JP2005534328A - 微生物の好気性発酵によるl−3,4−ジヒドロキシフェニルアラニンの製造法 - Google Patents

微生物の好気性発酵によるl−3,4−ジヒドロキシフェニルアラニンの製造法 Download PDF

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    • C12P13/225Tyrosine; 3,4-Dihydroxyphenylalanine

Abstract


本発明は、L−3,4−ジヒドロキシフェニルアラニンが、L−チロシン−3−ヒドロキシ−モノ−オキシゲナーゼ活性及び少なくとも代謝経路:グリコリシス、ペントースホスフェート経路、芳香族アミノ酸経路、又はそれらの派生経路を有する組み換え微生物の好気性発酵により、発酵培地中で製造されるところのL−3,4−ジヒドロキシフェニルアラニンの製造方法であって、(i)L−3,4−ジヒドロキシフェニルアラニンが発酵培地において製造されるところの成長相及び製造相、及び(ii)ダウンストリームプロセッシング相を含む方法に関し、該方法においてL−3,4−ジヒドロキシフェニルアラニンが炭素源から製造され、製造相及び/又はダウンストリームプロセッシング相の少なくとも一部の間、pHが1〜7の範囲である。

Description

本発明は、L−3,4−ジヒドロキシフェニルアラニンが、L−チロシン−3−ヒドロキシ−モノーオキシゲナーゼ活性及び少なくとも代謝経路:グリコリシス、ペントースホスフェート経路、芳香族アミノ酸経路、又はそれらの誘導された経路を有する組み換え微生物の好気性発酵により、発酵培地中で製造されるL−3,4−ジヒドロキシフェニルアラニンの製造法において、該方法が(i)L−3,4−ジヒドロキシフェニルアラニンが発酵培地において製造されるところの成長相及び製造相、及び(ii)ダウンストリームプロセッシング相を含む方法に関する。
L−3,4−ジヒドロキシフェニルアラニンは、L−ドーパとしてもまた知られ、とりわけパーキンソン病の治療薬において使用される。
微生物の好気性発酵によるL−ドーパのそのような製造法は、リー(Lee)及びクサン(Xun)によりBiotechn. Lett.第20巻、479〜482ページにおいて開示される(該方法は、米国特許出願公開第5,837,504号においてもまた記載される)。該方法において、静かな振動下、L―チロシンとともに、4−ヒドロキシフェニルアセテート3−ヒドロキシラーゼ及びFADH−NADオキシドレダクターゼをコードするhpaBC遺伝子を構成的に発現する組み換えE. coli DH1(pAJ22l)株の細胞をインキュベーションすることにより前駆体L−チロシンからL−ドーパが製造される。この方法の欠点は、これらの発酵において使用される水性溶液において、L−ドーパは非常に安定というわけではなく、容易に酸化されて、黒色又は茶色の重合化生成物を形成することである。引用された論文、480ページにおける、最初の完全な段落の最後における右列に従うと、そのような酸化反応はグリセロールの存在によりのみ避けられることができる。
安定なL−ドーパの発酵製造法を提供することが本発明の目的である。
この目的は、(請求項1のプレアンブルにおいて述べられた)L−3,4−ジヒドロキシフェニルアラニンの製造方法を提供することにより達成され、該方法においてL−3,4−ジヒドロキシフェニルアラニンは、炭素源から製造され、かつ製造相及び/又はダウンストリームプロセッシング相の少なくとも一部の間、pHが1〜7の範囲である。
驚いたことに、本発明の方法により、安定なL−ドーパが炭素源から工業的に魅力的な様式で製造され得ることが見出された。
本発明の方法は、実用的及び経済的理由の両方からL−ドーパの製造にとって魅力的な方法であり、理由は例えば
1.安定なL−ドーパが、炭素源としてのグルコースからグリセロールのない状態において製造される、
2.リー等の方法において使用されていた、高価なL−チロシンの代わりに、安価で容易に入手可能な炭素源、例えばグルコースが使用され得る
ことである。
日本国特許出願(公開番号:特開昭49‐100290、1974年9月21日)において、野生型Pseudomonas細胞の発酵によりグルコース源からL−ドーパが製造され得ることが示されているが、該参考文献の教示は明らかに、富栄養培地(rich medium)(Luria-Bertani培地)における発酵の間に還元剤を添加することにより、及びキニン酸又はシキミン酸を同時添加することによりL−ドーパの製造を増加させることに向けられている。L−ドーパを(自動)酸化に対して安定化させるという問題は述べられていない。本発明に従う方法においては、還元剤の添加は必要とされない。
好ましくは、本発明に従う方法のダウンストリームプロセッシング相において、製造されたL−3,4−ジヒドロキシフェニルアラニンは発酵培地から抽出され、そして再抽出混合物へと再抽出される。
本発明の実施態様において発酵培地のpHは、発酵の少なくとも一部の間において、1〜7、好ましくは4〜7、より好ましくは5〜7、特に5.5〜6.8、最も特に6〜6.5の間に保たれる。発酵は典型的に、成長相、及び製造相を含む。発酵の「成長相」は、発酵培地を含む微生物のバイオマス濃度が増加する相である。バイオマス濃度は、発酵ブロス、即ち微生物の細胞を含む発酵培地の620nmにおける光学密度(OD620nm)の測定により決定され得る。発酵の「製造相」は、製造物、この場合L―ドーパ、が製造される相である。成長相及び製造相は交互に起こり得るが、実際には、成長相及び製造相は重なる。好ましくは、本発明のこの実施態様においては、発酵培地のpHは、発酵の全製造相の少なくとも50%(時間で)、より好ましくは少なくとも65%、さらにより好ましくは80%、特に90%の間、1〜7、好ましくは4〜7、より好ましくは5〜7、特に5.5〜6.8、最も特に6〜6.5に保たれる。
本発明の別の実施態様において、ダウンストリームプロセッシング相において使用される再抽出混合物のpHは、ダウンストリームプロセッシング相の少なくとも50%(時間で)、より好ましくは少なくとも65%、さらにより好ましくは80%、特に少なくとも90%の間、最も特に、全ダウンストリームプロセッシング相の間中、1〜7、好ましくは4〜7、より好ましくは5〜7、特に5.5〜6.8、最も特に6〜6.5に保たれる。
L−3,4−ジヒドロキシ−フェニルアラニンを含む発酵培地のpH及び/又はL−3,4−ジヒドロキシ−フェニルアラニンを含む再抽出混合物のpHは、発酵の全製造相の間、及び全ダウンストリームプロセッシング相の間、1〜7の範囲であることが最も好ましい。
発酵培地からのL−ドーパの抽出は、標準的な精製テクニックを使用して、例えばイオン交換樹脂、クロマトグラフィー法、吸着、濾過、蒸発、逆浸透、電気透析等による発酵培地からのL−ドーパの分離により行われ得る。発酵培地からL−ドーパを回収する非常に良い方法は、L−ドーパが結合できる吸着樹脂を使用すること、及び、続いて、結合されたL−ドーパを樹脂から適する再抽出混合物、例えばメタノール/HCl(pH=2)で樹脂から分離することによる。L−ドーパを結合することのできる樹脂の例は、疎水性相互作用表面を有する樹脂、例えば吸着樹脂XAD−4、XAD−7、XAD−16、XAD−1180、及びXAD−2010である。これらのXAD−樹脂は、例えばシグマ(Sigma)社から市販入手可能である。好ましくはXAD−16及びXAD−1080がL−ドーパの結合の為に使用される。
発酵培地からのL−ドーパの抽出は、発酵が停止された後行われ得るが、好ましくはL−ドーパは発酵の製造相の間に、いわゆるインシチュー製造物回収テクニックにより抽出される。L−ドーパの抽出のためにインシチュー製造物回収テクニックを使用することは、発酵において可能性のある製造物阻害を防止することが可能であるという利点を有する。インシチュー製造物回収において、製造物(本発明の場合L−ドーパ)及び微生物の細胞を含む発酵培地は、発酵の製造相の少なくとも一部の間、好ましくは発酵の全製造相の間中、1以上の分離デバイスにポンプ輸送され、そうすることにより製造物を発酵培地及び細胞から分離する。細胞及び発酵培地は発酵における使用の為にリサイクルされる。典型的に、そのようなインシチュー製造物回収において、製造物及び微生物の細胞を含む発酵培地は、最初にフィルターの上にポンプ輸送され、残った発酵培地から製造物が抽出される前に、細胞を発酵培地から分離する。細胞及び発酵培地は発酵における使用の為にリサイクルされる。
従って、本発明に従う方法のこの実施態様において、中間の精製工程は必要とされない。その利点は、例えば、生成物のより少ない損失、及び従ってより高い収率があること;必要とされるユニット操作が少なく、従って該方法が経済的により魅力的であること等である。
好ましくは、本発明に従う方法において、L−ドーパを含む発酵培地がフィルター上にポンプ輸送され、細胞を発酵培地から分離し、その後、培地が第2のフィルター上にポンプ輸送され、発酵培地に溶解された他の化合物からたんぱく質を分離し、その後、残った発酵培地からL−ドーパが抽出される。
インシチュー製造物回収において、L−ドーパは例えば種々の吸着樹脂(例えば上に述べられた樹脂)への吸着又は抽出混合物への抽出により抽出され得る。適する再抽出混合物による樹脂の溶出、又は適する再抽出混合物による抽出混合物からのL−ドーパの再抽出は、精製されたL−ドーパを再抽出混合物中に与える。好ましくはインシチュー製造物回収は、L−ドーパ及び微生物の細胞を含む発酵ブロスをフィルター上にポンプ輸送し、細胞を発酵培地から分離し、L−ドーパを発酵培地から反応抽出により抽出混合物へ抽出し、L−ドーパを再抽出混合物に再抽出により移動させ、細胞及び残った発酵培地を発酵へリサイクルさせる工程を含む。ダウンストリームプロセッシングの特に適する形は、国際特許出願国際公開第00/66253号において記載される反応抽出及び再抽出であり、該公報は参照することにより本明細書に取り込まれる。この書類において、少なくとも1の正に帯電した、及び/又は帯電可能な窒素を含む基を含む有機物質の水性混合物からの抽出及び再抽出は、12〜18のC原子を含む化合物及び少なくとも1のカチオン交換体を少なくとも含む抽出剤を使用することにより、及び水性混合物により、あるいは抽出剤によりぬらすことのできる膜を使用することにより、及び抽出剤から有機物質の水性相への再抽出により行われる。好ましくは本発明に従う方法において、L−ドーパは、マス(Maass)等、(2002年)Bioprocess.Biosyst.Eng.,85〜96ページにおいて記載される反応抽出法を用いることにより、発酵培地から抽出される。該反応抽出はカチオン選択性キャリアー、DEHPA(ジ−2−エチルヘキシル−ホスホニック酸)を有する有機ケロセン相からなる。有機相はL−ドーパを含む発酵培地からL−ドーパが有機相へと抽出されることができる膜により分離される。L−ドーパを含む有機相は、次に膜を通して、硫酸を含む水性ストリッピング相と接触させられ、そしてL−ドーパは水性ストリッピング相へと再抽出される。好ましくは本発明に従う方法において、水性ストリッピング相(即ち第2の混合物)は、1〜7、好ましくは4〜7、より好ましくは5〜7、特に5.5〜6.8、最も特に6〜6.5のpHを有する。
発酵培地からのL−ドーパの抽出のために特に適する反応抽出は、いわゆる液体−液体遠心分離機によるL−ドーパの抽出及び/又は再抽出であり、任意的に他の反応抽出手段と組合わされていてもよい。
本発明のさらに別の実施態様において、発酵の少なくとも一部の間、及びダウンストリームプロセッシング相の少なくとも一部の間、pHは1〜7、好ましくは4〜7、より好ましくは5〜7、特に5.5〜6.8、最も特に6〜6.5に保たれる。好ましくは、発酵の製造相の少なくとも50%(時間で)、より好ましくは少なくとも65%、さらにより好ましくは少なくとも80%、特に90%、最も特に100%の間、pHは1〜7、好ましくは4〜7、より好ましくは5〜7、特に5.5〜6.8、最も特に6〜6.5に保たれ、ダウンストリームプロセッシング相の少なくとも50%(時間で)、より好ましくは少なくとも65%、さらにより好ましくは少なくとも80%、特に90%、最も特に100%の間、再抽出混合物のpHは、1〜7、好ましくは4〜7、より好ましくは5〜7、特に5.5〜6.8、最も好ましくは6〜6.5に保たれる。
「抽出混合物」により、発酵培地からL−ドーパの抽出に適する溶液が意味される。
「再抽出混合物」により、吸着樹脂又はL−ドーパが発酵培地から抽出されたところの抽出培地からのL−ドーパの抽出に適する溶液が意味される。
「グリコリシス又はその派生経路」により、グルコース又は別の炭素源をホスホエノールピルベート(PEP)へ転化させる微生物の能力が意味される。「ペントースリン酸経路又はその派生経路」によりグルコース又は別の炭素源をエリスロース4−ホスフェート(E4P)へと転化させる微生物の能力が意味される。グリコリシス及びペントースリン酸経路の一般的に記載は、ストライヤー(Strayer)、「生化学」第4版、1995年、W.H.フリーマン・アンド・カンパニー、ニューヨーク、において見出されうる。「芳香族アミノ酸経路又はその派生経路」により、PEP及びE4PをL−フェニルアラニン、L−チロシン、及びL−トリプトファンへと転化する微生物の能力が意味される。好ましくは芳香族アミノ酸経路は、L−チロシンが過剰に製造されるように工学生産される。工学生産は、例えば、ボンガエルツ(Bongaerts)等による芳香族アミノ酸経路のエンジニアリングに関する総説(2001年)「メタボリックエンジニアリング」第3巻、289〜300ページにおいて記載されるように行われる。
例えば、L−チロシンの過剰製造は以下の方法、コリスメートムターゼ/プレフェネートデヒドラターゼ(例えば微生物における遺伝子の欠損により)をコードする遺伝子の不存在、コリスメート/プレフェネートデヒドロゲナーゼをコードする遺伝子の過剰発現、又はシキミ酸への経路阻害の1つにより達成され得る。
コリスメートムターゼ/プレフェネートデヒドラターゼをコードする遺伝子の例は、Escherichia coliのpheA、Erwinia herbicolaのpheA、Haemophilus influenzaのpheAである。例えば微生物において、この酵素をコードする遺伝子は、当業者に公知であるノックアウト法により欠損されることができる。Escherichia coli K-12の染色体遺伝子の不活性化のためのノックアウト法が、ダツェンコ等(2000年)によりProc. Natl. Acad. Sci.USA,第97巻、6640〜6645ページに記載されている。
コリスメートムターゼ/プレフェン酸デヒドロゲナーゼをコードする遺伝子の例は、Escherichia coliのtyrA遺伝子である。
シキメートへの経路は、グローバル制御因子tyrRの破壊によりE.coliにおいて阻害され得る。
本発明に従う方法において、「L−チロシン−3−ヒドロキシ−モノ−オキシゲナーゼ活性」により、3−位におけるL−チロシンのヒドロキシル化を触媒する能力が意味される。この能力を有する酵素の例は:モノ−オキシゲナーゼ又はヒドロキシラーゼ、例えば4−ヒドロキシフェニルアセテート3−ヒドロキラーゼである。本発明の好ましい実施態様において、L−チロシン−3−ヒドロキシ−モノ−オキシゲナーゼ活性は、ヒドロキシラーゼ活性を有する酵素であり、より好ましくは4−ヒドロキシフェニルアセテート3−ヒドロキシラーゼ活性を有する酵素、例えばクサン等によりAppl. Environ. Microbiol. (2000年)、第66項、第2号、481〜486ページにおいて記載されたものである。4−ヒドロキシフェニルアセテート3−ヒドロキシラーゼ活性は、分子状酸素(O)及び還元されたフラビンアデニンジヌクレオチド(FADH)の消費を伴ってL−チロシンをL−3,4−ジヒドロキシフェニルアラニンに酸化する能力である。(クサン等、(2000年)Appl. and Envir.Microbiology,第66巻、第2号、481〜486ページ及び下の図1もまた参照のこと)。
Figure 2005534328
もし本発明において使用される微生物が自然にL−チロシン−3−ヒドロキシ−モノ−オキシゲナーゼ活性を生み出さないのであれば、4−ヒドロキシフェニルアセテート3−ヒドロキシラーゼ活性を有する酵素(4−ヒドロキシフェニルアセテート3−ヒドロキシラーゼとしてもまた知られる)をコードする遺伝子の、微生物中の適するベクターへのクローニング及び発現、好ましくは過剰発現により、微生物はこの活性を生み出すように変化され得る。L−チロシン−3−ヒドロキシ−モノ−オキシゲナーゼをコードする遺伝子の例は、Bacillus thermoleovoransからのフェノールヒドロキシラーゼをコードするPheA、Klebsiella pneumoniaからの4−ヒドロキシフェニルアセテート3−ヒドロキシラーゼをコードするHpaA、Escherichiacoliからの4−ヒドロキシフェニルアセテート3−ヒドロキシラーゼをコードするhpaBである。好ましくは、4−ヒドロキシフェニルアセテート3−ヒドロキシラーゼをコードする遺伝子はEscherichia coli ATCC11105からのhpaB遺伝子である。
好ましくは、本発明に従う方法において、FADH−NAD−オキシドレダクターゼをコードする遺伝子をもまた発現する、好ましくは過剰発現する微生物が使用される。FADH−NAD−オキシドレダクターゼは4−ヒドロキシフェニルアセテート3−ヒドロキシラーゼの活性を向上させる(クサン等(2000年)、Appl. Environ. Microbiol.、第66巻、481〜486ページ)。もし微生物がFADH−NAD−オキシドレダクターゼをコードする遺伝子を自然の状態で有していないならば、あるいは遺伝子の発現が低すぎるならば、微生物は、この遺伝子を発現するように変化され得る。例えばもし遺伝子が自然の状態で、微生物に存在するならば、FADH−NAD−オキシドレダクターゼをコードする遺伝子が適切なベクターにおいてクローン化されて微生物に導入されて、次に発現され得る。FADH−NAD−オキシドレダクターゼをコードする遺伝子は、例えばギャラン(Galan)等によりJ.Bacetiol.第182巻、627〜636ページにおいて記載されており、例えばEscherichia coli ATCC11105BからのhpaC遺伝子、Escherichia coliのfre遺伝子、K.pneumoniからのhapH遺伝子、B. pickettiiからのhdaB遺伝子等である。
好ましくは、4−ヒドロキシフェニルアセテート3−ヒドロキシラーゼ及びFADH−NAD−オキシドレダクターゼをコードする遺伝子は、微生物において過剰発現される。過剰発現は当業者に公知の方法、例えば遺伝子の1以上の複製を微生物に導入すること(例えばマルチコピーベクター上に又は直接ゲノムに)、及び/又は該遺伝子の前に適切なプロモーターを置くことにより達成され得る。
好ましくは本発明に従う方法において、フィードバック耐性である3−デソキシ−D−アラビノ−ヘプツルソネート−7−ホスフェート(DAHP)合成酵素をコードする遺伝子を過剰発現する微生物が使用される。好ましくは、そのような微生物は、微生物のゲノム中のフィードバック制御された3−デソキシ−D−アラビノ−ヘプツロソネート−7−ホスフェート合成酵素をコードする野生型の遺伝子の欠損及びフィードバック耐性の3−デソキシ−D−アラビノ−ヘプツロソネート−7−ホスフェート合成酵素をコードする遺伝子よる欠損の補完(complementation)による得られる。例えばE. coli中のL−チロシンフィードバック制御された3−デソキシ−D−アラビノ−ヘプツロソネート−7−ホスフェート合成酵素をコードするaroF野生型遺伝子の欠損、及び続くL−チロシンフィードバック耐性の3−デソキシ−D−アラビノ−ヘプツロソネート−7−ホスフェート合成酵素をコードするE. coli遺伝子aroFFBRによる該欠損された遺伝子の補完が、ジョッセク(Jossek)等によりFEMS Microbiol. Lett.第202巻、145〜148ページ(2001年)に記載されている。
公知の配列を有するベクターの適する遺伝子へのクローニング、ホスト微生物中への導入、及び該遺伝子を発現させて所望される酵素(例えば4−ヒドロキシフェニルアセテート3−ヒドロキシラーゼ)を製造することは標準的なテクニックであり、当業者に公知である(例えばサムブルック(Sambrook),J.,フリッシュ(Fritsh), E. F.,及びマニアチス(Maniatis),T.「分子クローニング:実験室マニュアル(Molecular Cloning: A Laboratory Manual)」第2版コールドスプリングハーバー研究所(Cold Spring Harbor Laboratory),コールドスプリングハーバー研究所出版,コールドスプリングハーバー,ニューヨーク、1989年)。
適するベクターは、クローニング及び発現のために通常使用されるベクターであり、当業者に公知である。E. coliにおける発現のための適するベクターの例は、例えばマクライド(Makrides),S. C. Microbiological Reviews,(1996年)、第60巻、第3号、512〜538ページにおける表1に与えられる。Bacillusにおける発現のための適するベクターは、例えばWang等(1992年)、Biotechn.第22巻、339〜347ページ記載されており、Corynebacteriumにおける発現のための適するベクターは、例えばデブ(Deb)等、(1999年)FEMS Microbiol.Lett.第175巻、第1号、11〜20ページに記載されている。
ベクターにクローン化された遺伝子の発現のために、プロモーターが、所望される酵素をコードする遺伝子を含むベクター中のクローニングサイトの上流に通常配置される。適するプロモーターは、いくつか例を挙げると、ファージラムダPLプロモーター、E. coliのlac、trp、及びtacプロモーター、SV40の初期及び後期プロモーター及びレトロウィルスLTRのプロモーターである。
また本発明における使用に適するのは、スイッチをオン及びオフできるプロモーターであり、例えばlacプロモーター、araBADプロモーター、tacプロモーター、Tプロモーター、trcプロモーター、及びtrpプロモーターである。
過剰発現のために、強力なプロモーター、例えばE. coliのtacプロモーターが使用され得る。
ベクターの選択は、宿主として使用される微生物に依存することがある。もし例えばaraBADプロモーターを有するベクターが使用されているならば、アラビノースインデューサーを分解できないE. coli宿主株が強く好まれる。
「炭素源」により、微生物によりE4P及びPEPに転化され得る化合物が意味される。
本発明に従う方法において適切に使用され得る炭素源は、オリゴサッカライド及びジサッカライド、例えばマルトース、β−ガラクトシド、メリビオース、エピメリビオース、ガラクチノール、メリビトール、ガラクトシルグリセロール、及びトレハロース、ヘキソース、例えばD−グルコース、D−フルクトース、D−マンノース、L−ソルボース、及びD−ガラクトース、アミノ糖、例えばN−アセチル−D−グルコサミン及びD−グルコサミン、メチルペントース、例えばL−フルコース、及びL−ラムノース、ペントース及びトリオース、例えばL−アラビノース、D−アラビノース、D−キシロース、キシリトール、D−リキソース、D−リボース、2−デオキシ−D−リボース及びジヒドロキシアセトン、ヌクレオシド及びデオキシヌクレオシド中のペントース、例えばシチジン、デオキシシチジン、アデノシン、デオキシアデノシン、ウリジン、キサントシン、チミジン(デオキシウリジン)、プリン(アデニン、ヒポキサシン、グアニンリボヌクレオシド)、ヘキスウロナイド、へキスウロネート及びヘキソネート、例えばD−グルコネート及びD−ガラクトネート、リン酸化された糖及びカルボキシレート、例えばヘキソースホスフェート、及びsn−グリセロール3−ホスフェート、ジカルボキシレート、例えばスクシネート、フマレート、及びL−マレート、トリカルボン酸、ポリオール、例えばD−マンニトール、D−グルシトール、D−ソルビトール、ガラクチトール、ドゥルシトール、D−アラビトール、リビトール及びキシリトール、グリセロール、2炭素化合物及び脂肪酸、例えばアセテート、脂肪酸、グリコレート、及びグリオキシレートである。好ましくは使用された炭素源はグルコースである。
本発明において適切に使用され得る微生物属の例は、Escherichia、好ましくはEscherichiacoli、Bacillus、Corynebacteriumである。本発明の方法において、微生物はL−チロシン−3−ヒドロキシ−モノ−オキシゲナーゼ活性を有することが本質的である。もし選択された微生物が天然にはこの活性を有しないならば、微生物は、この活性を有するように変化されなければならない(上を参照のこと)。好ましくは、使用される微生物は、Escherichia coli K12株、最も好ましくはEscherichia coli W3110又はLJ110である。例えば非常に適する微生物は、プラスミドpACYC tac aroFFBR tyrA及びpJFl19EHhpaB hpaCを追加されたEscherichiacoli W3110である。
当業者は、微生物の発酵を行う方法を知っており、どの発酵培地が該微生物に適切であるか知っている。例えばEscherichia coliの発酵に適する発酵培地は、タナカ(Tanaka)等、(1967年)、J. Bact.第93巻、642〜648ページ、パン(Pan)等(1987年),Biotechn.Lett.第9巻、89〜94ページ,ゲリグク(Gerigk)等(2002年)、Bioprocess及びBiosystems Engineering第25巻、43〜52ページに記載されている。
本発明は以下の実施例により説明される。しかし、これらの実施例は本発明を制限することを意図されない。
実験の部
一般的手順
標準的な分子クローニングテクニック、例えばDNA単離、ゲル電気泳動、核酸の酵素制限修飾、Escherichia coliの形質転換等は、サムブルック(Sambrook)等著、1989年、「分子クローニング:実験室のマニュアル」、コールド・スプリング・ハーバー研究所、コールド・スプリング・ハーバー、ニューヨークにより記載されたように行われた。合成オリゴデオキシヌクレオチドは、MWG−バイオテックAG、エバースベルグ、から得られた。DNA配列解析は、染料でラベルされたジデオキシ−ターミネーターを用いる鎖停止法を用いて行われた。
プラスミドpJF119EH aroF fbr tyrA及びpJF119EH hpaBC
フィードバック耐性の(DAHP)合成酵素(aroFfbr)及びコリスメートムターゼ/プレフェネートデヒドロゲナーゼ(tyrA)をコードする人工オペロンの発現ベクター、及びオペロン3−ヒドロキシフェニルアセテート−4−ヒドロキシラーゼ(hpaB)及びフラビンNADHオキシドレダクターゼ(hpaC)を構築するベクターとしてプラスミドpJF119EHが選択された。このベクターは、フェルステ(Fuerste)ら(1986年、遺伝子(Gene)、第48巻、119〜131ページ)により構築され、このベクターは種々のグラム陰性菌におけるたんぱく質の発現に適する。pJF119EH系はイソプロピル−ベータ−D−チオガラクトピラノシド(IPTG)誘導性tacプロモーター及びlacリプレッサー系(laclQ遺伝子)を使用し、これはクローン化された外部遺伝子の発現をインデューサーの不存在下において非常に低く保つことを許す。プラスミドpJF119EHは起点colE1を有し、これはプラスミドpACYCtacの起点p15aと矛盾しない。フィードバック耐性DAHP合成酵素をコードする遺伝子aroFfbrは、ジョッセク等により2001年、FEMS Microbiol. Lett第202号、145〜148ページに述べられているプラスミドpJFaroFfbrから由来する。
フィードバック耐性DAHP合成酵素(AroF (N8K))は、L−チロシンフィードバックセンシティブDAHP合成酵素(AroF)の8位におけるアミノ酸アスパラギンをイソロイシンにより置換することにより達成される(ジョッセク等、2001年、FEMS Microbiol.Lett.、第202号、145〜148ページ)。遺伝子tyrAは、野生型Escherichiacoli株W3110 (ATCC 27325)から由来し、hpaB及びhpaCからなるオペロンはEscherichia coli ATCC 11105に由来する(Davis等、1951年、サイエンス、第114巻、459ページ)。プラスミドpJF119EH aroFfbrtyrA及びpJF119EH hpaBhpaCの構築が実施例1及び3に記載される。
プラスミドpACY tacaroF fbr tyrA
フィードバック耐性(DAHP)合成酵素(aroFfbr)及びコリスメートムターゼ/プレフェネートデヒドロゲナーゼ(tyrA)をコードする発現ベクターとして、プラスミドpACYCtacが使用された。プラスミドpACYCtacは、種々のグラム陰性菌におけるたんぱく質発現に適するベクターpACYCtac184(チャン(Chang)及びコーエン(Cohen)、1978年J. Bacteriol.第134巻、1141〜1156ページ)に基づく。pACYCtac184は、イソプロピル−ベータ−D−チオガラクトピラノシド(IPTG)誘発性tacプロモーター及びlacリプレッサー系(laclQ遺伝子)を使用し、このことは、クローン化された外部遺伝子の発現をインデューサーの不存在下で、非常に低く保つことを許す。プラスミドpACYCtac184は起点p15aを有し、それはpJF119EHのcolE1の起点と矛盾しない。
pACYC tacの構築
pACYCtacの構築のため、pACYCtac184が、製造業者(インビトロジェン社)の指示に従って、Hindlll及びNrulで消化された。ゲル電気泳動により、3300塩基対フラグメントが約940塩基対から分離され、該3300塩基対フラグメントは、製造業者(キアゲン社)の指示に従ってアガロースゲルから精製された。
再び、HindIII及びNurlでプラスミドpZY507(ワイサー(Weisser)等、1995年、J. Bacteriol.第177巻;3351〜3345ページ)が(製造業者(インビトロジェン社)の指示に従って)開かれ、約1600塩基対の小さい方のフラグメントがゲル電気泳動により分離され、(製造業者(キアゲン社)の指示に従って)ゲルから溶出され、製造業者(ロシュ(Roche))の指示に従ってT4リガーゼを用いて、pACYCtac184骨格の約3300塩基対と連結され、プラスミドpACYC tacを生じた。
プラスミドpACYC tacaroFfbr tyrAの構築は実施例2に記載される。
実施例1:プラスミドpJF119EH aroF fbr tyrAの構築
Escherichia coliコリスメートムターゼ/プレフェネートデヒドロゲナーゼ(アクセション番号AE000346のヌクレオチド5877〜4740によりコードされている)をコードするtyrAのオープン・リーディング・フレーム(ORF)が、プライマーとして、(アンダーラインされたXbal制限サイトを有する)5'−CTGACGGCTCTAGAGGCTTAAGTGATTTATTATGG−3'及び(アンダーラインされたSphl制限及び開列サイトを有する)5'−ATCAGCATGCACTGAATTCTTACTGGCGATTGTC−3'(供給者MWGにより提供された)を、及び鋳型として野生型Escherichia coli株W3110の染色体DNAを使用して増殖された。ゲノムDNAは商業的供給者(マシェルリ(Macherery)及びナーゲル(Nagel))のマニュアルに従って単離された。
PCRはプラチナPfxDNAポリメラーゼ(ライフテクノロジーズ社(Life Technologies)により提供された)を用いて、製造業者のマニュアルに従って行われた。約1200塩基対の、得られたDNA増殖製造物はゲル抽出(キアゲン)により精製され、供給者(インビトロジェン社)のマニュアルに従ってXbal及びSphlで制限され、次に製造業者のマニュアルの指示に従ってT4リガーゼで、同じようにしてXbal及びSphlで既に消化されたベクターpJF119EH aroFfbr(ジョッセク等、2001年、FEMS Microbiol.Lett.第202号:145〜148ページ)の中へ供給者(ロシュ)の指示に従って連結された。製造業者(ライフテクノロジーズ)の指示に従ってアンピシリン(100mg/l)を有するLBブロスベース寒天(1.5%)プレート上で選択して、形質転換が株DH5α(ライフテクノロジーズ社により提供された)へと実行された。成功したクローニングは、クローン化されたtyrA遺伝子の正しい配列を測定することにより検出された。正しい配列を示すプラスミドは、pJF119EH aroFfbrtyrAと示された。
実施例2:プラスミドpACYC tacaroF fbr tyrAの構築
プラスミドpJF119EH aroFfbrtyrAが、Mlul及びSphlで開かれ、約3000の塩基対フラグメントがゲル電気泳動により単離され、次に精製された。プラスミドpACYCtacはMlul及びSphlで製造者(インビトロジェン社)の指示に従って処理され、4100の塩基対フラグメントを与え、該フラグメントは(供給者ロシュの指示に従って)Mlul及びSphlで処理されたpJF119EH aroFfbrtyrAの3000の塩基対と連結された。成功したクローニングは正しい挿入サイズを測定することにより検出された。正しい挿入サイズを明らかにするプラスミドはpACYCtac aroFfbrtyrAと呼ばれた。
E. coli株DH5α/pACYCtac aroFfbrtyrA、プラスミドpACYCtac aroFfbrtyrAを含有するE. coli DH5αは、ブダペスト条約の下、2002年7月23日にDSM15110の番号の下で、DSMZ(微生物及び細胞培養物のドイツの寄託機関(Deutsche Sammlungvon Mikroorganismen und Zellkulturen)、ブラウンシュバイク、ドイツ)に寄託された。
実施例3:プラスミドpJF119EH hpaBhpaCの構築
Escherichia coli株ATCC11105は、アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション(マナサス、バージニア州、アメリカ合衆国)から得られた。Escherichia coli ATCC11105の培養の為に、以下の培地成分、2.0gの酵母エキス、2.0gのカゼイン加水分解物、7.0gのKHPO、3.0gのKHPO、0.5gのクエン酸ナトリウム・3HO、0.1gのMgSO・7HO、1.0gの(HHSO、2.0gのグルコース(濾過滅菌されたもの)が1リットルの蒸留水中に添加された。最終的なpHが7.0に調節された。Escherichia coli ATCC11105のゲノムDNAが市販のゲノム精製キット(マシェルリ及びナーゲル)の指示に従って単離された。
Escherichia coli ATCC11105の3−ヒドロキシフェニルアセテート−4−ヒドロキシラーゼ及びフラビンNADHオキシドレダクターゼをコードするhpaB及びhpaCのオープン・リーディング・フレーム(ORFS)(アクセションZ29081のヌクレオチド1112−2647(hpaB)又は2692−3204(hpaC)によりコードされた)が、プライマーとして5’−ATCGGGATCCGATTAATACTGTAGAGGTCGACATGA−3’(アンダーラインを引かれたBamHl制限サイトを有する)及び5’−AATGAAGCTTCGACGAATGCGTGAAGGGGCTGGAGC−3’(アンダーラインされたHindIII識別及び開裂サイトを有する)を、及び鋳型としてATCC11105の染色体DNAを使用して、増殖された。得られた約2100塩基対のDNA増殖製造物は、ゲル電気泳動により精製され、製造者(キアゲン社)の指示に従ってゲルから溶出され、製造者(インビトロジェン社)の指示に従ってBamHI及びHindlllで制限され、次に製造者(ロシュ)の指示に従ってT4リガーゼで、同じようにすでに処理されていたベクターpJF119EH(フュルスト等、「遺伝子(Gene)」,第48巻、119〜131ページ)中へ連結された。製造者(ライフテクノロジーズ社)の指示に従って、アンピシリン(100mg/1)を有するLBブロスベース寒天(1.5%)プレート上で選択して、CaCl処理されたコンピタント株DH5α(ライフテクノロジーズ社により供給された)へと形質転換が実行された。成功したクローニングが遺伝子の配列を決定することにより検出された。PCRが製造者(ロシュ)の指示に従ってDNAポリメラーゼを用いて行われた。
E. coli株DH5α/pJF119EH hpaB hpaC,プラスミドpJF119EHhpaB hpaCを含有するE.coli DH5αは、ブダペスト条約の下、2002年7月23日にDSM15109の番号の下で、DSMZ(微生物及び細胞培養物のドイツの寄託機関(Deutsche Sammlung von Mikroorganismenund Zellkulturen)、ブラウンシュバイク、ドイツ)に寄託された。
実施例4:L−ドーパ生産株の構築
L−ドーパ生産のホストとして、W3110と表示されるEscherichia coli K12が選択された(ATCC27325)。プラスミドpACYCtac aroFfbrtyrA(実施例2)上に付与された遺伝子aroFfbr及びtyrAの複製のW3110株への導入及び発現は、L−ドーパ、L−チロシンの前駆体の生産をもたらす。
pACYCtac aroFfbrtyrA(実施例2)の形質転換は、製造者(ライフテクノロジーズ)の指示に従って、クロラムフェニコール(25mg/l)を有するLBブロスベース寒天(1.5%)プレート上で選択して、CaCl処理されたコンピタント株W3110へと実行された。構築された株は、W3110pACYCtac aroFfbr tyrAと示された。
L−チロシンからL−ドーパの水酸化を可能にするため、プラスミドpJF119EH hpaBhpaCは、CaCl処理されたコンピタント株W3110pACYCtac aroFfbr tyrAへと形質転換され、クローンは、製造者(ライフテクノロジーズ)の指示に従って、クロラムフェニコール(12.5mg/l)及びアンピシリン(50mg/l)を有するLBブロスベース寒天(1.5%)プレート上で選択された。構築されたのは、E. coli W3110/pACYCtac aroFfbrtyrA/pJF119EHhpaB hpaCであった。
実施例5:フラスコ振とうにおけるグルコースからのL−ドーパの発酵的製造
鉱物性培地は、クエン酸ナトリウム・3HO(1.0g・l−1)、MgSO・7HO(0.3g・l−1)、KHPO(3.0g・l−1)、KHPO(12.0g・1−1)、NaCl(0.1g・l−1)(NHSO(5.0g−l)、CaCl・2H0(15.0mg・l−1)、FeS0・7HO(75.0mg・l−1)、チアミン・HCI(ビタミンB1)(5.0mg・l−1)から構成された。追加の鉱物が、微量元素溶液の形(1ml・l−1)で添加され、該溶液は、Al(SO・18HO(2.0g・l−1),CoCl・6HO(0.7g・l−1),CuSO・5HO(2.5g・l−1)、HBO(0.5g・l−1)、MnCl・4HO(20.0g・l−1)、NaMoO・2HO(3.0g・l−1)、NiSO・6HO(2.0g・l−1),ZnSO・7HO(15.0g・l−1)から構成されていた。グルコースの一水和物のストック溶液(500g・l−1)は独立してオートクレーブ処理に付され、4g・l−1グルコースの最終濃度まで滅菌された培地に添加された。
エタノールに溶解され、滅菌濾過された、クロラムフェニコールのストック溶液(50mg/ml)から、12.5mgl−1の最終濃度のクロラムフェニコールが製造された。水に溶解され、滅菌濾過されたアンピシリンのストック溶液から、50mg/lの最終濃度が製造された。
1.5%の寒天が添加されているところの、鉱物性培地の寒天プレート(組成については上の参照のこと)において一晩成長された、Escherichia coliW3110/pACYCtac aroFfbr tyrA/pJF119EH hpaB hpaCのシングルコロニーが使用されて、10mlの最小培地を含む100mlの振とうフラスコに接種し、33℃において16時間培養された。次に約0.5mlのこの培養物が使用されて、500mlの振フラスコ中の50mlの同じ培地に接種し、33℃及び180rpmにおいて24時間培養された。3時間後、約0.2のOD620nmにおいて、細胞は0.1mMのイソプロピル−ベータD−チオガラクトピラノシド(IPTG)を添加することにより誘発された。24時間後、L−ドーパ濃度のHPLC分析のために培養サンプルが採取された。
HPLC分析を行うために、ダイオードアレイ検出器を有するアエジラント(Aegilent)社(ワルドブロン(Waldbronn)、ドイツ)のHPLC1100システムが使用された。化合物は200nmの波長において測定された。マシェルリ−ナーゲル社製のヌクレオシル−120−5−C18カラム(250×4mm)が固相として使用された。カラムは溶出液A(10mMのHPO)及び溶出液B(100%アセトニトリル)から始まる勾配を使用して溶出された。勾配:0分2%B,25分まで90%B,27分〜30分2%B。溶出速度は、1.2ml/分に設定され、カラム温度は40℃に設定された。
L−ドーパ用にHPLCを調整するため、L−ドーパが純水に溶解された。これらの条件下、4.4分の保持時間がL−ドーパについて観測された。
HPLC分析は、24時間後において、30mg/lのL−ドーパの製造を明らかにした。
実施例6.供給−バッチ発酵(fed-batch fermentation)によるグルコースからのL−ドーパの発酵的製造
鉱物性培地は、クエン酸ナトリウム・3HO(1.5g・l−1)、MgSO・7HO(0.9g・l−1)、KHPO(3.0g・l−1)、NaCl(1g・l−1)、(NHSO(5.0g・l−l)、CaCl・2HO(15.0mg・l−1)、FeSO・7H0(112.5mg・l−1)、チアミン・HCI(ビタミンB1)(7.5mg・l−1)から構成された。
追加の鉱物が、微量元素溶液の形(1.5ml・l−1)で添加され、該溶液は、Al(SO・18HO(2.0g・l−1),CoCl・6HO(0.7g・l−1)、CuSO・5HO(2.5g・l−1)、HBO(0.5g・l−1)、MnCl・4HO(20.0g・l−1)、NaMoO・2HO(3.0g・l−1)、NiSO・6HO(2.0g・l−1),ZnSO・7HO(15.0g・l−1)から構成されていた。グルコースの一水和物のストック溶液(500g・l−1)は独立してオートクレーブ処理に付され、20g・l−1グルコースの最終濃度まで滅菌された培地に添加された。
エタノールに溶解され、滅菌濾過された、クロラムフェニコールのストック溶液(50mg/ml)から、12.5mg・l−1の最終濃度のクロラムフェニコールが製造された。水に溶解され、滅菌濾過されたアンピシリンのストック溶液(50mg・l−1)から、50mg・l−1の最終濃度が製造された。
アンピシリン(50mg・l−1)及びクロラムフェニコール(12.5mg・l−1)を有するLBブロスベース寒天(1.5%)プレート上で、一晩成長されたEscherichia coliW3110/pACYCtac aroFfbr tyrA/pJF119EH hpaB hpaCのシングルコロニーが、50mlの、アンピシリン(50mg・l−1)及びクロラムフェニコール(12.5mg・l−1)を有するLBブロスベース50mlを含む、500mlの振とうフラスコに接種するために使用され、約1.0のOD620nmに到達するまで33℃において培養された。該培養物に50mlのグリセロール(85%)が添加され、細胞は2mlの極低温バイアル(ナルジーン(Nalgene))に満たされ、ついて‐70℃において貯蔵された。
予備培養の準備のために、100mlの鉱物性培地(組成については実施例5を参照のこと)を含む1000mlの振とうフラスコが、10g・l−1のグルコース濃度以外は、使用された。振とうフラスコは100μlのEscherichia coli W3110/pACYCtac aroFFBR tyrA/pJF119EHhpaB hpaCの冷凍されたグリセロール細胞ストックを接種され、33℃において14時間培養された。200mlの予備培養物が発酵器の接種のために使用された。
発酵器における培養は、2.0Lのバイオリアクター(ラボフォース(Labfors)、インフォース(Infors)、スイス)において10%の接種で行われ、33℃において培養された。培養はpH6.7から始まった。鉱物性の発酵培地(上の組成を参照のこと)は、較正されたpHセンサー及び酸素センサーと一緒にバイオリアクター中で直接滅菌された。
pHは17.5%NHOH(1:2希釈)及び5NKOH溶液により調整された。独立したグルコースのフィード(500g・l−1)が、OD620nmが5より高くなったとき開始された。約14時間後に到達されたところのOD620nm10において、イソプロピル−ベータ−D−チオガラクトピラノシド(IPTG)が0.1mMの最終濃度まで添加された。誘発後7.5時間後、培地のpHはpH6.7からpH0.2単位の段階で30分内に最終のpH5.8まで下げられた。
バイオマスOD620nm及びL−ドーパ濃度が、時間の関数としてHPLC分析(HPLCの条件については実施例5を参照のこと)により測定された(表1を参照のこと)。43時間におけるL−ドーパの濃度は10であった。
Figure 2005534328
実施例7.pHの低下なしの比較例の発酵
以下の相違点をもって実施例6のように発酵が行われた:
・pHは低下されなかった
・OD620nm5(7時間後に到達された)において、IPTGが添加された。
発酵の結果は、下の表2に示される。32時間後に到達されたL−ドーパ濃度は10であった。
Figure 2005534328
表1及び表2から結論付けられ得るように、L−ドーパは、発酵中にpH6.7〜pH5.8のpHシフトが適用される発酵においては安定であるのに対し、pHシフトが適用されない、pH6.7における発酵においては、L-ドーパはより不安定である。
実施例8.L−ドーパの反応抽出
実施例6に記載されたように製造され、pH7.5に調節された、L−ドーパが存在するところの発酵ブロスの試料(試料A)が使用された。10%のDEHPA(pH酸性)を含む5mlのケロセンが、同じ体積の試料Aとボルテックスミキサーで30秒間激しく混合された。2相の分離後(約10分後)、L−ドーパ抽出培地(試料B)を含む水相が室温において貯蔵された。有機相に溶解されたL−ドーパは、2mlの有機相を1MKCl(pH=6.3)と30秒間激しく振とうして混合することにより再抽出された。2つの相の分離後(約10分)、L−ドーパを含む水相、再抽出培地(試料C)が室温において貯蔵された。試料A,B,Cは室温において600時間、貯蔵され、L−ドーパの濃度が、(600時間までの)時間の数点において測定された。L−ドーパ濃度はHPLC分析により時間の関数として測定された(表3を参照のこと)。
Figure 2005534328
該結果から、ケロセン/DEHPA抽出なしでは、発酵ブロスのL−ドーパ濃度はL−ドーパの不安定性のために貯蔵時間の間に減少することが結論付けられ得る。ケロセン/DEHPA(酸性pH)による発酵ブロスの抽出後は、L−ドーパの濃度の低下はほとんど防止され、そのことから、ケロセン/DEHPAによる抽出はL−ドーパを安定化すると結論付けることができる。KCl(pH=6.3)によるL−ドーパの再抽出後は、L−ドーパ濃度の低下は観察されず、そのことから再抽出もまたL−ドーパの安定性を増大させることが結論付けられ得る。
実施例9.L−ドーパの安定性
pH7.5(試料1)、pH6.5(試料2)、pH5.5(試料3)、及びpH4.5(試料4)に調節された、実施例6に記載されたように製造された、L−ドーパが存在するところの発酵ブロスの試料が使用された。
試料1,2,3及び4は、室温において600時間貯蔵され、(600時間までの)時間の数点においてL−ドーパの濃度が測定された。L−ドーパ濃度はHPLC分析により時間の関数として測定され(表4を参照のこと)、試料D、即ちpH4.5における発酵ブロスは10であった。
Figure 2005534328
表4に示された結果は、発酵ブロスのより低いpH値は、L−ドーパの安定性を増加させることを示す。

Claims (10)

  1. L−3,4−ジヒドロキシフェニルアラニンが、L−チロシン−3−ヒドロキシ−モノ−オキシゲナーゼ活性及び少なくとも代謝経路:グリコリシス、ペントースホスフェート経路、芳香族アミノ酸経路、又はそれらの派生経路を有する組み換え微生物の好気性発酵により、発酵培地中で製造されるところのL−3,4−ジヒドロキシフェニルアラニンの製造方法であって、
    (i)L−3,4−ジヒドロキシフェニルアラニンが発酵培地において製造されるところの成長相及び製造相、及び
    (ii)ダウンストリームプロセッシング相
    を含む方法において、
    L−3,4−ジヒドロキシフェニルアラニンが炭素源から製造されること、及び製造相及び/又はダウンストリームプロセッシング相の少なくとも一部の間、pHが1〜7の範囲であることを特徴とする方法。
  2. 製造されたL−3,4−ジヒドロキシフェニルアラニンが、ダウンストリームプロセッシング相において発酵培地から抽出され、そして再抽出混合物中へと再抽出されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 発酵の全製造相の間、及び/又は全ダウンストリームプロセッシング相の間、L−3,4−ジヒドロキシフェニルアラニンを含む発酵培地のpH及び/又はL−3,4−ジヒドロキシフェニルアラニンを含む再抽出混合物のpHが、1〜7であることを特徴とする、請求項1又は2のいずれか1項に記載の方法。
  4. L−3,4−ジヒドロキシフェニルアラニンが、疎水性相互作用できる表面を有する吸着樹脂により、及び次に、結合されたL−3,4−ジヒドロキシフェニルアラニンの該樹脂からの再抽出混合物を用いる溶出により発酵培地から回収されることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  5. L−3,4−ジヒドロキシフェニルアラニンが、インシチュー製造物回収により発酵培地から抽出されることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
  6. インシチュー製造物回収が、L−3,4−ジヒドロキシフェニルアラニン及び微生物の細胞を含む発酵培地をフィルター上にポンプ輸送して、発酵培地から細胞を分離する工程、L−3,4−ジヒドロキシフェニルアラニンを反応抽出により発酵培地から抽出し、L−3,4−ジヒドロキシフェニルアラニンを再抽出により再抽出混合物中に移す工程、及び細胞及び残った発酵培地を発酵にリサイクルさせる工程を含むことを特徴とする、請求項5に記載の方法。
  7. 組み換え微生物が、4−ヒドロキシフェニルアセテート3−ヒドロキシラーゼを発現する、好ましくは過剰発現することを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
  8. 組み換え微生物が、FADH−NAD−オキシドリダクターゼをコードする遺伝子を発現する、好ましくは過剰発現することを特徴とする、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
  9. 炭素源がグルコースであることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
  10. 微生物がEscherichia coli W3110/pACYCtac aro FFBR tyrA/pJF119EHaro FFBR tyrAであることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法。
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