JP2005535303A - 質量分析検出と併せた連続フロー酵素アッセイ - Google Patents

質量分析検出と併せた連続フロー酵素アッセイ Download PDF

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Abstract

本発明は、分画ステップの流出物を制御量の酵素と接触させるステップと、この酵素を流出物中に存在することが考えられる検体と相互に作用させるステップと、前記酵素に対する制御量の基質を添加するステップと、この酵素を基質と反応させて、1種又は複数の修飾基質生成物を提供するステップと、質量分析計を使用して、未反応の基質又は修飾基質生成物を検出するステップとを含む、オンライン検出方法に関する。

Description

本発明は、酵素活性の測定と、その改変、特にその阻害の測定に関する。詳細には本発明は、連続フロー酵素アッセイに関する。さらに本発明は、特定の酵素との相互作用をもたらす新たに検出された化合物の使用に関する。
酵素アッセイは、変換生成物の検出によって酵素と基質の両方を特徴付けるのに使用することができる、高感度検出技法である。一般に、酵素とその基質を一緒に、例えば補因子と適切な緩衝条件下で混合し、あるインキュベーション時間を経た後に反応を停止させ、その反応中に形成された生成物の量を測定する。
測定は、一般に基質の検出特性の変化に基づく。例えば測定は、蛍光検出用のシグナルとして使用することができる蛍光特性を有する反応生成物中の、非蛍光基質の変換に基づくものでよい。同様に、無色の基質を着色生成物に変換し、これをUV−VIS検出によって測定することができる。
時間の経過と共に形成された生成物の量から、酵素−基質反応の速度論に関して結論を引き出すことができる。
物質は、ある濃度の前記物質を酵素−基質反応混合物に添加し、物質を添加しなかった場合の測定と比較した生成物形成の変化を検出することによって、阻害活性に関する物質の試験をすることができる。
酵素アッセイは様々なフォーマットで実施することができる。一般的なフォーマットは、マイクロタイタープレートで実施されるバッチアッセイに関する。阻害の試験をする酵素、基質、及び物質を、マイクロタイタープレートのウェルにピペット分注し、形成された生成物の量を、所定時間後に測定する。
別の手法では、例えばクロマトグラフ粒子の固体表面に酵素の固定化を行う。次いで固定化した酵素物質を反応器内に詰め、この反応基を通して基質をポンプ送出する。生成物の検出は、適切な検出器を使用して固相反応器の下流で行う。物質の阻害活性は、その物質を酸素反応器に導入する前に基質に添加することによって試験をする。酵素阻害を示す物質により生成物形成の減少は、反応器の下流で測定する。この観点から、質量分析計に結合された連続フローシステム内でのいわゆる固定化酵素反応(IMER)の使用について記述している、いくつかの文献を参照することができる。この点に関し、例えばAmankwa他のタンパク質の科学(Protein Science)4(1995)113〜125;Jiang他のJ.Chromatogr.A924(2001)315〜322;Mao他のAnal.Chem.、74(2002)379〜385;及びRichter他のAnal.Chem.、68(1996)1701〜1705を参照されたい。これらのIMERは主に、基質変換反応と、酵素変換反応の程度に影響を及ぼす物理化学パラメータの研究に使用された。IMERによる酵素阻害剤の研究については言及されていない。そのようなIMERは、主としてオンラインで液体クロマトグラフィーなどの分画法と連関させることができるが、その操作性能は、不可逆阻害剤の溶出によってIMER全体が容易に阻止され、それによってその他のどのような測定も妨げられる可能性があるので、非常に不利なものになる。使用者は、その他のサンプルのスクリーニングを続ける前に、反応器を交換しなければならなくなる。
さらに別の既知のフォーマットでは、酵素反応を連続フロー反応システム内で行う。連続フロー反応システム内での反応時間は一定であり、反応器の容積及び総流量によって決定される。酵素及び基質は別々にポンプ送出し、試験がなされる物質を含有した担体流と混合する。阻害活性がない場合、最大量の生成物が、利用可能な一定の反応時間中に形成される。阻害剤が存在すると、連続フロー反応システムの下流で適切な検出器により検出することのできる生成物の形成が低下する。
現況技術において記述されるそのような連続フローアッセイの例は、Ingkaninan他のJ.Chromatogr.A、872(2000)、61〜73に示されている。これは、読出しとしてUV−VIS検出を使用する特定の連続フロー酵素アッセイの構成について述べている。特に、アセチルコリン−エステラーゼ及びその基質を連続フロー反応検出システム内で混合し、担体流体中の阻害剤の存在を、酵素基質反応の着色生成物を405nmで測定することにより検出したことを述べている。
このタイプの連続フローアッセイにはいくつかの主な欠点があり、そのいくつかについて以下の段落で述べる。
まず、Ingkaninan他の方法は、基質の特定の要件に依拠するものであり、すなわちUV−VIS検出に適した生成物に変換することのできる適切な基質を見出さなければならない。そのような基質のいくつかは、様々な酵素系に関連した技術分野で知られているが、非常に大きい酵素群、特にIngkaninan他によって記述されている検出原理に従い作用する適切な基質に欠けた、キナーゼなどの医薬品として適切な酵素の群がある。この問題は原則として、より複雑なアッセイプロトコル、例えば酵素基質反応で形成された生成物に対する標識抗体を用いなければならないようなプロトコルを使用することによって、克服することができる。しかしこれは、アッセイの展開及びこのアッセイを分画ステップと共にオンラインで使用する可能性を、非常に困難にする。
対応する短所は、基質と変換基質とのシグナルの相違に依拠するその他の検出方法で生じる。周知の例は、蛍光を用いた検出である。
さらにUV−VISは、いくぶん感度の低い検出方法である。したがってIngkaninan他によって記述されたタイプのアッセイは、比較的低い検出感度により特徴付けられる。
さらに、Ingkaninan他により記述されたアッセイフォーマットは、単一酵素のアッセイ方法として述べられていることに留意されたい。
本発明の根元的な主要目的は、既存のバッチ式及び連続式フローアッセイの欠点の、少なくとも1つを克服する方法又はアッセイを提供することである。特に適切な基質の不完全な要件に関連した短所に鑑み、本発明のアッセイ又は方法を、特に蛍光又はUV−VIS検出に基づく酵素アッセイに比べてよりフレキシブルなものにすることを目的とする。蛍光又はUV−VIS検出に使用される基質は、一般に天然酵素基質の化学誘導体であり、本来の基質は、それぞれの検出方法によって直接的に又は酵素切断後に検出することのできる化学的部分に共有結合している。検出可能な基質の合成は、本来の基質の化学変化によって基質特異性が低下し、したがって非常に感度の低いアッセイになるので、アッセイの展開時間が引き延ばされる。
さらに、本発明のアッセイフォーマットは、液体クロマトグラフィーなどの分画方法と組み合わせることができなければならない。
さらに、複数酵素の組合せのアッセイ方法を利用可能にすることが望ましいと考えられる。
本発明は、質量分析法を用いた酵素−基質反応の変換生成物の検出を利用することによって、既知の酵素活性の測定アッセイに関する問題のいくつか又は複数を解決し、且つ/又は上述の要望を満たすものである。
検出技法として質量分析法を使用することによって、基質変換生成物を直接検出することができ、アッセイの展開に天然基質の化学誘導体を必要としない。
さらに本発明は、酵素動態の研究と、酵素を阻害し又は活性化し又はそうでない場合には酵素活性を変化させる活性リガンドのスクリーニングとの両方を可能にする。
特定の実施形態では、本発明の方法を使用して、これまでに知られていない基質活性を持つ酵素をスクリーニングする。
本発明は、変換生成物の1つ又は複数がエレクトロスプレイ質量分析法などの質量分析法によってオンラインで検出される、連続フロー酵素反応システムに関する。連続フロー酵素反応システムの読出しは、化合物の混合物をスクリーニングするために、液体クロマトグラフィーやキャピラリー電気泳動法などの個別の方法に連関させることができるような方法で発生させることができる。
より詳細には本発明は、分画ステップの流出物と制御量の酵素とを接触させるステップと、この酵素を、流出物中に存在することが考えられる検体と相互に作用させるステップと、前記酵素に対して制御量の基質を添加するステップと、酵素と基質とを反応させて1つ又は複数の修飾基質生成物を提供するステップと、質量分析計を使用して未反応の基質又は修飾基質生成物を検出するステップとを含む、オンライン検出方法に関する。
酵素検出の際の質量分析法の使用について記述するいくつかの方法は、現況技術として述べてきたことに留意されたい。しかし本発明で主張する方法は、開示も提示もなされていない。
例えば、Ge他のAnal.Chem.、73(2001)5078〜5082の論文を参照することができる。Ge他は、酵素動態の決定のために質量分析法を使用することを提案している。特に、酵素グルタチオンS−トランフェラーゼをグルタチオン及び1−クロロ−2,4−ジニトロベンゼンと共にインキュベートすることについて述べており、ある時間間隔の後に、酵素反応で形成された生成物の量をエレクトロスプレイイオン化質量分析によって測定する。この既知の方法では、酵素の本来の基質又は天然の基質を使用することにより、酵素反応のモニタが可能になる。Ge他はバッチ式適用例について教示するだけであり、すなわちサンプル、酵素、及び基質のインキュベーションと、その後に行われる反応生成物の質量分析計への注入である。したがってこの方法は、酵素動態の決定と純粋な基質のスクリーニングでのみ有用である。Ge他の方法は、オンラインで分画ステップと連関させることができず、本発明により可能になった混合物のスクリーニングは、例えば液体クロマトグラフィーを使用してサンプルの分画を行った後に、オフラインの画分収集によって実施することができるだけである。
同様の方法がNorris他(Anal.Chem.、73(2001)6024〜6029)によって提案されており、これは、フコシルトランスフェラーゼのある特定の阻害剤の動態特性研究にバッチ式インキュベーションを使用している。
また上記特定したIngkaninan他の論文には、UV分光法を使用するオンラインシステムがさらに質量分析ユニットを利用して、前記オンライシステムにより見出された特定の成分を同定する実施形態についても記載されている。すなわちUV測定に基づいて活性に注目する場合、エレクトロスプレイイオン化分光法を使用して、活性化合物の分子質量に関する情報を得ることができる。本発明の方法のように、未知の化合物とスクリーニングされる酵素との相互作用があるか否かを決定する装置として質量分析計を使用することに関し、いかなる提示もなされていない。
Langridge他のRapid Comm.Mass Spectrometry、7(1993)293〜303は、連続フロー高速原子衝撃質量分析を使用した特定酵素の分析について教示している。この論文は、技法の確立とその感度及び再現性に焦点を当てている。分画ステップとの連関に関するいかなる参考文献もなく、酵素反応はオンラインでモニタされる。
Boyan他は、Anal.Biochem.、299(2001)の第173〜182頁で、MSに連関させたフロンタルアフィニティクロマトグラフィーによる酵素阻害剤混合物のスクリーニングについて述べている。この論文は、酵素基質の動力学的パラメータと結合定数の調査を目標としている。それに加え、基質測定を実施して、アフィニティカラムに固定化した後の酵素の質を決定する。連続フロープロセスについては述べられていない。
要約すれば、酵素アッセイを読出し技法として質量分析法と併せて行う上記全ての従来技術の方法は、バッチ式に又は固定化酵素反応器(IMER)に関連付けて実施する。どちらの手法も、主に酵素の動態を調査するために且つ単一の純粋な成分をスクリーニングするために使用することができる。本発明の方法とは対照的に、これらの方法は、インキュベーション及び検出が不連続なプロセスであるので、液体クロマトグラフィーやキャピラリー電気泳動などの分離方法に直接連関させることができない。酵素アッセイフォーマットのどちらのタイプに混合物を適用しても、阻害活性を引き起こした混合物中の化合物の性質が明らかにされない。さらに本発明の方法は、生理活性化合物の検出のために、合成した蛍光標識又は放射性標識を実現することを必要としない。
本発明は、読出し技法として連続フロー酵素アッセイと質量分析法とを組み合わせたものに基づく。このオンライン検出法の第1のステップでは、分画ステップの流出物を、少なくとも1種の制御量の酵素に接触させる。本発明の方法で使用すべき適切な分画方法は、液体クロマトグラフィー分離又はキャピラリー電気泳動のステップを含む。しかし、当業者に知られ且つ比較的連続した出力流を可能にするその他の分離技法又は分画技法も同様に使用することができる。
分画ステップは、液体クロマトグラフィー分離やキャピラリー電気泳動ステップだけでなく、コンビナトリアルケミストリシステムでもよい。
好ましい液体クロマトグラフィー分画ステップには、HPLC、逆相HPLC、キャピラリー電気泳動(CE)、キャピラリー電気クロマトグラフィー(CEC)、等電点電気泳動(IEF)、又はミセル動電クロマトグラフィー(MEKC)が含まれ、これらの技法全ては当業者に知られるものである。好ましい実施形態では、液体クロマトグラフィー分離ステップが逆相HPLCステップである。
本発明によれば、分画ステップの流出物は、異なる成分の混合物が注入されるフローインジェクション分析システムの流出物であるとも理解されることが、理解されよう。フローインジェクション技法はフレキシブルで高速のスクリーニング方法を提供するので、本発明の好ましい実施形態である。
次のステップでは、酵素を、流出物中に存在することが考えられる検体と相互に作用させる。この記述及び添付の特許請求の範囲において、「検体」という用語は、酵素の特性が影響を受けるように酵素に結合することが可能であり又はそうでない場合は酵素と密接に相互に作用することが可能な、任意の化合物に関して使用する。「検体」という用語は、酵素に対して既知の又は新しい基質を含むが、酵素阻害剤又は酵素変性剤も含む。検出方法を実時間で使用することができるようにするには、相互作用の持続時間は短めであり、最長で約5分、好ましくは約3分である。最小限の相互作用時間は、使用される酵素に若干左右されるが、一般に少なくとも30秒、好ましくは少なくとも1分である。良好な結果は、相互作用時間が2〜3分の本発明によって得られた。
次のステップでは、使用される酵素に対して制御量の既知の基質を添加し、前記量を酵素と反応させることによって、1種又は複数の修飾基質生成物が得られる。最後に、未反応の基質又は修飾基質生成物の1つを、質量分析法を使用して読み出す。
本発明の方法は、修飾基質生成物の検出を含むことが好ましい。
反応混合物の全ては、基質及び修飾基質生成物を前もって分離することなく、質量分析計に導入することができる。MSによって検出される既知の化合物の量の変化は、流出物中に少なくとも1種の検体が存在し、これが酵素と相互に作用することを示している。
変性され且つ一般には比較的小さい基質生成物をMS検出ステップで使用する好ましい実施形態では、分析すべき反応混合物の高分子質量画分を除去するために、質量分析計の前に中空糸モジュールを挿入することが好ましい。特に反応混合物は中空糸モジュールを通過し、質量分析計に入る前に、前記修飾基質生成物よりも高い分子量を有する分子を分離する。中空糸モジュールは、使用される基質も含めた修飾基質生成物よりも大きいサイズを有する全ての化合物を分離することが、より好ましい。当然ながら、より大きい分子を分離することが可能なその他の装置も使用することができる。
本発明の方法の好ましい実施形態では、質量分析計に導入する前に、基質との反応から得られた反応混合物に補給流を添加する。この補給流は、酵素基質反応で形成された生成物の検出感度を改善する成分を含有する。そのような成分の例は、メタノールやアセトニトリルなどの有機溶媒、並びに酢酸やギ酸などの酸である。これらの溶媒及び酸は、検出すべき化合物と相互に作用し、そのような化合物を、例えばより容易にイオン化させる。
必要とされる選択性は、MSの選択的追跡が得られるようにMSを操作することによって、得ることができる。
フローインジェクションモードでは、MS操作の全モードが可能であるが、より高いバックグラウンドであるので、選択された単一のm/z痕跡又は選択された複数のm/z痕跡のイオンを検出することを含む非常に選択的なモードが、特に適している。
MSは、エレクトロスプレイイオン化タイプ、大気圧イオン化タイプ、4重極タイプ、扇形磁場タイプ、飛行時間タイプ、MS/MS、MS、FTMSタイプ、イオントラップタイプ、及びこれらの組合せからなる群から選択されたタイプのものが好ましい。実施例3で例示される非常に適切な方法は、電子スプレイ飛行時間型質量分析(ESI−TOF−MS)である。
例えば、化合物を追跡する走査モードでは、MSに関する全ての可能な機器設計を持った低分解能MSを使用することができ、特に4重極、扇形磁場、飛行時間、FTMS、及びイオントラップを使用することができる。これは一般に、公称的な質量精度で分子量データを生成する。
全ての可能な高分解能機器設計、特に扇形磁場、飛行時間、FTMS、及びイオントラップ設計の高分解能MSを利用する場合、化合物の元素組成と組み合わせた高い質量精度での分子量データを得ることができる。
その他の知られているMS技法には、MS/MSやMS(例えばMS)などのタンデム型MSが含まれる。これらの技法を利用することによって、本発明の好ましい実施形態である、リガンドの構造的情報の収集が可能になる。走査モードでのデータはデータ依存型モードで獲得することができるが、これは、自動的に観察されるピークごとにタンデム型MS測定を行うことを意味する。この他、タンデム型MS測定で引き起こされた断片化は、例えば広帯域励起などのより高度な手順により連関させることができるが、これは、天然産物のスクリーニングにおける[プロトン化分子−HO]ピークなどの、それほど重要ではない予測される断片も断片化するものである。
MSは、非常に選択的な検出で使用することができる単一/複数イオンモニタリングモードで操作することもできる。
単一/複数イオンモニタリングモードは、非常に選択的な検出で使用することができる。特に4重極、扇形磁場、飛行時間、FTMS、及びイオントラッップなど、全ての可能な低分解能機器設計を有する単一/複数イオンモニタリングモードの低分解能MSを使用して、事前に決定されたm/z痕跡のモニタリングに基づく選択的検出を得ることができる。高分解能MSを利用する場合、MSに関する全ての可能な機器設計を使用することができ、特に4重極、扇形磁場、飛行時間、FTMS、及びイオントラップを使用することができる。これにより典型的な場合、事前に決定されたm/z痕跡を高分解能でモニタすることに基づいて、非常に選択的な検出が可能になる。タンデム型MSを利用する場合、全ての可能な機器設計、特にイオントラップ、4重極飛行時間(Q−TOF)、3連4重極(QQQ)、FTMS、扇形磁場と4重極及びイオントラップとの組合せを使用することができる。これにより、MS/MS及び/又はMS測定で得られる1つ又は複数のピークをモニタすることに基づいて、非常に選択的な検出が可能になる。
また、MSを走査モードで操作することも可能である。このように、所定シグナルの低下はその他のシグナルの増大と相互に関係し、活性化合物を同じサイクルで特徴付けることが可能になる。
本発明によるアッセイでは、複雑な性質の溶液、例えば生物流体又は抽出液、天然産物抽出物、コンビナトリアルテクノロジー及びプロセスなどの化学実験から得られるバイオテクノロジープロセスからの溶液又は抽出液中で、特定の酵素と相互に作用する(生理)活性化合物の追跡を、より高い効率、選択性、及びフレキシビリティで行うことができる。さらに本発明は、バックグラウンド化合物の妨害を制限する可能性をもたらす。
本発明によればさらに、従来の質量スペクトル、高分解能データ、又はMSベースのスペクトルに基づいて、化合物の同定が可能になる。
本発明の方法によれば、複数化合物の完全な同定を必要とすることなく、大量のサンプルをスクリーニングすることが可能であり且つこれらを類似する活性化合物に基づいて種類ごとに分類する様々な質量分光分析実験に基づいて、ライブラリ探索を行うことも可能である。
本発明のアッセイ方法は、例えばチップ技術ベースのスクリーニングシステムを有するような、アッセイベースシステムの小型化フォーマットで利用することができる。
上述の既知の方法とは対照的に、本発明の方法によれば、2種以上の異なるタイプの酵素の混合物を使用することが可能になる。この好ましい実施形態でも異なる基質の混合物を使用すべきであり、これら基質のそれぞれは、前記酵素の1つに特異的である。混合物中で酵素の1つに対して相互作用をもたらす活性化合物の存在は、既知の基質又は修飾基質生成物の濃度の変化を、その特定の質量と電荷との比でモニタすることによって知ることができる。さらに活性化合物の分子質量は、既知のリガンドのピーク最大値が生ずる時点で全イオン電流クロマトグラムをモニタすることにより、同時に測定することができる。
実施例でも詳述される別の好ましい実施形態では、本発明の方法は、酵素又は酵素の1種としてプロテインキナーゼを使用する。この実施形態では、キナーゼ触媒反応のリン酸化生成物に関して検出を行ったときに、非常に良好な結果が観察される。検出は、酵素阻害剤の存在を示すのに十分使用することができる。
別の態様では、本発明はオンラン検出法に関し、この方法は、多重インレットユニットの種々の分画ラインが接続されている多重インレットユニットを備えた質量分析計を使用し、各分画ラインは、本発明の説明で記述される本発明の方法の実施形態のそれぞれで述べるように、制御量の酵素及び既知の基質が添加される流出物を含むものである。
また本発明は、本発明の方法によって検出される新しい化合物にも関する。そのような化合物には、アッセイ方法において添加された酵素との相互作用をもたらす可能性がある。
本発明の方法について、本発明の方法の非限定的な3つの実施形態を概略的に示す図1〜3に記載される実施形態を参照しながら、より詳細に述べる。特に、図に示す3つの実施形態のそれぞれに関していくらか詳細に記述される、本発明の方法で使用される装置は、一般にその他の図に示される実施形態で使用することもできる。
図1〜3では、酵素と基質との反応が、開管状編込み型反応器1からなる連続フロー反応検出システム内で進行する。最大感度を実現するために、アッセイをシーケンシャルモードで行う。第1のステップでは、試験すべき化合物を含有する担体流フロー1を、酵素溶液フロー2と混合する。担体流は、例えばフローインジェクション分析(FIA)システムの担体又はHPLCやCEなどの連続フロー分離技法の出口でよい。反応器1の容積と、液体流フロー1及びフロー2の総流量が、インキュベーション時間を決定する。インキュベーション時間は、反応器の容積又は流量を変えることによって容易に変えることができ、したがって酵素阻害の動態を見抜くことができる。
第2のステップでは、基質フロー3を、反応器1から出て来た液体流と混合し、基質変換反応を開始させる。管状反応器2の容積と液体流フロー1,2、及び3の総流量とが、基質のインキュベーション時間を決定する。この場合も、インキュベーション時間は、反応器の容積又は流量を変えることによって容易に変えることができ、したがって酵素基質反応の動態を見抜くことができる。
反応器2の出口は、例えば質量分析計のエレクトロスプレイインターフェースに、3つの異なる方法で接続することができ、すなわちその方法とは、(i)反応混合物にさらなる変更を加えることなく直接接続し(図1)、(ii)典型的な場合にはメタノールと酢酸又はギ酸を合わせたものと内部標準物質とからなる補給流をさらに添加した後に直接接続し(図2)、(iii)中空糸インターフェースを介して接続する(図3)方法である。後者の場合、低分子質量反応生成物を含有する中空糸モジュールの浸透液だけが質量分析計へと向かい、一方、中空糸の濃縮液中の高分子質量画分は廃棄される。
図1では、酵素反応の反応生成物(P...P)を、その分子質量で直接測定する。酵素反応は、例えば酢酸アンモニウム、ギ酸アンモニウム、又は炭酸アンモニウムからなるMS適合性の揮発性緩衝液中で行う。阻害物質が存在しない場合、酵素−基質反応の明確な一定の反応時間が原因となって、一定量の生成物が連続フロー反応系内で形成される。一定の生成物濃度が形成されると、酵素基質反応の程度の指標として選択される生成物の特定のm/z値で、一定のMSシグナルが生じる。阻害剤(又は酵素−基質の相互作用に影響を及ぼす別の化合物)を、担体流又は分離方法からの阻害剤の溶出液に注入すると、酵素活性に低下が生じ(反応器1内の反応)、その結果、反応器2内で形成される生成物濃度が低下する。内部標準物質、すなわち典型的な場合には酵素反応生成物と同様の化学特性を有する低分子質量有機化合物を基質溶液に添加することは、エレクトロスプレイインターフェース状態の安定度を制御するのに使用される。生成物シグナルの低下は固有のもので、内部標準物質のシグナルが測定期間中一定のままである場合は、その生成物シグナルの低下は阻害剤によって引き起こされたと見なすほかない。生成物と内部標準物質との両方のシグナルが同時に低下する場合、そのシグナルは、おそらく、例えば母材成分に起因するが酵素の特異的阻害には起因しないイオン化条件の変化によって引き起こされると思われる。
図2は、反応生成物を質量分析計に導入する前に、メタノールやアセトニトリルなどの有機溶媒と、ギ酸や酢酸などの揮発性有機酸と、内部標準物質とを含有する補給流を添加する他は、図1と同一である。図2に示すスキームは、酵素−基質反応の程度の指標としての役割をする酵素反応生成物が弱いイオン化効率を示し、その結果、比較的高い濃度でしか測定することができない場合に使用する。有機溶媒及び揮発性酸を添加すると、エレクトロスプレイ質量分析における有機分子の検出感度が改善されることが周知である。図1に示す方法と同様に、内部標準物質は、エレクトロスプレイイオン化条件の安定性をチェックするのに使用する。
図3に略述した方法は、酵素そのものや酵素生成からのタンパク質不純物などの高分子画分が存在することによって、大量のイオン抑制が引き起こされる場合に利用する。反応生成物を中空糸モジュールに導入することにより、高分子質量画分が除去され、低分子質量反応生成物を含有する浸透液だけが質量分析計へと向かう。図2に示す実施形態と同様に、補給流は、イオン化効率を高め、したがって反応生成物の検出感度を高めるために、MSに導入する前に浸透液に添加することができる。
適切な分画技法からオンラインで担体流又は溶出液に直接注入される、試験又はスクリーニングすべき物質は、酵素基質反応の反応生成物と共にMSに向けられるので、本発明の方法は、この物質の生化学特性、すなわち酵素を阻害する潜在能力とその分子質量を同時に決定することができる。後者の情報は、試験すべき物質の構造を解明するのに使用することができる。
本発明の酵素アッセイ法は、酵素を担体流に連続的に添加するので、適切な分画技法にオンラインで連関させることができる。これは、酵素をサンプルのバッチ溶液に添加し又は固相物質に固定化する上記従来技術方法で述べた短所を克服するものである。
バッチ式インキュベーションでは、反応時間を注意深く制御しなければならない。さもなければ異なるサンプル同士の比較を行うことができないからである。さらにバッチ式インキュベーションは、分画技法にオンラインで連関させることができず、分画技法の溶出液のオフライン式画分収集を行う必要がある。
固定化酵素反応器を使用することの主な欠点とは、活性化合物又は母材構成成分が固定化酵素を不活性にし、新鮮なIMERカラムの導入が必要になる可能性があることである。可能性ある失活を予測することはできないので、IMERを使用する方法は、IMERの活性を試験するために頻繁な制御測定が必要である。本発明の方法では、新鮮な酵素タンパク質を、低流量で連続的に担体流に添加する。したがって活性阻害剤又は妨害母材成分を注入すると、酵素の一時的な失活が生じるだけである。
上記論じた従来技術で述べた方法は、分画にオンラインで連関させることができず、したがって化合物の混合物のスクリーニングに適していない。
酵素基質反応の生成物の検出方法として質量分析を使用することにより、本発明は、Ingkaninan他によって記述されたUV−VIS検出を使用するオンライン酵素アッセイと比較して、いくつかの利点を有する。最も重要なことは、アッセイの展開で、検出可能な部分と既存基質との化学(共有)結合を必要としないことである。そのような化学的変化によって基質が不活性化することは周知である。本発明では、酵素に対して天然の基質を使用することが可能である。アッセイの展開中、酵素基質反応の生成物に特異的なMS検出条件が確立され、最適化される。これらの条件を、引き続き酵素阻害剤のスクリーニングで使用する。
Ingkaninan他により記述されたUV−VIS検出に基づくアッセイにも優る別の利点とは、本発明ではいくつかの酵素を同時にスクリーニングできることである。この場合、酵素とその特異的基質とは、それぞれ単一の成分としてよりも混合物として使用される。質量分析計は、各酵素アッセイごとに別々の反応生成物を、その特定のm/z値で同時に検出する。これらの多酵素アッセイは、例えばUV−VIS検出でのその吸収波長又は蛍光検出でのその励起波長及び放射波長に基づいて区別することができる特異的に標識した基質を設計することなく、実施することができる。質量分析計によって生成された全イオン電流データから、これらの質量痕跡を分離して、特異的反応生成物を表す個々の酵素アッセイの解釈を行う。
したがって分画技法にオンラインで連関させることにより、バッチ式アッセイ又は固定化酵素反応器を使用して行うアッセイとは異なって、化合物の混合物のスクリーニングが可能になる。混合物をスクリーニングする好ましい方法は、以下のステップからなる。混合物、例えば天然産物抽出物、コンビナトリアルケミストリからの反応生成物、又はメタボリックプロファイリング実験からの反応生成物を、適切な分画技法、例えばHPLC分離カラムに注入する。HPLCカラムから溶出する化合物は、混合ユニット内で酵素を添加することによって、酵素と混合する。反応器1では、HPLCの流量及び酵素フロー流によって決定された明確な時間にわたり、HPLCカラムから溶出する化合物を酵素と相互に反応させる。その後、第2の混合ユニットを介して基質を添加し、反応器2の容積とHPLCの総流量によって決定された第2の反応時間の後、酵素及び基質フロー流、すなわち混合物は、例えば図1〜3に示した方法を使用して質量分析計へと向かう。HPLCカラムから活性化合物が溶出すると、その阻害定数に応じて、酵素の部分又は完全失活など酵素の振舞いに変化が生じる。活性物質と接触するようになった酵素分子の阻害により、例えばエレクトロスプレイMSによって検出される反応器2内の生成物形成が低下する。活性物質が反応器2を離れた後、シグナルはその当初の値のままである。活性化合物の存在により、酵素反応生成物の質量痕跡に負のピークが生ずる。
検体を注入したときに得られたMSデータと、制御量の基質又は修飾基質生成物だけを連続フローシステムに導入したときに得られたシグナルとの比較により、分画ステップの溶出液中に存在する検体と酵素との相互作用のパーセンテージに関する情報が提供される。当業者なら、この検出方法から得られたデータを処理し評価するための知識を持っている。溶出液中に存在する検体による相互作用のパーセンテージは、特定酵素との相互作用を示す新しい化合物を見出すのに使用することができる。この情報は、例えば薬物発見において本発明のオンライン式分離/親和性分子検出プロセスが実施される可能性をもたらす。
溶出液に添加される「制御量」の酵素及び基質とは、濃度がわかっており且つ流量がわかっている量と理解されたい。
本発明の説明及び特許請求の範囲で使用される「既知の基質」という用語は、酵素と相互に作用し又は反応することが可能であり且つMSによって検出することのできる基質を指す。
本発明の方法で使用されるようにオンラインで連関させるには、過剰なカラムバンドの広がりを最小限に抑えるため、高速の反応時間が必要である。これは、時間単位よりも分単位の反応時間を有する相互作用であると見なすべきことを意味する。酵素が検体に結合する適切な結合条件には、同程度の長さの接触時間が含まれる。適切な結合条件は、酵素分子と検体との間に最適な結合をもたらす条件である。温度や滞留時間、化学組成などの精密な条件は、アッセイのタイプ及びそこで使用されるタンパク質に大きく左右されることが理解されよう。バックグラウンド緩衝溶液が主に不揮発性のリン酸緩衝液又はTris緩衝液からなる蛍光標識、放射性標識、又は酵素標識に基づく生化学アッセイとは対照的に、本明細書で示す質量分析アッセイは、pHが中性であるギ酸アンモニウムや酢酸アンモニウムなどの揮発性緩衝液を使用して行う。さらに、既知のリガンドのイオン化特性を改善するには、少量のメタノール(2.5〜10%)を補給流としてバックグラウンド緩衝液に添加する。
本発明について、以下の非限定的な実施例を参照しながらより詳細に記述する。
本発明の実現可能性を、プロテインキナーゼアッセイに関して実証する。キナーゼは、ATPの存在下で特定のペプチド基質のリン酸化を触媒する。この実施例では以下の試薬を使用した。
酵素:プロテインキナーゼA(ウシ心臓から;80%タンパク質;リン酸化活性:タンパク質1μg当たり1〜2unit)
基質:マランチド(H−Arg−Thr−Lys−Arg−Ser−Gly−Ser−Val−Tyr−Glu−Pro−Leu−Lys−Ile−OH;>97%;FW 1633.9Da)
補因子:アデノシン3’:5’−環状一リン酸(遊離酸;>99%;cAMP)、アデノシン5’−三リン酸(マグネシウム塩;95〜98%;MgATP)、P0300(H−Thr−Thr−Tyr−Ala−Asp−Phe−Ile−Ala−Ser−Gly−Arg−Thr−Gly−Arg−Arg−Asn−Ala−Ile−His−Asp−OH;FW 2222.4Da;Inh)をSigma(Zwijndrecht、オランダ)から得た。
内部標準物質:PP60c−src(リン酸化)(H−Thr−Ser−Thr−Glu−Pro−Gln−Tyr(PO)−Gln−Pro−Gly−Glu−Asn−Leu−OH;>99%;FW 1543.5Da;IS2)がBachem(Bubendorf、スイス)から供給された。
阻害剤:P0300(H−Thr−Thr−Tyr−Ala−Asp−Phe−Ile−Ala−Ser−Gly−Arg−Thr−Gly−Arg−Arg−Asn−Ala−Ile−His−Asp−OH;FW 2222.4)をSigma(Zwijndrecht;オランダ)から得た。
10.0μL/分の流量で動作する担体フローは、20mM重炭酸アンモニウムを含有する水溶液からなるものであった。試薬送達は、10mLのスーパーループ(Superloop)(Pharmacia Biotech AB、Uppsala、スウェーデン)を使用して行った。スーパーループの入力フローは、長さ0.5m及び内径0.064mmのピーク(Peek)管材によりスーパーループの入口に接続した株式会社シコー技研(大和市、日本)のHPLCポンプを使用して発生させた。スーパーループの出口は、逆Y字形混合ユニオンと、内容積がそれぞれ100μL又は200μLの編込み型ポリ(テトラフルオロエチレン)反応コイル(内径が0.3mmであり、長さがそれぞれ1.41m及び2.82m)とからなる反応検出システムに接続した。反応温度を45℃に調節した。どちらのスーパーループも10.0μL/分の流量で動作した。質量分析計に注入する前に、メタノール/1%酢酸を含有する補給流を、2.0μL/分の流量で逆Y字形混合ユニオンを介して添加した。補給溶液を、シリンジポンプ(Harvard Apparatus 22、Harvard、MA、米国)によりシリンジ(Hamilton、Reno、NV、米国)を介して送出した。全体の流れを、エレクトロスプレイインターフェースを介してQ−TOF2(Micromass、Manchester、英国)質量分析計へと向けた。
典型的な設定では、酵素が入っているスーパーループ1に、20mM重炭酸アンモニウム、100μM MgSO、1nM cAMP、20μM MgATP、及びプロテインキナーゼA(224〜448ユニット)を含有する2mLの水溶液を充填した。基質溶液が入っているスーパーループ2には、20mM重炭酸アンモニウム、100μM MgSO、2μMペプチド(マランチド)を含有する2mLの水溶液を充填した。補給流用のシリンジには、1%酢酸及び10μM内部標準物質を含有するメタノールを充填した。
MS測定は、エレクトロスプレイインターフェースに結合したQ−TOF2質量分析計で実施した。測定は、供給源温度353K、脱溶媒和温度423K、溶媒和ガス流250L/時、コーンガス流100L/時、気体セル圧16p.s.i.、毛管電圧2500V、コーン電圧33Vの陽イオン化モードで行った。質量範囲を300〜1100m/zに設定し、データ獲得パラメータは5.0秒/走査であり、滞留時間は0.1秒、完全TOF MSは走査モードで継続し、任意選択の「MSプロファイル」は使用しなかった。窒素(純度5.0;Praxair、Oevel、ベルギー)及びアルゴン(純度5.0;Praxair)を、脱溶媒和/コーンガス及び衝突ガスとしてそれぞれ使用した。
典型的な実験では、マランチド基質とプロテインキナーゼAとの混合により、m/z571.9というm/z値で検出することのできるリン酸化マランチドが形成される。45℃の反応温度では、阻害剤の2μM溶液を注入することにより、3700カウント(任意の単位)から1230カウント(任意の単位)までシグナルの変化が生じるが、内部標準物質のカウント数は一定のままであり、これはリン酸化マランチドのシグナル変化が阻害剤注入によるプロテインキナーゼAの失活によって引き起こされることを示している。反応温度がアッセイに及ぼす明らかな影響が観察された。25℃で、阻害剤の2μM溶液を注入することによって1930カウント(任意の単位)から634カウント(任意の単位)までシグナル変化が生じるが、内部標準物質のカウントは一定のままである。
実施例1と同じ条件を使用したが、今度はマランチドの代わりにケンプチドを基質として使用した。ケンプチド基質とプロテインキナーゼAとの混合により、m/z426.7というm/z値で検出することのできるリン酸化ケンプチドが形成される。45℃の反応温度では、阻害剤の2μM溶液を注入することにより、1240カウント(任意の単位)から335カウント(任意の単位)までシグナルの変化が生じるが、内部標準物質のカウント数は5030カウントという値で一定のままである。マランチドのリン酸化と同様に、反応温度がアッセイに及ぼす明らかな影響が観察された。25℃で、阻害剤の2μM溶液を注入することによって1930カウント(任意の単位)から820カウント(任意の単位)までシグナル変化が生じるが、内部標準物質のカウントは5790カウントという値で一定のままである。
この実施例では、酵素活性及び酵素阻害をモニタするために検出技法としてESI−TOF−MS(電子スプレイ飛行時間質量分析法)を使用することに関して実証する。ホモジニアスな基質変換ベースのバイオアッセイをモデルシステムとして選択したが、この場合、Z−FR−AMCをカテプシンBの基質として使用した。この酵素、すなわちカテプシンBはシステインプロテアーゼであり、細胞内タンパク質代謝回転や癌の侵襲及び転移など数多くの生理学的及び病理学的プロセスに関与する酵素の重要な群に属する。
酵素アッセイは、連続フローESI−TOF−MSシステムで行い、酵素カテプシンB及び基質Z−FR−AMCを、LCカラムの溶出液をシミュレートするフローインジェクションシステムの担体溶液に続けて添加した。その結果、カテプシンBが連続的にZ−FR−AMCと共にインキュベートされ、変換された基質の連続供給が行われた。生成物を質量分析計にポンプ送出し、モニタした。様々な化合物を連続フローシステムに注入し、酵素と共に反応コイル内でインキュベートし、引き続き質量分析計にポンプ送出した。これにより、その阻害能の決定並びに注入した化合物の特徴付けが可能になった。抽出物のスクリーニングでは、化合物のオンラインでの分離が必要であるが、これはLCカラムをバイオアッセイの前に連関させることによって、すなわちLC連続フローESI−TOF−MSシステムによって得られた。天然産物の抽出物は、しばしば新規薬物開発の出発点になるので、そのような抽出物をスクリーニングできることは医薬品産業において特に重要である。オンライン式連続フローESI−TOF−MSシステムを使用することにより、活性化合物に関して混合物をスクリーニングすることが可能になり、一次検出での価値ある手法としてESI−MSが利用可能であることが実証された。
より詳細には、2つの異なる連続フロー(CF)システム、すなわちどちらもホモジニアスバイオアッセイをMicromass(Wythenshawe、英国)Q−Tof微量質量分析計に連関させたものからなるシステムによって分析した。FI−CFシステムと名付けられた第1の連続フローシステム(図4)は、反応物を送出する3つのAgilent Technologies(Palo Alto、CA、米国)1100ポンプからなるものであった。ポンプの後に配置されたPharmacia AB(Uppsala、スウェーデン)製スーパーループ(10mL)を使用して、試薬溶液を連続フローシステムに導入し、それによって化合物とポンプ表面との非特異的な結合を防止し、高価な化学物質の使用を低減させた。Rheodyne(Cotati、CA、米国)6ポート注入弁を備えたギルソン(Gilson)(Middleton、WI、米国)モデル234自動注入器を使用して、化合物を注入した。2つの反応コイル(A、体積20μL;B、体積30μL)は、ラジアルミキシングが行われるように編み込まれたテフロン(登録商標)管材(ポリテトラフルオロエチレン、PTFE、0.25mmID)からなるものであった。反応物を、温度301Kで両方のコイルでインキュベートした。酵素のスーパーループは、その酵素の分解が最小限に抑えられるようにSpark(Emmen、オランダ)Mistralサーモスタットを使用して285Kに保ち、一方、基質のスーパーループは301Kに保った(冷却は必ずしも必要ではない)。形成された生成物の量は、Micromass Z−sprayエレクトロスプレイイオン化(ESI)源を備えたMSによって決定した。機器の制御、データ獲得、及びデータ処理は、Microsoft(Redmond、WA、米国)Windows(登録商標)NTで実行されるMassLynx software(V4.00.00)ソフトウェアを使用して行った。
LC−CFシステムと名付けられた第2の連続フローシステム(図5)は、大部分がFI−CFシステムと同じであった。違いは、ポンプ1及び自動注入器のLCシステムによる置換えであった。図5の左の部分にあるこのLCシステムは、バイナリーグラジェントを送出する2つのAgilent Technologies 1100ポンプ(図5;6及び7)からなるものであった。このグラジェントを、Peltier冷却器で温度制御された(285K)Rheodyne 6ポート注入弁と、島津(京都、日本)CTO−10AC VPカラムオーブンで温度制御された(303K)Zorbax(Agilent Technologies)SB−C18(5μM、2.1×150mm)カラムとを備えた自動注入器(Gilson、モデル235p)を通してポンプ送出した。カラム溶出液を補給流と混合し、2つのAgilent Technologies 1100ポンプ(図2;3及び4)で送出して、LC分離に必要なメタノールの量を減少させるようにした。グラジェント及び補給流は、Microsoft Windows(登録商標)2000で実行されるKiadis(Leiden、オランダ)Screen Control 2.9hソフトウェアにより制御した。Uniflows(東京、日本)製Degasys Ultimate、真空脱気装置を使用して、システム内にポンプ送出された溶液を脱気した。増大する流量を低下させるため、LCシステムとバイオアッセイ質量分析計との間に手製のスプリッタを組み立て、廃棄物に95%、バイオアッセイ質量分析計に5%という比で分けた。
ESI−TOF−MS検出は、シリンジ(Hamilton、Reno、NV、米国)及びkdScientific(New Hope、PA、米国)シリンジポンプ(モデルKSD100)でZ−FR−AMC溶液を10μL/分の流量で連続注入することにより最適化した。Z−FR−AMCに対する感度の最良の設定は、毛管3300V、サンプルコーン30V、抽出コーン3V、脱溶媒和温度448K、供給源温度353K、及び走査範囲m/z150〜650であった。測定は、陽イオン化モードと100〜200L/時のコーンガス流及び400〜600L/時の脱溶媒和ガス流とを組み合わせてで行った。窒素(純度99.999%)をガスとして使用した。
カテプシンB(E.C.3.4.22.1、ウシ脾臓から、活性:19ユニット/mgタンパク質、ユニットの定義:1ユニットは、pH5.0及び298Kで、1分当たり1マイクロモルのN−α−CBZ−リジンP−ニトロフェニルエステルを加水分解させる)、アンチパイン(N−(Nα−カルボニル−Arg−Val−Arg−al)−Phe、M 604.7)、E64(trans−エポキシスクシニル−L−ロイシルアミド−(4−グアニジノ)ブタン、M 357.4)、cAMP(内部標準物質1、アデノシン3’,5’−環状一リン酸、M 329.2)、ビオチン(内部標準物質2、M 244.3)、及びDTE(1,4−ジチオエリスリトール、M 154.3)をSigma(St.Louis、MO、米国)から購入した。CA−074(L−trans−エポキシスクシニル−Ile−Pro−OHプロピルアミド、M 383.5)、Z−FR−AMC(CBZ−Phe−Arg 7−アミド−4−メチルクマリン塩酸塩、M 649.2)、オボキニン(Phe−Arg−Ala−Asp−His−Pro−Phe−Leu、M 1002.1)、及びpp60 c−src(リン酸化、Thr−Ser−Thr−Glu−Pro−Gln−Tyr(PO)−Gln−Pro−Gly−Glu−Asn−Leu、M 1543.5)は、Bachem(Bubendorf、スイス)から得た。メタノール及び水酸化アンモニウムはJ.T.Baker(Deventer、オランダ)から、酢酸はRiedel−de Haen(Seelze、ドイツ)から、ギ酸アンモニウムはAldrich(Steinheim、ドイツ)から、高純度水はMilli−Qシステム(Bedford、MA、米国)から得た。
反応物及び内部標準物質は、水酸化アンモニウムでpH7.0に設定された、20mMギ酸アンモニウムを水に溶かしたものからなる担体流体に溶解した。DTEをこの担体に添加して、FI−CFシステムでは濃度15.0μMで、またLC−CFシステムでは濃度22.5μMで酵素活性が増大するようにした。DTEは、分離の妨害が最小限に抑えられるようにLCカラムを通してポンプ送出された溶液中には存在せず、また補給流溶液中にも存在しなかった。
20mMギ酸アンモニウム、様々な濃度のオボキニン(0.10〜2.0μM)、及びpp60c−src(0.20〜4.0μM)、10%(v/v)メタノール、0.1%(v/v)酢酸を含有するバッチを調製し、pH4.3の水溶液を得た。調製したサンプルを、シリンジポンプ(kdScientific)により流量10μL/分で質量分析計に注入した。
フローインジェクション分析では、反応物及び内部標準に関して述べたように溶液を調製し、これをスーパーループに入れる。使用した濃度は、スーパーループ1及びスーパーループ2のそれぞれについて、カテプシンB 30nM及び内部標準物質1 6μM、及びZ−FR−AMC 50μM及び内部標準物質2 6μMであった。
2種の阻害剤、E64及びアンチパインを選択し、これ(1μL)を様々な濃度で2回注入した(E64:0.50、1.0、及び2.5μM;アンチパイン:0.10、0.25、及び0.50μM)。
20mMギ酸アンモニウム(pH7.0)、様々な量のZ−FR−AMC(0、0.50、1.0、2.5、5.0、及び7.5μM)、7.5nMカテプシンB、1.5μM内部標準物質1、1.5μM内部標準物質2を水に溶解したものを含有するバッチを調製した。シリンジポンプを使用して流量10μL/分で注入することにより、301Kで60分間インキュベートした後、これらバッチのESI−TOF−MS分析を行った。
20mMギ酸アンモニウムと様々な濃度のcAMP及びビオチン(0.50〜5.0μM)を含有するバッチを調製し、pH4.3の水溶液を得た。これらバッチのESI−TOF−MS分析を、シリンジポンプを使用して流量10μL/分で注入することにより行った。
HPLCスクリーニングでは、溶液を上述のように調製し、スーパーループに充填した。使用した濃度は、スーパーループ1及びスーパーループ2のそれぞれについて、カテプシンB 30nM及び内部標準物質1 6μM、及びZ−FR−AMC 50μM及び内部標準物質2 6μMであった。注入した阻害剤:E64及びCA074は、これらを混合して注入した(E64:40μM;CA−074:90μM)。勾配溶離に関するクロマトグラフィー条件は、流量200μL/分、注入体積20μL、カラム温度298K、及び自動注入器温度283Kであった。移動相は、20mMギ酸アンモニウムをpH7.0で水に溶かしたものとメタノールとのバイナリーグラジェント混合物であった。勾配は30%メタノール(v/v)で始まり、12分で35%に増加した。
アッセイの設定
ホモジニアスバイオアッセイを質量分析計に連関させて、図4に示すように一緒にFI−CFシステムを形成した。反応コイルA内では、担体溶液(20μL/分)を連続的にカテプシンB溶液(10μL/分)と40秒間混合し、反応コイルB内では、担体/カテプシンB溶液をZ−FR−AMC溶液(30μL/分)と45秒間混合した。結果的に生ずる反応コイルBから出て来た流れ(40μL/分)を質量分析計へとポンプ送出し、形成された生成物の量を、ESI−TOF−MSにより直接モニタした。自動注入器を介して担体流に注入された化合物を、カテプシンBと40秒間反応させた(図4、反応1)。反応コイルA内で混合した後、阻害剤と酵素の両方を反応コイルBにポンプ送出し、これらを基質と混合した。阻害剤がないと、第1の反応コイルでZ−FR−AMCの連続的な切断が生じる。しかし、阻害剤が第1の反応コイルで酵素をブロックした場合、切断された基質の一時的な減少が生じた(図4、反応2及び3)。
使用した第2のシステムは、大部分がFI−CFシステムと同様の、図5に示すLC−CFシステムであった。自動注入器を介して注入された化合物を、担体溶液とメタノールからなるバイナリーグラジェントシステムを使用して、LCカラムにより分離した。分離に必要なメタノールの量を減少させるため、補給溶液をカラム溶出液添加し、10%という一定濃度のメタノールを得た。メタノールの濃度を低下させることは、酵素分解を防止するのに必要であった。このカラムでの流量は200μL/分であり、補給流を添加した後に960μL/分まで増大した。この流れ(960μL/分)を、廃棄物に95%、バイオアッセイ質量分析計に5%(48μL/分)という比で分けた。この点から、FI−CFシステムはLC−CFシステムと多かれ少なかれ同じであり、流量が異なるだけであった。LC−CFシステムでは、酵素溶液と基質溶液の両方を50μL/分の流量で送出し、質量分析計への総流量は100μL/分になった。その結果、反応時間は、反応コイルA及びBでそれぞれ16秒及び18秒に短縮された。反応時間が短縮されたことによって生成物の量が低下したが、LC−CFシステムの良好な性能には依然として十分なものであった。
この連続フローシステムで使用されるバイオアッセイとMSとの組合せは、どちらにも適合性のある溶媒組成物を必要とする。酵素アッセイの大部分は、HEPESやTRIS、PBSなどの不揮発性緩衝塩と、酵素活性及び表面への非特異的結合を維持する添加剤とを含有する溶液中で行われる。しかし不揮発性の塩は質量分析計のイオン源を汚染し、MS性能を低下させる。さらに添加剤の量は、ESIでシグナルの抑制を引き起こすので、できる限り低く保たなければならない。このため、一般的に使用される添加剤及び不揮発性緩衝塩を、この研究では省略した。バイオアッセイとESI−TOF−MSの両方に適していることがわかっている揮発性の塩(ギ酸アンモニウム)を選択した。担体溶液はDTEのみ含有しており、これはカテプシンBの活性化に必要である。さらに、多くの質量分光分析実験では、有機改質剤を添加して検体の溶解度を高め、エレクトロスプレイプロセスにより形成された帯電した液滴の脱溶媒和を促進させる。さらに、陽イオン(質量分析計の陽イオンモードで検出された)は酸性溶液中でより容易に形成されるので、より低いpH値によっても質量分光分析性能が高まることになる。しかし多くの場合、有機改質剤と酸性pHの両方は、酵素反応に適合性がない。このため中性pH(7.0)と、バイオアッセイに適合した濃度の有機改質剤を担体溶液に溶かしたものを選択した。
カテプシンBの基質として、Z−FR−AMC、蛍光標識化合物を選択した。図6は、ESI−TOF−MSによりモニタされた、カテプシンBによる切断後のZ−FR−AMCのスペクトルである。このスペクトルは、Z−FR−AMCの酵素切断によって2つの生成物、すなわちm/z 176及びm/z 456が得られたことを示している。さらに、切断されていない基質(m/z 613;塩酸塩なし)と2つの内部標準物質(ビオチン、m/z 227、プロトン化分子−水;cAMP、m/z 330)を示している。システムの感度に関する重要な情報(内部標準物質)と、基質及び形成された生成物の量は、容易に決定された。2つの内部標準物質は、それぞれのスーパーループごとに1つずつ使用し、それらの強度の比に従って流量を制御した。
RSDで表されるESI−TOF−MSの精度は、化合物であるオボキニンとリン酸化pp60c−srcとの5つの異なる濃度を使用して調査した。これらの化合物は、先の調査で使用したようにどちらのESI−TOF−MS情報も存在するという理由で選択した。
日差(n=9)精度測定値は、オボキニン及びpp60c−srcに関してそれぞれ5.1%及び5.5%であった。両方の化合物同士の比も制御され、4.8%(RSD)だけ変動した。これらのパーセンテージは、MS検出システムの安定性を実証している。しかし感度の変動は、内部標準物質の使用に応じて容易に補正することができる。
フローインジェクション分析は、FI−CFシステムを使用して、2つの化合物の阻害能を決定するために行った。非選択的セリン及びシステインプロテアーゼ阻害剤であるE64及びアンチパインという2つの阻害剤を選択した。どちらの阻害剤も、自動注入器を介してFI−CFシステムに注入した。阻害剤がカテプシンBをブロックする場合、活性酵素の量が一時的に減少する結果、負のピークが出現する。
このフローインジェクション分析の結果を図7に示す。3つの質量痕跡の全ては抽出イオンクロマトグラム(EIC)であり、問題になっているイオンを、検出されたイオンの量全体から抽出したものである。最初の質量痕跡はEICがm/z 456.0(形成された生成物)であり、第2の質量痕跡はm/z 190.7(アンチパインの断片)、第3の質量痕跡はm/z 358.2(E64)である。
阻害剤の注入により、生成物の質量痕跡に負のピークが生じた。これら負のピークは、イオン形成を大幅に抑制する成分によって、又は生成物の量を低下させる酵素を阻害する成分によって生ずる可能性がある。この第1の選択肢は、内部標準物質を使用することによって制御される。負のピークが選択的抑制に起因するものではないことを確実にするために、両方の生成物の質量痕跡(m/z 176及びm/z 456)を比較し、これらが異なるものではないことを示す。さらに、ブランクの注入とcAMPの注入(10μM)は、負のピークにならなかった(データは図示せず)。これはさらに、較正曲線の直線性によって確認される(定量化参照)。生成物がシグナル抑制に敏感であったなら、両方の質量に関して直線(m/z 176及びm/z 456に関してそれぞれR=0.9964及びR=0.9972)は得られなかったであろう。化合物がイオン化プロセスを抑制していたなら、内部標準物質(又はその他の化合物)に関して同様のイオン電流の低下が観察されるであろう。しかし内部標準物質の強度は、負のピークの間は変化しないままであったので(データは図示せず)、シグナルの抑制については除外できると考えられる。第2の選択肢が真実であるかどうかを決定するために、バックグラウンドのイオンを負のピークから差し引き(Micromassソフトウェアを使用して)、阻害剤に属するスペクトルを得た。この事実と、負のピークがイオン抑制の結果ではないという知見とを組み合わせることにより、注入された阻害剤が第1の反応コイルで酵素をブロックしたという結論に至った。阻害剤の分子質量の決定は、阻害剤化合物の総量の一部だけがカテプシンBに結合しているので、可能であった。しかし、有用な質量スペクトルを得ることは、阻害剤がイオン化可能である場合にのみ可能である。
どの成分が阻害剤をブロックしたのか決定する他に、阻害剤の結合強度を決定することも可能である。負のピークの面積は、化合物の阻害能の指標であり、言い換えれば、阻害剤が強力であるほど負のピークの面積が大きくなる。これは、阻害剤化合物の濃度がわかっていない天然産物の抽出物では不可能である。図7を検討すると、0.10μMアンチパインにより生じたピークの面積が0.50μM E64により生じたピークの面積と多かれ少なかれ同様であるので、アンチパインはE64よりも強力な阻害剤であることが明らかである。また、阻害剤の濃度が高いほどより多くの酵素をブロックし、その結果、負のピークがより大きくなることも、非常に明白である。
生成物のEICを見ると(最上部の質量痕跡)、MS強度が時間と共に低下することがわかる。これは、同じ効果が内部標準物質では観察されなかったので、酵素と管材との非特異的結合の結果である。
まとめると、抽出し又は合成した化合物の親和定数は、このシステムにより決定することができる。内部標準物質を使用することによって、シグナル抑制の制御が可能になる。検出限界が50〜250nM程度である場合は蛍光検出に一致しており、検出限界が25〜100nM程度の場合は(データは図示せず)、ESI−TOF−MSモードが適切であることを実証している。
重要な要素は、形成された生成物の定量化であり、それによって阻害剤の強度を示すことが可能になる。定量化は、必要な反応物及び内部標準物質と様々な濃度のZ−FR−AMCとを含有するバッチを調製することによって開始した。これらのバッチは、全てのZ−FR−AMCがカテプシンBによって確実に切断されるように、60分間インキュベートした。インキュベーション後に直接行ったESI−TOF−MS分析は、サンプルを質量分析計に注入することによって(kdScientificシリンジポンプ)行った。全てのZ−FR−AMCが切断されるように制御した後、形成された生成物の量を、獲得したスペクトルを平均することによって決定した。得られたシグナル強度をシグナル抑制に合わせて補正し、Z−FR−AMCの濃度に対してプロットし(データは図示せず)、m/z 176(生成物1;R=0.9964)及びm/z 456(生成物2;R=0.9972)に関して直線のグラフを作成した。このプロットから、補間法によって、各分析ごとに、形成された生成物の濃度を得ることができた。負のピークが生じるにつれて生成物の強度は低下し、その結果、補間法によって計算された濃度は低下した。濃度の差を計算し、他のピークと比較することにより、注入された化合物の酵素に対する親和性を示すことができる。実際の定量データでは、より多くの測定を行うべきである。
シグナル抑制又はMS感度の差は、内部標準物質を使用することによって制御することができる。この調査では、内部標準物質cAMP(R=0.9935)及びビオチン(R=0.9962)の較正曲線を、質量分析計への連続注入によって得た。
RP分離は、水及びメタノールを使用して、バイナリーグラジェントシステムにより行った。しかし、有機改質剤は酵素の活性を低下させる。このため、LCカラム(図5参照)の後に補給流を添加して、メタノールの濃度を下げた。この結果、カラム後の流量が増加し(960μL/分)、希釈が原因で検体の濃度が低下した。バイオアッセイ及び質量分析計には高すぎる流量を低下させるため、LCカラムとバイオアッセイとの間にフロースプリッタを配置することにより、その流れを48μL/分に低下させた。この流れは、連続フローシステムにポンプ送出される担体溶媒として使用した。
記述したLC−CFシステムは、化合物E64及びCA−074の阻害能の決定に使用した。ESI−TOF−MSはこの分析に使用し、EICによって、形成された生成物の量を追跡した(図8、A)。最初の3分間は、生成物の質量痕跡が安定していた(内部標準物質により制御された)3.8分と4.8分で、生成物の質量痕跡に負のピークが出現した。先に述べたように、これは、溶出された成分によるシグナル抑制の結果、又はカテプシンBの阻害の結果と考えられる。内部標準物質の質量痕跡は、負のピークが阻害によって生じたことを示した。次のステップは、Micromassソフトウェアを使用したバックグラウンドの除去によって、酵素に結合した化合物を決定することであった。抽出されたm/z値は、ピーク1及びピーク2に関してそれぞれ358.2及び384.2であり、化合物E64(図8、C)及びCA−074(図8、B)のプロトン化分子に対応していた。これを締めくくると、注入した検体をLCカラムによって分離し、バイオアッセイで酵素と十分に混合し、その後、質量分析計にポンプ送出する。このアッセイは、2成分を含有する混合物に限定するものではなく、それらの成分が分離している限り、より多くの複合混合物でもよい。このため、抽出物及びその他の混合物の一次スクリーニングにおいて、ESI−TOF−MSに基づくオンライン式連続フロースクリーニングアッセイは、蛍光及び放射性に基づく検出方法に代わる良好な検出技法である。
オンライン酵素MSアッセイ−システム1を示す。酵素と基質との反応が、開管状編込み型反応器1からなる連続フロー反応検出システム内で進行する。最大感度を実現するために、アッセイをシーケンシャルモードで行う。第1のステップでは、試験すべき化合物を含有する担体流フロー1を、酵素溶液フロー2と混合する。担体流は、例えばフローインジェクション分析(FIA)システムの担体又はHPLCやCEなどの連続フロー分離技法の出口でよい。反応器1の容積と、液体流フロー1及びフロー2の総流量が、インキュベーション時間を決定する。インキュベーション時間は、反応器の容積又は流量を変えることによって容易に変えることができ、したがって酵素阻害の動態を見抜くことができる。第2のステップでは、基質フロー3を、反応器1から出て来た液体流と混合し、基質変換反応を開始させる。管状反応器2の容積と液体流フロー1,2、及び3の総流量とが、基質のインキュベーション時間を決定する。この場合も、インキュベーション時間は、反応器の容積又は流量を変えることによって容易に変えることができ、したがって酵素基質反応の動態を見抜くことができる。反応器2の出口は、例えば質量分析計のエレクトロスプレイインターフェースに、反応混合物にさらなる変更を加えることなく直接接続する。 オンライン酵素MSアッセイ−システム2を示す。反応器2の出口は、例えば質量分析計のエレクトロスプレイインターフェースに、典型的な場合にはメタノールと酢酸又はギ酸を合わせたものと内部標準物質とからなる補給流をさらに添加した後に直接接続する。 オンライン酵素MSアッセイ−システム3を示す。反応器2の出口は、例えば質量分析計のエレクトロスプレイインターフェースに、中空糸インターフェースを介して接続する。 FI−CFシステムと名付けられた第1の連続フローシステムを示す。 LC−CFシステムと名付けられた第2の連続フローシステムを示す。 ESI−TOF−MSによりモニタされた、カテプシンBによる切断後のZ−FR−AMCのスペクトルを示す。 阻害剤アンチパイン及びE64についてのフローインジェクション分析の結果を示す。3つの質量痕跡の全ては抽出イオンクロマトグラム(EIC)であり、問題になっているイオンを、検出されたイオンの量全体から抽出したものである。最初の質量痕跡はEICがm/z 456.0(形成された生成物)であり、第2の質量痕跡はm/z 190.7(アンチパインの断片)、第3の質量痕跡はm/z 358.2(E64)である。 記述したLC−CFシステムは、化合物E64及びCA−074の阻害能の決定に使用した。ESI−TOF−MSはこの分析に使用し、EICによって、形成された生成物の量を追跡した(図8、A)。最初の3分間は、生成物の質量痕跡が安定していた(内部標準物質により制御された)3.8分と4.8分で、生成物の質量痕跡に負のピークが出現した。先に述べたように、これは、溶出された成分によるシグナル抑制の結果、又はカテプシンBの阻害の結果と考えられる。内部標準物質の質量痕跡は、負のピークが阻害によって生じたことを示した。次のステップは、Micromassソフトウェアを使用したバックグラウンドの除去によって、酵素に結合した化合物を決定することであった。抽出されたm/z値は、ピーク1及びピーク2に関してそれぞれ358.2及び384.2であり、化合物E64(図8、C)及びCA−074(図8、B)のプロトン化分子に対応していた。

Claims (13)

  1. 分画ステップの流出物を制御量の酵素と接触させるステップと、該酵素を該流出物中に存在することが考えられる検体と相互に作用させるステップと、前記酵素に対する制御量の基質を添加するステップと、該酵素を該基質と反応させて、1種又は複数の修飾基質生成物を提供するステップと、質量分析計を使用して、未反応の基質又は修飾基質生成物を検出するステップとを含む、オンライン検出方法。
  2. 修飾基質生成物の検出を含む、請求項1記載の方法。
  3. 質量分析計に入る前に、前記反応混合物を中空糸モジュールに通し、高分子量を有する分子と前記修飾基質生成物とを分離する、請求項2記載の方法。
  4. 前記検出が、前記基質又は前記修飾基質生成物に固有のm/z値に基づく、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  5. エレクトロスプレイイオン化質量分析法を使用する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 質量分析計に導入する前に、前記基質との反応によって得られた反応混合物に補給流を添加する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 前記分画ステップが、液体クロマトグラフィー分離、キャピラリー電気泳動ステップ、又はコンビナトリアルケミストリシステムである、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 前記液体クロマトグラフィー分離ステップが、HPLC、逆相HPLC、CE、CEC、IEF、又はMEKCステップである、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
  9. エレクトロスプレイイオン化タイプ、大気圧イオン化タイプ、4重極タイプ、扇形磁場タイプ、飛行時間タイプ、MS/MS、MS、FTMSタイプ、イオントラップタイプ、及びこれらの組合せからなる群から選択された質量分析計を使用する、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 前記酵素が2種以上の異なるタイプの酵素の混合物であり、前記基質が異なる基質の混合物中に存在し、該基質のそれぞれが前記酵素の1つに特異的である、請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 前記酵素又は前記酵素の1つがプロテインキナーゼであり、前記検出が、キナーゼ触媒反応のリン酸化生成物に関して実施される、請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 多重インレットユニットを備え、そこに多重インレットユニットの異なる分画ラインが接続されている質量分析計を使用し、各分画ラインが、請求項1〜11のそれぞれに記載されるように制御量の酵素及び既知の基質が添加される流出物を含む、オンライン検出法。
  13. 請求項1〜12のいずれか一項に記載の方法によって検出された化合物。
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