濾別した後、乾燥させた。化合物21の収量:0.213g。
実施例B17
Figure 2005538979
中間体41(0.0039モル)と2−ブロモプロピオン酸エチル(CA No.:535−11−5)(0.0117モル)とKCO(0.0117モル)をジオキサン(50ml)に入れることで生じさせた混合物を100℃で1時間撹拌した。溶媒を蒸発させた。その残留物をCHClで取り上げた。その有機層をHOで洗浄し、分離し、乾燥(MgSO)させ、濾過した後、溶媒を蒸発させた。その残留物(1.2g)をシリカゲル使用カラムクロマトグラフィー(溶離剤:CHCl/CHOHが99.5/0.5;15−40μm)で精製した。高純度画分を集めた後、溶媒を蒸発させた。その残留物をジエチルエーテルから結晶化させた。その沈澱物を濾別した後、乾燥させた。化合物22の収量:0.06g(4%)。
実施例B18
Figure 2005538979
中間体41(0.0078モル)とt−ブチル−4−ヨードピペリジン−1−カルボキシレート(CA No.:301673−14−3)(0.0235モル)とKCO(2.17g)をジオキサン(150ml)に入れることで生じさせた混合物を密封容器に入れて撹拌しながら一晩還流させた。溶媒を乾固まで蒸発させた。その残留物をHOで取り上げた。その混合物をCHClで抽出した。その有機層を分離し、乾燥(MgSO)させ、濾過した後、溶媒を蒸発させた。その残留物をEtOHから結晶化させた。化合物23の収量:0.95g(28%)。
Figure 2005538979
化合物24(0.0005モル)をHCl(イソプロパノール中5−6N)(0.4ml)とイソプロパノール(10ml)に入れることで生じさせた混合物を50℃で週末の間撹拌した。その沈澱物を濾別した後、乾燥させた。化合物24の収量:0.15g(84%)。
実施例B19
Figure 2005538979
化合物4(0.0006モル)とN−ピペリジン−エタナール(CA No.:3040−44−6)(0.0007モル)とPPh(0.0009モル)をTHF(5ml)に入れることで生じさせた5℃の混合物にN流下でDIAD(0.0008モル)を加えた。この混合物を室温で12時間撹拌し、HOの中に注ぎ出した後、CHClで抽出した。その有機層を分離し、乾燥(MgSO)させ、濾過した後、溶媒を蒸発させた。その残留物(1g)をシリカゲル使用カラムクロマトグラフィー(溶離剤:CHCl/CHOHが97/3;15−35μm)で精製した。高純度画分を集めた後、溶媒を蒸発させた。その残留物(0.09g)をDIPEで取り上げた。その沈澱物を濾別した後、乾燥させた。化合物25の収量:0.058g(18%)。
表1および2に、この上に示した実施例の1つに従って調製した如き本発明の化合物を挙げる。
Figure 2005538979
Figure 2005538979
Figure 2005538979
Figure 2005538979
Figure 2005538979
Figure 2005538979
Figure 2005538979
Figure 2005538979
Figure 2005538979
C. 薬理学的実施例
実施例C.1:シンチラントプロキシミティーアッセイを用いたcdk4のインビトロ阻害
シンチラントプロキシミティーアッセイ(scintillant proximity assay)(SPA)は一般に米国特許第4,568,649号(Amersham Pharmacia Biotech)に記述されている。本cdk4 SPAキナーゼ反応アッセイでは、グルタチオン−S−トランスフェラーゼ(GST)の標識を付けておいたレスチノブラストーマ(restinoblastoma)蛋白質(pRb)フラグメントを含むキナーゼ基質を上述した蛋白質と一緒に(33P)放射能標識付きATPの存在下でインキュベートした。その後、グルタチオン被覆SPAビード(Amersham Pharmacia Biotech)を用いて、標識を付けておいたGSTを捕捉しそしてそれと放射能標識付きレスチノブラストーマ蛋白質の結合を定量化することで、前記基質の(33P)燐酸化を発する光のエネルギーとして測定する。
詳細な説明
96個ウエルのミクロタイタープレートを用いてCDK4 SPAキナーゼ反応を室温で30分間実施する。試験を受けさせる化合物の各々に関して、総用量反応(full dose response)(10−5Mから3.10−9M)を実施した。フラボピリドールを標準化合物として用いた。体積が100μlの反応にHepesを50mM、NaFを10mM、MgClを10mM、NaVO(pH7.5)を1mM、CDK4細胞溶解産物をウエル1個当たり1.5μg、標識の付いていないATPを0.2μM、GST−pRbをウエル1個当たり1.7μg、AT33Pを1.7nMおよびDMSO溶液を1μl含める。PBS中0.1mMのNaEDTAと0.1mMの標識の付いていないATPと0.05%のTriton−X−100と10mg/mlのグルタチオン被覆ビードを用いて反応混合物を1/2に希釈することで反応を停止させた。前記ミクロタイタープレートを900rpmの遠心分離に10分間かけた後、ミクロタイタープレートシンチレーションカウンターを用いて計数(1分間/ウエル)を行うことで燐酸化した(33P)pRbの量を測定する。
実施例C.2:シンチラントプロキシミティーアッセイを用いたAKT3のインビトロ阻害
シンチラントプロキシミティーアッセイ(SPA)は一般に米国特許第4,568,649号(Amersham Pharmacia Biotech)に記述されている。本AKT3 SPAキナーゼ反応アッセイでは、ビオチンの標識を付けておいたヒストンH2Bフラグメントで構成させたキナーゼ基質を上述した蛋白質と一緒に(33P)放射能標識付きATPの存在下でインキュベートした。その後、ストレプトアビジン被覆SPAビード(Amersham Pharmacia Biotech)を用いて、標識を付けておいたビオチンを捕捉しそしてそれと放射能標識付きヒストンH2Bフラグメントの結合を定量化することで、前記基質の(33P)燐酸化を発する光のエネルギーとして測定する。
詳細な説明
96個ウエルのミクロタイタープレートを用いてAKT3 SPAキナーゼ反応を25℃で3時間実施する。試験を受けさせる化合物の各々に関して、総用量反応(10−5Mから3.10−9M)を実施した。スタウロスポリンを標準化合物として用いた(10−7Mから10−9M)。このアッセイを25mMのHepes(pH7.0)[これにMgClを15mMとDTTを1mM入れた]の存在下で実施した。体積が100μlの反応にAKT3[25mMのHepes(pH7.0)(これにMgClを15mMとDTTを1mM入れた)で希釈]を111nMとビオチニル化ヒストンH2Bを0.75μMとATP−P33を2nM含めて各アッセイを実施した。停止用混合物(50μMのATP、5mMのEDTA、0.1%のBSA、0.1%のTriton−X−100および7.5mg/mlのストレプトアビジン被覆PVT SPAビード)を100μl添加することで反応を停止させた。前記ビードを30分間沈降させた後、ミクロタイタープレートシンチレーションカウンターを用いて前記アッセイ用混合物に計数を受けさせた。
実施例C.3:フィルターアッセイを用いたAKT3のインビトロ阻害
本AKT3フィルターアッセイでは、ヒストンH2Bのフラグメントで構成させたキナーゼ基質を上述した蛋白質と一緒に(33P)放射能標識付きATPの存在下でインキュベートした。(33P)燐酸化した基質はホスホセルロースカチオン交換フィルターと結合し、これはインキュベーション混合物から容易に取り出し可能であり、ミクロプレートシンチレーションカウンターを用いてそれに計数を受けさせることができる。
詳細な説明
AKT3フィルターアッセイを25mMのHepes(pH7.0)[これにMgClを15mMとDTTを1mM入れた]の存在下25℃で3時間実施した。体積が100μlの反応にAKT3[25mMのHepes(pH7.0)(これにMgClを15mMとDTTを1mM入れた)で希釈]を111nMとヒストンH2Bを2.5μMとATP−P33を2nM含めて各アッセイを実施した。75mMのHPOを100μl添加することで反応を停止させた。90μlのアッセイ用混合物をホスホセルロースカチオン交換紙に通して濾過した。その濾紙を75μMのHPOで5回洗浄した後、ミクロタイタープレートシンチレーションカウンターを用いてそれに計数を受けさせた。
実施例C.4:ELISAを用いたAKT3の細胞阻害
マイトジエン活性化したプロテインキナーゼ(MAPK)のAKT3媒介性燐酸化に対して化合物が示す阻害効果を評価する目的で、ヒト乳腺癌系(MDA−MB231)を燐特異的(phosphospecific)抗体細胞ELISA(PACE)で用いた。本実験では、MDA−MB231細胞を24時間に渡って血清欠乏状態(serum starved)にした(5%CO;37℃)。その後、前記細胞を20μM(血清が入っていない培地中)のホスファチジルイノシトール3−キナーゼ阻害剤Ly294002(Alexis、サンディエゴ、CA)と一緒に室温で2時間インキュベートした後、当該化合物(1nMから3μMの範囲の最終濃度)と一緒に30分間インキュベートした。その細胞を20分間固着(fixation)(4.5%のホルムアルデヒドを用いて)させそしてPBS(0.1M)で洗浄した後、逐次的にPBS中0.1%のTriton−X−100と一緒に5分間、0.6%のHと一緒に20分間そしてブロッキング用緩衝液としての2%BSA溶液と一緒に1時間インキュベートした。0.4μgのマウス抗−ホスホ−MAPK E10(NEB、#9106)と一緒に4℃で一晩インキュベートした後、0.5μgの抗マウスIgG HRP(Promega、#W402B)を二次抗体として用いた後にOPD(Sigma、#8287)を検出用緩衝液として用いてインキュベーションを15分間行うことで、燐酸化したMAPKを確認した。OD(490−655nm)を用いて燐酸化したMAPKの量を示し、そして当該化合物のpIC50はブランク(blanco)(0.1%DMSO)または内部標準化合物による処置と比較した時の効果を基にしたpIC50である。
実施例C.5:蛍光源基質3−OMFPを用いたCDC25Bのインビトロ阻害
蛍光源基質(fluorogenic substrate)である3−O−メチル−フルオロセイン−ホスフェート(3−OMFP)を用いてCDC25Bホスファターゼの活性を評価する。容積が50μlの黒色ミクロタイタープレートを用いてホスファターゼ反応を室温で1時間実施する。反応混合物にCDC25Bを4μg/ml、3−OMFPを15μM、Trisを15mM、NaClを50mM、DTTを1mM、NaEDTA(pH8.0)を1mMおよび0.1%のDMSO溶液を10−5M入れ、そしてこれらのヒット(hits)に試験を同じ条件下で総用量反応が10−5、3.10−6、10−6および3.10−7Mになるように受けさせる。485nm(励起)および538(発光)の所の蛍光シグナルを測定することで酵素活性を決定する。
実施例C.6:ELISAを用いたAKT3の細胞阻害
マイトジエン活性化したプロテインキナーゼ(MAPK)のAKT3媒介性燐酸化に対して化合物が示す阻害効果を評価する目的で、ヒト乳腺癌系(MDA−MB231)を燐特異的抗体細胞ELISA(PACE)で用いた。本実験では、MDA−MB231細胞を24時間に渡って血清欠乏状態にした(5%CO;37℃)。その後、前記細胞を20μM(血清が入っていない培地中)のホスファチジルイノシトール3−キナーゼ阻害剤Ly294002(Alexis、サンディエゴ、CA)と一緒に室温で2時間インキュベートした後、当該化合物(1nMから3μMの範囲の最終濃度)と一緒に30分間インキュベートした。その細胞を20分間固着(4.5%のホルムアルデヒドを用いて)させそしてPBS(0.1M)で洗浄した後、逐次的にPBS中0.1%のTriton−X−100と一緒に5分間、0.6%のHと一緒に20分間そしてブロッキング用緩衝液としての2%BSA溶液と一緒に1時間インキュベートした。0.4μgのマウス抗−ホスホ−MAPK E10(NEB、#9106)と一緒に4℃で一晩インキュベートした後、0.5μgの抗マウスIgG HRP(Promega、#W402B)を二次抗体として用いた後にOPD(Sigma、#8287)を検出用緩衝液として用いてインキュベーションを15分間行うことで、燐酸化したMAPKを確認した。OD(490−655nm)を用いて燐酸化したMAPKの量を示し、そして当該化合物のpIC50はブランク(0.1%DMSO)または内部標準化合物による処置と比較した時の効果を基にしたpIC50である。
以下の表に、本発明に従う化合物は溶解性が向上していることに伴って交差キナーゼ活性(cross kinase activity)を有することを示す。
Figure 2005538979
Figure 2005538979
D. 組成物実施例
本発明に従って動物およびヒト被験体に全身投与するに適した典型的な製薬学的組成物を以下の配合に例示する。
本実施例の全体に渡って用いる如き「有効成分」(A.I.)は、式(I)で表される化合物またはこれの製薬学的に受け入れられる付加塩に関する。
実施例D.1:膜被覆錠剤
錠剤中心部の調製
A.I.(100g)とラクトース(570g)と澱粉(200g)の混合物を充分に混合した後、ドデシル硫酸ナトリウム(5g)とポリビニルピロリドン(10g)を約200mlの水に入れることで生じさせた溶液で湿らせた。この湿らせた粉末混合物をふるいにかけ、乾燥させた後、再びふるいにかけた。次に、微結晶性セルロース(100g)および水添植物油(15g)を加えた。その全体を充分に混合した後、圧縮して錠剤にすることで、各々が有効成分を10mg含有する錠剤を10,000個得た。
被覆
メチルセルロース(10g)を変性エタノール(75ml)に入れることで生じさせた溶液に、エチルセルロース(5g)をCHCl(150ml)に入れることで生じさせた溶液を加えた。次に、CHCl(75ml)および1,2,3−プロパントリオール(2.5ml)を加えた。ポリエチレングリコール(10g)を溶融させてジクロロメタン(75ml)に溶解させた。後者の溶液を前者に加えた後、オクタデカン酸マグネシウム(2.5g)、ポリビニルピロリドン(5g)および濃カラー懸濁液(concentrated colour suspension)(30ml)加えて、その全体を均一にした。被覆装置を用いて、そのようにして得た混合物で前記錠剤中心部を覆った。

Claims (12)


  1. Figure 2005538979
    [式中、
    nは、0、1または2の整数を表し、
    mは、0または1の整数を表し、
    は、水素、Ar、C1−4アルキル;またはモルホリニルもしくはピリジニルで置換されているC1−4アルキルを表し、
    は、水素、フェニル、C1−4アルキル、C1−4アルキルオキシカルボニル;またはヒドロキシ、フェニルもしくは−オキシ−ハロフェニルで置換されているC1−4アルキルを表し、
    は、水素、フェニル、C1−4アルキル、C1−4アルキルオキシカルボニル;またはヒドロキシ、フェニルもしくは−オキシ−ハロフェニルで置換されているC1−4アルキルを表すか、或は
    とRがこれらが結合している炭素原子と一緒になってC3−8シクロアルキルまたはHetを形成しており、ここで、前記C3−8シクロアルキルまたはHetは各々独立して場合により各々がC1−4アルキルオキシカルボニル、−C1−4アルキル−Ar、C1−4アルキルスルホニル、アミノスルホニル、モノ−もしくはジ(C1−4アルキル)アミノスルホニルまたは−C(=NH)−NHから独立して選択される1個または可能ならば2または3個の置換基で置換されていてもよく、
    は、ハロ、ニトロ、ヒドロキシまたはC1−4アルキルオキシを表し、
    は、ホルミル、ヒドロキシ、シアノ、フェニル、−O−Ar、NR、C1−4アルキル、C1−4アルキルオキシ、C1−4アルキルスルホニル、C1−4アルキルカルボニル、C1−4アルキルオキシカルボニル、−O−(モノ−もしくはジ(C1−4アルキル)アミノスルホニル)、Het、−SO−Het;場合によりフェニルで置換されていてもよいC2−6アルケニル;ヒドロキシ、ハロ、Het、NRまたはホルミルから選択される1個または可能ならばそれ以上の置換基で置換されているC1−4アルキル;ハロ、アミノ、モノ−もしくはジ(C1−4アルキル)アミノスルホニル、アミノスルホニル、Het、NRまたは−C(=O)−Hetから選択される1個または可能ならばそれ以上の置換基で置換されているC1−4アルキルオキシを表し、
    およびRは、各々独立して、水素、C1−4アルキル、C1−4アルキルオキシC1−4アルキル、Het;またはヒドロキシ、Het、C1−4アルキルオキシカルボニルまたはC1−4アルキルスルホニルから選択される1個または可能ならばそれ以上の置換基で置換されているC1−4アルキルから選択され、
    およびRは、各々独立して、水素、C1−4アルキル、C1−4アルキルオキシカルボニル、Het、モノ−もしくはジ(C1−4アルキル)アミノスルホニルまたはアミノスルホニルから選択され、
    Hetは、ピペリジニルまたはジヒドロインデニルを表し、
    Hetは、ピペリジニル、モルホリニルまたはピペラジニルから選択される複素環を表し、ここで、前記単環状複素環は各々が独立して場合により各々がC1−4アルキルオキシカルボニルから独立して選択される1個または可能ならば2または3個の置換基で置換されていてもよく、
    Hetは、モルホリニル、ピロリジニル、ピロリル、ピペリジニルまたはピペラジニルから選択される複素環を表し、ここで、前記単環状複素環は各々が独立して場合により各々がヒドロキシ、C1−4アルキル、C1−4アルキルオキシカルボニル、ヒドロキシC1−4アルキル、アミノスルホニル、NR1011、イミダゾリル、テトラヒドロピリミジニル、アミノ、モノもしくはジ(C1−4アルキル)アミノスルホニル、ヒドロキシC1−4アルキルオキシC1−4アルキル、C1−4アルキルオキシC1−4アルキルまたはC1−4アルキルオキシから独立して選択される1個または可能ならば2または3個の置換基で置換されていてもよく、
    10およびR11は、各々独立して、水素、C1−4アルキル、C1−4アルキルオキシカルボニル、アミノスルホニルまたはモノ−もしくはジ(C1−4アルキル)アミノスルホニルから選択され、
    Hetは、モルホリニル、ピペリジニル、イミダゾリルまたはピペラジニルから選択される複素環を表し、ここで、前記単環状複素環は各々が独立して場合により各々がヒドロキシ、C1−4アルキル、C1−4アルキルオキシカルボニル、アミノスルホニルまたはモノもしくはジ(C1−4アルキル)アミノスルホニルから独立して選択される1個または可能ならば2または3個の置換基で置換されていてもよいか、或はHetは、式(i):
    Figure 2005538979
    で表される一価基を表し、
    Hetは、ピリジニル、ピリミジニル、ピロリジニルまたはピペリジニルから選択される複素環を表し、ここで、前記単環状複素環は各々が独立して場合により各々がC1−4アルキル、C1−4アルキルオキシカルボニル、アミノスルホニル、C1−4アルキルアミノスルホニルまたはモノ−もしくはジ(C1−4アルキル)アミノスルホニルから独立して選択される1個または可能ならば2または3個の置換基で置換されていてもよく、
    Hetは、モルホリニルを表し、
    Hetは、場合によりC1−4アルキルフェニル、C1−4アルキルオキシカルボニル、アミノスルホニルまたはモノ−もしくはジ(C1−4アルキル)アミノスルホニルで置換されていてもよいピリジニル、ピペリジニル、ピペラジニルもしくはピリミジニルを表し、
    Arは、フェニルまたはナフタレニルから選択されるアリール置換基を表し、ここで、前記アリール置換基は各々が独立して場合により各々がニトロまたはC1−4アルキルオキシカルボニルから独立して選択される1個または可能ならば2または3個の置換基で置換されていてもよく、
    Arは、場合により各々がハロおよびニトロから成る群から独立して選択される1個または可能ならば2または3個の置換基で置換されていてもよいフェニルを表し、
    Arは、フェニルから成る群から選択されるアリール置換基を表す]
    で表される化合物、これのN−オキサイド形態、製薬学的に受け入れられる付加塩および立体化学異性体形態。
  2. がAr、C1−4アルキル、好適にはメチル;またはモルホリニルで置換されているC1−4アルキルを表し、
    が水素またはC1−4アルキルを表し、
    が水素またはC1−4アルキルを表すか、或は
    とRがこれらが結合している炭素原子と一緒になってC3−8シクロアルキルまたはHetを形成しており、ここで、前記C3−8シクロアルキルまたはHetが各々独立して場合によりC1−4アルキルオキシカルボニルで置換されていてもよく、
    がハロ、好適にはクロロを表すか、或はRがC1−4アルキルオキシ、好適にはメトキシを表し、
    がC1−4アルキルオキシカルボニル、−O−(モノ−もしくはジ(C1−4アルキル)アミノスルホニル);HetまたはNRから選択される1個または可能ならばそれ以上の置換基で置換されているC1−4アルキル;アミノ、HetまたはNRから選択される1個または可能ならばそれ以上の置換基で置換されているC1−4アルキルオキシを表し、
    およびRが各々独立して水素、C1−4アルキル、C1−4アルキルオキシC1−4アルキル、Het;またはヒドロキシまたはHetから選択される1個または可能ならばそれ以上の置換基で置換されているC1−4アルキルから選択され、
    およびRが各々独立して水素、C1−4アルキル、C1−4アルキルオキシカルボニル、Hetまたはモノ−もしくはジ(C1−4アルキル)アミノスルホニルから選択され、
    Hetがピペリジニルを表し、
    Hetがモルホリニル、ピロリジニル、ピペリジニルまたはピペラジニルから選択される複素環を表し、ここで、前記単環状複素環が各々独立して場合により各々がヒドロキシ、C1−4アルキル、アミノスルホニル、アミノ、モノもしくはジ(C1−4アルキル)アミノスルホニル、ヒドロキシC1−4アルキルオキシC1−4アルキルまたはC1−4アルキルオキシから独立して選択される1個または可能ならば2または3個の置換基で置換されていてもよく、
    Hetが場合によりモノ−もしくはジ(C1−4アルキル)アミノスルホニルで置換されていてもよいピリジニルを表し、
    Hetが場合によりC1−4アルキルフェニル、C1−4アルキルオキシカルボニルまたはモノ−もしくはジ(C1−4アルキル)アミノスルホニルで置換されていてもよいピペリジニルを表し、
    Arがフェニルまたはナフタレニルから選択されるアリール置換基を表す、
    請求項1記載の化合物。
  3. がC1−4アルキル、好適にはメチルを表し、
    がC1−4アルキル、好適にはメチルを表し、
    がC1−4アルキル、好適にはメチルを表すか、或は
    とRがこれらが結合している炭素原子と一緒になってC3−8シクロアルキル、好適にはシクロペンチルまたはHet、好適にはピペリジニルを形成しており、ここで、前記C3−8シクロアルキルまたはHetが各々独立して場合によりC1−4アルキルオキシカルボニル、好適にはt−ブトキシカルボニルで置換されていてもよく、
    がハロまたはC1−4アルキルオキシを表し、
    がC1−4アルキルオキシカルボニル、−O−(モノ−もしくはジ(C1−4アルキル)アミノスルホニル);HetまたはNRから選択される1個または可能ならばそれ以上の置換基で置換されているC1−4アルキル;アミノ、HetまたはNRから選択される1個または可能ならばそれ以上の置換基で置換されているC1−4アルキルオキシを表し、
    およびRが各々独立して水素、C1−4アルキル、C1−4アルキルオキシC1−4アルキル、−Het;またはヒドロキシまたはHetから選択される1個または可能ならばそれ以上の置換基で置換されているC1−4アルキルから選択され、
    およびRが各々独立して水素、C1−4アルキル、−Hetまたはモノ−もしくはジ(C1−4アルキル)アミノスルホニルから選択され、
    Hetがピペリジニルまたはピペラジニルから選択される複素環を表し、ここで、前記単環状複素環が各々独立して場合により各々がヒドロキシ、アミノスルホニル、アミノ、モノもしくはジ(C1−4アルキル)アミノスルホニル、ヒドロキシC1−4アルキルオキシC1−4アルキルまたはC1−4アルキルオキシから独立して選択される1個または可能ならば2または3個の置換基で置換されていてもよく、
    Hetがモルホリニル、ピペリジニルまたはピペラジニルから選択される複素環を表し、ここで、前記単環状複素環が各々独立して場合により各々がC1−4アルキル、C1−4アルキルオキシカルボニルまたはモノもしくはジ(C1−4アルキル)アミノスルホニルから独立して選択される1個または可能ならば2または3個の置換基で置換されていてもよく、
    Hetがピリジニルまたはピペリジニルから選択される複素環を表し、ここで、前記単環状複素環が各々独立して場合により各々がアミノスルホニルまたはモノ−もしくはジ(C1−4アルキル)アミノスルホニルから独立して選択される1個または可能ならば2または3個の置換基で置換されていてもよく、
    Hetがピペリジニルを表す、
    請求項1記載の化合物。
  4. とRがこれらが結合している炭素原子と一緒になってC3−8シクロアルキル、好適にはシクロペンチルを形成している請求項1から3のいずれか1項記載の化合物。
  5. がホルミル、ヒドロキシ、シアノ、フェニル、−O−Ar、NR、C1−4アルキルスルホニル、C1−4アルキルカルボニル、C1−4アルキルオキシカルボニル、−O−(モノ−もしくはジ(C1−4アルキル)アミノスルホニル)、Het、−SO−Het;場合によりフェニルで置換されていてもよいC2−6アルケニル;ヒドロキシ、ハロ、Het、NRまたはホルミルから選択される1個または可能ならばそれ以上の置換基で置換されているC1−4アルキル;またはハロ、アミノ、モノ−もしくはジ(C1−4アルキル)アミノスルホニル、アミノスルホニル、Het、NRまたは−C(=O)−Hetから選択される1個または可能ならばそれ以上の置換基で置換されているC1−4アルキルオキシを表す請求項1記載の化合物。
  6. がNRを表す時にRまたはRのいずれかがC1−4アルキルスルホニルまたはC1−4アルキルカルボニル、好適にはメチルスルホニルまたはメチルカルボニルを表すことを条件とする請求項1または5記載の化合物。
  7. がHetで置換されているC1−4アルキルオキシを表す時に前記Hetがモルホリニル、ピペリジニル、ピペラジニル;および1個のC1−4アルキル置換基、好適にはメチル、より好適にはR置換基を持つ炭素原子を基準にしてパラ位に位置するメチルで置換されているピペラジニルから成る群から選択されるか或はHetが1個のモノ−もしくはジ(C1−4アルキル)アミノスルホニル置換基、好適にはジメチルアミノスルホニル、より好適にはR置換基を持つ炭素原子を基準にしてパラ位に位置するジメチルアミノスルホニルで置換されているピペラジニルから成ることを条件とする請求項1から5のいずれか1項記載の化合物。
  8. 製薬学的に受け入れられる担体と請求項1から7のいずれか1項記載の化合物を有効成分として有効キナーゼ阻害量で含んで成る製薬学的組成物。
  9. 請求項8記載の製薬学的組成物を製造する方法であって、製薬学的に受け入れられる担体と有効キナーゼ阻害量の請求項1から7のいずれか1項記載の化合物を密に混合することを特徴とする方法。
  10. 医薬として使用するための請求項1から7のいずれか1項記載の化合物。
  11. 細胞増殖症、例えばアテローム性動脈硬化症、再狭窄および癌などを治療するための薬剤の製造における請求項1から7のいずれか1項記載の化合物の使用。
  12. 請求項1記載の化合物を製造する方法であって、
    i)式(V)で表される第一級アミンと式(VI)で表されるアルデヒドをエタノールを適切な溶媒として用いた縮合反応で反応させ、
    Figure 2005538979
    ii)次に、そのようにして得た式(II)で表されるシッフ塩基にNaNOを用いたニトロソ環化を酢酸中で受けさせそして式(III)で表されるニトロソ中間体をジチオトレイトール(DTT)を更に含有する適切な溶媒、例えば無水酢酸またはエタノールなど中で還流させる、
    Figure 2005538979
    ことを特徴とする方法。
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