JP2005533519A - チミジンキナーゼ1活性の測定方法およびその使用 - Google Patents

チミジンキナーゼ1活性の測定方法およびその使用 Download PDF

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Abstract

本発明は、基質としてAZTまたはチミジンの3'誘導体を用いることにより、チミジンキナーゼ1活性との反応で形成されたリン酸化産物を決定することにより、低レベルの活性を有するサンプルのルーチン分析のための、ヒト体液または動物体液および組織/細胞抽出物においてチミジンキナーゼ1活性の安全で迅速、正確かつ特異的な決定を可能にする新規な方法に関する。本発明は、さらに癌などの疾患の診断、モニタリングおよび予防のための前記方法の使用に関する。

Description

本発明は、低レベルの活性を有するサンプルのルーチン分析のための、ヒトまたは動物の体液および組織/細胞抽出物中のチミジンキナーゼ1活性を迅速、正確かつ特異的に測定することを可能にする新規な方法に関する。本発明は、さらに癌などの疾患の診断、モニタリングおよび予防のための前記方法の使用に関する。
臨床実践において、腫瘍診断は多くの意義を有している。いくつかのパラメータ、例えば、腫瘍細胞の増殖速度を測定するための手段としての腫瘍におけるS期細胞(すなわち、DNA合成細胞)の相対比は、腫瘍診断ならびに腫瘍疾患のモニタリングおよび予後に関して極めて価値があることが示されている。初期の古典的方法は、同位体標識DNA前駆体、例えば、チミジン、5-ヨード-デオキシウリジン、5-ブロモデオキシウリジンの取り込みに基づいている(1)。当業界に知られた他の関連する方法は、比較的多数の細胞を必要とし、複雑な手法および高価な装置を必要とする1細胞当たりのDNA量をフローカイトメトリーで測定する方法である。さらに、酵素/蛋白質マーカー類の定量のための免疫学的方法が用いられる。S期およびG2期細胞に、また、ある程度はG1期細胞にも見られるKi(MIB)-抗原およびPCNA(2)-蛋白質を含む前記マーカー類は、増殖細胞に主として発現されることが知られている。残念ながら、これらの抗原に基づく方法は、DNA合成細胞に対する特異性が欠如しており、またこれらの抗原が体液中に生じないために、適用が限定されている。
チミジンキナーゼ1(TK1、ATP:チミジン5'-ホスホトランスフェラーゼ)は、増殖細胞のみに見られる細胞質内酵素である。TK1は、γ-リン酸基をヌクレオシド三リン酸からチミジンまたはデオキシウリジンの5'-ヒドロキシル基に移し、得られた産物は次いで、DNA前駆体にリン酸化される(3〜13)。TK1活性は、後期G1期に始まり、S期ではDNA合成の増加に伴って上昇し、有糸分裂期に消失する(4、11〜13)。TK1活性の変化は、Wintersberger(13)により概説されたTK1プロモーターのS期に部分的によるが、翻訳後の機構もまた、機能的TK1のレベルにとって重要である。
前記酵素は、細胞周期のS期の間に発現される限定的発現パターンを示す(3〜4)ので、TK1は、サンプル中のS期細胞数を定量するための信頼できる感受性マーカーとして使用されている。TK1活性は、DNA中への同位元素取り込みに基づく方法の前提条件である。
TK1は、チミジンまたはデオキシウリジン(dUrd)の誘導体もリン酸化する。特に、TK1は、ピリミジン環の5'位、およびリボースの3'位(6〜9)で修飾された類縁体、例えば、3'-フルオロ-3'-デオキシチミジン(アルビジン)、3'-アジド-3'-デオキシチミジン(ジドブジン、AZT、抗HIV化合物)(6〜8)および5-フルオロdUrd、5-ブロモdUrdおよび5-エチルdUrdなどの5-置換dUrd類縁体をリン酸化することができる。
真核細胞はまた、チミジンおよびデオキシウリジンをリン酸化する第2の酵素、すなわちミトコンドリアのチミジンキナーゼTK2(15、16)を発現することができ、この酵素により、S期細胞におけるTK活性を測定する方法が複雑になる。
ミトコンドリアのDNA合成においてある役割を有するTK2は(16)、アミノ酸配列、細胞局在化(蛋白質はミトコンドリアに輸送される(15))およびTK1からの発現プロフィルが異なる。また、TK2の基質特異性は、TK1とは異なり、例えば、チミジン類縁体AZTは、TK1と比べ顕著に低レベルでTK2によってリン酸化される(6、7)。5-ヨードUrdなどのいくつかのdUrd類縁体は、TK2によってリン酸化されるが、デオキシシチジンおよび関連類縁体(6、7)もまたリン酸化される。要約すると、TK2は、ミトコンドリアDNA前駆体の合成にとって必須な役割を演じ、細胞増殖に関連する疾患ではなくてミトコンドリア疾患のある一定の形態にも関与している。
血清中TK濃度は、市販の高感受性125I-dUrdアッセイ(TK-REA)を用いて測定されてきた。このアッセイは、無再発性生存ならびに全生存に関する予後情報を提供し、またある場合には療法の選択を助ける癌診断における役割が証明されている(17〜24)。最近、高い血清TK濃度が、慢性リンパ性白血病において疾患進行のリスクの高いサブグループの患者を同定するために使用されている(18)。多数の乳癌患者をモニタリングしているフランスでの一連の調査において、細胞基質のTK1濃度は、前記疾患の進行に関する最良の予測マーカーであることが立証された(20〜24)。現行の商用アッセイの有用性については問題はないが、I125の使用に関連したある種の不利益を有する。すなわち、時間がかかり、取り扱いも比較的複雑であることである。第2に、前記アッセイは、TK1とTK2とを識別せず、その結果、サンプル中のTK2活性も測定することとなり、ある場合には、偽陽性結果を生じる。第3に、血清サンプルに見られ、腫瘍疾患において様々な濃度で生じる(27、28)チミジンホスファターゼおよびウリジンホスホリラーゼが存在すると、これらの酵素が125I-dUrdをデオキシリボースおよび塩基に分解するため、TK-REAアッセイにおいて偽陰性結果を生じ得る。
一連の最近の刊行物は、TK1に対する抗体の産生および使用を記載している(28〜35)。残念ながら、TK1レベルに基づく免疫学的方法は、酵素ベースアッセイシステムと比較して感度が不足しているため、正常な対象に見られる低濃度のTK1を測定するための免疫学的アッセイの使用を不可能にしている。第2の問題として、TK1抗体は、TK1の活性(未変化の)形態および不活性(分解された)形態と反応する。さらに、天然に生じるTK1の修飾は、異なるTK1抗体との反応性を変え得る。TK1は、活性な安定多量体の形態として血清中に認められると記載されているが(36)、恐らくその形態は、破壊された増殖腫瘍細胞に由来する。TK1の数種のエピトープはこの立体配座形体内でマスクされ、抗体ベースアッセイの質を変えている可能性がある。
The Immunoassay Handbook、David Wild編、The Macmillian Press社、1994年
現在用いられている酵素ベースアッセイに関する1つの問題としては、反応速度を最大にするためには、高濃度(mM)のリン酸供与体ATPが必要なことである。さらに前記方法は、時には不満足な結果を生じる抽出物から反応生成物を分離しなければならないので(17)、取り扱いが比較的複雑である。したがって、TK1を特異的に測定する酵素ベースの方法に対し、確かな必要性があり、その方法は、非放射測定技法に基づき、迅速で安全かつ再現性がなければならない。
驚くべきことに、サンプル中のTK1活性を測定する方法は、TK1の基質としてチミジンの3'-誘導体を用いることにより、またTK1活性に関連するチミジンの5'-リン酸化3'-誘導体の量を測定することにより、迅速、安全かつ再現性となり得ることが現在判明した。
本発明の第1の実施形態において、ヒトまたは動物の体液または細胞または組織サンプル中のチミジンキナーゼ1活性を測定する方法を提供し、リン酸供与体および緩衝液系の存在下で、前記サンプルと、チミジンの3'-誘導体である、チミジンキナーゼ1に関する基質とを反応させるステップおよび形成されたチミジンの5'-リン酸化3'-誘導体の量を測定するステップとを含み、前記の量がチミジンキナーゼ1活性に関連する。
本発明に関連して、チミジンキナーゼ1(TK1)とは、ATP:チミジン5'-ホスホトランスフェラーゼとして知られている酵素を言う。
本発明と関連するヒトまたは動物の体液サンプルとは、好ましくは血清および/または血漿サンプルを言う。
本発明によれば、細胞サンプルは、好ましくは細胞基質を含む細胞サンプルを言う。
本発明によれば、組織サンプルは、固形組織生検を言う。
本発明に関連するリン酸供与体とは、リン酸基を基質に移すのに好適なヌクレオシド三リン酸を言う。特に、本発明に関連するリン酸供与体とは、アデノシン三リン酸(ATP)またはシチジン三リン酸(CTP)を言い、ATPが好ましい。
本発明によれば、緩衝系とは、本明細書に開示される方法を実施するのに好適な緩衝液を言う。好適には、緩衝液は、少なくともジチオエリトリトール(DTE)、ATP、MgCl2およびHEPESまたはトリスを含む。特に、緩衝液は、ATPの濃度の少なくとも2倍の濃度で6.8〜8.0の範囲のpHを有する10〜100mMのHEPESまたはトリス、1〜30mMのDTE、0.2〜8mM ATPおよびMgCl2を含む。好ましくは、ATPと結合するMg2+に競合しない緩衝液が選択される。
本発明によれば、チミジンキナーゼ1(TK1)に関する基質とは、チミジンの3'-誘導体を言う。特にこれは、式I
Figure 2005533519
の3'-デオキシ-チミジン誘導体を言い、
式中、Rは、限定はしないが、NH2、NHCOCH3、SC2H5、OC2H5、OBn、N3、NO2、OCOCH3、OSO2CH3およびFからなる群から選択される。
チミジンの3'-誘導体は、3'-アジド-3'-デオキシチミジン(AZT、INN:ジドブジン)および3'-フルオロ-3'デオキシチミジン(INN:アロブジン)からなる群から選択されることが特に好ましい。
本発明によれば、チミジンのリン酸化3'-誘導体とは、チミジンの5'-リン酸化3'-誘導体を言う。AZTMP(AZTの5'-一リン酸)は、チミジンの5'-リン酸化3'-誘導体が好ましい。
AZTは、逆転写酵素阻害剤として機能する重要な抗HIV薬剤である。チミジンとほぼ同一の相対効率を有するTK1に対する良好な基質であることが報告されている(8、37)。AZTで処理した細胞では、TK2はAZTをリン酸化する能力が低いので、AZTは、TK1によって選択的にリン酸化される(6、7)。チミジンキナーゼにより触媒されるカスケードにおける次のステップは、極めて非効率的であるので(8、37)、産物AZTMP(AZTの5'-一リン酸塩)が蓄積される。AZTおよびAZTMPは、血清または細胞抽出物において安定な代謝物であり、チミジンホスファターゼは、基質としてAZTを使用しない(27)。
AZTおよびAZTMPに対する抗体は調製されており、組織および細胞から血清および抽出物においてこれらの化合物のレベルを測定するために臨床的設定において使用されている(38、39)。しかしながら、TK1活性を測定するためのAZT特異的およびAZTMP特異的抗体の使用は、今まで報告されていなかった。さらに、血清TK用の基質として、チミジン、特にAZTの3'-誘導体を使用することは現況技術ではない。
驚くべきことにここで、チミジンの3'-誘導体、特にAZTは、血清TK1の選択的、効率的かつ安定な基質であることが判明した。
本発明の第2の実施形態において、前記基質が式Iに示される3'-デオキシ-チミジン誘導体である前に開示された方法が開示され、式中Rは、限定はしないが、NH2、NHCOCH3、SC2H5、OC2H5、OBn、N3、NO2、OCOCH3、OSO2CH3およびFからなる群から選択される。
本明細書に開示されるヒトまたは動物の体液または細胞または組織サンプル中のTK1活性を測定するための方法を用いて、5'-リン酸化3'-チミジン誘導体を生成させ、前記5'-リン酸化3'-チミジン誘導体の量は、前記サンプル中のTK1活性に関連する。TK1を含むサンプルを、リン酸供与体および緩衝液系の存在下でAZTと反応させる場合において、AZTMP(AZTの5'-一リン酸)が生成され、形成されたAZTMPの量は、使用されたサンプル中のTK1活性に関連する。形成された5'-リン酸化3'-チミジン誘導体の量は、任意の好適な方法、特に前記5'-リン酸化3'-チミジン誘導体に特異性を有する抗体を用いて免疫学的方法により測定され得る。
本発明の第3の実施形態において、チミジンの3'-誘導体は、AZTであり、チミジンの5'-リン酸化3'-誘導体は、AZTMPである。
第4の実施形態において、本発明は、ヒトまたは動物の体液または細胞または組織サンプル中のチミジンキナーゼ1活性を測定する方法に関するものであって、この方法は、リン酸供与体および緩衝液系の存在下で、前記サンプルと、基質がチミジンの3'-誘導体である前記チミジンキナーゼ1に関する基質とを反応させるステップおよび、形成されたチミジンの5'-リン酸化3'-誘導体を、チミジンの5'-リン酸化3'-誘導体と選択的に反応できる少なくとも1種の抗体と反応させて免疫複合体を形成することを含む免疫学的方法により、形成されたチミジンの5'-リン酸化3'-誘導体の量を測定するステップを含み、前記の量は前記チミジンキナーゼ1活性に関連する。
本発明の前記実施形態の変法において、ヒトまたは動物の体液または細胞または組織サンプル中のチミジンキナーゼ1活性を測定する方法が請求されており、この方法は、リン酸供与体および緩衝液系の存在下で前記サンプルと、基質がAZTである前記チミジンキナーゼ1に関する基質とを反応させるステップおよびAZTMPと選択的に反応できる少なくとも1種の抗体とAZTMPを反応させて免疫複合体を形成することを含む免疫学的方法により、リン酸化AZT(AZTMP)量を測定するステップを含み、前記の量は前記チミジンキナーゼ1活性に比例する。
本発明によれば、免疫複合体とは、抗原抗体複合体を言う。特に、これは、チミジンの5'-リン酸化3'-誘導体とその特異的抗体を含む複合体を言う。免疫複合体は、AZTMPとAZTMPに特異的な抗体を含むことが特に好ましい。
本発明の文脈において、免疫学的方法とは、免疫化学に基づく分析法を言い、特にこれは、抗原抗体反応を言う。本発明によれば、免疫学的方法は、限定されないが、ラジオイムノアッセイ(RIA)、酵素免疫アッセイ(EIA)、固相技法と組み合わせた酵素免疫アッセイ(ELISA)、免疫蛍光アッセイまたは化学発光アッセイなどの免疫アッセイを含む[The Immunoassay Handbook、David Wild編、The Macmillian Press社、1994年]。
免疫アッセイは、第1に、調べるサンプルを、チミジンの5'-リン酸化3'-誘導体に選択的な抗体に曝露し、第2に、検出し、第3に、チミジンの5'-リン酸化3'-誘導体に結合する抗体量を定量することにより好適に実施される。
本発明の本態様の変法において、免疫アッセイは、第1に、調べるサンプルをAZTMPに選択的な抗体に曝露し、第2に、検出し、および第3に、AZTMPに結合する抗体量を定量することにより好適に実施される。
このタイプのアッセイにおいて、検出および定量は、チミジンの5'-リン酸化3'-誘導体、例えばAZTMPに特異的な標識抗体を用いて、または一次的抗体に特異的な二次的標識抗体と組み合わせて、チミジンの5'-リン酸化3'-誘導体、例えばAZTMPに特異的な非標識抗体を用いて当業界に知られた方法にて直接または間接的に実施され得る。
このように、本発明の変法において、チミジンの5'-リン酸化3'-誘導体の量を測定するために用いられる前記抗体を標識化する。本発明の他の変法において、前記抗体は標識化せず、検出および定量は、一次的非標識抗体に特異性を有する標識された二次的抗体を用いて実施される。前記免疫学的方法の両変法の取り扱いと手法は、当業者に知られている[The Immunoassay Handbook、David Wild編、The Macmillian Press社、1994年]。
本発明によれば、チミジンの5'-リン酸化3'-誘導体に特異的な抗体は、チミジンの5'-リン酸化3'-誘導体を認識し、結合する能力を有する免疫グロブリンである。チミジンの5'-リン酸化3'-誘導体に特異的な抗体は、好ましくはモノクローナル抗体またはポリクローナル抗体である。チミジンの5'-リン酸化3'-誘導体に特異的なポリクローナル抗体が特に好ましい。
本発明によれば、AZTMPに特異的な抗体は、AZTMPを認識し、結合する能力を有する蛋白質である。AZTMPに特異的な抗体は、好ましくはモノクローナル抗体またはポリクローナル抗体である。AZTMPに特異的なポリクローナル抗体が特に好ましい。ポリクローナル抗体は、当業界に知られているか、または当業者に知られた方法(例えば、本明細書に記載されている)に従って調製し得る。前記抗体は、AZTMPと選択的に反応することが好ましい。
本発明によれば、抗原抗体複合体の検出および定量は、当業者に知られた好適な標識、すなわち、放射活性および非放射活性、特に、蛍光染料、酵素、例えば、アルカリホスファターゼまたはペルオキシダーゼ、化学発光化合物または放射標識、例えば3Hまたは125Iからなる群から選択される標識を用いることにより可能にする。
本発明のさらなる実施形態において、ヒトまたは動物の体液または細胞または組織サンプル中のTK1活性を測定する方法が提供されており、この方法は、リン酸供与体および緩衝液系の存在下で、前記サンプルと、基質がチミジンの3'-誘導体である前記TK1の基質とを反応させるステップおよび化学発光を用いる免疫学的方法によりチミジンの5'-リン酸化3'-誘導体の量を測定するステップを含む。
本発明の変法において、免疫学的方法は、好適な固相を用いて実施される。本発明によれば、好適な固相とは、ガラスおよびプラスチック粒子を言う。特にこれは、磁気性粒子、チューブ、ウェルおよびマイクロタイタープレートを言う。特にこれは、ELISA技法に慣例上用いられるポリスチレンから作製される慣例的な商用マイクロタイタープレートを言う。
本発明のさらなる実施形態において、本明細書に開示されているヒトまたは動物の体液または細胞または組織サンプル中のTK1活性を測定する方法が提供されており、チミジンの5'-リン酸化3'-誘導体の量は、ELISAにより測定される。
本発明によれば、ELISAは、当業者によく知られている任意の酵素結合免疫吸着アッセイを言う。
変法において、本明細書に開示されているヒトまたは動物の体液または細胞または組織サンプル中のチミジンキナーゼ1活性を測定する方法が特に好ましく、AZTMPの量は、ELISAにより測定される。
この免疫学的方法の他の変法において、固相は、二次的抗体により前処理され、好適なブロッキング溶液、例えば、ゼラチン、または蛋白質溶液を用い、固相上の非特異的結合部位を飽和させることによりブロックされる。引き続き、前記固相を、抗体がチミジンの5'-リン酸化3'-誘導体、例えば、AZTMPに特異性を有する抗体溶液と共に温置する。
ELISA技法を用いて本発明による方法を実施する場合、抗原抗体複合体は、好ましくは、ペルオキシダーゼまたはアルカリホスファターゼからなる群から選択される酵素を用いて酵素触媒される呈色反応により検出、定量される。TMB(3,3',5,5'-テトラメチルベンジジン)と組み合わせたペルオキシダーゼが特に好ましい。
本発明によれば、免疫学的アッセイは、第1に、酵素的TKアッセイを実施し、第2に、前記アッセイ生成物を、抗体を捕捉してコートされた固相に移して、検出反応を実行するという方法で実施される。他の変法において、酵素的アッセイは、抗体を捕捉してコートされた固相上に直接実行される。
さらなる変法において、抗原抗体複合体の検出および定量は、化学発光粒子および磁気性粒子により実施される。所与のサンプルにおいて、AZTMP誘導体を、活性化イソルミノールに結合して、生成物が化学発光を発生し、AZTMP抗体と反応する生成物を生じる。この生成物は、AZTMP自体と同等に良好なAZTMP抗体により認識され、したがって化学発光システム用の検出物分子として使用できる。磁気性粒子に対し抗体を結合する方法およびイソルミノールに基づく化学発光を発生させる方法は、当業者に知られている。磁気性粒子が分離に使用され、化学発光が検出に使用される、このようなTKアッセイは、マイクロタイタープレートにおいて酵素的検出システムの替わりに容易に構築できる。このような化学発光アッセイは、より迅速であり、より感度がよく、より広い測定範囲を包含する。
酵素的検出、例えば、西洋ワサビペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼまたはアセチルコリンエステラーゼに基づくTKアッセイにおいて、還元剤、例えば、DTE、DTT、またはβ-メルカプトエタノールの存在は、最適なTK活性反応のための要件である。残念ながら、還元剤は、検出酵素を妨害し、それによって検出シグナルを強く低下させ、かつ/または再現性のない結果を導き得る。この問題を克服する好適な方法は、免疫検出ステップ時に0.05〜0.25%の最終濃度に過酸化水素を添加することである。このことは、妨害する還元剤を酸化し、またTK反応を停止させるのでアッセイ法の頑健性を改善する。
本発明のさらなる実施形態において、本明細書に開示されているヒトまたは動物の体液または細胞または組織サンプル中のTK1活性を測定する方法が提供され、前記緩衝液系は、少なくともジチオエリトリトール(DTE)、ATP、MgCl2およびHEPESまたはトリスを含み、また5.0から9.0までの範囲のpHを提供し、特に6.5から8.0までのpHが好ましい。
本発明の他の実施形態において、本明細書に開示されているヒトまたは動物の体液または細胞または組織サンプル中のTK1活性を測定する方法が提供され、前記緩衝液系は、サンプル中に含有され得るホスファターゼ類による分解から、リン酸化された基質を保護するためにウリジン一リン酸(UMP)を含有している。好ましくは、緩衝液系は、少なくとも0.01mMの濃度でUMPを含有する。特に好ましくは、緩衝液系は、少なくとも0.1mMの濃度でUMPを含有する。
本発明の他の実施形態において、本明細書に開示されているヒトまたは動物の体液または細胞または組織サンプル中のTK1活性を測定する方法が提供され、前記方法は、基質濃度少なくとも0.4μMで実施する。2〜500μMの基質濃度が特に好ましい。20〜200μMの基質濃度を、本明細書に開示されている方法に使用することがより特に好ましい。実施形態の変法において、0.4μMを超えるAZT濃度が好ましい。2〜500μMのAZT濃度が特に好ましい。20〜200μMのAZT濃度を前記方法に使用することがより特に好ましい。
本発明の他の実施形態において、本明細書に開示されているヒトまたは動物の体液または細胞または組織サンプル中のTK1活性を測定する方法が提供され、前記リン酸供与体は、0.1〜10mMの濃度で存在する。特に本明細書に開示されているTK1活性を測定する方法が好ましく、前記リン酸供与体は、0.5〜5mMの濃度で存在する。
本発明のさらなる実施形態において、高いレベルのチミジンキナーゼ1に関連する疾患を診断するため、本明細書に開示されているヒトまたは動物の体液または細胞または組織サンプル中のTK1活性を測定する方法の使用が提供される。前記方法は、癌または腫瘍の診断または癌または腫瘍の進行をモニタリングするために使用されることが好ましい。
本発明によれば、腫瘍または新生物とは、異常な様式で増殖する細胞から構成される組織を言う。本発明によれば、癌とは、悪性である腫瘍または新生物を言う。特に癌とは、血液癌、消化器系癌、乳癌および前立腺癌を言う。
本発明の他の実施形態において、血液癌、乳癌、消化器系癌および前立腺癌からなる群から選択される癌または腫瘍を診断するために、または癌または腫瘍の進行をモニターするための、本明細書に開示されているヒトまたは動物の体液または細胞または組織サンプル中のTK1活性を測定する方法が提供されている。
本発明のさらなる実施形態において、例えば、非ホジキンリンパ腫および慢性リンパ性白血病の疾患進行のリスクの高いサブグループの患者を同定するために、本明細書に開示されているヒトまたは動物の体液または細胞または組織サンプル中のTK1活性を測定する方法が提供されている。
本発明によれば、非ホジキンリンパ腫および慢性リンパ性白血病における疾患進行のリスクの高い患者は、本明細書に開示されている方法により、および体液、細胞または組織サンプルを用いることにより分析した健常人と比較して、TK1活性レベルが増加していることが確認されたこれらの患者である。
本発明のさらなる実施形態とは、in vitroの方法が、ヒトまたは動物の体液または細胞または組織サンプルを得るステップと、本明細書に開示されている方法に従ってTK1活性を測定するためにサンプルをアッセイするステップと、TK1活性の量をヒトまたは動物の臨床状態に関連させるステップとを含む、高レベルのTK1活性を有することを特徴とする、ヒトまたは動物における疾患を診断および/または治療的モニタリングするin vitroの方法を称す。
本発明によれば、in vitroの方法とは、マーカーの測定方法を言い、その測定は、ヒトまたは動物の身体に由来するヒトまたは動物の材料に対して実施され、試験は、前記材料が由来する生体生物外で実施される。
本発明によれば、診断とは、疾患または疾病(ailment)の性質の測定を言う。
本発明によれば、治療的モニタリングとは、抗癌剤による治療有効性をモニタリングすることを言う。特にこれは、TK1などの生物学的マーカーの活性または発現を測定することにより、抗癌剤による治療有効性をモニタリングすることを言う。
本発明によれば、アッセイすることとは、具体的な成分または物質の量を測定する定量的な方法を言う。
本発明のさらなる実施形態において、キットは、チミジンの3'-誘導体、リン酸供与体、緩衝液、およびチミジンの5'-リン酸化3'-誘導体と選択的に反応できる少なくとも1種の抗体を含む、高レベルのTK1活性を有することを特徴とするヒトまたは動物における疾患のin vitro診断用および/または治療的モニタリング用キットを提供する。
本発明のさらなる実施形態において、キットは、AZT、リン酸供与体、緩衝液、およびAZTMPと選択的に反応できる少なくとも1種の抗体を含む、高レベルのTK1活性を有することを特徴とするヒトまたは動物における疾患のin vitro診断用および/または治療的モニタリング用キットを提供する。
本発明によれば、キットとは、器具、供給品または材料のセットまたは集積を言う。特にキットは、チミジンの3'-誘導体、例えばAZT、リン酸供与体を含む緩衝液、およびチミジンの5'-リン酸化3'-誘導体、例えば、AZTMPと選択的に反応できる少なくとも1種の抗体を含む。キットとは、少なくとも1種のTK較正物質、少なくとも1種のTKコントロール、少なくとも1種のチミジンの3'-誘導体、例えばAZT、少なくとも1種のリン酸供与体を含むアッセイ用緩衝液、TK活性用停止剤、少なくとも1種の一次抗体溶液の材料セットを言うことが特に好ましい。前記一次抗体溶液は、チミジンの5'-リン酸化3'-誘導体、例えば、AZTMPに対する抗体、およびチミジン-5'-一リン酸のピリミジン環標識3-誘導体、例えば、ピリミジン環標識AZTMPを含む緩衝液中の少なくとも1種のトレーサー、または少なくとも1種の固相分離物、例えば、チューブ類、二次的抗体でコートされたマイクロタイタープレートまたは磁気性粒子、洗浄液、酵素アッセイ用、蛍光アッセイ用、または化学発光アッセイ用検出基質または増強液、終末点ELISA用の少なくとも1種の検出停止液(例えば、酸TMB停止液)、サンプル希釈剤(患者サンプルの希釈用緩衝液)を含む。
本発明のさらなる実施形態において、UMPをさらに含む前述のキットを提供する。
本発明の他の実施形態において、前記試薬が、容器内に一緒に詰められている本明細書に開示されたキットを提供する。
ここでさらに、本発明を、図1〜6に関して詳細に記載する。
略語および注記
ATP アデノシン5'-三リン酸
AZT 3'-アジド-3'-デオキシチミジン
AZTMP AZT-5'-一リン酸
AZXMP 3'-アジド-3'-デオキシ-5'-一リン酸-3N-1-(5-アミノ-ペンチル)チミジン。ハプテン分子およびリガンド。
KLH キーホールリンペットヘモシアニン。KLH結合リガンドに対する免疫学的反応増強のアジュバント。
EIA 酵素免疫アッセイ希釈剤:0.15M NaCl 0.1%含有0.1MホスフェートpH 7.4
ウシ血清アルブミンおよび0.1%トリトン×100
PBST 10mMリン酸緩衝液pH 7.5+0.05%ツイーン20(ELISA洗浄用緩衝液)
GA グルタルアルデヒド。ホモ二官能性結合剤。
CNBr 臭化シアノーゲン
BSA ウシ血清アルブミン
PB リン酸緩衝液。濃度は[P]に関連する。
PBS リン酸緩衝生理食塩水。濃度は[P]に関連する。
ProCin 300 生物学的媒体中の微生物を制御する防腐剤
HRP 西洋ワサビペルオキシダーゼ。2H2O2から2H2O+O2への転換のための酵素。本反応は、色の変化により示されるTMBを酸化する。
TMB 3,3',5,5'-テトラメチルベンジジンは、HRPによるH2O2の還元の際に酸化される。酸化の際の色の変化は、波長450nmで測定される。
DSS スベリン酸ビス(N-ヒドロキシスクシンイミドエステル)。ホモ二機能性結合剤。HRPへのAZXMPの結合に使用される。
RPC 逆相クロマトグラフィー。非極性固定相と関連して極性移動相を用いる液体フロークロマトグラフィー。
PEG ポリエチレングリコール
Ph フェニル
RT 室温
PAGE ポリアクリルアミドゲル電気泳動
BIS N.N'-メチレン-ビス-アクリルアミド
DTE ジチオエリトリトール
DTT ジチオトレイトール
(実施例1)
AZT-一リン酸(AZTMP)に対する抗血清の調製および特性化
鶏卵由来のポリクローナルヤギ抗血清およびポリクローナルIgYの調製を、ウサギ抗血清の調製に使用された公表方法(39)に従って実施した。AZTMPの誘導体であるAZXMP(3'-アジド-3'-デオキシ-5'-一リン酸-3N-1-(5-アミノ-ペンチル)チミジン)(39)(図1a)を合成した。AZXMPをAZXMPハプテンに対する免疫学的反応を増強する担体蛋白質、KLH(キーホールリンペットヘモシアニン)に結合させて抗原結合体KLH-AZXMPを形成した。AZXMPに対するKLHの結合を媒介するために、グルタルアルデヒド(GA)を用いた。この反応は6℃で実施した。AZXMPとKLHに、2%-GA溶液を滴加し、攪拌下、24時間温置した。引き続き、前記溶液を、0.1M PBS(リン酸緩衝生理食塩水)pH 7.4に対して、3回透析し、生じた純粋な結合体を、使用するまで-80℃で凍結させた。
ニワトリおよびヤギを、1.0mgKLH-AZXMPで免疫化した。ヤギには定期的な8週間サイクルで追加抗原投与した。血清サンプルを1週間おきに採取した。ニワトリには定期的な4週間サイクルで追加抗原投与した。卵は連続的に採取した。
抗体調製物を安定化させるために、PEG(ポリエチレングリコール)を用いて、選択的沈殿によりニワトリ抗体を沈殿させた。ヤギ抗体は、AKTA Explorer 100システム(Amersham Biosciences)において、CNBR(臭化シアノーゲン)活性化Sepharose Fast Flowカラムに結合させたAZXMPを用いてアフィニティー精製した。
抗体特異性および力価は、実施例4に記載されている競合的アッセイフォーマットを用いて評価した。非特異的結合を評価するために、抗体を希釈剤と取り換えた。抗体特異性および力価はまた、AZXMPハプテンをプレートに塗布するアッセイを用いて評価した。GAをリンカーとして用いて、AZXMPをBSAに結合させ、引き続きマイクロタイタープレートに塗布した。このアッセイにおいて、100μlの連続希釈体溶液を、先ず、AZXMPを塗布したウェルと共に室温で1時間温置した。
マイクロタイタープレートのウェルをPBST(PBSプラス0.05%ツイーン20)で3回洗浄した。100μlの二次抗体(希釈西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)標識抗ヤギIgG溶液または抗IgY抗体)を加え、室温で30分温置した。250μlのPBSTで3回洗浄後、TMBを基質として用いて、結合抗体複合体を検出した。誘導呈色反応は、5分後1M H2SO4を用いて中止させ、450nmにおいて検出した。一次抗体を希釈剤と取り換えることによって陰性対照を実施した。抗AZTMP抗体溶液にAZTMPまたはAZTの増加量を加えることにより、抗体の特異性を検査した。非-5'-リン酸化AZTは、抗体結合に関して、AZXMPと完全に競合することはできなかった(図2)。前記反応の特異性はまた、AZXMP-KLHによる免疫化の前に、免疫化動物から採取した血清サンプルを用いることによっても示された。得られた血清はAZTMPに対して特異的であり、高い結合性を示すことを、この結果は示した。
(実施例2)
HRPに結合したAZXMPの安定なトレーサー結合体の調製
DSS(スベリン酸ビス(N-ヒドロキシスクシンイミドエステル))を用いて、AZXMPをHRPに結合させた。これは、8炭素鎖リンカーの取り込みを含む。先ず、AZXMPを、その第一級アミノ基を介して、DSS分子上の2つの活性エステルのうちの1つと結合させ、AZXMP-DSSを生じさせた(図1b)。等モル結合生成物を得るために、AZXMP 1モル当たりDSS8モルの過剰を用いた。前記反応は、等しい割合の100mMホウ酸ナトリウム緩衝液pH 8.8と純粋アセトニトリルによる1:1希釈において23℃で実施した。前記結合反応は、30〜60分後、20mMリン酸二水素ナトリウムの添加により終結させ、pHを、3M HClにより4.6に調製し、前記溶液を分離カラム上に注入し、通常、60〜70%のAZXMP-DSSを得た。精製は、C2/C18分取RPC逆相カラム(Amersham Biosciences)上で実施した。20mMリン酸二水素ナトリウムpH4.6下での吸着後、生成物を9:1メタノール/水勾配で溶出した。フラクションをプールし、生成物を直ちに-78℃で凍結し、引き続きRPCステップ(逆相クロマトグラフィー)で使用されたメタノールを除去するために凍結乾燥した。前記生成物を9:1 v/v H2O/アセトニトリルにおいて再構成し、直ちに凍結乾燥し、使用まで-80℃で貯蔵した。最終生成物の濃度と純度は、AZTMPを内部基準として用いてRPC分析により測定した。AZXMP-DSSをHRP上のアミノ基と結合させAZXMP-DSS-HRPを生じさせた(図1c)。これは、リン酸塩と混合したpH 8.8における50mMホウ酸緩衝液において行われた。標準的反応では、HRP 1モル当たり15モルのAZXMP-DSSを加えた。AZXMP-DSS-HRP結合体は、Superdex 200 HR 10/30カラム(Amersham Biosciences)上、ゲルろ過により、低分子量物質から分離し、1mlのフラクションを採取した。AZXMP-DSS-HRPの適切なフラクションをプールし、10mM PBS、2.5% BSA(ウシ血清アルブミン)、0.1g/L K3FeCN6、0.1g/Lブロモフェノールブルー、0.5%プロクリン300 pH 7.4中で10倍希釈した。
酵素の評価および結合法
スクシンイミジル4-(N-マレイミドメチル)シクロヘキサン-1-カルボキシレート(SMCC)を用いて、AZXMPをAP(アルカリホスファターゼ)に結合させた。40μlのAZXMP(4.75mg/ml)を40μlの0.2Mホウ酸緩衝液pH 8.5および11μlのSATA(N-スクシンイミジルS-アセチルチオアセテート、Sigma、アセトニトリル中15mg/ml)と混合した。室温で75分後、45.5μlの0.5Mヒドロキシルアミン、25mM EDTA、50mMリン酸緩衝液pH 7.5および45.5μlの0.1Mリン酸緩衝液pH 6.65の添加により、脱アセチル化を開始させた。さらに75分後、13.65μlの0.3M HClを添加してpHを6.4に調整した。前記反応混合液を分取RPC HR 5/5カラム(Pharmacia)に注入した。AKTA Explorerシステム100および15カラム容積中、0〜100% 9:1 v/vメタノール/H2Oの直線勾配によって分離を実施した。フラクションを採取し、チオール化AZXMPを回収した。前記生成物のチオール含量は、5-5'-ジチオ-ビス-ニトロベンゾアート(DTNB)との反応後、比色法により測定した(44)。クロマトグラフィー後、メタノールを蒸発させ、再びチオール含量を測定した。
チオール化AZXMPと酵素EZ-link(商標)マレイミド活性化アルカリホスファターゼとの結合は、0.1Mリン酸緩衝後、2.5mM EDTA pH 6.9中、前記酵素(0.5mg)に対し10モル過剰の混合により得られた。4℃で一晩反応後、Superdex 200 HR 10/30カラム(Amersham Biosciences)上のゲルろ過により、前記結合体を精製し、使用まで-20℃で貯蔵した。
AZXMPはまた、Pierce(米国ロックフォード)の前活性化HRPを用いて、HRPに結合させた。36.5μlのAZXMP(4.75mg/ml)を0.1M PBS pH 7.2によって希釈して500μlとした。この溶液を用いて1mgのEZ-link(商標)プラス活性化ペルオキシダーゼを再構成した。シッフ塩基の還元のため、10μlの0.255Mアスコルビン酸を直ちに加えた。室温で60分の反応後、反応を終結させるために、20μlの0.6MトリスpH 9.0を加えた。20分後、500μlの反応混合液を、Superdex 200 HR 10/30カラム上のゲルろ過カラム上に乗せた。frac 900フラクションコレクターを補足したAKTA Explorer 100クロマトグラフィーシステムを用いて、分離を実施した。モノマーHRPを含有するフラクションを採取し、10mM PBS、2.5% BSA、0.1g/L K3FeCN6、0.1g/Lブロモフェノールブルー;0.5%プロクリン300 pH 7.4中で10倍希釈した。
次に実施例Iに記載されている抗体を用いて実施例IVに記載されているとおり、AZTMPアッセイを実施し、AZXMPトレーサー結合体を比較した。Apによるアッセイには、基質としてp-ニトロフェニルホスフェート(pNPP)を用いた。
Figure 2005533519
DSSリンカー法で結合したAZXMP-HRPトレーサーは、感度が優れているいることを、この結果が示している。また、HRPは、検出時間を相当短くすることができる(AChE(アセチルコリンエステラーゼ)の30分超に比べて10分)ため、結合化HRPの使用は、AChEに比較して好ましい。
(実施例3)
トリチウム標識AZTによる血清TK測定およびTK-REAとの相関
血清TKをAZTを基質として使用できるかどうかを決定するために、2μLの3H-AZT(CI/mmol Moraveck社、米国)および10mMトリス-HCl(pH 7.6)、5mM ATP、5mM MgCl2、3.5mM NaF、2mM DTTを含有する20μLの反応混合液を混合した16人の臨床患者の血清サンプル(20μl)を用いて実験を行った。前記アッセイは、37℃で4時間実施し、形成されたAZTMPの量を、(9)に記載されたDE 51イオン交換紙法によって測定した。先行実験により、血清のこの量は、試験期間中、線形反応を与えることが確認されていた。この結果ならびにTK-REAアッセイの結果は表6に示してある。
Figure 2005533519
AZTにより測定された活性レベルとProlofigen(登録商標)TK-REA中の125IdUrdとの間の全体的に良好な相関が、この結果により示されており、線形回帰に関する相関係数は、サンプル4、12、14、16は別として、200 U/L以下のTK REA値では0.9であり、サンプル4では、IdUrdによるよりもAZTにより高活性を生じ、サンプル12、14、16では、TK-REAにより見られたものより低活性を生じた。これらの不一致の理由は不明であるが、2つのタイプのアッセイにおける条件は全く異なっている。この事実がいくらか不一致の理由となっていると思われるが、TK2、チミジンホスホリダーゼまたはウィルスデオキシヌクレオシドキナーゼ類などの干渉酵素の存在もまた原因であり得る。この実験から、血清TKは、基質としてAZTを効率よく使用できるとの結論を下した。
(実施例4)
AZTMPアッセイ
マイクロタイタープレートのコーティング
二次抗体(ウサギ抗ヤギ抗体、ウサギ抗ニワトリ抗体、ヤギ抗ニワトリ抗体のいずれか)を0.1M炭酸水素緩衝液pH 8.5中、5mg/Lに希釈した。Nunc C8マイクロ滴定ストリップウェルプレートを100μlの抗体溶液と共に、2〜8℃で一晩(17〜24時間)温置した。プレートを250μlのPBSで3回洗浄した。最後にブロックするため、250μlのEIA(酵素免疫アッセイ希釈剤)緩衝液を加えた。プレートを2〜8℃で貯蔵した。使用前に、前記プレートを250μlのPBSTで3回洗浄した。
アッセイ
抗IgG抗体または抗IgY抗体のいずれかをコーティングしたマイクロタイタープレートにおいてアッセイを行った。全体の反応液量は150μlであり、各成分(HRP-DSS-AZXMPトレーサー、抗AZTMP抗体およびAZTMP標品)は、50μlの体積で加えた。70ngのHRP/mlに対応して、1:1000希釈のトレーサーを用いた。抗AZTMP抗体は、200ng/mlに希釈した。室温で2時間緩やかに攪拌(300〜400rpm)しながら免疫反応を実施した。250μlのPBST、100μlのTMB(5,5'-テトラメチルベンジジン)により3回洗浄後。10分から15分後、100μlのTMB停止液(Bio Fx、米国)の添加によって、酵素反応を停止し、得られた吸光度を450nmにおいて読み取った。図3は、AZTMPアッセイに関する典型的な標準曲線を示している。
(実施例5)
酵素検出に基づくAZTMPアッセイにおける還元剤の妨害
アセチルコリンエステラーゼ(AChE)およびウサギ抗AZTMP(ウサギ1290、放血#7)は、仏国Saclay所在のSPI-Bioから購入した。マイクロタイタープレートを2μg/ウェルのヤギ抗ウサギIgGコーティングに変更してAZTMPアッセイ(39)を行った。86mM HEPES、31mM NaOH、7.8mM MgCl2*6H2O、17mM KCl、71mMマンニトール、3.9mM ATPおよび6mM DTEを含有するTKアッセイ緩衝液中、AZTMP標品を希釈したAZTMPアッセイを行った。この結果を、AZTMP標品をEIA緩衝液中に希釈したものと比較した。DTEが検出シグナルを低下させることによってAZTMPアッセイを妨害したことが明らかとなった。
AZTMPアッセイに関するゼロ基準シグナル。405nmにおける吸光度
Figure 2005533519
再現性のある結果を得るためには、AZTMPアッセイ前に、TK反応に必須のDTE(または類似)還元物質を除去する必要があった。TK反応に使用されるDTEを酸化するために必要な次亜塩素酸ナトリウム量を滴定するための指標として、Ellman試薬(45)が使用される実験が行われた。次亜塩素酸ナトリウムによるDTEの減少後、AZTMPアッセイの結果をAZTMP標品を希釈するためにEIA緩衝液が使用されたアッセイの結果と比較できた。同じ結果、すなわち、DTEが吸収シグナルを減少させる結果を有する実施例1および2における試薬に基づいて実施例4に記載されたとおりAZTMPを用いて同じタイプの実験を行った。
先ず、一次抗体を二次抗体に結合させた後に洗浄ステップを行い、最後にAZTMP含有サンプルにAZXMPトレーサー結合体を加えるように実施例4に記載されたAZTMPアッセイを変更した場合には、妨害が生じなかった。
他の実験では、固相抗体、AZTMPに対する一次抗体、および酵素標識AZXMPを、DTE処理に曝露させた。1時間後、DTEを透析により除去し、別々にDTEに曝露させた成分の存在、または不在下でAZTMPアッセイを実施した。HRPまたはアセチルコリンエステラーゼとは対照的に、前記抗体がDTE曝露後も依然として有効に働いたことが、これらの実験によって示された。
(実施例6)
サンプル中のTK1と検出AZTMPの量との相関。酵素的検出のための過酸化水素の使用
TK1標品:トリプシン化後、増殖培地から遠心分離によって、107 Hela細胞/mlを収穫した。上澄液からペレット化細胞を分離し、PBS中に再懸濁させた。1秒の遠心分離後、前記細胞をを50mM HEPES、5mM DTE、2mM ATP、および2mM MgCl2*6H2Oを含有する溶解緩衝液中に再懸濁させた。前記細胞懸濁液を、各々、-70℃と25℃の5回の凍結-解凍サイクルに供した。破壊細胞を+2℃で1時間、48000gにおいて遠心分離し、細胞破片をペレット化した。TKおよび溶解性蛋白質を含有する上澄液をデカントした。TK2物質が存在しないことを検査するために、電気泳動を実施し、続いて、Prolifigen(登録商標)TK REA(AB Sangtec Medical、スウェーデンBromma)アッセイを行った。100μlのTK細胞基質+40μlの50%グリセロール+5μlの1%ブロモフェノールブルーを含むサンプルを、0.25%のBIS(N,N'-メチレン-ビス-アクリルアミド)と共に5% PAGE類上に置き、190mMグリシン、200mM ATP、25mMトリス、1mM MgCl2、3mMβ-メルカプトエタノールpH 8.6を含有する緩衝液中、3時間、100 Vで電気泳動を実施した。電気泳動の結果を1.5mm厚さの45片に切り、酵素を抽出するTK REAアッセイ緩衝液と混合した。TK REAアッセイを行い、各スライスの放射性を算出し、相対的な移動性に対してプロットした。TK2の不在を示す物質をウシ胎仔血清中で希釈し、凍結乾燥した。
基質緩衝液
TKアッセイ用緩衝液、86mM HEPES、31mM NaOH、7.8mM MgCl2*6H2O、17mM KCl、71mMマンニトール、3.9mM ATPおよび6mM DTE。
TK反応用基質緩衝液は以下の濃度:1;5;15;20;25;30μg/mlのアッセイ用緩衝液にAZTを加えることによって調製した。
TK反応
80 U/l TK1標品調製液(熱不活化ウシ胎仔血清)を9g/l NaClに希釈し、各々、40、20、10、5および2.5 U/Lの標品濃度をさらに提供した。ゼロ基準濃度として、塩化ナトリウムもまた使用した。非コーティングマイクロウェルにおいて50μlの基質緩衝液添加により、また50μlのTK1標品によってTK反応を実施した。前記プレートを37℃で60分温置した。
停止反応
60分温置後、各ウェルに50μlの0.25% H2O2を添加して、室温で少なくとも5分間反応させ、DTEを酸化させ、続いてTK酵素が酸化的環境に鋭敏であることから、効果的にTK反応を終結させた。
生成AZTMPの検出
生成したAZTMPを検出し、定量(TK1活性に基づいて)するために、50μlの反応混合液を二次抗体でコーティングしたプレートに移し、50μlの抗AZTMP抗体(EIA緩衝液中200ng/mlに希釈)および10mM PBS、2.5% BSA、0.1g/L K3FeCN6、0.1g/Lブロモフェノールブルー、0.5%プロクリン300 pH 7.4中に希釈した50μlのAZXMP-DSS-HRPトレーサー結合体、300ng HRP/mlと混合した。前記プレートを、緩やかな攪拌下、室温で2時間温置してから、250μlのPBSTで3回洗浄した。最後に、100μlのTMB試薬を加え、10分後、100μlのTMB停止液(BioFx、米国)を加えた。標品プレート読み取り器を用いて450nmにおける吸光度を読み取った。
TK反応後、生成したAZTMP(TK1標品からの)をTK濃度の関数としてプロットした。生成したAZTMPの量は、サンプル中に存在するTK1量に正比例し、ターンオーバー率は、AZT濃度に依存した(図4)。
TK ELISAに関する典型的な標準曲線は、図5に示されているが、標準物質としてTK REAキット標品を用いている。本実施例において、アッセイ用緩衝液中、50μg/mlのAZT基質濃度を用いた。
上記のアッセイを用いて、過酸化水素の濃度範囲を調べた。
驚くべきことに、前記アッセイは、過酸化水素の0.015%から0.25%(また、さらに高い濃度)の広範囲濃度(免疫反応ステップの間の最終濃度)で安定であることが判明した。過剰過酸化水素は、シグナルを増大させた。安定化過酸化水素(環境に優しい試薬)は、この濃度範囲で安定であり、したがって、キット成分として好適であった。低濃度の過酸化水素は、TK反応を停止させる優れた方法であり、TK ELISAに関する酵素的検出を用いるAZTMP検出を促進させると我々は結論を下した。
(実施例7)
患者血清を用いたTKアッセイの評価
実施例6に記載されているとおり、TK標品を調製した。TK標品(ウシ胎仔血清中80 U/L)を9g/l NaClより、各々、40、20、10、5、および2.5 U/Lに希釈した。陰性対照として9g/l NaClを用いた。TK REAによって試験した48人の患者の血清をTK REAと平行して、また、TK ELISAと称される上記アッセイにおいて、アッセイした。
172mM HEPES、62mM NaOH、15.6mM MgCl2*6H2O、34mM KCl、142mMマンニトール、7.8mM ATP、12mM DTEおよび50μg/ml AZTを含有する50μlの基質緩衝液に、50μlの血清または標品を加えた。非コーティングマイクロ滴定ウェル中、37℃で60分反応後、0.25%過酸化水素により前記反応を停止させた。5分後、50μlの溶液を、ウサギ抗ヤギ抗体でコーティングしたマイクロタイタープレートへ、50μlのAZXMP-DSS-HRPトレーサーおよび50μlのポリクローナルヤギ抗AZTMPと共に移した。緩やかに攪拌しながら2時間温置後、前記プレートをPBSTで3回洗浄した。100μlのTMB試薬を加え、10分後、100μlのTMB停止液を加えた。本試験製剤は、異好性抗体を含有する一群のヒト血清を抑制することができたため、前記トレーサー希釈剤を、100mg/LウシIgG、100mg/LウサギIgGおよび0.25mg/LヤギIgGで補足した。この結果、各方法の間に有意な相関が得られた(図6)。血清の測定にはTK ELISAを使用することができる。
次に患者血清をTK ELISAおよびTK REAによってスクリーニングした。患者5人の血清において、TK REAによりTK ELISAによって有意に高い測定値が得られた。
Figure 2005533519
TK ELISAによって生じた値が、TK1活性から生じたのか、それともアッセイ中の妨害により生じたのか調べるために、サンプル1〜5を再試験した。TK反応ステップにおいて、AZTの代わりに緩衝液を用いてアッセイを行った。TK反応ステップにAZTを含めた時と同じ条件を与えるため、過酸化水素溶液を加えた後、免疫検出前に、濃いAZTを前記サンプル中に再度加えた。その結果(TK ELISA(基質なし))は表3に示している。ELISAの検出限界は、およそ1 U/Lである。サンプル1のみが11.8 U/Lの偽陽性シグナル、48.2 U/lの真の陽性シグナルを与えた。
10 U/Lの切り落とし値を用いると、5つのサンプルは全て、TK ELISAにおける試験で陽性であった。Prolofigen(登録商標)TK REAにおける試験では、5つのサンプルのうち1つだけが陽性であった。したがって、TK ELISAアッセイは、より有効な結果を与える可能性を明らかに示した。
(実施例8)
ホスファターゼ活性を阻害するためのウリジン一リン酸(UMP)の含有
患者血清におけるキナーゼ活性分析に関する潜在的な問題は、同じ血清において逆反応(脱リン酸化)を駆動させるホスファターゼ活性の存在である。ホスファターゼを阻害する1つの方法は、AZTMPがAZTへと脱リン酸化することを防ぐために、基質緩衝液中にUMPを含有させることである。
172mM HEPES、62mM NaOH、62mM MgCl2*6H2O、34mM KCl、142mMマンニトール、7.8mM ATP、12mM DTEおよび25μg/ml AZTを含有する基質緩衝液を種々の濃度のUMP、すなわち、0、0.1、1または5mM UMPを用いて調製した。
TK1標品調製物80 U/L(熱不活化ウシ胎仔血清)を9g/L脱イオン化水に希釈し、やはり、ゼロ基準濃度として用いて、各々、40、20、10.5および2.5 U/Lのさらなる標品濃度を得た。4つのヒト血清もまたアッセイした。2つの血清は、健康な血液ドナーのものであり、2つは、TK REAによってモニターされた患者のものであった。
次に、非コーティングマイクロ滴定ウェル中、50μlのTK1標品/または患者血清サンプルと共に、50μlの基質緩衝液の添加により、TK反応を実施した。
前記プレートを37℃で60分間温置した。その後、0.25%過酸化水素50μlを各ウェルに加え、室温で少なくとも5分間反応させた。
検出用に、50μlを1μg/ウェルのウサギ抗ニワトリIgY(Sigma、米国ミズーリ州)でコーティングしたプレートに移した。50μlのニワトリ抗AZTMP(EIA緩衝液中1:1000に希釈)および50μlのAZXMP-DSS-HRPトレーサー(10mM PBS、2.5% BSA、0.1g/L K3FeCN6、0.1g/Lブロモフェノールブルー、0.5%プロクリン300 pH 7.4中、1:1000に希釈)を加えた。緩やかな攪拌下、免疫反応を実施し、120分後、250μlのPBSTによってプレートを3回洗浄することによって停止させ、続いて150μlのTMB(一成分)溶液を加えた。100μlの酸性TMB停止液によってTMB反応を停止させ、450nmにおける吸光度を読み取った。
Figure 2005533519
標準曲線は、UMPの添加によって影響を受けなかったが、試験した血清のうちの2つは、1mM UMP添加後に有意により高いTK値を与えた。TK反応に関して、基質緩衝液中に1mM UMPを含有させることにより分解に対する特別な保護が提供され得ると我々は結論を下す。
(実施例9)
細胞基質TKと抗体により見られる血清TKとの違い
血清TK測定のために、ポリクローナル抗TK抗体を評価した。この構成は、固相捕捉抗体として抗TK1抗体を使用し、次に、固定化酵素の酵素反応をさせることである。前記抗体の調製は、他に記載されている(32)。前記抗体は、TK1のC末端部に位置するエピトープに結合する。したがって、TK活性は、TKに対する抗体の結合によって阻害されない。
免疫吸着チューブ(Greiner、独国)を2μgの抗体/チューブによって、200μlのコーティング体積でコーティングした。同時に、抗体の代わりにBSAをコーティングして陰性対照チューブを作製した。次に、以下のとおり試験操作を行った。抗体コーティングチューブ内で50μlの標品またはTK1含有サンプルを150μlのBSA/PB希釈液と共に37℃で2時間温置した。チューブを、2mlの9g/L NaClで3回洗浄し、続いて200μlのTK REAトレーサー(放射活性基質として、5-ヨード-(125I)-デオキシウリジンを含有)を加えて、37℃で2時間温置した。温置後、300μlの水を加えて、総体積を500μlとした。続いて、TK REAアッセイのための分離および洗浄操作を行った。簡単には、生じた5-ヨード-(I-125-)-デオキシウリジン一リン酸をセパレータタブレットに吸着させ、洗浄し、ガンマカウンターで放射活性を測定した。
ヒト動物腫瘍組織由来の細胞基質抽出物およびウシ胎仔血清中1:10 w/vに希釈した個々の癌患者の血清を、上記操作後にアッセイした。およそ360 U/LのTK1標品濃度もまた、実施例6に記載されたとおり作製し、各々0.8 U/Lおよび80 U/LのTK REA標品と共にアッセイを行った。全てのサンプルで二重に操作した。
Figure 2005533519
陰性対照として用いられたBSAコーティングチューブは、いずれのサンプルに対しても結合を示さなかった。細胞基質から得られたTK1標品物質は、TK REAに対して良好な相関を示した(TK REA値は、pAb TK1結合cpmに相関した)。細胞基質サンプル1〜2は、TK REA活性に相関して、標品と同レベルの予想された「pAB TK1」活性を示したが、前記血清は、予想よりも低い活性を示した。捕捉後に測定された活性は、特に血清サンプルに関して、一般にかなり低かった。上記の方法が用いられた場合、すなわち、捕捉用にTK1抗体を使用した場合、血清サンプルに関して得られた活性は、検出可能な信頼できるアッセイにとってはあまりにも低すぎた。より重要なことには、血清TK1と細胞基質TK1からは異なる結果が得られた。このことは、血清中TKの定量に抗体を使用する問題点を示している。TKは、血清中で大型の複合体で存在していると報告されているので、前記結果は驚くべきことではなかった。
(実施例10)
サンプル移動可能性のないアッセイフォーマット
先の実施例に述べたTKアッセイは、未コーティングマイクロウェルにおけるTK反応に基づいていた。これは、TKアッセイ緩衝液に存在するDTEがスルフヒドリル交換によって、負の干渉を行い得ると考えられるため、良好な制御を得るために行われた。コーティング抗体は、TK反応時の条件に耐えることができたため、より簡便な「直接的」アッセイを実施した。50μlの患者サンプルまたは標品を、50μlの基質緩衝液と共に二次ウサギ抗ニワトリ抗体をコーティングしたマイクロウェルに直接加えた。前記ウェルは、実施例4に記載されたとおりコーティングし、アッセイ緩衝液は、実施例4に従って調製した。TK反応は、37℃で60分間進行させた。次に、マイクロタイタープレートを室温(23℃)に置き、TK基質のターンオーバーを終結させるために、25μlの0.50%(w/w)H2O2を加えた。緩やかに攪拌しながら過酸化水素に対する5分間の反応後、50μlの一次抗体溶液(IgY抗AZTMP)および50μlのトレーサー結合体を連続的に加え、前記プレートを室温でさらに2時間温置した。前記プレートを250μlのPBSTで3回洗浄した。100μlのTMB基質を加え、15分後、100μlのTMB停止液の添加によって、発色を終結させ、450nmにおける吸光度を読み取った。先に実施例6に記載されたトレーサー用の組成物および希釈ならびに一次抗体溶液を、ヒト血清に存在し得ると考えられる異好性抗体に対する保護として一次抗体溶液のウシIgGを最終濃度25mg/Lまで加えるという変更を行って使用した。
(実施例11)
化学発光および磁気性粒子に基づくアッセイ
Byk-Sangtec Diagnostica GmbH(独国Dietzenbach)により提供されたABEI-HS-ONSと称されるイソルミノールの活性化誘導体を用いてAZXMPをイソルミノールに結合させた(図1d)。0.1Mホウ酸緩衝液pH 8.8中、25μlの0.64mg/ml AZXMPを、アセトニトリルに溶解した25μlのABEI-HS-ONSに加えることによって、結合を達成した。そのモル比は、ABEI-HS-ONS 1モル当たり、AZXMPが1.6モルであった。前記反応混合液を完全に混合してから22℃で60分放置した。RPC(逆相クロマトグラフィー)を用いて結合生成物を単離する前に、500μlのクロマトグラフィー溶出液(A=20mM KH2PO4/HCl pH 2.0)を加え、200μlのサンプルを分取RPC HR 5/5カラム(Amersham Bioscience)に注入した。15のカラム体積において、0〜100%のB(B=10:1メタノール/水)の直線勾配が、カラム上に生じた。1mlのフラクションを採取し、AZXMP-HS-ABEIフラクションに相当するピークを採取した。
2mlの13mM PBS pH 7.5を加えて、pHを6.5とした。前記調製液を凍結し、使用するまで-78℃で保存した。アリコートをPBS中10201倍希釈し、化合物によって生じた化学発光を測定した。測定は、Byk-Sangtec Diagnostica GmbH(独国Dietzenbach)の開始剤を用いて、S300発光計システム(独国Berthold)上で実施した。100μlの希釈サンプルが、107000相対発光単位を生じた。50mMリン酸緩衝液、0.5%(v/v)BSA、25mg/LウシIgG、0.09%アジドナトリウム、0.02%ツイーン20、pH 7.5を含有する、トレーサー結合体用希釈液を調製した。AZXMP-HS-ABEIの解凍後、1mlを100mlの希釈液で希釈し、およそ0.12μMの作用トレーサー溶液# GM-02-072を得た。トレーサー# GM-02-272を、そのトレーサー希釈液中、2倍希釈で連続的に希釈した。次にこれらの希釈液を、AZTMP ELISA中、サンプルとして操作し、その結果をAZTMP標準曲線から算出した。
Figure 2005533519
AZTMP-HS-ABEIは、アッセイにより、AZTMPと同じく十分に認識される。したがって、それは、化学発光アッセイにおいて、効果的なトレーサー分子として使用できる。二次抗体は容易に磁気性粒子にコーティングできる。先に記載した実施例における原理を用いて、AZTMPとTKアッセイを開発できる。
(実施例12)
細胞基質/組織抽出物の臨床的測定
非転移性乳癌を有する患者の細胞基質/組織抽出物におけるTK1濃度を測定した。TKは、アジュバント化学療法を受けている乳癌患者における独立した予後因子であるため、TK分析は、乳癌患者の個々の予後および治療を改善するかもしれない。正常な乳房組織と相対的に、乳癌においては、TK活性が著しく増大することが判明した。TK高濃度は、結節陰性の乳癌患者における重要な危険因子であり、アジュバント治療の有益な効果を伴うものと思われる。
手術前の腫瘍サンプルを得て、ドライアイス上に貯蔵した。前記組織を微粉砕し、凍結粉末を緩衝液(10mM トリス-HCl、1.5mM EDTA、5mM Na2MoO4、および1mMモノチオグリセロール、pH 7.4)に溶解した。このホモジネートを105000×gで遠心分離した。TK活性を安定化し、希釈の直線性をより良好にするために、90mM HEPES、18mM KCl、6mM ジチオトレイトール、8mM MgCl2および4mM ATPを含有する熱不活化正常ウシ血清中で、1:20に希釈した。実施例6に記載されているとおり、TKアッセイを実施した。TK濃度は、細胞基質中のmU/mg蛋白質において表わされた。
産業上の利用可能性
血清TKレベルは、癌の診断においてある役割を有していることが証明されており、無再発生存率および総生存率に関連する予後情報を提供し、いくつかの場合には、療法の選択に役立つ(17〜24)。最近の例には、慢性リンパ性白血病における疾病進行のリスクが高いサブグループを高いレベルの血清TKにより同定することがある(18)。多数の乳癌患者において、細胞基質TK1レベルが疾病進行に関する最良の予測マーカーであることがフランスの一連の研究により証明された(20〜24)。本発明による本法は、有利な様式でサンプル中のTK1活性の測定を可能にする。これらの選択的基質をリン酸化するTK1の効率の高さにより、このタイプの方法は、迅速、簡便で非常に感度がよい。その試薬と反応生成物は安定、非放射性でリスクがなく、大体積のアッセイフォーマットにおいて検出可能である。
したがって、本発明による本法は、変化した、特に上昇したTK1活性レベルを伴う疾患状態の診断のために、有利に使用できる。
したがって、本発明のさらなる態様は、
a)ヒトまたは動物の体液または細胞または組織サンプルを得るステップと、
b)本発明の方法により、チミジンキナーゼ1活性を測定するためにサンプルをアッセイするステップと、
c)チミジンキナーゼ1活性量を、ヒトまたは動物の臨床的状態と関連させるステップと
を含む、チミジンキナーゼ1活性レベルの上昇を伴うヒトまたは動物における疾患の診断および/または治療的モニタリングのためのin vitro法である。
本発明に関連した例として挙げることのできる、チミジンキナーゼ1活性レベルの上昇を伴うヒトまたは動物における疾患は、血液学的癌疾患、非ホジキンリンパ腫、慢性リンパ性白血病、多発性骨髄腫、脊髄形成異常症候群、急性骨髄性白血病、消化器系癌、前立腺癌および乳癌などの癌である。
また、本発明は、チミジンキナーゼ1活性レベルの上昇を伴うヒトまたは動物における疾患のin vitro診断および/または治療的モニタリングのためのキットに関する。このようなキットは、AZTまたはチミジンの3'誘導体を含む。本法がどのように実施されるかによって、前記キットは他の成分を含み得る。例として挙げることのできる他の成分は、AZTの5'-一リン酸またはチミジンの3'誘導体の5'-一リン酸に特異的な抗体、緩衝液、洗浄液、検出ステップに必要とされる試剤、マイクロタイタープレートである。
前記キットの全ての成分が1つの容器に一緒に包装されていることが好ましい。
[参考文献]
Figure 2005533519
Figure 2005533519
Figure 2005533519
Figure 2005533519
AZTの誘導体、AZXMP(図1a);AZXMP-DSS(図1b)およびAZXMP-DSS-HRP(図1c)の構造式を示す図である。活性化されたイソルミノール誘導体ABEI-HS-ONS(図1d)の構造式を示す図である。 抗AZTMP抗体特異性を示す図である。実施例1に従って、遊離AZTMP(左側曲線は、AZTMPを示す)またはAZT(右側曲線は、AZTを示す)と固定化ハプテンとの間の競合アッセイに関する用量応答曲線、AZXMP(図1を参照)は、ニワトリ抗AZTMP抗体の特異性を示している。Y軸:元の吸光度値(B)は、競合物の不在下(B0)で得られた値に対して標準化して(B/B0)を得る。 AZTMP ELISAの検量線を示す図である。競合的AZTMP終末点ELISAアッセイは、実施例4に記載されたとおり実施した。450nmでの平均吸光度を、AZTMPの標準濃度に対してプロットしている。4PL曲線適合は、パラメータ推定値によって得られる。 TK1活性の関数として形成されたAZTMPを示す図である。TK ELISAアッセイは、TK反応において基質(AZT)の種々の濃度を用いて実施例6に記載されたとおり実施した。用いられたTK標品は、Prolifigen(登録商標)TK REAキットの細胞基質TK1標品であった。AZTMP標品は、免疫検出ステップ時に平行して操作し、TKにより生成されたAZTMPの量をTK活性に対してプロットできた。各AZT濃度(15、20または30μg/ml)に関して1つのグラフを作図した。AZT濃度は、アッセイ用緩衝液中の濃度をさす。 TK ELISA検量線を示す図である。競合的TK終末点ELISAアッセイは、実施例6に記載されたとおり実施した。450nmでの平均吸光度(y軸)を、Prolifigen(登録商標)TK REA標品U/L値(x軸)を用いてU/L中の細胞質基質TK1活性に対してプロットしている。4PL曲線適合式は、パラメータ推定値によって得られる。 TK ELISA対Prolifigen(登録商標)TK REAの線形回帰曲線解析を示す図である。48人の患者からの血清を、実施例6および7に記載されたProlifigen(登録商標)TK REAおよびTK ELISAアッセイと平行して試験した。前記線形回帰曲線解析により、TK ELISA=0.9*(TK REA)+8.5(n=48、r=0.9)を得た。

Claims (19)

  1. ヒトまたは動物の体液または細胞または組織サンプル中のチミジンキナーゼ1活性を測定する方法であって、リン酸供与体および緩衝液系の存在下で、前記サンプルと、チミジンの3'-誘導体である、前記チミジンキナーゼ1の基質とを反応させるステップおよび形成されたチミジンの5'-リン酸化3'-誘導体の量を測定するステップを含み、当該量が前記チミジンキナーゼ1活性に関連する方法。
  2. TK1の基質が、式I
    Figure 2005533519
    の3'-デオキシチミジン誘導体であって、
    式中、Rは、限定はしないが、NH2、NHCOCH3、SC2H5、OC2H5、OBn、N3、NO2、OCOCH3、OSO2CH3およびFからなる群から選択される請求項1に記載の方法。
  3. チミジンの3'-誘導体がAZTであり、チミジンの5'-リン酸化3'-誘導体がAZTMPである請求項1および2に記載の方法。
  4. 前記形成されたチミジンの5'-リン酸化3'-誘導体の量を、形成されたチミジンの5'-リン酸化3'-誘導体と、チミジンの5'-リン酸化3'-誘導体と選択的に反応できる少なくとも1種の抗体とを反応させて免疫複合体を形成することを含む免疫学的方法により測定する請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
  5. チミジンの5'-リン酸化3'-誘導体の量を、化学発光法を用いて免疫学的方法によって測定する請求項4に記載の方法。
  6. 前記形成されたチミジンの5'-リン酸化3'-誘導体の量を、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)により測定する請求項4または5に記載の方法。
  7. 前記緩衝液が、少なくともジチオエリトリトール(DTE)、ATP、MgCl2およびHEPESまたはトリスを含み、6.5から8.0までのpHを示す請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
  8. ウリジン一リン酸(UMP)が、前記緩衝液に含まれる請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
  9. 前記基質が、少なくとも0.4μMの濃度で存在する請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
  10. 前記リン酸供与体が、0.1〜10mMの濃度で存在する請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
  11. 高いレベルのチミジンキナーゼ1活性に伴う疾患の診断のための請求項1から10のいずれか一項に記載の使用。
  12. 癌または腫瘍を診断し、癌または腫瘍の進行をモニタリングするための請求項11に記載の使用。
  13. 癌が、血液癌、乳癌、消化器系癌および前立腺癌からなる群から選択される請求項12に記載の使用。
  14. 非ホジキンリンパ腫および慢性リンパ球白血病における疾患進行のリスクの高い患者のサブグループを同定するための請求項11に記載の使用。
  15. a)ヒトまたは動物の体液または細胞または組織サンプルを得るステップ;b)請求項1から10のいずれか一項に記載の方法に従ってチミジンキナーゼ1活性を測定するためにサンプルをアッセイするステップ;およびc)チミジンキナーゼ1活性の量をヒトまたは動物の臨床状態と関連付けるステップを含む、高レベルのチミジンキナーゼ1活性を有することを特徴とするヒトまたは動物における疾患を診断および/または治療的モニタリングするためのin vitroの方法。
  16. a)チミジンの3'-誘導体;b)リン酸供与体;c)緩衝液;およびd)チミジンの5'-リン酸化3'-誘導体と選択的に反応できる少なくとも1種の抗体を含む、高レベルのチミジンキナーゼ1活性を有することを特徴とするヒトまたは動物における疾患をin vitroで診断および/または治療的モニタリングするためのキット。
  17. チミジンの3'-誘導体がAZTであり、チミジンの5'-リン酸化3'-誘導体がAZTMPである請求項16に記載のキット。
  18. さらにUMPを含む請求項16または17に記載のキット。
  19. 前記試薬を、容器内に一緒に詰める請求項16から18のいずれか一項に記載のキット。
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