JP2005538033A - 過剰なあるいは不適切な新脈管形成によって特徴付けられる病状の治療 - Google Patents

過剰なあるいは不適切な新脈管形成によって特徴付けられる病状の治療 Download PDF

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Abstract

例えば、糖尿病性網膜症や、黄斑変性に伴う、視力障害となるあるいは資料障害となる可能性のある新生血管を含む、過剰なあるいは不適当な新生血管を低減する方法を開示している。新生血管領域は、金属ナノシェルを含むナノ粒子のターゲットとなる。ナノ粒子は、好ましくはレーザで発光し、その部分を加熱し、好ましくない血管を除去する。ナノ粒子は、例えば、抗体、抗体フラグメント、タンパク質結合レセプタ、他の蛋白質、または成長因子を含む分を含むターゲッティング剤を用いて架橋することによって、新生血管に導かれる。

Description

本発明は、2001年12月3日に提出した暫定出願第60/336,824号の利益を請求するものである。
発明の背景
黄斑変性、糖尿病性網膜症、癌、回復期創傷などのある種の病状、および状況は、過剰なあるいは不適切な新脈管形成によって特徴付けられる。黄斑変性および糖尿病性網膜症はいずれも、視力を失うかあるいは視力が悪化することがある。これらの病気では、網膜中に増殖する新しい血管が、視力障害を引き起こす主な原因である。癌の場合は、腫瘍が新しい血管の成長を促進し、その腫瘍の成長を助長する。傷に関連して生じる新脈管形成は、治癒を阻害することがある。
黄斑変性は、読書やドライブなどの活動に必要な鮮明で直接的な視力を担っている網膜の光を感じる部分である、黄斑の破損に関係する。黄斑変性は、65歳以上の人により多く見られ、白人と女性にリスクが高い。黄斑変性のほとんどは加齢に関係しているが(加齢性黄斑変性)、ある種の薬剤の副作用として生じることもあり、また家系に見られることもある。
加齢性黄斑変性(Age-related macular degeneration: AMD)は、ドライ型(萎縮性)あるいはウエット型(滲出性)のいずれかの診断がなされる。ドライ型は、ウエット型より多く見られ、約90%のAMD患者はドライ型AMDと診断されている。ウエット型は、ほとんどの場合、より深刻な視力喪失を引き起こす。ウエット型AMDは、AMD患者の約10%を占めているが、AMDによって深刻な視力喪失をする患者のほぼ90%に当たる(国立眼科研究所:National Eye Institute)。
ウエットAMDでは、新しく不完全に形成された血管が網膜の下で(脈絡膜から)成長し、血液と体液が網膜と網膜下腔に漏れる。この漏れによって網膜細胞が死んでしまい、窩(中心黄斑)に傷跡を残し、この瘢痕が中心視界にブラインドスポットを作る。
糖尿病性網膜症は、糖尿病の合併症である。増殖性糖尿病網膜症では、新しい血管が網膜の表面で成長する。これらの新しい血管は、破裂して硝子体液中に出血することがあるため、深刻な視覚障害を引き起こすことがある。増殖性網膜症は、この疾病の深刻な病状であり、失明することもある。糖尿病性網膜症は、20〜74歳の成人の失明の主要な原因である。糖尿病患者は、高血糖症(高血中グルコースレベル)が網膜の酸素欠乏(虚血)を起こすことがある。網膜虚血は、更なる血管の増殖(新血管形成)を誘発する脈管形成因子の放出を刺激すると考えられている。これらの血管は脆く、破裂して周辺の網膜細胞内に出血することがある。これが、目の中に瘢痕を作り、網膜を前側に引っ張って、剥離が生じ、視力が完全に失われることになる。
酸素が欠乏し始めると、過剰に成長因子が放出され、新血管形成を促進する。これらの様々な成長因子の内、血管内皮成長因子(VEGF)が放出され、これらの血管を内張りしている内皮細胞に移動する。網膜の血管は、VEGFレセプタを他の血管の3倍有しており、酸素の欠乏がVEGFレベルを急激に上げる。VEGFは、新血管形成を誘発する主要な役割を果たすものであると考えられている。
このように新しくできた血管を除去したりあるいは縮小させることは、黄斑変性や糖尿病性網膜症の治療法あるいは改善方法となる。ウエット型黄斑変性と増殖糖尿病網膜症の現在の治療法は、新血管を破壊してしまうものである。現在使用されているレーザ光凝固術と呼ばれる方法では、外科医がレーザを使用して細胞を凝固させ、漏れている血管をシーリングして、破壊する方法である。レーザ光凝固では、異常な血管で占められている領域に強いレーザ光を極めて小さなスポットで短時間照射する。この光エネルギーが網膜色素上皮(Retinal Pigment Epithelium; RPE)細胞の色素によって吸収され、熱エネルギーに変わって、異常血管を焼灼し破壊する。このプロセスは、頻繁に新血管形成を後退させる。
しかしながら、レーザ光凝固は、増殖毛細血管周囲の細胞を破壊し、治療部において視力障害を起こす。このため、この治療法は、深刻な視力低下を起こす前に、限られた回数のみを繰り返すようにしている。通常、特定の部位に特定の明確な血管成長がみられる患者(「クラシカル」と呼ばれる)のみに、レーザ光凝固治療を推奨している。異常血管が特定の位置に集まっていない患者、あるいは、異常血管が黄斑中央部の下にある患者には、この治療は、その上の網膜中央を破壊して、中心視力を喪失してしまう傾向がある。
光線力学療法は、これらの病気の治療に使用される別の方法である。ベルテポルフィン(verteporfin)などの感光性物質を注入し、ついで、低出力レーザ光を黄斑または網膜に照射して、この感光性物質を活性化する。この感光性物質は、脈絡膜新生血管(choroidal neovasculature: CNV)内に集中する。この感受性物質はレーザ光を吸収して、異常血管に選択的にダメージを与える活性酸素中間体を発生させ、且つ、その上にある網膜に与えるダメージは少ないと考えられている。1999年10月の、Archives of Opthalmology,に実験結果が公開されており、FDAは、2000年4月に、ウエット型AMDの治療に、VISUDYNE(登録商標)の商標名でベルテポルフィンの使用を認可した。これは、新しい血管が「優勢クラシック(predominantly classic)」(明確な部位の新生血管形成)と特徴付けられる患者の為に限られている。これは約40〜60%の新ウエット型AMD患者のグループである。この治療過程では、VISUDYNE(登録商標)を全身に注入し、目の中にレーザを当てると、CNV中で活性化する。臨床的試みにおいて、67%の患者が、視力喪失が安定化するか、あるいは視力が回復したことがわかっている。
しかしながら、この治療法には、光線力学染料が、目の中の新生血管用の特別なものではなく、身体の細胞全体に四散するという不利益がある。患者は、VISUDYNE(登録商標)治療を行ったのち、5日間太陽光線を浴びないことが推奨される。さらに、光線力学治療剤は分類として、染色体異常および突然変異のように、DNAにダメージをもたらすことが報告されている。
研究者は、又、黄斑変性症と糖尿病性網膜症の治療用にインドシアニングリーン、赤外線染色、および近赤外線の使用を研究している。例えば、Costa, et al., Am Journal of Ophthalmology, 2001 Oct; 132(4): 557-65参照。これは、まだ実験中で、証明されていない治療法であり、また、VISUDYNE(登録商標)法と同じ様々な不利益があることも十分考えられる。
血管内皮成長因子(VEGF)は、虚血性細胞からのみならず、様々なタイプの癌細胞からも分泌される。VEGFは、近くの血管上の特定レセプタに結合して、新脈管形成を管理し、内皮細胞の増殖と移動を介して、新たな血管が形成される。その他、黄斑変性、糖尿病性網膜症と、不適切な創傷治癒、及び/又は癌を含む、過剰な新脈管形成の治療用に、アンチ−VEGFレセプタ抗体の使用(米国特許第6,342,219号)、あるいはアンチセンスセラピ(米国特許第6,410,322号、国際特許出願第WO−0231141号)が模索されている。このようなアンチ−新脈管形性因子は、全身の成長が抑制され、他の健康な細胞に所望しない効果を及ぼすことがあるという不利益がある。
発明の概要
本発明は、過剰なあるいは不適切な新生血管形成を、ナノ粒子を用いて新生血管を破壊するかあるいは除去するのに十分な熱を送り込むことによって、縮小あるいは除去することに関する。ここで、ナノ粒子とは、米国特許第6,344,272号(引用されている)に記載のナノシェル、米国特許第5,620,584号(引用されている)に記載の金属コロイド、米国特許第5,739,376号、6,162,926号、5,994,410号に記載のフラーレンおよび誘導体フラーレン(Diederich, F. et al., Science, Vol. 252, pages 548-551 (1991)、および、C60以外のフラーレンを開示しているSmart, c. et al., Chem. Phys. Lett., vol. 188, No. 3, 4, pages 171-176 (Jan. 10, 1992)参照)、を含む。これらはすべて引用されている。また、米国特許第6,183,714号(引用されている)に記載の単層ナノチューブを含むナノチューブを含む。このナノチューブも誘導体化することができる。ナノシェルは、コア基体を有しており、これは外側シェルの好ましい金属材料より誘電率が小さい。ナノ粒子は、ターゲット分子と接合、あるいは、結合し、ターゲット分子が、病状に関連する新生血管領域にナノ粒子を導く。このターゲット分子は、抗体、抗体フラグメント、タンパク質結合レセプタ、他の蛋白質、または成長因子を含む分子である。ナノ粒子はポリマと接合すると、ナノ粒子のオプソニン作用が減少する。この好適なポリマは、ポリエチレングリコールを含む。ターゲット分子は、ポリマの遠位端に接合してナノ粒子に接合される。
本発明の治療法は、癌(ここに引用されている米国特許出願公開第2002−0103517号に開示されている)や不適切な創傷治癒に関連するものを含む好ましくない新生血管による疾病、又は、視力障害あるいは潜在的な視力障害がある目に関する新生血管による疾病の治療に大変適している。新生血管領域でのナノ粒子の位置を測定して、この領域にレーザを照射する。このレーザの波長は、周辺細胞には最小限しか吸収されず、ナノ粒子に選択的に吸収され、このナノ粒子によって、新生血管の分裂を起こすのに十分であるが、周辺細胞の分裂または剥離を最小に抑えるように発熱する波長とする。この波長は、好ましくは700nm〜1300nmであり、より好ましくは,750nm〜1100nmである。このような選択的な吸収により、ナノ粒子が放射を吸収して、周辺組織が放射を吸収よりも高効率で、熱に変換する。これによりナノ粒子の温度上昇は周辺組織のそれに対し2対1かそれ以上と成り得る。
従って、黄斑変性症および糖尿病性網膜症に関連するものを含む新脈管形成による視力障害状態などに伴う新脈管形成への非侵襲性治療法を提供する。熱の温度は制御され、ターゲットエリアに局在するので、従来のレーザ光凝固術に比べて周辺細胞及び/または網膜へのダメージが少ないことが期待される。
本発明の製造および使用を、図面を参照して、以下に述べる。
A.ナノシェルの実施例
本発明に好適に用いられるナノ粒子は、金属ナノシェルを含む。ナノ粒子は、どのターゲット分子とも接合、または、結合することができる。ターゲット分子には、抗体、抗体フラグメント、ペプチド結合レセプタ、成長因子及び他の蛋白質を含む。上述したとおり、本発明に好適に使用できるナノシェルの一例は、外側シェルの金属物質より誘電率が小さいコア基体物質を含む。金属ナノシェルの他の実施例を以下に述べる。これは、引用されている米国特許第6,344,272号に開示されている。
本発明の好適な実施例である図1および図2を参照すると、ナノシェル10は、コア15とシェル16を具えている。ナノシェル10は、好ましくは約1ナノメータ〜約5ミクロンの大きさのナノ粒子である。ナノシェル10は、好ましくは球形であるが、例えばキューブ状、円筒状、半球状、楕円形など、その他の形状であってもよい。ナノシェル10の大きさは、好ましくはナノシェル10の平均直径で定義される。
ナノシェル10のように、対象物の大きさを規定する面を有するものの平均径は、対象物の内部に位置する固定点を通る面に対して対向する領域間の距離のアンギュラ平均である。この固定点を中心とするラジアル座標システムで規定される対象物について、この平均は、ラジアル角θと方位角φの両方を越える。すなわち、径D(θ、φ)の平均径<D>は、
Figure 2005538033

で与えられる。
コア15も、好ましくは球形であるが、キュービック状、円筒状、半球状、楕円形、その他の形状でも良い。コア15の平均径は、好ましくは約1ナノメータ〜約5ミクロンであり、より好ましくは、約10ナノメータ〜約2ミクロンである。
コア15は、好ましくは基体材料、すなわち、外側シェル16に好ましい材料より誘電率の小さい材料でできている。好ましくは、基体材料は、たとえば半導体材料などの誘電材料であるか、誘電材料を含むものである。好ましい基板材料は、これらに限定されるものではないが、二酸化シリコン(シリカともいう)、二酸化チタン、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、硫化金、硫化カドミウム、ガリウム砒素、及びデンドリマである。いくつかの実施例では、基体材料を、コア15の表面層にも用いられている。
シェル16は、好ましくは、コア15上に層を形成しており、シェル16の内側面がコア15の外側面に接触するように構成されている。代替として、コア15とシェル16が、コア15とシェル16間で部分的に接触しているものであってもよい。
シェル16の内側面及び外側面は、それぞれ、回転楕円形であっても良く、あるいはこれらの面の一方あるいは双方が、キュービック状、円筒形、半球形、楕円形などの他の形状をしていても良い。シェル16は好ましくは金属材料を含んでおり、この材料は単一元素であっても、合金であってもよく、バイナリ合金であることがより好ましい。ここで用いられているとおり、金属には米国特許庁の分類マニュアルに金属として開示されている元素を含む。ローマ数字で記載されている旧IUPAC表記法と、アラビア数字で記載されている新表記法の双方が用いられている。表記法の比較には、例えば、ここで引用されているLewis, Richard J., Sr., "Hawley's Condensed Chemical Dictionary" (1997, John Wiley and Sons)の内表紙を参照されたい。特に、グループIの金属は、グループ1の金属(リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、カルシウムおよびフランシウム)とグループ11の金属(銅、銀及び金)を含む。グループIIの金属は、グループ2の金属(ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウムおよびラジウム)とグループ12(亜鉛、カドミウムおよび水銀)を含む。グループIIIの金属は、グループ3の金属(スカンジウムおよびイットリウム)と、グループ13の金属(アルミニウム、ガリウム、インジウム、タリウム)を含む。グループIVの金属は、グループ4の金属(チタン、ジルコニウムおよびハフニウム)およびグループ14の金属(ゲルマニウム、錫、および鉛)を含む。グループVの金属は、グループ5の金属(バナジウム、ニオブ、およびタンタル)と、グループ15の金属(砒素、アンチモンおよびビスマス)を含む。グループVIの金属は、グループ6の金属(クロム、モリブデンおよびタングステン)と、グループ16の金属(ポロニウム)を含む。グループVIIの金属は、グループ7の金属(マンガン、テクネチウムおよびレニウム)を含む。グループVIIIの金属は、グループ8の金属(レニウム、ルテニウムおよびオスミウム)、グループ9の金属(コバルト、ロジウムおよびイリジウム)と、グループ10の金属(ニッケル、パラジウムおよびプラチナ)を含む。シェル16を形成している金属材料は、好ましくは、グループIとVIIIの元素から選択される。より好ましくは、この金属材料は、銅、銀、金、ニッケル、プラチナ、パラジウム、および鉄の中から選択される。代替として、いくつかの実施例では、この金属材料が合成金属を含んでいる。合成金属は、ここでは、例えば導電性など、金属と共通する少なくとも一の特性を有する有機材料あるいは有機金属材料として規定される。従って、合成金属は、ポリアセチレンや、ポリアナリンなどの導電ポリマを含む。従って、シェル16は一又はそれ以上の元素金属、合金及び合成金属を含む。
図3を参照すると、この実施例は、ナノシェル18のシェル22とコア20の間に位置する中間材料層24を示している。層24は、好ましくは、コア20をシェル22に結合する機能化材料を含む。従って、中間層24の存在によりコアを機能化させ、コア20と層24によって構成される機能化コア26の表面上に金属材料を直接被覆する。
好ましくは、層24の機能化材料は、例えば、機能化材料上のプライマリ金属材料の還元によって、シェル22を構成するプライマリ金属材料を受けとるのに適した金属材料である。好ましい機能化材料は、錫である。代替として、錫と同様の還元特性を有するチタンを使用することもできる。層24を構成している機能化材料の一部は、機能化材料である鉄とシリカコアの表面のヒドロキシル基との反応生成物である。これはまた、機能化材料である鉄の溶液からコアに結合した機能化材料上に還元した反応生成物であってもよい。
中間層24は、複数の架橋分子であって、各架橋分子の一方の端部がコア20に結合し、各架橋分子の他端部がシェル22に結合するように配置されたものであっても良い。架橋分子の一端は、コア20に含まれる材料に結合する第1の官能基を含み、架橋分子の他端がシェル22に含まれる材料に結合する第2の官能基を含む。
アミノプロピルトリエトキシシラン(APTES)の加水分解型である、アミノプロピルシラントリオール(Aminoporopylsilanetriol)は、金属シェルをシリカコアに架橋するのに好適な架橋分子のひとつである。その他、アミノプロピルトリメトキシシラン、ジアミノプロピル−ジエトキシ シラン、及び4−アミノブチルジメチルメトキシシランを含む好適なアミノシランのいずれかの加水分解型、または、メルカプトプロピルトリメトキシシランを含む好適なチオシランのいずれかの加水分解型を含む。
アミノプロピルシラントリオールの一端のシラノール基は、シリカ、特にシリカ表面のヒドロキシル基に親和性がある。従って、コア20とアミノプロピルシラントリオール間のシラノール架橋は、水の除去を伴うアミノプロピルシラントリオールのシラノール基とコア20のヒドロキシル基との反応で得られる。アミノプロピルシラントリオールの他端のアミノ基は、金属材料と親和性がある。従って、シェル22とアミノプロピルシアントリオール間のアミノ架橋は、アミノプロピルシアントリオールとシェル22とを反応させて得られる。
図4を参照すると、コンポジット粒子38は、シェル40を具え、このシェル40はシェル40を主に構成する金属材料44と異なる先駆物質金属材料42を含む。先駆物質材料42は、シェル40の形成用の核形成サイトを提供する。先駆物質材料42は好ましくは、コア48の表面に分布するコロイド状粒子46を含む。コロイド状粒子46は、シェル40内に埋め込まれていても良いが、中間層45に結合されていることが好ましい。コロイド状粒子46は、中間層45内の架橋分子に結合されている。例えば、金コロイド状粒子46は、アミノプロピルシラントリオールに結合しており、銀シェル40の核形成サイトとして作用する。代替として、錫コロイド状粒子は、錫を含む中間層45から延在している。ここに引用されている2001年9月27日出願の米国特許出願公開第2002−0061363号に開示されているように、ある模範構成では、厚さ約10〜約20ナノメータの銀シェル用の核形成サイトとして作用する、サイズが約1ナノメータ〜3ナノメータの金コロイド状先駆物質粒子を含む素粒子が作られた。この構成では、銀シェルのプラズモン共鳴が純銀シェルと一致しており、金コロイドの存在は有意ではない。図1及び2を参照すると、ナノシェル10は、シェル16のプラズモン共鳴を有する。プラズモン共鳴は、吸収または分散スペクトル中のピークを検出することによって決まる。このピークは、好ましくは、波長の相関要素として強度をプロットすることによって決定する。さらに、このプロットは、波数(例えば、cm−1)あるいは周波数(例えば、mHz等)など、他の分光変数の相関要素としての強度のプロットであってもよい。波長λ、波数n、および周波数υは、通常、λ=vr/υ=1/nで表される。ここで、vrは放射伝達速度である。真空中の伝達では、v=c、であり、これは光速である。スペクトラムが吸収スペクトラムである場合は、強度は、吸収される放射線の強度である。スペクトラムが分散スペクトラムである場合は、強度は、分散される放射線の強度である。
図5を参照すると、プラズモン共鳴ピーク58は、好ましくは、ピーク波長60とピーク幅62を有する。ピーク波長60は、プラズモン共鳴ピーク58が最大時の波長である。ピーク幅62は、プラズモン共鳴ピーク58の最大時の全幅の半分である。ピーク幅62は、均一あるいは非均一なラインブロードニングの影響を含むものであってもよい。電子が衝突する結果、均一ラインブロードニングが部分的に生じる。従って、ピーク幅62は、部分的にシェル電子の平均自由行程に依存している。
本発明で用いるナノシェルでは、ピーク波長60は、好ましくは、シェル16を形成している主物質と同じ物質のコロイド状粒子のピーク波長から赤色側にシフトしている。(すなわちより長い波長へシフトしている。)金及び銀は、シェル16に用いる具体的な金属材料である。シェル16が主に銀を含む場合、ナノシェル10は、ピーク波長が約400ナノメータ〜20ミクロンのプラズモン共鳴を有する。これに対して、コロイド状銀のピーク波長は、コロイドの大きさに応じて、約390〜420ナノメータ間で変化し、銀コロイド溶液は、特徴のある黄色になる。同様に、シェル16が主に金を含む場合は、ナノシェル10は、ピーク波長が約500ナノメータ以上で約20ミクロンまでのプラズモン共鳴を有する。これに対して、コロイド状金のピーク波長は、コロイドの大きさに応じて、約500〜530ナノメータ間で変化し、金コロイド溶液は、特徴のある赤色になる。両ケースともに、ナノシェルプラズモン共鳴は、対応するコロイドから赤色側へシフトしている。
シェル16の厚さは、外側半径と内側半径との差で規定され、外側半径から内側半径を引いて計算する。内側半径は、内側面の平均直径の半分であり、外側半径は、外側面の平均直径の半分である。いくつかの実施例では、シェル16は、シェル16を主に形成する材料のバルク電子平均自由行程より小さい厚さを有する。シェル16の厚さが、シェル16を形成する物質のバルク量における平均自由行程の値である、バルク電子平均自由行程より大きいか、あるいは同じである場合、シェル電子平均自由行程は、バルク電子の平均自由行程と同じである。シェル16の厚さがバルク電子平均自由行程より小さい場合、シェル電子平均自由行程は、シェル16の厚さと同じである。従って、シェル16の厚さが、バルク電子平均自由行程より小さい場合は、サイズに応じた効果がピーク幅62に存在する。
いくつかの実施例においては、複数のコア15と複数のナノシェル10は実質的に単分散でありうる。例えば、ある実施例では、複数のコア15が、標準誤差約20%、好ましくは10%までのサイズ分布を有する。代替として、複数のコア15と複数のナノシェル10のいずれかが多分散であってもよい。従って、いくつかの実施例では、ナノシェル10の多分散性によって、複数のナノシェルから生じるプラズマ共鳴に非均質ブロードニングが部分的に生じることがある。
シェル16は、完全なシェル、すなわち、シェル16の内側面と外側面の間に実質的に連続的に延在するものであり、コア15を完全に囲みカプセル化するものでありうる。シェル16が完全であれば、プラズモン共鳴のピーク波長は、ナノシェル10のジオメトリ、特にシェル16の厚さとコア15のサイズの比に関係する。シェル16の厚さが厚くなるにつれて、ナノシェル10のピーク波長は、より短い波長にシフトする。従って、シェル16を形成する反応過程は、その後に分光測光法を伴い、所望のピーク波長が得られた時に終了する。
代替として、ナノシェルは、部分シェル、すなわち、コアの一部のみカバーしているシェル、を含むものであっても良い。カバーしている部分は、好ましくは、有効範囲360゜未満の立体角Θ内に延在している。
ナノカップはナノシェルの他の実施例である。シェルはコアの上に層を成しており、このシェルは少なくとも有効範囲180゜〜360゜未満の立体角Θ内に延在する部分シェルである。より好ましい立体角は、300゜から350゜の間である。
ナノカップはナノシェルの他の実施例であり、ここでは、シェルはコアの上に層を成しており、好ましくは有効範囲10゜から60゜の立体角Θ内に延在する部分シェルである。
図1を参照すると、コア15は、ソリッドコアと少なくとも一のシェルを含む内部コンポジット粒子であってもよい。さらに、ナノシェル10はコアと、金属シェルをいくつ含んでいても良いとされている。金属シェルは、他の金属シェルの上に層を成していてもよい。代替として、一対の金属シェルが、コーティングで分離されているものでもよい。各シェルは、導電層、または非導電層とすることができる。模範的には、非導電層は、誘電材料と半導体材料を含む。
B.金属ナノシェルの製造
等方性金属ナノシェルの製造方法は、米国特許第6,342,219号;2001年9月27日出願の米国特許出願公開第2002−0061363号;及び2001年11月5日出願の米国特許出願公開第2002−0160195号;および2001年11月5日出願の米国特許出願第10/013,259号「多層メタルナノシェル」に開示されている。これらはいずれもここに引用されている。これらの引用文献に開示された様々なナノシェルの製造方法を以下に記載する。
上述のナノシェルの製造方法のひとつは、シリカコアを提供し、当該シリカコア上に金シェルを成長させ、アミノプロピルトリエトキシシラン分子を用いて当該コアを機能化する架橋分子を生成するステップを含む。この方法は、好ましくは、金コロイド状粒子溶液を、約5〜30日間、より好ましくは約7〜24日間、更に好ましくは約10〜20日間熟成させる。この熟成は、好ましくは、約40゜F(約4℃)の温度で冷却して行う。金シェルの成長は、金コロイド粒子を架橋分子に付着させ、溶液から金コロイド粒子上の余分な金を、好ましくは溶液内で、還元させるステップを有する。
ナノシェルの製造プロセスの他の実施例は、ここに引用されている、W. Stoeber, et al. Journal of Colloid and Interface Science 26, pp 62-69 (1968) に記載のステーバ(Stoeber)法を用いて、単分散シリカコアを成長させるものである。特に、テトラエチルオーソシリケート(TEOS)、アンモニウムハイドロオキサイド(NHOH)、及び水を、エタノールを入れたグラスビーカに加え、この混合物を一晩攪拌する。ステーバ粒子のサイズは、反応液の相対濃度に依存する。これらの粒子は、3−アミノプロピルトリエトキシシラン(APTES)で機能化される。3−アミノプロピルトリエトキシシラン(APTES)は、加水分解して、3−アミノプロピルシラントリオール架橋分子を形成する。シラン基がシリカ表面に付着して、アミン基が露出する。
その他のナノシェルの模範的製造プロセスでは、ここに引用されているD.G.Duff, et al., Langmuir 9, pp. 2310-2317 (1993) (Duff, et al.)に記載されている、ダフの報告によるレシピを用いて、極小(ultra small)金コロイド(1−3nm)を合成する。これは、例えば、水45mL、1.5mLの29.7mM HAuClと、300uLの1M NaOHと、1mL(1.2mLの水溶液を100mLの水に希釈したもの)のテトラキスヒドロキシメチルホスホニウムクロライド(THPC)と、の溶液を必要とする。次いで、この金を、好ましくは、上述の熟成後に、機能性シリカ粒子に加える。金コロイドは、末端にアミンを有するシリカ粒子に付着し、金属シェルの化学蒸着用の核形成サイトを提供する。
代替として、コロイド形状になりうるものであればどのような金属もメタルクラスタとして付着しうると解される。部分シェルを形成するのに使用し得る代替金属は、例えば、銀、プラチナ、パラジウム、鉛など、上述の好適な金属のいずれを含むものでも良い。
更に、金属ナノシェルは、好ましくは、錫あるいはチタンなどの機能化金属でできた中間層を有するものであっても良い。錫の機能化は、2002年9月27日出願の米国特許出願公開第2002−0061363号に開示されている。ここに開示されているように、基体に付いている架橋分子に付着した金コロイドによる機能化は、上述の通り、錫の機能化に置き換えることができる。このように、それぞれシェル金属層を有するナノシェルは、錫イオンと基体粒子を溶液中で混合して、機能化粒子を形成することによって作り、次いで機能化粒子上にシェル金属を還元させる。
このプロセスを実行するには、遠心分離などによって、反応液から分離した後、ステーバ粒子を第1の溶媒中に再分散させ、第2の溶媒中のSnCl溶液中にいれる。この溶媒は、水か、より好ましくは、メタノールと水の混合液、好ましくは、メタノールが50体積%のものが良い。メタノール/水溶媒中の塩化錫溶液は、好ましくは、CFCOOHなどの界面活性剤を含む。メタノール/水溶媒を用いた錫機能化については、例えば、ここに引用されている、Yoshio Kobayashi, et al. Chemical Materials 13, pp. 1630~1633 (2001) に記載されている。塩化第2錫SnClとステーバナノ粒子を溶媒中に加えることによって、錫原子が、ステーバナノ粒子の表面上に化学的に蒸着すると考えられる。更にSnClを溶液に加えると、シリカナノ粒子の表面上に小さな錫先駆体粒子(<2nm)が形成される。
一定時間、好ましくは少なくとも45分経過後、錫機能化シリカ粒子を溶液から分離して水中に再分散させる。この溶液からの分離は、遠心分離器によって、実験室ベンチスケール上で行う。遠心分離は、過剰な錫を除去し、次の金属還元用に錫で被覆したナノ粒子を作るという利点がある。機能化された粒子が水に再分散すると、pHが約3に下がる傾向がある。このpHは、次いで行われる銀の還元用に、少なくとも9に上げることが好ましい。そうすることにより、シェル金属の還元に好ましい反応条件となる。
シェルメタルの還元は、機能化した誘電性基体と、複数の金属イオンと、還元剤を溶液中で混合するステップを具える。ホルムアルデヒドが還元剤として好ましい。金属は、上述したシェル金属のいずれでも良い。
金属が、銀、銅およびニッケルの中から選択されている場合は、この方法は、溶液のpHを更に上げて、その金属でより効率的に基体を被覆するステップを具えることが好ましい。特に、一の実施例では、金で機能化したシリカ粒子を、0.15mMのフレッシュ硝酸銀溶液と混合し、強く攪拌している。37%のホルムアルデヒドを少量(典型的には、25〜50マイクロリットル)加えて、シリカ表面上の金粒子への銀イオンの還元を開始する。このステップに続いて、二重に蒸留したアンモニウムハイドロオキサイド(典型的には50マイクロリットル)を加える。金機能化シリカと硝酸銀の「量」あるいは「相対量」は、コアに対するシェル比、従って、吸光度を決定する。更なる使用に先だって、遠心分離にかけて溶液からナノシェルを分離し、副生成物及び形成された純銀コロイドを除去することが好ましい。ナノシェルは、好ましくは、水、エタノールなどの溶媒中に再度懸濁させる。遠心分離と再懸濁のサイクルは、再懸濁液が十分に純粋になるまで繰り返すのがよい。
C.ターゲッティング分子
上述したとおり、好ましいターゲッティング分子は、抗体、抗体片、蛋白質結合レセプタまたは、成長ファクタを持つ他の蛋白質や分子を含み、ターゲットレセプタと蛋白質が新血管形成の内皮細胞表面上に現れているものを含む。このようなターゲッティング分子は、VEGFレセプタまたは一又はそれ以上のその変異体、あるいはその他の細胞表面のレセプタをとらえる。虚血性ストレスのある網膜症血管は、他の血管に比べて、VEGFレセプタをより多く有する。この特徴により、VEGFレセプタに向けられたターゲッティング分子は、ナノセルが共役して、網膜内に他の細胞より高濃度で蓄積する。
抗VEGFレセプタモノクロナール抗体と、これを製造する方法が、例えば、米国特許第6,344,339号および6,448,077号に開示されている。後者は、このモノクロナール抗体を産生するハイブリドーマ細胞ラインが、受け入れ番号 HB11534: HB12152; 及び HB-12153で、ATCC、Manassas, Virginiaに寄託されている旨を開示している。目に対してナノシェルをとらえる下記の方法を用いて、このような抗体を本発明のナノシェルと共役させることができる。ナノシェルをとらえる代替の方法は、抗体をVEGF自身と共役させることである。この分子は、そのレセプタをとらえて、ナノシェルを目の新生血管形成近傍に運ぶ。
VEGFレセプタをとらえるというよりもむしろ、ターゲッティング分子が脈管形成に関連する他の分子に対抗することもありうる。インテグリンαv3の内皮接着レセプタは、アンチ脈管形成療法戦略用の血管系特定ターゲットを提供するものとして知られている。Brooks, P.C., Clark, R. A. & Cheresh, D.A. (1994), "Requirement of vascular integrin alpha v beta 3 for angiogenesis", Science 264, 569-571; Friedlander, M., et. al., (1995); "Definition of two angiogenic pathways by distinct alpha v integrins", Science 270, 1500-1502参照。脈管形成における血管性インテグリンaVss3は、いくつかの生体モデルで示されており、ここでは移植したヒトの腫瘍による新しい血管の再生が、インテグリンaVss3のペプチドアンタゴニストまたはアンチ−aVss3抗体LM609の全身投与によって、完全に抑制された。マウスハイブリドーマLM609が、ATCC, Manassas, Virginia, に、受け入れ番号No. HB9537で寄託されている。(Brooks, P.C., et al., (1994) Science supra; Brooks, P.C., et. al., (1994) "Integrin alpha v beta 3 antagonisits promote tumor regression by inducing apoptosis of angiogenic blood vessels" Cell 79, 1157-1164). 従って、aVss3は、例えば、LM609や、他を含むモノクロナール抗体、あるいはaVss3に結合した蛋白質などの、ターゲッティング分子として好ましいターゲットであろう。
背景技術によれば、モノクロナール抗体は、B−リンパ球のシングルクローンから派生した抗体(あるいは、免疫グロブリン)である。これらのB細胞は、不朽化され、細胞ラインは、特定のターゲット抗原に特化された幾つもの抗体を無限に産生できるようになる。
モノクロナール抗体を作る従来のプロセスでは、対象となる抗原(例えばVEGFレセプタや、aVss3など)を用いてマウスを免疫処置して、その免疫システムをアジュバンドでブーストして、免疫原に対して強化した反応を作り出すようにする。マウスのB−リンパ球は、マウスの脾臓(多数のB−リンパ球を含む)から抽出され、不朽化した骨髄腫細胞ラインと融合させる。この融合で得られたいくつかのハイブリドーマは、マウスに免疫処置をするのに最初に使用された抗原に対するモノクロナール抗体を産性する。所望の特徴(例えば、アンチ−VEGFレセプタ、あるいは、アンチ−aVss3など)を持つハイブリドーマ分泌抗体が選択される。
モノクロナール抗体のマウス由来型部分は、ヒトの治療的使用において、特に、繰り返して投与した場合に、抗体に対する免疫反応を起こすことがある(ヒトアンチ−マウス、あるいは「HAMA」反応と呼ばれる)。これは、患者に有害な結果を引き起こすことがあり、最悪の場合、抗体が患者の免疫システムによってターゲットにされて、除去された場合、より多くの投与が必要となる。
抗体中のマウス蛋白質の量を減らし、できるだけヒト由来型のものを作る為の様々な遺伝子工学技術が開発されてきた。(L. Riechmann et al., Nature (1988): 332: 323-327; 米国特許第5,225,539;米国特許第5,530,101号参照)。国際特許出願WO9852976号に記載されているように、DEIMMUNISED(商標)抗体は、遺伝子工学を利用してTおよびB細胞のエピトープを除去した抗体である。これは、生体に投与する場合は、免疫原性を削減するように設計されている。抗体フラグメントはより小さく、このため、抗体全体よりマウス蛋白質が少なく、従って、免疫原性が少ないようである。抗体フラグメントは、Fab、F(ab’)、およびFd片を含む。これらのフラグメントは、McCafferty et al., Nature 348: 552-554 (1990), Clackson et al., Nature 352: 624-628 (1991)およびMarks et al., J. Mol. Biol. 222: 581-597 (1991) に記載されている技術を用いて生成した抗体ファージライブラリから分離することができる。これに続く公報は、チェインシャッファリングによる高親和性(nMレンジ)のヒト抗体の生成(Marks et al., Bio/Technology 10: 779-783(1992))や、組み合わせ感染や、巨大ファージライブラリ構築戦略としての生体組み替え(Waterhouse et al., Nuc. Acids. Res. 21: 2265-2266(1993)) を記載している。一本鎖Fv分子は、ファージ提示法技術を用いて作ることができるもう一つの結合分子である。米国特許第5,565,332号および欧州特許第0589877B1号参照。これらはより小さく、マウス抗体全体より少ないマウス蛋白質を持つ。
いくつかの企業(特に、Abgenix, Inc., Fremont, Calif., 及びMedarex Inc. Annandale, N.J.)は、それ自体が遺伝的に再設計されたマウスを所有しており、これらのマウスは実質的ヒト抗体を産生する。次いで、これらのマウスから得た抗体産生細胞を不朽化して、モノクロナール抗体を作る。
マウスを含むが、しかし好ましくは、キメラ抗体、ヒト化抗体、DEIMMUNISED(商標)抗体、ヒト抗体らの全てのモノクロナール抗体と、抗体フラグメント及び一本鎖Fv分子らは、本発明のターゲッティング物質としての使用に好適である。また、対象となる抗原に結合している他のタイプの蛋白質や分子、すなわち、VEGFレセプタと、aVss3とを、公知の方法でスクリーンして、このような蛋白質や分子をターゲッティング物質として用いることも可能である。
D.金属ナノシェルとターゲッティング分子の接合
ナノシェルとターゲッティング分子は、共有結合や、イオン接合などの様々な方法で接合することができる。ナノ粒子の蛋白質との共有結合は、ここに引用されている、2001年5月31日出願の米国特許出願公開第2002−0015679号に開示されている。この出願は、チオール安定剤とナノ粒子の接合について述べており、これは、次に蛋白質や抗体に接合する。模範的には、チオール安定剤は、チオグリセロール(−OH)、メルカプトサクシニック酸(−COOH)、チオグリコリック酸(−COOH)、および1−アミノ−2−メチル−2−プロパンチオール(− −NH2)(末端機能基が括弧内に表示されている)である。末端機能基が活性化された反応において、蛋白質、抗体、または抗体片は、活性基を介してチオール安定剤に、従って、ナノシェルに接合される。
蛋白質または抗体をナノシェルに接合する他の方法は、ここに引用されている、米国特許第4,472,509号に開示されているものに類似しており、ジエチレントリアミンペンタアセティック酸(DTPA)キレート剤を、放射性金属をモノクロナール抗体に接合するのに使用している。抗体は、かなりの量の選択された金属接合官能性を有する二官能性キレート剤と反応して、キレータ/抗体接合を作る。抗体をキレータに接合するにあたって、余分なキレート剤が、試薬の性質、および抗体ごとの所望の数のキレート化剤に応じた特定の比率で、抗体と反応する。不純物を取り除いたキレータ/抗体接合は、生化学活性あるいは抗体の特性を損なわないように、好ましくは、一般的にpH約3.2〜約9のレンジにある水溶液中で金属ナノシェルでキレート化される。
金属ナノシェルは、ポリエチレングリコールと接合して、生体液内における、金属ナノシェルの安定性を改善する。代替として、ナノシェル接合の安定性改善のために、ターゲッティング分子をポリエチレングリコールの一方の端部に接合するようにしても良い。
E.本発明の適用
接合ナノシェルは、たとえば目などのターゲット領域に、部分的に注入したり、あるいは循環デリバリなどによって、配置することができる。代替として、ターゲットエリアは、過剰あるいは不適当な新血管形成によって特徴付けられる箇所であればどこでもよい。接合したナノシェルがターゲット領域にあれば、好ましくは、ナノシェルのプラズモン共鳴あるいはそれに近い波長で、赤外線レーザを用いてナノシェルに照射する。放射で生じる熱が血管を除去あるいは破壊し、脈管形性を抑制したり、新血管形性の視力への影響を和らげる。
治療用のナノセルコンジュゲートの投与レベルは、いくつかの公知の方法で決めることができる。ある方法では、動物疾病モデルから推定する。例えば、相対的サイズに基づいて、マウスなどの小さなほ乳類を効果的に治療するのに必要な量を示す実験から、人間の投与量を推定することができる。この投与量は、他の治療と同様に、人間の臨床実験においてより正確なものになる。
患者から患者への投与量も、特に疾病サイトにおけるターゲット分子数を含むいくつかのファクタ数、及び新生血管形性の量に基づいて異なることがある。また、時間をかけて一連の治療を行うことが好ましく、この場合、各投与における投与量は、一回の投与量より少なくする。
注射による投与に好適な成分は、薬学的に受容しうるキャリア内に分散させた接合ナノシェルを含む。このキャリアは、溶媒、分散媒体、コーティング、抗菌剤/抗黴剤、等方性剤及び/又は吸収遅延剤を、これらの薬剤が他の組成物に非相溶でない限り、含んでいても良い。
投与は、非経口的に行っても良い。例えば、静脈、筋肉、皮下、病巣内、腹腔内ルートによる注射で行うことができる。注射用に好適な組成は、滅菌水性分散液、セサミオイル、ピーナッツオイル及び/又は水性プロピレングリコールを含む調剤、及び/又は、滅菌注射液及び/又は分散液の即時準備用滅菌パウダを含む。この組成は、滅菌されており、注入可能な流体でなくてはならない。また、抗菌および抗黴剤、パラベン、クロロブタノール、フェノール、ソルビン酸、チメロサールを含んでいても良い。多くの場合、例えば等張及び/又は塩化ナトリウムなどの等浸透圧剤を含んでいることが好ましい。
水性分散液あるいは溶液の非経口投与には、例えば、必要があれば、適切に中和されているか、及び/又は、十分な塩水及び/又はグルコースを伴う等浸透圧剤で希釈した溶液であるべきである。これらの特別な水性分散剤および溶液は、特に静脈、動脈、筋肉、皮下及び/又は腹腔内投与に適している。
目に近いため、点眼液、点鼻液あるいはスプレイ、噴霧器、吸入器を用いて投与することもできる。本発明のナノシェルは、様々な方法で投与することができ、もっとも一般的な薬学的薬剤として取り扱うことができる。
ここで使用されている用語や表現は、例示的なものに過ぎず、限定するものではない。また、本発明の範囲は、請求項の記載によってのみ規定されるものであり、これらの請求項のすべての均等物を含む。請求項で使用されている「モノクロナール抗体」の用語は、すべてのモノクロナール抗体と、接合活性を有するその派生物及びフラグメントを意味し、マウス、ヒト化、ヒト、およびDEIMMUNISED(商標)抗体を含むがこれに限定されるものではない。また、フラグメントは、Fab, F(ab')2、およびFdフラグメント、一本鎖Fv接合分子を含む。
本発明に好適に用いることができるナノシェルの部分的な断面図である。 図1に記載のナノシェルの断面図である。 本発明に好適に用いることができる他の型のナノシェルの断面図である。 本発明に好適に用いることができる更に他の型のナノシェルの断面図である。 プラズモン共鳴ピークを示す図であり、波長対強度をプロットして示す。

Claims (25)

  1. 過剰なあるいは不適当な新生血管の低減あるいは抑制方法において、
    ナノ粒子とターゲッティング剤を具えるコンジュゲートあるいはキレートを投与するステップであって、前記ターゲッティング剤が、新生血管、あるいは新生血管近傍の細胞あるいは組織をターゲットとするステップと;
    前記新生血管領域に光を照射して、前記ナノ粒子を前記新生血管を十分に破壊するよう加熱するステップと、
    を具えることを特徴とする方法。
  2. 請求項1に記載の方法において、前記照射が、前記ナノ粒子のプラズモン共鳴における波長あるいはその近傍の波長のレーザを用いて行われることを特徴とする方法。
  3. 請求項2に記載の方法において、前記波長が700〜1300nmの間であることを特徴とする方法。
  4. 請求項3に記載の方法において、前記波長が750〜1100nmであることを特徴とする方法。
  5. 請求項1に記載の方法において、前記ターゲッティング剤がVEGFであるか、VEGFレセプタをターゲットにするモノクロナール抗体であるか、aVss3をターゲットにするモノクロナール抗体であることを特徴とする方法。
  6. 請求項1に記載の方法において、前記ターゲッティング剤が、接合剤を介してナノ粒子に接合していることを特徴とする方法。
  7. 請求項6に記載の方法において、前記接合剤が一又はそれ以上のポリエチレングリコール、チオグリセロール、メルカプトサクシニック酸、チオグリコリック酸あるいは1−アミノ−2−メチル−2−プロパンチオールであることを特徴とする方法。
  8. 請求項1に記載の方法において、前記ターゲッティング剤が、キレート剤であるジエチレントリアミンペンタアセティック酸を用いて、ナノ粒子にキレートしていることを特徴とする方法。
  9. 請求項1に記載の方法において、ナノ粒子がナノシェル、金属コロイド、フラーレン、ナノチューブ、あるいは誘導体ナノチューブ、誘導体フラーレンであることを特徴とする方法。
  10. 請求項9に記載の方法において、前記ナノシェルが誘電性あるいは半導電性のコア材料と、導電性のシェル材料を具えることを特徴とする方法。
  11. 請求項9に記載の方法において、前記ナノシェルがシリカコアを有し、該シェルが金属であることを特徴とする方法。
  12. 請求項11に記載の方法において、前記金属が金であることを特徴とする方法。
  13. 糖尿病性網膜症あるいは黄斑変性を伴う眼における過剰なあるいは不適切な新生血管の減少あるいは抑制する治療方法において、
    前記眼の新生血管領域にターゲットとしてナノ粒子を投与するステップと、
    前記ナノ粒子がターゲット領域に達するのに十分な時間をおくステップと、
    当該領域に照射して、その領域を加熱し前記新生血管を破壊するステップを具えることを特徴とする方法。
  14. 請求項13の方法において、前記投与が静脈あるいは動脈注射によって行われることを特徴とする方法。
  15. 請求項13に記載の方法において、初回の治療後に同じ対象に新生血管が見られる場合には、前記方法を繰り返すことを特徴とする方法。
  16. 請求項13に記載の方法において、前記照射が、前記ナノ粒子のプラズモン共鳴における波長か、あるいはその近傍の波長のレーザを用いて行われることを特徴とする方法。
  17. 請求項16に記載の方法において、前記波長が700〜1300nmであることを特徴とする方法。
  18. 請求項17に記載の方法において、前記波長が750〜1100nmであることを特徴とする方法。
  19. 請求項13に記載の方法において、前記ナノ粒子が、ターゲッティング剤にそれをリンクすることによって、ターゲットされ、前記ターゲット剤が、VEGF、該VEGFレセプタをターゲットとするモノクロナール抗体、あるいはaVss3をターゲットとするモノクロナール抗体であることを特徴とする方法。
  20. 請求項13に記載の方法において、前記ターゲッティング剤が、接合剤を介して金属ナノシェルに結合されていることを特徴とする方法。
  21. 請求項20に記載の方法において、前記接合剤が一又はそれ以上のポリエチレングリコール、チオグリセロール、メルカプトサクシニック酸、チオグリコリック酸あるいは1−アミノ−2−メチル−2−プロパンチオールであることを特徴とする方法。
  22. 請求項20に記載の方法において、前記ターゲッティング剤が、ジエチレントリアミンペンタアセティック酸を用いて、ナノ粒子にキレートされていることを特徴とする方法。
  23. 請求項13に記載の方法において、ナノ粒子が、誘電性あるいは半導電性のコア材料と、導電性のシェル材料とを具える金属ナノシェルであることを特徴とする方法。
  24. 請求項23に記載の方法において、前記ナノシェルがシリカコアを有し、前記シェルが金属であることを特徴とする方法。
  25. 請求項24に記載の方法において、前記金属が金であることを特徴とする方法。
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