JP2005537037A - 流体の蓚酸塩濃度を減少させる物質および方法 - Google Patents

流体の蓚酸塩濃度を減少させる物質および方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、流体の蓚酸塩濃度を減少させる物質および方法を提供する。好ましい実施形態において、生物学的流体の蓚酸塩濃度を減少させる。周囲流体の蓚酸塩を分解するように改質したステント、カテーテルおよび透析膜を本明細書において特に例示する。付加的実施形態において、発酵培養液を包含する他の流体において蓚酸塩を分解する。発酵培養液に関して、醸造過程に含まれる流体からの蓚酸塩の除去を特に例示する。

Description

関連出願の相互参照
本出願は、2001年10月5日に出願された米国特許仮出願第60/327544号の利益を主張する。
発明の背景
蓚酸(蓚酸塩)は、脊椎動物および多くの食用植物における代謝過程の天然副産物である。残念ながら、蓚酸塩は、かなり高い割合の人において充分に分解されず、結果としてのそれらの人において腎臓の結石の形成を生じうる。全ての腎臓の結石の70%は、蓚酸塩から構成されると推定される。米国人口の約12%は、生涯のある時期に腎臓結石に罹患する。進行中の腎臓結石に罹患している人、およびそのリスクを有する人、ならびに脂質吸収不良の問題(例えば、スプルー、膵臓不全、炎症性腸疾患、腸切除など)を有する患者は、高濃度の尿蓚酸塩を有する傾向がある。
末期腎疾患(ESRD)の間に蓚酸塩が蓄積して、高蓚酸塩血症および第2期の蓚酸症を生じる(Tomson、 C.R.、ら、1989、 Clin Nephrol 32:87−95)。正常に機能する腎臓の機能を与えるために、血液透析は、血漿蓚酸塩および血漿蓚酸カルシウムのクリアランスを与える。しかし、血液透析処置は、蓚酸塩および蓚酸カルシウムを完全には除去しない(Marangellaら、1992、 Nephron. 60:74−80)。血液透析をしなければ、ERSDおよび1期の高蓚酸尿症(PH)の患者は進行性全身性蓚酸症のより高いリスクを有することになる(Hoppeら、1999、 Kidney International 56:268−274)。
尿路における結石形成に加えて、流体における蓚酸塩の存在は、多くの状況で問題を有する。例えば、ステントおよびカテーテルにおける蓚酸カルシウム沈着物の形成は、これらの装置がその機能を遂行する能力を損ない、微生物感染の発生の一因になりうることは充分に確認されている。同様に、蓚酸塩沈着物の形成は、醸造業におけるような発酵過程における効率低下および腐敗の一因にもなる。
現在の発明の一実施形態に関して特に重大なことは、内在型カテーテル及びステントにおける蓚酸塩の有害作用である。カテーテルおよびステントは、例えば、尿および腹膜透析の流量の管理、血液透析、およびレーザーまたは砕石術処置後の腎結石のドレナージを包含する医療処置に一般に使用される。内在型カテーテルおよびステントの尿路おける長時間の使用は、装置の閉塞および尿路感染(UTI)のリスクを増加させる外被(encrustation)の発生および細菌付着によって制限される。
尿の装置に関連したUTIの病因は、バイオフィルムの形成に関係している場合が多い。バイオフィルム形成の重要な段階は、コンディショニングフィルム(conditioning film)の形態の装置上の尿成分の沈着である(Fuseら、1994、J.Urol.151:1703−1706;Tiezerら、1998、J.Urol.160:876−881;Santinら、1999、Biomaterials、20:1245−1251)。数時間以内で、このフィルムは尿の流れを妨げる外被沈着物から構成され得る。そのような外被の生化学的および光学的分析は、蓚酸カルシウムの存在を示している。
種々の泌尿器科学的条件におけるステント外被の発生についての疫学的研究は、ステント外被の主要なリスク要因として尿石症を指摘している。顕著に高い外被の発生率が、結石形成者において報告されている(Keaneら、1994、Br.J.Urol.73:687−691;Robertら、1997、Urol.Int.58:100−104)。Keaneらは、ステントの58%における外被を報告し、ステント外被の主要なリスク要因は尿石症の病歴であった。これは、明らかに、結石形成性成分、主としてカルシウムおよび蓚酸塩を含む、結石形成者の尿の過飽和によるものである。尿の蓚酸塩濃度は、蓚酸カルシウムの飽和状態に対する最も重要なパラメーターである。尿中の各蓚酸塩イオンに対し>10カルシウムイオンが存在するので、蓚酸塩の少しの増加が、結果的に蓚酸カルシウム過飽和の閾値を超え、その結晶化を生じさせる。
患者は、内在型医療装置の配置前に抗生物質を一般的に投与されるので、正常な尿道フローラ(flora)が、コロニー形成表面に熟達した(adept)尿病原性薬剤耐性生物で置き換えられる場合が多い。カテーテルまたはステントの存在は、腎盤および腎組織への細菌の上行も助長しうる。一旦、装置に関連した感染が生じると、その感染は一般に処置が困難であり、通常は装置の除去を必要とする。
感染部位であることに加えて、多くのステントは、通り抜けられない閉塞を有することが示されている(El−faqihら、1991、J.Urol.146:1487−1491)。尿路における合成材料への外被沈着は、感染尿および無菌尿の両方に生じうる。感染尿における外被形成のメカニズムは、尿結石の形成に類似している:ウレアーゼ生成生物体が、尿素の加水分解によって尿pHを増加させ、それによって、マグネシウムおよびカルシウムが溶液から容易に沈殿して結晶を形成するアルカリ性環境を形成する。
無菌尿において、生体材料における外被形成は、尿成分および合成材料の特性の両方に依存すると考えられる(Ramsay JWA 1987、Br.J.Urol.1987、66:66−70;Denstedtら、1998、J.Endourol.12:493−500)。種々の尿管ステントおよび尿道カテーテルが入手可能である。シリコーンは高生物適合性の材料であり、尿道カテーテルならびに尿管ステントの製造に使用されている。改質表面特性を有する材料の開発のための研究がなされているが、これらは耐外被形成性でないことが確認されている(Tunneyら、1996、Biomaterials、17:1541−1547)。一般に使用されているいくつかの装置は、より低い外被形成リスクを有するように特に設計された標準シリコーンラテックス装置(Sof Flex、Cook Urology、Indiana)、親水性ステント(Boston Scientific、MA)および低表面エネルギーステント(LSe、Cook Urology、IN)である。ウェスタンオンタリオ大学のUrology ESWL Centerで行われた広範囲な研究は、上記の一般に使用される生物材料の全てにおける、外被形成およびバイオフィルム過程を報告している(Tiezerら、1998、J.Urol.160:876−881;Wollinら、1998、J.Endourol.12:101−111;Teizerら、1998、Biomater.43:321−330;Reidら、1992、J.Urol.148:1592−1594)。
最近の開発の1つは、内在型医療装置におけるヒドロゲル被覆物の使用である。これらの親水性ポリウレタンポリマーは、水と接触して膨張し、それらのポリアニオン構造内にかなりの割合の水を保持する。これは、摩擦およびステント外被形成を減少させると考えられる。非イオン合成ヒドロゲル、例えば、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコールおよびポリメトキシ−PEGメタクリレート、およびイオンヒドロゲル、例えば、架橋ポリアクリルアミド−ジメチル−アミノエチルメタクリレートコポリマーを使用した研究も行われている(Kulik E.およびY.Ikada、1996、J.Biomed.Mater.Res.30:295−304)。血清アルブミンに結合したポリエチレングリコールに基づくヒドロゲルは、生物医学装置における酵素固定化に好適なマトリックスであることが報告されている(D‘Urso EMら、1995、Immobil. Biotechnol 23:587−595)。
酵素の表面固定化は、工業用および実験室用装置における酵素の簡単な回収および再使用を可能にする便利かつ費用効果がある方法である。酵素は、種々の生物抱合(bioconjugation)技術を使用して基質に共有結合されている。一般的な基質は、有機物質、例えば、ポリカーボネートおよび多糖類物質(キトサンを含む)、および無機物質、例えば、シリカガラスを包含する。これらの基質は、酵素と共有結合するために、表面が官能化されることが多い。
シリコーンエラストマーは、その生体不活性性、低摩擦係数および柔軟性によって、尿カテーテル製造において一般に使用される材料である。下記の表面を形成するために、シリコーンエラストマー表面を改質する試みがなされている:
より親水性の表面(Urban、M.W.、M.T.Stewart、1990、“ATR FT−IR studies of gas plasma modofied silicone elastomer surfaces” J Appl Polym Sci.39:265−283;Howard I.H.1991、“Surface modification of polymers by radio frequency plasma、Ph.D.論文、フロリダ大学、p.76;およびLee、S.D.、G.H.Hsiue、C.Y.Kao、1996、”Preparation and characterization of a homobifunctional silicone rubber membrane grafted with acrylic acid via plasma−induced graft copolymerization“ J.Polym Sci Pol Chem 34:141−148);
官能化された表面(Mutlu、M.ら、1991、“Matrix surface modification by plasma polymerization for enzyme immobilization” J.Mater Chem 1:447−450;Gaboury、S.R.、M.W.Urban、1993、“Analysis of gas plasma−modified poly−(dimethylsiloxane)elastomer surfaces−attenuated−total−reflectance Fourier−transform infrared−spectroscopy) Adv Chem Ser 777−790;およびRau、K.R.、2000、”Surface modification of biomaterials by pulsed laser ablation deposition and plasma/gamma polymerization“ Ph.D.論文、フロリダ大学、Gainesville、FL);または、
グラフト重合された表面(Lee、S.D.、G.H.Hsiue、C.Y.Kao、1996、“Preparation and characterization of a homobifunctional silicone rubber membrane grafted with acrylic acid via plasma−induced graft copolymerization” J.Polym Sci Pol Chem 34:141−148;Lee、S.D.、G.H.Hsiue、C.C.Wang、1994、“Characterization of plasma−induced graft−polymerization of 2−hydroxyethyl methacrylate onto silicone rubber” J.Appl Polym Sci 54:1279−1287;Lee、S.D.ら、1996、“Plasma−induced grafted polymerization of acrylic acid and subsequent grafting of collagen onto polymer film as biomaterials” Biomaterials 17:1599−1608;Ksiue、G.H.ら、1998“Surface characterization and biological properties study of silicone rubber membrane grafted with phospholipid as biomaterial via plasma induced graft copolymerization” J Biomed Mater Res 42:134−147;およびLangefeld、S.ら、1999、Functionally adapted surfaces on a silicone keratoprosthesis“ Int.J.Artif Organs 22:235−241)。表面改質は、化学反応、UV照射、γ線照射および高周波プラズマ放電(RFPD)を包含する種々の方法で行われている。RFプラズマ放電は、タンパク質吸着の変化のような生物適合性を促進するために、大半の特性を改質せずに材料の表面特性を変化させるのに有用な技術であり、またはそれを使用して、生体材料表面への所望の細胞付着および生育を増加させることができる(Lee、S.D.、G.H.Hsiue、C.C.Wang、1994、”Characterization of plasma−induced graft−polymerization of 2−hydroxyethyl−methacrylate onto silicone rubber“ J.Appl Polym Sci 54:1279−1287;Ksiue、G.H.ら、1998、”Surface characterization and biological properties study of silicone rubber membrane grafted with phospholipid as biomaterial via plasma induced graft copolymerization“ J Biomed Mater Res 42:134−147;Langefeld、S.ら、1999、Functionally adapted surfaces on a silicone keratoprosthesis” Int.J.Artif Organs 22:235−241;およびMason、Mら、2000、“Attachment of hyaluronic acid to polypropylene、polystyrene、and polytetrafluoroethylene” Biomaterials 21:31−36)。
内在型医療装置の開発における最近の進歩の多くは、細菌感染の予防に集中している。重金属、酸化銀および抗生物質のような抗菌性の物質で生体材料を被覆または含浸することは、特に短期の装置挿入を必要とする患者にとって、感染の発生を減少しうる(Johnson JRら、1990、J.Infect.Dis.162:1145−1150;Gilchrist T.ら、1991、Biomaterials 12:76−78)。
前記のように、流体における蓚酸塩の存在は、内在型医療装置以外の環境においても問題を生じうる。発酵業において、1)カルシウムおよびマグネシウムの水不溶性硫酸塩および炭酸塩(ミネラルスケール)、および2)通常の発酵過程で形成される蓚酸カルシウム、の装置への表面付着によってスケールが形成される。装置におけるスケールの存在は、早期に対処すれば重大でない。しかし、抑制されず放置した場合、重大な操作上の問題を生じる。
医療装置の場合のように、スケールは微生物学的危険要素である。スケールの結晶構造は、腐敗生物(例えば、PediococcusおよびLactobacillus)に、洗浄剤および滅菌剤の作用に対してかなりの保護を与える。第二に、スケール形成は、装置表面の熱伝達をかなり減少させる。これは、次には加熱操作および冷却操作の効率を下げ、これによって結果的に所用時間の増加、生産能力の低下、およびエネルギーコストの増大になる。第三に、スケールはボイラーが稼働する苛酷条件下に急速に沈着するので特にボイラーに有害である。この蓄積は、ボイラーの故障および爆発の可能性も生じうる。
残念なことに、スケール形成を生じる化学反応は、発酵過程に固有である。例えば、醸造過程の間に起こる多くの化学反応によってスケールが形成される。ビールストーン(beer stone)として一般に知られているスケールの1つの形態は、マッシング条件下のカルシウムと蓚酸との反応によって引き起こされる。蓚酸は、大麦の有機酸成分である。スケール形成に加えて、蓚酸カルシウムは、充填ビールの噴出およびコロイド状の不安定性に関連している。
現在、醸造所におけるスケールの処理に関して、多くの選択肢がある。これらは、イオン交換、金属イオン封鎖剤、および酸洗浄剤を包含する。本発明は、流体系から蓚酸塩を除去する代替法を提供する。
概要の説明
本発明は、流体における蓚酸塩濃度を減少させる物質および方法を提供する。好ましい実施形態において、蓚酸塩分解酵素を表面に固定し、表面に接触する流体における遊離蓚酸塩を減少させる有効な方法を提供する。本明細書に例示する特定の実施形態においては、生物学的流体に接触する表面に、蓚酸塩分解酵素を付着させる。これらの表面は、例えば、カテーテル、ステントまたは透析膜の表面である。
本明細書に記載する他の実施形態においては、蓚酸塩分解酵素を、発酵過程に含まれる流体と接触する表面に付着させる。このようにして、これらの改質表面を使用してスケールの発生を減少させることができる。
本明細書に記載するように、効果的な蓚酸塩のインサイチュー分解のために、蓚酸塩分解酵素を装置製造に使用される材料に被覆して、外被形成を生じる蓚酸カルシウム沈着の初期段階を防止することができる。この方法を使用して、装置の閉塞および微生物感染のリスクを防止することができる。
本発明の1つの実施形態において、高周波プラズマ放電(RFPD)を使用して、不活性シリコーンエラストマー表面を活性化し官能化する。次に、表面を、3−アミノプロピルトリエトキシシラン(AMEO)で被覆して、エラストマー表面をアミン官能基で誘導して、蓚酸塩オキシダーゼアミン基をカップリングする部位を与える。
詳細な開示
本発明は、流体における蓚酸塩濃度を減少させる物質および方法を提供する。この蓚酸塩濃度の減少は、蓚酸塩の分解かそうでなければ流体からの蓚酸塩の除去によって達成できる。好ましい実施形態において、蓚酸塩を生物学的流体中で分解させる。本明細書において特に例示するものは、ステントおよびカテーテル、周囲流体中の蓚酸塩濃度を減少させて外被の形成を減少するかまたは除去するように改質したカテーテルである。
本発明の他の局面は、蓚酸塩を分解し、それによって周囲流体の蓚酸塩濃度を減少させ、透析処置の効率を上げるように改質した透析膜に関する。
追加の実施形態において、発酵ブイヨンを包含する他の流体中で蓚酸塩を分解する。発酵ブイヨンに関して特に例示されるのは、醸造過程に含まれる流体からの蓚酸塩の分解である。
本発明の好ましい実施形態において、蓚酸塩分解酵素と表面とを会合させることによって、流体に接触する表面を改質する。本発明によって改質される表面は、例えば、高分子材料でできている。1つの実施形態において、表面は、シリコーンゴムを含んで成る。
本発明の方法は、アッセイを行う目的での表面への酵素の付着とは区別される。従って、本発明の方法は、流体における蓚酸塩濃度の減少によって機能的利益を与える。機能的利益は、例えば、下記のものの減少である:蓚酸カルシウム沈着物の形成、微生物感染、外被形成、細菌付着、およびスケール形成。
酵素と表面との会合は、例えば、直接結合、リンカーによる結合、または表面の被覆物への組み込みによる。蓚酸塩分解酵素と所望表面との会合については、当業者に既知の種々の方法が存在する。会合法の重要な条件は、蓚酸塩を分解する酵素(または2つ以上の酵素)の能力を維持することである。従って、例えば、酵素を合成材料に直接的に結合する方法が当業者に既知である。あるいは、リンカーを介して酵素を所望表面に結合させてもよい。かなり多くのそのようなリンカーが当業者に既知であり、米国特許第6080404号に開示されているようなデンドリマー(dendrimers)を包含する。
さらなる実施形態においては、蓚酸塩分解化合物を被覆物に捕捉しうる。被覆物は、例えば、米国特許第5554147号、第5607417号および第5788687号に開示されている被覆物である。参照として本明細書に組み入れられるこれらの特許は、装置被覆物に捕捉でき、本発明の蓚酸塩分解酵素と併用できる種々の薬剤も開示している。
ステントおよびカテーテルの生体材料改質についてかなり研究されているが、現在使用されているいずれの装置も外被形成のレベルを減少させることができない。好都合にも、本発明の装置は、泌尿器科内視鏡学的(endourological)処置を受けている患者群に使用しうる。これらの装置は、蓚酸塩結石形成の傾向がある患者、および進行した悪性閉塞症に罹患した患者における使用に特に有利である。
シリコーンゴム(SR)は、優れた生物適合性を有し、生理的環境において柔軟性および長期間の機械的安定性を与えるので、多くの生物医学的装置に使用されている。尿環境におけるコンディショニングフィルムの急速な沈着を防止するために、ヒドロゲル被覆物がSR装置に適用される。種々のポリマーの共有結合グラフトによるSRの表面改質について、いくつかの技術が開発されている(Lee、Sら、1996、Journal of Polymer Science:Part A:Polymer Chemistry 34:141−148;De Fife KMら、1999、J.Biomed.Material.Res.44:298−307;DiTizio、Vら、1998、Biomaterials、19:1877−1884;Langefeld、Sら、1999、Int.J.Art.Organs、22:235−241)。SRの表面を活性化して、重合性モノマーに結合できる官能基を与えている。活性化は、一般的なエネルギー源、例えば、コバルト−60、高周波またはマイクロ波ガス放電、およびプラズマ放電を使用して行うことができる(De Fife KMら、1999、J.Biomed.Material.Res.44:298−307)。さらに、UVおよびレドックス試薬を使用する光化学的反応を使用して、SR表面を化学的に改質している(DiTizio、Vら、1998、Biomaterials 19:1877−1884)。
アルゴン−プラズマ処理によって、シリコーン表面に基を形成し、次に、試料を酸素のような気体に暴露してパーオキシドを生成し、アンモニアに暴露してアミド基を生成することによって、官能基を形成する。Langefeldら(Langefeld、Sら、1999、Int.J.Art.Organs 22:235−241)は、プラズマ処理技術を使用して表面ヒドロペルオキシドを形成して、ポリアクリル酸(PAA)およびポリグリシジルメタクリレートのグラフト重合を開始し、活性PAAにフィブロネクチンを共有結合的に固定化する方法を開発した。この方法は、蓚酸塩分解酵素をSRおよびPAAのヒドロゲルマトリックスに直接的に共有結合的に固定する手段として使用される。
SRは、ポリエチレングリコール(PEG)−ゼラチンヒドロゲルで改質することもできる。1つの実施形態において、この被覆物を使用して抗生物質を捕捉することができる。使用しうる抗生物質の例は、フルオロキノロン、β−ラクタムおよびセファロスポリンである。抗生物質をリポソームに捕捉してもよい。この抗菌性の被覆物と蓚酸塩分解酵素との組合せを使用して、2種類のカテーテル外被、即ち、ストルビット(struvite)および燐酸カルシウムの細菌誘発沈着物、ならびに非感染環境からの蓚酸カルシウム沈着物に対処することができる。
本発明の1つの実施形態において、蓚酸塩分解酵素を、高周波プラズマ表面改質シリコーンエラストマーに共有結合的に結合させることができる。この表面改質材料は、例えば、泌尿器科学的生体材料における蓚酸カルシウム外被の防止に使用できる。蓚酸塩分解酵素は、表面における蓚酸カルシウム結晶の形成を防止するために、カテーテル表面を取り囲む微環境に作用するだけでよい。さらに、OXO媒介遊離蓚酸塩分解によるHの生成は、尿環境における抗菌性作用を付与しうる。
蓚酸塩分解酵素
3種類の主要な蓚酸塩分解酵素が存在する。蓚酸塩オキシダーゼは高等植物において産生され、それは、Hの付随生成を伴う蓚酸塩のCOへの酸素依存性酸化を触媒する。大麦の根から蓚酸塩オキシダーゼを得る急速三段階精製法が開発された(Kotsira VPおよびYD Klonis、1997、Arch.Biochem.Biophys.340:239−249)。大麦の根の蓚酸塩オキシダーゼをコードする遺伝子をクローン化し、配列し、発現させている(Thompson Cら、1995、Euphytica 85:169−172)。
蓚酸塩デカルボキシラーゼ、蓚酸塩代謝酵素の第二種は、主として真菌類に存在する(Shimazono H.1955.J.Biochem.42:321−340)。真菌類蓚酸塩デカルボキシラーゼは、遊離蓚酸塩のCOおよび蟻酸塩への分解を触媒する。この酵素は、Myrothecium verrucaria、Aspergillus nigerの特定の菌株、および白腐れ真菌、Coriolus versicolorを包含するいくつかの真菌において報告されている。Flammulina velutipes蓚酸塩デカルボキシラーゼをコードする遺伝子がクローン化され配列されている(Mehta AおよびA.Datta、1991、J.Biol.Chem.266:23、548−53;国際特許第WO98/42827号)。
蓚酸塩分解用の細菌性の酵素、オキサリル−CoAデカルボキシラーゼは、CoA活性化物質において活性であり、それをホルミル−CoAに変換する。次に、ホルミル−CoAトランスフェラーゼが作用して、CoAにおいて蟻酸塩および蓚酸塩を交換する。これらの酵素は、蓚酸塩分解細菌、土に存在するPseudomonas oxalaticus(Qyayle PRら、1961、Biochemical J.78:611−615)、およびヒトを含む脊椎動物の胃腸管に存在する Oxalobacter formigenes(Allison、M.J.ら、1985、Arch.Microbiol.141:47)において研究されている。O.formigenesは、腸管における蓚酸吸収ならびに血漿における蓚酸濃度を調節することによって、その宿主との共生関係を有することが示されている。その結果、この細菌の不存在は、再発性突発性蓚酸カルシウム尿石症(Sidhu、H.ら、1999、J.Am.Soc.Neph.10:S334−S340;Kleinschmidt、K.ら、1993、In:Urolithiasis 2、Plem Press、NY)、ならびに空腸回腸バイパス手術、嚢胞性線維症および炎症性腸疾患に続発性の腸の高蓚酸尿症(Allison、M.J.ら、1986、J.Nutr.116:455−460;Sidhu、Hら、1998、Lancet 352:1026−1029)のような蓚酸塩に関連した疾患のリスク要因であることが見出された。この細菌は、その生存および増殖のエネルギー源として蓚酸塩だけを使用する点で極めて特殊である。その結果、蓚酸塩分解酵素オキサリル−CoAデカルボキシラーゼおよびホルミル−CoAトランスフェラーゼは、その細胞タンパク質の約20〜30%を占める。両方のタンパク質ならびに蓚酸塩−蟻酸塩交換のための膜輸送体は精製され、充分に特性決定されている(Baetz ALおよびMJ Allison、1989、J.Bact.171:2605−2608;Baetz ALおよびMJ Allison、1990、J.Bact.172:3537−3540;Ruan ZSら、1992、J.Biol.Chem.267:10537−19543)。さらに、3つの全てのタンパク質の遺伝子がクローン化され、配列され、生物学的に活性な組換えタンパク質として発現されている(Abe、K.ら、1996、J.Biol.Chem.271:6789−6793;Lung H.Y.ら、1994、J.Bact.179:3378−3381;Sidhu、Hら、1997、J.Bact.179:3378−3381)。
種々の蓚酸塩分解酵素、およびこれらの酵素をコードする遺伝子を開示している特許は、米国特許第5912125号、第6090628号および第6214980号を包含する。これらの特許は参照として本明細書に組み入れられる。
物質および方法
シリコーンエラストマー
シリコーンエラストマー(MDX4−4210、医療グレードのエラストマー、Dow Corning、Midland、MI、Factor II、Inc.、Lakeside、AZによって供給)を、製造会社の指示に従って製造した。簡単に言えば、エラストマーを、2mmのスペーサーによって分離したアクリル板の間で樹脂を硬化することによって、厚さ2mm厚のシートに流延した。製造したシートを室温で48時間硬化させた。コルクボーリング器(Boekel、Feasterville、PA)を使用して、直径10mmのディスクを硬化シートからカットした。ディスクをHPLCグレードヘキサン(Fisher Scientific Co.、Pittsburgh、PA)中で48時間抽出して、未反応種を除去した。
表面改質
高周波(RF)プラズマ放電装置は、ベルジャー型反応室、試料台、蒸気入口、液体窒素コールドトラップを有する真空系、13.56MHzの固定周波数で稼働する最大出力500WのRF電力発生器(RF Plasma Products、Inc.、HFS 401 S型)、およびプラズマ放電のインピーダンスとPF電力発生器とを整合させる整合回路網から成っていた。シリコーンエラストマーディスクを反応室に入れ、次に、反応室を40ミリトルの真空にし、1000標準cm/分で15秒間にわたってArガスで5回パージした。最後のArガスパージを点火してプラズマを形成して、シリコーンディスクを50ミリトル、50ワット電力で15分間にわたって清浄にし活性化した。ニードル弁を使用して超純粋水蒸気を反応室にゆっくり添加して、プラズマ中のArガスと交換した(50ミリトル、50ワット電力で15分間)。プラズマ処理に続いて、ディスクを100%エタノールで15分間濯ぎ、次に、95%エタノール中の3−アミノプロピルトリエトキシシラン(AMEO;Sigma Chemical Co.、St.Louis、MO)の2%(v/v)溶液と45分間反応させ、次に、100%エタノールで濯いだ。ディスクを周囲条件下で16〜24時間硬化させた。
表面特性
水中捕捉空気接触角度測定およびX線光電子分光分析法(XPS)を使用して、プラズマ処理ディスクの表面を特性決定した。接触角測定は、超純水中でRame’−Hart A−100角度計を使用して行った。ほぼ同じ大きさの3つの気泡を、ベントミクロシリンジを使用して、シリコーン表面に下から導入した。それぞれの接触角を、気泡と改質シリコーンディスクとの角度として、直ぐに測定した。同じプラズマ処理をした7つのディスクについて合計21の測定を行い、その測定値から平均接触角を求めた。非改質、プラスマ処理、およびプラズマ処理−AMEO被覆シリコーンエラストマーの、表面元素化学の変化を、XPSを使用して測定した。Kratos Analytical XSAM 800およびDS800データ取得システムを使用して、各試料についての低解像検査スキャンおよび高解像元素スキャンを行った。Kratosは、15kVおよび9mA電流を使用して1253.6eVのパスエネルギーにおいて稼働するMg Kα X線源を備えていた。試料表面に対して90°のテークオフ(take−off)角でスペクトルを得た。相対原子濃度を与える元素分析を、炭素(C1s)、酸素(O1s)、珪素(Si2p)、および窒素(N1s)ピークの相対ピーク領域から行った。炭素ピークを使用して、高解像スキャンのピークを校正した。
酵素固定
大麦苗からの蓚酸塩分解酵素、蓚酸塩オキシダーゼ(OXO)(Sigma Chemical Co.、St.Louis、MO)を使用した。0.01M燐酸緩衝溶液(PBS)、pH7.4において、2.5%(v/v)グルタルアルデヒド(Sigma Chemical Co.、St.Louis、MO)を使用して、酵素を活性シリコーンエラストマーディスクに共有結合的に結合させた。プラズマ処理ディスクを、24穴組織培養皿の分離穴に入れた。ロッカーベッド上で、軽微な撹拌下に、ディスクをPBSで2回洗浄した(各5分)。2.5%グルタルアルデヒド溶液を穴中の各ディスクに添加し、軽微な撹拌下に培養皿を室温で1時間インキュベーションした。次に、ディスクを、PBSで3回洗浄し(各5分)、続いて45mMコハク酸ナトリウム緩衝液でpH4.0において2回(各5分)洗浄した。次に、ディスクを清浄な組織培養皿に移した。45mMコハク酸ナトリウム緩衝液、pH4.0において調製した100μg/mL蓚酸塩オキシダーゼ溶液1mLを、各ディスクに添加した。ディスクを含有しない穴に同量の酵素を添加し、これは酵素活性分析における対照反応であった。組織培養皿を、ローカーベッドで4℃で48時間にわたって20rpmでインキュベーションした。インキュベーション後、酵素溶液を吸引し、ディスクをコハク酸ナトリウム溶液で洗浄した(5分)。結合タンパク質および酵素活性の推定のために、ディスクを試験した。
固定酵素特性
OXO活性アッセイを、RequenaおよびBornemannの方法によって行った(Requena、L.ら、1999.Biochem J 343:185−190)。アッセイは、OXOによる蓚酸塩の分解の間に生成されるHの比色定量測定に基づく。清浄な24穴組織培養皿の各穴において、固定酵素および遊離培養酵素10μgを有するディスクを、コハク酸ナトリウム緩衝液、pH4.0中の40mM蓚酸カリウム1mLを使用して、37℃(30分間)、100rpmでインキュベーションした。試料を取り出し、煮沸して酵素的反応を停止し、室温に冷ました。0.5mLの10mM ABTS(2−2’−アジノビス−3−エチルベンズチアゾリン−6−スルホン酸)および10μLの2400U/mlホースラディッシュペルオキシダーゼ(両方とも45mMコハク酸ナトリウム緩衝液、pH4中)を含有する1mLの使い捨てキュベットに、前記反応混合物0.5mLを添加した。キュベットに蓋をし、室温で15分間インキュベーションした。Shimadzu UV160分光光度計を使用して、緩衝蓚酸カルシウム、ABTSおよびホースラディッシュペルオキシダーゼのブランクに対して、吸光度を650nmで測定した。モル吸光係数10、000M−1cm−1を使用して、蓚酸塩オキシダーゼの活性を算出した。活性1単位は、1分間に蓚酸塩1μmolを分解するのに必要な酵素の量として定義した。
シリコーンエラストマー表面に共有結合的に固定した酵素の量を、QantiPro(商標)BCA(ビシンコニニン酸(bicinchoninic acid))アッセイキット(Sigma Chemical Co.、St.Louis、MO)を使用して測定した。OXOで被覆したシリコーンエラストマーディスクを、1mlのQP BCA使用試薬を使用して組織培養皿穴で、37℃でインキュベーションし(2時間)、次に、室温に冷まし、吸光度を562nmで測定した。固定酵素の量を、BSA溶液の標準曲線から推定した。
改変ロビンズ装置
蓚酸カルシウム外被形成を防止するOXO被覆シリコーンエラストマーの能力を、連続流外被形成モデル、改変ロビンズ装置(MRD)を使用して、擬似尿環境において評価した。装置は、各末端にチューブコネクターを有する1.0×1.5cmチャンネルを囲む23cmアクリルブロックから成る。前もって開けた直径1cmの10個の穴を有する厚さ0.5cmのアクリルシートを、アクリルブロックにネジで固定し;漏れを防ぐために、ゴムガスケットを2つのアクリル部分の間に配置する。深さ2mmの窪みをそれぞれ有し、1cmの穴に挿入されたプラグにディスクを配置し、挿入したディスクがアクリル上部部分と同じ高さに維持されるようにし、層流を装置内に維持する。成分を表Iに示す人工尿(AU)を、0.8ml/分の速度で改変ロビンス装置によって注入した。1つは蓚酸ナトリウムを含有し、もう1つは塩化カルシウムを含有する2つのAU溶液を調製して、蓚酸カルシウム結晶化を防止した。人工尿をMRDに注入すると共に、2つの溶液を混合して、pH6.0およびEQUIL(Werness、P.G.ら、1985、J.Urol 134:1242−1244)によって算出される最終相対過飽和8を有する混合溶液を得た。
4つのOXO被覆ディスクおよび4つの対照(無酵素)ディスクを、試料プラグに取り付け、AUを使用して6日間インキュベーションした。1つの酵素被覆ディスクおよび1つの対照ディスクを、2、4および6日目に取り出し、45mMコハク酸ナトリウム緩衝液、pH4.0で濯いだ。これらのディスクを、前記のように酵素活性について試験し、次に、外被形成の程度について試験した。6日目に、残りのディスクを蒸留水で濯ぎ、乾燥させ、走査電子顕微鏡検査(SEM)およびエネルギー分散性X線分光分析(EDS)のために調製した。
Figure 2005537037
外被評価
ディスクを脱イオン水で濯ぎ、1mlの0.05M HClを使用して4℃で一晩(15〜20時間)処理して、外被形成物質を溶解した。Sigma Diagnostics(登録商標)Kit(登録商標)for Oxalate(Sigma Chemical Co.、St.Louis、MO)を使用して、溶解蓚酸塩を含有するそのHCl溶液を蓚酸塩濃度について検査した。蓚酸塩濃度を使用して、ディスク表面における外被形成の程度を定量化した。走査電子顕微鏡検査法(SEM)およびエネルギー分散性X線分光分析法(EDS)を使用して、ディスク外被の構造分析および元素分析も行った。シリコーンエラストマー試料を、5/8インチのアルミニウムスタブに1本の導電性テープで取り付けた。標準条件を使用して、試料およびスタブを金/パラジウムで被覆した。15kV加速電圧、口径設定2〜3、および集光レンズ電流範囲9〜10nAで稼働するJEOL 6400顕微鏡を使用して、試料を分析した。デジタル画像取得は、Link ISISTMソフトウエアパッケージを有する付随Oxford微量分析ハードウエアを使用して行った。EDSは、JEOL 6400 SEMに関連した同じハードウエアおよびソフトウエアを使用して、表面外被の組成分析を行った。
本発明を実施する方法を例示する実施例を下記に示す。これらの実施例は限定するものではないと理解すべきである。全てのパーセントは重要により、全ての溶媒混合物比率は、他に指定しなければ容量による。
実施例1 SRへの酵素の吸着
本発明に使用される蓚酸塩分解酵素は、基質を、タンパク質を含有する溶液に、37℃で数時間にわたって緩やかに撹拌しながら浸漬することによって、SR表面に吸着させることができる。SRへのタンパク質吸着は、可能であるが、この方法によって高濃度のタンパク質を得ることは期待できない。Ruggieriら(81)は、イオン界面活性剤、トリドデシル−メチル−アンモニウムクロライド(TDMAC)を使用して、ヘパリンを疎水性カテーテル表面(ラテックス、PVCおよびPTFE)に結合させている。この方法は、カテーテル表面への細菌の付着を減少させることに成功しているが、ヘパリンは、約1週間後に浸出することがわかった。これらの簡単な酵素固定法に固有のこれらの問題の故に、他の、より恒久的な酵素固定法を使用しうる。代替的方法は下記の方法を包含する:
1) SRを、プラズマ室で活性化し、超純水アンモニアガスで処理することができる。次に、グルタルアルデヒドまたはトリス(ヒドロキシメチル)ホスフィン(THP)のようなカップリング剤を含有する溶液に、活性SRを浸漬することができる。THPは、アミン官能性に極めて有効なカップリング剤であり、グルタルアルデヒドより加水分解を受けにくいことが示されている(Oswald、P.R.ら、1998、Enzyme and Microbial Technology、23:14−19)。最後に、改質シリコーンを、酵素を含有する溶液に浸漬して、そのアミン塩基性残基を介してそれをカップリング剤に共有結合的に結合させることができる(アミノ酸分析は、蓚酸塩分解酵素が、多くのそのようなアミン残基を含有することを示す)。リシン、アルギニンおよびヒスチジンのようなアミン含有側鎖を一般に、タンパク質の表面に暴露し、通常、たやすく誘導することができる。
2) DiTizioらによって記載された方法も使用できる(DiTizio、V.ら、1998、Biomaterials、19:1977−1884)。この方法は、4−アジド−2、3、5、6−テトラフルオロ安息香酸(AFB)改質ゼラチンで前処理したシリコーン表面に、PEG−ゼラチン−リポソーム混合物を適用することから成る。AFB−ゼラチンは、かれらの発行物に概説されているように合成できる。紫外線照射によってAFB−ゼラチンをシリコーン表面に固定し、次に、被覆生体材料をアルカリ溶液に浸漬することによってヒドロゲル混合物を適用し、NPC−PEG(ポリオキシエチレンビスp−ニトロフェニルカーボネート)とゼラチンのアミン基との反応によって架橋する。この方法は、リポソーム成分を蓚酸塩分解酵素で置き換えることによって採用できる。酵素は、ゼラチンアミン基と一緒に、NPC−PEGと共有結合的に結合したアミン基を有する。
3) ポリアクリル酸(PAA)を、アルゴン−プラズマ技術によってSRにグラフトすることもできる(Langefeld、S.ら、1999、Int.J.Art.Organs、22:235:241)。N−(3−ジメチルアミノプロピル)−N’−エチルカルボジイミドハイドロクロライドでグラフトPAA鎖の末端を活性化することによって、酵素をPAAに共有結合的に結合させることができる。
実施例2 シリコーンエラストマーにおける蓚酸塩オキシダーゼの固定
シリコーンエラストマー表面を、Arガス下、次に水蒸気下に、RFプラズマで改質した。接触角およびXPS分析によって測定したところ、Arプラズマは、表面親水性および相対酸素含有量をかなり増加させた。水蒸気プラズマは、Arプラズマ処理と比較して、表面親水性および酸素含有量をさらに増加させた。プラスマ処理シリコーンエラストマーへのAMEO被覆物の適用は、表面親水性の相対的減少を生じた。XPSによって測定したAMEO被覆表面の増加した窒素含有量は、表面アミノ化を示していた。
グルタルアルデヒド生物抱合によって、活性蓚酸塩オキシダーゼ酵素を、アミノ化した表面に固定した。固定OXOは、その自然活性の大部分を保持していた。
尿環境における蓚酸カルシウム外被形成の防止に対する、PDMSディスク上の固定蓚酸塩オキシダーゼの有効性を、改変ロビンズ装置を使用して測定した。シリコーンディスクのOXOでの被覆は、循環人工尿における4日および6日間の培養後に、非被覆ディスクと比較して、外被材料における蓚酸塩濃度の54%および56%の減少をそれぞれ生じた。酵素被覆表面における外被形成阻害を、SEMおよびEDSによるディスク表面の形態学的分析および元素分析によってさらに確認した。
表面改質
捕捉空気接触角測定値、およびXPSによって求めた表面元素組成を、種々のプラズマ処理について表IIに示す。
Figure 2005537037
ArおよびHOプラズマ処理の両方が、対照シリコーンエラストマーと比較して、増加した酸素含有量および対応する減少した炭素含有量を有する表面を生じ、減少した接触角によって示される親水性増加に相関していた。HOプラズマ処理、次にAMEO被覆は、高疎水性表面(接触角96°)を生じ、酸素および炭素量は対照PDMS試料と比較しうるものであった。AMEO被覆表面は、表面アミノ化を生じる唯一の処理であった。シリコーン含有量はプラズマ処理後に本質的に変化しなかった。
酵素固定
QP BCAタンパク質推定法によって測定した、固定タンパク質の量およびその酵素活性を表IIIに示す。
Figure 2005537037
グルタルアルデヒド生物抱合によって、平均で20.8μg(約0.26μg/mm2に相当する)の蓚酸塩オキシダーゼ(OXO)を、直径10mmのアミノ化シリコーンディスクに固定することができた。遊離酵素を使用して測定したところ、固定タンパク質は、酵素的に活性であり、その自然活性の47.5%を保持していることがわかった(表III)。
外被評価
表IVは、MRDで6日間インキュベーションしたシリコーンエラストマーディスクの、外被形成の程度を表す再溶解化蓚酸塩の量を示す。MRDで2日間のインキュベーション後に、対照またはOXO被覆ディスクのいずれにおいても、極めて少ない外被沈着であった。たった4日後で、OXO被覆シリコーンエラストマーディスクは外被の付着を有意に阻害し、6日目でより顕著な作用を示した。
Figure 2005537037
対照ディスクPDMS表面の走査電子顕微鏡検査(SEM)は、いくらかの外被沈着物を示し、対応するOXO結合PDMSディスクのSEMは、より少ない外被沈着物を示した。外被沈着物は、蓚酸カルシウム一水化物結晶に形態学的に似ていることが主に示された。両方の表面の電子分散性分光分析(EDS)は、外被沈着物がカルシウムを含有することを確認した。カルシウムの組成マッピングは、OXO結合PDMS試料と比較して、対照PDMSにおいてより多くの外被の沈着があることを確認した。
本明細書に記載した実施例および実施形態は、例示するものに過ぎず、それらに鑑みた種々の改質または変更は、当業者に示唆され、本出願の意図および範囲に含まれるものと理解すべきである。

Claims (22)

  1. 蓚酸塩含有流体の蓚酸塩濃度を減少させる方法であって、前記方法は表面に固定した少なくとも1つの蓚酸塩分解酵素に流体を接触させることを含んでなる方法。
  2. 流体が生物学的流体である請求項1に記載の方法。
  3. 生物学的流体が、血液および尿から成る群から選択される請求項2に記載の方法。
  4. 蓚酸塩分解酵素を、内在型医療装置の表面に固定する請求項1に記載の方法。
  5. 蓚酸塩分解酵素を、カテーテル、ステントまたは透析膜の表面に固定する請求項4に記載の方法。
  6. 蓚酸塩濃度を、発酵過程の流体において減少させる請求項1に記載の方法。
  7. 蓚酸塩濃度の減少が、スケールの発生を減少させる請求項6に記載の方法。
  8. 酵素を固定する表面が高分子材料である請求項1に記載の方法。
  9. 酵素を固定する表面がシリコーンエラストマーである請求項1に記載の方法。
  10. リンカーを介して、蓚酸塩分解酵素を表面に結合させる請求項1に記載の方法。
  11. 表面が抗菌性化合物をさらに含んでなる請求項1に記載の方法。
  12. 前記酵素が、蓚酸塩オキシダーゼ、蓚酸塩デカルボキシラーゼ、オキサリル−CoAデカルボキシラーゼおよびホルミル−CoAトランスフェラーゼからなる群から選択される請求項1に記載の方法。
  13. 多数の蓚酸塩分解酵素を表面に固定する請求項1に記載の方法。
  14. 哺乳動物の生体内で行われる請求項1に記載の方法。
  15. 哺乳動物がヒトである請求項14に記載の方法。
  16. 少なくとも1つの蓚酸塩分解酵素を結合させる表面であって、前記表面が透析膜、内在型医療装置、または発酵システムにおける表面。
  17. 前記内在型医療装置が、ステントおよびカテーテルからなる群から選択される請求項16に記載の表面。
  18. 高分子材料である請求項16に記載の表面。
  19. シリコーンエラストマーである請求項18に記載の表面。
  20. リンカーを介して、蓚酸塩分解酵素を表面に結合させる請求項16に記載の表面。
  21. 抗菌性化合物をさらに含んで成る請求項16に記載の表面。
  22. 前記酵素が、蓚酸塩オキシダーゼ、蓚酸塩デカルボキシラーゼ、オキサリル−CoAデカルボキシラーゼおよびホルミル−CoAトランスフェラーゼからなる群から選択される請求項16に記載の表面。
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