JP2005535626A - クルクミンによるヒト多発性骨髄腫の治療 - Google Patents
クルクミンによるヒト多発性骨髄腫の治療Info
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Abstract
すべての多発性骨髄腫細胞株は、常時活性型IκBキナーゼ(IKK)、IκBαリン酸化反応及び常時活性型NF-κBを示すことが調査された。化学防御剤であるクルクミンは、IKK活性の抑制及びNF-κBの下方制御を通じて常時IκBαリン酸化反応を抑制する。クルクミンは、またIκBα、Bcl-2、Bcl-xL、サイクリンD1及びインターロイキン-6のようなNF-κB調節遺伝子生産物の発現を下方制御する。
その結果、クルクミンは多発性骨髄腫細胞増殖を抑制し、細胞サイクルのG1/S期での細胞を停止する。クルクミンはまたアポトーシス及びビンクリチンに対する化学的感受性を誘導する。全体的に、ここで提供される結果は薬理学的に安全な薬剤での多発性骨髄腫患者の治療に対する分子的基礎を提供する。
その結果、クルクミンは多発性骨髄腫細胞増殖を抑制し、細胞サイクルのG1/S期での細胞を停止する。クルクミンはまたアポトーシス及びビンクリチンに対する化学的感受性を誘導する。全体的に、ここで提供される結果は薬理学的に安全な薬剤での多発性骨髄腫患者の治療に対する分子的基礎を提供する。
Description
本発明は、一般に、癌生物学の分野に関するものである。より具体的には、本発明は、ヒト多発性骨髄腫をクルクミンによって治療する方法を開示するものである。
(関連出願の相互参照)
仮出願でない本出願は、現在は放棄されている2002年6月24日に申請された米国仮出願第60/390,926号の利益を主張するものである。
仮出願でない本出願は、現在は放棄されている2002年6月24日に申請された米国仮出願第60/390,926号の利益を主張するものである。
多発性骨髄腫は、増殖指数が低く、寿命が延びた分泌形質細胞の骨髄における潜在的な集積によって特徴づけられるB細胞の悪性腫瘍である。多発性骨髄腫は、すべての癌のうちの1%、すべての血液癌の10%未満を占める。標準的な治療法には、ビンクリスチン、BCNU、メルファラン、シクロホスファミド、アドリアマイシン、及びプレドニゾンまたはデキサメタゾンの組み合わせなどがある。大量のグルココルチコイド及びアルキル化剤による治療にもかかわらず、この悪性腫瘍は依然として不治のままである。完全寛解率は5%であり、生存期間の中央値は30−36カ月である。90%以上の患者で、この疾患は化学的抵抗性を示す。従って、安全で有効な薬剤が、多発性骨髄腫の治療のために緊急に必要とされている。
形質細胞におけるアポトーシス機序の調節不全は、その病因における主要な基礎的因子、及びその結果生じる、多発性骨髄腫における化学的抵抗性であると考えられる。自己分泌またはパラ分泌のいずれかで産生されるIL-6は、腫瘍細胞の成長及び生存を調節することによって、多発性骨髄腫の悪性進行にきわめて重要な役割を有することが立証されている。IL-6の存在は、続いて高レベルの抗アポトーシス蛋白質Bcl-xLの発現という結果をもたらすStat 3の常時活性化を導く。多発性骨髄腫細胞株の大部分に見られるBcl-2の過剰発現によって、これらの細胞はグルココルチコイド誘導アポトーシスから救出される。TNFによる多発性骨髄腫細胞の治療は、NF-κBを活性化し、IL-6の分泌を誘導し、種々の接着分子の発現を誘導し、そして、増殖を促進する。さらに、多発性骨髄腫細胞は、NF-κB(RANKL)を活性化するレセプターのためのリガンドを発現させることが示されており、上記NF-κBは、多発性骨髄腫誘導溶骨性骨疾患を媒介することが可能なTNFスーパーファミリーのメンバーである。
多発性骨髄腫細胞がアポトーシスに対する抵抗性を進展させる潜在的な機序のひとつは、核転写因子NF-κBの活性化を通じたものである。通常の状態では、NF-κBは、p50、p65及びIκBαサブユニットから構成される不活性なヘテロ三量体として細胞質内に存在する。活性化すると、IκBαは、26Sプロテオソームによってリン酸化反応及びユビキチン化依存分解を受け、従って、p50-p65ヘテロ二量体上で核局在化シグナルに暴露し、核転座をもたらし、そして、特異的なコンセンサスDNA配列(5'-GGGACTTTC-3'、配列識別番号NO.1)と結合する。DNAと結合するNF-κBは遺伝子発現を活性化し、引いては遺伝子転写をもたらす。IκBαのリン酸化反応は、IκBキナーゼ(IKK)の活性化を通じて生じる。IκBキナーゼ複合体は、3つの蛋白質、IKKa、IKKb及びIKKg/NF-kB必須修飾因子(NEMO)から成る。IKKα及びIKKβは、IκBαをリン酸化することが可能であり、一方IKKγ/NEMOは、IKKα及びIKKβ活性にとって重要な骨格蛋白質である。
過去数年間の広範な研究により、NF-κBは、アポトーシス、腫瘍形成及び炎症に重要な役割を果たす種々の遺伝子の発現を調節することが示されてきた。NF-κBによって調節される遺伝子の一部には、IκBα、サイクリンD1、Bcl-2、bcl-xL、COX-2、IL-6、及び接着分子ICAM-1、VCAM-1、及びELAM-1などがある。最近、NF-κBは、多発性骨髄腫細胞内で常時活性であり、これらの細胞をグルココルチコイド誘導アポトーシスから救出するbcl-2発現をもたらすことが報告された。多発性骨髄腫細胞は、以下すべてNF-κBによって調節される、IL-6、種々の接着分子、bcl-xL及びbcl-2を発現させ、そして、それらの抑制はアポトーシスを引き起こすことが可能であることから、NF-κBは多発性骨髄腫治療のための重要な標的であることが提示される。しかし、先行技術は、多発性骨髄腫における恒常的なNF-κBを阻害する薬理学的に安全で有効な薬剤を識別する点が不十分である。本発明は、本技術分野におけるこの長年のニーズを実現するものである。
(発明の概要)
細胞の生存及び増殖における核転写因子NF-κBの中心的役割のゆえに、それを多発性骨髄腫治療に対する標的として用いることの可能性が、ヒトにごくわずかまたは全く毒性を持たないことが知られている薬剤である、クルクミン(ジフェルロイルメタン)を用いて検討された。NF-κBは、調べたすべてのヒト多発性骨髄腫細胞株で恒常的に活性であって、化学防御剤である上記クルクミンは、電気泳動度ゲル・シフト・アッセイによって示されるように、すべての細胞株のNF-κBを下方制御し、そして、免疫細胞化学によって示されるように、p65の核リテンションを防御した。すべての多発性骨髄腫細胞株は、常時活性型IκBキナーゼ(IKK)及びIκBαリン酸化反応を示した。クルクミンは、IkBキナーゼ活性の阻害を通じて恒常的にIκBαリン酸化反応を抑制した。クルクミンは、IκBα、Bcl-2、Bcl-xL、サイクリンD1及びインターロイキン6などのNF-κB調節遺伝子産物の発現も下方制御した。これは、細胞周期のG1/S期での増殖抑制及び細胞停止をもたらした。
細胞の生存及び増殖における核転写因子NF-κBの中心的役割のゆえに、それを多発性骨髄腫治療に対する標的として用いることの可能性が、ヒトにごくわずかまたは全く毒性を持たないことが知られている薬剤である、クルクミン(ジフェルロイルメタン)を用いて検討された。NF-κBは、調べたすべてのヒト多発性骨髄腫細胞株で恒常的に活性であって、化学防御剤である上記クルクミンは、電気泳動度ゲル・シフト・アッセイによって示されるように、すべての細胞株のNF-κBを下方制御し、そして、免疫細胞化学によって示されるように、p65の核リテンションを防御した。すべての多発性骨髄腫細胞株は、常時活性型IκBキナーゼ(IKK)及びIκBαリン酸化反応を示した。クルクミンは、IkBキナーゼ活性の阻害を通じて恒常的にIκBαリン酸化反応を抑制した。クルクミンは、IκBα、Bcl-2、Bcl-xL、サイクリンD1及びインターロイキン6などのNF-κB調節遺伝子産物の発現も下方制御した。これは、細胞周期のG1/S期での増殖抑制及び細胞停止をもたらした。
IKKg/NF-kB必須修飾因子結合ドメイン・ペプチドによるNF-κB複合体の抑制は、多発性骨髄腫細胞の増殖も抑制した。クルクミンは、カスパーゼ7及びカスパーゼ9の活性化によって、及びPARP切断によって示されるようにアポトーシスも誘導した。化学的抵抗性に関与している因子であるNF-κBのクルクミン誘導下方制御は、ビンクリスチンに化学的感受性も誘導した。これらの結果は、クルクミンがヒト多発性骨髄腫細胞内のNF-κBを下方制御し、増殖の抑制とアポトーシスの誘導をもたらすことを示す。
本発明は、22名の多発性骨髄腫患者の骨髄からのCD138+細胞をアッセイし、免疫細胞化学によってNF-κB及びSTAT3の活性化された型を調べた。すべての患者からの多発性骨髄腫細胞が、NF-κB及びSTAT3の活性型を発現させたことがわかった。NF-κBの恒常的活性化は、電気泳動度ゲル・シフト・アッセイによって独立的に確認された。多発性骨髄腫の患者とは対照的に、NF-κB及びSTAT3は、健康なヒトから得た細胞に存在しなかった。クルクミン(ジフェルロイルメタン)によるex vivoでの処理による多発性骨髄腫細胞内のNF-κB及びSTAT3の活性化の抑制は、細胞の生存度の減少をもたらした。ジフェルロイルメタンは、NF-κBの活性化を部分的に抑制し、骨髄腫細胞に対して最小限の細胞毒性しか持たなかった。全体として、これらの結果は、多発性骨髄腫患者からの新鮮な細胞が、常時活性型NF-κB及びSTAT3を発現させ、そして、これら転写因子の抑制が、これらの細胞の生存を阻害することを示す。
本発明のその他及びさらなる態様、特徴及び利点は、本発明の現在のところ好ましい実施の形態の以下の説明から明らかになるであろう。これらの実施の形態は、開示の目的のために提供される。
クルクミンは、種々の炎症刺激によって誘導されるNF-κBの活性化を抑制し、NF-κB活性化に必要なIκBキナーゼ活性の活性化を阻害することが示されてきた。クルクミンは、Bcl-2、COX-2、MMP-9、TNF、サイクリンD1、及び接着分子など種々のNF-κB調節遺伝子の発現も下方制御する。さらに、クルクミンは、カスパーゼ8、BID切断、チトクロームC放出、カスパーゼ9、及びカスパーゼ3の連続的な活性を通じて多種多様な細胞でアポトーシスを誘導することが報告されいる。多くの動物実験によって、クルクミンは、多種多様な異なる腫瘍に対して強力な化学防御活性を有することが示され(Rao et al., 1995; Kawamori et al., 1999)、クルクミンの1日当たり8 gのヒトへの投与でも第I期臨床試験において安全であることが示されている(Cheng et al., 1998)。
本明細書で提示される結果は、NF-κBが、検討されるすべてのヒト多発性骨髄腫細胞株で常時活性型であることを示している。クルクミンは核プール、またはNF-κBの活性型を下方制御し、恒常的なIκBαリン酸化、IKKキナーゼ活性、及びNF-κB調節遺伝子産物IκBα、Bcl-2、Bcl-xL、サイクリンD1及びインターロイキン6の発現を抑制した。これは、増殖の抑制、細胞周期のG1/S境界期での細胞停止、及び、カスパーゼ7及びカスパーゼ9の活性化及びPARP切断によって示されるようなアポトーシスの誘導をもたらす。クルクミンは、ビンクリスチンに化学的感受性も誘導した。
本明細書で用いられる4つの多発性骨髄腫細胞株(U266、RPMI8226、MM.1及びMM.1R)すべてが、常時活性型NF-κBを発現した。これらの結果は、電気泳動度ゲル・シフト・アッセイによるU266及びRPMI-8226細胞における恒常的なNF-κBを示した最近の2つの報告に一致する。デキサメタゾン抵抗性細胞株であるMM.1及びMM.1Rも、恒常的なNF-κBを示した。これらの結果は、MM.1細胞と同一であるMM.1S細胞内の常時活性型NF-κBの欠失を示した、Hideshimaらの結果とは異なっている。NF-κBの恒常的な活性化はp65の核転座をもたらすので、免疫細胞化学によって検討されるすべての細胞株の核p65の存在が確認された。これらの結果は、多発性骨髄腫細胞が、NF-κB活性化に必要なキナーゼである常時活性型IκBキナーゼを表すことをさらに示す。これは、多発性骨髄腫細胞におけるIκBキナーゼ活性の増強を示す最初の報告である。
本明細書で検討される4つの多発性骨髄腫細胞株すべてにおけるクルクミンによる恒常的なNF-κB活性化の抑制は、クルクミンがNF-κB活性化の強力な阻害因子であることを示したこれまでの報告と一致する。クルクミンは、多発性骨髄腫細胞に存在する常時活性型IκBキナーゼを阻害することによってNF-κBの活性化を阻害する。クルクミンは細胞内部とin vitroの両方でIκBキナーゼ活性を阻害するため、クルクミンはIκBキナーゼの直接の阻害因子であることが示唆される。組み換えIκBキナーゼ酵素が用いられなかったので、クルクミンによるIκBキナーゼの間接的な阻害の可能性を完全に除外することはできない。いずれにせよ、クルクミンは、IκBキナーゼ活性化を抑制すると考えられ、そのIκBキナーゼ活性化はIκBαリン酸化の阻害、従って、IκBα分解の抑止をもたらす。これらの結果は、大腸癌細胞及びマクロファージでのクルクミンによるIκBキナーゼの阻害を示したこれまでの報告と一致する。最近の報告で、合理的に設計されたIκBキナーゼ阻害剤であるPS-1145がMM.1細胞内でTNF誘導NF-κB活性化を阻害したことが示された。上記細胞内でIκBキナーゼ活性化を阻害するために必要なクルクミンの濃度は、PS-1145について報告されたものに匹敵した。
多発性骨髄腫細胞内でのクルクミンによる細胞増殖の抑制は、NF-κBのクルクミン誘導抑制が、皮膚T細胞性リンパ腫及び急性骨髄性白血病の細胞増殖の抑制をもたらすことを示したこれまでの報告と一致する。クルクミンの抗増殖性効果に関する結果は、IKKブロッカーであるPS-1145が細胞増殖を阻害するというHideshimaらの結果と一致する。これらの研究者は、50μMのPS-1145が、多発性骨髄腫細胞株MM.1S、RPMI-8226及びU266の増殖を50%未満抑制することを報告した。対照的に、これらすべての細胞株の増殖の殆ど完全な阻害が、わずか10μMのクルクミンで見られた。
いくつかの潜在的な機序によって、なぜクルクミンによるNF-κBの下方制御が多発性骨髄腫細胞の増殖抑制をもたらすのか説明することが可能であろう。上記潜在的な機序のひとつは、本明細書に示されるようなIL-6産生の抑制に関連する。多くの研究によって、IL-6 が、多発性骨髄腫細胞に対する強力な成長因子であることが示されている。IL-6 が、多発性骨髄腫細胞に対するパラ分泌または自己分泌成長因子であるかどうかは、大いに議論の余地がある。しかし、これらの研究では、検討された4つの細胞株のうち3つが、検出可能なIL-6を産生しなかったことから、クルクミンが、IL-6産生の抑制を通じて多発性骨髄腫細胞の成長を抑制したことはありそうにない。常時活性型Stat3(例えば、RPMI 8226)を発現させない細胞の増殖もクルクミンによって阻害されるので、クルクミンが常時活性型Stat3シグナル伝達を通じて細胞成長を阻害することもありそうにない。本研究において、クルクミンは、多発性骨髄腫細胞の細胞生存に関与している蛋白質であるbcl-2及びbcl-xLの発現を下方制御した。従って、クルクミンによるbcl-2及びbcl-xLの下方制御は、多発性骨髄腫細胞増殖の抑制をもたらした可能性がある。
多発性骨髄腫細胞が、別のNF-κB調節遺伝子であるサイクリンD1を過剰発現すること、及びこの発現がクルクミンによって下方制御されることも発見された。サイクリンD1の過剰発現は、多種多様な腫瘍で注目されてきたが、多発性骨髄腫細胞におけるその役割は報告されていない。サイクリンD1は、細胞が細胞周期のG1期からS期へ進むために必要とされることを考えると、G1/S停止の誘導、従って、クルクミンによる多発性骨髄腫細胞増殖の抑制は、サイクリンD1の下方制御に起因する可能性がある。
クルクミンによるNF-κBの抑制は、カスパーゼの活性化及びPARPの切断によって示されるような多発性骨髄腫細胞のアポトーシスももたらした。これらの結果は、NF-κBが抗アポトーシス効果を媒介することを示す報告と一致する。NF-κBの下方制御は、ビンクリスチンに対する多発性骨髄腫細胞も増感させた。デキサメタゾンに抵抗性を持つことが示されているMM.1R細胞でさえも、クルクミンに対する感受性を有した。
多発性骨髄腫は、不治の侵襲性B細胞悪性腫瘍であり、多発性骨髄腫患者の90%以上が化学的抵抗性になる。いくつかの薬剤が、多発性骨髄腫のより効果的な治療を求めてテストされてきた。これらの薬剤には、PS341、プロテオソーム阻害剤、及びTNF産生の阻害剤であるサリドマイドなどがある。非特異的薬剤毒性は、薬剤開発における主要な問題の1つである。しかし、数多くの研究によって、クルクミンが薬理学的に安全であることが示されている。ヒトは、経口投与の場合に1日当たり8グラムまでのクルクミンを許容可能であることが、最近第1期臨床試験で示された(Cheng et al., 1998)。さらに、クルクミンは、以下すべて多発性骨髄腫細胞による間質細胞の活性化に関与しているNF-κB調節遺伝子産物である、ICAM-1、VCAM-1及びELAM-1の発現を下方制御することが示されてきた。多発性骨髄腫において病理学的役割を果たすことが知られているもう1つのサイトカイン、TNFも、クルクミンによって下方制御されることが示されている。本明細書に提示される結果は、クルクミンが、NF-κB、IKK、bcl-2、bcl-xL、サイクリンD1、及び多発性骨髄腫細胞における細胞増殖を抑制可能であることを示す。これらの結果により、多発性骨髄腫を有する患者の臨床試験にクルクミンを考慮するのに値する十分な理論的根拠が提供される。
本明細書で用いられるように、『多発性骨髄腫細胞』とは、多発性骨髄腫患者から単離される多発性骨髄腫細胞株またはCD138+形質細胞を意味する。
本発明で、多発性骨髄腫細胞の増殖を阻害し、多発性骨髄腫細胞にアポトーシスを誘導し、そして、クルクミンでの治療によって多発性骨髄腫細胞に対して化学療法剤の細胞毒性効果を増大させる方法が提供される。一般に、上記化学療法剤は、ビンクリスチン、BCNU、メルファラン、シクロホスファミド、アドリアマイシン、プレドニゾンまたはデキサメタゾンが可能である。
本発明は、個体の多発性骨髄腫を治療し、そして、クルクミンでの治療によって個体の多発性骨髄腫細胞に対して化学療法剤の細胞毒性効果を増大させる方法にも関するものである。一般に、上記化学療法剤は上に挙げられた化学療法剤である。
本発明による方法は、クルクミンで構成される医薬品組成物、例えば、クルクミンと、本技術分野で周知であって日常的に用いられる薬理学的に許容可能な担体とで構成される医薬品組成物を用いることが特に検討される。クルクミンの利用に関する公開された臨床試験(Cheng et al., 1998)及びその他の研究を踏まえて、本技術分野で通常の技能を持つ当業者は、過度の実験を行なうことなしに、本発明による方法においてクルクミンの適切な投薬量及び投与経路を容易に決定することができるであろう。in vivoで治療のために用いられる場合、クルクミンは患者または動物に治療上効果的な量で、すなわち、多発性骨髄腫細胞の増殖を抑制し、多発性骨髄腫細胞にアポトーシスを誘導し、または多発性骨髄腫に対する化学療法剤の細胞毒性効果を増大させる量で、例えば、上記個体の体重につき約0.01 mg/kgから個体の体重につき約500 mg/kgまでの用量で投与される。
以下の実施例は、本発明の種々の実施の形態を説明する目的のために提供され、いかなる意味でも本発明を限定する意図はない。本実施の形態は、本明細書で述べられる方法、手順、治療、分子及び特定の化合物と共に、現在のところ代表的な好ましい実施の形態である。当業者であれば、本発明は、目的を実行し、述べられた目的及び利点、そして本明細書に内在するそれらの目的、目標及び利点を得るために十分適合していることを容易に理解するであろう。本明細書における変更、及び特許請求の範囲によって定義されるような本発明の精神に含まれるその他の利用は、当業者に想起されるであろう。
細胞及び試薬
ヒト多発性骨髄腫細胞株U266、RPMI 8226及びMM.1を、American Type Culture Collection (Rockville, MD) から入手した。細胞株U266(ATCC#TIB-196)及びRPMI8226(ATCC#CCL-155)はB細胞起源の形質細胞腫である。U266は、モノクローナル抗体及びIL-6を産生することが知られている。RPMI 8226は、免疫グロブリン軽鎖のみを産生し、重鎖またはIL-6産生の証拠はない。RPMI8226のドキソルビシン(Dox-6)- 及びメルファラン(LR-5)-抵抗性クローンは、Dr. Willium Dalton (H. Lee Moffitt Cancer Center and Research Institute, Tampa FL.) によって提供された。
ヒト多発性骨髄腫細胞株U266、RPMI 8226及びMM.1を、American Type Culture Collection (Rockville, MD) から入手した。細胞株U266(ATCC#TIB-196)及びRPMI8226(ATCC#CCL-155)はB細胞起源の形質細胞腫である。U266は、モノクローナル抗体及びIL-6を産生することが知られている。RPMI 8226は、免疫グロブリン軽鎖のみを産生し、重鎖またはIL-6産生の証拠はない。RPMI8226のドキソルビシン(Dox-6)- 及びメルファラン(LR-5)-抵抗性クローンは、Dr. Willium Dalton (H. Lee Moffitt Cancer Center and Research Institute, Tampa FL.) によって提供された。
IgA骨髄腫を有する患者の抹消血細胞から確立されたMM.1(MM.1Sとも称される)細胞株は、ラムダ軽鎖を分泌し、EBVゲノムの存在に対してネガティブであり、そして、白血球抗原DR、PCA-1、T9及びT10抗原を発現させる。MM.1Tは、MM.1細胞のデキサメタゾン抵抗性変異株である。これら2つの細胞株は、Dr. Steve T. Rosen of Northwestern University Medical School (Chicago, IL) によって提供された。
IkBa、p50、p65、サイクリンD1、Bcl-2、Bcl-xL、及びPARPに対するウサギポリクロナール抗体及びSTAT3をSanta Cruz Biotechnology (Santa Cruz, CA) から購入した。切断PARP、ホスホIkBa、プロカスパーゼ7、プロカスパーゼ9及びポリヌクレオチド・キナーゼ・キットをNew England Biolabs, Inc. (Beverly, MA) から購入した。抗IKKa及び抗IKKb抗体は、Imgenex (San Diego, CA) から好意により提供された。ヤギ抗ウサギHRP接合体をBio-Rad Laboratories (Hercules, CA) から購入し、ヤギ抗マウスHRPをTransduction Laboratories ( Lexington, KY) から購入し、ヤギ抗ウサギAlexa 594をMolecular Probes (Eugene, OR) から購入した。抗CD138マイクロビーズ及びPE接合抗CD138をMiltenyi Biotech (Auburn, CA) から購入した。
細胞浸透性NEMO(NF-κB必須修飾因子;IKKγとも称される)結合領域ペプチド(NBD)、NH2-DRQIKIWFQNRRMKWKKTALDWSWLQTE-CONH2 (配列識別番号NO.2)、及びコントロール・ペプチドNEMO-C, NH2-DRQIKIWFQNRRMKWKK-CONH2(配列識別番号NO.3)をImgenex (San Diego, CA) から購入した。
クルクミンをLKT Laboratories, Inc. (St. Paul, MN.) から購入し、ジメチル・スルホキシドの20 mM溶液として調製し、その後さらに細胞培地に希釈した。ビンクリスチン、Hoechst 33342及びMTTをSigma-Aldrich Chemicals (St. Louis, MO) から購入した。RPMI-1640、ウシ胎仔血清(FBS)、0.4%トリパン・ブルー生体染色及び100X抗菌抗真菌混合物をLife Technologies Inc. (Grand Island, NY) から購入した。蛋白質A/Gセファロース・ビーズをPierce (Rockford, IL) から入手した。g-P32-ATPをICN Pharmaceuticals (Costa Mesa, CA)から入手した。ヒトIL-6キットをBioSource International (Camarillo, CA) から購入した。Ultrafree 4遠心濾過機をMillipore Corporation (Bedford, MA) から購入した。
すべてのヒト多発性骨髄腫細胞株を、1 X 抗菌抗真菌剤を含んでいるRPMI 1640培地で培養した。U266、MM.1及びMM.1Rを10% FBSで培養し、細胞株RPMI8226を20% FBSで培養した。時折、細胞をHoechst染色によって、及びマイコプラズマ汚染のためのカスタムPCRによって調べた。
NF-κBの核抽出物の調製
核抽出物をBharti et al. (2003)に従って調製した。簡潔に述べると、2 x 106個の細胞を冷たいPBSで洗浄し、蛋白質分解酵素抑制剤を含んでいる0.4 mlの低張溶解緩衝液で30分間懸濁した。その後、上記細胞を12.5μlの10% ノニデットP-40で溶解した。上記ホモジェネートを遠心分離にかけ、上記細胞質抽出物を含んでいる上清を−80℃で冷凍保存した。その核ペレットを25μlの氷冷核抽出緩衝液で再懸濁した。30分間断続的に混合した後、上記抽出物を遠心分離にかけ、核抽出物を含んでいる上清を回収した。蛋白質含有量をBradford法によって測定した。上清を直ちに用いない場合は、−80℃で保存した。
核抽出物をBharti et al. (2003)に従って調製した。簡潔に述べると、2 x 106個の細胞を冷たいPBSで洗浄し、蛋白質分解酵素抑制剤を含んでいる0.4 mlの低張溶解緩衝液で30分間懸濁した。その後、上記細胞を12.5μlの10% ノニデットP-40で溶解した。上記ホモジェネートを遠心分離にかけ、上記細胞質抽出物を含んでいる上清を−80℃で冷凍保存した。その核ペレットを25μlの氷冷核抽出緩衝液で再懸濁した。30分間断続的に混合した後、上記抽出物を遠心分離にかけ、核抽出物を含んでいる上清を回収した。蛋白質含有量をBradford法によって測定した。上清を直ちに用いない場合は、−80℃で保存した。
NF-κBに対する電気泳動度シフト・アッセイ
NF-κBの活性化を電気泳動度ゲル・シフト・アッセイ(EMSA)によって、先に述べられたように分析した(Chaturvedi et al., 1994)。簡潔に述べると、クルクミン処理済または未処理細胞から調製した8-μgの核抽出物を、ヒト免疫不全ウイルス1の末端反復配列(5'-TTGTTACAAGGGACTTTCCGCTGGGGACTTTCCAG GGAGGCGTGG-3'、配列識別番号NO.4)からの32p末端標識2本鎖45塩基長のNF-κBオリゴヌクレオチドで15分間37℃で培養し、そして、DNA蛋白質複合体を6.6%未変性ポリアクリルアミド・ゲルで分離させた。乾燥させたゲルからの放射性バンドを視覚化し、PhosphorImager (Molecular Dynamics, Sunnyvale, CA) によってImageQuantのソフトウェアを使って計量した。
NF-κBの活性化を電気泳動度ゲル・シフト・アッセイ(EMSA)によって、先に述べられたように分析した(Chaturvedi et al., 1994)。簡潔に述べると、クルクミン処理済または未処理細胞から調製した8-μgの核抽出物を、ヒト免疫不全ウイルス1の末端反復配列(5'-TTGTTACAAGGGACTTTCCGCTGGGGACTTTCCAG GGAGGCGTGG-3'、配列識別番号NO.4)からの32p末端標識2本鎖45塩基長のNF-κBオリゴヌクレオチドで15分間37℃で培養し、そして、DNA蛋白質複合体を6.6%未変性ポリアクリルアミド・ゲルで分離させた。乾燥させたゲルからの放射性バンドを視覚化し、PhosphorImager (Molecular Dynamics, Sunnyvale, CA) によってImageQuantのソフトウェアを使って計量した。
NF-κB p65及びSTAT3に対する免疫細胞化学
未処理及び処理済多発性骨髄腫細胞を遠心分離によってCytospin 4(Thermoshendon, Pittsburg, PA)を用いてポリ・エル・リジン被覆ガラス製スライド上で培養し、1時間室温で空気乾燥し、冷たいアセトンで固定した。PBSで短時間洗浄した後、スライドを5%正常ヤギ血清で1時間阻害し、その後、ウサギ・ポリクローナル抗ヒトNF-κB p65抗体(SC-109;希釈率、1:100)または抗ヒトSTAT3抗体(SC-482;希釈率、1:100)のいずれかで培養した。1晩の培養の後、上記スライドを洗浄し、その後ヤギ抗ウサギIgG-Alexa 594(A-11037;希釈率、1:100)で1時間培養し、核をHoechst(50 ng/ml)で5分間対比染色した。染色したスライドを封入剤(Sigma Co.)で標本化し、エピ蛍光顕微鏡(Labophot-2, Nikon, Tokyo, Japan)で分析した。Photometrics Coolsnap CF color camera (Nikon, Lewisville, TX) 及びMetaMorph version 4.6.5 software (Universal Imaging Corp., Downingtown PA) を使って写真を撮影した。NF-κB p65またはSTAT3の核染色を有する細胞を別々にカウントした。各試料について100個の細胞をカウントし、その試料を4ポイントの段階に基づいて等級分けした:−,核ポジティブ細胞なし(0%);+,少数の核ポジティブ細胞あり(<10%);++,中程度の数の核ポジティブ細胞あり(10-50%);+++,多数の核ポジティブ細胞あり(>50%)。
未処理及び処理済多発性骨髄腫細胞を遠心分離によってCytospin 4(Thermoshendon, Pittsburg, PA)を用いてポリ・エル・リジン被覆ガラス製スライド上で培養し、1時間室温で空気乾燥し、冷たいアセトンで固定した。PBSで短時間洗浄した後、スライドを5%正常ヤギ血清で1時間阻害し、その後、ウサギ・ポリクローナル抗ヒトNF-κB p65抗体(SC-109;希釈率、1:100)または抗ヒトSTAT3抗体(SC-482;希釈率、1:100)のいずれかで培養した。1晩の培養の後、上記スライドを洗浄し、その後ヤギ抗ウサギIgG-Alexa 594(A-11037;希釈率、1:100)で1時間培養し、核をHoechst(50 ng/ml)で5分間対比染色した。染色したスライドを封入剤(Sigma Co.)で標本化し、エピ蛍光顕微鏡(Labophot-2, Nikon, Tokyo, Japan)で分析した。Photometrics Coolsnap CF color camera (Nikon, Lewisville, TX) 及びMetaMorph version 4.6.5 software (Universal Imaging Corp., Downingtown PA) を使って写真を撮影した。NF-κB p65またはSTAT3の核染色を有する細胞を別々にカウントした。各試料について100個の細胞をカウントし、その試料を4ポイントの段階に基づいて等級分けした:−,核ポジティブ細胞なし(0%);+,少数の核ポジティブ細胞あり(<10%);++,中程度の数の核ポジティブ細胞あり(10-50%);+++,多数の核ポジティブ細胞あり(>50%)。
ウェスタン・ブロット
述べられたように調製された30から50マイクログラムの細胞質蛋白質抽出物(Chaturvedi et al., 2000)を10% SDS-PAGEゲル上で分離させた。電気泳動の後、上記蛋白質をニトロセルロース膜へ電子移動し、5%脱脂乳で阻害し、そして、IkBa、ホスホIkBa、Bcl-2、Bcl-xL、またはサイクリンD1(1:3000)のいずれかに対する抗体で1時間プローブした。その後、ブロットを洗浄し、HRP接合二次抗体に1時間暴露し、最後に化学発光(ECL, Amersham Pharmacia Biotech., Arlington Heights, IL)によって検出した。
述べられたように調製された30から50マイクログラムの細胞質蛋白質抽出物(Chaturvedi et al., 2000)を10% SDS-PAGEゲル上で分離させた。電気泳動の後、上記蛋白質をニトロセルロース膜へ電子移動し、5%脱脂乳で阻害し、そして、IkBa、ホスホIkBa、Bcl-2、Bcl-xL、またはサイクリンD1(1:3000)のいずれかに対する抗体で1時間プローブした。その後、ブロットを洗浄し、HRP接合二次抗体に1時間暴露し、最後に化学発光(ECL, Amersham Pharmacia Biotech., Arlington Heights, IL)によって検出した。
PARPの切断生成物の検出のために、溶解緩衝液(20 mM Tris、pH 7.4、250 mM NaCl、2 mM EDTA、pH 8.0、0.1% Triton -X100、0.01 mg/ml アプロチニン、0.005 mg/mlロイペプチン、0.4 mM PMSF、及び4 mM NaVO4)でクルクミン処理細胞を溶解することによって、すべての細胞抽出物を作成した。その後、溶解物を14000 rpmで10分間回転させて不溶性物質を除去し、7.5%ゲル上で分離させ、PARP抗体でプローブした。PARPを、116-kDaの無傷の蛋白質から85-kDa及び40-kDaのペプチド生成物に切断した。プロカスパーゼ7及びプロカスパーゼ9の切断生成物を検出するため、すべての細胞抽出物を10%ゲル上で分離させ、適切な抗体でプローブした。
IkBキナーゼ・アッセイ
IkBキナーゼ・アッセイを以前に述べられたような修正された方法で行なった(Manna et al., 2000)。簡潔に述べると、200μgの細胞質抽出物をそれぞれ1μgの抗IKKa及びIKKb抗体で免疫沈降し、そのように形成された免疫複合体を0.01 mlの蛋白質A/Gセファロース・ビーズで2時間沈降させた。上記ビーズを最初に溶解緩衝液で、次にキナーゼ・アッセイ緩衝液(50 mM HEPES pH 7.4、20 mM MgCl2、及び2 mM DTT)で洗浄した。その後、上記免疫複合体を、20 mCi [g-P32] ATP、10μM非標識ATP、及び2μg/試料のグルタチオンS-転移酵素-IkBa(1−54)を含んでいるキナーゼ・アッセイを用いてキナーゼ・アッセイについてアッセイした。30℃で30分間培養した後、上記反応を、上記溶液を6x SDS試料緩衝液で沸騰させることによって停止した。その後、反応混合物を12%SDS-PAGE上で分離させた。乾燥させたゲルの放射性バンドを視覚化し、PhosphorImagerによって計量した。
IkBキナーゼ・アッセイを以前に述べられたような修正された方法で行なった(Manna et al., 2000)。簡潔に述べると、200μgの細胞質抽出物をそれぞれ1μgの抗IKKa及びIKKb抗体で免疫沈降し、そのように形成された免疫複合体を0.01 mlの蛋白質A/Gセファロース・ビーズで2時間沈降させた。上記ビーズを最初に溶解緩衝液で、次にキナーゼ・アッセイ緩衝液(50 mM HEPES pH 7.4、20 mM MgCl2、及び2 mM DTT)で洗浄した。その後、上記免疫複合体を、20 mCi [g-P32] ATP、10μM非標識ATP、及び2μg/試料のグルタチオンS-転移酵素-IkBa(1−54)を含んでいるキナーゼ・アッセイを用いてキナーゼ・アッセイについてアッセイした。30℃で30分間培養した後、上記反応を、上記溶液を6x SDS試料緩衝液で沸騰させることによって停止した。その後、反応混合物を12%SDS-PAGE上で分離させた。乾燥させたゲルの放射性バンドを視覚化し、PhosphorImagerによって計量した。
各試料におけるIKK複合体の総量を判定するため、60 mgの細胞質蛋白質を7.5%アクリルアミド・ゲル上で分離させ、その後ニトロセルロース膜に電子移動した。上記膜を5%脱脂乳蛋白質で1時間阻害し、その後抗IKKαまたは抗IKKβ抗体で1時間阻害した。その後上記膜を洗浄し、HRP接合二次抗マウスIgG抗体で処理し、最後に化学発光(Amersham Pharmacia Biotech., Arlington Heights, IL)によって検出した。
増殖アッセイ
種々の多発性骨髄腫細胞株に対するクルクミンの抗増殖性効果を先に述べたようなMTT 色素取込み法によって判定した(Manna et al., 1998)。簡潔に述べると、細胞(5000個/ウェル)を96ウェル・プレートで、示されたテスト試料の存在下または不存在下で最終容積0.1 mlで24時間37℃で3倍に培養した。その後、0.025 mlのMTT溶液(PBSで5 mg/ml)を各ウェルに加えた。2時間37℃での培養後、0.1 mlの抽出物緩衝液(20% SDS、50%ジメチルホルムアミド)を加えた。培養を1晩37℃で継続し、その後590 nmでのODを96ウェル・マルチスキャナー・オートリーダー(Dynatech MR 5000)を用いて、抽出物緩衝液を標的として測定した。細胞生存率=(実験試料のOD/コントロールのOD)X 100。
種々の多発性骨髄腫細胞株に対するクルクミンの抗増殖性効果を先に述べたようなMTT 色素取込み法によって判定した(Manna et al., 1998)。簡潔に述べると、細胞(5000個/ウェル)を96ウェル・プレートで、示されたテスト試料の存在下または不存在下で最終容積0.1 mlで24時間37℃で3倍に培養した。その後、0.025 mlのMTT溶液(PBSで5 mg/ml)を各ウェルに加えた。2時間37℃での培養後、0.1 mlの抽出物緩衝液(20% SDS、50%ジメチルホルムアミド)を加えた。培養を1晩37℃で継続し、その後590 nmでのODを96ウェル・マルチスキャナー・オートリーダー(Dynatech MR 5000)を用いて、抽出物緩衝液を標的として測定した。細胞生存率=(実験試料のOD/コントロールのOD)X 100。
クルクミンの抗増殖性効果もチミジン取込み法によってモニターした。100 mlの媒地の5000個の細胞を96ウェル・プレートでクルクミンの存在下または不存在下で24時間で3倍に培養した。実験完了の6時間前に、上記細胞を0.5 mCi 3H-チミジンでパルスし、3H-チミジンの取込みをMatrix-9600 b-counter(Packard Instruments, Downers Grove, IL)を使ってモニターした。
フロー・サイトメトリー分析
細胞周期に対するクルクミンの効果を判定するため、多発性骨髄腫細胞を種々の時間処理し、洗浄して、70%のエタノールで固定した。1晩−20℃で培養した後、細胞をPBSで洗浄し、プロピジウム・ヨウ化物(PI)で染色し、その後染色緩衝液(PI,10 mg/ml;Tween-20,0.5%;リボヌクレアーゼ,PBSに0.1%)で懸濁した。上記細胞をCellQuest acquisition and analysis programs(Becton Dickinson, San Jose, CA)を用いるRACS Vantage フロー血球計数器を使って分析した。
細胞周期に対するクルクミンの効果を判定するため、多発性骨髄腫細胞を種々の時間処理し、洗浄して、70%のエタノールで固定した。1晩−20℃で培養した後、細胞をPBSで洗浄し、プロピジウム・ヨウ化物(PI)で染色し、その後染色緩衝液(PI,10 mg/ml;Tween-20,0.5%;リボヌクレアーゼ,PBSに0.1%)で懸濁した。上記細胞をCellQuest acquisition and analysis programs(Becton Dickinson, San Jose, CA)を用いるRACS Vantage フロー血球計数器を使って分析した。
IL-6蛋白質の判定
上清を未処理またはクルクミン処理多発性骨髄腫細胞培養から回収し、Ultrafree 4 遠心濾過機を用いてBiomax-10K NMWL Membrane(Millipore)で約20倍に濃縮した。100マイクロリットルのアリコートを取り出し、IL-6の含有量をELISAキット(Biosource International)によって判定した。
上清を未処理またはクルクミン処理多発性骨髄腫細胞培養から回収し、Ultrafree 4 遠心濾過機を用いてBiomax-10K NMWL Membrane(Millipore)で約20倍に濃縮した。100マイクロリットルのアリコートを取り出し、IL-6の含有量をELISAキット(Biosource International)によって判定した。
クルクミンは多発性骨髄腫細胞によって発現する恒常的なNF-κBを抑制する
4つの異なる多発性骨髄腫細胞株におけるNF-κBの状態を電気泳動度ゲル・シフト・アッセイ(EMSA)によって最初に調べた。図1に示された結果は、4つの細胞株すべてが、上側バンド及び下側バンドとして分離される、常時活性型NF-κBを発現させたことを示す。その後、常時活性型NF-κBに対するクルクミンの効果を、NF-κBの完全な抑制に必要なクルクミンの用量を調べることによって検討した。U266細胞を種々の濃度のクルクミンで4時間処理し、その後EMSAによってNF-κBについて調べた。遅延放射標識プローブの濃度測定分析によって、NF-κBのDNA結合活性の低下が示された。これらの結果は、50μMのクルクミンが、U266細胞における恒常的なNF-κB活性化を完全に抑制するに十分であったことを示した(図1A)。
4つの異なる多発性骨髄腫細胞株におけるNF-κBの状態を電気泳動度ゲル・シフト・アッセイ(EMSA)によって最初に調べた。図1に示された結果は、4つの細胞株すべてが、上側バンド及び下側バンドとして分離される、常時活性型NF-κBを発現させたことを示す。その後、常時活性型NF-κBに対するクルクミンの効果を、NF-κBの完全な抑制に必要なクルクミンの用量を調べることによって検討した。U266細胞を種々の濃度のクルクミンで4時間処理し、その後EMSAによってNF-κBについて調べた。遅延放射標識プローブの濃度測定分析によって、NF-κBのDNA結合活性の低下が示された。これらの結果は、50μMのクルクミンが、U266細胞における恒常的なNF-κB活性化を完全に抑制するに十分であったことを示した(図1A)。
次にNF-κBの抑制に必要なクルクミンへの暴露の最小持続時間を調べた。多発性骨髄腫細胞を50μMのクルクミンで種々の時間培養し、その後核抽出物を調製し、EMSAによってNF-κBについて調べた。その結果は、クルクミンが4つの細胞株すべてで恒常的なNF-κBを下方制御するが、異なる動力学で行なったことを示した。NF-κBの完全な下方制御は、4時間後にU266(図1B)、MM.1(図1C)、及びMM.1R(図1D)細胞で生じたが、RPMI8226細胞(図1E)ではNF-κBを下方制御するのに8時間を要した。クルクミンは、多くの場合、NF-κBの上側バンドのみを下方制御し、下側バンドは下方制御しなかった。RPMI 8226細胞の場合は、両方のバンドが下方制御された。
NF-κBは蛋白質のファミリーであるので、Rel/NF-κB蛋白質細胞の種々の組み合わせは、特異的なDNA配列に結合する、活性なNF-κBヘテロ二量体を構成することが可能である。多発性骨髄腫細胞でEMSAによって視覚化される遅延したバンドが本当にNF-κBであったことを示すために、多発性骨髄腫細胞からの核抽出物を、NF-κBのp50(NF-κB1)またはp65(RelA)サブユニットのいずれかに対する抗体で培養した。両者ともバンドがより高い分子量へシフトし(図1F)、従って、多発性骨髄腫細胞における主なNF-κBバンドはp50及びp65サブユニットから成っていたことを示唆する。上記抗体によってスーパーシフトされなかった非特異的な小さいバンドが一部の多発性骨髄腫細胞株で観察された。免疫前血清または抗サイクリンD1のように無関係な抗体のいずれもが、どんな効果も持たなかった。変異されたオリゴヌクレオチドではなく、過剰な非標識NF-κB(100倍)が、上記バンドの完全な消失を引き起こした。
NF-κBが活性化している場合、転写促進領域を含んでいるNF-κBのp65サブユニットは、核へ転位される。不活性な状態では、NF-κBのp65サブユニットは細胞質に保持される。その後、免疫細胞化学を用いて、クルクミンがp65の核保持を抑制することを確認した。クルクミン処理及び未処理細胞をガラス・スライド上でサイトスピンし、抗p65抗体で免疫染色し、その後、上に述べられたようにAlexa-594接合二次抗体によって視覚化した。図2の結果は、クルクミンが、4つの多発性骨髄腫細胞株すべてでNF-κBのp65サブユニットの核への転位を抑制したことを明らかに示す。これらの細胞学的所見は、EMSAによって観察されたNF-κBの阻害と一致した。
クルクミンはIκBαリン酸化及びIκBキナーゼ活性を阻害する
IκBαの分解及びその結果生じるNF-κB(p65:p50)の放出には、ser 32及びser 36残基での事前のリン酸化が必要である。従って、クルクミンの抑制効果が、IκBαリン酸化の変化を通じて媒介されるかどうかを調べるために、U266細胞をクルクミンで処理し、それら細胞の蛋白質抽出物をホスホIκBα発現について調べた。図3Aの結果は、未処理U266細胞がser 32リン酸化IκBαを恒常的に発現させたことを示す。クルクミン処理をすると、リン酸化IκBαの含有量は急速に減少した。
IκBαの分解及びその結果生じるNF-κB(p65:p50)の放出には、ser 32及びser 36残基での事前のリン酸化が必要である。従って、クルクミンの抑制効果が、IκBαリン酸化の変化を通じて媒介されるかどうかを調べるために、U266細胞をクルクミンで処理し、それら細胞の蛋白質抽出物をホスホIκBα発現について調べた。図3Aの結果は、未処理U266細胞がser 32リン酸化IκBαを恒常的に発現させたことを示す。クルクミン処理をすると、リン酸化IκBαの含有量は急速に減少した。
IκBαのリン酸化は、IκBキナーゼを通じて媒介される。担体として未処理U266細胞及びGST-IκBαからの免疫沈降されたIκBキナーゼを用いたin vitroでのキナーゼ・アッセイは、恒常的なIκBキナーゼ活性を示したが、同様な条件下で、クルクミン処理細胞から免疫沈降されたIκBキナーゼは、クルクミン処理の持続時間に対応するキナーゼ活性の低下を示した(図3B;上図)。しかし、未処理及びクルクミン処理細胞からの細胞抽出物の免疫ブロット分析によって、IκBαキナーゼ・サブユニットIKKα及びIKKβの蛋白質レベルに著しい変化がないことが示された(図3B;中図及び下図)。
IκBキナーゼは、いくつかの上流のキナーゼによって制御されることが示されてきた。クルクミンが、IκBキナーゼ活性の直接の阻害剤としてはたらいたかを判定するため、IκBキナーゼを未処理U266細胞から免疫沈降し、その後種々の濃度のクルクミンで30分間処理した。処理後、上記試料を、GST-IκBαを担体として用いてIκBキナーゼ活性について調べた。図3C(上図)の結果は、クルクミンが、用量に依存して直接IκBキナーゼ活性を抑制したことを示した。これらの結果は、クルクミンがIκBキナーゼの直接の阻害剤であることを示唆する。精製したIκBキナーゼを用いなかったので、クルクミンが、IκBキナーゼ活性化に必要な上流のキナーゼを抑制したという可能性を完全に排除することはできない。
クルクミンはNF-κB調節遺伝子産物の発現を下方制御する
IκBα、Bcl-2、Bcl-xL及びサイクリンD1は、すべてNF-κBによって制御されることが示されているので、これらの遺伝子産物の発現に対するクルクミンの効果を免疫ブロット法によって調べた、図4に表されているように、4つの遺伝子産物すべてがU266細胞内で発現した。細胞をクルクミンで処理することによって、IκBα(図4A)、Bcl-2(図4B)、Bcl-xL(図4C)、及びサイクリンD1(図4D)蛋白質のプールが、抑制の動力学は異なるものの、時間に依存して下方制御された。サイクリンD1は、クルクミン処理の4時間以内に最も急速で完全な枯渇を示した。Bcl-2も完全な減少を示したが、Bcl-2は、8時間までに最低レベルに達した。
IκBα、Bcl-2、Bcl-xL及びサイクリンD1は、すべてNF-κBによって制御されることが示されているので、これらの遺伝子産物の発現に対するクルクミンの効果を免疫ブロット法によって調べた、図4に表されているように、4つの遺伝子産物すべてがU266細胞内で発現した。細胞をクルクミンで処理することによって、IκBα(図4A)、Bcl-2(図4B)、Bcl-xL(図4C)、及びサイクリンD1(図4D)蛋白質のプールが、抑制の動力学は異なるものの、時間に依存して下方制御された。サイクリンD1は、クルクミン処理の4時間以内に最も急速で完全な枯渇を示した。Bcl-2も完全な減少を示したが、Bcl-2は、8時間までに最低レベルに達した。
インターロイキン6はもう1つのNF-κB調節遺伝子であり、多発性骨髄腫細胞に対する成長因子としてはたらくことが示されてきた。U266細胞は、かなりの量のIL-6蛋白質を時間に依存して産生したが、ELISAによって測定されたように、MM.1もRPMI 8226も検出可能な量のIL-6は全く産生しなかった(図4E)。図4Eに示されるように、クルクミン処理は、U266細胞によるIL-6の産生を阻害した。
クルクミンは多発性骨髄腫細胞の増殖を抑制する
NF-κBは、細胞生存及び増殖に関与しているので、多発性骨髄腫細胞株の増殖に対するクルクミンの効果を調べた。U266、RPMI 8226、MM.1及びMM.1R細胞を種々の濃度のクルクミンの存在下で培養し、生存細胞の数をトリパン・ブルー色素排除試験によって調べた。
NF-κBは、細胞生存及び増殖に関与しているので、多発性骨髄腫細胞株の増殖に対するクルクミンの効果を調べた。U266、RPMI 8226、MM.1及びMM.1R細胞を種々の濃度のクルクミンの存在下で培養し、生存細胞の数をトリパン・ブルー色素排除試験によって調べた。
図5の結果は、1μMという低い濃度のクルクミンが、U266(パネルA)、RPMI 8226(パネルB)、MM.1(パネルC)及びMM.1R(パネルD)の成長をそれぞれ27%、23%、45%及び51%阻害したことを示す。10μMのクルクミンは、すべての細胞株での成長を完全に抑制した。これらの結果は、クルクミンが、デキサメタゾン誘導アポトーシスに抵抗性を有するMM.1Rなど、テストされたすべての多発性骨髄腫細胞株の増殖を抑制することを示す。
クルクミンの抗増殖性効果も、U266細胞におけるチミジン取込みによって調べた。クルクミンは、24時間以内に用量に依存してチミジン取込みを抑制した(図6A)。上記細胞のミトコンドリア活性を示すMTTアッセイの結果は、クルクミンが、U266細胞のミトコンドリア活性を24時間以内に抑制し、その抑制は用量に依存して生じたことを示した(図6B)。
クルクミンは多発性骨髄腫細胞にアポトーシスを誘導する
多発性骨髄腫細胞におけるNF-κBの抑制もアポトーシスもたらすかどうかについて調べた。アポトーシスの特徴の1つは、カスパーゼの活性化である。U266細胞をクルクミンで種々の時間で処理し、すべての細胞抽出物を調製し、カスパーゼ9(上流カスパーゼ)の活性化、カスパーゼ7(下流カスパーゼ)、及び、カスパーゼ3、6及び7の担体としてよく知られているPARPの切断について分析した。
多発性骨髄腫細胞におけるNF-κBの抑制もアポトーシスもたらすかどうかについて調べた。アポトーシスの特徴の1つは、カスパーゼの活性化である。U266細胞をクルクミンで種々の時間で処理し、すべての細胞抽出物を調製し、カスパーゼ9(上流カスパーゼ)の活性化、カスパーゼ7(下流カスパーゼ)、及び、カスパーゼ3、6及び7の担体としてよく知られているPARPの切断について分析した。
クルクミン処理済み細胞からの抽出物の免疫ブロット分析によって、それぞれ47-kDa及び35-kDaバンドの消失によって示されるようなカスパーゼ9(図6C)及びカスパーゼ7(図6D)の時間に依存する活性化が明らかに示された。下流カスパーゼの活性化は、アポトーシスを受けている細胞のもう1つの特徴である、118-kDa PARP蛋白質の89-kDa断片への切断をもたらすが(図6E)、未処理細胞はPARPの切断を全く示さなかった。89-kDa断片の増量も、切断された89-kDa PARP種のみを認識する抗体によって検出された(図6E、下図)。総合すると、これらの結果は、クルクミンが多発性骨髄腫細胞においてアポトーシスを誘導することを明らかに示す。
クルクミンは細胞周期のG1/S期で細胞を停止する
サイクリンDは、細胞が細胞周期のG1期からS期へ進行するために必要である(DNA合成)。サイクリンD1の急激な減少が、クルクミン処理多発性骨髄腫細胞で観察されたので、U266細胞周期に対するクルクミンの効果を次に調べた。
サイクリンDは、細胞が細胞周期のG1期からS期へ進行するために必要である(DNA合成)。サイクリンD1の急激な減少が、クルクミン処理多発性骨髄腫細胞で観察されたので、U266細胞周期に対するクルクミンの効果を次に調べた。
クルクミン処理細胞からのDNAのフロー・サイトメトリー分析によって、10μMのクルクミンでの処理の24時間以内にG1期の細胞のパーセンテージの顕著な増加(52%から70%)及びS期の細胞のパーセンテージの減少(22%から9%)が示された(図7)。これらの結果は、クルクミンが上記細胞のG1/S停止を誘導することを明らかに示す。
NEMO結合領域(NBD)ペプチドは恒常的なNF-κB及び多発性骨髄腫細胞の増殖を抑制する
IKKは、IKKα、IKKβ及びIKKγ(NEMOとも称される)から成る。NEMOのアミノ末端aらせん領域は、IKKα及びIKKβのC末端断片と相互作用することが示されてきた。IKKα及びIKKβ NEMOのC末端からの低分子ペプチドは、この相互作用を阻害することが知られている。細胞を浸透性にするために、NBDペプチドをアンテナペディア・ホメオドメインからの小さい配列に接合した。このペプチドは、NF-κBの活性化を特異的に抑制することが知られている。アンテナペディア・ホメオドメイン蛋白質配列を持たないペプチドをコントロールとして用いた。
IKKは、IKKα、IKKβ及びIKKγ(NEMOとも称される)から成る。NEMOのアミノ末端aらせん領域は、IKKα及びIKKβのC末端断片と相互作用することが示されてきた。IKKα及びIKKβ NEMOのC末端からの低分子ペプチドは、この相互作用を阻害することが知られている。細胞を浸透性にするために、NBDペプチドをアンテナペディア・ホメオドメインからの小さい配列に接合した。このペプチドは、NF-κBの活性化を特異的に抑制することが知られている。アンテナペディア・ホメオドメイン蛋白質配列を持たないペプチドをコントロールとして用いた。
上に開示された結果は、クルクミンが恒常的なNF-κBを抑制し、それが今度は細胞増殖及びアポトーシスの誘導をもたらしたことを示している。ここで、NBD及びコントロール・ペプチドは、NF-κBの抑制が増殖及びアポトーシスに関与することを確証するために用いた。
図8Aに示されるように、NEMOコントロール・ペプチドでのU266細胞の処理は効果がなく、一方NBDペプチドは、恒常的なNF-κBを時間に依存して抑制し、完全な抑制は12時間後に生じた。多発性骨髄腫細胞におけるNF-κB活性化の抑制は、免疫細胞化学によっても独立的に確認された。上記結果は、NF-κBのp65サブユニットの核プールの減少を示した(図8B)。NBDペプチドによるNF-κBの抑制も、U266細胞の細胞増殖の阻害をもたらした。細胞成長の約32%の抑制が、NBD処理の24時間後に観察された(図8C)。従って、これらの結果は、NF-κBの抑制が、多発性骨髄腫細胞における抗増殖性効果に実際に関与していることを示す。
クルクミンはビンクリスチンの細胞毒性効果を増強する
NF-κBは細胞の化学的抵抗性に関与しているので、化学的感受性に対するクルクミンの効果を調べた。ビンクリスチンは、多発性骨髄腫の治療に用いられる化学療法剤の1つであるので、ビンクリスチンが選ばれた。低濃度のクルクミン(10μM)の存在下でビンクリスチンでU266細胞を処理したところ、細胞の生存が24時間後に低下した(図9)。最高濃度(50μM)のビンクリスチン単独はU266細胞を殺す上で最小限の効果であり;クルクミン単独では上記細胞の約35%を殺し;一方、上記2つの薬剤を合わせると、上記細胞の約65%を殺した。これらの結果は、クルクミンが、多発性骨髄腫細胞をビンクリスチンの殺細胞効果に対して増感することができることを意味する。
NF-κBは細胞の化学的抵抗性に関与しているので、化学的感受性に対するクルクミンの効果を調べた。ビンクリスチンは、多発性骨髄腫の治療に用いられる化学療法剤の1つであるので、ビンクリスチンが選ばれた。低濃度のクルクミン(10μM)の存在下でビンクリスチンでU266細胞を処理したところ、細胞の生存が24時間後に低下した(図9)。最高濃度(50μM)のビンクリスチン単独はU266細胞を殺す上で最小限の効果であり;クルクミン単独では上記細胞の約35%を殺し;一方、上記2つの薬剤を合わせると、上記細胞の約65%を殺した。これらの結果は、クルクミンが、多発性骨髄腫細胞をビンクリスチンの殺細胞効果に対して増感することができることを意味する。
NF-κBは多発性骨髄腫患者からのCD138 + 細胞において恒常的に活性である
この実施例で、NF-κB及びSTAT3が、多発性骨髄腫患者からの新鮮な細胞において恒常的に活性であるかどうかを調べた。表1に、これらの患者の臨床的特徴づけを記載する。正常な被験者からのPBMCをコントロールとして用いた。
この実施例で、NF-κB及びSTAT3が、多発性骨髄腫患者からの新鮮な細胞において恒常的に活性であるかどうかを調べた。表1に、これらの患者の臨床的特徴づけを記載する。正常な被験者からのPBMCをコントロールとして用いた。
多発性骨髄腫患者の骨髄からのCD138+形質細胞を以下のように単離した。Syndecan-1としても知られるCD138抗原は、正常及び悪性形質細胞で発現するが、循環B細胞、T細胞及び単核白血球では発現しない。抗CD138マイクロビーズ(Miltenyi Biotec, Auburen, CA)を、多発性骨髄腫患者に由来する骨髄からのCD138+細胞のポジティブ選択のために用いた。2から10 mlの骨髄試料を上部腸骨稜または胸骨から吸引し、等量のHEPES緩衝化細胞培地であるIMDMに希釈し、ヘパリンを100 U/mlの濃度で加え、徐々に混合した。細胞が凝集するのを防ぐために、上記希釈骨髄を、100 Uのデオキシリボヌクレアーゼ(DNアーゼ)I/mlを含んでいるIMDMに懸濁し、室温でさらに30分間穏やかに振盪した。次に、30 mlの希釈骨髄細胞懸濁液を、50 mlの円錐管内の20 mlのFicoll-Paqueの上に層状に加え、400x gで30分間回転させて、単核球(MNC)を単離した。その後、上記接触面のMNC層を回収し、2 mM EDTAを含んでいるPBSで10分間300 x gで室温で2回洗浄した。
上記MNCの濃度を80μlの泳動緩衝液(2 mM EDTAのPBS、及び0.5 mM BSA)当たり107個に調整した。80μlの泳動緩衝液の107個のMNCごとに、20μlの抗CD138マイクロビーズ(Miltenyi Biotec, Auburen, CA)を加え、上記細胞懸濁液を4℃から8℃で15分間培養した。その後、上記細胞懸濁液を1mlの冷たい泳動緩衝液で希釈し、300x gで10分間4℃で遠心分離にかけた。その上清を捨て、細胞ペレットを1mlの泳動緩衝液で懸濁し、層流フード内に置いたAutoMACSシステム(Miltenyi Biotec)の磁気カラム上に載置した。
抗CD138+細胞をポジティブ選択によって単離した。単離されたCD138+形質細胞群の純度を、フィコエリトリン(PE)に接合された10μlの抗CD138で105個のCD138+細胞を処理することによって判定し、暗所で冷蔵室内で6℃から12℃で培養した。上記細胞を冷たいPBSで2回洗浄し、1%パラホルムアルデヒドで固定し、そして、FACSCaliburフロー血球計数器(Becton Dickinson, San Jose, CA)を使って分析した。
種々の多発性骨髄腫細胞株のNF-κBの状態を先ず調べた。図10Aは、すべての多発性骨髄腫細胞株がNF-κBの核型を発現させたことを示し、多発性骨髄腫細胞株がNF-κBの常時活性型を発現させることを示唆する。PBMC(コントロール)は、NF-κBの細胞質(不活性)型を発現させた(図10B、上図)。患者#1からの多発性骨髄腫細胞は、多発性骨髄腫細胞株と同様に、NF-κBの核型のみを発現させた(図10B、下図)。
次に、22名の種々の多発性骨髄腫患者の試料を、上に述べられた方法によってNF-κBの活性化について調べた。22名の患者すべてが核におけるNF-κB蛋白質(p65)の発現を示し、恒常的な活性化を示唆した(図11)。しかし、活性化の程度はかなり変動した。恒常的なNF-κBの発現は、3名の患者では低く、5名では中程度で、14名で高かった。
NF-κBの恒常的な活性化は、電気泳動度シフト・アッセイによって独立的に確かめられた。図11Bに示されるように、恒常的なNF-κBを持たない骨髄細胞株である、KBM-5内のコントロールNF-κBは、TNFによって活性化された。同様に、NF-κBの活性化は、患者#4からの試料にも見られ、それは、免疫細胞化学によって恒常的なNF-κBの活性化を示した(図11B)。
STAT3は多発性骨髄腫患者からのCD138 + 細胞で恒常的に活性である
U266細胞のみが、核でSTAT3を発現させ(図12A)、U266細胞が、STAT3の常時活性型を発現させることを示唆した。正常な被験者からのPBMCは、STAT3の細胞質(不活性)型を発現させた(図12B、上図)。患者#1からの多発性骨髄腫細胞は、同様にSTAT3の核型を発現させた。これは、この患者からの新鮮な細胞が、STAT3の常時活性型を発現させることを示唆する(図12B、下図)。
U266細胞のみが、核でSTAT3を発現させ(図12A)、U266細胞が、STAT3の常時活性型を発現させることを示唆した。正常な被験者からのPBMCは、STAT3の細胞質(不活性)型を発現させた(図12B、上図)。患者#1からの多発性骨髄腫細胞は、同様にSTAT3の核型を発現させた。これは、この患者からの新鮮な細胞が、STAT3の常時活性型を発現させることを示唆する(図12B、下図)。
STAT3活性化の状態を22名の多発性骨髄腫患者からのCD138+細胞で調べた。NF-κBとは異なり、すべての患者が核におけるSTAT3蛋白質の発現を示したわけではなかった(図12C)。核STAT3の程度もさまざまであった。恒常的なSTAT3の活性化は、1名の患者ではなし、3名の患者では低く、5名は中程度で、14名で高かった。
クルクミンは多発性骨髄腫患者からのCD138 + 細胞において恒常的なNF-κB及びSTAT3の活性化を下方制御する
上に提示された結果は、殆どの多発性骨髄腫患者からのCD138+細胞が恒常的に活性なNF-κB及びSTAT3を発現させたことを示す。この実施例では、クルクミンが、多発性骨髄腫患者からの新鮮な細胞においてNF-κB及びSTAT3の恒常的な活性化を抑制したかどうかを調べた。これを判定するために、多発性骨髄腫患者からのCD138+細胞を50μMのクルクミンに2時間暴露し、その後STAT3及びNF-κBの発現について調べた。
上に提示された結果は、殆どの多発性骨髄腫患者からのCD138+細胞が恒常的に活性なNF-κB及びSTAT3を発現させたことを示す。この実施例では、クルクミンが、多発性骨髄腫患者からの新鮮な細胞においてNF-κB及びSTAT3の恒常的な活性化を抑制したかどうかを調べた。これを判定するために、多発性骨髄腫患者からのCD138+細胞を50μMのクルクミンに2時間暴露し、その後STAT3及びNF-κBの発現について調べた。
図13Aは、NF-κBが患者#5、#9及び#10(テストされた患者のみ)において恒常的に活性であり、クルクミンへの暴露がNF-κBを下方制御したことを示す。図13Bの結果は、STAT3が、患者#5、#9及び#10において同様に恒常的に活性であり、クルクミンへの暴露がこの転写因子を下方制御したことを示す。
クルクミンは多発性骨髄腫患者からのCD138 + 細胞の生存を下方制御する
NF-κB及びSTAT3の活性化は細胞の生存に関与しており、クルクミンは多発性骨髄腫患者からのCD138+細胞内でのこれら転写因子を下方制御したので、この下方制御が細胞生存度の低下をもたらすかどうかを調べることは興味深い。細胞を種々の濃度のクルクミンに暴露し、その後、MTT法によって細胞生存度について調べた。図14に示されるように、U266細胞または患者#7、#9及び#10からの新鮮な細胞のクルクミン処理によって細胞の生存は容量に依存して低下した。図14Bの結果は、STAT3も、患者#5、#9及び#10において恒常的に活性であり、クルクミンへの暴露がこの転写因子を下方制御したことを示す。これらの結果は、NF-κB及びSTAT3の恒常的な活性化が、多発性骨髄腫患者からのCD138+細胞にとって細胞生存因子であることを示唆する。
NF-κB及びSTAT3の活性化は細胞の生存に関与しており、クルクミンは多発性骨髄腫患者からのCD138+細胞内でのこれら転写因子を下方制御したので、この下方制御が細胞生存度の低下をもたらすかどうかを調べることは興味深い。細胞を種々の濃度のクルクミンに暴露し、その後、MTT法によって細胞生存度について調べた。図14に示されるように、U266細胞または患者#7、#9及び#10からの新鮮な細胞のクルクミン処理によって細胞の生存は容量に依存して低下した。図14Bの結果は、STAT3も、患者#5、#9及び#10において恒常的に活性であり、クルクミンへの暴露がこの転写因子を下方制御したことを示す。これらの結果は、NF-κB及びSTAT3の恒常的な活性化が、多発性骨髄腫患者からのCD138+細胞にとって細胞生存因子であることを示唆する。
デキサメタゾンは多発性骨髄腫患者からのCD138 + 細胞において恒常的なNF-κB及びSTAT3の活性化を下方制御する
現在のところ、デキサメタゾンが多発性骨髄腫患者の標準治療として用いられている。デキサメタゾンも多発性骨髄腫患者からの細胞においてNF-κB及びSTAT3に影響を及ぼすかどうかを調べた。図15の結果は、デキサメタゾンが、患者#20からのCD138+細胞におけるNF-κB(図15A)及びSTAT3(図15B)の両方の恒常的な活性化を下方制御したことを示す。しかし、デキサメタゾンは、いずれの転写因子の下方制御においてもクルクミンより効果が少なかった。
現在のところ、デキサメタゾンが多発性骨髄腫患者の標準治療として用いられている。デキサメタゾンも多発性骨髄腫患者からの細胞においてNF-κB及びSTAT3に影響を及ぼすかどうかを調べた。図15の結果は、デキサメタゾンが、患者#20からのCD138+細胞におけるNF-κB(図15A)及びSTAT3(図15B)の両方の恒常的な活性化を下方制御したことを示す。しかし、デキサメタゾンは、いずれの転写因子の下方制御においてもクルクミンより効果が少なかった。
デキサメタゾンは、多発性骨髄腫患者からの細胞の生存にも影響を及ぼす。図16Aの結果は、デキサメタゾンが患者#20からの細胞の生存を減少させたことを示す。しかし、デキサメタゾンは、クルクミンよりもはるかに効果が少なかった(図16B)。
デキサメタゾンがNF-κBの活性化を抑制できることは、既に報告されてきた。本研究は、STAT3に対するデキサメタゾンの効果を初めて示すものである。クルクミンは、多発性骨髄腫細胞の生存を抑制する上でデキサメタゾンよりもはるかに効果的であった(図16)。クルクミンの確立された薬理学的安全性、及び細胞生存及び化学的抵抗性に関与する多数の遺伝子の発現を下方制御するその能力のゆえに、本研究は、多発性骨髄腫患者の治療のためにクルクミンをデキサメタゾンと組み合わせることに十分な理論的根拠を提供する。現在のところ、プロテオソーム阻害剤(PS341、ベルケードと称される)及びTNF産生の阻害剤(サリドマイド)が多発性骨髄腫患者の治療のために承認されている。これら阻害剤の両者とも、NF-κBの活性化を抑制することも示されている。本明細書に提示された結果は、NF-κB及びSTAT3が、多発性骨髄腫の治療のための薬剤開発にとって理想的な標的であることを示唆する。
以下の参考文献が本明細書で引用された:
Bharti et al., Curcumin (diferuloylmethane) down-regulates the constitutive activation of nuclear factor-k B and IkBa kinase in human multiple myeloma cells, leading to suppression of proliferation and induction of apoptosis. Blood 101:1053 (2003).
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Chaturvedi et al., Tumor necrosis factor and lymphotoxin. Qualitative and quantitative differences in the mediation of early and late cellular response. J Biol. Chem. 269:14575 (1994).
Cheng et al., Phase 1 chemoprevention clinical trail of curcumin. Proc. Am. Soc. Clin. Oncol. 17:558a (1998).
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Manna et al., Leflunomide suppresses TNF-induced cellular responses: effects on NF-kappa B, activator protein-1, c-Jun N-terminal protein kinase, and apoptosis. J Immunol. 165:5962-5969 (2000).
Manna et al., Overexpression of manganese superoxide dismutase suppresses tumor necrosis factor-induced apoptosis and activation of nuclear transcription factor-kappaB and activated protein-1. J Biol Chem. 273:13245-13254 (1998).
Rao et al., Chemoprevention of colon carcinogenesis by dietary curcumin, a naturally occurring plant phenolic compound. Cancer Res. 55:259-266 (1995).
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本明細書で述べられたいずれの特許または刊行物も、本発明が関係する本技術分野の当業者の水準を示すものである。さらに、これらの特許または刊行物は、各個別の刊行物が引用によって組み込まれるよう具体的に個別的にあたかも示されているのと同じ程度に、引用によって本明細書に組み込まれる。
Claims (13)
- 多発性骨髄腫細胞の増殖を阻害する方法であって、前記方法が:
前記細胞をクルクミンに接触させるステップで構成され、前記クルクミンが多発性骨髄腫細胞の増殖を阻害することを特徴とする方法。 - 多発性骨髄腫細胞においてアポトーシスを誘導する方法であって、前記方法が:
前記細胞をクルクミンに接触させるステップで構成され、前記クルクミンが多発性骨髄腫細胞においてアポトーシスを誘導することを特徴とする方法。 - 多発性骨髄腫細胞に対する化学療法剤の細胞毒性効果を増大させる方法であって、前記方法が:
前記細胞を前記化学療法剤及びクルクミンに接触させるステップで構成され、前記クルクミンが、多発性骨髄腫細胞に対する前記化学療法剤の細胞毒性効果を増大させることを特徴とする方法。 - 前記化学療法剤が、ビンクリスチン、BCNU、メルファラン、シクロホスファミド、アドリアマイシン、プレドニゾン及びデキサメタゾンで構成される群から選択されることを特徴とする請求項3記載の方法。
- 前記多発性骨髄腫細胞が、CD138+形質細胞であることを特徴とする請求項3記載の方法。
- 個体における多発性骨髄腫を治療する方法であって、前記方法が、クルクミンを前記個体に投与するステップで構成される方法。
- 前記クルクミンが、経口投与されることを特徴とする請求項6記載の方法。
- 前記クルクミンが、前記個体の体重につき約0.01 mg/kgから前記個体の体重につき約500 mg/kgまでの用量で投与されることを特徴とする請求項6記載の方法。
- 個体における多発性骨髄腫細胞に対する化学療法剤の細胞毒性効果を増大させる方法であって、前記方法が:
前記個体に前記化学療法剤及びクルクミンを投与するステップで構成され、前記クルクミンが、前記個体における多発性骨髄腫細胞に対する前記化学療法剤の細胞毒性効果を増大させることを特徴とする方法。 - 前記化学療法剤が、ビンクリスチン、BCNU、メルファラン、シクロホスファミド、アドリアマイシン、プレドニゾン及びデキサメタゾンで構成される群から選択されることを特徴とする請求項9記載の方法。
- 前記クルクミンが、経口投与されることを特徴とする請求項9記載の方法。
- 前記クルクミンが、前記個体の体重につき約0.01 mg/kgから前記個体の体重につき約500 mg/kgまでの用量で投与されることを特徴とする請求項9記載の方法。
- 前記多発性骨髄腫細胞が、CD138+形質細胞であることを特徴とする請求項9記載の方法。
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