JP2005536144A - 一致した伝送線路相互接続装置 - Google Patents

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ツン エー. ニュエン,
アナンド ガンダバジャラ,
ウィリアム デール ブッシュ,
トーマス マシュー,
チャンゴン リウ,
トンチン ワン,
モニ ジー. マシュー,
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レッドクローバー ネットワークス,インコーポレイテッド
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Abstract

本発明により、同軸伝送線路と共面導波路とを双方向に結合する相互接続装置が提供される。相互接続装置は、同軸伝送線路と共面導波路の間に移行領域を提供するようになっており、同軸伝送線路の電界から共面導波路の電界への滑らかな移行ならびに同軸伝送線路と共面導波路の間の広帯域なインピーダンス整合をもたらす。好適な例においては、相互接続装置は、内部導体及び外部導体を有する同軸伝送線路を、中心トレース及び間隔をあけて配置された2つのコプラーナ接地平面を有した共面導波路に相互接続するために用いられる。

Description

(発明の分野)
本発明は、広義には、通信製品で用いられる相互接続装置の設計に関し、特に、タイプの異なる伝送線路間の相互接続装置に関する。
(背景)
開発が進む通信技術における一般的な傾向は、従来品と比べて高レベルのトラフィック容量を新製品にサポートさせることである。通例、より高いレベルのトラフィック容量をサポートするということは、すなわち、新製品が従来品と比べてより広い周波数帯(すなわち、帯域幅)にわたり動作可能である必要がある、ということである。さらに、より広い帯域幅が求められるのにつれて、新製品を構成する部品―マイクロチップ及びケーブルからパッケージまで―の物理的設計(幾何学形状)が、サポートされ得るトラフィック容量にますます大きな影響を持つようになる。
特に、種々の製品をつなぎ合わせるために使用される物理的な相互接続装置は、その製品の動作可能帯域幅を制限する、重大なボトルネックである。具体的には、この相互接続装置は、あるタイプの伝送線路、例えば異なる製品の接続に使用される同軸伝送線路から、別タイプの伝送線路、例えば製品内部で使用される、製品の動作可能帯域幅を制限する共面導波路への移行部である場合もある。
これらの移行部に関する主要な要件は、接続される、タイプの異なる伝送線路間のインピーダンス整合である。タイプの異なる伝送線路間の移行部のインピーダンスを確実に整合させることによって、低発散損及び低反射損の両方を達成できる。しかし、現時点まで、物理的相互接続装置は、通常、比較的狭い周波数範囲でインピーダンスを整合させるようにしか設計されていない。従来は、かなり広い範囲の周波数にわたって比較的一様なまたは一定なインピーダンス整合を提供することは、ほとんど不可能であった。広帯域通信に対応するように設計された従来の相互接続装置は、一般に、関心の伝送帯で比較的一定なインピーダンス整合を提供すために、高価で非実用的な能動インピーダンス整合回路網を必要とするものであった。
(発明の概要)
本発明のひとつの態様によれば、間隔をあけて配置された少なくとも2つの導体を有する、第1のタイプの第1の伝送線路を、間隔をあけて配置された少なくとも2つの導体を有する、第2のタイプの第2の伝送線路に双方向に結合する相互接続装置であって、前記第1の伝送線路の第1の導体に結合するようにした第1の端部と、前記第2の伝送線路の第1の導体に結合するようにした第2の端部とを有する内部導体手段と、前記第1の伝送線路の第2の導体に結合するようにした第1の端部と、前記内部導体手段の前記第2の端部に隣接し且つ前記第2の伝送線路の第2の導体に結合するようにした第2の端部とを有する外部導体手段と、前記外部導体手段の前記第1及び第2の端部間に延在する移行領域であって、前記第1の伝送線路から前記第2の伝送線路へ電界が滑らかに移行し且つ前記第1の伝送線路と前記第2の伝送線路間のインピーダンスが整合するように形成された移行領域とを備える相互接続装置が提供される。
好適な実施例においては、相互接続装置は、内部導体及び外部導体を有する同軸伝送線路を、中心トレース及び間隔をあけて配置された2つのコプラーナ接地平面を有した共面導波路に相互接続するために用いられる。この場合、相互接続装置の外部導体手段の第1の端部は、相互接続装置の内部導体のまわりに同心円状に延び、同軸ケーブルの外部導体に結合するようになっており、相互接続装置の外部導体の第2の端部は、相互接続装置の内部導体の第2の端部のまわりの一部分だけに延び、共面導波路のコプラーナ接地平面に結合するようになっている。
本発明の他の態様及び特徴は、本発明の具体的な実施例についての以下の記載を検討することで当業者には明らかになるであろう。
ここで添付図面を参照し、本発明をより詳細に説明する。
(好適な実施例の詳細な説明)
図1Aを参照すると、本発明にしたがって共面導波路(CPW)57を同軸伝送線路27に双方向に接続するよう設計された相互接続装置100が示されている。相互接続装置100は双方向型であるので、マイクロ波電力(電磁波)は、相互接続装置100を通りCPW57または同軸伝送線路27のどちらか一方から出力され、その後他の伝送線路に通される。
図1C及び1Dは、それぞれCPW57と同軸伝送線路27の断面図を示す。図1Cを参照すると、CPW57は、中心線50(すなわちトレース)及び2つのコプラーナ接地平面51aと51bから構成されている。中心線50及びコプラーナ接地平面51a及び51bが伝送線路を形成するよう、各コプラーナ接地平面51a及び接地平面51bは、短距離dだけ中心線50から隔てられている。中心線50及びコプラーナ接地平面51aと51bは、誘電体基板53の上面に位置する。誘電体基板は、デュロイド、セラミックまたはその他の適切な物質であれば、どれであってもよい。
さらに図1E及び1Fを参照すると、本実施形態において中心線50は、同軸伝送線路27に対する接続部に向かって幅広くなっている。しかし、この特徴は中心線50の実用的な適合例であり、必ずしも相互接続装置100の不可欠な特徴ではないことが、当業者には理解されるであろう。
一方、図1Dを参照すると、同軸伝送線路27は、内部ピン20及び外部導体21から構成され、外部導体21は一般に接地平面として機能する。通常、内部ピン20及び外部導体21との間に誘電体が存在する。誘電体は空気であってもよいし、または使用条件によって、柔らかくても硬くてもよい別の誘電体物質であってもよい。
また、図1C及び1Dには、それぞれ対応する電界パターン58と28(一般に「電界モード」または単に「モード」と言われる)が示されている。電界パターン58及び28は共に、内部導体(すなわち、それぞれ中心線50と内部ピン20)から生じ、それぞれ対応するコプラーナ接地平面51a、51b及び21で終端する。しかし、各タイプの伝送線路57及び27に対応する実際の電界パターン58及び28は、それらの振幅及び電場分布(パターン)形状の点で、まったく異なっている。当業者には、静止的に描かれている電場分布(パターン)58及び28が、単に例示の目的で示されているものであることが、理解されるであろう。
具体的には、CPW57に生じる電界パターン58は、中心線50の長手方向軸に関して対称な蝶形のパターンを成しているので、別個の2つの電界サブパターンを区別でき、各電界サブパターンは各コプラーナ接地平面51a及び51bでそれぞれ終端している。さらに、電界パターン58は、中心線50がコプラーナ接地平面51a及び51bに最も近い領域において最も強い。一方、同軸伝送線路27に生じる電界パターン28は、内部ピン20から外側へ放射状に放射し、外部導体21で終端する。電界パターン28は、内部ピン20からの半径方向位置が等しい領域においてほぼ等しい大きさを有している。
タイプの異なる2つの伝送線路―CPW57及び同軸伝送線路27―は、相互接続装置100を介して、インピーダンス整合及び電界整合(モード整合)の両方を達成できる。換言すると、相互接続装置100は、同軸伝送線路27の電界パターン28が、CPW57の電界パターン58に実質的に滑らかに変化する移行領域を形成している。この実質的に滑らかな移行部は、それぞれの伝送線路57と27の電界58と28が相互接続装置100を通して整合されるので、これまで達成可能であったより広い帯域幅にわたるインピーダンス整合を可能にする。
図1A、1B、1F及び1Gを参照すると、相互接続装置100は、2つの部分から構成されている。第1の部分は、パッケージ基板40であり、その上にCPW57が延在している。第2の部分は、パッケージ面43であり、その上に従来の同軸伝送線路接続90を実装できる。従来の同軸伝送線路接続90は、ねじ91及び92またはエポキシ、はんだ付けまたは他の同等な留め具等により、パッケージ面43に固定される。
いくつかの実施例では、パッケージ面43及びパッケージ基板40は、好ましくは金属の固体片から圧延される。例えば、金属はアルミニウム、真鍮または金でもよい。あるいは、パッケージ面43またはパッケージ基板40のいずれかまたは両方は、下記に詳しく説明するように、相互接続装置100内の移行領域を支持するのに必要な金属面を有する非導電材料(例えば射出成形ポリマー)から形成することもできる。
図1Bを参照すると、図1Aの線B―Bに沿った相互接続装置100の断面図が示されている。典型的な従来の同軸伝送線路接続90は、金属ハウジング71内の所定の場所に保持された同軸伝送線路27の短片から構成される。また、従来の同軸伝送線路接続具90は、従来の同軸伝送線路接続具90内で別の長さの同軸伝送線路(図示せず)を所定の位置に保持し、同軸伝送線路27の短片と接続させるようにねじ切りされた六角ナット72(または同様な留め金)を有する。この従来の同軸伝送線路接続具90の構造は一般的なものであり、別の1本の同軸伝送線路を所定の場所に保持する適宜の構造、即ち別の1本の同軸伝送線路に接続可能な同軸伝送線路27の短片を備えた結果と同効の構造であれば、どのような構造と置換することもできる。
一般に、同軸伝送線路27の短片と別の1本の同軸伝送線路が、実質的に連続した1本の同軸伝送線路になるように同軸伝送線路27の短片と別の1本の同軸伝送線路の連続が行われることは、広く理解されている。これは、同軸伝送線路27の短片の内部ピン20及び外部導体29を、別の1本の同軸伝送線路の対応する内部ピン(図示せず)及び外部導体(図示せず)に当接、したがって電気的に接触させることによって行われる。
本実施例では、同軸伝送線路27の短片は、この短片の外部導体29がパッケージ面43に当接されるよう保持されており、従ってこのパッケージ面43に電気的に接触している。その結果、パッケージ面43は、外部導体29とともに接地している。
同軸伝送線路27の短片の外部導体29は、パッケージ面43の孔45に置換される。従って、相互接続装置100は、孔45の金属の境界面を介してパッケージ面43を通る同軸型の伝送線路を提供する。同軸伝送線路における誘電体は、一般に孔45内の空気によって構成されるので、孔45の直径は、同軸伝送線路27の特性インピーダンスに整合するよう調節される。
図1Bに示されるように、内部導体20は、パッケージ面43の内部のガラスビーズ18及び従来の同軸伝送線路90の内部のガラスビーズ19により支持されてもよい。ガラスは空気より大きい誘電率を持つため、相互接続装置100の本実施例では、ガラスビーズ18及び19は、それぞれ同軸伝送線路27及び孔45の対応する直径より大きい外径を有する。ガラスビーズ18及び19の使用は本発明においては必須の構成ではない。ガラスビーズ18及び19は、内部ピン20を中断することなく機械的に支持するように意図されているが、これは他の様々な方法で実現することも可能である。例えば、同軸伝送線路は充填した空気でなくてもよく、代わりに誘電材料で内部ピン20及び外部導体29間の空間を埋めてもよいが、その場合、誘電材料が、ガラスビーズ18及び19の必要を無くすのに十分な機械的支持を内部ピン20に提供してもよい。
図1Bに示されるように、孔45の境界により形成される外部導体面の先端部は、相互接続部100の移行領域を開始するために除去されている。実際には、凹部43aが、パッケージ面43の前面の中に孔45に達する状態で内部ピン20の自由端の周りに半円開口部46を作るように、フライス加工(機械加工)により形成されている。本実施形態では、凹部43aをパッケージ面43にフライス加工することによって、相互接続装置100内の移行領域の要素(半円開口部46)を設けるのだが、別の実施形態では、凹部43aをパッケージ面43にフライス加工することによって形成されるそれらの要素を、他の方法で設けることが可能である。
半円開口部46内部において、導電スリーブ30が内部ピン20の自由端を包囲し、電気的にこれに接触する。導電スリーブ30は、内部ピン20及び中心線50が導電スリーブ30を介して電気的に接続するよう、内部ピン20の自由端を越えてCPW57の中心線50の上に延びる接触ストリップ31を有する。導電スリーブ30は、適当な力を加えればスリーブを動かすことが出来るように、はんだ付け無しで内部ピン20に固定されることが好ましい。また、導電スリーブ30の接触ストリップ31は、接触ストリップ31と電気的な接触をする中心線50の上に載ることが好ましく、はんだ付けされないことが好ましい。はんだ付け接続なしに、導電スリーブ30を介して内部ピン20及び中心線50間に電気接触を形成することにより、振動及び熱で誘発される応力及びひずみのような偶発的な動きがある場合に相互接続装置100の応力が緩和される。
具体的には、図1Gを参照すると、パッケージ面43の一部分の部分斜視図が示されている。内部ピン20を直接包囲するパッケージ面43の材料のみが、示されている。また、この図では、パッケージ面43における孔45及び半円開口部46に対する内部ピン20の相対配向が示される。内部ピン20は、実質的に、孔45の中心に沿って整合しており、従って半円開口部46の上端中央に整合している。
半円開口部46は、内部ピン20から放射される電界に実質的に大きな変化を生じさせる。半円開口部46内部の内部ピン20上方には導電材料が無いため、より多くの電界成分が半円開口部46の導電面に向かって水平に発せられるように変化した電界が誘起される。
接地平面51a及び51bは、接地接点23a及び23bを介してパッケージ面43に接続される。本実施形態では、接地接点23a及び23bは、図1Fで示されるように、パッケージ面43にフライス加工された凹部43aの上面43b上に位置する。パッケージ面43は、内部ピン20のための接地面を提供しているので、パッケージ面43は接地される必要がある。この目的で、CPW57及び同軸伝送線路27は共に接地接点23a及び23bを通して接地される。接地接点23a及び23bは、(パッケージ面43における凹部43aの)上面43bまたはそれぞれのコプラーナ接地平面51a及び51bの、両方ではなく、どちらか一方に溶接されることが好ましい。従って、パッケージ面43及びそれぞれのコプラーナ接地平面51a及び51bの両方に対して電気的な接触が保たれる。このようにすることによって、何らかの力を生じるような偶発的な動きがあった場合に、ここでも応力緩和が行われる。
図示される相互接続装置100は、金属の単片からフライス加工されたパッケージ基板40及びパッケージ面43を有する。従って、パッケージ基板40もまた、電気的に接地される。しかし前述したように、いくつかの実施形態で、パッケージ基板40及びパッケージ面43は、金属の同一片から加工されなくてもよい。そのような場合、パッケージ基板40がその表面に電荷を有しないこと、または相互接続装置100に影響し得るような、パッケージ基板40に結合される寄生信号を有しないことを確実にするために、特別な注意が要求されることもある。
相互接続装置100の電気接地をシステムの電気接地とするために、パッケージ基板40の表面は実質的に導電性であることが望ましい。典型的な例では、相互接続装置100を実装する製品は、システム全体の基板(図示せず)に取り付けられ、製品パッケージ内で生成される熱を放散させるとともに電気接地電位を一様にするように、ねじ止めまたは蝋付けされる。
孔45を貫通する同軸伝送線路27の直径が孔45の直径と同じになるように内部ピンを誘電材料で包被することは当業者にとって明かであろう。先に記載したように、誘電材料は、ガラスビーズ18及び19を含む必要を無くすに十分な機械的支持を内部ピン20に与えるものとすべきである。
図1B及び1Eもまた、CPW57に接続される移行領域の側面にある相互接続装置100の多くの特徴を示している。まず、図1Bを参照すると、図1Aに示される線B―Bに沿った相互接続装置100の一部分の断面図が示されている。内部ピン20を包囲するパッケージ面43の半円開口部46は、図示を明快にするために省略されている。半円開口部46を貫通する内部ピン20は、先に記載したように、CPW57の中心線50に電気的に接続するよう示されている。これまでに示されていない重要な詳細は、CPW57が実質的にくぼみ42の上にまで延びているのに対し、導電スリーブ30で外装されている内部ピン20が、パッケージ基板40にフライス加工されたくぼみ42の中に留まっていることである。
くぼみ42は、伝送線路の端効果(すなわち、過渡、反射、電力結合など)とパッケージ基板40の相互作用を最小限にするためにパッケージ基板40にフライス加工される。また、くぼみ42は、くぼみ42の上のCPW57の配置とともに、図1Eにも明確に示されている。さらに、実施形態によっては、低誘電率を持つ低損失誘電材料でくぼみ42を充填することが望ましいが、空気(誘電体として)を適切に使用することも可能である。
くぼみ42は、導電スリーブ30及び接触ストリップ31を介して内部ピン20がCPWに接続する領域の下方のエリアに局所的に設けられる。くぼみ42は、CPW57の全長にわたって基板の下に延びる溝41よりもずっと深い。さらに、くぼみ42は、相互接続装置100内部で電界を整形するとともに、溝41が内部ピン20に短絡しないことを確実にするという別の目的にかなうものである。くぼみ42はまた、CPWのようなやり方で、側壁部(くぼみ42内の)において横方向電界が終端するように電界を誘起されるのを助ける働きをする。
パッケージ基板43へのくぼみの最小深さ及びその延在長に関して述べると、くぼみの最小深さ及びその延在長が少なくとも内部ピン20の直径及び半径にそれぞれ等しいことである。詳述すると、くぼみの深さの選定は、3つの設計配慮事項をを満たす要求により定まる。第1の配慮事項は、目的とするCPWモードから引き出される総エネルギー量を減少させるために行われる、寄生マイクロストリップモード抑制である。第2の配慮事項は、有効誘電率を低下させる要望であり、これはCPW57の共振周波数を上昇させる効果がある。最後に第3の配慮事項は、電気的に相互接続される基板及びMMIC(ミリ波集積回路)間の高さの差を補正するようにくぼみ42を設計できることである。くぼみの深さがゼロであるような極端な設計は、浮遊CPW(Suspended CPW)がCBCPW(conductor−backed CPW)となってしまうので許されない。CBCPW線路は、より大きなモードフリーの動作帯域幅及びより大きな実現可能なインピーダンス値範囲などの、サスペンデッドCPW線路が持っている望ましい性質を有さない。
図2A及び2Bは、図1Aに示される相互接続装置100の第1の変形例を示している。相互接続装置100のこの第1の変形例では、図1Aに示される半円開口部46は、半楕円開口部46aと置き換えられる。内部ピン20は、先に半円開口部46内部にあったように、半楕円開口部46aの中心に沿って位置合わせされている。この結果、内部ピン20は円形孔45を出て、半楕円開口部46aに入り、この半楕円開口部46aが電界モードをCPW57の電界58に近づくように変更する。
図2Bを参照すると、結果として生じる電界38aが半楕円開口部46aの断面図内に示されている。さらに図1Gを参照すると、半楕円開口部46aの底部は、半円開口部46よりも内部ピン20から離れているため、結果として生じる電界38aは、当初の電界38よりも水平方向に強く、下方垂直方向に弱くなる。従って、結果として生じる電界38aはCPW57の電界58に、より近く整合するのである。
図3A及び3Bは、本発明に係る相互接続装置100の第2の変形例を示す。相互接続装置100のこの第2の変形例で、図1に示される半円開口部46は、内部ピン20が半楕円開口部46bに置き換えられており、この半楕円開口部46bの中心と面一または実質的にその下方に内部ピン20が並んだ状態とされている。半楕円開口部46bは、半楕円開口部46aよりも狭くて深い。この結果、内部ピン20は円形孔45を出ると、半楕円開口部46bに入り、この半楕円開口部46bが電界モードをCPW57の電界58に近づくように変更する。
図3Bを参照すると、結果として生じる電界38bが半楕円開口部46bの断面内に示されている。さらに図1G及び2Bを参照すると、半楕円開口部46bの底部は、半楕円開口部46aよりも内部ピン20から離れているため、結果として生じる電界38bは、電界38aよりも下方垂直方向においてずっと弱い。その上、半楕円開口部46bの底部は、半円開口部46よりも内部ピン20からいっそう離れている。従って、電界38と比べると、電界38bは電界38aとの比較におけるより、下方垂直方向にさらに弱くなっている。より狭く、より深い半楕円開口部46bの下方に内部ピンが整列されているため、電界38bの水平方向成分は、電界38及び38aの双方に較べて強い。それ故、内部ピン20は、半楕円開口部46bのほぼ水平な面により近接している。このように、結果として生じる電界38bは、その水平成分の誘起の変化の結果として、電界38及び38aと比べ、CPW57の電界58により近く整合する。
図4A及び4Bは、本発明に係る相互接続装置100の第3の変形例を示す。相互接続装置100のこの第3の変形例では、導電性の曲がったリボン26が、半円開口部46の上部に配置される。曲がったリボン26の幾何学的配置(曲がり及び幅などの形状)を変えることにより、相互接続装置100の周波数応答を調節できる。上記に述べた最初の2つの変形例、及び下記に述べる次の変形例にしたがって構成される相互接続装置に対して、本例における曲がったリボン26を追加できることは、当業者には明らかであろう。
リボン形状がほぼ半円形の場合に反射損失が最良となる。曲がったリボン26の効果は、電界38cの一部が曲がったリボン26で終端するよう電界38cを引き上げることである。これは、要望される効果とは一部相反する結果を招き、曲がったリボン26が内部ピン20に近接しすぎると、反射損失が著しく悪化する。しかし、曲がったリボン26がほぼ半円である(よって内部ピン20から十分に離れている)とき、反射損失はほぼ一様で、全周波数に渡り50オームの特性インピーダンスを示す。
図5A及び5Bは、本発明に係る相互接続装置100の第4の変形例を示す。相互接続装置100のこの第4の変形例では、図1Gに示される半円開口部46が矩形開口部46dに置き換えられている。内部ピン20は、図3Bで先に示された半楕円開口部46bのように、矩形開口部46dと中心にと面一またはその下方に位置合わせされる。この結果、内部ピン20は円形孔45を出ると、矩形開口部46dに入り、この開口部46dが電場分布を変化させ、CPW57の電界58により近づくよう電界モードを変更する。
図5Bを参照すると、結果として生じる電界38dが矩形開口部46dの断面内に示されている。さらに図1Gを参照すると、矩形開口部46dの底部は、半円開口部46の底部に比べると、内部ピン20からさらに離れているため、電界38dは水平方向にはるかに強くなり、矩形開口部46dの底部に終端する電界の成分は無視できる。従って、結果として生じる電界38dは、CPW57の電界58と実質的に同じである。
最後に、図6A、6B及び6Cで示されるのは、本発明に係る相互接続装置100の好適な実施形態の部分斜視図である。孔45と矩形開口部46eとの間には、複数箇所をフライス加工によって取り除くことによって段差47が多段にわたって形成された滑らかな移行部が存在する。段差47は、滑らかな移行部を形成するように十分に小さいことが好ましい。実際、いくつかの実施形態の滑らかな移行部は、段差47を設けるのではなく、図6Bで示されるように1回の機械加工段階で滑らかな曲面を形成する技術を用いてフライス加工されてもよい。
特に、図6Bを参照すると、図6Aに示される相互接続装置100のパッケージ面43の一部分の理想的な部分斜視図が示されている。内部ピン20を直接包囲するパッケージ面43の材料のみが示されている。矩形開口部46eの底部は平坦であるが、孔45底部の円形面から、フライス加工されることが好ましい矩形開口部46eまで滑らかな表面を形成するような移行部が存在する。開口部の底部は49a、49b及び49cの3区間で示されている。第1の区間49aは、第2の区間49bの半楕円形の輪郭へ変化していく半円形の輪郭を有している。同様に、第2の区間49bは、図5A及び5Bで示される実施形態に類似する矩形の輪郭を有する第3の区間49cへ徐々に変化していく。
相互接続装置100内の移行領域―3つの区間49a、49b及び49cにより示される―の本発明に係るこの好適な実施形態では、結果として生じる、同軸伝送線路27の電界28は、CPW57の電界58に厳密に整合する新しい電界に滑らかに適合(整合)される。このように、タイプの異なる2つの伝送線路は、最初に電界の整合が確実に行われることによって、幅広い帯域幅に渡ってインピーダンス整合される。
図6Bを参照すると、移行領域は、目標の周波数において少なくとも長さ4分の1波長であり、幅を徐々に減少するとともに深さを徐々に増加する場合に最も有効である。換言すると、矩形開口部46eの深さは孔45の半径より大きく、矩形開口部46eの幅Wは孔45の直径dよりも小さい。
図5A及び6Bにおいて、矩形開口部46d及び46eの幅は、相互接続装置100の反射損失に著しい影響を持つことに留意することが重要である。矩形開口部46d及び46eの側壁は、幅が減少するのにともなって内部ピン20に近づいていく。それゆえ、内部ピン20から発する電界は、垂直方向に矩形開口部46d及び46eの底部で終端する場合と比較して、より多くの部分が水平方向に終端する。従って、矩形開口部46d及び46eの幅を変えることにより、インピーダンス整合を保持しながら電界の形状を適宜に形成できる。
実際、すでに説明した本実施形態の前述の適合例はいずれも、開口部(半円、半楕円、矩形等)の幅を動的に変える手段を取り付けることによって整調可能な相互接続装置を提供するようにすることもできる。好適な適合例において、相互接続装置100は、内部ピン20に直交する開口部の側面に一対の止めねじ(図示せず)を組み込むことによって整調可能とすることもできる。一対の止めねじは、締めたり緩めたりして開口部の幅を変化させることができ、よって結果として生じる開口部内の電場分布を変更する。
一方、矩形開口部46d及び46eの深さは、ある一定のレベルを超える反射減衰量にはほとんど影響を及ぼさない。このレベルにおいて、矩形開口部46d及び46eの底部は内部ピン20からかなり離れているため、電界の垂直成分は電界の水平成分と比べて非常に弱いので、重要とはみなされない。
また、前述の相互接続装置100の実施形態の代替例として、導電スリーブ30を除去することによって相互接続装置100をさらに変更できる。そのような適用例では、内部ピン20の端部を、CPW57の中心線50との接続に適した平坦な接触面を提供するように形成することが望ましい。これは、平らな底面を備えたタブ状の突出部を残すように、内部ピン20の一部分を、その円形断面を通ってその長さに沿ってスライスすることによって行うことができる。タブ状の突出部は、内部ピン20をスライスすることにより形成されるため、CPW接地平面51a及び51bまでの距離は、側縁端の末端部において最小となる。しかしながら、導電スリーブが無いことにより、導電スリーブ無しで作製された相互接続装置100の実施形態の内部で得られる応力緩和量は低くなる。また、導電スリーブ30は、それぞれ内部ピン20及び中心線50の両方に固定されるボンドワイヤまたは導電性のリボンに置き換えることができる。
本発明における好適な実施形態を記載及び図示してきたが、当業者には数々の変更及び修正が可能であることが明らかであろう。特に、誘電体または真空により隔てられた2つ以上の導体が伝播路を確立することを求められる、任意の2種の伝送線路と組み合わせて使用されるように本発明を適合し得ることは、当業者とって自明であろう。
図1Aは、同軸伝送線路を共面導波路に接続する本発明に係る相互接続装置の斜視図である。 図1Bは、図1Aの線B―Bに沿った拡大断面図であり、図1Aの相互接続装置内の移行領域を示す。 図1Cは、図1Aの線C―Cに沿った拡大断面図であり、図1Aの相互接続装置で使用される共面導波路を示す。 図1Dは、図1Aの相互接続装置で使用される同軸伝送線路の拡大断面図である。 図1Eは、図1Aに示される相互接続装置の一部分の拡大斜視図である。 図1Fは、図1Aに示される相互接続装置の別の部分の拡大斜視図である。 図1Gは、図1Aの相互接続装置内の移行領域の拡大部分斜視図である。 図2Aは、図1Aに示される相互接続装置の第1の変形例の部分斜視図である。 図2Bは、図2Aに示される相互接続装置の拡大断面図である。 図3Aは、図1Aに示される相互接続装置の第2の変形例の部分斜視図である。 図3Bは、図3Aに示される相互接続装置の拡大断面図である。 図4Aは、図1Aに示される相互接続装置の第3の変形例の部分斜視図である。 図4Bは、図4Aに示される相互接続装置の拡大断面図である。 図5Aは、図1Aに示される相互接続装置の第4の変形例の部分斜視図である。 図5Bは、図5Aに示される相互接続装置の拡大断面図である。 図6Aは、図1Aに示される相互接続装置の第5の変形例の部分斜視図である。 図6Bは、図6Aに示される相互接続装置内の移行領域の拡大部分斜視図である。 図6Cは、図6Aに示される相互接続装置内の移行領域の縦断面図である。

Claims (17)

  1. 間隔をあけて配置された少なくとも2つの導体を有する第1のタイプの第1の伝送線路を、間隔をあけて配置された少なくとも2つの導体を有する第2のタイプの第2の伝送線路に双方向に結合する相互接続装置であって、
    前記第1の伝送線路の第1の導体に結合するようにされた第1の端部と、前記第2の伝送線路の第1の導体に結合するようにした第2の端部とを有する内部導体手段と、
    前記第1の伝送線路の第2の導体に結合するようにされた第1の端部と、前記内部導体手段の前記第2の端部に近接し且つ前記第2の伝送線路の第2の導体に結合するようにされた第2の端部を有する外部導体手段と、
    前記外部導体手段の前記第1及び第2の端部間に延在する移行領域であって、前記第1の伝送線路から前記第2の伝送線路へ電界を滑らかに移行させ、且つ前記第1の伝送線路と前記第2の伝送線路間のインピーダンスを整合させるように形成された移行領域と、
    を備える相互接続装置。
  2. 請求項1に記載の相互接続装置において、前記第1の伝送線路が内部導体及び外部導体を有する同軸伝送線路であり、前記第2の伝送線路が中心トレース及び間隔をあけて配置された2つのコプラーナ接地平面を有した共面導波路であり、前記相互接続装置の前記外部導体手段の前記第1の端部が、前記相互接続装置の前記内部導体のまわりに同心円状に延び、同軸ケーブルの前記外部導体に結合するようになっており、前記相互接続装置の前記外部導体の前記第2の端部が、前記相互接続装置の前記内部導体の前記第2の端部のまわりの一部分だけに延び、前記共面導波路の前記コプラーナ接地平面に結合するようになっている、相互接続装置。
  3. 請求項2に記載の相互接続装置において、前記外部導体手段の前記第2の端部が前記内部導体手段の前記第2の端部のまわりに半円に形成されている、相互接続装置。
  4. 請求項2に記載の相互接続装置において、前記外部導体手段の前記第2の端部が前記内部導体手段の前記第2の端部のまわりに半楕円に形成されている、相互接続装置。
  5. 請求項2に記載の相互接続装置において、前記外部導体手段の前記第2の端部が、前記内部導体手段の前記第2の端部のまわりに半矩形に形成されている、相互接続装置。
  6. 請求項2乃至5のいずれか1項に記載の相互接続装置において、前記内部導体手段の前記第2の端部で支えられる導電性スリーブをさらに備え、前記導電性スリーブが前記内部導体手段の前記第2の端部を前記共面導波路の中心トレースに電気的に接続する一体型の接触ストリップを含む、相互接続装置。
  7. 請求項2乃至5のいずれか1項に記載の相互接続装置において、前記内部導体手段の前記第2の端部を前記共面導波路の前記中心トレースに電気的に接続するボンドワイヤをさらに備える、相互接続装置。
  8. 請求項2乃至5のいずれか1項に記載の相互接続装置において、前記内部導体手段の前記第2の端部を前記共面導波路の前記中心トレースに電気的に接続する導電性のリボンをさらに備える、相互接続装置。
  9. 請求項2乃至5のいずれか1項に記載の相互接続装置において、前記内部導体手段の前記第2の端部が前記共面導波路の前記中心トレースに直接接触するようになっている、相互接続装置。
  10. 請求項2乃至9のいずれか1項に記載の相互接続装置において、前記内部導体手段の前記第2の端部が前記外部導体手段の前記第2の端部の上部開口部内の中心に面一に位置合わせされている、相互接続装置。
  11. 請求項2乃至9のいずれか1項に記載の相互接続装置において、前記内部導体手段の前記第2の端部は、前記外部導体手段の前記第2の端部の上部開口部の下で中心に位置合わせされている、相互接続装置。
  12. 請求項2乃至11のいずれか1項に記載の相互接続装置において、前記外部導体手段の前記第2の端部の上部開口部の上方に配置される曲がった導電性のリボンをさらに備え、前記導電性のリボンが前記外部導体手段の前記第2の端部とともに前記内部導体手段の前記第2の端部を事実上完全に包囲し、前記第2の端部から間隔をあけて配置されている、相互接続装置。
  13. 請求項5に記載の相互接続装置において、前記半矩形開口部の幅が前記外部導体手段の前記第1の端部の直径よりも小さい、相互接続装置。
  14. 請求項2乃至13のいずれか1項に記載の相互接続装置において、前記内部導体手段が前記外部導体手段内で、前記移行領域内に配置された少なくとも1つの誘電性ビーズによって支持される、相互接続装置。
  15. 請求項2乃至13のいずれか1項に記載の相互接続装置において、前記内部導体手段が導電性材料により包囲される、相互接続装置。
  16. 先行する請求項のいずれかに記載の相互接続装置において、前記外部導体が機械加工された金属ブロックの表面によって提供される、相互接続装置。
  17. 先行する請求項のいずれかに記載の相互接続装置において、前記外部導体が成形された誘電材料の金属蒸着面によって提供される、相互接続装置。
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